JP6166595B2 - シリンダカバー改造装置およびシリンダカバー改造方法 - Google Patents

シリンダカバー改造装置およびシリンダカバー改造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダカバー(シリンダヘッドと呼ばれることもある)に設けられた、燃料噴射弁が挿入される弁収容穴を再加工する際に用いられるシリンダカバー改造装置、およびこのシリンダカバー改造装置を用いたシリンダカバー改造方法に関する。
従来から、船舶や車などの輸送機器、発電設備などでは、シリンダ内で燃料を燃焼させる2ストロークエンジンが用いられている。一般に、シリンダは、シリンダライナとシリンダカバーを含み、シリンダカバーには、燃料噴射弁が挿入される弁収容穴が設けられる(例えば、特許文献1参照)。燃料としては、重油やガスなどが用いられる。
特開2012−225344号公報
近年では、環境問題から、排ガス中のCO2やNOXを低減させたり燃費を向上させたりすることが強く求められている。これに対する1つの対策として、既存の燃料噴射弁を、燃料噴射のタイミングを高精度に制御可能な新型の燃料噴射弁に取り換えることが考えられる。これを実現するためには、シリンダカバーに設けられている弁収容穴を新型の燃料噴射弁に合わせて再加工する必要がある。
弁収容穴は、一般に、比較的に大きな深さを有しているため、1つの切削工具を用いて弁収容穴を再加工するには、切削工具を非常に大きな力で弁収容穴内に押し込む必要がある。このため、通常は、主軸(スピンドル)の推進力が大きな大型の加工機械を備える工場にシリンダカバーを持ち込まなければならない。
しかしながら、大型のエンジンではシリンダカバーも大きくなるため、シリンダカバーをエンジンから取り外して工場まで搬送するには多大な労力を要する。特に、船舶では、シリンダカバーをエンジンルームから外部に排出するのも大変である。また、船舶では、ドックに停留中に改造工事を行う必要があり、シリンダカバーを工場に搬送して加工した場合にはドック期間が長くなる。
そこで、本発明は、現場でシリンダカバーを改造することができる可搬式のシリンダカバー改造装置およびこのシリンダカバー改造装置を用いたシリンダカバー改造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のシリンダカバー改造装置は、シリンダカバーの弁収容穴を再加工する際に用いられる可搬式のシリンダカバー改造装置であって、前記シリンダカバーが載置される載置面を有する支持台と、前記弁収容穴を取り囲むように前記シリンダカバーに装着される深さ規制用具と、前記支持台の側方に配置された架台と、前記架台に支持された、前記弁収容穴の軸心上で主軸を回転および上下動させるためのヘッドと、前記主軸に取り付けられたマスタアーバであって、前記弁収容穴内に挿入される軸部および前記深さ規制用具に当接するストッパを有するマスタアーバと、前記マスタアーバの軸部に取り付けられる複数の切削工具と、を備える、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、複数の切削工具によって切削工程を複数回に分けることができる。このため、切削工具を弁収容穴内に押し込む力を小さくすることができ、ヘッドとして主軸の推進力が小さいものを用いることが可能になる。その結果、シリンダカバー改造装置を可搬式とすることができる。しかも、切削工具が取り付けられるマスタアーバは、シリンダカバーに装着される深さ規制用具に当接するストッパを有しているため、ストッパが深さ規制用具に当接するまで主軸を下降させるだけで、切削工具を目標位置に到達させることができる。このため、簡易な操作で弁収容穴を所望の形状に加工することができる。
前記弁収容穴は、燃料噴射弁を保持する保持室と、前記保持室から燃焼室形成凹部に延びる底孔と、を有し、前記複数の切削工具は、前記保持室を拡張する保持室拡張工具を含み、前記保持室拡張工具は、前記底孔または拡張された前記底孔に嵌合するパイロットピンを有してもよい。この構成によれば、保持室拡張工具の径方向への位置変動を抑えることができ、保持室を高精度に切削することができる。
前記保持室は、前記底孔の周囲の弁座と、前記弁座の周囲のテーパー面と、を有し、前記複数の切削工具は、前記保持室拡張工具として、前記テーパー面を荒削りする階段状の切削面を有する第1テーパー面工具と、荒削りされた前記テーパー面を仕上げる第2テーパー面工具と、を含んでもよい。この構成によれば、テーパー面を切削するのに必要なトルクを小さくすることができる。
前記第1テーパー面工具および前記第2テーパー面工具は、先端が前記パイロットピンとして機能するシェルカッタアーバを共有してもよい。この構成によれば、第1テーパー面工具および第2テーパー面工具を安価に作製することができる。
例えば、前記複数の切削工具は、前記保持室拡張工具として、前記弁座を切削する弁座工具を含んでもよい。
前記シリンダカバーには、前記弁収容穴を延長するようにスリーブが取り付けられており、前記深さ規制用具は、前記スリーブが内部に嵌め込まれるとともに前記スリーブの端面に係合する筒状のブロックを含んでもよい。この構成によれば、燃料噴射弁を支持するスリーブを合理的に利用して深さ規制用具をシリンダカバーに装着することができる。しかも、ブロックによってスリーブを保護することができる。
