JP6164685B2 - 太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に関する。
現在、宇宙用太陽電池や集光発電システム用の高効率太陽電池として、GaAsやInGaPなどのIII−V族化合物半導体を主材料とした多接合構造が用いられている。この構造は、例えば、ゲルマニウム(Ge)単結晶基板に、エピタキシャル成長させて形成したInGaAsからなるpn接合と、エピタキシャル成長させて形成したInGaPからなるpn接合との多接合で構成されている(非特許文献1参照)。
このような多接合構造では、バンドギャップの異なる2つ以上の材料のpn接合の積層により、太陽光スペクトルの広範な波長を有効に利用できることから、単接合構造の太陽電池と比較して高い変換効率が得られる。
また、AsやPを含まない窒化物半導体(例えばInGaN)をシリコンなどの半導体基板上に積層させた、太陽光スペクトルのほぼ全域をカバーできるという長所を持つ多接合型の太陽電池が提案されている(特許文献1参照)。この技術によれば、高価なGe単結晶基板を用いることなく、また、大きな面積のウエハーを用いることができるため、コストの低減も図れる。
特許文献1の技術では、InGaNと格子整合する基板がないことによるInGaN薄膜に多くの転位が含まれる状態を、バルク状ではないナノコラムを複数用いることによって解消しており、また、pn接合をコラムの高さ方向に積層して形成している。
特開2007−324324号公報
R. R. King et al. , "40% efficient metamorphic GaInP/GaInAs/Ge multijunction solar cells", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol.90, 183516, 2007.
ところで、窒化物半導体中における少数キャリアの拡散長は、余り長くない。例えば、InGaN中の少数キャリア拡散長は、数十〜数百nm程度と短い。このため、上述したような従来の技術による拡散によってキャリアを取り出す構造では、次に示す問題があった。すなわち、光吸収層を光吸収に必要な1μm程度に長く(厚く)すると、発生したキャリアの移動に時間を要し、結晶欠陥などによりキャリアが消滅し、光励起キャリアを効率よく収集できず、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が低下する。さらに、結晶の品質や結晶中の不純物濃度で決定される「キャリアの拡散長」内しかキャリアは拡散できないので、素子構造の最適設計に制限があった。
一方、窒化物半導体による光吸収層の厚さを少数キャリア拡散長程度に短くすれば、生成された光励起キャリアをより高い効率で収集できるようになる。しかしながら、この場合、光吸収層が薄いために光吸収が不十分となり、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が低下してしまうという問題が発生する。これらのように、従来では、窒化物半導体を用いた太陽電池では、高い効率で太陽光エネルギーから電気エネルギーへ変換することが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が高い効率で行えるようにすることを目的とする。
本発明に係る太陽電池は、主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成された光吸収層と、光吸収層に接続する第1電極および第2電極とを備え、第1電極および第2電極の少なくとも1つは光吸収層に接して形成されている。光吸収層は、ノンドープとされている。
上記太陽電池において、光吸収層は、第1半導体層と第2半導体層とが交互に複数積層して構成され、第1半導体層は、主表面をC面とした第1窒化物半導体から構成され、第2半導体層は、第1窒化物半導体とは異なる格子定数で主表面をC面とした第2窒化物半導体から構成されているようにしてもよい。
上記太陽電池において、第1電極は、光吸収層の一方の面に接して形成され、第2電極は、光吸収層の他方の面に接して形成されている。
上記太陽電池において、基板の上に形成されたn型の窒化物半導体からなる電極層を備え、第1電極は、光吸収層の上に接して形成され、光吸収層および第2電極は、電極層の上に形成されているようにすればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が、高い効率で行えるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1における太陽電池の構成を示す断面図である。 図2は、光吸収層101におけるバンドギャップエネルギーの状態を示すバンド図である。 図3は、本発明の実施の形態2における太陽電池の構成を示す断面図である。 図4は、井戸層と障壁層とを交互に積層した構造における励起子解離を説明するための説明図である。 図5は、井戸層と障壁層とを交互に積層した構造における励起子解離を説明するための説明図である。 