JP2008291883A - ガスホルダの異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ガスホルダのガス漏れの恐れがある異常状態を高精度に検出し、当該異常状態を検出すると警報を発するガスホルダの異常検出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、複数の槽を有し、各槽間が封溝61と浸水板62とを有する第1接合部6によって気密状に接合されたガスホルダ2の異常状態を検出する異常検出装置1であって、封溝61が設けられる槽の側壁部の周方向の3箇所以上に設置される、封溝61の液面までの距離を計測する非接触距離計11と、非接触距離計11によって計測された距離を無線で送信する無線装置12と、無線装置12から送信された距離に基づいて、各封溝61の液面高さ、及び、各封溝61が設けられる槽の傾きを算出する算出手段13と、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さ、及び、封溝61が設けられる槽の傾きに基づいて警報を発する警報手段14とを備えるガスホルダ2の異常検出装置1を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、複数の槽を有し、各槽間が封溝61と浸水板62とを有する第1接合部6によって気密状に接合されたガスホルダ2の異常状態を検出する異常検出装置1であって、封溝61が設けられる槽の側壁部の周方向の3箇所以上に設置される、封溝61の液面までの距離を計測する非接触距離計11と、非接触距離計11によって計測された距離を無線で送信する無線装置12と、無線装置12から送信された距離に基づいて、各封溝61の液面高さ、及び、各封溝61が設けられる槽の傾きを算出する算出手段13と、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さ、及び、封溝61が設けられる槽の傾きに基づいて警報を発する警報手段14とを備えるガスホルダ2の異常検出装置1を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガスホルダにおけるガス漏れの恐れがある異常状態を検出するガスホルダの異常検出装置に関する。
ガスホルダは、製鉄所の高炉、コークス炉、転炉等から発生するガスを、後に利用できるように貯留するためのものである。このようなガスホルダには、湿式ガスホルダと乾式ガスホルダとがある。
湿式ガスホルダは、特許文献1に示すように、底部及び環状の側壁部を具備する液体槽と、液体槽の内側に当該液体槽に対して昇降可能に配置され、環状の側壁部を具備する中槽と、中槽の内側に当該中槽に対して昇降可能に配置され、天井部及び環状の側壁部を具備する上槽と、液体槽と中槽との間、及び、中槽と上槽との間を気密状に接合する接合部とを備える。このように液体槽と中槽との間、及び、中槽と上槽との間が気密状に接合されることによって、湿式ガスホルダは、液体槽に貯留された液体の液面と中槽と上槽とで仕切られる空間内にガスを貯留することが可能とされている。また、液体槽に対して中槽が、中槽に対して上槽が昇降可能に配置されていることで、湿式ガスホルダは、ガスの貯留量に応じて中槽及び上槽が昇降し、ガスの貯留量に応じてガスが貯留される空間の容積が変動可能なように構成されている。
以上のような湿式ガスホルダにおいて、各槽を気密状に接合する接合部は、気密状に接合する2つの槽のうち、内側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる液体を貯留可能な封溝と、外側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる浸水板とを具備している。浸水板は、内側の槽の側壁部に設けられる封溝に貯留された液体に浸水可能とされている。浸水板が封溝に貯留された液体に浸水すると、封溝、浸水板、及び、封溝に貯留された液体によって2つの槽の側壁部の間が気密状に接合される。
このように、槽間の気密状の接合が、封溝に貯留された液体に浸水板が浸水することによって行われるため、封溝に貯留された液体が減少し、液面高さが低下すると(封溝の底部から封溝に貯留された液体の液面までの距離が短くなると)、ガスホルダに貯留されたガスが、接合部から漏れる恐れがある。
