(遊技テーブルシステム1:概要)
本発明の遊技テーブルシステム1は、遊技者がベットする際に遊技テーブル2に配置した遊技媒体の増減を監視することが可能に構成されている。また、遊技テーブルシステム1は、遊技テーブル2において複数あるベット領域の何れの有価価値を取得するかを指定可能に構成されている。また、遊技テーブルシステム1は、遊技テーブル2のベット領域で、遊技者に対して支払う遊技媒体の検出を行うことが可能に構成されている。また、遊技テーブルシステム1は、遊技テーブル2上の1つの領域で、両替における遊技者からの遊技媒体と遊技者へ渡す遊技媒体とについて、有価価値の比較を行うことが可能に構成されている。
図1に示すように、本実施形態の遊技テーブルシステム1は、サーバ100とデータ通信可能に接続されている。後に詳述するが、遊技テーブルシステム1は、遊技結果、遊技者へ支払った支払額、及び、遊技者から回収した回収額等をサーバ100へ逐次送信するように構成されている。これにより、サーバ100において、遊技テーブルシステム1の収支情報を確認することが可能となる。図示しないが、サーバ100には、複数の遊技テーブルシステム1が接続可能である。
このような遊技テーブルシステム1は、具体的に、図1及び図2に示すように、遊技テーブル2と、制御部3と、ディーラーからの入力を受け付けるタッチパネル41を有したディーラーディスプレイ4と、カードシュー5と、共通ディスプレイ6と、を有している。制御部3は、遊技テーブル2に設けられていてもよいし、遊技テーブル2とは別に設けられていてもよい。カードシュー5は、カードを順次取り出し可能に構成されていると共に、遊技結果を決定可能にされている。即ち、ディーラーは、カードシュー5からカードを取り出すことにより遊技を進行させる。
カードシュー5は、スキャナを有しており、ディーラーが遊技者にカードを配るためにカードシューからカードを取り出すときに、スキャナによってカードの画像を読み取る。カードシュー5は、スキャナによって読み取ったカードの画像について、画像認識処理などの処理を実行することにより、カードの数値やスートの種類を示すマークや絵柄などのカードの内容を特定する。カードシュー5は、特定したカードの内容を、制御部3へ送信する。
尚、本実地形態では、遊技としてバカラを例示する。バカラは、ディーラーによって順次取り出されるカードに基づき、遊技の進行および結果が一意に決定される。従って、制御部3は、カードシュー5が特定したカードの内容に基づいて遊技結果を決定することが可能である。尚、カードシュー5自体が遊技結果を決定し、その遊技結果を制御部3へ送信するものであってもよい。
制御部3は、遊技結果や、遊技に基づく各遊技者の勝敗を、共通ディスプレイ6に表示する。尚、遊技は、バカラに限定されない。また、遊技テーブルシステム1は、遊技者やディーラーの選択により遊技の進行や結果が可変であるような遊技である場合には、遊技の進行内容や遊技の結果を読み取る構成、または、遊技の進行内容や遊技の結果を入力する構成を有していてもよい。
図2に示すように、遊技テーブル2は、天板が略半円形状に形成されている。天板の円弧側に遊技者が並んで位置する。天板の円弧側と反対側には、四角形状の切欠が形成されている。ディーラーは、この切欠箇所に位置して遊技を進行させる。遊技テーブル2の天板には、薄板状で略扇状の遊技媒体配置領域としての遊技ボード21が着脱可能に設けられている。遊技は、遊技ボード200上において進行される。即ち、遊技ボード200には、ディーラーがカードシュー5から取り出したカードが配置され、遊技者によりベットされる遊技媒体が配置される。また、遊技テーブル2の上面には、ディーラーディスプレイ4と、カードシュー5と、共通ディスプレイ6とが配置される。また、図示しないが、制御部3が遊技テーブル2の外部から視認不可な位置に搭載されている。制御部3は、ディーラーディスプレイ4と、カードシュー5と、共通ディスプレイ6と通信可能にされている。
尚、以降の説明において、天板の円弧側を遊技テーブル2の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、前側から見て右側及び左側を遊技テーブル2の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する場合がある。また、前側及び後側を含む方向を前後方向と称し、右側及び左側を含む方向を左右方向と称する場合がある。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する場合がある。
図1に示すように、遊技テーブル2は、遊技媒体が配置される遊技ボード21と、遊技ボード21上に配置された遊技媒体の有価価値を無線通信により読み取るアンテナ部22とを有している。アンテナ部22は、遊技ボード21の下方に配置されている。
図1及び図3に示すように、遊技ボード21は、遊技者がベットする際に遊技媒体を配置するための複数のベット領域210を有している。ベット領域210の数は、遊技テーブル2に着席可能な遊技者数に一致する。即ち、遊技者毎に、1つのベット領域210を用いる。本実施形態では、ベット領域210の数は、5つであるがこれに限定されない。ベット領域210について、左側から順にベット領域211・212・213・214・215とする。
各ベット領域210には、遊技者がベットする遊技媒体が配置される。本実施形態の遊技はバカラであり、各ベット領域210は、それぞれ、バンカー領域2101とプレイヤー領域2102とを有している。遊技者は、バンカー側の勝利(以下単にバンカーとも称す)にベットする場合には所望のベット額に対応する遊技媒体をバンカー領域2101に配置する。また、遊技者は、プレイヤー側の勝利(以下単にプレイヤーとも称す)にベットする場合には所望のベット額に対応する遊技媒体をプレイヤー領域2102に配置する。以下、遊技に参加する遊技者と、ベット対象となるプレイヤーとを区別するために、遊技に参加する遊技者を参加者と称す。
また、各ベット領域210は、サイドベットに用いるバンカーペア領域2103と、タイ領域2104と、プレイヤーペア領域2105と、を有している。参加者は、バンカー側が勝利し、かつ手札がペアであること(以下バンカーペアとも称す)にベットする場合には所望のベット額に対応する遊技媒体をバンカーペア領域2103に配置する。また、参加者は、引き分けにベットする場合には所望のベット額に対応する遊技媒体をタイ領域2104に配置する。参加者は、プレイヤー側が勝利し、かつ手札がペア(以下プレイヤーペアとも称す)であることにベットする場合には所望のベット額に対応する遊技媒体をプレイヤーペア領域2105に配置する。
このように、ベット領域210に設けられた各領域2101〜2105がベット対象を示すことになる。以下、ベット領域210に設けられた各領域2101〜2105をベット対象領域2100とも称す。また、遊技ボード21は、ディーラーが支払いや両替等で用いるディーラー領域2106と、ディーラーがコミッションの受け取りで使用可能なコミッション領域2107とを有している。
図1〜図3には図示しないが、アンテナ部22は、上述した遊技ボード21が有する複数の各領域2101〜2105ごとに設けられたアンテナを有している。これにより、各領域2101〜2105ごとの遊技媒体の有価価値の読み取りを可能にしている。
図1に示すように、制御部3は、スキャン処理実行部31と、決定部32と、メモリ33とを有している。スキャン処理実行部31は、アンテナ部22を制御して遊技ボード21の各領域ごとの遊技媒体が示す有価価値の合計を取得するスキャン処理を実行する。スキャン処理実行部31は、スキャン処理実行タイミングや何れのアンテナ部22が有する何れのアンテナを駆動させるかを指定可能にされている。メモリ33は、各種プログラムやデータ、アンテナ部22を介して取得した遊技媒体の情報等が格納される。
決定部32は、以下の種々の機能を有している。具体的に、決定部32は、遊技媒体監視部321と、ベット領域指定部322と、支払設定部323と、両替機能部324と、を有している。
具体的に、遊技媒体監視部321は、ベットの確定タイミングにおいてスキャン処理を実行して第1のベット額を確定可能な機能を有している。第1のベット額は、ベットの確定タイミングにおいてベット領域210に配置されている1以上の遊技媒体が示す有価価値である。即ち、参加者が勝利した場合には、第1のベット額に基づいて支払い額が決定される。また、参加者が敗北した場合には、第1のベット額が回収される。また、決定部32は、ベットの確定タイミングより後の所定のタイミングにおいて、スキャン処理実行部31に再度スキャン処理を実行させて第2のベット額を確定する機能を有している。即ち、参加者等により、ベット領域210の遊技媒体に変更されていない場合には、第1のベット額と第2のベット額とが一致することになる。また、遊技媒体監視部321は、確定した第2のベット額が第1のベット額と異なる場合にはこれらが一致するまで、スキャン処理実行部31にスキャン処理の繰り返しを要求する機能を有している。
このように、ベットの確定タイミング以降において、第1のベット額に対して第2のベット額が異なる場合、第1のベット額と第2のベット額とが一致するまでスキャン処理が繰り返される。これにより、確定したベット額と遊技テーブル2のベット領域210に配置された遊技媒体とに差異が生じたことを検出すると共に、遊技テーブルのベット領域210に配置された遊技媒体が確定したベット額に戻されたことを検出することができ、遊技テーブル2のベット領域210に配置された遊技媒体に変化が生じたまま、遊技が進行されるのを防止することが可能となる。
また、遊技媒体監視部321は、第1のベット額と、第2のベット額とに差異が生じている場合には、ディーラーディスプレイ4に、その異なる内容を表示させる機能を有している。これにより、ディーラーは、ベット領域210上の遊技媒体がどのように変化されたことが理解できるため、ベット領域210において遊技媒体を確定したベット額に容易に戻すことができる。
また、遊技媒体監視部321は、ベットの確定タイミングを、タッチパネル41へのディーラーからの入力に基づいて決定する機能を有している。これにより、ディーラーは、ベットの確定タイミングを入力により設定可能であるため、ベット期間を所望に設定することができる。また、遊技媒体監視部321は、スキャン処理の繰り返しを中止する機能を有している。スキャン処理の繰り返しの中止は、タッチパネル41へのディーラーからの入力に基づいて実行される。これにより、第1のベット額と、第2のベット額との差異を解消することのできない事情がある等の場合には、ベット自体をキャンセルすることができる。また、遊技媒体監視部321は、カードシュー5から遊技の結果を取得するまで、スキャン処理を実行して第2のベット額を確定する処理を繰り返す。これにより、制御部3は、遊技の結果が出るまで遊技テーブルのベット領域上の遊技媒体を監視することができる。
ベット領域指定部322は、スキャン処理実行部31に対して、スキャン処理を実行させるアンテナを指定する機能を有している。ベット領域指定部322がアンテナ部22が有する複数のアンテナのうち何れを指定するかは、タッチパネル41への入力に基づき決定される。具体的に、ディーラーディスプレイ4には、複数のベット領域210ごとに有価価値の合計が選択可能に表示される。タッチパネル41により、参加者を示す複数のベット領域210のうち何れかを選択することによって、何れのアンテナを指定するのかを入力することができる。これにより、ディーラーディスプレイ4には参加者毎のベット額が表示され、タッチパネル41により参加者を指定することによりスキャン処理が再実行される。これにより、ディーラーは有価価値を再度読み込ませたいベット領域210を容易に指定することができる。その結果、ディーラーの負担を軽減することができる。
