JP6163327B2 - クラッチ機構、クラッチ付減速機、および減速機付モータ - Google Patents

クラッチ機構、クラッチ付減速機、および減速機付モータ Download PDF

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Description

この発明は、車両等に搭載されるクラッチ機構、クラッチ付減速機、および減速機付モータに関するものである。
車両に搭載される減速機付モータとしては、例えば、自動車のパワーウインド装置に用いられるものがある。この種の減速機付モータは、ウォーム減速機と電動モータとが連結されている。ウォーム減速機は、電動モータの回転軸に連結されるウォームと、このウォームに噛合されるウォームホイールとを備えている。そして、このウォームホイールをパワーウインド装置の出力軸に連結することにより、ウインドガラスの開閉動作を行うことができるようになっている。
ところで、電動モータの回転軸にウインドガラスの自重や車両走行時の振動等の外力による回転力が作用し、ウインドガラスが開いてしまう場合がある。そこで、外力による回転力によって電動モータの回転軸が回転してしまうことを防止するために、ウォーム減速機にクラッチを内装する技術が提案されている。
このようなクラッチとしては、特許文献1に示すように、例えば、電動モータの回転が入力される駆動回転体と、駆動回転体と係合し、電動モータの回転を出力する従動回転体と、これら駆動回転体と従動回転体とを収容するケーシングと、ケーシングと従動回転体との間に配置されたロックプレートとを備えた構成のクラッチ機構を本発明者らが既に提案している。
このクラッチ機構は、図15(a)に示すように、従動回転体101とロックプレート102を、駆動回転体103を挟んでその両側に配置し、従動回転体101に設けた第一凸部104と、ロックプレート102に設けた第二凸部105とを、駆動回転体103の軸方向に貫通する係合孔106に挿入している。そして、駆動回転体103よりも先に従動回転体101が回転したときには、第一凸部104が第二凸部105に対して周方向に移動することによって、第一凸部104と第二凸部105とが互いに干渉し、第二凸部105がケーシング側(図15において下方)に押圧され、ロックプレート102とケーシングとの間で摩擦力を生じ、従動回転体101の回転を阻止するようになっている。
特開2010−48573号公報
ところで、上記したような特許文献1に記載のクラッチ機構においては、駆動回転体103に軸方向のガタが生じないよう、不図示のケーシング、ロックプレート102、駆動回転体103、従動回転体101を積層して、これらを貫通するシャフトとナットとで挟み込む構成となっている。
このような構成においては、従動回転体101とロックプレート102とにより駆動回転体103を挟持するよりも先に、従動回転体101の第一凸部104と、ロックプレート102の第二凸部105とが突き合わさると、従動回転体101とロックプレート102との間で駆動回転体103に軸方向のガタが生じてしまう。このため、従動回転体101とロックプレート102とにより駆動回転体103を挟持した状態で、第一凸部104と第二凸部105との間に、若干の軸方向のクリアランスC1を設定する必要がある。
ここで、従動回転体101、ロックプレート102、駆動回転体103等には、製造誤差による寸法のばらつきが生じ得る。このため、駆動回転体103の軸方向のガタを確実に抑えるためには、クリアランスC1の大きさを、各部品の製造誤差を考慮して設定する必要がある。この結果、クリアランスC1を所望の値よりも大きく設定しなければならない。
しかし、図15(b)に示すように、上記のクリアランスC1が大きくなればなるほど、第一凸部104と第二凸部105との間の周方向のクリアランスC2が大きくなる。すると、従動回転体1側が周方向に回転してウインドガラスが下がり得るガタが大きくなってしまうという問題がある。
また、図15(c)に示すように、ロックプレート102とケーシングとの間で摩擦力を高めてウインドガラスのロック性を高めるには、第二凸部105の傾斜面105aの傾斜角度(軸方向に直交する径方向からの傾斜角度)θをなるべく小さくするのが好ましい。しかし、傾斜角度θを小さくすればするほど、上記の軸方向のクリアランスC1にともなう周方向のクリアランスC2が大きくなる。これによっても、従動回転体101側が周方向に回転してウインドガラスが下がり得るガタが大きくなってしまうという問題がある。
これらの問題を解決するには、各構成部品の寸法精度を高めれば良いが、これにはコストがかかる。
そこでなされた本発明の目的は、低コストで、構成部品間のガタを減らしてロック性を高めることのできるクラッチ機構、クラッチ付減速機、および減速機付モータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は、電動モータの回転が入力され、軸方向に貫通する複数の係合孔が周方向に沿って形成された駆動回転体と、前記駆動回転体の軸方向一端面側に配置され、前記係合孔に挿入される第一凸部を有して前記駆動回転体と係合し、前記電動モータの回転を出力する従動回転体と、前記駆動回転体の軸方向他端面側に配置され、前記係合孔に挿入される第二凸部を有したロックプレートと、前記駆動回転体の軸方向への移動を規制する移動規制部材と、前記駆動回転体、前記従動回転体、前記ロックプレートを収容するケーシングと、を備え、前記第一凸部の第一先端面と前記第二凸部の第二先端面とが、前記駆動回転体の軸方向において互いに突き合わされるとともに、前記第一先端面および前記第二先端面のうち何れか一方は、周方向中央から周方向両端にかけて高さが減少する第一傾斜面を有し、前記第一先端面、および前記第二先端面のうち何れか他方は、周方向中央から両端にかけて高さが増加する第二傾斜面を有して、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面とが、前記駆動回転体の周方向において互いに間隔を隔てており、前記第一先端面および前記第二先端面の何れか一方に、前記第一先端面および前記第二先端面の何れか他方と前記軸方向において部分的に突き当たる突き当たり部が形成されていることを特徴とする。