このようなガス漏れを防止するために、封溝の液面高さを検出し、液面高さが低下したときは、その旨の警報を発することが望ましい。封溝の液面高さを検出する技術は、特許文献1に開示されている。特許文献1には、先端が電気的に接続され、先端を下方に向けて封溝に挿入される2本の高抵抗電極からなる水位検出器と、水位検出器に定電圧を供給する電源回路と、水位検出器に流れる電流に基づいて、封溝に液体を補給するポンプを作動させる水位整定器を備えた水位保持装置が開示されている。かかる水位保持装置の水位検出器に流れる電流は、封溝の液面高さに対応しており、よって、封溝の液面高さは、この水位検出器に流れる電流に基づいて検出することができる。水位検出器に流れる電流が封溝の液面高さに対応するのは、水位検出器を流れる電流は、封溝に貯留された液体内では2本の高抵抗電極間を短絡するため、高抵抗電極の浸水されている部分には流れず、液面高さ、即ち、高抵抗電極の浸水深さに応じて高抵抗電極上を流れる距離が変動するからである。よって、封溝の液面高さが低くなればなるほど、即ち、高抵抗電極の浸水深さが小さくなればなるほど、電流が高抵抗電極上を流れる距離が長くなる。よって、封溝の液面高さが低くなればなるほど、水位検出器に流れる電流が小さくなる。
しかしながら、特許文献1において、水位検出器を流れる電流は、2本の高抵抗電極間を短絡する際に、封溝に貯留された液体を流れる。よって、当該電流の大きさは、封溝に貯留された液体の電気抵抗にも影響される。従って、特許文献1に開示の技術では、封溝に貯留された液体の電気抵抗が変動すると、正確な液面高さを検出することができない。このため、特許文献1に開示の技術では、例えば、雨水や海水や粉塵等が封溝に入り込むことによって、封溝に貯留された液体の電気抵抗が変動すると、正確な液面高さを検出することができない。
また、図8に示すように、電気抵抗と電流とは逆比例の関係にあるため、電気抵抗が大きい領域においては、電気抵抗が変動しても電流の変動量が小さい。よって、特許文献1に開示の技術においては、特に、封溝の液面高さが低く、電流が高抵抗電極上を流れる距離が長いときは、液面高さが変動しても当該電流の変動量が小さく、液面高さの検出精度が低い。
また、特許文献2には、レーザ距離計を用いて、乾式ガスホルダ内を昇降するピストンの高さを検出する技術が開示されている。この技術は、乾式ガスホルダの天井部に設置されたレーザ距離計を用いて、天井部からピストンまでの距離を計測し、当該距離に基づいてピストンの高さを検出する技術である。よって、前述の湿式ガスホルダの封溝の液面高さを検出する方法として、湿式ガスホルダの上槽の天井部にレーザ距離計を設置し、当該レーザ距離計によって、上槽の天井部から中槽及び上槽の封溝の液面までの距離を計測し、当該距離に基づいて各封溝の液面高さを検出する方法が考えられる。しかしながら、上槽は中槽に対して昇降できるため、上槽の天井部から中槽の封溝の液面までの距離は、中槽の封溝の液面高さだけでなく、中槽に対する上槽の昇降にも影響される。即ち、レーザ距離計の計測値が、液面高さの変動によって変動したのか、上槽の昇降によって変動したのかを識別することが困難である。よって、前述のような湿式ガスホルダにおいては、特許文献2に開示の技術によっては、封溝の液面高さを正確に検出することができない。
また、特許文献2及び3には、液体中にエアを吹き込み、エアの吹き込みに要した吹き込み圧に基づいて液面の高さを検出する技術が開示されている。しかしながら、このような技術を利用するためには、液体中にエアを供給するための配管が必要となる。特に、前述のような各槽が昇降可能な構造のガスホルダにおいては、各槽の昇降に合わせて封溝が昇降するため、各槽の昇降に合わせて伸縮できるような複雑な構造の配管が必要となる。
更に、封溝が設けられる中槽や上槽が傾いているときは、封溝の液面高さ(封溝の底部から封溝に貯留された液体の液面までの距離)が場所によって異なる。これは、前述のように、封溝が槽の側壁部の全周に亘って設けられ、封溝に貯留された液体が周方向に自由に移動することができるためである。よって、液面高さが検出される位置では液面高さが十分であっても、他の場所では十分でない場合がある。よって、封溝の液面高さを検出するだけでは、ガス漏れの恐れがある状態を検出できない場合がある。
特開昭59−183193号公報
特開2005−214654号公報
特開2005−248977号公報
本発明は、ガスホルダの2つの槽を気密状に接合する液体の液面高さの低下、及び、ガスホルダの槽が傾くといったガス漏れの恐れがある異常状態を高精度に検出し、当該異常状態を検出すると警報を発するガスホルダの異常検出装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、底部及び環状の側壁部を具備し、液体が貯留される液体槽と、前記液体槽の内側に当該液体槽に対して昇降可能に配置され、環状の側壁部を具備する中槽と、前記中槽の内側に当該中槽に対して昇降可能に配置され、天井部及び環状の側壁部を具備する上槽と、前記液体槽と前記中槽との間、及び、前記中槽と前記上槽との間を気密状に接合する第1接合部とを備え、前記第1接合部は、気密状に接合する2