JP6162029B2 - 比重測定装置 - Google Patents
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Description
また、比重測定装置において、管内の電解液に浮いた浮き子の下端の位置を、センサで検出し、この検出の有無により、電解液の比重の良否を判別するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、蓄電池の電解液の比重測定装置において、簡単な構造で電解液の比重を正確に測定できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、透過型センサ及び光学式の反射型センサによって検出された液面と浮き子の高さ位置との差から電解液の比重を換算でき、簡単な構造で電解液の比重を測定できる。
本発明によれば、反射型センサ及び透過型センサの支持構造、駆動構造及び検出構造を簡単な構成で実現できる。
本発明によれば、目盛りを比重の換算の較正に用いることができるとともに、目盛りが邪魔にならない下端を透過型センサで検出して比重を正確に算出できる。
本発明によれば、比重の検出に使用した電解液を蓄電池に確実に戻すことができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る比重測定装置に鉛蓄電池をセットした状態を示す概略図である。
比重測定装置10は、鉛蓄電池5の電解液の比重を検出する比重検出部12と、鉛蓄電池5から電解液を比重検出部12に取り込むポンプ部13と、比重検出部12及びポンプ部13を制御する制御部14とを備える。
鉛蓄電池5は、上記極板群を電槽5aに収納した後、電槽5aに希硫酸を注液して充放電を繰り返すことで電槽化成され、充電状態となる。電槽化成工程では、極板の硫酸成分が電解液中に溶け出して電解液の比重が増加するため、電槽化成前の電解液は、電槽化成工程の完了後に所定の比重が得られるように比重が低く調整されている。
図1及び図2に示すように、比重検出部12は、鉛蓄電池5から吸引された電解液が貯留される管15と、管15内で電解液に浮いて上下に移動自在に配置される浮き子16と、浮き子16及び電解液の液面の位置を検出する位置検出機構17とを備える。また、比重検出部12は、管15の下端から引き出されて鉛蓄電池5内の電解液中に挿入される吸引管18と、管15の上端から引き出されてポンプ部13に接続されるポンプ接続管19と、電解液の温度を計測する温度センサ20bとを備える。なお、温度センサ20bは、後述する接続部20aに取り付けてある。
管15は、アクリル等の樹脂やガラス等の耐酸性を有し且つ透明な材料により構成された断面円形の管であり、上下方向に真っ直ぐに延びて配置される。管15の下端は、下蓋20によって塞がれており、吸引管18の一端は、下蓋20に設けられた接続部20aに接続されて管15の内部に連通する。管15の上端は、上蓋21によって塞がれており、ポンプ接続管19の一端は、上蓋21に設けられた接続部21aに接続されて管15の内部に連通する。
浮き子本体22は、管15の内径よりも小径に形成されるとともに上下方向に長い円柱状に形成されている。浮き子本体22の上端部22a及び下端部22bは、電解液中で姿勢が安定し易いように半球状に形成されている。
駆動部28は、モーター等の動力源を備える駆動部本体(不図示)と、駆動部本体の動力によってフレーム体27を管15に沿って上下方向にスライド移動させる単一のスライド部(不図示)と、機械的変位量をデジタル量に変換するエンコーダー部(不図示)とを備える。このエンコーダー部は、ロータリーエンコーダーであり、上記モーターの回転角度から上記スライド部上でのフレーム体27の位置を検出し、この位置をデジタル量に変換して制御部14に出力する。また、上記エンコーダー部は、例えば、リニアエンコーダーであっても良く、リニアエンコーダーで上記スライド部上でのフレーム体27の位置を検出し、この位置をデジタル量に変換して制御部14に出力する構成としても良い。
また、上記スライド部は、例えば、一軸のNCスライダにより構成することができる。
反射型センサ25は、管15の外周面に対向して配置される発光素子及び受光素子を一体に備えた光センサである。
上記発光素子は、管15の軸線に略直交する位置関係で管15に向かって発光し、上記受光素子は、管15側から反射した発光素子の反射光を受光し、この受光量に応じた検出値を出力する。反射型センサ25は、フレーム体27のスライド移動に伴って管15の軸方向にスライドし、管15を外周面側から走査する。
詳細には、図3に示すように、反射型センサ25が液面Lを検出した場合、駆動部28の上記エンコーダー部は、液面Lが検出された位置に対応するフレーム体27の位置を、液面Lの位置として制御部14に出力する。
本実施の形態では、反射型センサ25で液面Lを検出する場合、反射型センサ25に近い位置の管15の内周面側からの反射光により液面Lを判別でき、管15の径方向に光が透過しなくとも液面Lを判別できる。このため、電解液の透明度が低い場合や管15が汚れている場合であっても、液面Lを正しく検出できる。
透過型センサ26は、管15の外周面に対向して配置される発光部26aと、管15を跨いで発光部26aに対向して配置される受光部26bとを備えた光センサである。発光部26a及び受光部26bは、フレーム体27に一体に支持されており、上下方向において略同一の高さに位置している。また、透過型センサ26は、反射型センサ25の下方に位置している。
発光部26aは、管15の軸線に略直交する位置関係で管15に向かって発光し、受光部26bは、管15を透過した発光部26aの透過光を受光し、この受光量に応じた検出値を出力する。透過型センサ26は、フレーム体27のスライド移動に伴って管15の軸方向にスライドし、管15を外周面側から走査する。