このクラッチ機構においては、電動モータの回転によって駆動回転体が回転するとき、第一凸部および第二凸部が係合孔に挿入されているので、該駆動回転体によって従動回転体とロックプレートとが同時に回転される。また、駆動回転体よりも先に従動回転体が回転するとき、該従動回転体によって第一凸部が周方向に移動して第二凸部に突き当たって第一傾斜面と第二傾斜面とが干渉することによって、第二凸部を介してロックプレートがケーシング側に向かって従動回転体の軸方向に沿って押圧され、これによって生じるロックプレートとケーシングとの間の摩擦力が従動回転体の回転を阻止する。
このように、移動規制部材により駆動回転体の軸方向への移動を規制することで、第一凸部の第一先端面と第二凸部の第二先端面とを、駆動回転体の軸方向において互いに突き合わせた構成を実現できる。これにより、駆動体の周方向における第一傾斜面と第二傾斜面との間隔を小さくすることができ、従動回転体の回転方向のガタを小さく抑えることができる。このとき、部品精度を特に高める必要がなく、コスト上昇も抑えることができる。
また、第一先端面と第二先端面とが軸方向において部分的に突き当たるため、第一先端面と第二先端面とのフリクションロスを小さく抑えることができる。フリクションロスを小さく抑えることにより、第一凸部の第一先端面と第二凸部の第二先端面とを突き合わせた状態としても、クラッチ機構を確実に正常動作させることができる。
また、フリクションロスを抑えるという目的からして、突き当たり部は、なるべく小さく、しかも内周側に設けるのが好ましい。
また、本発明は、前記ロックプレートと前記ケーシングとの間に、前記ケーシングより摩擦係数の大きい材料からなる摩擦部材が設けられ、前記ロックプレートは、前記第二凸部よりも外周側に延びるプレート部を有し、前記ロックプレートが前記ケーシング側に向かって前記従動回転体の軸方向に沿って押圧されたときに、前記プレート部の外周部が前記摩擦部材との間で摩擦力を生じることによって、前記従動回転体の回転が阻止されるようにしてもよい。
このように、ロックプレートのプレート部の大径化を図り、プレート部と摩擦部材との間の摩擦力を増大させて、従動回転体の回転阻止力を大きくすることができる。このため、従動回転体の回転方向のガタを小さく抑えるべく、第一凸部の第一傾斜面の傾斜角度、及び第二凸部の第二傾斜面の傾斜角度をできる限り大きくすることができる。すなわち、各傾斜面の傾斜角度を大きくした結果、従動回転体によるロックプレートの押圧力が小さくなってしまっても、この分、ロックプレートのプレート部を大径化することにより、従動回転体の回転阻止力を十分維持することが可能になる。
本発明は、前記ケーシング、前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を貫通し、前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を回転自在に支持するシャフトと、前記シャフトの先端部に螺入され、前記ケーシングとの間で前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を挟み込むナットと、前記ナットが緩む方向への前記ナットの回転を機械的に阻止する緩み止め機構と、を備えるようにしてもよい。
緩み止め機構としては、通常のダブルナットや緩み止め剤ではなく、より強固にナットの緩みを阻止できるよう、例えばキャッスルナットと割りピン等を用いる。
このように構成することで、ナットの緩みを確実に防止し、駆動回転体や従動回転体に軸方向にガタを生じるのを防ぐことができる。
本発明は、上記したようなクラッチ機構の駆動回転体をウォームホイールとし、前記ウォームホイールに噛合い、かつ前記電動モータに連結されるウォーム軸を設けたことを特徴とするクラッチ付減速機とすることもできる。
このように構成することで、駆動体の周方向における第一傾斜面と第二傾斜面との間隔を小さくして従動回転体の回転方向のガタを小さく抑えたクラッチ機構を備えたクラッチ付減速機を構成することができる。
本発明は、上記したようなクラッチ付減速機に前記電動モータを取り付け、前記電動モータの回転軸と前記ウォーム軸とを相対回転不能に連結したことを特徴とする減速機付モータとすることもできる。
このように構成することで、駆動体の周方向における第一傾斜面と第二傾斜面との間隔を小さくして従動回転体の回転方向のガタを小さく抑えたクラッチ機構を備えた減速機付モータを構成することができる。
本発明によれば、従動回転体とロックプレートとの間の周方向のガタを小さく抑えることができ、これによって、低コストでクラッチ機構のロック性を高めることが可能となる。
