JP6166442B2 - 車輌システム - Google Patents

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Description

本発明は車輌システムに関し、例えば、低抵抗の電流検出抵抗の両端に生じる電圧差に基づきバッテリの充放電電流を測定する車輌システムに関する。
自動車では、エンジンの始動、或いは、各種制御に用いる電力をバッテリによってまかなう。自動車に搭載されるバッテリには、蓄電池が用いられる。バッテリには、エンジンの動力によって発電を行うオルタネーターによって充電が行われる。このバッテリは、使用期間に応じて、特性が劣化するという特徴を有する。例えば、バッテリは、使用期間が長くなるにつれて、蓄電容量が低下し、出力インピーダンスが上昇するという特徴があり、このような性能劣化が生じると車輌が正常に動作しない問題が生じる。そのため、バッテリの状態に基づきバッテリの寿命を計算し、バッテリが要求する性能を満たしているかを判断する必要がある。
そこで、バッテリの性能の一つの指標であるバッテリの電圧測定を行う技術が特許文献1に開示されている。特許文献1では、バッテリとして組み電池を構成する複数の電池セルのそれぞれのセル電圧を測定する。ここで、特許文献1では、セル電圧に基づいて電池セルの電池状態を検出する電池状態検知回路に対して疑似電圧情報を入力して、電池状態検知回路が正常に動作しているか否かを診断することを特徴としている。特許文献1では、電池状態検知回路の診断を行うことで、セル電圧測定系の信頼性を向上させることができる。
特開2010−249793号公報
近年、小さな抵抗値を有する電流検出抵抗の両端に生じる電流モニタ電圧値に基づき、電流検出抵抗に流れる電流を測定するバッテリ状態監視システムが提案されている。このようなバッテリ状態監視システムでは、電流検出抵抗の抵抗値が配線抵抗に極めて近いため、電流検出抵抗の両端に接続される、2つの端子間の短絡状態を検出することが難しいという問題がある。
なお、特許文献1では、所定のセル電圧を有する電池セルの電圧値に基づく測定系に関するものであり、小さな抵抗値の電流検出抵抗で接続される2つの端子間の短絡については検出できない。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、車両システムは、バッテリの電源端子に接続される電流検出抵抗に流れる電流値に応じて変動する電流モニタ電圧値を測定するバッテリ状態監視装置と、バッテリ状態監視装置により測定された電流モニタ電圧値に基づきバッテリの状態を判定し、上位システムからの要求に応じて判定結果を送信する演算回路と、を含むバッテリ状態監視モジュールを含む。
一実施の形態によれば、極めて小さな抵抗値を有する電流検出抵抗で接続された2つの端子間の短絡状態を検出することができる。
実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置のブロック図である。 実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の電流モニタ動作を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置において端子間ショートが発生している場合の電流モニタ動作を説明するためのブロック図である。 端子間ショートが発生していない場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 端子間ショートが発生していない場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 0Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 0Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 100Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 100Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第1の変形例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるバッテリ状態監視装置の第2の変形例を示すブロック図である。 実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールのブロック図である。 バッテリの特性の経年変化を説明するためのグラフである。 バッテリの電流出力特性を説明するためのグラフである。 バッテリの性能指標を説明するための図である。 バッテリの充電率、劣化率及び放電性能の関係を説明するための図である。 実施の形態3にかかる車輌システムのブロック図である。 エンジン始動時のバッテリの電流及び電圧の変動を説明するためのグラフである。 実施の形態3にかかる車輌システムの充放電動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態3にかかる車輌システムの動作を説明するタイミングチャートである。 実施の形態3にかかる車輌システムにおける診断処理の動作を説明するフローチャートである。
実施の形態1
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。まず、実施の形態1にかかる半導体装置1は、配線抵抗とほぼ同じ程度の極めて小さな抵抗値を有する電流検出抵抗の両端の間に発生する電流モニタ電圧値を測定する。そして、実施の形態1にかかる半導体装置1は、電流検出抵抗を介して接続される2つの外部端子間の短絡の有無を検出する機能を有する。
図1に実施の形態1にかかる半導体装置1のブロック図を示す。なお、半導体装置1には、後述する入力制御回路10、測定部20及び制御回路30以外の他の回路も実装される。また、図1では、半導体装置1が測定対象とするバッテリBAT及びバッテリBATに対して入出力される電流の電流値を電圧値に変換する電流検出抵抗RSを示した。さらに、図1では、抵抗R1、R2、コンデンサC1〜C3を示した。抵抗R1、R2及びコンデンサC1〜C3は、電流検出抵抗RSの両端に生じる電流モニタ電圧値を測定する場合に不要なノイズを除去するフィルタとして機能するものである。
なお、バッテリBATは、例えば、自動車等の車輌に搭載される蓄電池であって、電極材に鉛を含む鉛電池である。つまり、バッテリBATは、12V或いは24Vの電圧を発生するものであり、ハイブリッド自動車或いは電気自動車の駆動モーターに電力を供給する組電池に利用されるニッケル水素電池又はリチウムイオン電池とは異なる。
また、電流検出抵抗RSは、例えば、シャント抵抗であって、配線抵抗に近い極めて小さな抵抗値(例えば、0.1mΩ程度)を有するものである。このシャント抵抗は、例えば、銅を主成分とする金属板であって、高い精度で抵抗値が設定されるものである。鉛電池は、出力電流の変動幅が、例えば、0A〜1500A程度と大きく、このような大きな変動幅を有する電流を計測する場合、ホール素子等を利用した電流検出素子では変動幅全域を正確に測定することが出来ない。一方、シャント抵抗は実質的にダイナミックレンジが無限大であるため、このような大きな変動幅を有する電流値の測定に適している。
図1に示すように、実施の形態1にかかる半導体装置1は、第1の外部端子T1、第2の外部端子T2、第3の外部端子T3、第4の外部端子T4、入力制御回路10、測定部20、制御回路30、第1の内部配線ND1、第2の内部配線ND2、第3の内部配線ND3、第4の内部配線ND4、第5の内部配線ND5を有する。
また、図1に示すように、バッテリBATは、電源端子として正極電極と負極電極とを有する。そして、バッテリBATは、正極電極からバッテリ電圧Vbatを出力し、負極電極から接地電圧GNDを出力する。また、正極電極と負極電極とにはそれぞれ電源配線が接続される。そして、負極電極側の電源配線には、電流測定抵抗(例えば、シャント抵抗RS)が挿入される。なお、以下の説明では、接地電圧GNDを伝達する電源配線に対してもGNDの符号を用いる。
