JP6166441B1 - 殺菌装置および殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形済のボトルを、多大な熱エネルギーや多量の薬液を消費することなく、より確実且つ効率的に殺菌することのできる装置を提供することを目的とする。【解決手段】 先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えるボトルの内部に複数の紫外線出射ユニットを挿入した後に、これら紫外線出射ユニットを移動させて、夫々のユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置してから、ボトルを回転させながら紫外線線照射を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、ボトル又はそのプリフォームの内部を殺菌するための殺菌装置に関する。また、本発明は上記ボトル又はそのプリフォームの内部のように凹凸部、屈曲部又は屈折部が存在する表面を有する被殺菌体を殺菌する方法に関する。
ペットボトルなどのボトルを紫外線殺菌する装置としては次のような装置が知られている。
すなわち、特許文献1には、「樹脂製の食品容器(1)の殺菌装置であって、紫外線レーザ光を発生するレーザ発生手段(6)と、前記紫外線レーザ光を食品容器内に導く光伝送手段(7)と、該光伝送手段に接続され、食品容器の内面に紫外線レーザ光を照射する照射手段(8)とからなることを特徴とする食品容器の殺菌装置」が記載されている。該装置は、光伝送手段(7)に、食品容器(1)内に導かれた紫外線レーザ光を乱反射する照射手段(8)を具備することによって、乱反射された紫外線レーザ光が容器内面に照射され、容器内部が殺菌される。
特許文献2には、「容器の下面又は下面近傍以外の部分を保持して当該容器を搬送する容器搬送手段と、上記容器の搬送ライン上若しくは当該搬送ラインの近傍に設置されると共に、上記容器の下面及び/又は下面近傍に対して電磁波を照射して当該容器の表面を電磁波により殺菌する電磁波殺菌手段及び上記容器の下面及び/又は下面近傍に対して熱を加えて当該容器の表面を熱により殺菌する加熱殺菌手段のうち少なくとも一方の殺菌手段と、を設け、上記電磁波殺菌手段及び/又は上記加熱殺菌手段により上記容器の下面及び/又は下面近傍に付着している殺菌対象を電磁波及び熱の少なくとも一方で殺菌するようにしたことを特徴とする殺菌装置」が記載されている。ここで、上記電磁波殺菌手段は、たとえば、波長が180nmから400nmまでの範囲内にある紫外線を放射する紫外線殺菌手段であり、当該紫外線殺菌手段による上記容器に対する紫外線の照射量は5.0×10μW・s/cm以上である。
特許文献3には、「電力の供給を受けて紫外線を発光する光源と、前記光源で発光された前記紫外線を導く導光体と、前記導光体の先端に設けられる光分配器と、を備え、前記光分配器は、前記導光体で導かれてきた前記紫外線の一部を、前記導光体で導かれてきた向きで出射させる第一光路と、前記導光体で導かれてきた前記紫外線の他の一部を、前記導光体で導かれてきた向きと交差する向きで出射させる第二光路と、を備える、ことを特徴とする殺菌装置」が記載されている。
また、特許文献4には、「電力の供給を受けて紫外線を発光する単数又は複数のLED光源と、LED光源を支持し、殺菌対象である容器に対して相対的に進退が可能な光源支持体と、を備える、ことを特徴とする殺菌装置」が記載されている。
一方、ペットボトルなどのボトルを、過酸化水素を用いて殺菌する装置として特許文献5には、「プリフォームが容器に成形され、容器に飲料が充填され、容器が蓋で密封されるまでプリフォーム及び容器を連続走行させる搬送路が設けられ、プリフォームを成形温度まで加熱する加熱炉と、成形温度まで加熱されたプリフォームを容器にブロー成形する成形型と、ブロー成形した容器を本殺菌する本殺菌手段と、本殺菌された容器に飲料を充填するフィラーと、飲料が充填された容器を密封するキャッパーとが上記搬送路に沿って設けられ、上記搬送路の上記加熱炉よりも上流側にプリフォームを予備殺菌温度まで予熱する予熱手段と、予熱されたプリフォームに過酸化水素ミスト又はガスを吹き付けて予備殺菌する過酸化水素供給手段とが設けられており、前記本殺菌手段は、10μL/500mLボトル〜50μL/500mLボトルの量の過酸化水素ミストを容器に付着させるか、1mg/L〜5mg/Lの濃度の過酸化水素ガスを容器に吹き付ける殺菌用ノズルを備えることを特徴とする飲料充填装置」が記載されている。
特開平09−99921号公報 特開2002−80017号公報 特開2016−101929号公報 特開2016−78895号公報 特開2016−27989号公報
ボトルは、一般的に、先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えており、口部と肩部、肩部と胴部、及び胴部と底部との接続領域は、何れも屈曲している。また、ペットボトルにおいてよく見られるように、耐圧性を向上させるために底部にペタロイドと呼ばれる突起を設けたり、肉薄化による強度低下を防ぐため、或いは内圧変化による変形を防ぐために胴部に凹凸を設けたりすることが行われている。
特許文献1に記載された装置では、レーザ発生手段という特殊な装置の使用が必須であるため、これを多数用いて同時に大量の被殺菌物品の殺菌を行うことは実用的に困難であると考えられる。また、特許文献1では、紫外線レーザ光は、乱反射散乱鏡によって乱反射されてペットボトルの内面に均一に散乱・照射されるとされているが、乱反射鏡によって四方八方に反射された紫外線は、反射後は直進するため、内面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有するペットボトルについては、これらによって紫外線の進行が妨げられて、紫外線照射時に紫外線が照射されないか或いは照射強度の低い影の部分が発生することが避けられない。