本発明の実施形態における減速機付モータの外観を示す平面図である。 本発明の実施形態におけるウォーム減速機の分解斜視図である。 (a)は本発明の実施形態におけるウォームホイールの斜視図、(b)は本発明の実施形態におけるドライブプレートの斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるウォームホイールの移動規制部材を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施形態におけるロックプレートの斜視図、(b)はロックプレートの要部拡大図である。 本発明の実施形態においてウォームホイール内で互いに突き当たるドライブプレートとロックプレートとを示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態における緩み止め機構の斜視図、(b)は緩み止め機構の分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるクラッチ機構の作用説明図であって、(a)は電動モータ停止時を示し、(b)は電動モータ駆動時を示し、(c)はドライブプレート回転時を示す。 (a)は同じ軸方向の力を発揮させたときの、ロックプレートの外周部の半径と、傾斜面の傾斜角度との相関を示す図であり、(b)は傾斜面の傾斜角度と出力軸に生じるガタとの関係を示す図である。 本発明の実施形態におけるドライブプレートの他の例を示す図である。 本発明の実施形態における緩み止め機構の他の例を示す斜視図である。 本発明の実施形態における緩み止め機構のさらに他の例を示す斜視図である。 本発明の実施形態における緩み止め機構のさらに他の例を示す斜視図である。 従来のクラッチ機構における課題について説明するための図である。
(減速機付モータ)
次に、この発明の実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、減速機付モータ1の外観を示す平面図である。
同図に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両のパワーウインド装置等に用いられるものであって、電動モータ2と電動モータ2に連結されたウォーム減速機(クラッチ付減速機)3とを備え、ウォーム減速機3にクラッチ機構4が内装されている。
(電動モータ)
電動モータ2としては、例えば、ブラシ付直流モータなどが用いられ、複数(例えば、6つ)の永久磁石が配設されている有底筒状のヨーク5と、ヨーク5の内側に回転自在に設けられたアーマチュア6とを備えている。アーマチュア6は、回転軸7と、回転軸7に外嵌固定されているアーマチュアコア(不図示)と、回転軸7の一端側に設けられるコンミテータ(不図示)とを有している。アーマチュアコアには、巻線を巻装するための複数(例えば、9つ)のスロット(不図示)が形成されている。回転軸7の一端には、ウォーム減速機3が連結されている。
(ウォーム減速機)
図2は、ウォーム減速機3の分解斜視図である。
図1、図2に示すように、ウォーム減速機3は、アーマチュア6の一端側を受け入れるホルダ部8と、ウォームギア9、およびクラッチ機構4を収納するギア収納部10とが一体成形されたケーシング11を有している。
ホルダ部8は電動モータ2側に開口部8aを有する箱状に形成されたものであって、アーマチュア6に設けられている不図示のコンミテータや、このコンミテータに摺接するブラシを収納するようになっている。
電動モータ2は、ホルダ部8の開口部8aをヨーク5で閉塞するように設けられている。ホルダ部8の周壁8bにはボルト座20が3箇所突設されており、ここに図示しない雌ネジ部が刻設されている。一方、電動モータ2のヨーク5には、開口縁にホルダ部8のボルト座20に対応するように外フランジ部22が形成されている。この外フランジ部22に不図示のボルトを挿通し、このボルトをボルト座20の雌ネジ部(不図示)に螺入することによって、ホルダ部8にヨーク5が締結固定される。
また、ホルダ部8の周壁8bには、不図示の外部電源と接続可能なコネクタ13が設けられている。コネクタ13の端子(不図示)は、ホルダ部8に収納されている不図示のブラシと電気的に接続されており、これによって外部電源の電力を電動モータ2のアーマチュア6に供給できるようになっている。
ケーシング11のギア収納部10は、ウォームギア9の一方を構成するウォーム軸15を収納するウォーム軸収納部17と、ウォームギア9の他方を構成するウォームホイール(駆動回転体)16を収納すると共に、クラッチ機構4を収納するクラッチ収納部18とが一体成形されたものである。ウォーム軸収納部17は略円筒状に形成されており、外周面のクラッチ収納部18とは反対側に、ボルト座23が外側に向かって突設されている。
ここで、電動モータ2の回転軸7は、ホルダ部8を貫通してウォーム軸収納部17内に突出している。そして、回転軸7は、ウォーム軸収納部17に収納されているウォーム軸15と相対回転不能に連結されており、回転軸7とウォーム軸15とが一体となって回転するようになっている。
クラッチ収納部18は有底筒状に形成されており、外周面に径方向外側に向かって突出する2つのボルト座24,24が設けられている。これらウォーム軸収納部17のボルト座23とクラッチ収納部18のボルト座24には、それぞれ貫通孔25が形成されている。各貫通孔25には、それぞれ不図示のインサートナットが設けられている。インサートナットは、減速機付モータ1を外部機器に取り付けるために用いられる。
ウォームホイール16、およびクラッチ機構4は、クラッチ収納部18に突設されているセンターシャフト(シャフト)28によって回転自在に支持されている。クラッチ収納部18のエンド部(底部)18aには、径方向略中央に貫通孔29が形成されており、ここにセンターシャフト28がOリング58を介して挿入されている。センターシャフト28の基端側には、外周側に張り出した外フランジ部30が形成されている。
この外フランジ部30がクラッチ収納部18のエンド部18aに当接することによって、センターシャフト28の軸方向の位置決めが行われる。センターシャフト28の先端側には、雄ネジ部32が刻設されている。雄ネジ部32には、ウォームホイール16、およびクラッチ機構4のセンターシャフト28からの抜けを規制するためのナット33が螺入される。また、センターシャフト28の先端側には、径方向に貫通する貫通孔28aが形成されている。この貫通孔28a及びナット33についての詳細は、後述する。
図3(a)は、ウォームホイール16の斜視図である。
図2、図3(a)に示すように、ウォームホイール16は、略円板状に形成されたものであって、外周面にウォーム軸15に噛合う歯部34が形成されている。