また、ベット領域指定部322は、カードシュー5からの遊技の結果と、参加者のベットとに基づき、複数のベット領域のうち支払いのあるベット領域210を決定する機能を有する。また、ベット領域指定部322は、支払いのあるベット領域210が複数存在する場合、タッチパネル41への入力に基づき、当該複数のベット領域210のうち1を決定し、当該ベット領域の支払額を前記ディスプレイに表示する機能を有する。これにより、タッチパネル41により支払いの順を決定することができる。これにより、ディーラーは容易に所望の順での支払い動作を、支払額を確認しながら行うことが可能となる。
また、ベット領域指定部322は、遊技の結果と参加者のベットとに基づき、回収すべき遊技媒体が配置されたベット領域210を前記ディスプレイに示す機能を有する。これにより、ディーラーは回収する遊技媒体が配置されるベット領域210を容易に見分けることができ、人為的なミスをより防止することができる。
また、支払設定部323は、遊技の結果、支払いがあるベット対象に対応するベット対象領域を加算領域に設定し、支払いがない前記ベット対象に対応するベット対象領域を減算領域に設定する機能を有する。また、支払設定部323は、加算領域にある遊技媒体の有価価値の合計から、減算領域にある遊技媒体の有価価値の合計を引いた値が、支払額に一致するまで、スキャン処理実行部31にスキャン処理を繰り返すように要求する機能を有する。ここで、加算領域は、参加者に支払う遊技媒体を配置する領域である。減算領域は、参加者から徴収する遊技媒体を配置する領域である。
本実施形態では、ベット領域に、加算領域と、減算領域とが設定されるため、ディーラーは、ベットに用いられた遊技媒体をその状態のまま、追加の支払いの遊技媒体のみを支払いのあるベット対象領域に配置することで支払いを行うことができる。さらに、ディーラーは、支払いの際のハウスエッジを参加者に支払いのないベット対象領域へ配置させることで容易に徴収することができる。これらの結果、ディーラーは、支払い時の参加者との遊技媒体のやり取りをスムーズに行うことができ、遊技媒体が正常にやり取りされたかを容易に確認することができる。
例えば、一般的に、参加者がバカラにおいてバンカーで勝利した場合、遊技施設側のハウスエッジとして参加者からコミッションを徴収する。コミッションは、支払額の5%に設定される。参加者がバンカーにベットして勝利した場合には、配当を受け取る代わりにコミッションとして配当の5%をディーラーへ渡す必要がある。即ち、配当からコミッションを減算した額が、参加者へ支払う額となる。このような際に、ディーラーは、バンカー領域2101に追加の遊技媒体を配置するだけでよく、参加者はコミッションに対応する遊技媒体をプレイヤー領域2102に配置するだけで良い。このように、本実施形態では、遊技の結果として、バンカーが勝利した場合に、バンカー領域2101が加算領域に設定され、プレイヤー領域2102が減算領域に設定される。これにより、バカラにおけるバンカー勝利時に発生するコミッションを支払う際に、プレイヤー領域2102に遊技媒体を配置することで、容易に支払うことが可能となる。
尚、本実施形態では、ディーラー領域2106が加算領域として利用でき、コミッション領域2107が減算領域として利用できる。従って、バンカー領域2101に、支払額の全ての遊技媒体を配置できない場合や、参加者がコミッションをディーラーへ直接渡してしまった場合等にこれらを利用でき、遊技の運用の自由度が高まる。
また、両替機能部324は、ディーラー領域2106に配置されている第1の遊技媒体の有価価値の合計を決定する機能を有している。また、両替機能部324は、所定のタイミングの後、ディーラー領域2106に配置されている第1の遊技媒体を除く第2の前記遊技媒体の合計を決定して、第1の遊技媒体と第2の前記遊技媒体とが一致するか否かを判定し、判定結果をディーラーディスプレイ4に表示する機能を有している。
このように、ディーラー領域2106という同じ遊技ボード21において、第1の遊技媒体が示す有価価値を読み取った後、第1の遊技媒体を除外した第2の遊技媒体が示す有価価値を読み取り、これらが一致する否かを表示することができる。これにより、一般的に遊技テーブルシステム1を管理するディーラーは、参加者からの第1の遊技媒体の有価価値に対応する第2の遊技媒体を容易に提示することができ、参加者との遊技媒体の両替における誤りを容易に防止することができる。また、ディーラーは、参加者からの第1の遊技媒体を遊技媒体配置領域に置いた状態のまま、第1の遊技媒体と第2の遊技媒体とが示す有価価値が同じであるか否かを確認できる。その結果、ディーラーによる遊技媒体の移動操作を軽減し、誤りを防止することができる。
また、両替機能部324は、ディーラーディスプレイ4に、第1の遊技媒体が示す合計金額及び合計枚数を表示し、第2の遊技媒体が示す合計金額及び合計枚数を表示する機能を有している。これにより、実際に配置されている遊技媒体の枚数と、読み取った遊技媒体の枚数とを金額と合わせて確認することができるため、人為的なミスをより防止することができる。
また、両替機能部324は、第1の遊技媒体として、通貨に交換可能な兌換遊技媒体のみを許容し、第2の遊技媒体として、通貨に交換不能な不換遊技媒体のみを許容するモードを有している。これにより、ディーラーは、所謂ローリングに伴う、通貨に交換可能な兌換遊技媒体から通貨に交換不能な不換遊技媒体への交換動作、を行うにあたって、交換元に対応する遊技媒体の金種、及び、交換先に対応する遊技媒体の金種、を容易に選別することができ、人為的なミスを防止することができる。
ここで、遊技媒体の種類(属性)としては、メダルやトークン、プラーク等の兌換遊技媒体や不換遊技媒体が存在し、通貨情報やゲームポイントの遊技価値を電子データや外面形態で有し、この遊技価値を外部から読み取り可能にされた構成が該当する。尚、外面形態とは、色や模様、文字、画像、形状等の外部から識別可能な形態である。また、兌換遊技媒体とは、カジノ等の遊技場において遊技に用いることが出来ると共に、直接通貨に交換可能な遊技媒体を示す。兌換遊技媒体としては、例えば、ネゴティアブルプラーク(negotiable plaque)がある。また、不換遊技媒体とは、カジノ等の遊技場において遊技に用いることが出来るが、直接通貨に交換不可能な遊技媒体を示す。不換遊技媒体としては、例えば、ノンネゴティアブルプラーク(non-negotiable plaque)がある。例えば、遊技媒体の属性としては、『キャッシュ』、『ジャンケットキャッシュ』、『ジャンケットNN(non-negotiable)』、『プレミアムキャッシュ』、『プレミアムNN(non-negotiable)』等が挙げられる。ここで、『キャッシュ』は遊技場側が参加者に発行する兌換遊技媒体を意味する。『ジャンケットキャッシュ』はジャンケット側が参加者に発行する兌換遊技媒体を意味する。『ジャンケットNN』はジャンケットが参加者に発行する不換遊技媒体を意味する。『プレミアムキャッシュ』は遊技場側が重要参加者に発行する兌換遊技媒体を意味する。『プレミアムNN』は遊技場側が重要参加者に発行する不換遊技媒体を意味する。
また、遊技媒体は、樹脂等により形成されており、RFID用のICチップであるRFIDタグがその中心部に内蔵されている。遊技媒体は、RFIDタグに、有価価値として金額を記憶するがこの他に以下のような電子情報を記憶していてもよい。例えば、電子情報は、遊技媒体8に設定される識別情報、上述したような属性、金種、発行者、発行日、及び、有効期限等が挙げられる。識別情報とは、遊技媒体を一意に識別するための情報である。金種とは、遊技媒体に設定される金額が、何れ国の流通通貨単位であるか、を示す情報である。発行者とは、遊技媒体を発行する者を示す情報である。尚、発行者は、遊技媒体を参加者に渡す者を識別する情報であってもよい。例えば、カジノ等の遊技場が参加者に直接に遊技媒体を発行する場合には発行者は遊技場となり、遊技場が発行した遊技媒体がジャンケットを経由して参加者に渡される場合には発行者は当該ジャンケットを識別する情報となる。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4)
図4に示すように、ディーラーは、遊技テーブル2を見て右側に配置されているディーラーディスプレイ4を確認しながら、カードシュー5(図2参照)からカードを取り出して、遊技テーブル2上で遊技を進行させる。
ディーラーによって進行される遊技に従い、遊技テーブルシステム1は、4つのフェーズを繰り返し実行する。即ち、遊技テーブルシステム1は、ベットフェーズ、ベット監視フェーズ、回収フェーズ、及び、支払いフェーズを繰り返し実行する。以下、各フェーズにおけるディーラーディスプレイ4に表示される表示画面について説明する。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:ベット画面)
ベットフェーズにおいて、ディーラーディスプレイ4に表示されるベット画面について説明する。ベットフェーズは、支払いフェーズが終了したことを契機に開始される。支払いフェーズについては後述する。遊技テーブルシステム1は、ベットフェーズを開始すると、ディーラーディスプレイ4に、参加者のベット状況を表示するベット画面を表示する。
図4に示すように、ディーラーディスプレイ4には、遊技テーブル2に着席する参加者ごとのベット領域211・212・213・214・215に対応する5つのベット表示領域420(ベット表示領域421・422・423・424・425)と、インジケーター画面426と、メッセージ画面431とが表示される。また、ディーラーディスプレイ4の左下部には、メインメニューボタン427、チップチェンジボタン428、ローリングボタン429が表示される。
ディーラーディスプレイ4において、ベット表示領域421は、左端部に表示され、ベット領域211に配置された遊技媒体の有価価値の情報が表示される。ディーラーディスプレイ4において、ベット表示領域422・423・424は、上部に表示され、ベット領域212・213・214に配置された遊技媒体の有価価値の情報が表示される。ディーラーディスプレイ4において、ベット表示領域425は、右端部に表示され、ベット領域215に配置された遊技媒体の有価価値の情報が表示される。このように、ディーラーディスプレイ4に表示されるベット表示領域421・422・423・424・425の配置は、ディーラー側から見た遊技ボード21におけるベット領域211・212・213・214・215の配置に対応したものとなっている。また、インジケーター画面426は、ディーラーディスプレイ4の中央部に表示される。また、メッセージ画面431は、インジケーター画面426の下方に表示される。
図5は、ベット画面における初期状態を示す図である。図5に示すように、ベット画面には、上述した5つのベット表示領域421・422・423・424・425が表示される。具体的に、ベット表示領域420(ベット表示領域421・422・423・424・425)は、それぞれ、プレイヤーベット表示領域4211と、バンカーベット表示領域4212と、プレイヤーペアベット表示領域4213と、タイベット表示領域4214と、バンカーペアベット表示領域4215と、を有している。プレイヤーベット表示領域4211には、プレイヤー領域2102に配置されている遊技媒体の有価価値の合計値が表示される。バンカーベット表示領域4212には、バンカー領域2101に配置されている遊技媒体の有価価値の合計値が表示される。プレイヤーペアベット表示領域4213には、プレイヤーペア領域2105に配置されている遊技媒体の有価価値の合計値が表示される。タイベット表示領域4214には、タイ領域2104に配置されている遊技媒体の有価価値の合計値が表示される。バンカーペアベット表示領域4215には、バンカーペア領域2103に配置されている遊技媒体の有価価値の合計値が表示される。
ベット画面の初期状態では、いずれのベット領域210においても遊技媒体が配置されていないため、各ベット表示領域420における各領域4211〜4215の何れにも有価価値の合計値が表示されていない状態となっている。また、初期状態からベット確定ボタン430が表示されている。インジケーター画面426には、「Place Bets」と表示され、現在ベットフェーズであることが示される。
