JP6164025B2 - スロットルボディの固定構造 - Google Patents

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本発明は、スロットルボディに加工及び組付けを行う生産ラインにおけるパレットに対するスロットルボディの固定構造に関する。
スロットルボディに加工及び組付けを行って電子スロットル装置を生産する生産ラインでは、スロットルボディをパレットに載せて運搬している。そして、スロットルボディへの加工や各部品の組付けをパレットに載せた状態で実施する。
従来、パレットへのスロットルボディの固定は、スロットルボディの表面の一部をパレットの表面に面接触させるとともに、スロットルボディの表面に形成された凹部とパレットの表面に形成された凸部を嵌合させることで行われていた(特許文献1参照)。
すなわち、図7及び図8に示すように、スロットルボディ100は、フランジ101の一端面(フランジ面101aと呼ぶ)を、パレット102の表面(パレット表面102aと呼ぶ)に面接触させるとともに、スロットルボディ100の表面に形成された2つの凹部104に、パレット表面102aに形成された凸部105をそれぞれ嵌めることにより、パレット102にスロットルボディ100が固定されていた。
なお、フランジ101は、内部にボア107を形成するボア形成部108の外周に径方向外側に延びて形成されて、他部材との締結部をなす部分である。
この固定構造では、ボア107の軸方向(以下、ボア軸方向と呼ぶ)におけるパレット102とスロットルボディ100との位置決めが、フランジ面101aとパレット表面102aとの面接触によりなされている。そして、凸部105と凹部104との嵌合によって、ボア軸方向に垂直な方向への横ズレを防止している。
しかし、この固定構造では、フランジ面101a及びパレット表面102aを高精度に平面にするという難易な加工をする必要がある。例えば、フランジ面101a及びパレット表面102aの加工がばらついていると、スロットルボディ100へのバルブシャフト110の組付け位置がばらつき、正確な組付けが困難になるからである。
また、フランジ面101aとパレット表面102aとが当接していると、フランジ面101aよりもボア軸方向一端側に突出するような部位をスロットルボディ100に形成したり、組付けたりすることができないという制約が生じる。そして、パレット102に干渉しないようにするためには、パレット102の形状を変えなければならない。
特開2012−154257号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、パレットとスロットルボディとの位置決めが容易にでき、且つ、スロットルボディの形状やスロットルボディへの組み付け部品の形状の自由度を向上させることのできるパレットに対するスロットルボディの固定構造を提供することにある。
本発明は、スロットルボディに加工及び組付けを行う生産ラインにおけるパレットに対するスロットルボディの固定構造であって、スロットルボディの表面に形成された複数の凹部と、パレットの表面に形成されて凹部に嵌合可能な凸部とを備える。
そして、凹部に凸部が嵌まることによって、パレットにスロットルボディが固定され、凹部に凸部が嵌った状態で、凹部の開口縁を含むスロットルボディの表面とパレットの表面とが離間している。
また、スロットルボディは、吸気通路の一部をなすボアを有し、凹部は、ボアの軸方向に平行な方向に陥没するように形成されている。そして、凹部に凸部が嵌った状態で、スロットルボディがボアの軸方向において、パレットの表面から離間している。
さらに、スロットルボディは、ボアに対して径方向外側へ延びるフランジを有し、フランジは、他部材に接続するためのボルトが挿入される貫通穴を有する。そして、貫通穴の一方の開口端にザグリを形成し、ザグリに凸部が嵌まることによって、パレットにスロットルボディが固定される。
すなわち、スロットルボディの表面がパレットの表面から浮いた状態でスロットルボディがパレットに対して固定される。
これによれば、スロットルボディの位置決めのために、凹部と凸部のみ精度よく加工すればよく、スロットルボディの表面及びパレットの表面を高精度に平面にする加工が不要となる。
また、スロットルボディの表面とパレットの表面とが離間しているので、スロットルボディの形状やスロットルボディへの組み付け部品の形状の自由度を向上させることができる。
電子スロットル装置をボア軸方向一端側から見た平面図である(参考例)。 スロットルボディがパレットに固定された状態を示す側面図である(参考例)。 電子スロットル装置をボア軸方向一端側から見た平面図である(実施例) スロットルボディがパレットに固定された状態を示す側面図である(実施 電子スロットル装置をボア軸方向一端側から見た平面図である(変形例)。 電子スロットル装置をボア軸方向一端側から見た平面図である(変形例)。 電子スロットル装置をボア軸方向一端側から見た平面図である(従来例)。 スロットルボディがパレットに固定された状態を示す側面図である(従来例)。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
