JP6167773B2 - アスファルト合材付着防止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、傾斜角度の低い状態でもアスファルト合材を滑落させ易く、またアスファルト合材の付着が発生した場合でもアスファルト合材を剥離する効果が高く、水希釈液が常温ないし低温下でも安定なアスファルト合材付着防止剤に関する。
道路舗装で用いられているアスファルト合材は、接着剤であるアスファルトと、道路の基礎部分となる骨材とからなっている。アスファルト合材は、加熱された液状の状態で骨材と混合され、冷却されて固まることにより接着性を発現する。
アスファルト合材の製造工場やアスファルト合材を取り扱う道路舗装現場では、装置や機器へのアスファルト合材の付着を防止することが作業性を低下させないために重要である。特に、アスファルト合材工場内設備であるホッパー、スキップエレベータ、ベルトコンベアはアスファルト合材が傾斜面を滑り落ちる構造となっており、アスファルト合材が滑落せず残存すると傾斜面に付着し、他のアスファルト合材がこの付着部に徐々に堆積して詰まり等の原因となるので、作業効率が大幅に低下する。また、アスファルト合材を積載するダンプトラックの荷台においても、同様の問題が生じることがある。そこで、これらホッパー、スキップエレベータ、ベルトコンベア、荷台等にはアスファルト合材の付着および堆積を防ぐために、付着防止効果および剥離効果を有するアスファルト合材付着防止剤を散布や塗布する必要がある。
従来、ホッパー、スキップエレベータ、ベルトコンベア等に付着したアスファルト合材の剥離には、軽油、重油等の鉱物油を、タンクからパイプラインを通じて、ホッパー、スキップエレベータ、ベルトコンベア等に、合材の接触するタイミングに合わせ、自動制御で定期的に散布を行っていた。
しかしながら、軽油、重油等の鉱物油を使用する方法では、噴霧された軽油、重油等が流出することによって、周囲環境への悪影響が懸念されていた。そのため、軽油、重油等の鉱物油と同等以上の性能でこれらの代替として使用できる付着防止剤として、水で希釈して使用するアスファルト合材付着防止剤が数多く報告されている。
特許文献1では、動植物油脂、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを水で希釈し、乳化させたエマルション型のアスファルト混合物付着防止剤組成物が報告されている。しかし、この組成物では、良好な効果を得るために動植物油脂が多く配合されており、水希釈後にタンク内で経時で油水分離が生じてタンク内で濃度勾配が生じるので、安定した付着防止効果および剥離効果が得られないという問題があった。
特許文献2では、テルペン系化合物と、グリコール類、アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アミンのアルキレンオキサイド付加物、及びそれらのエステル化物、並びに多価アルコール脂肪酸エステル類である非イオン型界面活性剤と、アニオン型界面活性剤とを用いたエマルション型のアスファルト合材付着防止剤が報告されている。しかし、この付着防止剤でも、良好な効果を得るためにテルペン系化合物が多く配合されており、水希釈後の安定性が十分でなく、安定した付着防止効果および剥離効果を得るまでには到っていない。
経時で油水分離するという問題を解決する手段として、油性成分を含まず、水と親和性の高い基材を使用する方法が提案されている。例えば、特許文献3では、ポリオキシアルキレングリコール誘導体を用いた付着防止剤が報告されている。この付着防止剤は、水希釈後の安定性が良好であり、安定した付着防止効果が得られるものの、剥離効果について十分ではなく、特にアスファルト合材が付着し易いホッパーやスキップエレベータ等のプラント設備で使用するのには効果の点で不十分であった。
特許文献4では、2種類のポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、流動パラフィンを用いたアスファルト合材付着防止剤が報告されている。この付着防止剤は、付着防止効果および剥離効果に優れるものの、アスファルト合材の滑落には十分な傾斜角度が必要であり、ホッパーやスキップエレベータ等の形状によってはアスファルト合材の堆積が発生することがあり、付着防止効果の点で改善の余地があった。
したがって現状では、傾斜角度の低い状態でもアスファルト合材を滑落させ易く、またアスファルト合材の付着が発生した場合でもアスファルト合材を剥離する効果が高く、水希釈液が常温ないし低温下でも安定なアスファルト合材付着防止剤は得られていない。
国際公開第2003/035809号 特開2006−182859号公報 特開平8−127761号公報 特開2013−087164号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、その目的は、傾斜角度が低い状態でもアスファルト合材を滑落させ易く、またアスファルト合材の付着が発生した場合でもアスファルト合材を剥離する効果が高く、水希釈液が常温ないし低温下でも安定なアスファルト合材付着防止剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、2種類のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、所定分子量の炭化水素油またはモノエステル油のそれぞれを特定の割合で含有するアスファルト合材付着防止剤が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(A)、式(2)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(B)、分子量が100〜600である炭化水素油またはモノエステル油(C)を含有し、(A)の質量比が30〜70質量%、(B)の質量比が25〜58質量%、(C)の質量比が5〜12質量%であるアスファルト合材付着防止剤である。