図6は、本発明の実施の形態3における太陽電池の構成を示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態4における太陽電池の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における太陽電池の構成を示す断面図である。この太陽電池は、主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成された光吸収層101と、光吸収層101に接続する第1電極102および第2電極103とを備える。また、第1電極102および第2電極103の少なくとも1つは光吸収層101に接して形成されている。光吸収層101は、後述するように、ノンドープとすることができる。なお「ノンドープ」は、導電型を発現させる不純物を意図的に添加せずに形成した状態を意味している。また、光吸収層101は、低濃度にn型不純物が導入されていてもよい。
光吸収層101は、例えば、対象とする波長に合わせて組成が調整されたInGaNやInGaAlNから構成されていればよい。例えば、バンドギャップエネルギーが2eVとされたInGaAlNから光吸収層101を構成すればよい。また、第1電極102は、例えば、ニッケルや金などの金属から構成されていればよい。また、第2電極103は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料から構成されていればよい。なお、少なくとも、第1電極102および第2電極103の一方が、太陽光が透過する状態とされていればよい。
例えば、主表面をC面としたサファイア(コランダム)基板の表面を窒化して窒化層を形成し、この上に、よく知られた有機金属気相成長法などにより、GaNのバッファ層をエピタキシャル成長し、バッファ層の上に、InGaAlNをエピタキシャル成長させて光吸収層101を形成する。例えば、光吸収層101は、層厚2μm程度とすればよい。このようにして形成した光吸収層101は、C軸方向への成長となり、主表面がC面となり、分極効果により電界が発生している状態となる。
次いで、光吸収層101の主表面上に、第1電極102を形成する。この後、バッファ層およびサファイア基板を除去する。例えば、第1電極102の形成面を支持基板に貼り付けて支持した状態で、サファイア基板およびバッファ層を研削研磨して除去すればよい。このようにしてサファイア基板およびバッファ層を除去した後、露出させた光吸収層101の裏面に第2電極103を形成し、支持基板より離型すれば、実施の形態1における太陽電池が形成できる。実施の形態1では、単一の半導体層からなる光吸収層101の一方の面に第1電極102が接して形成され、光吸収層101の他方の面に第2電極103が接して形成された状態となる。
上述した実施の形態1における太陽電池では、光吸収層101に自然電界が発生しているので、図2のバンド図に示すように、第1電極102から第2電極103にかけて、光吸収層101におけるバンドが傾く。これにより、例えば、第1電極102の側より入射した太陽光が、光吸収層101で吸収されたことにより発生した電子および正孔は、第1電極102および第2電極103の方向に移動していくことになる。また、この移動は、ドリフトによるものであり、よく知られているように、ドリフト移動速度は、拡散による移動に比較して格段に速い。
この結果、実施の形態1における太陽電池によれば、pn接合などによる太陽電池に比較して、格段に速い速度でキャリアを電極に引き出すことが可能となり、太陽電池における光電変換効率を格段に向上させることができる。また、実施の形態1における太陽電池によれば、上述したことにより、光吸収層101を、ノンドープとすることができる。ただし、光吸収層101は、低濃度にn型不純物が導入されている状態とすることで、より低抵抗な状態とすることができる。また、実施の形態1における太陽電池では、上述したようにドリフトによりキャリアを移動させているので、光吸収層を厚くしても、結晶欠陥などによるキャリアの消滅を抑制できるので、十分な光吸収を実現することができる。
ここで、上述した状態の光吸収層101と第1電極102との界面でのフェルミエネルギーより、第1電極102を構成する材料の仕事関数の方が大きい状態となっていれば、第1電極102は、光吸収層101より電子を受け取ることができる。また、上述した状態の光吸収層101と第2電極103との界面でのフェルミエネルギーより、第2電極103を構成する材料の仕事関数の方が小さい状態となっていれば、第2電極103から光吸収層101へ電子が流れ込むことができ、光吸収層101における正孔が第2電極103により外部に取り出されたようにすることができる。このような関係となる組み合わせとしては、第1電極102をニッケルから構成し、第2電極103をITOから構成すればよい。また、第1電極102を光が透過する程度に薄いニッケル層から構成し、第2電極103をアルミニウムから構成してもよい。