参考例
参考例を図1及び2を用いて説明する。
まず、電子スロットル装置1の基本構成について説明する。
電子スロットル装置1は、例えば自動車等の車両に搭載されて、運転者のアクセル操作量に基づいて、内燃機関の各気筒の燃焼室内へ供給する吸入空気量を変更するものである。
電子スロットル装置1は、内部に吸気が流れる断面円形状のボア2を形成するスロットルボディ3、ボア2に配置されてボア2を流れる吸気量を調整するバタフライ方式のバルブ4、このバルブ4を回転させる駆動力を発生するモータ(図示せず)、このモータの回転出力をバルブ4に伝達する歯車減速装置(図示せず)等を備える。
スロットルボディ3は、吸気通路の一部となるボア2を形成するボア形成部7と、モータ及び歯車減速装置等を収容するギヤハウジング部8とを有する。
そして、ボア形成部7のボア2の軸方向(ボア軸方向)一端側には他部材(例えば、インテークマニホールド)が接続される。
ボア形成部7には径方向外側に延びるフランジ10が設けられており、フランジ10にはボア2の周方向に90度間隔となるように4つの貫通穴11が設けられている。
なお、貫通穴11は、スロットルボディ3とインテークマニホールド(図示せず)とを締結するためのボルトが挿入される穴である。例えば、貫通穴11に挿入されたボルトをインテークマニホールドに固定されたナットに螺合することで、スロットルボディ3とインテークマニホールドとが締結される。
ギヤハウジング部8は、ボア2の径方向外側に形成されており、ギヤハウジング部8は開口を有し、開口に装着されるカバー12との間に形成される空間に、モータ及び歯車減速装置等が収容される。
バルブ4は、バルブシャフト13に固定されたバタフライ弁であり、円板状に形成されている。
バルブシャフト13は、ボア2の径方向をバルブシャフト13の軸方向として、スロットルボディ3に回動自在に支持されている。
〔電子スロットル装置の製造方法〕
電子スロットル装置は、スロットルボディ3に対してバルブ4、バルブシャフト13、モータ、歯車減速装置、カバー12等を組付けることにより製造される。
その際、スロットルボディ3は搬送用の治具(パレット15)に保持されて、生産ライン内で運搬され、部品が順次組みつけられ、製造される。
〔パレットに対するスロットルボディの固定構造〕
スロットルボディ3の表面(ボディ表面3aと呼ぶ)には、ボア軸方向において一端側に開口する3つの凹部18が形成されている。
すなわち、例えばフランジ10のボア軸方向一端面(フランジ面10aと呼ぶ)に凹部18a、フランジ10以外のスロットルボディ3のボア軸方向における一端面に凹部18bと凹部18cとが形成されている。
凹部18b及び凹部18cは、例えば、ギヤハウジング部8に肉厚部20を設けて、肉厚部20に形成されている。
凹部18は、ボア軸方向と平行な方向に陥没する有底の円孔状を呈している。
パレット15は、板状を呈しており、表面(パレット表面15aと呼ぶ)には、凹部18に対応して3つの凸部22が設けられている。
そして、凹部18に凸部22が嵌ることによって、パレット15に対してスロットルボディ3が保持される。すなわち、スロットルボディ3がパレット15に対して、ボア軸方向及びボア軸方向に垂直な方向に静止した状態で固定される。
凹部18の内部には、凸部22が当接する段部23が設けられている。なお、参考例では、段部23は凹部18の底部である。
そして、凹部18に凸部22が嵌り、凸部22が段部23に当接した状態において、凹部18の開口縁を含むボディ表面3aがパレット表面15aからボア軸方向に離間している。
すなわち、凹部18の深さよりも、凸部22の長さが長い。
なお、3つの凹部18の配置は、凸部22によってスロットルボディ3をバランスよく保持できる配置となっている。
参考例の作用効果〕
以上のように、参考例によれば、凹部18に凸部22が嵌り、凸部22が段部23に当接した状態において、凹部18の開口縁を含むボディ表面3aがパレット表面15aからボア軸方向に離間している。
これによれば、スロットルボディ3の位置決めのために、凹部18と凸部22のみ精度よく加工すればよく、ボディ表面3a(フランジ面10a含む)及びパレット表面15aを高精度に平面にする加工が不要となる。
参考例では、ボア軸方向の位置決めが、凹部18と凸部22との嵌合、すなわち、段部23と凸部22との当接により実施されている。
従来は、フランジ面10aとパレット表面15aとの当接によってボア軸方向の位置決めがされていたので(図8参照)、フランジ面10aとパレット表面15aを高精度に平面にする必要があったが、参考例ではその加工が不要となる。
参考例によれば、凹部18と凸部22の長さによってスロットルボディ3へのバルブシャフト13の組付け位置を調整することができる。従って、フランジ面10aが平面でない場合でも、バルブシャフト13を精度よく組付けることができる。