前記マスタアーバは、前記スリーブまたは前記弁収容穴と嵌合して前記軸部をガイドするブッシュを有してもよい。この構成によれば、軸部のブレを抑えることができる。
前記ヘッドは、前記主軸が前記弁収容穴の軸心上に位置する加工位置と、前記主軸が前記シリンダカバー上から退避する退避位置との間で旋回可能となるように構成されており、前記マスタアーバは、前記主軸にマスタホルダを介して取り付けられ、前記マスタホルダは、前記マスタアーバが着脱可能に構成されていてもよい。この構成によれば、ヘッドが加工位置に位置するときにマスタアーバをマスタホルダから切り離し、ヘッドを退避位置に旋回させれば、マスタアーバを弁収容穴から取り出すことができる。すなわち、マスタアーバが弁収容穴から抜け出るまで主軸を上昇させる必要がないため、主軸のストロークを小さくすることができる。
上記のシリンダカバー改造装置は、前記マスタホルダに、前記マスタアーバの代わりに連結可能な芯出し用具であって、プローブが下向きに延びるピクテスト、および前記ピクテストを前記主軸の軸心と直交する方向に移動させるダイヤルスライダーを含む芯出し用具をさらに備えてもよい。この構成によれば、マスタホルダを利用して芯出し用具を固定することができるとともに、この芯出し用具を使用してシリンダカバーとヘッドとを容易に位置決めすることができる。
前記弁収容穴の軸心は、前記シリンダカバーの中心線に対して傾いており、前記載置面は、前記シリンダカバーの中心線と前記弁収容穴の軸心とがなす角度と同一の角度で、前記架台から遠ざかる方向に向かって先下がりに傾斜しており、前記載置面には、前記シリンダカバーの燃焼室形成凹部と嵌合する、前記載置面に沿って上向きに凸となる半円状の位置決めプレートが固定されていてもよい。この構成によれば、シリンダカバーを傾けた状態で鉛直方向に吊り降ろすだけで支持台の載置面上に載置することができるとともに、その状態からシリンダカバーを鉛直方向に吊り上げることもできる。
また、本発明のシリンダカバー改造方法は、主軸を回転および上下動させるためのヘッドを備えた可搬式のシリンダカバー改造装置を用いてシリンダカバーの弁収容穴を再加工するシリンダカバー改造方法であって、前記弁収容穴の軸心と前記主軸の軸心とが一致するように前記シリンダカバーと前記ヘッドとを位置決めする工程と、前記弁収容穴を取り囲むように前記シリンダカバーに深さ規制用具を装着する工程と、前記弁収容穴内に挿入される軸部および前記深さ規制用具に当接するストッパを有するマスタアーバにおける前記軸部に切削工具を取り付ける工程と、前記マスタアーバを前記主軸に取り付ける工程と、前記主軸を回転させながら前記ストッパが前記深さ規制用具に当接するまで前記主軸を下降させて前記切削工具による切削を行う工程と、を含む、ことを特徴とする。この方法によれば、切削工具が取り付けられるマスタアーバは、シリンダカバーに装着される深さ規制用具に当接するストッパを有しているため、ストッパが深さ規制用具に当接するまで主軸を下降させるだけで、切削工具を目標位置に到達させることができる。このため、簡易な操作で弁収容穴を所望の形状に加工することができる。
例えば、前記ヘッドは、前記主軸が前記弁収容穴の軸心上に位置する加工位置と前記主軸が前記シリンダカバー上から退避する退避位置との間で旋回可能となるように構成されており、前記マスタアーバは、前記主軸にマスタホルダを介して取り付けられ、前記マスタホルダは、前記マスタアーバが着脱可能に構成されていてもよい。そして、前記シリンダカバーと前記ヘッドとを、前記ヘッドを加工位置に旋回させた状態で位置決めし、前記マスタアーバを前記主軸に取り付ける工程では、前記ヘッドを退避位置に旋回させた状態で前記切削工具が取り付けられたマスタアーバを前記弁収容穴に挿入し、前記ヘッドを加工位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記マスタホルダに連結してもよい。
例えば、上記のシリンダカバー改造方法は、前記切削の後に、前記マスタアーバが前記弁収容穴内に挿入された状態で前記マスタアーバを前記マスタホルダから切り離し、前記ヘッドを退避位置に旋回させる工程をさらに含んでもよい。
例えば、上記のシリンダカバー改造方法は、前記切削の後であって、前記ヘッドを退避位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記弁収容穴から取り出し、前記マスタアーバに取り付けられた切削工具を別の切削工具に取り換える工程と、前記別の切削工具が取り付けられたマスタアーバを前記弁収容穴に挿入し、前記ヘッドを前記加工位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記マスタホルダに連結する工程と、をさらに含んでもよい。
例えば、前記シリンダカバーの弁収容穴を、船舶のエンジンルーム内で再加工してもよい。この方法によれば、船舶がドックに停留中に改造工事を行う場合にはドック期間を大幅に短縮することができる。また、船舶がドックに停留中でなくても、例えば港湾に停泊中に、改造工事を行うことができる。