O-(EO)m(PO)n‐H ・・・(1)
(式中、Rは炭素数が1〜4の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、m+nは4〜20である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は40〜100質量%である。)
O-(EO)k(PO)l‐H ・・・(2)
(式中、Rは分岐を有する炭素数が8〜18の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、kはオキシエチレン基の平均付加モル数、lはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、k+lは5〜25である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は70〜100質量%である。)
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、ホッパー、スキップエレベータ、ベルトコンベア等のプラント設備上のアスファルト合材、またはダンプトラック等の荷台上のアスファルト合材を傾斜角度の低い状態でも滑落させ易くすることができる。また、アスファルト合材の付着が発生した場合でもアスファルト合材を容易に剥離することができる。さらに、水で希釈後も常温ないし低温下で分離し難いので、水で希釈し常温ないし低温下で保存した後も付着防止効果および剥離効果を経時的に安定して発揮できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のアスファルト合材付着防止剤は、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する。なお、(A)成分、(B)成分および(C)成分の各質量比の合計は100質量%である。まず、(A)成分について説明する。
〔(A)成分〕
本発明で用いられる(A)成分は、下記の式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルである。
O-(EO)m(PO)n‐H ・・・(1)
式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルにおいて、Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、好ましくはn−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基である。
EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数である。両平均付加モル数の総和(m+n)は4〜20であり、好ましくは7〜12である。
m+nが4未満であると、プラント設備の傾斜面やダンプトラックの荷台からアスファルト合材が滑り出す角度(以下、滑り出し角度ともいう。)が高くなるおそれがある。またm+nが20を超えると、滑り出し角度が高くなるおそれがあるとともに、良好な剥離効果が得られ難くなるおそれがある。好ましくは、mは4〜20、nは2〜12である。
EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は40〜100質量%であり、好ましくは40〜60質量%である。EO含有量の割合が40質量%未満であると、水希釈後の安定性が低下するおそれがある。
EOとPOの配列順序は、EOとPOがブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよいが、ランダムの方が好ましい。
式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(A)は、公知の方法で製造することができ、例えば、炭素数1〜4の一価アルコールに所定量のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合することによって得られる。
なお、一価アルコールにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合する段階においては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとがランダム状に重合していても、ブロック状に重合していてもよい。また、オキシエチレン基(EO)やオキシプロピレン基(PO)の各平均付加モル数、EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの各使用量を調整することによって、適宜設定することができる。