詳細には、図4に示すように、透過型センサ26が下端22cを検出した場合、駆動部28(図1参照)の上記エンコーダー部は、下端22cが検出された位置に対応するフレーム体27の位置を、下端22cの位置として制御部14に出力する。
チャンバー30には、チャンバー30の内部空間の外部に対する連通及び遮断を切り替える切替弁32が設けられている。切替弁32は、制御部14によって切り替えられる。
ポンプ31は、筒状のシリンダ31aと、制御部14の制御によってシリンダ31a内を軸方向に移動するピストン31bとを備える。また、ポンプ部13には、必要に応じて逆止弁(不図示)が設けられる。
比重測定装置10は、電槽化成工程の完了後の鉛蓄電池5の比重を測定する。
制御部14は、電解液の比重の測定の指示が出されると、ポンプ部13を駆動し、吸引工程を行う(ステップS1)。吸引工程は、複数回行われ、本実施の形態では、2回行われる。この吸引工程により、管15内は、図2に示すように管15に電解液が無い状態から、図3に示すように管15の上部まで電解液が満たされた状態となる。これにより、浮き子16は電解液に浮き、比重表示部23は、液面Lに一致した位置に示された目盛りにより、電解液の比重を指し示す。また、制御部14は、吸引工程において、上昇して行く液面Lを反射型センサ25で検出するとともに駆動部28を制御し、反射型センサ25を液面Lの移動に追従させる。このように、反射型センサ25を液面Lの移動に追従させるため、迅速に液面Lの位置を検出できる。
続いて、制御部14は、図4に示すように、フレーム体27を下方に下降させて行き、透過型センサ26で浮き子16の下端22cの高さ位置を検出し、この下端22cの高さ位置を検出した状態のフレーム体27の高さ位置を、下端22cの高さ位置P2として上記エンコーダー部を介して検出する(ステップS3)。
事前の基準となる測定において、液面Lの高さ位置がA、下端22cの高さ位置がBの場合に、比重表示部23を用いた目視による比重の値がCであり、比重表示部23の単位目盛りの長さをD、比重表示部23の単位目盛り当たりの比重値をEとした場合、比重は、下記式(1)により換算される。
比重=C+(((B−A)−(P2−P1))/D)×E…(1)
上記式(1)は一例であり、例えば、浮き子本体22の全長を用いた他の算出方法によって比重を算出しても良い。
また、制御部14は、上記温度センサから得た電解液の温度を取得し、温度による電解液の比重変化を、最終的な比重の換算値に反映させる。
次に、制御部14は、算出した比重、補充液の種類及び補充液量を、表示部14cに表示する(ステップS6)。
排出工程の完了後、作業者は、表示部14cの表示に基づいて、補充液を鉛蓄電池5に注液する。また、ステップS6で算出した補充液を自動で鉛蓄電池5に注液する構成としても良い。
また、浮き子16は、電解液の比重を測定可能に浮力が調整された浮き子本体22と、浮き子本体22の上端から上方に延びる目盛りを備えた比重表示部23とを備え、透過型センサ26は、比重の換算に際し、浮き子本体22の下端22cの位置を検出する。このため、比重表示部23の目盛りを比重の換算の較正に用いることができるとともに、目盛りが邪魔にならない下端22cを透過型センサ26で検出して比重を正確に算出できる。
上記実施の形態では、電槽5aに電解液が満たされる鉛蓄電池5を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ゲル式の鉛蓄電池に本発明を適用することもでき、この場合、シリカゲル等に含浸させる前の電解液の比重を、比重測定装置10で測定できる。
また、上記実施の形態では、透過型センサ26は、比重の換算に際し、浮き子本体22の下端22cの位置を検出するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透過型センサ26の光が通過可能な孔を浮き子本体22に形成し、この孔の高さ位置を透過型センサ26で検出し、この高さ位置に基づいて比重の値を算出しても良い。また、浮き子16の高さ位置と電解液の比重との対応が事前の測定等により明らかにされており、上記の較正等も必要としない場合、比重表示部23を設けなくとも良い。この場合、下端22cに替えて、浮き子本体22の上端を透過型センサ26で検出し、この上端の高さ位置及び液面Lの高さ位置から比重を算出しても良い。
10 比重測定装置
13 ポンプ部
15 管
16 浮き子
22 浮き子本体
22c 下端
23 比重表示部(表示部)
25 反射型センサ
26 透過型センサ
27 フレーム体
28 駆動部
L 液面
Claims (4)
- 蓄電池の電解液が取り込まれる管と、当該管内に配置され、前記電解液の比重により前記電解液中で浮き沈みする浮き子とを備えた比重測定装置において、
前記管内の前記電解液の液面を検出する反射型センサと、前記浮き子の高さ位置を検出する透過型センサとを備え、検出された前記液面と前記浮き子の前記高さ位置との差を前記電解液の比重に換算することを特徴とする比重測定装置。 - 前記反射型センサ及び前記透過型センサは、同一のフレーム体に一体に支持されており、単一の駆動部によって前記管の軸方向に走査されて検出を行うことを特徴とする請求項1記載の比重測定装置。
- 前記浮き子は、前記電解液の比重を測定可能に浮力が調整された浮き子本体と、当該浮き子本体の上端から上方に延びる目盛りを備えた表示部とを備え、前記透過型センサは、前記比重の換算に際し、前記浮き子本体の下端の位置を検出することを特徴とする請求項1または2記載の比重測定装置。
- 前記蓄電池の前記電解液を前記管内に吸引するとともに、前記比重の検出後に前記電解液を前記蓄電池に排出するポンプ部を備え、当該ポンプ部は、排出時には吸引時よりもポンピング回数が大きく設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の比重測定装置。
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