第1の外部端子T1及び第2の外部端子T2は、シャント抵抗RSの一端とバッテリの電源端子とを接続する電源配線GNDに接続される。第3の外部端子T3は、シャント抵抗RSの他端に接続される。第4の外部端子T4は、接地電源配線に接続され、半導体装置1内の回路に接地電圧GNDを与える。
また、第2の外部端子T2とシャント抵抗RSの一端との間には第1の抵抗(例えば、抵抗R1)が挿入される。第3の外部端子T3とシャント抵抗RSの他端との間には第2の抵抗(例えば、抵抗R2)が挿入される。さらに、コンデンサC1は、抵抗R1と第2の外部端子T2とを接続するノードと接地電源ノードとの間に接続される。コンデンサC2は、抵抗R2と第3の外部端子T3とを接続するノードと接地電源ノードとの間に接続される。コンデンサC3は、抵抗R1と第2の外部端子T2とを接続されるノードと、抵抗R2と第3の外部端子T3とを接続するノードと、との間に接続される。抵抗R1、R2、及び、コンデンサC1〜C3はフィルタ回路を構成する。
また、第1の外部端子T1には第1の内部配線ND1が接続される。第2の外部端子T2には第2の内部配線ND2が接続される。第3の外部端子T3には第3の内部配線ND3が接続される。実施の形態1にかかる半導体装置1では、第1の内部配線ND1〜第3の内部配線ND3によって半導体装置内の回路に外部端子に生じた電圧を伝達する。
入力制御回路10は、制御回路30が出力する制御信号CNT1に応じて測定部20に与える電圧値の伝達経路を切り替えると共に、短絡テスト動作中に計測電流の出力動作とを行う。入力制御回路10は、第1の電流源11、第2の電流源12、経路切替回路13を有する。
第1の電流源11は、第2の外部端子に第1の計測電流を出力する。また、第1の電流源11は、制御信号CNT1に含まれる電流制御信号CNTi1に応じて第1の計測電流の大きさを切り替える。本実施の形態では、第1の電流源11は、電流制御信号CNTi1の値に応じて第1の計測電流を出力するか否かを切り替える。第2の電流源12は、第3の外部端子に第2の計測電流を出力する。また、第2の電流源12は、制御信号CNT2に含まれる電流制御信号CNTi2に応じて大きさを切り替える。本実施の形態では、第2の電流源12は、電流制御信号CNTi2の値に応じて第2の計測電流を出力するか否かを切り替える。
なお、第1の電流源11及び第2の電流源12は、例えば、図示しない基準電流源にて生成された基準電流を折り返して第2の内部配線ND2及び第3の内部配線ND3に与えるカレントミラー回路を有する。そして、第1の電流源11及び第2の電流源12は、当該カレントミラー回路を構成するトランジスタのうち第2の内部配線ND2又は第3の内部配線ND3に接続されるトランジスタと、第2の内部配線ND2及び第3の内部配線ND3との間にスイッチ回路を備え、電流制御信号CNTi1、CNTi2に基づき当該スイッチ回路の開閉状態を切り替えることで、計測電流の出力と停止とを切り替える。また、カレントミラー回路を構成するトランジスタのゲートと電源配線との間にスイッチ回路を設け、流制御信号CNTi1、CNTi2に基づき当該スイッチ回路の開閉状態を切り替えることでも、計測電流の出力と停止とを切り替えることができる。
また、第1の電流源11が出力する第1の計測電流は、第2の内部配線ND2を介して抵抗R1に与えられる。第2の電流源12が出力する第2の計測電流は、第3の内部配線ND3を介して抵抗R2に与えられる。
経路切替回路13は、第1の内部配線ND1及び第2の内部配線ND2と第4の内部配線ND4及び第5の内部配線ND5とを接続するか、第2の内部配線ND2及び第3の内部配線ND3と第4の内部配線ND4及び第5の内部配線ND5とを接続するか、を切り替える。なお、第4の内部配線ND4及び第5の内部配線ND5は、測定部20に接続される配線である。
経路切替回路13は、第1のスイッチ回路SW1と、第2のスイッチ回路SW2と、を有する。第1のスイッチ回路SW1は、短絡テスト動作中の第1、第2の短絡テスト動作において、第1の内部配線ND1と第4の内部配線ND4とを接続し、電流モニタ動作において、第2の内部配線ND2と第4の内部配線ND4とを接続する。第2のスイッチ回路SW2は、短絡テスト動作中の第1、第2の短絡テスト動作において、第2の内部配線ND2と第5の内部配線ND5とを接続し、電流モニタ動作において、第3の内部配線ND3と第5の内部配線ND5とを接続する。経路切替回路13は、制御回路30が出力する制御信号CNT1に含まれるスイッチ制御信号CNTs1、CNTs2に応じて上記経路切り替え動作を行う。
測定部20は、第1の外部端子T1と第2の外部端子T2との間の電圧差を測定する。なお、測定部20は、短絡テスト動作においては、第1の外部端子T1と第2の外部端子T2との間の電圧差に対応する測定値を出力するが、電流モニタ動作においては、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間の電圧差に対応する測定値を出力する。
また、測定部20は、可変ゲインアンプ21、アナログデジタル変換器22を有する。可変ゲインアンプ21は、第4の内部配線ND4及び第5の内部配線ND5を介して入力される電圧差を増幅する。また、可変ゲインアンプ21は、制御回路30から出力される制御信号CNT2に含まれるゲイン制御信号CNTaによって増幅率を変更する。
アナログデジタル変換器22は、可変ゲインアンプ21の出力値をデジタル値に変換する。このデジタル値は、測定値DOUTとして出力され、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。
制御回路30は、上位システムからの指示に基づき半導体装置1に電流モニタ動作と、短絡テスト動作とを行わせる。また、制御回路30は、電流モニタ動作と、短絡テスト動作との検出結果を記憶し、上位システムからの要求に応じて記憶した測定結果を出力する。
制御回路30は、第3の外部端子T3への第2の計測電流の出力を制御する。制御回路30は、動作状態設定レジスタ31、測定値レジスタ32を有する。動作状態設定レジスタ31には、半導体装置1の動作状態を指定する設定値が格納される。測定値レジスタ32には、測定部20により出力される測定値が動作状態毎に格納される。そして、制御回路30は、動作状態設定レジスタ31に格納された設定値に基づき短絡テスト動作と、電流モニタ動作とを切り替える。また、半導体装置1では、短絡テスト動作において、第1の期間において第1の短絡テスト動作を行い、第2の期間において第2の短絡テスト動作を行うが、制御回路30は、例えば、内蔵するシーケンサによって、第1の短絡テスト動作と、第2の短絡テスト動作と、を切り替える。また、制御回路30は、上位システムからの要求に応じて測定値レジスタ32に格納されている測定値を出力する。
なお、動作状態設定レジスタ31に格納される設定値は、上位システムからの要求に応じて書き換えられる。そして、制御回路30は、動作状態設定レジスタ31の設定値が書き換えられたことに応じて短絡テスト動作と、電流モニタ動作とを行う。
制御回路30は、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作とで第1の計測電流と第2の計測電流との電流差が異なるように第1の電流源11及び第2の電流源12を制御する。実施の形態1では、制御回路30は、第1の短絡テスト動作を行う第1の期間において、第2の計測電流を第1の計測電流よりも小さくし、第2の短絡テスト動作を行う第2の期間において、第2の計測電流の大きさを第1の期間よりも大きくする。より具体的には、制御回路30は、短絡テスト動作の第1の短絡テスト動作において第1の電流源により第1の計測電流を出力させ、第2の電流源による第2の計測電流の出力を停止し、第2の短絡テスト動作において第1、第2の電流源により第1、第2の計測電流を出力させる。また、制御回路30は、短絡テスト動作において、第1のスイッチ回路SW1により第1の内部配線ND1と第4の内部配線ND4とを接続させ、第2のスイッチ回路SW2により第2の内部配線ND2と第5の内部配線ND5とを接続させる。