図6は、ベット領域212及びベット領域214においてベットが行われた状態のディーラーディスプレイ4のベット画面を示す図である。図6に示すように、ベット表示領域422のバンカーベット表示領域4212に「P5,000」と表示されている。これにより、ベット領域212のバンカー領域2101に5000PHP(フィリピンペソ)に値する遊技媒体が配置されていることがわかる。また、ベット表示領域422のプレイヤーペアベット表示領域4213には「P100」と表示され、ベット表示領域422のバンカーペアベット表示領域4215には「P100」と表示されている。これにより、ディーラーは、ベット領域212のプレイヤーペア領域2105に100PHPに値する遊技媒体が配置され、ベット領域212のバンカーペア領域2103に100PHPに値する遊技媒体が配置されていることを理解することができる。
また、ベット表示領域424のプレイヤーベット表示領域4211に「P4,000」と表示されている。これにより、ベット領域212のプレイヤー領域2102に4000PHPに値する遊技媒体が配置されていることがわかる。また、ベット表示領域424のプレイヤーペアベット表示領域4213には「P100」と表示され、タイベット表示領域4214には「P100」と表示されている。これにより、ディーラーは、ベット領域214のプレイヤーペア領域2105に100PHPに値する遊技媒体が配置され、ベット領域214のタイ領域2104に100PHPに値する遊技媒体が配置されていることを理解することができる。
図7に、図6のベット画面が表示されている際の遊技ボード21における遊技媒体の配置態様を示す。図7に示すように、ベット領域212のバンカー領域2101には、1000PHPの遊技チップ8aが5枚配置されており、ベット領域212の参加者はバンカーに5000PHPをベットしている。また、ベット領域212のバンカーペア領域2103には、100PHPの遊技チップ8bが1枚配置されており、ベット領域212の参加者はバンカーペアに100PHPをベットしている。また、ベット領域212のプレイヤーペア領域2105には、100PHPの遊技チップ8bが1枚配置されており、ベット領域212の参加者はプレイヤーペアに100PHPをベットしている。
また、ベット領域214のプレイヤー領域2102には、1000PHPの遊技チップ8aが4枚配置されており、ベット領域212の参加者はバンカーに4000PHPをベットしている。また、ベット領域214のプレイヤーペア領域2105には、100PHPの遊技チップ8bが1枚配置されており、ベット領域214の参加者はプレイヤーペアに100PHPをベットしている。また、ベット領域214のタイ領域2104には、100PHPの遊技チップ8bが1枚配置されており、ベット領域214の参加者は引き分けに100PHPをベットしている。
遊技テーブルシステム1は、ベット対象領域2100に配置された遊技媒体の検出を定期的に行う。従って、遊技ボード21において参加者により随時行われるベットが、定期的にディーラーディスプレイ4の画面に反映される。
このように、ディーラーは、ディーラーディスプレイ4を確認することで、遊技ボード21において、各参加者が何れのベット対象にどれだけのベット額をベットしたのかを確認することができるようになっている。
尚、遊技テーブルシステム1は、参加者のベットが、予め設定された制限を超えていることを報知する機能を設けてもよい。具体的に、バンカー領域2101に配置された遊技媒体の有価価値と、プレイヤー領域2102に配置された遊技媒体の有価価値と、に所定以上の差額が生じた場合には、インジケーター画面426に、ベットが範囲外である旨を示すメッセージ(例えば、“Out of bet range”)を表示すると共に、所定以上の差額が生じているベット対象領域2100に表示する数値を強調表示(例えば、点滅表示)してもよい。このメッセージは、所定以上の差額が解消されたことを制御部3が認識した場合、非表示とされる。このように、ディーラーは、ディーラーディスプレイ4を確認することで、参加者のベットが制限を超えていることを認識することができる。
ディーラーディスプレイ4のベット確定ボタン430が表示されている領域がタッチされた場合、ベットが確定される。即ち、遊技テーブルシステム1は、ベット確定ボタン430がタッチされたタイミング(ベットの確定タイミング)で、各ベット領域210についてスキャン処理を実行する。そして、遊技テーブルシステム1は、ベット対象領域2100に配置されている遊技媒体の状態を各ベット領域210のベット対象領域2100毎に記憶し、これを参加者のベットとして確定する。従って、回収すべき遊技媒体の額や、参加者に支払う遊技媒体の額はこのベットに基づいて決定されることになる。
図8に示すように、ベット確定ボタン430がタッチされると、ベット確定ボタン430が非表示にされると共に、インジケーター画面426の背景色が変更(例えば、銀色から青色に変更)される。また、インジケーター画面426のメッセージが非表示にされる。そして、ベットが確定したベット表示領域420から順に、背景色が変更(例えば、銀色から青色に変更)される。図8には、ベット表示領域421・422・423のベットが確定され、ベット表示領域424・425のベットが未確定である状態を示している。ディーラーディスプレイ4において、全てのベット表示領域420の背景色が変更されて、ベットフェーズが終了する。このように、遊技テーブルシステム1は、ベットフェーズの終了とともに各ベット領域210の第1のベット額を確定する。具体的に、第1のベット額とは、ベット確定タイミングにおいて各ベット領域210に配置されたベット対象領域2100毎の遊技媒体が示す有価価値である。尚、ベットの確定対象は、遊技媒体が配置されたベット領域210だけでなく、遊技媒体が配置されていないベット領域210も含む。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:ベット監視画面)
遊技テーブルシステム1は、ベットフェーズが終了すると、ベット監視フェーズを開始する。ベット監視フェーズにおいて、遊技テーブルシステム1は、参加者が遊技ボード21にベットした遊技媒体を監視し、ベットに変更が発生した場合には次のフェーズに移行しないようにさせる。
図9に示すように、ベット監視フェーズにおいて、ディーラーディスプレイ4に表示されるベット監視画面では、メインメニューボタン427、チップチェンジボタン428、及び、ローリングボタン429が非表示にされる。そして、EXITボタン432が表示される。ディーラーは、全てのベット表示領域420の背景色が変更されたことで、参加者のベットが確定し、ベット監視フェーズが開始したことを認識することができる。
遊技テーブルシステム1は、ベット監視フェーズの間、スキャン処理を繰り返す。即ち、遊技テーブルシステム1は、スキャン処理を実行して各ベット領域210の各ベット対象領域2100に配置された遊技媒体を検出し、各ベット領域210の第2のベット額を確定する。第2のベット額とは、ベット確定タイミングより後のタイミングにおいて各ベット領域210に配置されたベット対象領域2100毎の遊技媒体が示す有価価値である。第2のベット額は、ベット監視フェーズにおいてスキャン処理が実行される毎に更新される。遊技テーブルシステム1は、ベット監視フェーズにおいて、第2のベット額を確定する毎に、記憶している第1のベット額と比較する。そして、遊技テーブルシステム1は、第1のベット額と、第2のベット額とが異なる場合、その異なる内容を、ディーラーディスプレイ4に表示する。具体的に、第2のベット額が、第1のベット額と異なる場合における、ディスプレイ4の表示例を以下に示す。
例えば、図7に示したベットの状態において、ベット領域212のバンカー領域2101には、5枚の1000PHPの遊技チップ8aが配置されている。この5枚の1000PHPの遊技チップ8aがベット領域212のバンカー領域2101から取り除かれた場合、ディスプレイ4には5000PHP分の有価価値に対応する遊技媒体が取り除かれた旨が表示される。
具体的に、図10に示すように、ディスプレイ4において、ベット領域212に対応するベット表示領域422の背景色が変更(例えば、青色から赤色に変更)される。そして、ベット表示領域422において、バンカー領域2101に対応するバンカーベット表示領域4212に「−5000PHP」が強調表示(例えば、赤字かつ点滅で表示)される。
また、図11に示すように、ベット領域212に1枚の1000PHPの遊技チップ8aを追加した場合には、ベット領域212に対応するベット表示領域422の背景色が変更される。そして、ベット表示領域422において、バンカー領域2101に対応するバンカーベット表示領域4212に「+1000PHP」が強調表示される。
また、図12に示すように、遊技媒体が配置されていないベット領域213のバンカー領域2101に、1枚の1000PHPの遊技チップ8aを追加した場合には、ベット領域213に対応するベット表示領域423の背景色が変更される。そして、ベット表示領域423において、バンカー領域2101に対応するバンカーベット表示領域4212に「+1000PHP」が強調表示される。
このように、第1のベット額と第2のベット額とが異なるベット領域210が存在する場合、このベット領域210に対応するベット表示領域420の背景色が変更される。さらに、第1のベット額と第2のベット額とが異なるベット対象領域2100に、第2のベット額から第1のベット額を減算した値が表示される。これにより、ディーラーは、遊技ボード21上にベットとして配置される遊技媒体にどのような変更が生じたのかを容易に把握することができる。
また、図13に示すように、EXITボタン432がタッチされると、確認ダイヤログ433が表示される。OKをタッチした場合には、確定したベットが全てキャンセルされ、ベットフェーズに戻る。CANCELをタッチした場合には、ベット監視フェーズが継続される。
また、図14に示すように、各ベット表示領域420の何れかがタッチされるとタッチしたベット表示領域420におけるベットの詳細ウィンドウ434が表示される。詳細ウィンドウ434には、有価価値の合計金額、及び、遊技媒体の枚数、がベット対象領域2100毎に順次表示されるようになっている。
ディーラーは、このベット監視フェーズにおいて、カードシュー5からカードの取り出しを繰り返して遊技を進行させる。遊技テーブルシステム1は、カードシュー5において読み取ったカードの内容に基づいて遊技結果を確定し、ベット監視フェーズを終了する。尚、遊技テーブルシステム1は、図10乃至図12に示すような確定したベットに変更が生じた状態において、ベット監視フェーズの終了を許容しない。即ち、遊技テーブルシステム1は、第1のベット額と第2ベット額とが一致していることを条件に、遊技結果を確定し、ベット監視フェーズを終了する。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:回収画面)
遊技テーブルシステム1は、ベット監視フェーズが終了すると、回収フェーズを開始する。回収フェーズにおいて、遊技テーブルシステム1は、遊技結果に基づいて、回収すべき遊技媒体が配置されるベット対象領域2100を特定してディーラーディスプレイ4に表示する。即ち、遊技テーブルシステム1は、遊技結果に基づいて各ベット領域210のベット対象領域2100毎に勝ち負けを決定し、遊技媒体が配置されると共に負けとなった対象領域2100を、ディーラーディスプレイ4に示す。
図15に示すように、ディーラーディスプレイ4において、回収すべき遊技媒体が配置されるベット領域210に対応するベット表示領域420が強調表示される。さらに、ベット領域210において回収すべき遊技媒体が配置されるベット対象領域2100に対応する領域4211〜4215が強調表示される。例えば、回収すべき遊技媒体が配置されるベット対象領域2100に対応する領域4211〜4215の背景色が青色で示される。また、回収すべき遊技媒体が配置されるベット対象領域2100を有するベット領域210に対応するベット表示領域420の背景色が金色で示される。また、その他の領域がグレーアウト表示される。これにより、ディーラーは、回収すべき遊技媒体が配置されたベット対象領域2100を容易に判別することができる。