また、特許文献2に記載された装置では、ペットボトルの上方に配置された紫外線ランプから出射された紫外線がペットボトルの上面に照射されると共に、その開口部から容器内部に入射され、その内面に紫外線が照射されて殺菌が行われるばかりでなく、ペットボトルの下方に配置された紫外線ランプから出射された紫外線によってペットボトルの下面及びその近傍の紫外線殺菌を行うことができるとされている。しかしなら、ペットボトルの開口部は狭いため、その内部には影の部分ができ、紫外線が照射されない部分或いは照射強度の低い部分が発生することが避けられない。
一方、特許文献3及び4に記載された装置は、ペットボトルを最終的なボトル形状に成形する前のプリフォームの段階で、その内部を紫外線殺菌するための装置であり、試験管のように曲面形状の底部を有する細長い(寸胴の)円筒状のプリフォームの内部を紫外線殺菌するのには適した装置であるといえる。しかし、口部から拡径した肩部を有し、口部の口径によりはるかに長径の胴部を有するペットボトルに適用した場合には、光源から紫外線照射面までの距離が長くなることに起因して光が拡散して強度が低下してしまい、殺菌に必要な積算照射量(単位:mJ/cm)を得るために照射時間を長くしなければならい。また、内面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有するペットボトルに適用した場合には、特許文献1の場合と同様に影の部分が発生することが避けられない。
他方、特許文献5に記載された装置は、ボトルの成形から容器に飲料を充填するまでを一貫して行う装置対象としており、別途成形されたボトルを殺菌するものではない。また、予備殺菌と本殺菌とで計2回殺菌を行うため、使用する薬剤(過酸化水素)の量も多くなり、その後処理も必要なため、コストと手間がかかってしまう。
本発明は、このような従来技術に鑑み、成形済のボトルにも適用でき、多大な熱エネルギーや多量の薬剤を消費することなく、薬剤を使用したとしてもその使用料を少なくでき、後処理の負担を軽減でき、更に、より確実且つ効率的に殺菌することのできる装置を提供することを目的とする。
本発明の殺菌装置は、先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えるボトル又は先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備える前記ボトルのプリフォームからなる被殺菌物品の内部を殺菌するための殺菌装置であって、
前記被殺菌物品を所定の位置に保持するための保持手段と、
複数の紫外線出射ユニットを有する紫外線光源と、
前記複数の紫外線出射ユニットを移動させる移動手段と、を有し、
前記複数の紫外線出射ユニットの夫々は、1つの紫外線出射ユニットからなる独立ユニットを形成するか、又は2以上の紫外線出射ユニットが連結部材によって連結された連結ユニットを形成しており、
前記独立ユニット及び連結ユニットは、夫々前記被殺菌物品の前記開口から被殺菌物品の内部に挿入可能な形状を有しており、
前記移動手段は、前記被殺菌物品の前記開口から被殺菌物品の内部と外部との間で前記独立ユニット及び/又は連結ユニットを出し入れする挿脱手段と、前記独立ユニット及び/又は連結ユニットが被殺菌物品の内部に挿入されたときにおいて独立ユニット、連結ユニット、及び連結ユニットを構成する紫外線出射ユニットから選ばれる少なくとも一つを移動させて、前記被殺菌物品内において前記複数の紫外線出射ユニットを、夫々のユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置する配置手段と、前記被殺菌物品の前記開口の中心と前記底部の中心を結ぶ軸を回転軸として、前記配置手段によって配置された所定の位置における、前記複数の紫外線出射ユニット間の相対的位置関係を実質的に保ったまま、前記複数の紫外線出射ユニット又は前記被殺菌物品を回転させる回転手段と、を有し、
前記複数の紫外線出射ユニットから出射される紫外線によって前記被殺菌物品の内面の全面を照射するようにしたことを特徴とする。
前記ボトルを被殺菌物品とする上記本発明の殺菌装置においては、前記複数の紫外線出射ユニットは、主として前記ボトルの口部の内壁面に向けて紫外線を出射する第一の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの肩部の内壁面に向けて紫外線を出射する第二の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの胴部の内壁面に向けて紫外線を出射する第三の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの底部の内壁面に向けて紫外線を出射する第四の紫外線出射ユニットと、を含んでなるか、又は、主として前記ボトルの肩部及び口部の内壁面に向けて紫外線を出射する第五の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの胴部の内壁面に向けて紫外線を出射する第三の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの底部の内壁面に向けて紫外線を出射する第四の紫外線出射ユニットと、を含んでなることが好ましい。
そして、このような態様の殺菌装置においては、前記配置手段は、前記ボトルの肩部と胴部の接続領域を前記第二の紫外線出射ユニット又は前記第五の紫外線出射ユニットと、前記第三の紫外線出射ユニットと、の2種類の紫外線出射ユニットによって重複して紫外線照射できるように配置し、且つ前記ボトルの胴部と底部の接続領域を前記第三の紫外線出射ユニットと、前記第四の紫外線出射ユニットと、の2種類の紫外線出射ユニットによって重複して紫外線照射できるように配置するようにすることが好ましい。