制御回路30は、電流モニタ動作においては、第1の電流源11及び第2の電流源12による計測電流の出力を遮断するように第1の電流源11及び第2の電流源12を制御する。また、制御回路30は、電流モニタ動作において、第1のスイッチ回路SW1により第2の内部配線ND2と第4の内部配線ND4とを接続させ、第2のスイッチ回路SW2により第3の内部配線ND3と第5の内部配線ND5とを接続させる。
続いて、実施の形態1にかかる半導体装置1の動作について説明する。半導体装置1は、電流モニタ動作と、短絡テスト動作と、を行う。そこで、以下では、半導体装置1の動作を、電流モニタ動作と、短絡テスト動作と、に分けて説明する。ここで、以下の説明では、シャント抵抗RSの抵抗値を0.1mΩ、抵抗R1、R2の抵抗値を2kΩと仮定して説明を行う。
まず、電流モニタ動作について説明する。図2に実施の形態1にかかる半導体装置1の電流モニタ動作を説明するためのブロック図を示す。図2に示すように、電流モニタ動作では、第1のスイッチ回路SW1が第2の内部配線ND2と第4の内部配線ND4とを接続し、第2のスイッチ回路SW2が第3の内部配線ND3と第5の内部配線ND5とを接続する。また、電流モニタ動作では、第1の電流源11及び第2の電流源12は、計測電流の出力を停止した状態となる。
このとき、バッテリBATが50Aの電流を出力していたとすると、シャント抵抗RSの両端には5mVの大きさを有する電流モニタ電圧が生じる。そのため、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3には、5mVの電圧差が生じる。そして、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間の電圧差は、第2の内部配線ND2〜第5の内部配線ND5を介して測定部20に与えられ、測定部20は、5mVに対応する値を示す測定値DOUTとして出力する。
つまり、半導体装置1は、電流モニタ動作において、シャント抵抗RSに流れる電流の大きさに応じた電流モニタ電圧値に対応する測定値DOUTを取得する。取得した測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納され、上位システムからの要求に応じて上位システムに渡される。
図2に示した例では、シャント抵抗RSを介して接続される第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間に短絡が生じていない正常な状態における電流モニタ動作を説明した。しかし、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間に短絡が生じていた場合、測定結果が小さくなり、誤測定が発生する。そこで、図3に実施の形態1にかかる半導体装置1において端子間ショートが発生している場合の電流モニタ動作を説明するための半導体装置1のブロック図を示す。図3に示す例は、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間が100Ωの抵抗成分により短絡している例を示すものである。
図3に示すように、電流モニタ電圧が入力される2つの外部端子の間に短絡が生じている場合、抵抗R1、R2と2つの外部端子間を短絡させる抵抗成分との合成抵抗と、シャント抵抗RSと、が並列接続される。しかし、シャント抵抗RSの抵抗値が抵抗R1、R2に比べて極めて小さいため、シャント抵抗RS、抵抗R1、R2、短絡抵抗成分の合成抵抗はほぼシャント抵抗RSの抵抗値と同じになる。そのため、シャント抵抗RSの両端に生じる電流モニタ電圧値はほとんど変化しない。しかし、シャント抵抗RSと並列接続される抵抗R1、R2及び短絡抵抗成分の合成抵抗では、シャント抵抗RSの両端に生じる電流モニタ電圧が、合成抵抗を構成する抵抗成分の抵抗比により分圧される。そのため、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間の電圧差は、短絡抵抗成分の抵抗値を抵抗R1、R2及び短絡抵抗成分の合成抵抗の抵抗値により除算した値に電流モニタ電圧を乗じた値となる。具体的には、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間の電圧差は、(100Ω/4.1kΩ)×5mV=122μVとなる。
このように、シャント抵抗RSにより接続される外部端子の間に短絡が生じると、電流モニタ電圧とは異なる電圧差が、電流モニタ電圧をモニタする外部端子間に入力されるため、誤測定が発生する。実施の形態1にかかる半導体装置1では、短絡テスト動作により、電流モニタ電圧が入力される外部端子間の短絡を検出する。そこで、以下では、短絡テスト動作について説明する。
まず、図4及び図5に、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間に短絡が生じていない場合の短絡テスト動作を説明する実施の形態1にかかる半導体装置1のブロック図を示す。
図4は、実施の形態1にかかる半導体装置1の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。図4に示すように、短絡テスト動作において、半導体装置1は、第1のスイッチ回路SW1によって第1の内部配線ND1と第4の内部配線ND4を接続する。また、半導体装置1は、第2のスイッチ回路SW2によって第2の内部配線ND2と第5の内部配線ND5とを接続する。
そして、半導体装置1は、短絡テスト動作の第1の短絡テスト動作において、第1の電流源11により第1の計測電流I1を出力する。図4に示す例では、第1の計測電流I1は50μAの大きさを有する。また、第1の短絡テスト動作では、第2の電流源12による第2の計測電流I2の出力は停止された状態となる。
この第1の計測電流I1は、第2の内部配線ND2を介して抵抗R1に流れる。その後、第1の計測電流I1は、バッテリBATに流れる。このとき、第1の計測電流I1は、電源配線GNDにおいて、シャント抵抗RSを介してバッテリBATに流れる電流と合成されるが、シャント抵抗RSに流れる電流に対して第1の計測電流I1は、非常に小さいため、シャント抵抗RSに流れる電流の誤差の範囲内の電流としてバッテリBATに流れ込む。
そして、第1の計測電流I1によって、抵抗R1には100mVの電圧差が生じる。この電圧差は、第1の外部端子T1と、第2の外部端子T2との間に生じ、第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2を介して測定部20に入力される。したがって、測定部20は、抵抗R1の両端に生じた電圧差(100mV)に対応する測定値DOUTを出力する。この測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。
続いて、図5に、実施の形態1にかかる半導体装置1の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図を示す。図5に示すように、第2の短絡テスト動作では、経路切替回路13により形成される電圧入力経路は同じであるため、ここでは、第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2に関する説明を省略する。
第2の短絡テスト動作では、第1の電流源11及び第2の電流源12がいずれも計測電流を出力する。このとき、第1の電流源11が出力する第1の計測電流I1と第2の電流源12が出力する第2の計測電流I1は、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作とで計測される電圧差の比較を容易にするために、第1の短絡テスト動作のときの第1の計測電流I1と同じ大きさであることが好ましい。なお、第1の計測電流I1及び第2の計測電流I2の大きさは、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作との間で電流量の差が異なっていれば良く、必ずしも同じ大きさである必要はない。
第2の短絡テスト動作では、第1の計測電流I1は、第2の内部配線ND2を介して抵抗R1に与えられる。また、第2の計測電流I2は、第3の内部配線ND3を介して抵抗R2に与えられる。これにより、抵抗R1、R2の両端には、それぞれ100mVの電圧差が生じる。