つの槽のうち、内側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる液体を貯留可能な封溝と、外側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる前記封溝に貯留された液体に浸水可能な浸水板とを具備するガスホルダの異常状態を検出するガスホルダの異常検出装置であって、前記封溝が設けられる槽の側壁部の周方向の3箇所以上に設置される、前記封溝の液面までの距離を計測する非接触距離計と、前記非接触距離計によって計測された距離を無線で送信する無線装置と、前記無線装置によって送信される距離に基づいて、前記各封溝が設けられる槽の傾きを算出する算出手段と、前記無線装置によって送信される距離、及び、前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きに基づいて警報を発する警報手段とを備えることを特徴とするガスホルダの異常検出装置を提供するものである。
本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、封溝が設けられる槽の側壁部に設置される、封溝の液面までの距離を計測する非接触距離計を備える。非接触距離計は、封溝の液面と接触せずに、封溝の液面までの距離を計測することができる距離計であり、超音波距離計やレーザ距離計等を用いることができる。このような非接触距離計を用いることで、計測される距離は、封溝に貯留される液体の電気抵抗に影響されない。また、非接触距離計が封溝の設けられる各槽、即ち、中槽及び上槽に設置されているので、非接触距離計から各槽の封溝の液面までの距離は中槽及び上槽の昇降に影響されない。以上のように、封溝に貯留される液体の電気抵抗や中槽及び上槽の昇降に影響されないことから、非接触距離計から封溝の液面までの距離は、高精度に計測される。また、本発明に係るガスホルダの異常検出装置では、封溝の液面までの距離を、特許文献1のように、水位検出器を流れる電流に基づいて計測しないため、封溝の液面高さが低い場合等において、封溝の液面までの距離の計測精度が低下するという問題も生じない。また、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、封溝の液面までの距離の計測に前述のような非接触距離計が用いられるため、エアを供給するための配管が不要である。
また、前記非接触距離計は、封溝が設けられる槽の側壁部の周方向の3箇所以上に設置され、前記算出手段は、3箇所以上に設置される非接触距離計によって計測された距離に基づいて、封溝が設けられる槽の傾きも算出する。非接触距離計を各槽の側壁部の周方向の3箇所に設置するのは、封溝が設けられた槽の傾きを考慮するためである。非接触距離計が設置される槽が傾くと、非接触距離計から封溝の液面までの距離が変動する。これは、非接触距離計が槽の傾きによって槽とともに移動するのに対し、封溝の液面は変動しないためである。液面が変動しないのは、封溝が、槽の側壁部の全周に亘って設けられ、封溝に貯留された液体が周方向に自由に移動することができるためである。また、非接触距離計を3箇所に設置するのは、槽の傾き具合によって、非接触距離計が設置された3箇所における非接触距離計から封溝の液面までの距離が異なるためである。よって、非接触距離計を周方向の3箇所に設置することで、封溝が設けられた槽の水平面に対する傾きを算出することができる。従って、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、封溝が設けられる槽の水平面に対する傾きも正確に検出することができ、ひいては、封溝が設けられる槽が傾くといったガス漏れの恐れがある異常状態を高精度に検出することができる。
また、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、無線装置によって送信される距離、及び、算出手段によって算出される各封溝が設けられる槽の傾きに基づいて警報を発する警報手段を備える。例えば、警報手段は、無線装置によって送信された距離が基準距離未満又は基準距離以上であるか否か、及び、算出手段によって算出される封溝が設けられる槽の傾きが基準角度を超えて傾いているか否かに基づいて、警報を発するか否かを判断する。尚、基準距離とは、第1接合部においてガス漏れが発生する恐れが少ないとされるときの封溝の液面と非接触距離計との間の距離とすることができる。また、基準角度とは、封溝のある特定位置における液面高さが基準高さより十分に高くても、他の位置における液面高さが基準高さを満たさないことが生じる槽の傾き角度である。よって、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、無線装置によって送信される距離、及び、算出手段によって算出される各封溝が設けられる槽の傾きに基づいてガス漏れの恐れがある異常状態を検出し、異常状態を検出すると、警報を発する。