本発明のアスファルト合材付着防止剤における(A)成分の含有率は、30〜70質量%であり、好ましくは40〜50質量%である。30質量%未満であると、滑り出し角度が高くなるおそれがあり、70質量%を超えると良好な剥離効果が得られ難くなるおそれがある。
〔(B)成分〕
本発明で用いられる(B)成分は、下記の式(2)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルである。
O-(EO)k(PO)l‐H ・・・(2)
式中、Rは分岐を有する炭素数が8〜18の炭化水素基であり、好ましくは炭素数が10〜12の炭化水素基である。炭素数が8未満であると、良好な剥離効果および水希釈液の良好な安定性が得られ難くなるおそれがあり、炭素数が18を超えると、水希釈液の良好な安定性が得られ難くなるおそれがある。また、Rが直鎖の炭化水素基であると、良好な剥離効果が得られ難くなるおそれがあり、水希釈液の低温下における良好な安定性が得られ難くなるおそれがある。
分岐を有する炭素数が8〜18の炭化水素基としては、例えば、2−エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、イソデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソヘキサデシル基、イソオクタデシル基等が挙げられる。好ましくはイソデシル基である。
EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。kはオキシエチレン基の平均付加モル数、lはオキシプロピレン基の平均付加モル数である。両平均付加モル数の総和(k+l)は5〜25であり、好ましくは6〜10である。
k+lが5未満であると、滑り出し角度が高くなるおそれがあり、また良好な水希釈後の安定性が得られ難くなるおそれがある。またk+lが25を超えると、滑り出し角度が高くなるおそれがあり、また良好な剥離効果が得られ難くなるおそれがある。好ましくは、kは5〜25、lは0〜7である。
EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は70〜100質量%であり、好ましくは90〜100質量%である。EO含有量の割合が70質量%未満であると、水希釈後の良好な安定性が得られ難くなるおそれがある。
EOとPOの配列順序は、EOとPOがブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよいが、ブロックの方が好ましい。
式(2)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(B)は、公知の方法により製造することができ、例えば、分岐を有する炭素数が8〜18の一価のアルコールに、所定量のエチレンオキサイドおよびプロピレンオキシドを付加重合することによって得られる。
なお、一価アルコールにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合する段階においては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとがランダム状に重合していても、ブロック状に重合していてもよい。また、オキシエチレン基(EO)やオキシプロピレン基(PO)の各平均付加モル数、EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの各使用量を調整することによって、適宜設定することができる。
本発明のアスファルト合材付着防止剤における(B)成分の含有率は、25〜58質量%であり、好ましくは40〜55質量%である。25質量%未満であると、水希釈液の良好な安定性が得られ難くなるおそれがあり、58質量%を超えると、滑り出し角度が高くなるおそれがある。
〔(C)成分〕
本発明で用いられる(C)成分は、分子量が100〜600の炭化水素油または分子量が100〜600のモノエステル油である。分子量は200〜400であることが好ましく、特に分子量が200〜400のモノエステル油が好ましい。
なお、本発明において炭化水素油の分子量は数平均分子量を表し、炭化水素油の数平均分子量は、例えば、テトラヒドロフランを展開溶媒とするゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算で求めることができる。
また、モノエステル油の分子量は、例えば、JIS K 0070のエステル価の試験方法に従って測定することができる。
炭化水素油の具体例としては、スピンドル油留分を硫酸洗浄で精製した炭化水素油や、ポリイソブテン等が挙げられ、好ましくはポリイソブテンである。
モノエステル油は、一価の脂肪酸と一価のアルコールとの脱水縮合で得られるエステル油であり、具体的には、ドデカン酸メチル、テトラデカン酸イソプロピル、ヘキサデカン酸2−エチルヘキシル、オクタデセン酸メチル、オクタデセン酸エチル、オクタデセン酸ブチル、オクタデセン酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、好ましくはオクタデセン酸2−エチルヘキシルである。
これらの炭化水素油およびモノエステル油のうちから1種または2種以上を選択して用いることができる。