本発明によれば、例えば船舶のエンジンルーム内などの現場でシリンダカバーを改造することができる。
本発明の一実施形態に係るシリンダカバー改造装置の正面図である。 図1に示すシリンダカバー改造装置の平面図である。 シリンダカバーの一部の拡大断面図である。 芯出し用具がマスタホルダに連結された状態を示す図である。 (a)はシリンダカバーに装着された深さ規制用具の断面図、(b)は同深さ規制用具の平面図である。 マスタアーバがマスタホルダに連結される前の状態を示す図である。 (a)〜(f)はそれぞれ切削工具の側面図である。 (a)は第1テーパー面工具の断面図、(b)は第2テーパー面工具の断面図である。 変形例の第1テーパー面工具の分解した状態での断面図である。 シリンダの上部の断面図である。
(シリンダカバー改造装置の構成)
図1および図2に、本発明の一実施形態に係るシリンダカバー改造装置1を示す。このシリンダカバー改造装置1は、シリンダカバー9の弁収容穴94を再加工する際に用いられる可搬式のものである。
まず、図10を参照して、シリンダカバー9について説明する。シリンダカバー9は、シリンダライナ101と共にシリンダを構成するものであり、シリンダカバー9には、ピストン102が出入可能な燃焼室形成凹部91が設けられている。また、シリンダカバー9の周縁部には、当該シリンダカバー9を固定するための複数の貫通穴93が等角度間隔で設けられている。さらに、シリンダカバー9には、燃料噴射弁100が挿入される2つの弁収容穴94が設けられている。弁収容穴94は、シリンダカバー9の中心線90を挟んで互いに反対側に位置している。なお、弁収容穴94の数は、1つであっても3つ以上であってもよい。本実施形態では、シリンダカバー9に、各弁収容穴94を延長するようにスリーブ99が取り付けられている。
本実施形態では、シリンダカバー9に排気口92が設けられている。すなわち、図10に示すシリンダは、ユニフロー式のシリンダである。ただし、シリンダカバー9は、排気口92がシリンダライナ101に設けられたクロス式またはループ式のシリンダの構成要素であってもよい。
弁収容穴94の軸心Aは、シリンダカバー9の中心線90に対して傾いている。ただし、軸心Aは中心線90と平行であってもよい。
弁収容穴94は、図3に示すように、燃料噴射弁100を保持する保持室96と、保持室96から燃焼室形成凹部91に延びる底孔95を有している。保持室96は、より詳しくは、底孔95の周囲のテーパー状の弁座96aと、弁座96aの周囲のフラット面96bと、フラット面96bの周囲のテーパー面96cと、テーパー面96cよりも上方の円筒面96dを有している。底孔95には、燃料噴射弁100の先端に設けられたノズルが挿通される。弁座96aは、燃料噴射弁100のノズルの根元部分と当接することにより燃料噴射弁100を位置決めする役割を果たす。フラット面96bおよびテーパー面96cは、燃料噴射弁100のノズル近傍の先細り部分と対応する形状を有している。
既存の燃料噴射弁100を新型の燃料噴射弁と取り換えるために、弁収容穴94は例えば図3中に二点鎖線で示されるように再加工される。本実施形態では、保持室96および底孔95の双方が拡張される。本実施形態における保持室96の拡張は、保持室96の深さを維持したままで、円筒面96dを延長するようにテーパー面96cを広げるものである。ただし、弁収容穴94の再加工は、保持室96および底孔95のどちらかが拡張されるだけであってもよい。また、保持室96の拡張は、保持室96の深さを深くするものであってもよい。
次に、シリンダカバー改造装置1の構成を説明する。図1および図2に示すように、シリンダカバー改造装置1は、支持台14、架台11およびヘッド2を含む装置本体を備えている。また、シリンダカバー改造装置1は、装置本体のヘッド2に取り付けられる芯出し用具8(図4参照)およびマスタアーバ5(図6参照)と、マスタアーバ5に取り付けられる複数の切削工具6(図7(a)〜(f)参照)と、シリンダカバー9に装着される深さ規制用具4(図5(a)参照)と、を備えている。
架台11は、支持台14の側方に配置されており、ベース部12とこのベース部12上に立てられた支柱部13を含む。図示は省略するが、ベース部12には、水平面上で支柱部13の位置を微調整するための押しボルトが適所に設けられている。
支持台14は、シリンダカバー9が載置される載置面14aを有している。載置面14aは、シリンダカバー9の中心線90と弁収容穴94の軸心Aとがなす角度と同一の角度で、架台11から遠ざかる方向に向かって先下がりに傾斜している。ここで、「同一の角度」とは、2つの角度が必ずしも完全一致である必要はなく、例えばそれらの差が5度以内などの実質的に同一の角度であればよい。支持台14は、載置面14aの角度が調整できるようにベース部12に連結されている。
載置面14aには、シリンダカバー9の燃焼室形成凹部91と嵌合する位置決めプレート15が固定されている。位置決めプレート15は、載置面14aに沿って上向きに凸となる半円状をなしている。