このように、実施の形態1によれば、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が、高い効率で行えるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。図3は、実施の形態2における太陽電池の構成を示す断面図である。この太陽電池は、まず、サファイア基板301と、サファイア基板301の表面に形成された窒化層302と、窒化層302の上に形成されたバッファ層303と、バッファ層303の上に形成された電極層304とを備える。例えば、電極層304は、シリコンをドープすることでn型とされGaNから構成され、層厚1000nm程度とされている。
また、この太陽電池は、電極層304の上に形成された、第1光吸収層305a,第2光吸収層305b,第3光吸収層305cを備える。ここで、実施の形態2における第1光吸収層305aは、第1半導体層351と第2半導体層352とが交互に複数積層して構成されている。また、第2光吸収層305bは、第1半導体層351と第3半導体層353とが交互に複数積層して構成されている。また、第3光吸収層305cは、第1半導体層351と第4半導体層354とが交互に複数積層して構成されている。第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354は、各々が、第1半導体層351と交互に3組ほど積層されていればよい。
まず、第1半導体層351は、主表面をC面としたノンドープの第1窒化物半導体から構成されている。一方、第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354は、第1窒化物半導体とは格子定数が異なり主表面をC面としたノンドープの第2窒化物半導体から構成されている。実施の形態2では、第1半導体層351と、第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354とにより超格子構造が構成される。
また、実施の形態2では、主に、第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354において、光が吸収されて電子および正孔を発生させる。なお、各光吸収層を構成する各半導体層は、低濃度にn型不純物が導入されている状態としてもよい。この構成とすることで、より低抵抗な状態とすることができる。
例えば、第1半導体層351は、GaNから構成され、層厚3nm程度とされている。また、第2半導体層352は、例えば、バンドギャップエネルギーが0.65eVのInNから構成され、層厚10nm程度とされている。また、第3半導体層353は、例えば、バンドギャップエネルギーが1.1eVのIn0.83Ga0.17Nから構成され、層厚10nm程度とされている。また、第4半導体層354は、例えば、バンドギャップエネルギーが1.9eVのIn0.55Ga0.45Nから構成され、層厚10nm程度とされている。
また、第3光吸収層305c(第1半導体層351)の上に接して第1電極306が形成され、第1光吸収層305aの側方の電極層304の上に第2電極307が形成されている。例えば、第1電極306は、例えば太陽光が透過する程度に薄いニッケル層から構成されていればよい。
例えば、主表面をC面としたサファイア基板301の表面を窒化して窒化層302を形成し、この上に、よく知られた有機金属気相成長法などにより、バッファ層303をエピタキシャル成長し、バッファ層303の上に、上述した各層をエピタキシャル成長させればよい。このようにして形成した、第1光吸収層305a,第2光吸収層305b,第3光吸収層305cを構成する各層は、C軸方向への成長となり、主表面がC面となり、分極効果により自然電界が発生している状態となる。
この結果、実施の形態2においても、第1電極306の側より入射した太陽光が、第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354において吸収されたことにより発生した電子および正孔は、第1電極306および電極層304(第2電極307)の方向に移動していくことになる。また、この移動は、ドリフトによるものであり、よく知られているように、ドリフト移動速度は、拡散による移動に比較して格段に速い。
また、実施の形態2では、超格子構造としているので、第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354における吸収効率が格段に向上している。例えば、第1光吸収層305aにおいて、層厚10nmの2半導体層352の層数は、3程度であれば十分が光吸収が得られる。これは、第2光吸収層305b,第3光吸収層305cにおいても同様である。
また、実施の形態2によれば、各々バンドギャップエネルギーが異なり、吸収波長帯が異なる第2半導体層352,第3半導体層353,第4半導体層354から、第1光吸収層305a,第2光吸収層305b,第3光吸収層305cを構成してこれらを積層してタンデムとしている。この結果、太陽光に含まれるより広い波長の光を変換できるようになり、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が高い効率で行えるようになる。