本発明のアスファルト合材付着防止剤における(C)成分の含有率は、5〜12質量%であり、好ましくは7〜10質量%である。5質量%未満であると、良好な剥離効果が得られ難くなるおそれがあり、12質量%を超えると、水希釈液の良好な安定性が得られ難くなるおそれがある。
本発明のアスファルト合材付着防止剤において(B)成分と(C)成分の各含有量の総和に対する(A)成分の含有量の質量比〔A:(B+C)〕は、滑り出し角度および剥離効果の面から、好ましくは3:7〜7:3、さらに好ましくは4:6〜5:5である。
本発明のアスファルト合材付着防止剤において、(A)成分、(B)成分および(C)成分を有効成分として所定量含有させることによって、傾斜角度が低い状態でのアスファルト合材の滑落や剥離効果を達成することができる理由は、必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、(A)成分、(B)成分および(C)成分を所定量混合したアスファルト合材付着防止剤は、工場内設備の傾斜面やダンプトラックの荷台等の金属表面のみならず、アスファルト合材の表面ともなじみがよい。したがって、本発明の付着防止剤は、金属表面やアスファルト合材の表面を速やかに被覆し、金属表面とアスファルト合材の表面との間に液膜を形成することができる。これにより、アスファルト合材を取り扱う150℃程度の高温でも液膜を保持し、かつ適度な粘性を有して良好な滑り性を発現すると推察される。また本発明のアスファルト合材付着防止剤は、液膜の形成と同時に、付着を形成したアスファルトに適度に浸透し、アスファルトを一部軟化させることから剥離効果を発現していると推察される。
〔アスファルト合材付着防止剤〕
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、通常、水で希釈して使用する。希釈倍率は原液に対して3〜100質量倍、好ましくは5〜50質量倍である。但し、場合によっては本発明のアスファルト合材付着防止剤を原液で使用しても良い。
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、ホッパー、スキップエレベータ等の合材工場内設備で主に使用されるが、運搬に使用されるダンプトラックの荷台、舗装機器であるフィニッシャー、マカダムローラー、タイヤローラー等に使用してもよい。本発明のアスファルト合材付着防止剤は、ペットボトル等の容器を使用して散布するか、あるいはスプレー等により噴霧して使用することができる。
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、添加剤を含有し得る。かかる添加剤としては、例えば、有機または無機塩類、pH調整剤、殺菌剤、キレート剤、色素、香料などが挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〜7、比較例1〜7〕
表1、2に示す各成分を表2に示す質量比で混合して、アスファルト合材付着防止剤を調製した。得られた各アスファルト合材付着防止剤について下記の試験を行なった。全ての試験において「◎」および「○」の評価のものを合格とした。
なお、A1〜A4については式(1)中の記号等の説明を、B1〜B3については式(2)中の記号等の説明を表1に示す。また、表2に記載の炭化水素油の数平均分子量は、テトラヒドロフランを展開溶媒とするGPC測定により、ポリスチレン換算で求めた値であり、モノエステル油の分子量は、JIS K 0070のエステル価の試験方法に従って測定して得られた値である。
Figure 0006167773
(1)アスファルト合材滑り試験
200mlビーカー中にて、各アスファルト合材付着防止剤を10ml秤量し、90mlの水で10倍に希釈し、スターラーチップを用いて25℃で10分間攪拌した。その後、希釈液を100mlスクリュー管に50ml入れて、吸い込みノズルがスクリュー管の底部に届くようスプレー噴射口を取り付けた。
上記の希釈液1gをSS400鋼板(寸法80cm×50cm)に噴霧した後、その噴霧した面に、150℃に加熱したストレートアスファルト合材(密粒度アスファルト合材、ストレートアスファルト:6質量%、ストレートアスファルト針入度60〜80:JIS K 2207)500gを積載して放置し、80℃になった時点で鉄板を傾斜させ、アスファルト合材が滑り出す角度(滑り出し角度)を測定した。
アスファルト合材付着防止剤の希釈液は、希釈液調製直後の液と、25℃で1週間静置した後の液とを用いて、各々の試験を行った。付着防止性の評価は、下記の評価基準に従い行なった。
(評価基準)
◎:40°以下で全て滑り出して落下する。
○:40°より大きく50°以下で全て滑り出して落下する。
△:50より大きく80°以下で全て滑り出して落下する。
×:80°より大きい角度で全て滑り出して落下する、あるいは80°より大きい角度でも滑り出さない。
(2)剥離効果試験
150℃に加熱したストレートアスファルト合材(密粒度アスファルト合材、ストレートアスファルト:6質量%、ストレートアスファルト針入度:60〜80:JIS K−2207)を20cm×15cmのSS400鋼材に1kg乗せて10分間常温で放置し、アスファルト合材が1kg付着した鋼材を作成した。