そしてまた、前記第一乃至第五の紫外線出射ユニットの少なくとも一つは、縦長の紫外線出射用開口部を有する筺体と、当該筺体内に配置され、紫外線を、帯状の光束であって、当該帯状の光束の長手方向の長さが前記縦長の紫外線出射用開口部の長手方向の長さと同等である帯状の光束として出射する紫外線出射部と、前記筺体内に配置されるミラー(反射ミラーともいう。)と、当該ミラーの角度を変化させる駆動装置と、を有し、前記紫外線出射部は、前記帯状の光束を前記ミラーに向けて出射するように配置されており、前記ミラーは、前記帯状の光束を、前記紫外線出射用開口部に向けて反射すると共に、前記駆動装置が前記ミラーの角度を変化させることにより、前記ミラーによって反射された紫外線が前記紫外線出射用開口部に入射する位置を前記帯状の光束の短手方向に順次ずらすようにしたものであることが好ましい。
更に、本発明の殺菌装置は、前記ボトル又は前記プリフォームの内部表面に過酸化水素供給する過酸化水素供給手段を更に有することが好ましい。
また、本発明の殺菌方法は、表面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有する被殺菌体の当該表面に指向性の高い紫外線を照射する紫外線照射工程を含んでなる殺菌方法において、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から紫外線を照射するようにしたことを特徴とする。
上記方法においては、例えば1つの紫外線線出射ユニットのみを用いて実施可能で有るという理由から、又は省スペースの観点からできるだけ少ない紫外線線出射ユニットを用いて実施可能で有るという理由から、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から同時に照射するのでなく、照射タイミングをずらして紫外線を照射することが好ましい。
また、前記紫外線照射工程の前工程として、表面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有する被殺菌体の当該表面に過酸化水素水又は過酸化水素ガスを付着又は接触させる工程を含み、前記紫外線照射工程において250nm以上300nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードと、200nm以上250nm未満の紫外線を出射する紫外線発光ダイオードと、を用いて、250nm以上300nm以下の波長領域及び200nm以上250nm未満の波長領域に夫々ピークを有する紫外線を照射するようにすることが好ましい。
本発明のボトル殺菌装置によれば、紫外線出射ユニットをボトルなどの被殺菌物品の内部に挿入した状態で紫外線照射するので、被殺菌物品の内面に確実に紫外線を照射することができる。また、前記配置手段によって、紫外線出射ユニットを、夫々の紫外線出射ユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するようにすることができるので、前記した様な影の部分の発生を抑えることができるばかりでなく、照射面までの距離の増大に伴う拡散による紫外線強度の低下を防ぎながら、高強度でより確実に内壁面の表面に紫外線照射することがきる。
更に、紫外線出射ユニットに、前記した反射ミラーと該反射ミラーの角度を変化させる駆動装置の組み合わせからなるような機構を導入することによって、紫外線の出射方向を短時間で激しく変化させながら、ボトル内壁面を走査するようにして紫外線照射することも可能である。そして、そうした場合には、紫外線照射面に凹凸部、屈曲部又は屈折部が存在する場合であっても、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から紫外線を照射することができるようになる。その結果、紫外線が照射され難い影の部分の発生を無くすか、又はより確実に防止できるようになり、一層確実で均一な紫外線殺菌が可能となる。
更にまた、前記ボトル又は前記プリフォームの内部表面に過酸化水素供給する過酸化水素供給手段を有する本発明の装置によれば、過酸化水素に紫外線を照射することにより酸化作用の強いヒドロキシルラジカル(以下、OHラジカルともういう。)を有効に発生させることができる。したがって、紫外線照射を行わずに過酸化水素のみを用いる場合と比べて、使用する過酸化水素の量が少なくても、具体的には、低濃度で少量の過酸化水素水又は低濃度の過酸化水素ガスを用いた場合でも有効な殺菌効果を得ることができる。その結果、乾燥やリンスなどによる後処理を行う場合の負担も軽減することができる。さらに、上記OHラジカルの酸化作用による殺菌と、紫外線が直接細菌などの微生物のDNAに作用する殺菌の両方のメカニズムによる殺菌が行えるようになるため、過酸化水素を用いない場合と比べて、後者のメカニズムが作用し難いエンベロープを有する細菌に対する殺菌効果を高くすることができる。これとは逆に、紫外線照射を行わずに過酸化水素のみを用いる場合と比べて、エンベロープを有さない細菌に対する殺菌効果を高めることができる。このような相乗効果は、夫々の殺菌メカニズムにおいて有効な波長領域の紫外線を同時に照射することによって、更に高められるばかりでなく、たとえ紫外線が照射されない影の部分ができてしまったとしても、紫外線照射を要さない過酸化水素本来の殺菌効果によってその部分の殺菌を行うこともできる。