ところで、例えば、第1光吸収層305aを構成する第2半導体層352は、第1半導体層351より格子定数が大きい。このため、2つの第1半導体層351に挟まれている第2半導体層352は、圧縮歪みを受けることになり、前述した分極とは対向する方向にピエゾ分極が発生する。しかしながら、ピエゾ分極の合計が上述した分極の合計より小さければ、第1光吸収層305aの全体では、実施の形態1と同様に自然電界が発生した状態となり、上述したドリフトにより電子および正孔が移動するようになる。このことは、第2光吸収層305b,第3光吸収層305cにおいても同様である。
また、実施の形態2では、第1光吸収層305a,第2光吸収層305b,第3光吸収層305cを構成している超格子構造において、分極が発生しているため、次に説明することにより、励起子の問題が抑制できるようになる。
まず、図4に示すように、分極のない状態で井戸層401と障壁層402とが交互に複数積層された構造では、井戸層401に光励起された電子411および正孔412は、励起子413を形成し、発光再結合して消滅する。このため、光電流として取り出すことができない。また、励起子413は、実質的に電荷を持たないため、電子411と正孔412とに分離しなければ、発電に寄与しない。
一方、図5に示すように、分極のある状態で井戸層501と障壁層502とが交互に複数積層された構造では、井戸層501に光励起された電子511および正孔512は、井戸層501中の電界により解離している。このため、電子511および正孔512は、互いに逆方向に移動するため、距離が離れ(波動関数の重なりが低減し)、発光再結合することなく、光電流として取り出すことができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態3における太陽電池の構成を示す断面図である。この太陽電池は、第1光吸収層601,第2光吸収層602,第3光吸収層603が積層されたタンデム型とされている。各光吸収層は、主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成されている。また、各光吸収層は、各々バンドギャップが異なる状態とされている。また、第3光吸収層603には、第1電極611が接続し、第1光吸収層601には、第2電極612が接続している。
実施の形態3においても、前述した実施の形態1と同様に、各光吸収層は、ノンドープとすることができる。なお、各光吸収層は、低濃度にn型不純物を導入しておくことで、より低抵抗することができる。
第1光吸収層601,第2光吸収層602,第3光吸収層603は、例えば、対象とする波長に合わせて組成が調整されたInGaNやInGaAlNから構成されていればよい。例えば、バンドギャップエネルギーが0.65eVのInNからなる単一の半導体層で第1光吸収層601を構成し、バンドギャップエネルギーが1.1eVとされたIn0.83Ga0.17Nからなる単一の半導体層で第2光吸収層602を構成し、バンドギャップエネルギーが1.9eVとされたIn0.55Ga0.45Nからなる単一の半導体層で第3光吸収層603を構成すればよい。これらの構成であれば、各光吸収層の間でほぼ同じ格子定数とすることができる。
また、第1電極611は、例えば、ニッケルや金などの金属から構成されていればよい。これら金属から第1電極611を構成することで、第3光吸収層603と第1電極611との界面でのフェルミエネルギーより、第3光吸収層603を構成する材料の仕事関数の方が大きい状態となる。また、第2電極612は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料から構成されていればよい。この構成とすることで、第1光吸収層601と第2電極612との界面でのフェルミエネルギーより、第2電極612を構成する材料の仕事関数の方が小さい状態となる。なお、少なくとも、第1電極611および第2電極612の一方が、太陽光が透過する状態とされていればよい。上述した構成では、第2電極612の方を太陽光が透過する。また、第1電極611を光が透過する程度に薄いニッケル層から構成し、第2電極612をアルミニウムから構成してもよい。
例えば、主表面をC面としたサファイア(コランダム)基板の表面を窒化して窒化層を形成し、この上に、よく知られた有機金属気相成長法などにより、GaNのバッファ層をエピタキシャル成長し、バッファ層の上に、対応する組成のInGaAlNをエピタキシャル成長させて、順次に第1光吸収層601,第2光吸収層602,第3光吸収層603を形成する。各光吸収層は、例えば、層厚2μm程度とすればよい。このようにして形成した各光吸収層は、C軸方向への成長となり、主表面がC面となり、分極効果により電界が発生している状態となる。
次いで、第3光吸収層603の主表面上に、第1電極611を形成する。この後、バッファ層およびサファイア基板を除去する。例えば、第1電極611の形成面を支持基板に貼り付けて支持した状態で、サファイア基板およびバッファ層を研削研磨して除去すればよい。このようにしてサファイア基板およびバッファ層を除去した後、露出させた第1光吸収層601の裏面に第2電極612を形成し、支持基板より離型すれば、実施の形態3における太陽電池が形成できる。