ウォームホイール16の径方向中央には、センターシャフト28を挿通するための挿通孔35が形成されている。この挿通孔35の周囲には、軸方向平面視で略扇状に形成された3つの係合孔36が周方向に等間隔で形成されている。
係合孔36は段付状に形成されたものであって、ウォームホイール16の軸方向上端側(図2における上端側)に形成された第一孔36aと、ウォームホイール16の軸方向下端側、つまり、ウォームホイール16のクラッチ収納部18のエンド部18a側に形成された第二孔36bとが連通している。第二孔36bは、第一孔36aよりも周方向に幅広に形成されている。
また、ウォームホイール16のクラッチ収納部18のエンド部18a側には、中央の大部分に軸方向平面視で略円形状の収納凹部39が形成されている。この収納凹部39には、後述するロックプレート38が収納される。
図4は、図1のA−A線に沿う断面図、図5は、ウォーム減速機3の斜視図であって、クラッチ機構4を取り外した状態を示す。
図4、図5に示すように、このウォームホイール16は、ウォームホイール16に対してセンターシャフト28の先端側でセンターシャフト28に装着されたCリング(移動規制部材)71により位置決めされ、ウォームホイール16の軸方向に沿ってセンターシャフト28の先端側への移動が拘束されている。Cリング71は、センターシャフト28の外周面に周方向に連続して形成されたCリング溝28bに嵌め込まれ、センターシャフト28および挿通孔35よりも外周側に張り出している。
ここで、ウォームホイール16は、ウォームギア9の他方を構成していると共に、クラッチ機構4の一部を構成している。
図4に示すように、クラッチ機構4は、フェーシング材(摩擦部材)37、ロックプレート38、スラストプレート40a、ウェイブワッシャ40b、スラストプレート40a、ウォームホイール16、およびドライブプレート(従動回転体)41を備えている。そして、この順でクラッチ収納部18に収納され、ロックプレート38、ウォームホイール16、およびドライブプレート41がセンターシャフト28に回転自在に支持されている。
フェーシング材37は、リング状の周壁部37aと、周壁部37aにおけるクラッチ収納部18のエンド部18a側(以下、単に基端側といい、この基端側とは反対側端(ウォームホイール16側端)を先端側という)の外周縁に突出形成された4つの回り止め突起37bとが一体成形されたものである。4つの回り止め突起37bは、周方向に等間隔に配置されている。また、周壁部37aの内周面には、基端側から先端側に向かうに従って徐々に拡径するように形成された斜面(テーパ面)37cが形成されている。
このフェーシング材37は、ロックプレート38に摩擦力を付勢するための摩擦板としての役割を有する。フェーシング材37は鉄系若しくは銅系の金属、または硬質ゴムなどで形成することが望ましい。樹脂などを用いると摩耗粉が多量に発生し、クラッチ機構4が正常に動作しなくなるおそれがある。
クラッチ収納部18のエンド部18aには、フェーシング材37の回り止め突起37bに対応する部位に、この回り止め突起37bを受け入れる回り止め凹部42が形成されている。この回り止め凹部42に回り止め突起37bが嵌り込むことにより、フェーシング材37のずれが防止される。回り止め凹部42の深さは、フェーシング材37の周壁部37aがクラッチ収納部18のエンド部18aから突出可能な深さに設定されている。
また、クラッチ収納部18のエンド部18aには、回り止め凹部42を含む径方向中央の大部分に、ロックプレート38を受け入れる凹部49が形成されている。すなわち、回り止め凹部42は、凹部49上に形成されていることになる。凹部49には、ロックプレート38が載置されている。
図6は、ロックプレート38を示し、(a)は斜視図、(b)は要部拡大図である。
図2、図6に示すように、ロックプレート38は、略円板状に形成されたプレート本体43を有している。プレート本体43の外径は、ウォームホイール16の収納凹部39の直径よりもやや小さく設定されている。これにより、ロックプレート38は、ウォームホイール16の収納凹部39に埋没した状態になっている。
また、このロックプレート38のプレート本体43の外径は、後述する凸部(第二凸部)46よりも外周側に張り出すよう設定されている。そして、プレート本体43の外周面には、フェーシング材37の傾斜面37cに対応するように、クラッチ収納部18のエンド部18a側に向かうに従って先細りに形成された斜面(テーパ面)43aが設けられている。すなわち、フェーシング材37の傾斜面37c、およびロックプレート38の傾斜面37cは、ロックプレート38とケーシング11との摺動部分として設定されている。
プレート本体43の径方向略中央には、ウォームホイール16側の面に、スラストプレート40a、およびウェイブワッシャ40bを受け入れる平面視略円形状の凹部45が形成されている。さらに、凹部45の径方向中央には、センターシャフト28を挿通するための挿通孔44が形成されている。
また、プレート本体43のウォームホイール16側の面には、ウォームホイール16の係合孔36に対応する部位に、軸方向平面視略扇状の凸部46が3箇所設けられている。
図7は、ウォームホイール16内で互いに突き当たるドライブプレート41とロックプレート38とを示す断面図である。
同図に示すように、この凸部46は係合孔36の第二孔36bに挿入された状態になっている。すなわち、ウォームホイール16が回転すると係合孔36の第二孔36bと凸部46とが係合し、ロックプレート38とウォームホイール16とが共回りするようになっている。
図6に示すように、各凸部46の端面には、後述するドライブプレート41の楔部(第一先端面)52aを受入れ可能な凹部(第二先端面)47が形成されている。この凹部47は、周方向中央から周方向両端にかけて軸方向の高さが増加するように楔状に形成され、傾斜面47aを有している。これは、凹部47が形成されている凸部46の軸方向の高さが周方向中央に向かうに従って徐々に低くなっているといえる。