そして、第2の短絡テスト動作においても、経路切替回路13により形成される電圧差入力経路が第1の短絡テスト動作と同じであるため、測定部20に入力される電圧差は、抵抗R1の両端の電圧差である。このとき、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間に短絡が生じていなければ、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作とで抵抗R1に流れる電流の大きさが同じになるため、抵抗R1の両端に生じる電圧差は、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作とで同じ値(100mV)になる。従って、第2の短絡テスト動作においても、端子間ショートが発生していなければ、測定部20が出力する測定値DOUTは、第1の短絡テスト動作と同じになる。第2の短絡テスト動作で測定部20が出力した測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。つまり、第2の短絡テスト動作終了時においては、測定値レジスタ32に第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、が格納される。
そして、上位システムは、制御回路30から第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、を取得し、2つの測定結果の差に基づき端子間ショートの有無を判断することができる。なお、図4、図5に示す例の場合、上位システムは、2つの測定結果に差がないことから端子間ショートは発生していないと判断する。
次いで、図6及び図7に、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間が0Ωで短絡している場合の短絡テスト動作を説明する実施の形態1にかかる半導体装置1のブロック図を示す。なお、端子間に短絡が生じている場合においても、半導体装置1の回路の接続関係及び動作する回路ブロックは図4及び図5に示す例と同じである。そのため、半導体装置1では、回路の接続関係及び動作する回路ブロックについての説明は図6、図7に関する説明では省略する。
図6は、0Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかる半導体装置1の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。図6に示すように、端子間がショートしている場合、第1の計測電流I1は、短絡部分を介して抵抗R2にも流れる。このとき、端子間が0Ωでショートしている場合、抵抗R1を通る電流パスのインピーダンスと、抵抗R2を通る電流パスのインピーダンスとがほぼ同じである。そのため、第1の計測電流I1は、抵抗R1を通る電流パスと、抵抗R2を通る電流パスとにそれぞれほぼ均等に流れる。図6に示す例では、抵抗R1を通る電流パスと、抵抗R2を通る電流パスとにそれぞれ25μAが流れる。
従って、抵抗R1の両端に生じる電圧及び抵抗R2の両端に生じる電圧は、ともに50mV程度となる。そして、抵抗R1の両端に生じた電圧差が、第1の外部端子T1と、第2の外部端子T2との間に生じ、第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2を介して測定部20に入力される。従って、測定部20は、抵抗R1の両端に生じた電圧差(50mV)に対応する測定値DOUTを出力する。この測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。
続いて、図7に、0Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかる半導体装置1の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図を示す。図7に示すように、第2の短絡テスト動作では、第1の計測電流I1は、第2の内部配線ND2を介して抵抗R1に与えられる。また、第2の計測電流I2は、第3の内部配線ND3を介して抵抗R2に与えられる。このとき、図7に示す例では、短絡箇所にはほとんど電流は流れない。これは、第1の計測電流I1と第2の計測電流I2とにより抵抗R1を通る電流パスに生じる電圧と、抵抗R2を通る電流パスに生じる電圧と、がほぼ同じであるため、第2の外部端子T2の電圧と、第3の外部端子T3の電圧とがほぼ同じになるためである。これにより、抵抗R1、R2の両端には、それぞれ100mVの電圧差が生じる。
そして、第2の短絡テスト動作においても、経路切替回路13により形成される電圧差入力経路が第1の短絡テスト動作と同じであるため、測定部20に入力される電圧差は、抵抗R1の両端の電圧差である。つまり、図7に示す例では、第2の短絡テスト動作において測定部20が出力する測定値DOUTは、100mVとなる。そして、第2の短絡テスト動作で測定部20が出力した測定値は、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。つまり、第2の短絡テスト動作終了時においては、測定値レジスタ32に第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、が格納される。
そして、上位システムは、制御回路30から第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、を取得し、2つの測定結果の差に基づき端子間ショートの有無を判断することができる。なお、図6、図7に示す例の場合、上位システムは、2つの測定結果に50mVの差があることから端子間ショートが発生していると判断する。つまり、実施の形態1にかかる半導体装置1を用いることで、端子間の短絡の有無により抵抗R1に生じる電圧差に差異を生じさせ、かつ、第1の短絡テスト動作と第2の短絡テスト動作とで抵抗R1に生じる電圧の違いに基づき端子間の短絡を認識できる。つまり、第1の計測電流I1と第2の計測電流I2の大きさは、上記した抵抗R1に生じる電圧差を作り出すことが出来ればよく、必ずしも同じ大きさである必要はない。
次いで、図8及び図9に、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間が100Ωで短絡している場合の短絡テスト動作を説明する実施の形態1にかかる半導体装置1のブロック図を示す。なお、端子間が100Ωの抵抗成分により短絡している場合においても、半導体装置1の回路の接続関係及び動作する回路ブロックは図4及び図5に示す例と同じである。そのため、半導体装置1では、回路の接続関係及び動作する回路ブロックについての説明は図8、図9に関する説明では省略する。
図8は、100Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかる半導体装置1の第1の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図である。図8に示すように、端子間がショートしている場合、第1の計測電流I1は、短絡部分を介して抵抗R2にも流れる。このとき、端子間が100Ωでショートしている場合、抵抗R1を通る電流パスのインピーダンスは約2kΩであり、抵抗R2を通る電流パスのインピーダンスは約2.1kΩである。そのため、第1の計測電流I1は、2つのパスのインピーダンス比に応じて、抵抗R1を通る電流パスには25.6μAが流れ、抵抗R2を通る電流パスには24.4μAが流れる。
従って、抵抗R1の両端に生じる電圧差は51.2mV程度となり、抵抗R2の両端に生じる電圧差は48.8mV程度となる。そして、抵抗R1の両端に生じた電圧差が、第1の外部端子T1と、第2の外部端子T2との間に生じ、第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2を介して測定部20に入力される。従って、測定部20は、抵抗R1の両端に生じた電圧差(51.2mV)に対応する測定値DOUTを有する出力信号DOUTを出力する。この測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。