また1000mlビーカー中にて、各アスファルト合材付着防止剤を100ml秤量し、900mlの水で10倍に希釈しスターラーチップを用いて25℃で10分間攪拌した。その後、アスファルト合材が付着した鋼材を、各アスファルト合材付着防止剤を水で10倍に希釈した直後の液、および水で10倍に希釈した後、25℃で1週間静置しておいた液に、アスファルト合材が完全に浸漬するように鋼材を浸漬させ、70℃で30分間静置した。液から鋼材を取り出し、鋼材を70度の角度に傾斜させ、ストレートアスファルト合材を落とした。鋼材に付着しているアスファルト合材を計量した。剥離性の評価は、下記の評価基準に従い行なった。
(評価基準)
◎:付着量が2g未満である。
○:付着量が2g以上5g未満である。
×:付着量が5g以上である。
(3)水希釈時の安定性試験
上記(1)アスファルト合材滑り試験と同様に調製した各アスファルト合材の10倍希釈液を、100mlスクリュー管に50ml入れて、−5℃の恒温槽、および25℃の恒温槽にそれぞれ1週間静置した後、次の3段階の基準で外観を評価した。
(評価基準)
◎:均一かつ透明で、分離は見られない。
○:わずかに白濁しているものの、分離は見られない。
×:分離が見られる。
Figure 0006167773
本発明に係る実施例1〜7のアスファルト合材付着防止剤は、アスファルト合材の滑り出し角度を低くすることができ滑り出し性が良好であるとともに、剥離効果や水希釈後の安定性も良好であった。
一方、(A)成分を含有せず、(B)成分の代わりに多価アルコールに直鎖のアシル基とポリオキシエチレンが付加したポリオキシエチレン(30モル)テトラオレイン酸ソルビット(B‘)を含有し、さらに(C)成分の代わりにトリグリセライドである大豆油およびパーム油(C’)を含有する付着防止剤(比較例1)では、調製直後には良好な剥離効果、良好な滑り出し性が得られるものの、一週間後は良好な剥離効果、良好な滑り出し性が得られず、また水希釈後の良好な安定性も得られなかった。
(A)成分を含有せず、(B)成分の代わりに直鎖の炭化水素基であるポリオキシエチレン(7モル)ドデシルエーテル(B’)を含有し、さらに(C)成分の代わりにテルペン系化合物であるd−リモネン(C‘)を含有する付着防止剤(比較例2)では、調製直後は良好な剥離効果、良好な滑り出し性が得られるものの、一週間後は良好な剥離効果、良好な滑り出し性が得られず、また水希釈後の良好な安定性が得られなかった。
(B)成分、(C)成分を含有せず、ポリオキシエチレン(9モル)ポリオキシプロピレン(10モル)モノブチルエーテル(A4)のみを含有する付着防止剤(比較例3)では、水希釈後の良好な安定性が得られるものの、良好な滑り出し性、良好な剥離効果が得られなかった。
(A)成分の代わりに水酸基がメチルエーテルで封鎖されたポリオキシエチレン(2モル)ポリオキシプロピレン(1モル)ジメチルエーテル(A‘)、ポリオキシエチレン(6モル)イソデシルエーテル(B1)、ポリイソブテン(C)を含有する付着防止剤(比較例4)では、良好な剥離効果、水希釈後の良好な安定性が得られるものの、良好な滑り出し性が得られなかった。
(A)成分を含有せず、ポリオキシチレン(8)2−エチルヘキシルエーテル(B2)、テトラデカン酸イソプロピル(C)を含有する(比較例5)では、良好な剥離効果、水希釈後の良好な安定性が得られるものの、良好な滑り出し性が得られなかった。
ポリオキシエチレン(9)メチルエーテル(A1)、ポリオキシチレン(8)2−エチルヘキシルエーテル(B2)を含有する付着防止剤(比較例6)では、良好な滑り出し性は得られるものの、良好な剥離効果が得られなかった。
(B)成分を含有せず、ポリオキシエチレン(9)メチルエーテル(A1)、テトラデカン酸イソプロピル(C)を含有する付着防止剤(比較例7)では、良好な滑り出し性、剥離効果、水希釈後の安定性が得られなかった。

Claims (1)

  1. 式(1)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(A)、式(2)で示されるポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル(B)、分子量が100〜600である炭化水素油またはモノエステル油(C)を含有し、(A)の質量比が30〜70質量%、(B)の質量比が25〜58質量%、(C)の質量比が5〜12質量%であるアスファルト合材付着防止剤。
    O-(EO)m(PO)n‐H ・・・(1)
    (式中、Rは炭素数が1〜4の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、m+nは4〜20である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は40〜100質量%である。)
    O-(EO)k(PO)l‐H ・・・(2)
    (式中、Rは分岐を有する炭素数が8〜18の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、kはオキシエチレン基の平均付加モル数、lはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、k+lは5〜25である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は70〜100質量%である。)
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