凹部47の傾斜面47aは、傾斜角度θが大きいほど、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aとドライブプレート41の楔部(第一凸部)52aの傾斜面52a’との間の周方向のクリアランスが小さくなる。また、傾斜角度θが小さいほど、ロックプレート38をフェーシング材37に押圧して摩擦力を発揮させるのに必要な軸方向の力が大きくなる。したがって、凹部47の傾斜面47aの傾斜角度θは、例えば20°〜30°とするのが好ましい。
図6に示すように、ウォームホイール16のロックプレート38とは反対側の面における凹部47の周方向中央には、径方向に延びる溝48が形成されている。この溝48において、ロックプレート38の内周側には、溝48の両側の凹部47とほぼ同じ高さの突起(突き当たり部)72が形成されている。この突起72は、凹部47に後述するドライブプレート41の楔部52aを受け入れたときに、楔部52aの下端が突き当たるように形成されている。
図3(b)は、ドライブプレート41の斜視図である。
図2、図3(b)、図4、図7に示すように、ウォームホイール16のロックプレート38とは反対側の面には、ドライブプレート41が設けられている。ドライブプレート41は、略円板状に形成されたプレート本体50を有している。プレート本体50の径方向略中央には、センターシャフト28を挿通するための挿通孔51が形成されている。
プレート本体50のウォームホイール16側の面には、ウォームホイール16の係合孔36に対応する部位に、軸方向平面視略扇状の凸部52が3箇所設けられている。凸部52は係合孔36の第一孔36aに挿入された状態になっており、凸部52の周方向の幅はロックプレート38の凸部46の周方向の幅よりもやや小さく設定されている。
ウォームホイール16の第一孔36aにドライブプレート41の凸部52が挿入されているので、ロックプレート38は、ウォームホイール16とクラッチ収納部18との間に配置された状態になると共に、ドライブプレート41とクラッチ収納部18との間に配置された状態になる。
ドライブプレート41の凸部52は、ウォームホイール16が回転すると係合孔36の第一孔36aと係合し、ドライブプレート41とウォームホイール16とが共回りするようになっている。各凸部52の端面には、周方向中央から両端にかけて軸方向の高さが減少するように形成された楔部52aが設けられている。楔部52aは、傾斜面52a’を有している。
プレート本体50の凸部52とは反対側の面には、ピニオンギア53が一体成形されている。ピニオンギア53は、例えば、パワーウインド装置等に設けられているギアに噛合される部分であって、中央にプレート本体50の挿通孔51が連通されている。
すなわち、クラッチ機構4のうち、ウォームホイール16は、電動モータ2の回転軸7の回転がウォーム軸15を介して入力される駆動回転体の役割を有している。一方、ドライブプレート41は、駆動回転体であるウォームホイール16の回転をパワーウインド装置に出力する従動回転体の役割を有している。
図2、図4に示すように、このようなクラッチ機構4のフェーシング材37、ロックプレート38、スラストプレート40a、ウェイブワッシャ40b、ウォームホイール16、およびドライブプレート41を貫通しているセンターシャフト28の先端は、ドライブプレート41のピニオンギア53から突出した状態になっている。このセンターシャフト28の先端には、スラストプレート54、およびOリング55が挿入される。
そして、センターシャフト28の雄ネジ部32にナット33が締結固定されることによって、フェーシング材37、ロックプレート38、スラストプレート40a、ウェイブワッシャ40b、ウォームホイール16、およびドライブプレート41のセンターシャフト28からの抜けが規制されると共に、それぞれセンターシャフト28に回転可能に軸支された状態になる。ここで、ナット33は、緩み止め機構を備えている。
図8は、緩み止め機構を示し、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。
図8(a)、図8(b)に示すように、ナット33には、センターシャフト28の雄ネジ部32に締結した状態でナット33を拘束するための緩み止め機構として、例えば周方向に間隔を隔てて複数本のスリット33aが形成されたキャッスルナットが用いられる。そして、このキャッスルナットのスリット33aと、センターシャフト28に形成された貫通孔28aに割りピン70を貫通させることにより、ナット33が緩んでしまうことを確実に防止できる。
また、図2に示したように、ケーシング11のクラッチ収納部18には、開口部を閉塞する略円環状のボトムカバー56が設けられている。ボトムカバー56は、クラッチ収納部18内への塵埃の浸入を防止するためのものである。
図2、図4に示すように、ボトムカバー56の中央からは、ドライブプレート41のみ突出した状態になっている。
したがって、フェーシング材37、ロックプレート38、スラストプレート40a、ウェイブワッシャ40b、およびウォームホイール16は、それぞれケーシング11のクラッチ収納部18内に完全に収納された状態になる。一方、ドライブプレート41は、プレート本体50の軸方向略中央から先端側が、ボトムカバー56から突出した状態になる。
ボトムカバー56の内周縁には、クラッチ収納部18の内部の密閉性を高めるためにゴム製のシール部材57が設けられている。ドライブプレート41のプレート本体50は、シール部材57と摺動する。