更に、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、非接触距離計によって計測された距離を無線で送信する無線装置を備え、算出手段は、無線装置から送信された距離に基づいて、各封溝の液面高さ、及び、前記各封溝が設けられる槽の傾きを算出する。よって、非接触距離計と算出手段との間を有線で接続する必要がないため、非接触距離計及び算出手段を有線で接続することが困難な場合であっても、非接触距離計が計測した距離を算出手段に容易に送信することができる。
また、本発明に係るガスホルダの異常検出装置において、前記中槽は、互いに同心円状に、且つ、内側の槽が外側の槽に対して昇降可能に配置された、環状の側壁部を備える複数の槽で構成され、前記中槽を構成する槽のうち最も外側に配置される外槽は、前記液体槽に対して昇降可能に配置され、前記上槽は、前記中槽を構成する槽のうち最も内側に配置される内槽に対して昇降可能に配置され、前記第1接合部は、前記液体槽と前記外槽との間、及び、前記内槽と前記上槽との間を気密状に接合し、前記ガスホルダは、互いに隣接する前記中槽を構成する槽の間を気密状に接合する第2接合部を更に備える構成とすることができる。
かかる構成においては、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、中槽が複数の槽で構成されるガスホルダについて異常状態を検出すると、警報を発することができる。
また、本発明に係るガスホルダの異常検出装置において、好ましくは、前記警報手段は、前記無線装置によって送信される距離と、前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きと、前記無線装置によって送信される距離の変化速度、及び、前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きの変化速度の少なくとも一方とに基づいて警報を発する構成とされる。
かかる好ましい構成によれば、警報手段は、無線装置によって送信される距離、及び、封溝が設けられる槽の傾きに加えて、さらに無線装置によって送信される距離の変化速度または封溝が設けられる槽の傾きの変化速度の内の少なくとも一方に基づいて、警報を発する構成とされる。警報手段を、このような変化速度にも基づいて警報を発する構成とすることで、本発明に係るガスホルダの異常検出装置は、より早期に警報を発することができる。
本発明によれば、ガスホルダの2つの槽を気密状に接合する液体の液面高さの低下、及び、ガスホルダの槽が傾くといったガス漏れの恐れがある異常状態を高精度に検出し、当該異常状態を検出すると警報を発するガスホルダの異常検出装置を提供することができる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明に係るガスホルダの異常検出装置(以下、「異常検出装置」という)の一実施形態について説明する。まず、異常検出装置の説明の前に、当該異常検出装置によってガス漏れの恐れがある異常状態が検出されるガスホルダについて説明する。
図1はガスホルダ2の外観図であり、図1(a)は平面図を示し、図1(b)は図1(a)のA−A断面図を示す。図1に示すように、ガスホルダ2は、液体槽3と、中槽4と、上槽5と、第1接合部6と、第2接合部6’とを備える。
図1に示すように、液体槽3は、底部31及び環状の側壁部32を具備し、液体が貯留される構成とされている。本実施形態では、液体槽3に貯留される液体に水が使用されている。
図1に示すように、中槽4は、液体槽3の内側に当該液体槽3に対して昇降可能に配置され、環状の側壁部42を具備している。中槽4は、互いに同心円状に配置され、環状の側壁部を有する複数の槽で構成されている。本実施形態では、中槽4は、外槽4a、中間槽4b及び内槽4cの3槽から構成され、これらの3槽は、外側から外槽4a、中間槽4b、内槽4cの順で配置されている。外槽4aは、液体槽3に対して昇降可能に配置されている。このように、液体槽3に対して外槽4aが昇降可能に配置されることで、中槽4は、液体槽3に対して昇降可能とされている。また、中間槽4bは、外側の外槽4aに対して昇降可能に配置され、内槽4cは、外側の中間槽4bに対して昇降可能に配置されている。外槽4a、中間槽4b及び内槽4cの側壁部42a、42b、42cは、中槽4の側壁部42を構成している。