なお、このような、2種類の異なるメカニズムに基づく殺菌を同時に行う本発明の殺菌方法は、ボトルの内表面に限らず、凹凸部、屈曲部又は屈折部が存在する表面を有する被殺菌体の当該表面を紫外線殺菌する方法として有効である。このとき、過酸化水素ガスの方が影の部分の表面にも確実に接触するので、上記過酸化水素本来の殺菌作用による補完効果を期待する場合には、過酸化水素ガスを用いる方が好ましい。
本図は、本発明の殺菌装置で使用する代表的な紫外線出射ユニットの概略図である。 本図は、代表的な本発明の殺菌装置において、挿脱手段によって複数の紫外線出射ユニットをボトル内部に挿入した直後の状態の概略図である。 本図は、図2に示す態様において、配置手段によって複数の紫外線出射ユニットを所定の位置に配置し、紫外線照射を行っている状態の概略図である。 本図は、図3に示す状態において、90°回転した視点から見たときの状態の概略図である。 本図は、本発明の殺菌装置で使用する別の代表的な紫外線出射ユニットの概略図である。
本発明の殺菌装置は、先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えるボトル又は先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備える前記ボトルのプリフォームからなる被殺菌物品の内部を殺菌するための殺菌装置である。
上記ボトルは、先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えるものであれば特に限定されずポリエチレンテレフタレート(PET:ペット)などの樹脂製ボトル、ガラス製ボトル、アルミニウム等の金属製ボトルなどが殺菌対象とされる。また、上記プリフォームとは、前記ボトルがペットボトル等の樹脂製ボトルをブロー成型によって製造する際に用いられる試験管状の中間成形体を意味し、先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備える。
これらボトル及びプリフォームは、前記開口の中心及び底部の中心を通る直線を含む面で切った時の断面形状が前記直線に対して線対象となる形状を有することが好ましい。このとき、胴部及び底部は必ずしも夫々円柱状及び円形状である必要はなく、多角柱状及びその断面となる多角形状であってもよい。また、本発明の効果が顕著に得られるという理由から、これらの内表面には凹部、凸部、屈曲部、又は屈折部が形成されていることが好ましい。
本発明の殺菌装置は、前記被殺菌物品、例えばボトルを所定の位置に保持するための保持手段と、複数の紫外線出射ユニットを有する紫外線光源と、前記複数の紫外線出射ユニットを移動させる移動手段と、を有する。
前記保持手段は、被殺菌物品となるボトル又はプリフォームが動かないように一時的に固定・保持する機能を有するものであれば特に限定されず、握持又は掴持することによって保持するチャック又はクランプ、収容して保持するカップ状又はトレイ状ホルダー、位置決めガイド、及びこれらとベルトコンベアーなどの移送手段との組み合わせなどを挙げることができる。
前記光源は、複数の紫外線出射ユニットから紫外線を出射できるものであればよいが、小型、省電力、長寿命、水銀を使用しない、瞬時の点灯・消灯が可能である、といった理由から紫外線発光ダイオード(以下、UV−LEDともいう。)、特に、250nm以上300nm以下の波長を有する紫外線出射するUV−LEDを使用したものであることが好ましく、250nm以上280nm以下の紫外線を出射するUV−LEDを使用したものであることが特に好ましい。ただし、前記ボトル又は前記プリフォームの内部に過酸化水素を供給する過酸化水素供給手段を有する本発明の装置においては、過酸化水素からOHラジカルを有効に発生させるために、上記波長領域の紫外線と合わせて200nm以上250nm未満の紫外線を出射するUV−LEDを使用することが好ましい。
前記光源が複数有する紫外線出射ユニットとは、UV−LEDなどの紫外線を発生させる紫外線発源で発生された紫外線を直接又は光伝送手段などによって伝送してから出射する紫外線発光面を有する部材を意味する。このような紫外線出射ユニットとしては、紫外線発光面となる紫外線出射用開口部(当該開口部には石英などの紫外線透過性材料かなる窓材が嵌め込まれていてもよい)を有する筺体の内部にUV−LEDを配置したもの、筐体外部の別の場所に配置された紫外線発生源から光ファイバ等で紫外線を移送しその表面(これが紫外線発光面となる)から紫外線を出射するようにした導光板等を挙げることができる。
前者のタイプの紫外線出射ユニットとしては、縦長の紫外線出射用開口部を有する筺体と、当該筺体内に配置され、紫外線を、帯状の光束であって、当該帯状の光束の長手方向の長さが前記縦長の紫外線出射用開口部の長手方向の長さと同等である帯状の光束として出射する紫外線出射部と、前記筺体内に配置されるミラーと、前記ミラーの角度を変化させる駆動装置と、を有し、前記紫外線出射部は、前記帯状の光束を前記ミラーに向けて出射するように配置されており、前記ミラーは、前記帯状の光束を、前記紫外線出射用開口部に向けて反射すると共に、前記駆動装置が前記ミラーの角度を変化させることにより、前記ミラーによって反射された紫外線が前記紫外線出射用開口部に入射する位置を前記帯状の光束の短手方向に順次ずらすようにされていることが好ましい。
前記光源において、前記複数の紫外線出射ユニットの夫々は、1つの紫外線出射ユニットからなる独立ユニットを形成するか、又は2以上の紫外線出射ユニットが、必要に応じてアクチュエーターとしても機能するヒンジなどの連結部材によって連結された連結ユニットを形成しており、前記独立ユニット及び連結ユニットは、夫々前記被殺菌物品の口部の開口から被殺菌物品の内部に挿入可能な形状を有している。