ヘッド2は、弁収容穴94の軸心A上で主軸(スピンドル)21を回転および上下動させるためのものである。具体的に、ヘッド2には、主軸21を回転させるモータ23と、主軸21を手動で上下動させるためのハンドル22が設けられている。また、図示は省略するが、ヘッド2には、主軸21の回転数を変更するための機構が設けられている。ヘッド2としては、例えば、市販のボール盤を用いることができる。
本実施形態では、ヘッド2は、図2中に実線で示す加工位置と図2中に二点鎖線で示す退避位置との間で旋回可能となるように構成されている。加工位置は、主軸21が弁収容穴94の軸心A上に位置する位置であり、退避位置は、主軸21がシリンダカバー9上から退避する位置(例えば、旋回中心に対して加工位置と180度をなす位置)である。具体的に、ヘッド2は、旋回台16を介して支柱部13に支持されており、旋回台16と支柱部13との間にはベアリングが配置されている。なお、図示は省略するが、旋回台16には、ヘッド2を手動で旋回させるための操作レバーが設けられている。また、旋回台16には、加工位置および退避位置のそれぞれでヘッド2を固定するための、支柱部13の上面に設けられた2つの位置決め穴に選択的に挿入される位置決めピン(図示せず)が設けられている。
ヘッド2の主軸21には、マスタホルダ3が固定されている。マスタホルダ3は、円柱状の主部と、この主部の上面から突出するコーン部を有し、コーン部が主軸21に設けられた固定穴21aに挿入された状態で止めねじにより拘束されている。
図6に示すマスタアーバ5は、マスタホルダ3を介して主軸21に取り付けられる。マスタホルダ3は、マスタアーバ5が着脱可能に構成されている。具体的に、マスタホルダ3の主部には、マスタアーバ5の後述する保持部55が挿入される保持穴31が設けられているとともに、保持部55を拘束するための止めねじ35が埋め込まれている。保持部55には、止めねじ35と対応する位置にフラット面55aが形成されている。
マスタアーバ5は、保持部55、拡径部58および軸部51で構成された、一本のシャフトであるアーバ本体と、アーバ本体に装着されたストッパ56よびブッシュ54を含む。保持部55、拡径部58および軸部51は、上から下にこの順に並んでおり、それらの径は段々と大きくなっている。
軸部51は、弁収容穴94に挿入されるものである。軸部51は、上部の大径部51bと下部の小径部51aを有し、これらによって形成される段差部にブッシュ54がC形止め輪54aによって固定されている。ブッシュ54は、スリーブ99と嵌合して軸部51をガイドする。なお、ブッシュ54は、弁収容穴94と嵌合してもよい。
ストッパ56は、深さ規制用具4に当接するものである。拡径部58は上から下に段々と大きくなる3つの段部を有し、一番下の段部にはリング状のストッパ56が嵌合している。中間の段部の周面にはねじ山が形成されており、このねじ山にストッパ56を押さえ付けるためのナット57が螺合している。なお、ストッパ56は、アーバ本体51と一体に形成されていてもよい。
図5(a)に示す深さ規制用具4は、中空のものであり、弁収容穴94を取り囲むようにシリンダカバー9に装着される。本実施形態では、深さ規制用具4は、スリーブ99が内部に嵌め込まれるとともに、スリーブ99の端面に係合する筒状のブロック40を含む。なお、シリンダカバー9には、スリーブ99の外側位置に、スリーブ99の略半周に沿って窪み98が形成されているが、この窪み98の底とブロック40の下面との間には僅かな隙間が形成される。すなわち、深さ規制用具40の高さ位置は、スリーブ99の端面によって規定される。
図5(b)に示すように、ブロック40は、シリンダカバー9の周方向に引き延ばされた形状を有している。一方、シリンダカバー9の上面には、図2に示すように、弁収容穴94と同一円周上でスリーブ99の両側に、燃料噴射弁100(図10参照)を固定するためのねじ穴97が設けられている。ブロック40は、そのねじ穴97を利用して、ボルト45によりシリンダカバー9に固定される。
また、本実施形態では、深さ規制用具4は、マスタアーバ5のストッパ56を当て止める位置を調整できるように構成されている。具体的には、ブロック40の上面に、複数(図例では4つ)のねじ穴が同一円周上で等角度間隔で設けられており、それらのねじ穴に高さ調整ねじ41が螺合している。すなわち、高さ調整ねじ41を回すことにより、ストッパ56を当て止める位置を任意の位置に調整することができる。さらに、ブロック40には、高さ調整ねじ41に当接したストッパ56の位置を測定するためのダイヤルゲージ42が取り付けられている。このため、ストッパ56を当て止める位置の調整を容易に行うことができる。
図7(a)〜(f)に示す切削工具6は、図6に示すマスタアーバ5の軸部51に取り付けられる。各切削工具6は、円柱状の保持部61を有している。一方、軸部51の先端には、切削工具6の保持部61が挿入される保持穴52が設けられているとともに、保持部61を拘束するための止めねじ53が埋め込まれている。保持部61には、止めねじ53と対応する位置にフラット面61aが形成されている。