図1に示すように、上槽5は、中槽4の内側に配置され、当該中槽4を構成する内槽4cに対して昇降可能に配置されている。このように、内槽4cに対して上槽5が昇降可能に配置されることで、上槽5は、中槽4に対して昇降可能に配置されている。このように配置される上槽5は、天井部51及び環状の側壁部52を具備している。
ガスホルダ2は、以上に説明した液体槽3の液面と、中槽4と、上槽5とで仕切られる空間内にガスを貯留することができる。また、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5は、貯留されるガス量に応じて昇降する。
図2は、ガスの各貯留状態におけるガスホルダ2の状態を示す図であり、図2(a)はガスが貯留されていない状態を示し、図2(b)はガスが貯留された状態を示す。図2(a)に示すように、ガスホルダ2は、ガスが貯留されていないときは、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5の大部分が液体槽3に貯留された液体に水没した状態となる。このように、ガスホルダ2にガスが貯留されていない状態において、図示しないガス管を通じて液体槽3の液面と上槽5とで仕切られる空間内にガスが注入され始めると、図2(b)に示すように、上槽5が押し上げられ、上槽5が上昇する。図2(b)の状態から更にガスが注入されると、内槽4c、中間槽4b、外槽4aの順で各槽が上昇し、図1(b)に示すように、全ての槽が液体槽3の液面から浮上した状態となる。また、図1(b)に示すような状態、即ち、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5が液体槽3の液面から浮上した状態において、ガスが外部に注出されると、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5が同じ速度で下降する。外槽4aが液体槽3に貯留された液体に水没すると、その後は、中間槽4b、内槽4c及び上槽5が同じ速度で下降する。中間槽4bが、液体槽3に貯留された液体に水没すると、その後は、内槽4c及び上槽5が同じ速度で下降し、内槽4cが、液体槽3に貯留された液体に水没すると、その後は、上槽5のみが下降する。
第1接合部6は、液体槽3と外槽4aとの間、及び、内槽4cと上槽5との間を気密状に接合する。第2接合部6’は、互いに隣接する外槽4aと中間槽4bとの間、及び、互いに隣接する中間槽4bと内槽4cとの間を気密状に接合する。このように各槽間が気密状に接合されることによって、ガスホルダ2は、液体槽3の液面と中槽4と内槽5とで仕切られる空間内にガスを気密状に貯留することができる。
図3は、図1(b)の点線Pで囲った部分の拡大図である。図3に示された、第2接合部6’の外槽4aと中間槽4bとを気密状に接合する部分を例にして第1接合部6及び第2接合部6’の構成を詳述する。図3に示すように、第2接合部6’は、気密状に接合する2つの槽のうち、内側となる中間槽4bの側壁部42bの全周に亘って設けられる液体を貯留可能な封溝61と、外側となる外槽4aの側壁部42aの全周に亘って設けられる封溝61に貯留された液体に浸水可能な浸水板62とを具備している。封溝61は、中間槽4bの側壁部42bの外側に設けられている。具体的には、封溝61は、側壁部42bから外側に延出された底部61aと底部61aの外側部分から立設された側壁部61bとを有している。一方、浸水板62は、外槽4aの側壁部42aの内側に設けられている。具体的には、浸水板62は、外槽4aの側壁部42aから内側に延出された支持部材62aと、支持部材62aから下方に延出された延出部材62bとを有している。
以上のような第2接合部6’において、封溝61に液体が貯留され、当該液体に浸水板62の延出部材62bが浸水した状態では、外槽4aと中間槽4bとの側壁部42a、42bの間が、封溝61、浸水板62、及び、封溝61に貯留された液体によって気密状に接合される。封溝61は、中間槽4bの側壁部42b全周に亘って設けられ、浸水板62は、外槽4aの側壁部42aの全周に亘って設けられているので、外槽4a及び中間槽4bの間は、それぞれの側壁部42a、42bの全周に亘って、第2接合部6’によって、気密状に接合されている。
第1接合部6及び第2接合部6’の他の槽間、即ち、液体槽3と外槽4aとの間、中間槽4bと内槽4cとの間、及び、内槽4cと上槽5との間を気密状に接合する部分の構成は、図3を用いて説明した構成と同様である。即ち、液体槽3と外槽4aとの間においては、液体槽3の側壁部32に浸水板62が、外槽4aの側壁部42aに封溝61が設けられている。中間槽4bと内槽4cとの間においては、中間槽4bの側壁部42bに浸水板62が、内槽4cの側壁部42cに封溝61が設けられている。内槽4cと上槽5との間においては、内槽4cの側壁部42cに浸水板62が、上槽5の側壁部52に封溝61が設けられている。