インジケーター画面426には、「Collection」と表示され、回収フェーズであることが示される。また、インジケーター画面426と、メッセージ画面431との間の領域には、遊技結果が、例えば、「BANKER WIN」のように示される。また、回収画面には右下部に、ツールボタン440が表示されている。
また、遊技テーブルシステム1が、参加者のベットした遊技媒体の読み取りを誤っていた場合、回収フェーズにおいて修正が可能にされている。即ち、参加者は、プレイヤー領域2102に5000PHP分の遊技媒体を配置したにも関わらず、遊技テーブルシステム1は4000PHP分しか読み取らなかった等、アンテナ部22による遊技媒体の読みこぼしがあった場合ディーラーは以下のように修正を行う。
図16に示すように、ディーラーは修正したいベット表示領域420をタッチすると、修正画面が表示される。修正画面には、左側に現状読み取っている遊技媒体の情報を表示するオリジナル領域435と、修正後の遊技媒体の情報を表示するチェンジ領域436とが表示される。オリジナル領域435とチェンジ領域436とは、領域4211〜4215に対応する5つの領域を夫々有している。
具体的に、オリジナル領域435は、プレイヤーベット表示領域4211に対応するプレイヤーベット表示領域4351と、バンカーベット表示領域4212に対応するバンカーベット表示領域4352と、プレイヤーペアベット表示領域4213に対応するプレイヤーペアベット表示領域4353と、タイベット表示領域4214に対応するタイベット表示領域4354と、バンカーペアベット表示領域4215に対応するバンカーペアベット表示領域4355とを有している。
また、チェンジ領域436は、プレイヤーベット表示領域4211に対応するプレイヤーベット表示領域4361と、バンカーベット表示領域4212に対応するバンカーベット表示領域4362と、プレイヤーペアベット表示領域4213に対応するプレイヤーペアベット表示領域4363と、タイベット表示領域4214に対応するタイベット表示領域4364と、バンカーペアベット表示領域4215に対応するバンカーペアベット表示領域4365とを有している。
このような修正画面において、遊技テーブルシステム1は、アンテナ部22が有する複数のアンテナのうち、タッチされたベット表示領域420に対応するベット領域210に設けられたアンテナのみを駆動し、当該ベット領域210におけるベットのスキャン処理を繰り返し実行する。即ち、ディーラーは、修正したいベット領域210に対応するベット表示領域420をタッチし、当該ベット領域210において遊技媒体を配置し直すことで、既に読み込まれた遊技媒体の情報を修正することが可能となる。また、修正画面には、修正をキャンセルするためのキャンセルボタン437と、修正を適用するためのOKボタン438とが右下部に表示される。初期状態では、キャンセルボタン437のみが受付可能にされる。
図17に示すように、修正画面において正しい遊技媒体を読み込ませた場合、変更があったベット対象領域2100に対応する領域4361〜4365が強調表示されるようになっている。また、強調表示が行われた場合、OKボタン438が受付可能にされ、タッチされることで修正が適用される。OKボタン438がタッチされると修正が反映された状態で、図15に示すような回収画面に戻る。
遊技テーブルシステム1は、回収画面の表示中、ベット領域210に対するスキャン処理を繰り返し実行する。これにより、遊技テーブルシステム1は、回収すべき遊技媒体が正しく回収されるかを監視する。
例えば、図18に示すように、勝ちとなったベット対象領域2100の遊技媒体が誤って回収されてしまった場合、当該ベット対象領域2100が強調表示されるようになっている。例えば、バンカー勝利の場合に、ディーラーが誤ってベット領域212のバンカー領域2101に配置された遊技媒体を回収してしまった場合、ベット表示領域422のバンカーベット表示領域4212に、誤って回収した分の有価価値がマイナスで表示される。尚、回収フェーズにおいて、誤って遊技媒体をベット領域210に追加した場合にも同様の強調表示で追加した分の有価価値がプラスで表示される。
図19に示すように、回収すべきベット対象領域2100に配置された遊技媒体が取り除かれた場合、ディーラーディスプレイ4において、取り除かれたベット対象領域2100に対応する領域4211〜4215に、「COLLECTED」と表示される。これにより、当該ベット対象領域2100から遊技媒体が取り除かれたことが示される。
図20に示すように、回収すべきベット対象領域2100に配置された遊技媒体が全て取り除かれた場合、ディーラーディスプレイ4には、「Collection Completed」と表示されて回収が完了したことが示される。また、ディーラーディスプレイ4には、「Start Payment」と表示されて次に支払いが開始されることが示される。このように、遊技テーブルシステム1は、正しく回収が行われたことをスキャン処理を実行することで確認した後、回収フェーズを完了する。
尚、図21に示すように、ツールボタン440をタッチすると、ツールウィンドウ441が表示される。ツールウィンドウ441には、強制中止ボタン4411と、スキップボタン4412と、キャンセルボタン4413とが表示される。強制中止ボタン4411をタッチされると現在の遊技が中止されてベットフェーズへ戻る。スキップボタン4412がタッチされると回収が正常に行われたものとして次の支払いフェーズへ移行する。キャンセルボタン4413がタッチされると、回収フェーズが継続される。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:支払い画面)
遊技テーブルシステム1は、回収フェーズが終了すると、支払いフェーズを開始する。支払いフェーズにおいて、遊技テーブルシステム1は、遊技結果に基づいて、支払いを行うべき遊技媒体が配置されるベット対象領域2100を特定してディーラーディスプレイ4に表示する。即ち、遊技テーブルシステム1は、遊技結果に基づいて各ベット領域210のベット対象領域2100毎に勝ち負けを決定し、遊技媒体が配置されると共に勝ちとなったベット対象領域2100を、ディーラーディスプレイ4に示す。
図22に示すように、勝ちとなった参加者が複数存在する場合、参加者毎に順次支払いが行われる。図22の例では、ベット領域212にベットした参加者と、ベット領域215にベットした参加者とが勝ちとなっており、先ずベット領域212の支払いが表示されている。具体的に、支払い画面では、支払いが表示されているベット表示領域422が強調表示される。また、支払いが完了していない215に対応するベット表示領域425のベット額が強調表示される。インジケーター画面426には、ベット領域212において勝ちとなった対象領域2100のベット額の合計と、コミッション額と、支払額とが表示される。本実施形態では、コミッション額は、支払額の5%に設定され、バンカーが勝利の場合に支払額から減算される。
尚、図23に示すように、支払いの順番は、ディーラーによって自由に設定することが可能となっている。具体的に、ディーラーが先に支払いを行いたいベット表示領域420をタッチすることで、タッチしたベット表示領域420の参加者への支払いを先に行うことが可能となる。即ち、ディーラーが先に支払いを行いたいベット表示領域420をタッチした場合、アンテナ部22が有するアンテナのうち、当該ベット表示領域420に対応するベット領域210に配置されているアンテナ、ディーラー領域2106に配置されたアンテナ、及び、コミッション領域2107に配置されたアンテナのみが駆動され、これら領域に配置された遊技媒体が読み込まれることになる。図22の例では、ベット表示領域425をタッチすることで、ベット表示領域425に対応する支払の情報がインジケーター画面426に表示されている。
また、遊技テーブルシステム1が、参加者のベットした遊技媒体の読み取りを誤っていた場合、支払いフェーズにおいても修正が可能にされている。即ち、参加者は、バンカー領域2101に4000PHP分の遊技媒体を配置したにも関わらず、遊技テーブルシステム1は5000PHP分しか読み取らなかった等、アンテナ部22による遊技媒体の読みこぼしがあった場合ディーラーは以下のように修正を行う。
図24に示すように、ディーラーは支払い情報が表示されているベット表示領域420をタッチすると、修正画面が表示される。修正画面には、左側に現状読み取っている遊技媒体の情報を表示するオリジナル領域450と、修正後の遊技媒体の情報を表示するチェンジ領域451とが表示される。回収フェーズにおける修正画面と同様にオリジナル領域435とチェンジ領域436とは、領域4211〜4215に対応する5つの領域を夫々有している。このような修正画面において、遊技テーブルシステム1は、回収フェーズにおける修正画面と同様に、アンテナ部22が有する複数のアンテナのうち、タッチされたベット表示領域420に対応するベット領域210に設けられたアンテナのみを駆動し、当該ベット領域210におけるベットのスキャン処理を繰り返し実行し、既に読み込まれた遊技媒体の情報を修正することが可能となる。
支払いフェーズでは、支払いの順番となった場合にベット領域210のスキャン処理が実行される。即ち、支払いフェーズが開始された際、及び、図23に示すように支払いを行う参加者が選択された際に、該当するベット領域210のスキャン処理が繰り返し実行される。
図25に示すように、スキャン処理が開始された際に、支払よりも大きい有価価値に対応する遊技媒体が配置されている場合、ディーラーディスプレイ4においてメッセージ画面431に警告が報知される。例えば、勝ちが確定した後に対象領域2100に追加の遊技媒体を配置した場合、イリーガルである旨と、その遊技媒体が示す有価価値の合計や枚数とが報知される。これにより、ディーラーは、誤って適正よりも大きい支払いを参加者へ手渡してしまうことを防止することができる。
ディーラーは、支払いを参加者へ渡す前に、支払いの遊技媒体を勝ちとなったベット対象領域2100に配置させる。参加者がベットとしてベット対象領域2100に配置した遊技媒体と、ディーラーが支払いとして同じベット対象領域2100に配置した遊技媒体とが、適正になった場合、当該参加者への支払いが完了する。
例えば、図22に示すように、ベット領域212の参加者が5000PHPをバンカー領域2101に対してベットし、勝ちとなった場合について説明する。この場合、ディーラーは、参加者に対し、コミッションである5%を減算した4750PHPが支払額となる。
図26に示すように、ディーラーは、参加者がベットした5枚の1000PHPの遊技チップ8aが配置されているバンカー領域2101に、支払額である4750PHP(4枚の1000PHPの遊技チップ8a、7枚の100PHPの遊技チップ、5枚の10PHPの遊技チップ8c)を配置する。このように、遊技テーブルシステム1は、ベット額、及び、支払額を、ベット領域210のみで読み取り、当該参加者に対する支払いを完了させることができる。
また、ディーラーは、参加者の求めに応じて、参加者からコミッション額を徴収する代わりに切りのよい有価価値の遊技媒体を渡すことが一般的に行われている。即ち、参加者がベット額の5%をディーラーに手渡し、ディーラーはベット額と同額(100%)を参加者に渡す。遊技テーブルシステム1は、このような所謂コミッション払いについてもベット領域210のみを用いて行うことが可能となっている。
具体的に、図27に示すように、参加者は、負けとなったプレイヤー領域2102にコミッション額である250PHP(5枚の50PHPの遊技チップ8c)を配置する。即ち、負けとなったベット対象領域2100が減算領域となる。ディーラーは、参加者がベットした5枚の1000PHPの遊技チップ8aが配置されているバンカー領域2101に、コミッション額を加算した支払額の5000PHP(5枚の1000PHPの遊技チップ8a)を配置する。即ち、勝ちとなったベット対象領域2100が加算領域となる。このように、遊技テーブルシステム1は、ベット額、コミッション額、及び、支払額を、ベット領域210のみで読み取り、当該参加者に対する支払いを完了させることができる。また、取り扱う遊技媒体の数を減少させて、ディーラーの人為的なミスを軽減させることができる。