続いて、図9に、100Ωで端子間ショートが発生している場合における実施の形態1にかかる半導体装置1の第2の短絡テスト動作の動作を説明するためのブロック図を示す。図9に示すように、第2の短絡テスト動作では、第1の計測電流I1は、第2の内部配線ND2を介して抵抗R1に与えられる。また、第2の計測電流I2は、第3の内部配線ND3を介して抵抗R2に与えられる。このとき、図9に示す例では、短絡箇所にはほとんど電流は流れない。これは、第1の計測電流I1と第2の計測電流I2とにより抵抗R1を通る電流パスに生じる電圧と、抵抗R2を通る電流パスに生じる電圧と、がほぼ同じであるため、第2の外部端子T2の電圧と、第3の外部端子T3の電圧とがほぼ同じになるためである。これにより、抵抗R1、R2の両端には、それぞれ100mVの電圧差が生じる。
そして、第2の短絡テスト動作においても、経路切替回路13により形成される電圧差入力経路が第1の短絡テスト動作と同じであるため、測定部20に入力される電圧差は、抵抗R1の両端の電圧差である。つまり、図9に示す例では、第2の短絡テスト動作において測定部20が出力する測定値DOUTは、100mVとなる。そして、第2の短絡テスト動作で測定部20が出力した測定値DOUTは、制御回路30の測定値レジスタ32に格納される。つまり、第2の短絡テスト動作終了時においては、測定値レジスタ32に第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、が格納される。
そして、上位システムは、制御回路30から第1の短絡テスト動作で取得された測定結果と、第2の短絡テスト動作で取得された測定結果と、を取得し、2つの測定結果の差に基づき端子間ショートの有無を判断することができる。なお、図8、図9に示す例の場合、上位システムは、2つの測定結果に48.8mVの差があることから端子間ショートが発生していると判断する。
上記説明より、実施の形態1にかかる半導体装置1では、シャント抵抗RSを介して接続される2つの外部端子(例えば、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3)間の短絡を検出する短絡テスト動作を行う。この短絡テスト動作において、半導体装置1は、第1の短絡テスト動作にかかる動作と、第2の短絡テスト動作にかかる動作とを行う。
また、半導体装置1には、第2の外部端子T2とシャント抵抗RSの一端との間に接続される抵抗R1と、第3の外部端子T3とシャント抵抗RSの他端との間に接続される抵抗R2と、を有する周辺回路が接続される。
そして、半導体装置1は、第2の外部端子T2を介して抵抗R1に接続される第2の内部配線ND2と、第3の外部端子T3を介して抵抗R2に接続される第3の内部配線ND3とを有する。また、半導体装置1は、シャント抵抗RSに接続され、かつ、抵抗R1、R2による電圧変動の影響を受けない第1の外部端子T1を有する。
そして、半導体装置1は、第1の短絡テスト動作において第1の計測電流I1を第2の内部配線ND2に出力すると共に、第3の内部配線ND3に対する第2の計測電流I2の出力を停止する。また、半導体装置1は、第1の短絡テスト動作において第1の計測電流I1を第2の内部配線ND2に出力すると共に、第2の計測電流I2を第3の内部配線ND3に出力する。このとき、半導体装置1は、第1、第2の短絡テスト動作の両方の動作状態において、第1の外部端子T1の電圧と、第2の外部端子T2とを介して抵抗R1の両端に生じる電圧差を取得する。
これにより、半導体装置1では、第2の外部端子T2と第3の外部端子T3との間に短絡が生じていた場合には、第1の短絡テスト動作と、第2の短絡テスト動作とで異なる電圧差を検出することができる。
シャント抵抗RSのように、配線抵抗に近い程度の小さな抵抗値を有する抵抗値の両端に発生する電圧差をモニタする端子間の短絡を検出する場合、短絡により生じる短絡抵抗成分がシャント抵抗RSの両端に生じる電流モニタ電圧に与える影響が極めて小さい。そのため、シャント抵抗RSに生じる電流モニタ電圧だけでは端子間の短絡を検出することはできない。一方、端子間に短絡が生じている場合、シャント抵抗RSの電流モニタ電圧が入力される外部端子とシャント抵抗RSとの間に接続される周辺回路に起因して、外部端子の間の電圧差が低下し、電流モニタ電圧の誤測定が発生する問題がある。
しかし、実施の形態1にかかる半導体装置1によれば、短絡テスト動作によって、シャント抵抗RSのような小さな抵抗値を有する抵抗によって接続される端子間の短絡を検出することができる。
また、実施の形態1にかかる半導体装置1では、2つの電流源と2つのスイッチ回路を備えるのみで上述したような端子間の短絡を検出できる。つまり、短絡テスト動作に必要な回路は、非常に少ないため、端子間短絡検出機能を追加しても半導体装置1は、回路規模の増大を抑制することができる。
なお、半導体装置1の回路構成については、種々の変形例が考えられる。そこで、半導体装置1の第1の変形例となる半導体装置1aのブロック図を図10に示す。図10に示した半導体装置1aは、半導体装置1の第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2の変形例を示すものである。バッテリ状態監視状態1aは、第1のスイッチ回路SW1をスイッチ回路SWa、SWbの2つのスイッチ回路により構成する。また、バッテリ状態監視状態1aは、第2のスイッチ回路SW2をスイッチ回路SWc、SWdの2つのスイッチ回路により構成する。そして、バッテリ状態監視状態1aは、制御信号CNT1に含まれるCNTsa〜CNTsdにより、スイッチ回路SWa、SWcの組と、スイッチ回路SWb、SWdの組とを排他的に制御する。これにより、バッテリ状態監視状態1aは、半導体装置1と同様の動作を行うことができる。なお、図10では、それぞれ2つのスイッチ回路により構成した第1のスイッチ回路SW1及び第2のスイッチ回路SW2を有する入力制御回路に10aの符号を付し、経路切替回路に13aの符号を付した。
続いて、図11に実施の形態1にかかる半導体装置1の第2の変形例となる半導体装置1bのブロック図を示す。図11に示すように、バッテリ状態監視状態1bは、測定部20の変形例となる測定部20aを有する。測定部20aは、可変ゲインアンプ21の入力側経路と、出力側経路と、にそれぞにチョッピング回路23、24を設けたものである。チョッピング回路23、24は、可変ゲインアンプ21の2つの入力、及び、2つの出力の経路を切り替えるものである。チョッピング回路23、24は、制御信号CNT2に含まれるチョッピング制御信号CNTc1、CNTc2により制御される。
このチョッピング回路23、24を設けることで、例えば、シャント抵抗RSの両端に発生する電圧の大小関係が逆転した場合においても、アナログデジタル変換器22に同じ極性の電圧差を出力することができる。バッテリBATは鉛電池であり、充電時と放電時で電流の流れる方向が異なる。そのため、このようなチョッピング回路を用いることでアナログデジタル変換器22に電流モニタ電圧の絶対値を示す測定値DOUTを出力させることができる。
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1で説明した半導体装置1を含むバッテリ状態監視モジュールについて説明する。図12にバッテリ状態監視モジュールBSMのブロック図を示す。図12に示すように、バッテリ状態監視モジュールBSMは、バッテリ状態監視装置40、演算回路41、LIN(Local Interconnect Network)インタフェース42を有する。また、バッテリ状態監視モジュールBSMは、測定対象の電圧及び電流の計測に用いる周辺回路として、電流検出抵抗(例えば、シャント抵抗RS)、抵抗R1〜R5、サーミスタTH、コンデンサC5〜C6、ダイオードDを有する。