図2(a)に示すように、以上のような接合部6及び第2接合部6’は、ガスホルダ2にガスが貯留されていないときは、液体槽3に貯留された液体に水没している。ガスの貯留に伴い外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5が上昇する場合は、接合部6及び第2接合部6’は次にように上昇する。接合部6及び第2接合部6’の上昇を、第1接合部6の内槽4cと上槽5とを気密状に接合する部分を例にして、図2(b)を用いて説明すると、上槽5が上昇すると、上槽5に設けられた封溝61が内槽4cの浸水板62に接して、当該浸水板62を押し上げ、これにより第1接合部6が上昇する。尚、封溝61は、ガスホルダ2にガスが貯留されていないときは、液体槽3に貯留された液体に水没しているので、封溝61が液体槽3の液面から浮上するときには、封溝61には液体槽3に貯留された液体が貯留されている。一方、貯留されたガスの注出に伴い外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5が下降する場合は、第1接合部6及び第2接合部6’は次にように下降する。第1接合部6及び第2接合部6’の下降を、第1接合部6の内槽4cと上槽5とを気密状に接合する部分を例にして説明すると、内槽4cと上槽5とが液体槽3の液面から浮上しているときは、前述のように、内槽4cと上槽5との両方が同じ速度で下降する。よって、この場合は、第1接合部6は、封溝61が浸水板62に接した状態で下降する。内槽4cが液体槽3に貯留された液体に水没すると、その後は、上槽5のみが下降するので、上槽5に設けられた封溝61が内槽4cに設けられた浸水板62に対して下降し、上槽5に設けられた封溝61のみが下降する。
次に、以上において説明したガスホルダ2の異常状態を検出する異常検出装置1を説明する。図4は、本実施形態に係る異常検出装置1の機能ブロック図である。異常検出装置1は、非接触距離計11と、無線装置12と、算出手段13と、警報手段14とを備える。
非接触距離計11は、図1(a)に示すように、封溝61が設けられた各槽の側壁部の周方向の3箇所に設置され、封溝61の液面までの距離を計測する。封溝61は、前述のように、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5に設けられており、従って、非接触距離計11は、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5の側壁部42a、42b、42c、52に設置されている。また、各槽に設置された非接触距離計11は、各非接触距離計11が設置された側壁部を有する槽に設けられた封溝の液面までの距離を計測する。
非接触距離計11は、封溝61の液面と接触せずに、当該液面までの距離を計測することができる距離計であり、超音波距離計やレーザ距離計等を用いることができる。このような非接触距離計11を用いることで、非接触距離計11によって計測される液面までの距離は、封溝61に貯留される液体の電気抵抗に影響されない。また、非接触距離計11が封溝61の設けられる各槽に設置されているので、非接触距離計11によって計測される距離は、各槽の昇降によって影響されない。また、非接触距離計11に、超音波距離計やレーザ距離計を用いれば、液面高さの検出にエアを使用しなくてすむので、本実施形態の異常検出装置1には、エアを供給する配管が不要となる。
非接触距離計11は、封溝61の液面と接触せずに、当該液面までの距離を計測することができる距離計であり、超音波距離計やレーザ距離計等を用いることができる。このような非接触距離計11を用いることで、非接触距離計11によって計測される液面までの距離は、封溝61に貯留される液体の電気抵抗に影響されない。また、非接触距離計11が封溝61の設けられる各槽に設置されているので、非接触距離計11によって計測される距離は、各槽の昇降によって影響されない。また、非接触距離計11に、超音波距離計やレーザ距離計を用いれば、液面高さの検出にエアを使用しなくてすむので、本実施形態の異常検出装置1には、エアを供給する配管が不要となる。
各槽の側壁部における非接触距離計11が設置される部位は、非接触距離計11の計測精度を高めるため、封溝61の液面から近い部位が好ましい。
また、図3に示すように、側壁部42bにおける非接触距離計11が設置される部位は、封溝61の側壁部61bの上端より上方側の部位でも、下方側の部位でもよい。尚、図3において点線で示すように、下方側の部位に非接触距離計11を設置した場合、封溝61に液体が貯留された状態では、非接触距離計11が当該液体に水没する場合がある。また、非接触距離計11が、封溝61の液面よりも上方の部位に設置された場合の非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離は、X1(図3参照)であり、封溝61の液面よりも下方の部位に設置された場合の非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離は、X1’(図3参照)である。