尚、ディーラーが参加者へ渡す支払額は、ディーラー領域2106(図3参照)に配置しても同様に行うことが可能となっている。即ち、ディーラー領域2106は加算領域に設定されている。また、参加者がコミッションをディーラーへ直接手渡してしまった場合等には、ディーラーが受け取ったコミッションをコミッション領域2107(図3参照)に配置しても同様に行うことが可能となっている。即ち、コミッション領域2107は減算領域に設定されている。このように、支払いを行うべき全ての参加者に対して行われた場合、支払いフェーズが完了し、次のベットフェーズが開始される。
尚、図28に示すように、ツールボタン440をタッチすると、ツールウィンドウ442が表示される。ツールウィンドウ442には、強制中止ボタン4421と、キャンセルボタン4423とが表示される。強制中止ボタン4421をタッチされると支払いフェーズが中止されてベットフェーズへ移行する。キャンセルボタン4423がタッチされると、支払いフェーズが継続される。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:チップチェンジ画面)
ベットフェーズ、及び、支払いフェーズにおいて、ディーラーディスプレイ4に表示されるチップチェンジボタン428をタッチすることによって、チップチェンジ画面へ移行する。チップチェンジ画面では、ディーラーは、参加者から受け取る遊技媒体(第1の遊技媒体)と、参加者へ渡す遊技媒体(第2の遊技媒体)とが一致するかの確認を行うことが可能となっている。
図29に示すように、ディーラーディスプレイ4に表示されるチップチェンジ画面には、最初に、インカミングチップ領域460が表示される。また、チップチェンジ画面には、チップチェンジをキャンセルするためのキャンセルボタン457と、参加者から受け取る遊技媒体を確定するためのOKボタン458とが右下部に表示される。初期状態では、キャンセルボタン457のみが受付可能にされる。
図30に示すように、ディーラーは、参加者から受け取った遊技媒体をディーラー領域2106に配置する。このように、チップチェンジでは、ディーラー領域2106を用いて、参加者から受け取った遊技媒体の確認が行われる。図30では、ディーラーは、参加者から1枚の10,000PHPの遊技チップ8dを受け取った例を示している。
図31に示すように、インカミングチップ領域460には、ディーラー領域2106に配置された遊技媒体の情報が表示される。具体的に、ディーラー領域2106に配置された遊技チップ8dがスキャンされ、インカミングチップ領域460には、参加者から受け取った遊技媒体が1枚の10,000PHPであることが表示される。ディーラーは、受付可能になったOKボタン458をタッチすることで、参加者から受け取った遊技媒体を確定することができる。
図32に示すように、ディーラーがOKボタン458をタッチした場合、アウトカミング領域461が表示される。OKボタン458は再度受付不可となる。
図33に示すように、ディーラーは、参加者へ渡す遊技媒体をディーラー領域2106に配置する。このように、チップチェンジでは、ディーラー領域2106のみを用いて、参加者から受け取った遊技媒体と、参加者へ渡す遊技媒体とが同じであるか否かの確認が可能となっている。図33では、ディーラーは、参加者へ渡す10枚の1,000PHPの遊技チップ8aをディーラー領域2106へ配置する例を示している。尚、ディーラーは、インカミングチップ領域460に表示した遊技媒体を、ディーラー領域2106から取り除いてもよいし、そのまま配置していてもよい。即ち、遊技テーブルシステム1は、インカミングチップ領域460に表示した遊技媒体を記憶し、アウトカミング領域461の読み込みの際にはその遊技媒体を除外する。尚、遊技媒体を識別する識別情報をさらに加えて記憶してもよい。
図34に示すように、アウトカミング領域461には、参加者へ渡すためにディーラー領域2106に配置された遊技媒体の情報が表示される。アウトカミングチップ領域461には、ディーラー領域2106に配置された遊技媒体のうち、インカミングチップ領域460に読み取った遊技媒体を除いた遊技媒体の情報が表示される。図34の例では、アウトカミングチップ領域461には、参加者へ渡す遊技媒体が、10枚の1,000PHPの遊技チップ8aであることが表示される。
また、図34に示すように、インカミングチップ領域460に表示された有価価値の合計と、アウトカミングチップ領域461に表示された有価価値の合計とが一致する場合に、OKボタン458が再度受付可能にされる。ディーラーは、OKボタン458をタッチすることで、チップチェンジを終了させる。チップチェンジの終了後は、チップチェンジを呼び出した画面に戻る。
(遊技テーブルシステム1:ディーラーディスプレイ4:ローリング画面)
ベットフェーズにおいて、ディーラーディスプレイ4に表示されるローリングボタン429をタッチすることによって、ローリング画面へ移行する。ローリング画面では、ディーラーは、参加者から受け取るプレミアムキャッシュ(第1の遊技媒体)と、参加者へ渡すプレミアムNN(第2の遊技媒体)とが一致するかの確認を行うことが可能となっている。また、ローリング画面では、ディーラーは、参加者から受け取るジャンケットキャッシュ(第1の遊技媒体)と、参加者へ渡すジャンケットNN(第2の遊技媒体)とが一致するかの確認を行うことが可能となっている。ローリングについてもチップチェンジと同様に、ディーラー領域2106のみが用いられる。
このように、参加者が、兌換遊技媒体から不換遊技媒体に交換するローリングを行うことで、参加者に対してポイントが加算されるようになっている。例えば、参加者のIDが予め兌換遊技媒体が記憶するIDに紐づけられており、ローリングを行った際にポイントが発行されるようになっている。ポイントは、遊技テーブルシステム1とデータ通信可能なサーバ等へ送信されて参加者に紐づけて記憶されるものであってもよい。また、遊技テーブルシステム1が、参加者の携帯するICカード等に記憶するものであってもよい。
図35に示すように、ディーラーディスプレイ4に表示されるローリング画面には、最初に、インカミングチップ領域470が表示される。また、ローリング画面には、ローリングをキャンセルするためのキャンセルボタン467と、参加者から受け取る遊技媒体を確定するためのOKボタン468とが右下部に表示される。初期状態では、キャンセルボタン457のみが受付可能にされる。
図36に示すように、遊技テーブルシステム1は、ローリングにおいて、参加者から受け取る遊技媒体としてプレミアムキャッシュ又はジャンケットキャッシュのみを許容するため、それ以外の遊技チップ等をディーラー領域2106に配置した場合には警告が表示される。具体的に、インカミングチップ領域470には、「CHIP TYPE ERROR」と表示される。尚、プレミアムキャッシュ、及び、ジャンケットキャッシュの何れかのみが許容されるものであってもよい。また、プレミアムキャッシュ、及び、ジャンケットキャッシュの何れかのみが許容されるように切り替え可能にされていてもよい。
図37に示すように、インカミングチップ領域470には、ディーラー領域2106に配置されたプレミアムキャッシュ又はジャンケットキャッシュの情報が表示される。図37の例では、1枚の100,000PHPのプレミアムキャッシュがディーラー領域2106に配置されている。ディーラーは、受付可能になったOKボタン468をタッチすることで、参加者から受け取った遊技媒体を確定することができる。
図38に示すように、ディーラーがOKボタン468をタッチした場合、アウトカミングチップ領域471が表示される。OKボタン468は再度受付不可となる。そして、ディーラーは、受け取った遊技媒体に応じた不換遊技媒体をディーラー領域2106へ配置する。即ち、ディーラーは、参加者からプレミアムキャッシュを受け取った場合には、同額のプレミアムNNをディーラー領域2106へ配置する。また、ディーラーは、参加者からジャンケットキャッシュを受け取った場合には、同額のジャンケットNNをディーラー領域2106へ配置する。
図39に示すように、アウトカミングチップ領域471には、ディーラー領域2106に配置された遊技媒体の情報が表示される。アウトカミングチップ領域471には、ディーラー領域2106に配置された遊技媒体のうち、インカミングチップ領域470に読み取った遊技媒体を除いた遊技媒体の情報が表示される。図39の例では、アウトカミングチップ領域471には、参加者へ渡す遊技媒体が、1枚の100,000PHPのプレミアムNNであることが表示される。尚、不換遊技媒体ではない金種の遊技媒体が配置された場合には、アウトカミングチップ領域471に、インカミングチップ領域470と同様の警告が表示される(図36参照)
また、図39に示すように、インカミングチップ領域460に表示された有価価値の合計と、アウトカミングチップ領域461に表示された有価価値の合計とが一致する場合に、OKボタン468が再度受付可能にされる。ディーラーは、OKボタン468をタッチすることで、ローリングを終了させる。ローリングの終了後はベット画面に戻る。
(遊技テーブルシステム1:動作)
以上のように構成された遊技テーブルシステム1の動作をフローチャートに基づいて説明する。尚、以後の説明においては、遊技テーブルシステム1に電源が投入されていることを前提に説明する。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:メイン処理)
図40に示すように、制御部3においてはメイン処理ルーチンにより各種の処理が実行されている。以下、制御部3によって実行される処理について具体的に説明する。先ず、図5に示すようなベット画面をディーラーディスプレイ4に表示されると共に、チップスキャンが実行される(S1)。即ち、アンテナ部22にスキャン処理を実行させることで、各ベット領域210の各ベット対象領域2100に配置されている遊技媒体の情報が取得され、取得された情報がディーラーディスプレイ4に表示される。その後、各ベット領域210上にエラーチップが配置されているか否かが判定される(S2)。エラーチップが配置されている場合(S2:YES)には、ステップS1に戻って再度スキャン処理が実行される。即ち、エラーチップが存在する場合には、そのエラーチップが取り除かれるまでチップスキャンが繰り返される。
一方、エラーチップが配置されていない場合(S2:NO)には、ベット画面におけるベット確定ボタン430がタッチされたか否かが判定される(S3)。ベット確定ボタン430がタッチされない場合(S3:NO)、ステップS1に戻って再度スキャン処理が実行される。即ち、ベット確定ボタン430がタッチされるまでチップスキャンが繰り返されることになる。
一方、ベット確定ボタン430がタッチされた場合(S3:NO)、チップ再スキャン処理を実行する(S4)。即ち、アンテナ部22にスキャン処理を実行させて、各ベット領域210の各ベット対象領域2100に配置されている遊技媒体の情報が取得される。そして、ステップS4において取得した遊技媒体の情報に基づいてベットが確定され、ベットフェーズが終了する(S5)。
そして、ベット監視フェーズとして、ベット移動チェック処理が実行される(S6)。ベット移動チェック処理については後述する。そして、遊技が終了したか否かが判定される(S7)。即ち、カードシュー5から遊技結果を示す情報が入力されたか否かが判定される。遊技が終了しない場合(S7:NO)、再度ステップS6のベット移動チェック処理が実行される。