ここで、クラッチ機構4をケーシング11に組み付けた際、図7に示すように、ウォームホイール16の係合孔36内においては、ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52は、ドライブプレート41の凸部52の端面に設けられている楔部52aが、ロックプレート38の凸部46に設けられた突起72に突き当たった状態で互いに軸方向で対向配置されている。この状態で、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aとドライブプレート41の楔部52aの傾斜面52a’との間には、周方向に微小なクリアランスが形成されるようになっている。
このため、ロックプレート38、またはドライブプレート41の何れか一方のみが回転した場合、ロックプレート38の凹部47とドライブプレート41の楔部52aとが当接することになる。
なお、ドライブプレート41の楔部52aと、ロックプレート38の突起72とが突き当たっているが、突起72は凸部46に比較すれば十分に小さく、部分的に突き当たっているに過ぎない。しかもこの突起72は、ロックプレート38の内周側に形成されている。このため、ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52との間で生じる摩擦は小さくて済む。
ウォームホイール16に形成されている第一孔36aの周方向の幅は、ドライブプレート41の凸部52がロックプレート38に対して周方向に移動した際、楔部52aとロックプレート38の凹部47とが当接可能な幅に設定されている。すなわち、ドライブプレート41は、ウォームホイール16の第一孔36a内において、楔部52aと凹部47とが当接するまで回転移動することができる。
一方、ウォームホイール16に形成されている第二孔36bは、第一孔36aよりも段差により周方向に幅広に形成されている。このため、ウォームホイール16が回転した際、第一孔36a、および第二孔36bの壁面がそれぞれドライブプレート41の凸部52とロックプレートの凸部46とに同時に当接するようになっている。
(クラッチ機構の作用)
次に、図9(a)、図9(b)、図9(c)に基づいて、クラッチ機構4の作用について説明する。なお、以下の説明において、減速機付モータ1を車両に搭載されているパワーウインド装置に用いた場合について説明する。
まず、図9(a)に示すように、減速機付モータ1の電動モータ2を停止させた状態にあっては、ウォームホイール16の係合孔36内でロックプレート38の凸部46、およびドライブプレート41の凸部52がフリーな状態になっている。また、ロックプレート38は、ウェイブワッシャ40bによってややフェーシング材37側に向かって押圧された状態になっている(図2参照)。
図9(b)に示すように、電動モータ2を駆動させると、回転軸7、およびウォーム軸15を介してウォームホイール16が回転する(図9(b)の矢印参照)。すると、ウォームホイール16の係合孔36のうち、第一孔36aの壁面はドライブプレート41の凸部52に当接する。これと同時に係合孔36の第二孔36bの壁面はロックプレート38の凸部46に当接する。
そして、このままの状態で、ウォームホイール16、ロックプレート38、およびドライブプレート41が共回りする。ドライブプレート41が回転すると、ドライブプレート41のピニオンギア53に連結されているパワーウインド装置(不図示)に電動モータ2の回転が出力される。これによってパワーウインド装置が駆動し、車両のウインドガラスの開閉動作が行われる。
一方、ウインドガラスの自重や車両走行時の振動等の外力によりウインドガラスが開こうとすると、パワーウインド装置を介してドライブプレート41に回転力が作用する。
図9(c)に示すように、電動モータ2が停止状態であって、かつドライブプレート41に回転力が作用すると、ウォームホイール16、およびロックプレート38は停止したままの状態でドライブプレート41のみが回転し始める(図9(c)の矢印参照)。
すると、ロックプレート38が停止したままであるので、ドライブプレート41の凸部52に設けられている楔部52a’とロックプレート38の凸部46に設けられている凹部47とが当接する。
ドライブプレート41は、楔部52a’がロックプレート38の凹部47に当接した後、さらに回転しようとする。ここで、楔部52a’が周方向中央から両端にかけて軸方向の高さが減少するように形成されていると共に、凹部47がこれを受入れ可能なように周方向中央から周方向両端にかけて軸方向の高さが増加するように楔状に形成されていることから、ロックプレート38にフェーシング材37側に向かう力が作用する。すると、ロックプレート38の斜面43aがフェーシング材37の傾斜面37cを押圧することにより両者38,37の間の摩擦力がドライブプレート41の回転力よりも大きくなる。これによって、ロックプレート38の回転が阻止される。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、ウォームホイール16がCリング71により軸方向において拘束されているので、ロックプレート38とドライブプレート41とでウォームホイール16を挟み込んで軸方向に拘束する必要がなくなる。これにより、ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52とを直接突き当てた状態とすることができる。
そして、ウォームホイール16の係合孔36内において、ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52とが直接突き当たった状態で、互いに軸方向で対向配置されているので、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aとドライブプレート41の楔部52aの傾斜面52a’との間の周方向のクリアランスを、安定して小さくすることができる。これによって、ドライブプレート41の周方向の回転ガタを小さくすることができ、ウインドガラスのガタを抑えることができる。