実施の形態3では、第2光吸収層602の一方の面に第1光吸収層601が接し、第2光吸収層602の他方の面に第3光吸収層603が接して形成されている。また、第3光吸収層603に第1電極611が接して形成され、第1光吸収層601に第2電極612が接して形成された状態となる。
上述した実施の形態3における太陽電池では、各光吸収層に自然電界が発生しているので、第1電極611の側から第2電極612の側にかけて、各光吸収層におけるバンドが傾く。これにより、各光吸収層で太陽光が吸収されたことにより発生した電子および正孔は、第1電極611および第2電極612の方向に移動していくことになる。また、この移動は、ドリフトによるものであり、よく知られているように、ドリフト移動速度は、拡散による移動に比較して格段に速い。
この結果、実施の形態3における太陽電池においても、pn接合などによる太陽電池に比較して、格段に速い速度でキャリアを電極に引き出すことが可能となり、太陽電池における光電変換効率を格段に向上させることができる。また、実施の形態3における太陽電池では、上述したようにドリフトによりキャリアを移動させているので、光吸収層を厚くしても、結晶欠陥などによるキャリアの消滅が抑制できるので、十分な光吸収を実現することができる。
加えて、実施の形態3では、各々バンドギャップエネルギーが異なり、吸収波長帯が異なる光吸収層を積層してタンデムとしているので、太陽光に含まれるより広い波長の光を変換できるようになる。このように、実施の形態3によれば、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が高い効率で行えるようになる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について図7を用いて説明する。図7は、実施の形態4における太陽電池の構成を示す断面図である。この太陽電池は、まず、サファイア基板701と、サファイア基板701の表面に形成された窒化層702と、窒化層702の上に形成されたバッファ層703と、バッファ層703の上に形成された電極層704とを備える。例えば、電極層704は、シリコンをドープすることでn型とされGaNから構成され、層厚1000nm程度とされている。
また、この太陽電池は、電極層704の上に形成された、第1光吸収層705aおよび第2光吸収層705bを備える。ここで、実施の形態4における第1光吸収層705aは、第1半導体層751と第2半導体層752とが交互に複数積層して構成されている。また、第2光吸収層705bは、第3半導体層753と第4半導体層754とが交互に複数積層して構成されている。第2半導体層752は、第1半導体層751と交互に5組ほど積層されている。また、第4半導体層753は、第3半導体層753と交互に3組ほど積層されていればよい。
まず、第1半導体層751は、主表面をC面としたノンドープの第1窒化物半導体から構成されている。次に、第2半導体層752は、第1窒化物半導体より格子定数が小さく主表面をC面としたノンドープの第2窒化物半導体から構成されている。従って、第1光吸収層705aを構成している第2半導体層752は、引っ張り歪みを受ける状態となる。
また、第3半導体層753は、主表面をC面としたノンドープの第3窒化物半導体から構成されている。次に、第4半導体層754は、第3窒化物半導体より格子定数が小さく主表面をC面としたノンドープの第4窒化物半導体から構成されている。従って、第2光吸収層705bにおいても、第4半導体層754は、引っ張り歪みを受ける状態となる。
また、実施の形態4では、第1窒化物半導体より第3窒化物半導体の方が格子定数が小さい構成とされている。なお、各光吸収層を構成する各半導体層は、低濃度にn型不純物を導入した状態としてもよい。この構成とすることで、より低抵抗することができる。
例えば、第1半導体層751は、バンドギャップエネルギーが1.45eVのIn0.85Al0.15Nから構成され、層厚10nm程度とされている。また、第2半導体層752は、バンドギャップエネルギーが1.1eVのIn0.83Ga0.17Nから構成され、層厚5nm程度とされている。また、第3半導体層753は、バンドギャップエネルギーが2.3eVのIn0.7Al0.3Nから構成され、層厚10nm程度とされている。また、第4半導体層754は、例えば、バンドギャップエネルギーが1.9eVのIn0.55Ga0.45Nから構成され、層厚5nm程度とされている。
ここで、バンドギャップエネルギー1.1eVは、波長1.1μmに対応し、バンドギャップエネルギー1.9eVは、波長650nmに対応する。従って、上述した構成とすることで、太陽光より放射される光を入射することで、少なくとも第2半導体層752および第4半導体層754の各層において、対応する波長の光が吸収され電子および正孔が発生するものとなる。
また、第2光吸収層705b(第3半導体層753)の上に接して第1電極706が形成され、第1光吸収層705aの側方の電極層704の上に第2電極707が形成されている。例えば、第1電極706は、例えば太陽光が透過する程度に薄いニッケル層から構成されていればよい。