前記移動手段は、前記ボトルの口部の開口から被殺菌物品の内部と外部との間で前記独立ユニット及び/又は連結ユニットを出し入れする挿脱手段と、前記独立ユニット及び/又は連結ユニットが被殺菌物品の内部に挿入されたときにおいて独立ユニット、連結ユニット、及び連結ユニットを構成する紫外線出射ユニットから選ばれる少なくとも一つを移動させて、前記被殺菌物品内において前記複数の紫外線出射ユニットを、夫々の紫外線出射ユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置する配置手段と、前記被殺菌物品の前記開口の中心と前記底部の中心を結ぶ軸を回転軸として、前記配置手段によって配置された所定の位置における、前記複数の紫外線出射ユニット間の相対的位置関係を実質的に保ったまま(別言すれば、各紫外線出射ユニットが夫々照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような状態を保ったまま)、前記複数の紫外線出射ユニット又は前記被殺菌物品を回転させる回転手段と、を有し、前記複数の紫外線出射ユニットから出射される紫外線によって前記ボトルの内面の全面を照射するようにされている。
前記挿脱手段は、前記複数の紫外線出射ユニットを支持する支持体本体を前記被殺菌物品の前記開口の中心及び底部の中心を通る線(以下、中心線ともいう。)に沿って進退させることができる手段であれば特に限定されず、電動モーター、ピニオンおよびラックを組み合わせたような電動アクチュエーター、並びに油圧或いは空気圧シリンダー等を用いた油圧又は空圧アクチュエーターなどが特に制限なく利用できる。支持体本体としては、前記複数の紫外線出射ユニットを支持可能な棒状体やアーム等が好適に使用される。前記複数の紫外線出射ユニットは、後述する配置手段又はその一部として機能する支持部材で前記支持体本体(たとえば前記棒状体)に、当該支持体本体と一緒に被殺菌物品の口部開口から被殺菌物品の内部に挿入可能な形態で取り付けられている。
前記配置手段は、前記複数の紫外線出射ユニットを被殺菌物品の口部開口から被殺菌物品の内部に挿入可能な形態(以下、「挿入時形態」ともいう。)で取り付け支持した前記支持体本体を前記挿脱手段によって被殺菌物品内部に挿入した後に、挿入時形態から各紫外線出射ユニットを、夫々のユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置するように移動させる手段である。該配置手段は、通常、前記紫外線出射ユニットを前記支持体本体に支持させるための支持部材(必要に応じて前記連結部材)を兼ね、リンク機構、リフト機構、ビストン機構、回転機構及びこれらの組み合わせの他、予め所定の形状に成形されたバルーンと空気圧入システムの組み合わせなどの様々な機械運動機構により前記紫外線出射ユニットを移動させる。なお、上記のバルーンを用いた場合には、バルーンが支持体本体に取り付けられ、バルーンの表面に紫外線出射ユニットが貼付などの手段により固定され、挿入時形態ではバルーンはしぼんでおり、挿入後に空気圧でバルーンを膨らませることにより、各紫外線出射ユニットが所定の位置に配置される。
前記回転手段は、前記被殺菌物品の前記開口の中心と前記底部の中心を結ぶ軸を回転軸として、前記配置手段によって配置された所定の位置における、前記複数の紫外線出射ユニット間の相対的位置関係を実質的に保ったまま、前記複数の紫外線出射ユニット又は前記被殺菌物品を回転させる手段である。ここで、前記複数の紫外線出射ユニット間の相対的位置関係を実質的に保ったまま回転させるとは、各紫外線出射ユニットが夫々照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような状態を保ったまま回転させるということを意味する。当該回転手段としては、電動モーターにより前記支持体本体を回転させる手段、又は電動モーターにより前記保持手段に被持された被殺菌物品を回転させる手段等が採用される。前記紫外線出射ユニットで使用されるUV−LEDの駆動電源や前記配置手段への動力伝達経路(配線や配管などを含む)や駆動電源供給経路(配線などを含む)を回転させる必要がないという理由から、被殺菌物品を回転させる手段を採用することが好ましい。被殺菌物品が回転軸を中心軸とする回転体形状を有するときは、被殺菌物品を回転させる時に各紫外線出射ユニットは静止させておけばよい。
このようにして紫外線を照射した後、前記配置手段により挿入時形態に戻し、前記挿脱手段により、複数の紫外線出射ユニットは被殺菌物品の口部開口から外に出され、紫外線殺菌が完了する。
本発明の殺菌装置が、被殺菌物品の内面の表面に過酸化水素を供給する過酸化水素供給手段を有する場合における、当該過酸化水素供給手段としては、過酸化水素水ミストを被殺菌物品の内部に噴霧する噴霧手段及び過酸化水素ガスを含む無菌空気や無菌窒素ガスなどのガスを被殺菌物品の内部に送風する送風手段などを挙げることができる。過酸化水素の供給は、紫外線照射を行う前であればいつ行ってもよいが、複数の紫外線出射ユニットを被殺菌物品の内部に挿入する前に行うのが一般的である。
前記噴霧手段としては、タンクに貯留された過酸化水素水をポンプで移送し、噴霧ノズルから噴霧する手段が好適に採用される。噴霧ノズルは、前記挿脱手段と同様の手段で、被殺菌物品の内部に挿入され、過酸化水素水を噴霧した後に、複数の紫外線出射ユニットを被殺菌物品の内部に挿入する前に被殺菌物品の外部に出されるようにしてもよい。また、紫外線出射ユニットに噴霧ノズルを配設し、紫外線出射ユニットを被殺菌物品の内部に挿入し、配置手段によって所定の位置に配置した後、紫外線照射を行う前に、紫外線出射ユニット又は被殺菌物品を回転させながら噴霧を行い、その後紫外線照射を行うようにしてもよい。紫外線照射終了後は、殺菌済の水でリンスしたり、無菌乾燥空気や無菌乾燥窒素ガスなどブローしたりすることによって残存過酸化水素水を除去することが好ましい。