実施の形態2にかかるバッテリ状態監視装置40は、実施の形態1にかかる半導体装置1に相当する回路として電流モニタ電圧測定回路2及び制御回路30aを有する。制御回路30aは、図1に示した実施の形態1にかかる制御回路30の機能を含む制御回路である。また、電流モニタ電圧測定回路2は、図1に示した実施の形態1の半導体装置1の入力制御回路10及び測定部20を有するものである。なお、実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMの説明では、実施の形態1にかかる半導体装置1の説明で説明した部分については、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
また、バッテリ状態監視装置40は、電流モニタ電圧測定回路2に加えて、電源回路50、温度センサ51、モニタ回路(例えば、バッテリ状態計測部52)、通信インタフェース55、を有する。電源回路50は、コンデンサC5、C6及びダイオードDにより構成される降圧回路によってバッテリ電圧Vbatを降圧した電源電圧Vbから内部電圧VDDi及びモジュール電源電圧VDDeを生成する。内部電圧VDDiは、バッテリ状態監視モジュールBSMに内蔵される回路の動作電圧として利用される。モジュール電源電圧VDDeは、バッテリ状態監視モジュールBSM内に設けられる演算回路41、LINインタフェース42及びサーミスタTHの動作電圧として利用される。
実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMでは、バッテリ状態監視装置40の外部にサーミスタTHを設け、当該サーミスタTHにより直接バッテリBATの温度を測定する。サーミスタTHは、温度に応じて抵抗値が変化する素子である。バッテリ状態監視モジュールBSMでは、接地電圧GNDとモジュール電源電圧VDDeとの電圧差をサーミスタTHと抵抗R5とで分圧してバッテリ環境温度値(例えば、温度センス電圧)を生成する。このバッテリ環境温度値は、バッテリBATの環境温度に対応する値である。
温度センサ51は、バッテリ状態監視装置40が形成される半導体基板の温度に対応する基板環境温度値(例えば、基板温度電圧)を出力する。バッテリ状態監視モジュールBSMをバッテリBATの近傍に設置することで、当該バッテリ状態監視モジュールBSMのバッテリ状態監視装置40の半導体基板の温度を概ねバッテリBATの環境温度を反映したものとすることができる。そのため、サーミスタTHを用いずに温度センサ51により生成される基板温度電圧をバッテリ環境温度値とすることもできる。このような形態とすることで、別途温度センサを設ける必要がないため、部品数の削減による故障率の低減及びコストの低減を実現することができる。
バッテリ状態計測部52は、少なくとも、前記バッテリの電圧に応じて変動するバッテリ電圧値と、バッテリの温度に対応するバッテリ環境温度値と、を測定値として出力する。より具体的には、バッテリ状態計測部52は、測定対象の温度及び電圧に関する情報の取り込みと、取り込んだ情報のデジタル化とを行う。バッテリ状態計測部52は、セレクタ53、状態モニタ部54を有する。
セレクタ53は、制御回路30aから出力される制御信号CNT3に応じてバッテリ電圧Vbat、モジュール電源電圧Vbat及び温度センス電圧のいずれか一つを選択して状態モニタ部54に与える。状態モニタ部54は、例えば、可変ゲインアンプと、アナログデジタル変換器と、を備える回路ブロックである。可変ゲインアンプは、制御回路30aから出力される制御信号CNT4に応じてゲインが設定される。そして、状態モニタ部54は、セレクタ53から出力された電圧値に対応する測定値を出力する。状態モニタ部54によって出力された測定値は、制御回路30aの測定値レジスタ32aに格納される。
制御回路30aは、動作状態設定レジスタ31aを備え、当該動作状態設定レジスタ31aの設定値に従って、シーケンサ等の測定値決定回路を動作させる。そして、制御回路30aは、当該測定値決定回路によって決定された測定対象の電圧を指定する制御信号CNT3と、測定対象の電圧に対応したゲインを指定する制御信号CNT4を出力する。
なお、図12に示す例では、バッテリ電圧Vbatと、バッテリ環境温度値と、基板温度電圧とを測定対象とする。このとき、バッテリBATの正極端子と負極端子との間に直列に接続された抵抗R3、R4によりバッテリ電圧Vbatを分圧した電圧をバッテリ電圧Vbatとしてバッテリ状態計測部52に入力する。このように、測定対象のバッテリ電圧Vbatを分圧することで、モジュール電源電圧VDDe以上の大きさを有するバッテリ電圧Vbatを、モジュール電源電圧VDDeを動作電圧として利用するバッテリ状態計測部52の動作範囲内で精度良く測定することができる。また、抵抗R5と、サーミスタTHとを直列に接続したが、これによりサーミスタTHの抵抗値の変動を反映したバッテリ環境温度値を生成することができる。
通信インタフェース55は、演算回路41において規定されている通信プロトコルに従って、制御回路30aと演算回路41との間の通信処理を行う。
演算回路41は、バッテリ状態監視装置40により測定された電流モニタ電圧値を含む測定結果に基づきバッテリBATの状態を判定し、上位システムからの要求に応じて判定結果を送信する。より具体的には、演算回路41は、電流モニタ電圧値と、バッテリ電圧値と、バッテリ環境温度値と、に基づきバッテリBATの状態を判定する。演算回路41におけるバッテリBATの状態判定方法の詳細については後述する。
LINインタフェース42は、LINプロトコルに従って、上位システムと演算回路41との間の通信を行う。従来から車載ネットワークでは、CAN(Controller Area Network)が多く利用されてきた。CANプロトコルは、パワートレイン制御やシャシー制御を行うために策定されたプロトコルであり高い通信速度や高い信頼性を実現できる。しかし、センサやアクチュエータなどのサブネットワーク通信では、パワートレイン制御やシャシー制御ほど通信速度や信頼性は必要とされない。LINプロトコルは、このようにセンサ制御やアクチュエータ制御のためのコマンド送受信をCANプロトコルよりも安価なシステムでネットワークを用いて構築できるプロトコルとして策定されたものである。
続いて、実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMによる電流モニタ動作について説明する。バッテリ状態監視モジュールBSMは、バッテリの寿命判断を行う。この判断は、演算回路41がバッテリ状態監視装置40において取得した値に基づき行われる。そこで、まず、バッテリBATの特性について説明する。なお、以下の説明では、電極材に鉛を含む自動車用バッテリをバッテリBATとして利用する例について説明する。
図13にバッテリBATの特性の経年変化を説明するためのグラフを示す。図13に示したグラフでは、バッテリBATの容量とインピーダンスの経年変化を表したものである。図13に示すように、バッテリBATは、使用期間が長くなるにつれて容量値が使用開始時よりも低下する。また、バッテリBATは、使用期間が長くなるにつれて出力インピーダンスが徐々に大きくなる。このとき、出力インピーダンスと、容量値とが交差する時点までの期間がバッテリBATの寿命として規定される。
また、図14に、バッテリBATの電流出力特性を説明するためのグラフを示す。図14に示すように、バッテリBATは、温度が低いほど電流出力時のバッテリ電圧Vbatの低下が大きくなる。また、バッテリBATは、出力電流が大きくなるほどバッテリ電圧Vbatの電圧低下が大きくなる。
図13及び図14より、バッテリBATの寿命を計算する場合には、その時点での出力電流及びバッテリ電圧Vbatに温度に関する情報を加味する必要があることが分かる。
続いて、バッテリBATの寿命の計算方法について説明する。図15にバッテリの性能指標を説明するための図を示す。図15に示すように、バッテリBATには、蓄電容量を示す指標として初期満充電容量、充電率、劣化率、及び、劣化により取り出せない容量がある。そして、バッテリBATの性能指標は、これらの値から算出することができる。