なお、凹部18と凸部22の加工は高精度に行う必要があるが、フランジ面10aとパレット表面15aを高精度に平面にする加工と比較すると容易である。
また、ボディ表面3aとパレット表面15aとが離間しているので、スロットルボディの形状やスロットルボディへの組み付け部品の形状の自由度を向上させることができる。
例えば、図2の二点鎖線で示すように、フランジ面10aよりもボア軸方向一端側へ突出して、温水パイプ25等を設けることがパレット15を変更することなく可能となる。
凹部18と凸部22との嵌合箇所以外の場所では、フランジ面10aよりもボア軸方向一端側へ突出する形状を自由に採用することができる。
また、参考例では凹部18が3箇所であった。
3箇所以上にするならば、より安定してパレット15に対してスロットルボディ3を固定することができる。
〔実施例〕
実施例のスロットルボディの固定構造を参考例とは異なる点を中心に図3及び図4を用いて説明する。なお、参考例と同じ符号は、同一の機能物を示すものであって、先行する説明を参照する。
本実施例では、凹部18は貫通穴11の一方の開口端に形成されたザグリ30である。
貫通穴11はボア軸方向に貫通するように設けられている。そして、4つの貫通穴11の内の3つの貫通穴11a〜cには、ボア軸方向一端側の開口端にザグリ加工が施されている。
すなわち、3つの貫通穴11a〜cは、それぞれ、ザグリ加工により形成されるザグリ30と、ザグリ30の軸方向他端側に接続するザグリ30の径よりも小径な中径部31とにより構成される。
そして、ザグリ30に凸部22が挿入されて、中径部31とザグリ30との間に形成される段部23に凸部22が当接することにより、パレット15から浮いた状態でスロットルボディ3が固定される。
本実施例によっても、参考例と同様の作用効果を奏することができる。
加えて、本実施例によれば、貫通穴11の一部を凹部18として用いているため、別に凹部18を設けるためのスペースを確保しなくてもよい。参考例のように、肉厚部20を設ける必要もない。このため、スロットルボディ3を小型化及び軽量化することができる。
〔変形例〕
実施例では、フランジ10に4つの貫通穴11が設けられていたが、3つの貫通穴11が設けられている3点締結タイプに対しても本発明を適用することができる。
すなわち、実施例のように、3点締結タイプに対して、各貫通穴11にザグリ30を設けて凹部18として機能させてもよい(図6参照)。
なお、図5は、参考例の3点締結タイプに対して、フランジ面10aに凹部18a、フランジ10以外のスロットルボディ3のボア軸方向における一端面に凹部18bと凹部18cとを形成したものである。
また、実施例では、凹部18が3つであったが、凹部18は3つ以上であってもよい。
また、実施例では、ボディ表面3aがパレット表面15aからボア軸方向に離間していたが、ボア軸方向と異なる方向であってもよい。
1 電子スロットル装置
3 スロットルボディ
3a ボディ表面
15 パレット
15a パレット表面
18 凹部
22 凸部

Claims (2)

  1. スロットルボディ(3)に加工及び組付けを行う生産ラインにおけるパレット(15)に対するスロットルボディ(3)の固定構造において、
    前記スロットルボディ(3)の表面(3a、10a)に形成された複数の凹部(18)と、
    前記パレット(15)の表面(15a)に形成されて、前記凹部(18)に嵌合可能な凸部(22)とを備え、
    前記凹部(18)に前記凸部(22)が嵌まることによって、前記パレット(15)に前記スロットルボディ(3)が固定され、
    前記凹部(18)に前記凸部(22)が嵌った状態で、前記凹部(18)の開口縁を含む前記スロットルボディ(3)の表面(3a、10a)と前記パレット(15)の表面(15a)とが離間しており、
    前記スロットルボディ(3)は、吸気通路の一部をなすボア(2)を有し、
    前記凹部(18)は、前記ボア(2)の軸方向に平行な方向に陥没するように形成されており、
    前記凹部(18)に前記凸部(22)が嵌った状態で、前記スロットルボディ(3)が前記ボア(2)の軸方向において、前記パレット(15)の表面から離間しており、
    また、前記スロットルボディ(3)は、前記ボア(2)に対して径方向外側へ延びるフランジ(10)を有し、
    前記フランジ(10)は、他部材に接続するためのボルトが挿入される貫通穴(11)を有し、
    前記貫通穴(11)の一方の開口端にザグリ(30)を形成し、前記ザグリ(30)に前記凸部(22)が嵌まることによって、前記パレット(15)に前記スロットルボディ(3)が固定されることを特徴とするスロットルボディの固定構造。
  2. 請求項1に記載のスロットルボディの固定構造において、
    前記凹部(18)は3つ以上であることを特徴とするスロットルボディの固定構造
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