前記送風手段としては、過酸化水素水を蒸気化し、必要に応じて無菌空気や無菌窒素ガスで希釈して被殺菌物品の内部に送風する手段が採用できる。過酸化水素を含むガスが被殺菌物品の内部に均一に充満した状態(紫外線照射前に過酸化水素の供給を止めてもよく、供給を続けたままでもよい)で紫外線照射を行い、その後は、後処理として無菌乾燥空気や無菌乾燥窒素ガスにより物品内のガス置換を行えばよい。
以下、図面を参照して本発明の殺菌装置について詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1に、本発明の殺菌装置で使用する代表的な紫外線出射ユニット100の概略図を示す。(a)図は紫外線出射ユニット100の三面図を表し、(b)はY−Y´の図断表し、(c)図はX−X´断面を表している。
紫外線出射ユニット100は、縦長の紫外線出射用開口部104を有する筺体103と、当該筺体103内には、縦長の基板106上に、複数のUV−LED107がその長手方向に1列に並んで載置されたUV−LED搭載基板からなる紫外線出射部が収納されている。なお、図には複数のUV−LED107がその長手方向に1列に並べて載置した例を示したが、被殺菌物品の開口の大きさ及びLED素子の大きさに応じて複数列配置することも勿論可能である。また、UV−LEDは素子の状態で直接基板に載置されていてもよく、パッケージ化されて載置されてもよい。
前記UV−LED搭載基板は図示しない外部電源からの電力により紫外線を発光する。上記紫外線出射用開口部104は、サファイアなどからなる紫外線透過性窓(紫外線発光面でもある)105で覆われ、UV−LED107で発生した紫外線を帯状の光束として筺体外部に向けて出射する。高強度の紫外線照射が可能になるという理由から、前記紫外線発光面105からの指向角(半値角)が40°以下0°以上、特に30°以下0°以上である帯状の光束として紫外線を出射することが特に好ましい。このような指向角とするためには前記紫外線透過性窓をコリメートレンズとしたり、予め指向角が調整されたLEDパッケージを搭載したりすればよい。
(b)図における前記筺体のY−Y´方向の幅及びこれと直交する高さは、何れもボトル200の口部201先端の開口201の口径(直径)よりも十分に短く、図2に示すように、支持体本体である棒状体300の周囲に、紫外線発光面105を外側に向けて4つ並べて配置しても前記開口201を、ある程度のクリアランスをもって通過することができる長さである。また、筺体のX−X´方向(長手方向)の長さは、被殺菌物品であるボトルの口部202及び胴部204の長さ、底部205(胴部204)の半径、並びに肩部203の傾きに応じて、それぞれ目的とする照射領域の長さとなるように適宜調整されている。
図5に示す別の紫外線出射ユニット100´は、紫外線出射ユニット100と、筺体103´の内部構造が若干異なり、反射ミラー108を用いることにより、帯状の光束としての紫外線を、出射角度(α)を変えながら出射できるようになっている。すなわち、筺体103´の内部には縦長の反射ミラー108がその反射面を紫外線出射用開口部104´及び紫外線透過性窓(紫外線発光面)105´側に向けて、回転軸109を中心に回動又は揺動可能に固定されると共に、複数のUV−LED107´が基板106´の長手方向に1列に並んで載置されたUV−LED搭載基板が前記反射ミラーの反射面に向けて固定されている。また、筺体103´の内部には、図示しない、前記反射ミラー108の角度を変化させる駆動装置が配置されており、該駆動装置が前記反射ミラー108の角度を変化させることにより、前記反射面によって反射された紫外線が前記紫外線出射用開口部に入射する位置を前記帯状の光束の短手方向に順次ずらされる。その結果、紫外線発光面105´からの出射角度(α)が順次変化する。前記反射ミラー108の角度を変化させる速度を速くすることにより極めて短時間で出射角度を連続的に変化させることができるので、表面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有する被殺菌体の当該表面に紫外線発光面105´に向けたまま、これをゆっくり平行移動させていけば、指向性の高い紫外線が、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から繰り返し照射されるようになり、紫外線が照射され難い影の部分の発生を無くすか、又は高度にその発生を防止できる。
図2に、代表的な本発明の殺菌装置において、挿脱手段によって4つの紫外線出射ユニットをボトル200の内部に挿入した直後の状態の概略図を示す。(a)図は正面図であり、(b)図は口部202、開口201側から見た上視図(平面図)を、(c)図は底部205側から見た下視図(底面図)を表す。
上記本発明の殺菌装置は、主として前記ボトル200の口部202の内壁面に向けて紫外線を出射する第一の紫外線出射ユニット110と、主として前記ボトル200の肩部203の内壁面に向けて紫外線を出射する第二の紫外線出射ユニット120と、主として前記ボトルの胴部204の内壁面に向けて紫外線を出射する第三の紫外線出射ユニット130と、主として前記ボトルの底部205の内壁面に向けて紫外線を出射する第四の紫外線出射ユニット140と、を有している。そして、これらは、挿入時形態において、支持体本体である棒状体300の周囲に、各紫外線発光面113、123、133及び143を外側に向けて並べて配置されるように、支持部材400によって取り付けられている。したがって、(a)図では、第一の紫外線出射ユニット110の裏面114、第二の紫外線出射ユニット120及び第四の紫外線出射ユニット140の側面122及び142、並びに三の紫外線出射ユニット130の紫外線発光面113が図面の正面を向くようになっている。