各切削工具6は、目的に応じた切削面(62a〜62f)を有している。本実施形態における切削工具6は、保持室96を拡張する4つの保持室拡張工具と、底孔95を拡張する2つの底孔拡張工具を含む。4つの保持室拡張工具は、テーパー面96cを切削する第1テーパー面工具6Bおよび第2テーパー面工具6C、フラット面96bを切削するフラット面工具6D、ならびに弁座96aを切削する弁座工具6Fである。2つの底孔拡張工具は、底孔95を二段階で拡張するものであり、目標径よりも小さな径の切削面62aを有する第1底孔拡張工具6Aと、目標径の切削面62eを有する第2底孔拡張工具6Eである。
切削工具6A〜6Fはこの順に使用される。図例では、第1底孔拡張工具6Aおよび第2底孔拡張工具6Eのそれぞれは、保持部61を有する本体部63aと、本体部63aに結合されるカッター部63bで構成されている。ただし、本体部63aとカッター部63bは一体となっていてもよい。第1テーパー面工具6B、第2テーパー面工具6Cおよびフラット面工具6Dは、第1底孔拡張工具6Aにより拡張された底孔95に嵌合するパイロットピン64aを有し、弁座工具6Fは、第2底孔拡張工具6Eにより拡張された底孔95に嵌合する、パイロットピン64aよりも大径のパイロットピン64bを有する。なお、底孔95が拡張されない場合は、全ての保持室拡張工具が同一径のパイロットピンを有していてもよい。
図8(a)および(b)を参照して、第1テーパー面工具6Bおよび第2テーパー面工具6Cについてより詳しく説明すると、第1テーパー面工具6Bは、テーパー面96cを荒削りする階段状の切断面62bを有し、第2テーパー面工具6Cは、荒削りされたテーパー面を仕上げる平滑な切断面62cを有する。また、第1テーパー面工具6Bおよび第2テーパー面工具6Cは、上部が保持部61として機能し、下部である先端がパイロットピン64aとして機能するシェルカッタアーバ65を共有する。そして、第1テーパー面工具6Bは、シェルカッタアーバ65と螺合する、階段状の切断面62bが形成されたシェルカッタ66を有し、第2テーパー面工具6Cは、シェルカッタアーバ65と螺合する、平滑な切断面62cが形成されたシェルカッタ67を有する。
ただし、階段状の切断面62bを有する第1テーパー面工具6Bに代えて、図9に示すような第1テーパー面工具6B’を使用することも可能である。この第1テーパー面工具6B’は、上部が保持部61を構成するメインシャフト71と、メインシャフト71に挿通されるリング状の複数のシェルカッタ72と、シェルカッタ72間に挟まれるカラー73と、メインシャフト71の先端に被せられるキャップ74と、パイロットピン64aとして機能する、メインシャフト71に設けられたねじ穴に螺合するサブシャフト75を含む。シェルカッタ72は、図8(a)に示すシェルカッタ66を各段ごとに分割したものである。
図4に示す芯出し用具8は、マスタアーバ5の代わりにマスタホルダ3に連結可能なものである。具体的に、芯出し用具8は、上部がマスタアーバ5の保持部55と同様に構成されたメインシャフト81と、メインシャフト81に設けられた保持穴に挿入された状態でロック部材82により拘束されたダイヤルスライダー83と、ダイヤルスライダー83に取り付けられたピクテスト84を含む。ピクテスト84は、下向きに延びるプローブ84aを有している。ダイヤルスライダー83は、ピクテスト84を主軸21の軸心Bと直交する方向に移動させるためのものである。
(シリンダカバー改造装置を用いた改造方法)
次に、上述したシリンダカバー改造装置1を用いてシリンダカバー9の弁収容穴94を再加工する方法を説明する。シリンダカバー改造装置1は、例えば船舶のエンジンルーム内に持ち込まれ、ここで使用される。具体的に、シリンダカバー改造装置1を用いた改造方法は、載置工程、芯出し工程、深さ規制用具装着工程、切削工具取付工程、マスタアーバ取付工程、第1切削工程、切削工具取換工程、第2切削工程を含む。本実施形態では、これらの工程がこの順に行われる。以下、各工程について詳しく説明する。
(1)載置工程
本工程では、シリンダカバー9を支持台14の傾斜する載置面14a上に載置する。一例として、シリンダカバー9に設けられた、燃料噴射弁100を固定するための4つのねじ穴97を利用してアイボルトを取り付け、ワイヤおよびチェーンブロックによりシリンダカバー9を傾けた状態で吊り上げ、支持台14上に移送し、支持台14上で吊り下ろす。
載置面14a上に固定された位置決めプレート15が円形状である場合は、載置面14aと直交する方向に沿ってシリンダカバー9を載置面14aに近づけなければ、位置決めプレート15をシリンダカバー9の燃焼室形成凹部91と嵌合させることができない。これに対し、本実施形態では、位置決めプレート15が、載置面14aに沿って上向きに凸となる半円状であるので、シリンダカバー9を傾けた状態で鉛直方向に吊り降ろすだけで載置面14a上に載置することができる。しかも、その状態からシリンダカバー9を鉛直方向に吊り上げることもできる。
(2)芯出し工程
本工程では、弁収容穴94の軸心Aと主軸21の軸心Bとが一致するように、シリンダカバー9とヘッド2とを位置決めする。この位置決めは、ヘッド2を加工位置に旋回させた状態で行う。