例えば、主表面をC面としたサファイア基板701の表面を窒化して窒化層702を形成し、この上に、よく知られた有機金属気相成長法などにより、バッファ層703をエピタキシャル成長し、バッファ層703の上に、上述した各層をエピタキシャル成長させればよい。このようにして形成した、第1光吸収層705a,第2光吸収層705bを構成する各層は、C軸方向への成長となり、主表面がC面となり、分極効果により自然電界が発生している状態となる。
加えて、前述したように、第2半導体層752は、引っ張り歪みを受け、第4半導体層754は、引っ張り歪みを受け、第1窒化物半導体(第1半導体層751)より第3窒化物半導体(第3半導体層753)の方が格子定数が小さい。このため、第1光吸収層705aおよび第2光吸収層705bにおいては、各層間に発生するピエゾ分極が、上述した分極と同じ方向に発生する状態となっている。
この結果、実施の形態4においては、第1電極706の側より入射した太陽光が、第1半導体層741,第2半導体層752,第3半導体層753,第4半導体層754において吸収されたことにより発生した電子および正孔は、第1電極706および電極層704(第2電極707)の方向に,ドリフトにより移動していくことになる。また、このドリフトは、上述した同じ方向の2つの分極効果で発生する電界によるものであり、より大きな効果が得られるようになる。
また、実施の形態4では、第1半導体層751を障壁層とし、第2半導体層752を井戸層とし、また、第3半導体層753を障壁層とし、第4半導体層754を井戸層とする超格子構造としている。このため、前述した実施の形態2と同様に、各層における吸収効率が格段に向上している。
また、実施の形態4によれば、前述したように、各々バンドギャップエネルギーが異なり、吸収波長帯が異なる第1半導体層751,第2半導体層752,第3半導体層753,第4半導体層754において光吸収がなされるので、太陽光に含まれるより広い波長の光を変換できるようになり、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が高い効率で行えるようになる。
また、実施の形態4においても、前述した実施の形態2と同様に、超格子構造において、分極が発生しているため、励起子の問題が抑制でき、光吸収によって発生した電子および正孔が発光再結合することなく、光電流として取り出すことができる。
以上に説明したように、本発明によれば、主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成された光吸収層を用いるようにしたので、光吸収層で太陽光が吸収されたことにより発生した電子および正孔は、各電極の方向にドリフトにより移動していくことになり、窒化物半導体を用いた太陽電池で、太陽光エネルギーから電気エネルギーへの変換が高い効率で行えるようになる。また、本発明によれば、不純物を導入せずに上述した構成とすることができる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、実施の形態2では、第1光吸収層305a,第2光吸収層305b,第3光吸収層305cを積層してタンデムとしたが、これに限るものではない。例えば、第1窒化物半導体からなる第1半導体層と、第1窒化物半導体とは異なる格子定数で主表面をC面とした第2窒化物半導体なる第2半導体層とが、交互に複数積層して構成された1組の光吸収層から構成してもよい。この点は、実施例4においても同様である。
101…光吸収層、102…第1電極、103…第2電極。

Claims (5)

  1. 主表面をC面として形成された窒化物半導体から構成された光吸収層と、
    前記光吸収層に接続する第1電極および第2電極と
    を備え、
    前記第1電極および前記第2電極の少なくとも1つは前記光吸収層に接して形成されていることを特徴とする太陽電池。
  2. 請求項1記載の太陽電池において、
    前記光吸収層は、
    第1半導体層と第2半導体層とが交互に複数積層して構成され、
    前記第1半導体層は、主表面をC面とした第1窒化物半導体から構成され、
    前記第2半導体層は、前記第1窒化物半導体とは異なる格子定数で主表面をC面とした第2窒化物半導体から構成されている
    ことを特徴とする太陽電池。
  3. 請求項1または2記載の太陽電池において、
    前記第1電極は、前記光吸収層の一方の面に接して形成され、
    前記第2電極は、前記光吸収層の他方の面に接して形成されている
    ことを特徴とする太陽電池。
  4. 請求項1または2記載の太陽電池において、
    基板の上に形成されたn型の窒化物半導体からなる電極層を備え、
    前記第1電極は、前記光吸収層の上に接して形成され、
    前記光吸収層および前記第2電極は、前記電極層の上に形成されていることを特徴とする太陽電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池において、
    前記光吸収層は、ノンドープとされていることを特徴とする太陽電池。
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