一方、遊技が終了した場合(S7:YES)、回収フェーズとして、後述の回収処理が実行される(S8)。そして、支払いフェーズとして、後述の支払処理が実行される(S9)。その後、同期処理を実行して(S10)、ステップS1に戻る。同期処理では、遊技の結果に基づく各種の情報がサーバ100(図1参照)へ送信される。サーバは、複数の遊技テーブルシステム1にデータ通信可能に接続されている。各遊技テーブルシステム1は、遊技結果や、遊技結果に基づく収支情報を、参加者に関連付けて、遊技結果が出力される毎にサーバ100へ送信する。遊技結果は、バンカー及びプレイヤーの何れか勝利したか等である。収支情報は、ディーラーが参加者へ支払った額の情報、及び、参加者がディーラーから回収された額の情報である。収支情報は、1つの遊技テーブルシステム1全体の収支であってもよいし、1つの遊技テーブルシステム1における参加者毎の収支であってもよい。
(サーバ100:遊技結果テーブル)
ここで、具体的に、図41を参照して、サーバ100において累積される情報について説明する。遊技結果テーブルは、日時欄と、テーブル番号欄と、シュー番号欄と、ディーラーID欄と、遊技番号欄と、座席番号欄と、参加者ID欄と、ベット欄と、遊技結果欄と、回収欄と、支払い欄とを有している。
日時欄には、遊技テーブルシステム1において、遊技が終わった時間が格納される。テーブル番号欄には、複数の遊技テーブルシステム1を一意に識別する識別情報が格納される。シュー番号欄には、カードシュー5を一意に識別する識別情報が格納される。ディーラーID欄には、遊技テーブルシステム1毎に割り当てられるディーラーを識別するIDが格納される。遊技番号欄には、遊技テーブルシステム1において、遊技ごとに採番される番号が格納される。
座席番号欄には、遊技テーブルシステム1において、何れのベット領域211・212・213・214・215を用いたかを識別する座席番号が格納される。また、参加者ID欄には、参加者を一意に識別する参加者IDが格納される。即ち、参加者は、遊技テーブルシステム1において遊技を行う際に、参加者IDが記憶されたプレイヤーカードを、座席ごとに設けられたカードリーダ(図示せず)に読み込ませる。遊技テーブルシステム1は、カードリーダが読み込んだ参加者IDを遊技結果に紐づけて記憶し、サーバへ送信する。尚、これに限定されず、参加者IDは格納されなくてもよい。即ち、遊技結果は、参加者に関連付けられず、座席番号のみに関連付けされるものであってもよい。
ベット欄には、遊技テーブルシステム1において、参加者が行ったベットの内容(ベット対象、及び、ベット額)が格納される。遊技結果欄には、何れのベット対象が当たりであったかが格納される。回収欄には、ディーラーがベット領域210から回収した参加者毎の回収額が格納される。支払い欄には、ディーラーが参加者へ支払った参加者毎の支払額が格納される。
このように、サーバ100では、接続されている全ての遊技テーブルシステム1における参加者毎の1回の遊技内容が累積されるようになっている。従って、全てのデータの回収と支払とに基づいて、複数の遊技テーブルシステム1全体の収支を容易に算出することが出来るようになっている。また、1つのデータには、参加者が行ったベットと、支払いとの情報が含まれるため、参加者の不正行為を容易に検出することができる。また、データを用いて、勝利する割合の高い参加者、ベット額の大きい遊技のみで勝利する割合の高い参加者等を割り出すことができるため、不正行為の疑いを早期に発見することができる。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:ベット移動チェック処理)
図42に示すように、メイン処理において、ベット移動チェック処理が実行されると、ディーラーディスプレイ4にベット監視画面が表示され、チップスキャンが実行される(S11)。そして、ベット監視画面のEXITボタン432がタッチされたか否かが判定される(S12)。EXITボタン432がタッチされた場合、確認ダイヤログ433(図13参照)において、OKがタッチされたか否かが判定される(S14)。OKがタッチされた場合(S13:YES)、メイン処理におけるステップS1に戻る。即ち、遊技媒体が移動されている場合のスキャン処理の繰り返しが中止され、ベット監視フェーズからベットフェーズに戻ることになる。
一方、OKがタッチされない場合(S13:NO)、ステップS10で取得した遊技媒体の情報に基づき、チップが移動されたか否かが判定される(S14)。チップが移動された場合(S14:YES)には、ステップS10に戻る。即ち、チップの移動が解消されるまで、チップスキャンが繰り返されることになる。また、チップが移動された場合には、図10〜図12に示したように、移動された遊技媒体に関する情報(第1のベット額と第2のベット額との差異)がディーラーディスプレイ4に示される。チップが移動されない場合(S14:NO)、本ルーチンが終了されメイン処理へ戻る。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:回収処理)
図43に示すように、メイン処理において、回収処理が実行されると、ディーラーディスプレイ4に回収画面(図15参照)が表示され、ベットとして遊技媒体が配置されているベット領域210についてチップスキャンが実行される(S20)。そして、回収画面のベット表示領域420がタッチされたか否かが判定される(S21)。ベット表示領域420がタッチされた場合(S21:YES)、ベット修正処理が実行される(S22)。ベット修正処理では、正しい遊技媒体を読み込ませて、既に確定されているベットを修正することが可能となっている。即ち、アンテナ部22が有するアンテナのうち、タッチされたベット表示領域420に対応するベット領域210を読み取るアンテナのみが駆動され、当該ベット領域210がスキャンされることにより、正しいベットの遊技媒体を読み込ませることが可能になっている。
ステップS22の後、及び、ベット表示領域420がタッチされない場合、ツールボタンが押下されたか否かが判定される(S23)。ツールボタンがタッチされた場合(S23:YES)、強制中止ボタン4411(FORCE TO QUITボタン)がタッチされたか否かが判定される(S24)。強制中止ボタン4411がタッチされた場合(S24:YES)、メイン処理のステップS1へ移行する。強制中止ボタン4411がタッチされない場合(S24:NO)、スキップボタン4412(TO PAYMENTボタン)がタッチされたか否かが判定される(S25)。スキップボタン4412がタッチされた場合(S25:YES)、本ルーチンを終了し、メイン処理に戻る。
一方、スキップボタン4412がタッチされない場合(S25:NO)、及び、ツールボタンがタッチされない場合(S23:NO)、ステップS20で取得した遊技媒体の情報に基づき、確定したベットに対する増加や減少がなされているか否かが判定される(S26)。確定したベットに対する増加や減少がなされている場合(S26:YES)、ステップS20に戻る。即ち、確定したベットに対する増加や減少がなされなくなるまで、スキャンが繰り返される。
一方、確定したベットに対する増加や減少がなされていない場合(S26:NO)、回収が完了したか否かが判定される(S27)。即ち、ステップS20で取得した遊技媒体の情報に基づき、回収すべき遊技媒体が全て回収されているか否かが判定される。回収が完了しない場合(S27:NO)、ステップS20に戻る。回収が完了した場合(S27:YES)、本ルーチンが終了される。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:支払処理)
図44に示すように、メイン処理において、支払処理が実行されると、ディーラーディスプレイ4に支払い画面(図22参照)が表示され、支払エリアについてスキャン処理が実行される(S30)。支払エリアとは、1のベット領域210が有する各ベット対象領域2100と、ディーラー領域2106と、コミッション領域2107とで構成される。これらの領域が、支払エリアにおける加算領域、及び、減算領域の何れかに設定されることになる。即ち、ベット領域210において勝ちとなったベット対象領域2100と、ディーラー領域2106とが加算領域に設定され、ベット領域210において負けとなったベット対象領域2100と、コミッション領域2107とが減算領域に設定される。支払エリアにおけるスキャン処理ではこれらの領域がスキャンされ、加算領域に配置された遊技媒体が示す有価価値と、減算領域に配置された遊技媒体が示す有価価値とが取得される。ステップS30では、アンテナ部22が有するアンテナのうち、支払対象として指定された1つのベット領域210の各ベット対象領域2100を読み取るアンテナと、ディーラー領域2106のアンテナと、コミッション領域2107のアンテナとが駆動され、これらの領域に配置された遊技媒体がスキャンされる。尚、コミッション領域2107のアンテナは、バンカー勝利のときのみ駆動させるものであってもよい。
そして、支払い画面においてベットエリア(ベット表示領域420のうち支払いのある領域)がタッチされたか否かが判定される(S31)。ベットエリアがタッチされた場合(S31:YES)、ステップS30でスキャンされた支払中のベットエリアであるか否かが判定される(S32)。支払中のベットエリアでない場合(S32:NO)、タッチされたベットエリアを支払対象とする支払順変更処理(S33)が実行される。そして、ステップS30に戻り、新たに支払対象となるベットエリアのスキャンが実行される。即ち、アンテナ部22が有するアンテナのうち、タッチされたベット表示領域420に対応するベット領域210の各ベット対象領域2100を読み取るアンテナと、ディーラー領域2106のアンテナと、コミッション領域2107のアンテナとが駆動され、これらの領域がスキャンされる。一方、タッチされたベットエリアが支払中のベットエリアである場合(S32:YES)、ベットの修正処理が実行される(S34)。ベットの修正処理では正しい遊技媒体を読み込ませて、既に確定されているベットを修正することが可能となっている。即ち、アンテナ部22が有するアンテナのうち、タッチされたベット表示領域420に対応するベット領域210の各ベット対象領域2100を読み取るアンテナのみが駆動され、当該ベット領域210がスキャンされることにより、正しいベットの遊技媒体を読み込ませることが可能になっている。
ステップS34の後、及び、ベットエリアがタッチされない場合(S31:NO)、ツールボタンが押下されたか否かが判定される(S35)。ツールボタンがタッチされた場合(S35:YES)、強制中止ボタン4421(FORCE TO QUITボタン)がタッチされたか否かが判定される(S36)。強制中止ボタン4421がタッチされた場合(S36:YES)、本ルーチンを終了し、メイン処理に戻る。
強制中止ボタン4421がタッチされない場合(S36:NO)、及び、ツールボタンがタッチされない場合(S35:NO)、チップチェンジボタン428がタッチされたか否かが判定される(S37)。チップチェンジボタン428がタッチされた場合(S37:YES)、後述のチップチェンジ処理が実行される(S38)。ステップS38の後、及び、チップチェンジボタン428がタッチされない場合(S37:NO)、エラーチップが存在するか否かが判定される(S39)。エラーチップが存在する場合(S39:YES)、ステップS30に戻る。即ち、エラーチップが除去されるまでスキャンが繰り返されることになる。
エラーチップが存在しない場合(S39:NO)、支払いが完了したか否かが判定される(S40)。1の支払いエリアにおける支払が完了したか否かは、加算領域に配置された遊技媒体が示す有価価値から、減算領域に配置された遊技媒体が示す有価価値を減算した値が、そのエリアにおけるベット額と支払額との合計値に一致したか否かで判定される。即ち、これらが一致した場合、1の支払いエリアにおける支払が完了する。別の支払エリアの支払いが完了していない場合には、ステップS30へ戻る。全ての支払エリアの支払いが完了した場合には、本ルーチンが終了される。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:チップチェンジ処理)