また、取り付けに際して、各紫外線出射ユニットの高さ方向の位置は、夫々が紫外線を照射する領域の高さに応じて、第一、第二、第三および第四の順番で、順次下げられて(低い位置に)取り付けられている。なお、このとき各紫外線出射ユニットが、高さ的に一部重なるように配置することで、屈曲部(コーナー部)を有する、被殺菌物品の各部(口部、肩部、胴部、及び底部)の接続領域に確実に紫外線を照射することができるようになっている(図3及び4参照)。
また、各紫外線出射ユニットの長手方向の長さは、ボトルの口部202及び胴部204の長さ、底部205(胴部204)の半径、並びに肩部203の傾きに応じて、それぞれ目的とする照射領域を照射できる長さとなるように調整されている。
このような状態でボトル200の内部に挿入された各紫外線出射ユニットは、支持部材でもある配置手段400によって、夫々のユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置され、紫外線照射が開始される。
紫外線照射に際しては、図示しない回転手段によって、前記配置手段400によって配置された所定の位置における、前記紫外線出射ユニット110,120,130及び140間の相対的位置関係を実質的に保ったまま、前記ボトル200を回転させながら紫外線を照射する。こうすることにより各紫外線出射ユニットから出射される(縦長の)帯状の紫外線の光束がボトル200の内壁面を走査するようにして紫外線照射が行われることになる。
図3及び4に、配置手段400によって紫外線出射ユニット110,120,130及び140を所定の位置に配置して、紫外線照射を行っているときの概略図を示す。図3は、前記所定の位置への配置が完了して紫外線照射を開始した直後の状態を示し、(b)図は口部202開口201側から見た上視図(平面図)を、(c)図は底部205側から見た下視図(底面図)を表し、(a)図は(b)図のA方向から見た正面を表す。また、図4は、その状態から、90°回転した視点、すなわち図3(b)図のB方向から見た場合の状態を示している。
これら図に示されるように、挿入時形態において口部202の内壁面に近接して対向していた第一の紫外線出射ユニット110は移動せず、そこがそのまま所定の位置となっている。また、第二の紫外線出射ユニット120は配置手段400によって、その下端が棒状体300から離間するようにして傾斜させられ、肩部203の内壁面と略並行になるように近接して対向するように配置される。そして、第三の紫外線出射ユニット130は配置手段400によって、全体が棒状体から離間するようにして平行移動させられ、胴部204の内壁面に近接して対向するように配置される。さらに、第四の紫外線出射ユニット140は配置手段400によって、その上端が棒状体300から離間するようにして傾斜させられ、底部205の内壁面と若干の傾きを持って略並行になるように近接して対向するように配置される。
前記したように、各紫外線出射ユニットが、高さ的に一部重なるように配置されているので、口部202と肩部203の接続領域は第一及び第二の紫外線出射ユニット110及び120が通過する時に夫々紫外線照射され、肩部203と胴部204の接続領域は第二及び第三の紫外線出射ユニット120及び130が通過する時に夫々紫外線照射され、胴部204と底部205の接続領域は第三及び第四の紫外線出射ユニット130及び140が通過する時に夫々紫外線照射されることになる。
100、100´・・・紫外線出射ユニット
101・・・上端面
102・・・側面
103、103´・・・筺体
104、104´・・・紫外線出射用開口部
105、105´・・・紫外線透過性窓(紫外線発光面)
106、106´・・・基板
107、107´・・・UV−LED
108・・・反射ミラー
109・・・ミラー回転軸
110・・・第一の紫外線出射ユニット
111・・・第一の紫外線出射ユニットの上端面
112・・・第一の紫外線出射ユニットの側面
113・・・第一の紫外線出射ユニットの紫外線発光面
114・・・第一の紫外線出射ユニットの裏面
120・・・第二の紫外線出射ユニット
121・・・第二の紫外線出射ユニットの上端面
122・・・第二の紫外線出射ユニットの側面
123・・・第二の紫外線出射ユニットの紫外線発光面
124・・・第二の紫外線出射ユニットの裏面
130・・・第三の紫外線出射ユニット
131・・・第三の紫外線出射ユニットの上端面
132・・・第三の紫外線出射ユニットの側面
133・・・第三の紫外線出射ユニットの紫外線発光面
134・・・第三の紫外線出射ユニットの裏面
140・・・第四の紫外線出射ユニット
141・・・第四の紫外線出射ユニットの上端面
142・・・第四の紫外線出射ユニットの側面
143・・・第四の紫外線出射ユニットの紫外線発光面
144・・・第四の紫外線出射ユニットの裏面
200・・・ボトル
201・・・口部開口
202・・・口部
203・・・肩部
204・・・胴部
205・・・底部
300・・・支持体本体(棒状体)
400・・・配置手段(支持部材)

Claims (9)

  1. 先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続して次第に拡開する肩部と、該肩部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備えるボトル又は先端に円形又は略円形の開口を有する口部と、該口部の後端から連続する胴部と、該胴部の後端を閉塞する底部とを備える前記ボトルのプリフォームからなる被殺菌物品の内部を殺菌するための殺菌装置であって、
    前記被殺菌物品を所定の位置に保持するための保持手段と、
    複数の紫外線出射ユニットを有する紫外線光源と、