ここで、バッテリBATは劣化により電極が劣化し、蓄電容量が減少する。この減少した容量が劣化により取り出せない容量である。初期満充電容量は、バッテリの初期状態で充電可能な電荷量を示す値である。充電率は、初期満充電容量に対する現時点での充電量を示す値である。劣化率は、初期満充電容量に対する利用可能な電荷量の割合を示す値である。なお、充電率(SOC:State of Charge)及び劣化率(SOH:State of Health)は以下の(1)式及び(2)式により算出される。
SOC=残容量(Ah)/初期満充電容量(Ah)×100・・・(1)
SOH=劣化時の満充電容量/初期満充電容量(Ah)×100・・・(2)
バッテリBATの充電量は、バッテリBATの充放電量をモニタすることで求めることができる。実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMでは、電流モニタ電圧測定回路2を用いてバッテリBATの充放電量を監視し、当該監視結果に基づき上記充電率及び劣化率を算出する。また、放電性能は、充電率と劣化率とから求められる指標である。そこで、充電率及び劣化率と、放電性能(SOF:State of Function)と、の関係を示すグラフを図16に示す。図16に示すように、放電性能は、グラフの右上に行くほど良い値を示す。より具体的には、放電性能は、劣化率が低く(値が大きく)充電率が高い(値が大きい)場合に高くなるという特徴を有する。また、放電性能は、劣化率が高い(値が小さい)又は充電率が低い(値が小さい)場合には小さくなるという特徴を有する。
また、演算回路41は、バッテリ性能の判定処理を行う時点におけるバッテリ電圧Vbatとバッテリ環境温度とを加味して、バッテリの性能判断を行う。例えば、演算回路41は、判定処理時点でのバッテリ環境温度が低ければ、算出された放電性能の値に対たいして、バッテリ状態が良好と判断するバッテリ電圧Vbatの閾値を高めに設定する等の処理を行う。
上記説明より、実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMは、電流モニタ電圧測定回路2を用いて電流値をモニタすることで、バッテリBATの放電性能の演算を精度よく行うことが出来る。また、電流モニタ電圧測定回路2は、実施の形態1にかかる半導体装置1と同様に端子間短絡を検出することが出来るため、この短絡テスト動作を行うことで、測定結果の信頼性を向上させることができる。
実施の形態3
実施の形態3では、実施の形態2にかかるバッテリ状態監視装置(例えば、バッテリ状態監視モジュールBSM)を含む車輌システムについて説明する。実施の形態3にかかる車輌システムでは、車輌が停止している期間にエンジンを停止させ、再発進時にエンジンの再始動を行うアイドリングストップ機能を有する。このアイドリングストップ機能では、車輌が停止状態から走行状態に移行する毎にセルモーターによるエンジンの再始動が必要になるため、バッテリの寿命管理が非常に重要である。
実施の形態3にかかる車輌システムのブロック図を図17に示す。図17に示すように、実施の形態3にかかる車輌システムは、実施の形態2にかかるバッテリ状態監視モジュールBSMに加えて、バッテリBAT、オルタネーターALT、中央制御装置ECU、負荷回路LDa〜LDc、エンジン、スイッチ回路SWp1、SWp2を有する。
なお、負荷回路LDaは、エアコン等の常時動作する電子回路である。負荷回路LDbは、セルモーターと、当該セルモーターを制御する回路と、を含む。負荷回路LDcは、エンジンを制御する回路である。また、スイッチ回路SWp1、SWp2は、負荷回路LDb及び負荷回路LDcへの電力の供給と遮断とを切り替える。このスイッチ回路SWp1、SWp2は中央制御装置ECUから出力されるスイッチ制御信号S2により開閉状態が制御される。また、中央制御装置ECUは、制御信号S1によりオルタネーターALTを発電状態と、発電停止状態と、を切り替える。例えば、中央制御装置ECUは、エンジンの始動時にはエンジンの負荷を軽減するためにオルタネーターによる発電を停止させる。
車輌システムでは、オルタネーターALTをエンジンにより動作させて発電を行う。オルタネーターALTで発電された電力はバッテリBATに充電される。また、車輌システムでは、バッテリBATを用いて各種負荷回路に対する電力供給を行う。
中央制御装置ECUは、外部イグニッション信号IGNe、アクセル信号ACC、ブレーキ信号BRKにより指示される車輌制御値に基づきエンジンを制御する。より具体的には、外部イグニッション信号IGNeは、利用者がカギを用いて車輌に始動指示を与えた場合にイネーブルになる信号である。アクセル信号ACCは、利用者のアクセル操作を反映した値を有する信号である。ブレーキ信号BRKは、利用者のブレーキの押し下げ量に応じた値を有する信号である。中央制御装置ECUは、これらの信号に応じて、セルモーター及びエンジンを制御する。
また、中央制御装置ECUは、エンジン及びセルモーターを制御する電子負荷回路に対してエンジンの始動及び停止を指示する内部イグニッション信号を出力する。中央制御装置ECUは、外部イグニッション信号IGNeがイネーブル信号になったことに応じて内部イグニッション信号IGNiをイネーブル状態とする。内部イグニッション信号IGNiは、CANバスCBを介して負荷回路LDbに与えられる。これにより、セルモーターは、始動を開始する。また、内部イグニッション信号IGNiは、CANバスCBを介して負荷回路LDaにも与えられる。負荷回路LDcは、内部イグニッション信号IGNiに従って、エンジンに供給する燃料量の制御及びスロットルの開閉制御等を行う。
また、中央制御装置ECUは、LINバスLBによってバッテリ状態監視モジュールBSMと接続される。中央制御装置ECUは、車輌が停車状態となったことに応じて内部イグニッション信号IGNiによりエンジンを停止状態に移行させると共にバッテリ状態監視モジュールBSMに対して短絡テスト動作と電流モニタ動作とによるバッテリの診断処理を指示する。また、中央制御装置ECUは、車輌を停車状態から走行状態に移行させる場合には内部イグニッション信号IGNiによりセルモーター及びエンジンを始動させると共に、バッテリの前記診断処理の結果を受信する。
また、中央制御装置ECUは、受信した診断処理の結果がバッテリBATの能力がエンジンの再始動に不十分な場合は、外部から入力される外部イグニッション信号が停車状態に移行することを示すまでの間、車輌の状態によらずエンジンの動作状態に維持する。つまり、中央制御装置ECUは、バッテリBATの能力がエンジンの再始動に不十分な場合はアイドリングストップ機能を無効化する。
ここで、実施の形態3にかかる車輌システムの動作について説明する。まず、車輌システムにおけるエンジン始動時のバッテリの電流及び電圧の変動を説明するためのグラフを図18に示す。図18に示すように、車輌システムでは、イグニッション信号(例えば、、内部イグニッション信号IGNi)がオン状態(例えば、イネーブル状態)となったことに応じてセルモーターを動作させる。セルモーターは、始動時に最大で1500A程度の大きさとなる電流を消費する。そのため、セルモーター始動ににはバッテリ電圧Vbatは大きく低下する。そして、エンジンが始動すると、中央制御装置ECUはセルモーターを停止してエンジンを動作させる。これにより、バッテリBATからの出力電流が小さくなると共に、バッテリ電圧Vbatが回復する。
また、実施の形態3にかかる車輌システムにおける充放電動作を説明するためのタイミングチャートを図19に示す。図19に示すように、実施の形態3にかかる車輌システムは、停止時には、アイドリングストップ機能によってエンジンが停止するため、オルタネーターによる発電が停止する。そのため、実施の形態3にかかる車輌システムでは、停車状態においてはバッテリBATからの放電により車輌システムの電子機器を動作させる。また、実施の形態3にかかる車輌システムでは、エンジン始動時にセルモーターにより多くの電流が消費される。
また、実施の形態3にかかる車輌システムでは、走行時にはエンジンによりオルタネーターを動作させることができるため、オルタネーターによる充電が行われる。