図45に示すように、支払い処理において、チップチェンジ処理が実行されると、ディーラーディスプレイ4にチップチェンジ画面(図29参照)が表示され、ディーラーアンテナスキャン処理が実行される(S50)。ディーラーアンテナスキャン処理では、ディーラー領域2106における遊技媒体がスキャンされる。そして、スキャンした遊技媒体にエラーチップが含まれるか否かが判定される(S51)。エラーチップが含まれていた場合(S51:YES)、ステップS50に戻る。
一方、エラーチップが含まれていない場合(S51:NO)、OKボタン458がタッチされたか否かが判定される(S52)。OKボタン458がタッチされない場合(S52:NO)、ステップS50に戻る。尚、ステップS50において、遊技媒体が検出されない場合には、OKボタン458への入力が無効にされるため、ステップS52からステップS50に戻ることになる。OKボタン458がタッチされた場合(S52:YES)、ディーラー領域2106に配置されている遊技者からの遊技媒体(インカミングチップ)が確定される。尚、図示しないが、確定された遊技媒体がメモリ33に記憶される。
OKボタン458がタッチされ遊技者からの遊技媒体が確定した後、ディーラーアンテナスキャン処理が実行され、ディーラー領域2106における遊技媒体が再度スキャンされる(S53)。このとき、メモリ33に記憶した遊技媒体は除外する。そして、スキャンした遊技媒体にエラーチップが含まれるか否かが判定される(S54)。エラーチップが含まれていた場合(S54:YES)、ステップS53に戻る。
一方、エラーチップが含まれていない場合(S54:NO)、OKボタン458がタッチされたか否かが判定される(S55)。OKボタン458がタッチされない場合(S55:NO)、ステップS53に戻る。尚、ステップS53においてスキャンした遊技媒体が示す有価価値の合計が、ステップS52の後に記憶した遊技媒体が示す有価価値と一致しない場合、OKボタン458への入力が無効にされるため、ステップS55からステップS53に戻ることになる。即ち、インカミングチップと、遊技者へ渡すアウトカミングチップとが一致する場合に、OKボタン458への入力が有効となる。OKボタン458がタッチされた場合(S55:YES)、本ルーチンが終了される。
(遊技テーブルシステム1:制御部3:ローリング処理)
図35を参照して説明したように、ベット画面からローリングを行うローリング画面が表示される。このローリング画面で行うローリング処理について説明する。
図46に示すように、支払い処理において、チップチェンジ処理が実行されると、ディーラーディスプレイ4にローリング画面が表示され、ディーラーアンテナスキャン処理が実行される(S60)。ディーラーアンテナスキャン処理では、ディーラー領域2106における遊技媒体がスキャンされる。そして、スキャンした遊技媒体にエラーチップ又は交換不可チップが含まれるか否かが判定される(S61)。エラーチップ又は交換不可チップが含まれていた場合(S61:YES)、ステップS60に戻る。
一方、エラーチップ又は交換不可チップが含まれていない場合(S61:NO)、OKボタン458がタッチされたか否かが判定される(S62)。OKボタン458がタッチされない場合(S52:NO)、ステップS50に戻る。尚、ステップS60において、遊技媒体が検出されない場合やには、OKボタン468への入力が無効にされるため、ステップS62からステップS60に戻ることになる。OKボタン468がタッチされた場合(S62:YES)、ディーラー領域2106に配置されている遊技者からの遊技媒体(インカミングチップ)が確定される。尚、図示しないが、確定された遊技媒体がメモリ33に記憶される。
OKボタン468がタッチされ遊技者からの遊技媒体が確定した後、ディーラーアンテナスキャン処理が実行され、ディーラー領域2106における遊技媒体が再度スキャンされる(S63)。このとき、メモリ33に記憶された遊技媒体は除外される。そして、スキャンした遊技媒体にエラーチップ又は交換不可チップが含まれるか否かが判定される(S64)。エラーチップ又は交換不可チップが含まれていた場合(S64:YES)、ステップS63に戻る。
一方、エラーチップが含まれていない場合(S64:NO)、OKボタン458がタッチされたか否かが判定される(S65)。OKボタン458がタッチされない場合(S65:NO)、ステップS63に戻る。尚、ステップS63においてスキャンした遊技媒体が示す有価価値の合計が、ステップS62の後に記憶した遊技媒体が示す有価価値と一致しない場合、OKボタン468への入力が無効にされるため、ステップS65からステップS63に戻ることになる。即ち、インカミングチップと、遊技者へ渡すアウトカミングチップとが一致する場合に、OKボタン468への入力が有効となる。OKボタン468がタッチされた場合(S65:YES)、本ルーチンが終了される。
(遊技テーブルシステム1:アンテナ部22)
次に、遊技ボード21上に配置される遊技媒体を読み取るためのアンテナ部22について説明する。
(遊技テーブルシステム1:アンテナ部22:機械構成)
図47に示すように、遊技テーブルシステム1の遊技ボード21(図2参照)は着脱可能にされており、遊技ボード21の下方には、ベット領域211・212・213・214・215、ディーラー領域2106、及び、コミッション領域2107の夫々に配置された遊技媒体を読み取るための5つのアンテナモジュール220(アンテナモジュール221・222・223・224・225)、アンテナ226、アンテナ227が、各領域に対応する位置に埋設されている。
5つのアンテナモジュール220は、夫々、各ベット領域211・212・213・214・215が有するベット対象領域2100を読み込むための複数のアンテナを有したユニットに構成されている。アンテナモジュール221・222・223・224・225は、全て同じに構成されているが、これに限定されない。
具体的に、図48に示すように、アンテナモジュール220は、略直方体の形状を有する。アンテナモジュール221の筐体230は、本体部231と蓋体部232とからなる。本体部231の解放された上面に、蓋体部232を重ね合わせることによって、内部空間を有したアンテナモジュール220の筐体230が形成される。
アンテナモジュール220は、筐体230の内部空間に、遊技ボード21のプレイヤー領域2102に配置された遊技媒体を読み取るためのアンテナ2202、遊技ボード21のバンカー領域2101に配置された遊技媒体を読み取るためのアンテナ2201、遊技ボード21のバンカーペア領域2103に配置された遊技媒体を読み取るためのアンテナ2203、遊技ボード21のタイ領域2104に配置された遊技媒体を読み取るためのアンテナ2204、及び、遊技ボード21のプレイヤーペア領域2105に配置された遊技媒体を読み取るためのアンテナ2205、を有している。アンテナ2201〜2205は、遊技ボード21に配置される遊技媒体との通信強度を保持すべく、筐体230の内部空間において、上面側に支持される。
図示しないが、アンテナ2201〜2205、アンテナ226、及び、アンテナ227は、カプラボードを介してRFIDリーダを有する制御部3に接続されている。制御部3と、カプラボードとを接続する信号線は、夫々フェライトコアに挿通されており、制御部3及びカプラボード間の信号線に混入するノイズを低減している。
(遊技テーブルシステム1:制御部3、アンテナ部22:読取処理)
図49を参照して、制御部3がアンテナ部22を用いて実行する読取処理について説明する。尚、以下、アンテナを特定しないが、アンテナの指定がある場合にはそのアンテナについて以下の処理が実行される。また、何れかのベット領域210が指定される場合には、当該ベット領域210の全てのベット対象領域2100を読み取るアンテナ全てに対し順次読取処理を実行する。また、アンテナの指定が無い場合には順次全てのアンテナについて読取処理を実行する。
先ず、制御部3において読取処理が実行されると、アンテナの通信範囲内にある遊技媒体のRFIDタグに対して要求信号を送信し、タイムスロット領域を指定する(S310)。
要求信号を受信したRFIDタグは、識別情報からCRCにより16ビットのCRC符号を生成する。次に、要求信号を受信したRFIDタグは、タイムスロット領域の値ごとに定められたタイミングで、識別情報(64ビットUID)、第1誤り検出符号(16ビットCRC符号)及び第2誤り検出符号(8ビットDSFID)を含む応答信号を送信する。
第1誤り検出符号のデータ長及び第2誤り検出符号のデータ長は、識別情報のデータ長よりも短い。第2誤り検出符号のデータ長は、第1誤り検出符号のデータ長よりも短い。第1誤り検出符号と第2誤り検出符号とは、互いに異なる方法として、例えば異なるデータ長となるように生成されている。第1誤り検出符号は、RFIDタグで生成されている。第2誤り検出符号は、予め生成されてメモリ33に記憶されている。
アンテナを介して、各RFIDタグ101から順番に応答信号を受信すると(S311)、応答信号中の識別情報から、第1誤り検出符号(16ビットUID)及び第2誤り検出符号(8ビットDSFID)が生成される(S312)。この後、S311においてRFIDタグ101から受信した第1誤り検出符号と、S312において生成した第1誤り検出符号との一致又は不一致が検出される(S313)。通常、応答信号の衝突が生じていなければ、第1誤り検出符号の値は一致する。
S313の後、S311においてRFIDタグ101から受信した第2誤り検出符号と、S312において生成した第2誤り検出符号との一致又は不一致を検出する(S314)。通常、応答信号の衝突が生じていなければ、第2誤り検出符号の値は一致する。
次に、第1誤り検出符号が一致したか否かが判定される(S315)。通常、応答信号の衝突が生じていれば、第1誤り検出符号は一致せず、RFIDタグを認識することはできない。複数のRFIDタグから同時に応答信号が送信されると、データ値が変わってしまうため、S313で第1誤り検出符号の不一致が検出される。この場合、第1誤り検出符号が一致しなかったと判断され(S315:NO)、メモリ33に、タイムスロット領域における通信結果として未認識が記録される(S316)。
通常、応答信号が衝突した場合、S313において、第1誤り検出符号の不一致が検出される。しかし、応答信号が衝突しても、偶然、受信した第1誤り検出符号と生成した第1誤り検出符号とが一致する場合がある。この現状により正しいと認識された識別情報が所謂ゴーストIDであり、正しいと認識されたRFIDタグが所謂ゴースト遊技媒体となる。
異なる識別情報を有する複数のRFIDタグが、同時に、同じ拡散符号で、同じタイムスロットを用いて通信を始めた場合に、nビットのCRCにより誤りを検出できない確率は、受信時に合成された識別情報(DATAX)から生成されるnビットのCRC符号が、受信時に合成されたnビットの第1誤り検出符号(CRC X)と偶然に一致する確率である。この確率は、2−nで表わすことができる。本実施形態では、第1誤り検出符号として、16ビットCRC符号を用いるので、2の−16乗である1/65536の確率で、ゴーストチップが生じる。
S315において、第1誤り検出符号が一致したと判断した場合は(S315:YES)、続いて第2誤り検出符号が一致したか否かを判断する(S317)。第1誤り検出符号が一致し且つ第2誤り検出符号が不一致であった場合は、応答信号の衝突により第1誤り検出符号の誤認識が発生していることになる。この場合(S317:NO)、メモリ33に、タイムスロット領域における通信結果として誤認識が記録される(S318)。
一方、S317において、第1誤り検出符号が一致し且つ第2誤り検出符号が一致したと判断した場合、RFIDタグの正常な認識が行われたこととする。この場合(S317:YES)、メモリ33に、タイムスロット領域における通信結果として認識完了が記録される(S319)。
S316、S318又はS319の実行後、アンテナの通信範囲内における全タイムスロットの通信が完了したか否かを判断する(S320)。全タイムスロットの通信が完了していないと判断した場合は(S320:NO)、処理をS311に戻す。一方、全タイムスロットの通信が完了したと判断した場合は(S320:YES)、メモリ33に未認識の記録があるか否かが判断される(S321)。