しかも、ドライブプレート41の凸部52の端面に設けられている楔部52aが、ロックプレート38の凸部46に設けられた突起72に突き当たるようになっているので、
ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52との間で生じる摩擦抵抗を抑えることができる。加えて、突起72が突き当たることによって、例えばロックプレート38の凹部47やドライブプレート41の楔部52aに製造誤差があってもその影響を受けるのを避け、ドライブプレート41とロックプレート38の当たり具合を一定にすることができる。
また、ロックプレート38のプレート本体43の外径が、凸部46よりも外周側に張り出すよう設定され、そのプレート本体43の外周面に斜面43aが形成され、この斜面43aとフェーシング材37の傾斜面37cとの摩擦によりドライブプレート41の回転を阻止するようにした。このように、大径としたプレート本体43に設けた斜面43aにより、ドライブプレート41の回転を確実に阻止することができる。
ここで、ロックプレート38を大径化させると、上記のようにドライブプレート41の回転阻止力が向上することにより、ロックプレート38をフェーシング材37に押圧して摩擦力を発揮させるのに必要な軸方向の力が小さくて済むので、その分、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aの傾斜角度θを大きくすることが可能となる。以下、より具体的に説明する。
図10(a)は、同じ軸方向の力を発揮させたときの、ロックプレート38の外周部の半径と、傾斜面47aの傾斜角度θとの相関を示す図である。
この図10(a)に示すように、同じ軸方向の力を発揮させるのであれば、ロックプレート38を大径化するほど、傾斜面47aの傾斜角度θを大きくすることができる。
そして、凹部47の傾斜面47aの傾斜角度θを大きくすると、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aとドライブプレート41の楔部52aの傾斜面52a’との間の周方向のクリアランスを小さくすることができる。
図10(b)は、傾斜面47aの傾斜角度θと、ロックプレート38の凹部47の傾斜面47aとドライブプレート41の楔部52aの傾斜面52a’との間の周方向のクリアランスと、の相関を示す図である。
このようにして、凹部47の傾斜面47aの傾斜角度θを大きくすることで、ドライブプレート41の周方向の回転ガタ(出力軸ガタ)を小さくすることができ、ウインドガラスのガタを抑えることができる。
さらに、ナット33には、キャッスルナットを用い、割りピン70を貫通させることによって、ナット33の緩みを確実に防止することができる。これによって、ナット33の緩みによって、ドライブプレート41、ウォームホイール16等に軸方向のガタが生じるのを防ぐことができる。これによっても、ドライブプレート41の周方向の回転ガタを小さくすることができ、ウインドガラスのガタを抑えることができる。
(本実施形態の変形例)
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ロックプレート38に突起72を設けるようにした。しかしながら、これに限られるものではなく、図11に示すように、ドライブプレート41の凸部52の端面に設けられている楔部52aの先端部に、突起(突き当たり部)75を設けるようにしてもよい。
この突起75は、ロックプレート38の凹部47の周方向中央に係背された溝48に突き当たることで、ロックプレート38の凸部46とドライブプレート41の凸部52とを直接突き当てて、互いに軸方向で対向配置されるようにする。
また、上述の実施形態では、ウォームホイール16をセンターシャフト28に装着されたCリング71により位置決めするようにしたが、ウォームホイール16のセンターシャフト28の軸方向への移動を規制できるのであれば、例えばナット等、適宜他の構成を採用することができる。
さらに、上述の実施形態では、ロックプレート38のプレート本体43の外周面に形成された斜面43aと、フェーシング材37の傾斜面37cとの摩擦によりドライブプレート41の回転を阻止するようにしたが、これに限るものではない。例えば、フェーシング材37を円盤状とし、ロックプレート38のプレート本体43とフェーシング材37とを面接触させるようにしてもよい。このような構成においても、本実施形態では、プレート本体43の外径が、凸部46よりも外周側に張り出すよう設定されているので、ドライブプレート41の回転阻止力を増大させることができる。
また、上述の実施形態では、緩み止め機構として、ナット33にキャッスルナットを用いるようにした場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば図12に示すように、緩み止め機構として、ナット33に、クサビ機能を有したハードロックナット(ハードロック工業株式会社製の商品名)を用いることもできる。
さらに、図13(a)、図13(b)に示すように、緩み止め機構として、センターシャフト28の雄ネジ部32を、基端側の太径部32aと先端側の細径部32bの二段階に形成し、太径部32aと細径部32bとで、ネジ溝の巻き方向を互いに異ならせるようにしてもよい。そして、太径部32aに、細径部32bの外径よりも大きな内径を有した第一ナット33Aをねじ込み、細径部32bに第二ナット33Bをねじ込む。すると、第一ナット33Aがゆるむ方向に回ろうとすると、第二ナット33Bは締まる方向に回ることになるので、これにより強固な緩み止め対策がなされる。
また、図14(a)、図14(b)に示すように、緩み止め機構として、センターシャフト28の先端にネジ孔28nを形成し、ナット33をセンターシャフト28の先端に、ナット33の内径よりも大きな外径の頭部を有したボルト78をねじ込むようにしてもよい。このとき、雄ネジ部32とネジ孔28nとで、ネジ溝の巻き方向を互いに異ならせるのが好ましい。このようにすると、ナット33がゆるむ方向に回ろうとすると、ボルト78は締まる方向に回ることになるので、これにより強固な緩み止め対策がなされる。