続いて、実施の形態3にかかる車輌システムの動作を説明するタイミングチャートを図20に示す。図20に示すように、実施の形態3にかかる車輌システムは、車輌システムに対するキーオンに応じて外部イグニッション信号IGNeをイネーブル状態とし、当該外部イグニッション信号IGNeに応じて中央制御装置ECUはシステム全体の初期化処理を行う。そして、初期化処理が終了したことに応じて、中央制御装置ECUは、内部イグニッション信号IGNiをイネーブル状態とする。これにより、車輌システムは、セルモーターを動作させてエンジンを始動する。
続いて、車輌システムは、エンジンによる走行状態に移行する。そして、車輌が停車状態となったことに応じて、中央制御装置ECUは、内部イグニッション信号IGNiをディスイネーブルとしてエンジンを停止状態とする。その後、車輌が走行状態に移行する場合、中央制御装置ECUは、内部イグニッション信号IGNiをイネーブル状態としてセルモーターを動作させことでエンジンを始動させる。
さらに、車輌システムは、車輌が停止状態かつ外部イグニッション信号IGNeがディスイネーブル状態となったことに応じて、内部イグニッション信号IGNiをディスイネーブル状態としてエンジンを停止すると共に、車輌システムをスリープ状態とする。
実施の形態3にかかる車輌システムでは、図20に示した動作を行うに当たり、エンジンを停止状態とする前に、中央制御装置ECUによってバッテリ状態監視モジュールBSMからバッテリの診断結果を受信し、次の停車時にアイドリングストップ機能によるエンジン停止を行うか否かを判断する。これにより、実施の形態3にかかる車輌システムでは、バッテリBATの寿命が尽きたことによるエンジンの再始動不良を防止する。
そこで、実施の形態3にかかる車輌システムにおける診断処理の動作を説明するフローチャートを図21に示す。図23に示すように、実施の形態3にかかる車輌システムでは、外部イグニッション信号IGNeがディスイネーブル状態(例えば、オフ状態)又は、車輌が停車状態となったことに応じて中央制御装置ECUが内部イグニッション信号IGNiをディスイネーブル状態(例えば、オフ状態)とする。これにより、エンジンは停止する。また、バッテリ状態監視モジュールBSMは、内部イグニッション信号IGNiがディスイネーブル状態となったことに応じて、短絡テスト動作と電流モニタ動作とを少なくとも実行する。この短絡テスト動作及び電流モニタ動作は、実施の形態1にかかる半導体装置1の入力制御回路10及び測定部20を用いて行われるものである。また、バッテリ状態監視モジュールBSMは、得られた計測値に基づき、実施の形態2にかかる演算回路41によるバッテリの診断を行う。
そして、バッテリ状態監視モジュールBSMは、診断結果を、例えば、演算回路41のメモリに格納し、その後、スリープモード又はスタンバイモードに移行し電力の消費を低減する。
続いて、停車した状態において、外部イグニッション信号IGNeがイネーブル状態又はアクセル信号ACC及びブレーキ信号BRKにより発進動作が指示された場合、中央制御装置ECUは、内部イグニッション信号IGNiをイネーブル状態(例えば、オン状態)とする。これにより、セルモーターは動作を開始してエンジンを始動させる。また、内部イグニッション信号IGNiがイネーブル状態となったことに応じて、バッテリ状態監視モジュールBSMは、スリープモード等の低消費電力モードから通常モードに遷移する。そして、バッテリ状態監視モジュールBSMは、通常モードへの遷移に応じて、メモリに格納されているデータを中央制御装置ECUに送信する。中央制御装置ECUは、バッテリ状態監視モジュールBSMから受信したデータに基づき各種制御の設定を行う。各制御の設定には、例えば、次の停車時のアイドリングストップ機能を動作させるか否かの設定を含む。
上記説明より、実施の形態3にかかる車輌システムでは、実施の形態1にかかる半導体装置1の入力制御回路10及び測定部20を含むバッテリ状態監視モジュールBSMを用いることにより、信頼性の高い診断結果に基づきアイドリングストップ機能の有効と無効とを切り替えることができる。また、実施の形態3にかかる車輌システムは、バッテリBATの劣化によるアイドリングストップ機能を十分に利用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1、1a、1b 半導体装置
2 電流モニタ電圧測定回路
10 入力制御回路
11 第1の電流源
12 第2の電流源
13 経路切替回路
20 測定部
21 可変ゲインアンプ
22 アナログデジタル変換器
23、24 チョッピング回路
30、30a 制御回路
31、31a 動作状態設定レジスタ
32、32a 測定値レジスタ
40 バッテリ状態監視装置
41 演算回路
42 LINインタフェース
50 電源回路
51 温度センサ
52 バッテリ状態計測部
53 セレクタ
54 状態モニタ部
55 通信インタフェース
ALT オルタネーター
ECU 中央制御装置
LB LINバス
CB CANバス
BSM バッテリ状態監視モジュール
BAT バッテリ
RS 電流検出抵抗
R1〜R5 抵抗
C1〜C6 コンデンサ
TH サーミスタ
D ダイオード
SW1、SW1 スイッチ回路
SWa〜SWd スイッチ回路
SWp1、SWp2 スイッチ回路
ND1〜ND5 内部配線
LDAa〜LDc 負荷回路
CNT1〜CNT4 制御信号
CNTi1、CNTi2 電流制御信号
CNTs1、CNTs2 スイッチ制御信号
CNTa ゲイン制御信号
S1、S2 制御信号
IGNe 外部イグニッション信号
IGNi 内部イグニッション信号
ACC アクセル信号
BRK ブレーキ信号

Claims (4)

  1. バッテリの電源端子に接続される電流検出抵抗に流れる電流値に応じて変動する電流モニタ電圧値を測定するバッテリ状態監視装置と、前記バッテリ状態監視装置により測定された電流モニタ電圧値に基づき前記バッテリの状態を判定し、上位システムからの要求に応じて前記判定結果を送信する演算回路と、を含むバッテリ状態監視モジュールと、
    エンジン及びセルモーターを制御する電子負荷回路に対して前記エンジンの始動及び停止を指示する内部イグニッション信号を出力する中央制御装置と、を有し、
    前記バッテリ状態監視装置は、前記電流検出抵抗の両端に接続される2つの外部端子間の短絡状態をテストする短絡テスト動作と、前記電流検出抵抗の両端に生じる電流モニタ電圧値を測定する電流モニタ動作と、を実行し、
    前記中央制御装置は、
    車輌が停車状態となったことに応じて前記内部イグニッション信号により前記エンジンを停止状態に移行させると共に前記バッテリ状態監視装置に対して前記短絡テスト動作と前記電流モニタ動作とを含むバッテリの診断処理を指示し、
    前記車輌を停車状態から走行状態に移行させる場合には前記内部イグニッション信号により前記セルモーター及び前記エンジンを始動させると共に、前記バッテリの前記診断処理の結果を受信する車輌システム。
  2. 前記バッテリ状態監視装置は、
    前記電流検出抵抗の一端と前記バッテリの電源端子とを接続する電源配線に接続される第1、第2の外部端子と、
    前記電流検出抵抗の他端に接続される第3の外部端子と、
    前記第1の外部端子と前記第2の外部端子との間の電圧差を測定する測定部と、
    前記第2の外部端子に第1の計測電流を出力する第1の電流源と、
    前記第3の外部端子に第2の計測電流を出力する第2の電流源と、
    前記第3の外部端子への前記第2の計測電流の出力を制御する制御回路と、を有する請求項1に記載の車輌システム。
  3. 前記バッテリ状態監視装置は、
    少なくとも、前記バッテリの電圧に応じて変動するバッテリ電圧値と、前記バッテリの温度に対応するバッテリ環境温度値と、を出力するモニタ回路をさらに有し、
    前記演算回路は、
    前記電流モニタ電圧値と、前記バッテリ電圧値と、前記バッテリ環境温度値と、に基づき前記バッテリの状態を判定する請求項1に記載の車輌システム。
  4. 前記中央制御装置は、前記診断処理の結果が前記バッテリの能力が前記エンジンの再始動に不十分な場合は、外部から入力される外部イグニッション信号が停車状態に移行することを示すまでの間、車輌の状態によらず前記エンジンを動作状態に維持する請求項1に記載の車輌システム。
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