未認識の記録があると判断した場合は(S321:YES)、再読取処理を実行する。再読取処理では、S310で指定したタイムスロット領域とは別のタイムスロット領域(例えば、64ビットUIDのうちの最下桁から17〜32番目のビット)を指定する要求信号を送信する。記憶部43に未認識の記録がないと判断された場合(S321:NO)、又はS322の処理を実行した場合は、記憶部43に誤認識の記録があるか否かが判断される(S323)。誤認識の記録がないと判断された場合は(S324:NO)、本処理が終了される。一方、誤認識の記録があると判断された場合は(S324:YES)、グループ指定読取処理が行われた後(S324)、本処理が終了される。
グループ指定読取処理を詳細に説明すると、第1誤り検出符号の誤認識が生じたときと同一のタイムスロット領域及びタイムスロット値を指定し且つ1つのグループを指定する指定信号を送信する。指定信号は、グループ符号を含んでおり、グループ符号により、グループの指定を行う。グループの数は、グループ符号が取り得る値の数(2のn乗)である。本実施形態において、グループ符号は、8ビットであるので、グループ数は、2の8乗で256であるがこれに限定されない。
指定信号を受信したRFIDタグは、グループ符号、識別情報及び第1誤り検出符号を含む返答信号を送信する。グループ符号のデータ長は、識別情報、第1誤り検出符号及び第2誤り検出符号よりも短い。グループ符号は、予め各RFIDタグに割り当てられて、メモリ33に記憶されている。
この後、アンテナを介して、RFIDタグから返答信号を受信し、誤認識のチップを特定する処理を行う。この処理では、受信した指定信号に含まれる識別情報から第1誤り検出符号を生成し、生成した第1誤り検出符号と、受信した指定信号に含まれる第1誤り検出符号との対比により、チップの認識を行う。そして、グループについての認識が完了したことをメモリ33に記録する。そして、このような処理を全グループの読取が完了するまで行う。
(発明の概要)
遊技テーブルシステム1は、遊技者(参加者)がベットする遊技媒体が配置されるベット領域210と、当該ベット領域210に配置された遊技媒体の有価価値を無線通信により読み取るアンテナ部22と、を有した遊技テーブル2と、アンテナ部22を制御してベット領域210の遊技媒体が示す有価価値の合計を取得するスキャン処理を実行する制御部3と、を備え、制御部3は、ベットの確定タイミングにおいてスキャン処理を実行して第1のベット額を確定し、ベットの確定タイミングより後の所定のタイミングにおいて再度スキャン処理を実行して第2のベット額を確定し、確定した第2のベット額が第1のベット額と異なる場合にはこれらが一致するまで、スキャン処理を繰り返す。
上記の構成によれば、ベットの確定タイミング以降において、第1のベット額に対して第2のベット額が異なる場合、第1のベット額と第2のベット額とが一致するまでスキャン処理が繰り返される。これにより、確定したベット額と遊技テーブル2のベット領域に配置された遊技媒体とに差異が生じたことを検出すると共に、遊技テーブル2のベット領域に配置された遊技媒体が確定したベット額に戻されたことを検出することができ、遊技テーブル2のベット領域210に配置された遊技媒体に変化が生じたまま、遊技が進行されるのを防止することが可能となる。
遊技テーブルシステム1は、第2のベット額が第1のベット額と異なる場合に、その異なる内容を報知するディーラーディスプレイ4を備えてもよい。
上記の構成によれば、ベット領域210上の遊技媒体がどのように変化されたことが理解できるため、ベット領域210において遊技媒体を確定したベット額に容易に戻すことができる。
遊技テーブルシステム1のディスプレイは、タッチパネル41を備え、ベットの確定タイミングを入力可能にされていてもよい。
上記の構成によれば、ベットの確定タイミングを入力により設定可能であるため、ベット期間を所望に設定することができる。
遊技テーブルシステム1の制御部3は、スキャン処理の繰り返しを中止可能にされていてもよい。
上記の構成によれば、スキャン処理の繰り返しを中止可能であるため、当該ベットをキャンセルすることが可能となる。
遊技テーブルシステム1は、遊技の結果を取得するカードシュー5をさらに有し、制御部3は、遊技の結果を取得するまで、スキャン処理を実行して第2のベット額を確定する処理を繰り返してもよい。
上記の構成によれば、遊技の結果が出るまで遊技テーブル2のベット領域210上の遊技媒体を監視することができる。
遊技テーブルシステム1は、遊技者がベットする遊技媒体が配置される遊技者毎の複数のベット領域210と、当該複数のベット領域210ごとに配置された遊技媒体の有価価値を無線通信により読み取るアンテナ部22と、を有した遊技テーブル2と、アンテナ部22を制御して当該ベット領域210の遊技媒体が示す有価価値の合計を取得するスキャン処理を実行する制御部3と、複数のベット領域210ごとに有価価値の合計を表示し、複数のベット領域210の何れかを指定可能なタッチパネル41を有するディーラーディスプレイ4と、を備え、制御部3は、ディーラーディスプレイ4のタッチパネル41により複数のベット領域210の何れかが指定された場合、当該ベット領域210に対してスキャン処理を再実行する。
上記の構成によれば、ディーラーディスプレイ4には遊技者毎のベット額が表示され、タッチパネル41により遊技者を指定することによりスキャン処理が再実行される。これにより、ディーラーは有価価値を再度読み込ませたいベット領域210を容易に指定することができる。その結果、ディーラーの負担を軽減することができる。
遊技テーブルシステム1は、遊技の結果を取得するカードシュー5をさらに有し、制御部3は、遊技の結果と遊技者のベットとに基づき、複数のベット領域210のうち支払いのあるベット領域210を決定し、支払いのあるベット領域210が複数存在する場合、タッチパネル41への入力に基づき、当該複数のベット領域210のうち1を決定し、当該ベット領域の支払額をディーラーディスプレイ4に表示してもよい。
上記の構成によれば、タッチパネル41により支払いの順を決定することができる。これにより、ディーラーは容易に所望の順での支払い動作を、支払額を確認しながら行うことが可能となる。
遊技テーブルシステム1の制御部3は、遊技の結果と遊技者のベットとに基づき、回収すべき遊技媒体が配置されたベット領域210を前記ディスプレイに示してもよい
上記の構成によれば、ディーラーは回収する遊技媒体が配置されるベット領域210を容易に見分けることができ、人為的なミスをより防止することができる。
遊技テーブルシステム1は、遊技のベット対象に対応する複数のベット対象領域2100を有し、遊技者がベットする遊技媒体が配置されるベット領域210と、前記遊技媒体の有価価値を無線通信により前記ベット対象領域ごとに読み取るアンテナ部22と、を有した遊技テーブル2と、アンテナ部22を制御してベット対象領域2100ごとの遊技媒体が示す有価価値の合計を取得するスキャン処理を実行する制御部3と、を備え、制御部3は、遊技の結果、支払いがあるベット対象に対応するベット対象領域2100を加算領域に設定し、支払いがないベット対象に対応するベット対象領域2100を減算領域に設定し、加算領域にある遊技媒体の有価価値の合計から、減算領域にある遊技媒体の有価価値の合計を引いた値が、支払額に一致するまで、スキャン処理を繰り返す。
上記の構成によれば、遊技の結果、遊技者に対して支払いがある場合に、遊技者がベットに用いるベット領域のうち支払いのあるベット対象領域2100を、支払いの遊技媒体を配置することに利用することができる。これにより、ディーラーは、ベットに用いられた遊技媒体をその状態のまま、追加の支払いの遊技媒体のみを支払いのあるベット対象領域2100に配置することで支払いを行うことができる。さらに、ディーラーは、支払いの際のハウスエッジを遊技者に支払いのないベット対象領域2100へ配置させることで容易に徴収することができる。これらの結果、ディーラーは、支払い時の遊技者との遊技媒体のやり取りをスムーズに行うことができ、遊技媒体が正常にやり取りされたかを容易に確認することができる。
遊技テーブルシステム1において、遊技はバカラであり、遊技テーブル2は、ベット領域210が、ベット対象領域2100として、バンカー領域2101と、プレイヤー領域2102とを有し、制御部3は、バンカーが勝利した際に、バンカー領域2101を加算領域に設定し、プレイヤー領域2102を減算領域に設定してもよい。
上記の構成によれば、遊技者は、バカラにおけるバンカー勝利時に発生するコミッションを支払う際に、プレイヤー領域2102に遊技媒体を配置することで、容易に支払うことが可能となる。
遊技テーブルシステム1の遊技テーブル2は、加算領域として機能するディーラー領域2106をさらに有していてもよい。
上記の構成によれば、ディーラーは、ディーラー領域2106を加算領域として用いることができるため、遊技の運用の自由度が高まる。
遊技テーブルシステム1の遊技テーブルは、減算領域として機能するコミッション領域2107をさらに有していてもよい。
上記の構成によれば、ディーラーは、コミッション領域2107を減算領域として用いることができるため、遊技の運用の自由度が高まる。
遊技テーブルシステム1は、遊技媒体が配置される遊技ボード21と、当該遊技ボード21に配置された遊技媒体の有価価値を無線通信により読み取るアンテナ部22と、を有した遊技テーブル2と、アンテナ部22を制御して遊技ボード21の遊技媒体が示す有価価値の合計を取得するスキャン処理を実行する制御部と、ディーラーディスプレイ4と、を備え、制御部3は、遊技ボード21のディーラー領域2106に配置されている第1の遊技媒体の有価価値の合計を決定し、所定のタイミングの後、遊技ボード21のディーラー領域2106に配置されている第1の遊技媒体を除く第2の遊技媒体の合計を決定して、第1の遊技媒体と第2の遊技媒体とが一致するか否かを判定し、判定結果をディーラーディスプレイ4に表示する。
上記の構成によれば、同じ遊技ボード21のディーラー領域2106において、第1の遊技媒体が示す有価価値を読み取った後、第1の遊技媒体を除外した第2の遊技媒体が示す有価価値を読み取り、これらが一致する否かを表示することができる。これにより、遊技テーブルシステムを管理するディーラーは、遊技者からの第1の遊技媒体の有価価値に対応する第2の遊技媒体を容易に提示することができ、遊技者との遊技媒体の両替における誤りを容易に防止することができる。また、ディーラーは、遊技者からの第1の遊技媒体を遊技媒体配置領域に置いた状態のまま、第1の遊技媒体と第2の遊技媒体とが示す有価価値が同じであるか否かを確認できる。その結果、ディーラーによる遊技媒体の移動操作を軽減し、誤りを防止することができる。
遊技テーブルシステム1の制御部3は、ディーラーディスプレイ4に、第1の遊技媒体が示す合計金額及び合計枚数を表示し、第2の遊技媒体が示す合計金額及び合計枚数を表示してもよい。
上記の構成によれば、第1の遊技媒体及び第2の遊技媒体の合計金額が表示されると共に、それぞれの合計枚数が表示される。これにより、実際に配置されている遊技媒体の枚数と、読み取った遊技媒体の枚数とを金額と合わせて確認することができるため、人為的なミスをより防止することができる。
遊技テーブルシステム1の制御部3は、第1の遊技媒体として、通貨に交換可能な兌換遊技媒体のみを許容し、第2の遊技媒体として、通貨に交換不能な不換遊技媒体のみを許容するモードを有していてもよい。
上記の構成によれば、ディーラーは、所謂ローリングに伴う、通貨に交換可能な兌換遊技媒体から通貨に交換不能な不換遊技媒体への交換動作、を行うにあたって、交換元に対応する遊技媒体の金種、及び、交換先に対応する遊技媒体の金種、を容易に選別することができ、人為的なミスを防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図示したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。