まず、図4に示すように、マスタホルダ3に芯出し用具8を連結する。そして、ピクテスト84のプローブ84aをスリーブ99の外周面の上部に当接させる。その後、ヘッド2における回転クラッチをオフにし、主軸21を手動で回転しながら軸心A,B同士のズレを測定する。ズレがあれば、シリンダカバー9を位置決めプレート15に沿って回転させたり、架台11における支柱部13をベース部12に対して移動させたりして、そのズレを相殺する。
位置決めが完了すれば、芯出し用具8をマスタホルダ3から取り外し、ヘッド2を退避位置に旋回させる。
(3)深さ規制用具装着工程
本工程では、図5(a)に示すように、弁収容穴94を取り囲むようにシリンダカバー9に深さ規制用具4を装着する。具体的には、スリーブ99にブロック40を嵌合させ、ボルト45によってブロック40をシリンダカバー9に固定する。その後、高さ調整ねじ41を適切な高さにセットする。
(4)切削工具取付工程
本工程では、第1底孔拡張工具6Aをマスタアーバ5の軸部51(正確には、先端の保持穴52)に取り付ける。なお、本工程は、深さ規制用具装着工程の前に行われてもよいし、芯出し工程の前に行われてもよい。
(5)マスタアーバ取付工程
本工程では、ヘッド2を退避位置に旋回させた状態のままで、図6に示すように、第1底孔拡張工具6Aが取り付けられたマスタアーバ5をスリーブ99および弁収容穴94に挿入する。なお、図6では、図面を簡略化するために、切削工具の作図を省略している。その後、ヘッド2を加工位置に旋回させ、マスタアーバ5をマスタホルダ3に連結する。すなわち、マスタアーバ5をマスタホルダ3を介して主軸21に取り付ける。
(6)第1切削工程
本工程では、主軸21を回転させながら、マスタアーバ5のストッパ56が深さ規制用具4の高さ調整ねじ41に当接するまで主軸21を下降させる。これにより、第1底孔拡張工具6Aによる切削(底孔95の一次拡張)が行われる。底孔95の一次拡張が完了すれば、主軸21の回転を停止する。
(7)切削工具取換工程
底孔95の一次拡張が行われた後は、マスタアーバ5が弁収容穴95内に挿入された状態で、マスタアーバ5をマスタホルダ3から切り離す。主軸21を上昇させるタイミングは、マスタホルダ3からマスタアーバ5を切り離す前であっても後であってもよい。
その後、ヘッド2を退避位置に旋回させ、マスタアーバ5を弁収容穴94から取り出す。ついで、マスタアーバ5に取り付けられた第1底孔拡張工具6Aを第1テーパー面工具6Bに取り換える。
(8)第2切削工程
本工程では、まず、第1テーパー面工具6Bが取り付けられたマスタアーバ5をスリーブ99および弁収容穴94に挿入する。ついで、ヘッド2を加工位置に旋回させた後に、マスタアーバ5をマスタホルダ3に連結する。
その後、主軸21を回転させながら、マスタアーバ5のストッパ56が深さ規制用具4の高さ調整ねじ41に当接するまで主軸21を下降させる。これにより、第1テーパー面工具6Bによるテーパー面96cの一次切削が行われる。テーパー面96cの一次切削が完了すれば、主軸21の回転を停止する。
テーパー面96cの一次切削が完了した後は、切削工具6を次の切削工具6に入れ替えるだけで、上述した切削工具取換工程および第2切削工程が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態のシリンダカバー改造装置1では、複数の切削工具6によって切削工程を複数回に分けることができる。このため、切削工具6を弁収容穴94内に押し込む力を小さくすることができ、ヘッド2として主軸21の推進力が小さいものを用いることが可能になる。その結果、シリンダカバー改造装置1を可搬式とすることができる。しかも、切削工具6が取り付けられるマスタアーバ5は、シリンダカバー9に装着される深さ規制用具4に当接するストッパ56を有しているため、ストッパ56が深さ規制用具4に当接するまで主軸21を下降させるだけで、切削工具6を目標位置に到達させることができる。このため、簡易な操作で弁収容穴94を所望の形状に加工することができる。
また、本実施形態では、保持室拡張工具(6B,6C,6D,6F)が拡張された底孔95と嵌合するパイロットピン(64aまたは64b)を有しているため、保持室拡張工具の径方向への位置変動を抑えることができ、保持室96を高精度に切削することができる。
さらに、保持室96のテーパー面96cは、第1テーパー面工具6Bにより荒削りされ、第2テーパー面工具6Cにより仕上げられるので、テーパー面96cを切削するのに必要なトルクを小さくすることができる。
また、第1テーパー面工具6Bおよび第2テーパー面工具6Cはシェルカッタアーバ65を共有するので、第1テーパー面工具6Bおよび第2テーパー面工具6Cを安価に作製することができる。
また、本実施形態では、マスタアーバ5が軸部51をガイドするブッシュ54を有するため、軸部51のブレを抑えることができる。
さらに、本実施形態では、ヘッド2が加工位置と退避位置との間で旋回可能であり、マスタアーバ5がマスタホルダ3を介して主軸21に取り付けられている。この構成によれば、ヘッド2が加工位置に位置するときにマスタアーバ5をマスタホルダ3から切り離し、ヘッド2を退避位置に旋回させれば、マスタアーバ5を弁収容穴から取り出すことができる。すなわち、マスタアーバ5が弁収容穴94から抜け出るまで主軸21を上昇させる必要がないため、主軸21のストロークを小さくすることができる。