    前記複数の紫外線出射ユニットを移動させる移動手段と、を有し、
    前記複数の紫外線出射ユニットの夫々は、1つの紫外線出射ユニットからなる独立ユニットを形成するか、又は2以上の紫外線出射ユニットが連結部材によって連結された連結ユニットを形成しており、
    前記独立ユニット及び連結ユニットは、夫々前記被殺菌物品の前記開口から被殺菌物品の内部に挿入可能な形状を有しており、
    前記移動手段は、前記被殺菌物品の前記開口から被殺菌物品の内部と外部との間で前記独立ユニット及び/又は連結ユニットを出し入れする挿脱手段と、前記独立ユニット及び/又は連結ユニットが被殺菌物品の内部に挿入されたときにおいて独立ユニット、連結ユニット、及び連結ユニットを構成する紫外線出射ユニットから選ばれる少なくとも一つを移動させて、前記被殺菌物品内において前記複数の紫外線出射ユニットを、夫々のユニットが照射対象とする被殺菌物品の内壁面に近接して対向するような所定の位置に配置する配置手段と、前記被殺菌物品の前記開口の中心と前記底部の中心を結ぶ軸を回転軸として、前記該配置手段によって配置された所定の位置における、前記複数の紫外線出射ユニット間の相対的位置関係を実質的に保ったまま、前記複数の紫外線出射ユニット又は前記被殺菌物品を回転させる回転手段と、を有し、
    前記複数の紫外線出射ユニットから出射される紫外線によって前記被殺菌物品の内面の全面を照射するようにしたことを特徴とする、殺菌装置。
  2. 前記被殺菌物品が前記ボトルであり、前記複数の紫外線出射ユニットは、主として前記ボトルの口部の内壁面に向けて紫外線を出射する第一の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの肩部の内壁面に向けて紫外線を出射する第二の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの胴部の内壁面に向けて紫外線を出射する第三の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの底部の内壁面に向けて紫外線を出射する第四の紫外線出射ユニットと、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の殺菌装置。
  3. 前記被殺菌物品が前記ボトルであり、前記複数の紫外線出射ユニットは、主として前記ボトルの肩部及び口部の内壁面に向けて紫外線を出射する第五の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの胴部の内壁面に向けて紫外線を出射する第三の紫外線出射ユニットと、主として前記ボトルの底部の内壁面に向けて紫外線を出射する第四の紫外線出射ユニットと、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の殺菌装置。
  4. 前記配置手段は、前記ボトルの肩部と胴部の接続領域を前記第二の紫外線出射ユニットと、前記第三の紫外線出射ユニットと、の2種類の紫外線出射ユニットによって重複して紫外線照射できるように配置し、且つ前記ボトルの胴部と底部の接続領域を前記第三の紫外線出射ユニットと、前記第四の紫外線出射ユニットと、の2種類の紫外線出射ユニットによって重複して紫外線照射できるように配置するようにした、請求項2又は3に記載の殺菌装置。
  5. 前記第一乃至第五の紫外線出射ユニットの少なくとも一つは、縦長の紫外線出射用開口部を有する筺体と、当該筺体内に配置され、紫外線を、帯状の光束であって、当該帯状の光束の長手方向の長さが前記縦長の紫外線出射用開口の長手方向の長さと同等である帯状の光束として出射する紫外線出射部と、前記筺体内に配置されるミラーと、前記ミラーの角度を変化させる駆動装置と、を有し、前記紫外線出射部は、前記帯状の光束を前記ミラーに向けて出射するように配置されており、前記ミラーは、前記帯状の光束を、前記紫外線出射用開口部に向けて反射すると共に、前記駆動装置が前記ミラーの角度を変化させることにより、前記ミラーによって反射された紫外線が前記紫外線出射用開口部に入射する位置を前記帯状の光束の短手方向に順次ずらすようにしたことを特徴とする、請求項2乃至4の何れかに記載の殺菌装置。
  6. 前記ボトル又は前記プリフォームの内部表面に過酸化水素を供給する過酸化水素供給手段を更に有する、請求項1乃至5の何れかに記載の殺菌装置。
  7. 表面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有する被殺菌体の当該表面に指向性の高い紫外線を照射する紫外線照射工程を含んでなる殺菌方法において、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から紫外線を照射するようにしたことを特徴とする殺菌方法。
  8. 前記紫外線照射工程において、前記被殺菌体表面の凹凸部、屈曲部又は屈折部およびその周辺領域に、異なる複数の方向から、照射タイミングをずらして紫外線を照射する、請求項7に記載の殺菌方法。
  9. 前記紫外線照射工程の前工程として、表面に凹凸部、屈曲部又は屈折部を有する被殺菌体の当該表面に過酸化水素水又は過酸化水素ガスを付着又は接触させる工程を含み、前記紫外線照射工程において250nm以上300nm以下の波長領域にピークを有する紫外線を出射する紫外線発光ダイオードと、200nm以上250nm未満の紫外線を出射する紫外線発光ダイオードと、を用いて、250nm以上300nm以下の波長領域及び200nm以上250nm未満の波長領域に夫々ピークを有する紫外線を照射するようにしたことを特徴とする、請求項7又は8に記載の殺菌方法。
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