なお、ナット33に、通常のダブルナット(同じ向きのねじ溝に二つのナットをねじ込んだもの)や、ネジロック剤を塗布することも考えられるが、ナット33のより確実な緩み止めとすると、上記実施形態および変形例で示したような構成を採用するのが好ましい。
さらに、ロックプレート38の凹部47に代わって、ドライブプレート41の楔部52aの傾斜面52a’を弓状に形成してもよいし、楔部52aの傾斜面52a’、および凹部47の傾斜面47aの両者52a’,47a共に弓状に形成してもよい。
そして、上述の実施形態では、ドライブプレート41の凸部52に楔部52aを設ける一方、ロックプレート38の凸部46に楔状の凹部47を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ロックプレート38の凸部46に楔部52aを設ける一方、ドライブプレート41の凸部52に楔状の凹部47を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、ウォームホイール16に3つの係合孔36を形成する一方、ロックプレート38に3つの凸部46を設けると共に、ドライブプレート41に3つの凸部52を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、係合孔36、および凸部46,52をそれぞれ少なくとも1つ設けてあればよく、また3つ以上設けてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1 減速機付モータ
2 電動モータ
3 ウォーム減速機(クラッチ付減速機)
4 クラッチ機構
7 回転軸
9 ウォームギア
11 ケーシング
15 ウォーム軸
16 ウォームホイール(駆動回転体)
17 ウォーム軸収納部
18 クラッチ収納部
28 センターシャフト(シャフト)
33 ナット
33A 第一ナット
33B 第二ナット
33a スリット
36 係合孔
37 フェーシング材(摩擦部材)
37a ベース部
37b 周壁部
37c 傾斜面
38 ロックプレート
41 ドライブプレート(従動回転体)
43 プレート本体
43a 斜面
46 凸部(第二凸部)
47 凹部(第二先端面)
47a 傾斜面(第二傾斜面)
50 プレート本体
52 凸部(第一凸部)
52a 楔部(第一先端面)
52a’ 傾斜面(第一傾斜面)
70 ピン
71 Cリング(移動規制部材)
72 突起(突き当たり部)
75 突起(突き当たり部)
78 ボルト

Claims (5)

  1. 電動モータの回転が入力され、軸方向に貫通する複数の係合孔が周方向に沿って形成された駆動回転体と、
    前記駆動回転体の軸方向一端面側に配置され、前記係合孔に挿入される第一凸部を有して前記駆動回転体と係合し、前記電動モータの回転を出力する従動回転体と、
    前記駆動回転体の軸方向他端面側に配置され、前記係合孔に挿入される第二凸部を有したロックプレートと、
    前記駆動回転体の軸方向への移動を規制する移動規制部材と、
    前記駆動回転体、前記従動回転体、前記ロックプレートを収容するケーシングと、を備え、
    前記第一凸部の第一先端面と前記第二凸部の第二先端面とが、前記駆動回転体の軸方向において互いに突き合わされるとともに、
    前記第一先端面および前記第二先端面のうち何れか一方は、周方向中央から周方向両端にかけて高さが減少する第一傾斜面を有し、前記第一先端面、および前記第二先端面のうち何れか他方は、周方向中央から両端にかけて高さが増加する第二傾斜面を有して、前記第一傾斜面と前記第二傾斜面とが、前記駆動回転体の周方向において互いに間隔を隔てており、
    前記第一先端面および前記第二先端面の何れか一方に、前記第一先端面および前記第二先端面の何れか他方と前記軸方向において部分的に突き当たる突き当たり部が形成されていることを特徴とするクラッチ機構。
  2. 前記ロックプレートと前記ケーシングとの間に、前記ケーシングより摩擦係数の大きい材料からなる摩擦部材が設けられ、
    前記ロックプレートは、前記第二凸部よりも外周側に延びるプレート部を有し、
    前記ロックプレートが前記ケーシング側に向かって前記従動回転体の軸方向に沿って押圧されたときに、前記プレート部の外周部が前記摩擦部材との間で摩擦力を生じることによって、前記従動回転体の回転が阻止されることを特徴とする請求項1記載のクラッチ機構。
  3. 前記ケーシング、前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を貫通し、前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を回転自在に支持するシャフトと、
    前記シャフトの先端部に螺入され、前記ケーシングとの間で前記ロックプレート、前記駆動回転体、前記従動回転体を挟み込むナットと、
    前記ナットが緩む方向への前記ナットの回転を機械的に阻止する緩み止め機構と、
    を備えることを特徴とする請求項1または請求項に記載のクラッチ機構。
  4. 請求項1〜請求項の何れか一項に記載のクラッチ機構の駆動回転体をウォームホイールとし、
    前記ウォームホイールに噛合い、かつ前記電動モータに連結されるウォーム軸を設けたことを特徴とするクラッチ付減速機。
  5. 請求項に記載のクラッチ付減速機に前記電動モータを取り付け、
    前記電動モータの回転軸と前記ウォーム軸とを相対回転不能に連結したことを特徴とする減速機付モータ。
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