また、シリンダカバー改造装置1はマスタアーバ5の代わりにマスタホルダ3に連結可能な芯出し用具8を備えているため、マスタホルダ3を利用して芯出し用具8を固定することができるとともに、この芯出し用具8を使用してシリンダカバー9とヘッド2とを容易に位置決めすることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、シリンダカバー9には必ずしもスリーブ99が取り付けられている必要はない。スリーブ99がシリンダカバー9に取り付けられていない場合は、深さ規制用具4は、例えば、弁収容穴94内に一部が挿入されるようにシリンダカバー9に装着されてもよい。すなわち、深さ規制用具4の構成は、弁収容穴94を取り囲むような形状を有する限り、特に限定されるものではない。
また、深さ規制用具4は、必ずしも筒状のブロック40を含んでいる必要はなく、弁収容穴94を取り囲むようにシリンダカバー9に装着されるような形状であればどのような形状を有していてもよい。例えば、深さ規制用具4は、図示は省略するが、平面視で略C字状の形状を有していてもよい。あるいは、深さ規制用具4は、複数のピース(例えば、半円弧状の2つのピース)に分割されていてもよい。
さらに、深さ規制用具4は、スリーブ99に嵌合する下側筒状部と、この下側筒状部に例えばネジ構造により上下動可能に取り付けられた上側筒状部とで構成されていてもよい。
なお、スリーブ99が無い場合は、芯出し用具8におけるピクテスト84のプローブ84aは、シリンダカバー9の上面における弁収容穴94の周縁部分に当てられてもよい。換言すれば、プローブ84aが弁収容穴94内に挿入されてもよい。
ただし、前記実施形態のように、シリンダカバー9にスリーブ99が取り付けられ、深さ規制用具4が筒状のブロック40を含めば、燃料噴射弁100を支持するスリーブ99を合理的に利用して深さ規制用具4をシリンダカバー9に装着することができる。しかも、ブロック40によってスリーブ99を保護することができる。
弁収容穴94の保持室96は、弁座96a、フラット面96bおよびテーパー面96cのいずれかを有しなくてもよい。また、弁座96aは、必ずしもテーパー状である必要はなく、フラットであってもよい。
また、ヘッド2は、必ずしも加工位置と退避位置との間で旋回可能である必要はなく、加工位置に固定されていてもよい。この場合、マスタホルダ3を省略し、マスタアーバ5を主軸21に直接取り付けることも可能である。ただし、この場合は、主軸21のストロークとしては、マスタアーバ5を弁収容穴94から抜き出されるだけのストロークが必要となる。このため、前記実施形態のように、ヘッド2は加工位置と退避位置との間で旋回可能であることが望ましい。
本発明は、船舶だけでなくその他の用途の2ストロークエンジンにおけるシリンダカバーを改造する際に有用である。
1 シリンダカバー改造装置
11 架台
14 支持台
14a 載置面
15 位置決め板
2 ヘッド
21 主軸
3 マスタホルダ
4 深さ規制用具
41 ブロック
5 マスタアーバ
51 軸部
54 ブッシュ
56 ストッパ
6 切削工具
6B 第1テーパー面工具
6C 第2テーパー面工具
6F 弁座工具
62a〜62f 切削面
64a,64b パイロットピン
65 シェルカッタアーバ
9 シリンダカバー
8 芯出し用具
83 ダイヤルスライダー
84 ピクテスト
84a プローブ
90 中心線
91 燃焼室形成凹部
94 弁収容穴
95 底孔
96 保持室
96a 弁座
96c テーパー面
100 燃料噴射弁

Claims (16)

  1. シリンダカバーの弁収容穴を再加工する際に用いられる可搬式のシリンダカバー改造装置であって、
    前記シリンダカバーが載置される載置面を有する支持台と、
    前記弁収容穴を取り囲むように前記シリンダカバーに装着される深さ規制用具と、
    前記支持台の側方に配置された架台と、
    前記架台に支持された、前記弁収容穴の軸心上で主軸を回転および上下動させるためのヘッドと、
    前記主軸に取り付けられたマスタアーバであって、前記弁収容穴内に挿入される軸部および前記深さ規制用具に当接するストッパを有するマスタアーバと、
    前記マスタアーバの軸部に取り付けられる複数の切削工具と、
    を備える、シリンダカバー改造装置。
  2. 前記弁収容穴は、燃料噴射弁を保持する保持室と、前記保持室から燃焼室形成凹部に延びる底孔と、を有し、
    前記複数の切削工具は、前記保持室を拡張する保持室拡張工具を含み、前記保持室拡張工具は、前記底孔または拡張された前記底孔に嵌合するパイロットピンを有する、請求項1に記載のシリンダカバー改造装置。
  3. 前記保持室は、前記底孔の周囲の弁座と、前記弁座の周囲のテーパー面と、を有し、
    前記複数の切削工具は、前記保持室拡張工具として、前記テーパー面を荒削りする階段状の切削面を有する第1テーパー面工具と、荒削りされた前記テーパー面を仕上げる第2テーパー面工具と、を含む、請求項2に記載のシリンダカバー改造装置。
  4. 前記第1テーパー面工具および前記第2テーパー面工具は、先端が前記パイロットピンとして機能するシェルカッタアーバを共有する、請求項3に記載のシリンダカバー改造装置。
  5. 前記複数の切削工具は、前記保持室拡張工具として、前記弁座を切削する弁座工具を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造装置。
  6. 前記シリンダカバーには、前記弁収容穴を延長するようにスリーブが取り付けられており、
    前記深さ規制用具は、前記スリーブが内部に嵌め込まれるとともに前記スリーブの端面に係合する筒状のブロックを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造装置。
  7. 前記マスタアーバは、前記弁収容穴と嵌合して前記軸部をガイドするブッシュを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造装置。
  8. 前記マスタアーバは、前記スリーブまたは前記弁収容穴と嵌合して前記軸部をガイドするブッシュを有する、請求項6に記載のシリンダカバー改造装置。
  9. 前記ヘッドは、前記主軸が前記弁収容穴の軸心上に位置する加工位置と、前記主軸が前記シリンダカバー上から退避する退避位置との間で旋回可能となるように構成されており、
    前記マスタアーバは、前記主軸にマスタホルダを介して取り付けられ、前記マスタホルダは、前記マスタアーバが着脱可能に構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造装置。
  10. 前記マスタホルダに、前記マスタアーバの代わりに連結可能な芯出し用具であって、プローブが下向きに延びるピクテスト、および前記ピクテストを前記主軸の軸心と直交する方向に移動させるダイヤルスライダーを含む芯出し用具をさらに備える、請求項に記載のシリンダカバー改造装置。
  11. 前記弁収容穴の軸心は、前記シリンダカバーの中心線に対して傾いており、
    前記載置面は、前記シリンダカバーの中心線と前記弁収容穴の軸心とがなす角度と同一の角度で、前記架台から遠ざかる方向に向かって先下がりに傾斜しており、
    前記載置面には、前記シリンダカバーの燃焼室形成凹部と嵌合する、前記載置面に沿って上向きに凸となる半円状の位置決めプレートが固定されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造装置。
  12. 主軸を回転および上下動させるためのヘッドを備えた可搬式のシリンダカバー改造装置を用いてシリンダカバーの弁収容穴を再加工するシリンダカバー改造方法であって、
    前記弁収容穴の軸心と前記主軸の軸心とが一致するように前記シリンダカバーと前記ヘッドとを位置決めする工程と、
    前記弁収容穴を取り囲むように前記シリンダカバーに深さ規制用具を装着する工程と、
    前記弁収容穴内に挿入される軸部および前記深さ規制用具に当接するストッパを有するマスタアーバにおける前記軸部に切削工具を取り付ける工程と、
    前記マスタアーバを前記主軸に取り付ける工程と、
    前記主軸を回転させながら前記ストッパが前記深さ規制用具に当接するまで前記主軸を下降させて前記切削工具による切削を行う工程と、
    を含む、シリンダカバー改造方法。
  13. 前記ヘッドは、前記主軸が前記弁収容穴の軸心上に位置する加工位置と前記主軸が前記シリンダカバー上から退避する退避位置との間で旋回可能となるように構成されており、
    前記マスタアーバは、前記主軸にマスタホルダを介して取り付けられ、前記マスタホルダは、前記マスタアーバが着脱可能に構成されており、
    前記シリンダカバーと前記ヘッドとを、前記ヘッドを加工位置に旋回させた状態で位置決めし、
    前記マスタアーバを前記主軸に取り付ける工程では、前記ヘッドを退避位置に旋回させた状態で前記切削工具が取り付けられたマスタアーバを前記弁収容穴に挿入し、前記ヘッドを加工位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記マスタホルダに連結する、請求項12に記載のシリンダカバー改造方法。
  14. 前記切削の後に、前記マスタアーバが前記弁収容穴内に挿入された状態で前記マスタアーバを前記マスタホルダから切り離し、前記ヘッドを退避位置に旋回させる工程をさらに含む、請求項13に記載のシリンダカバー改造方法。
  15. 前記切削の後であって、前記ヘッドを退避位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記弁収容穴から取り出し、前記マスタアーバに取り付けられた切削工具を別の切削工具に取り換える工程と、
    前記別の切削工具が取り付けられたマスタアーバを前記弁収容穴に挿入し、前記ヘッドを前記加工位置に旋回させた後に、前記マスタアーバを前記マスタホルダに連結する工程と、
    をさらに含む、請求項14に記載のシリンダカバー改造方法。
  16. 前記シリンダカバーの弁収容穴を、船舶のエンジンルーム内で再加工する、請求項1215のいずれか一項に記載のシリンダカバー改造方法。
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