また、非接触距離計11は、防水されていることが好ましい。これは、図2(a)及び図2(b)に示すように、ガスの貯留量によっては、非接触距離計11が設置される槽は、液体槽3に貯留された液体に水没するためである。また、図3において点線で示すように、封溝61の側壁部61bの上端部よりも下方側の部位に非接触距離計11を設置した場合は、封溝61に貯留される液体に水没する恐れもあるためである。尚、本実施形態では、非接触距離計11は、防水構造を有する筐体15内に収納され、この筐体15に収納されることよって非接触距離計11は、防水されている。
非接触距離計11を各槽の側壁部の周方向の3箇所に設置するのは、封溝61が設けられた槽の傾きを考慮するためである。非接触距離計11が設置される槽が傾くと、非接触距離計11から封溝61の液面までの距離が変動する。これは、非接触距離計11が槽の傾きによって槽とともに移動するのに対し、封溝61の液面は変動しないためである。液面が変動しないのは、封溝61が、槽の側壁部の全周に亘って設けられ、封溝61に貯留された液体が周方向に自由に移動することができるためである。また、非接触距離計11を3箇所に設置するのは、槽の傾き具合によって、非接触距離計11が設置された3箇所における非接触距離計11から封溝61の液面までの距離が異なるためである。よって、非接触距離計11を周方向の3箇所に設置することで、封溝61が設けられた槽の水平面に対する傾きを算出することができる。
尚、槽の傾きを高精度に算出する観点から、非接触距離計11が設置される3箇所は、互いに離れていることが好ましく、等間隔であることがより好ましい。
無線装置12は、非接触距離計11によって計測された距離を無線で算出手段13に送信する装置である。無線装置12は、各非接触距離計11が収納された筐体15内に収納され、当該筐体15内に収納された非接触距離計11が計測した距離を算出手段13に送信する。
算出手段13は、無線装置12から送信された距離に基づいて、各封溝61の液面高さ、及び、各封溝61が設けられた槽の傾きを算出する手段である。本実施形態では、封溝61は、前述のように外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5に設けられているので、算出手段13は、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5に設けられた各封溝61の液面高さと、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5の傾きを算出する。尚、封溝61の液面高さとは、封溝の底部61aから封溝61に貯留された液体の液面までの距離である。
各槽に設けられた封溝61の液面高さ及び各槽の傾きの算出は、各槽の側壁部の3箇所に設置された非接触距離計11が計測した距離に基づいて行われる。各槽に設けられた封溝61の液面高さ及び各槽の傾きの算出について、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さ及び中間槽4bの傾きの算出を例にして説明する。
まず、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さXの算出を図5を用いて説明する。尚、図5(a)に示すように、ここでは、中間槽4bの側壁部42bに設置された非接触距離計111、112、113は、何れも封溝61の液面よりも上方の部位に設置されているものとする。まず、算出手段13は、各非接触距離計111、112、113が計測した封溝61の液面までの距離X11、X12、X13に基づいて、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さX31、X32、X33を算出する。この液面高さX31は、非接触距離計111が設置された部位から封溝61の底部61aまでの距離X21から、非接触距離計111が計測した封溝61の液面までの距離X11を引いた距離(X21−X11)である。同様に、液面高さX32、X33は、距離(X22−X12)、(X23−X13)である。次に、算出手段13は、液面高さX31、X32、X33に基づいて、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さXを算出する。この液面高さXは、例えば、液面高さX31、X32、X33の合計値、平均値、最低値等とすることができる。
尚、図5(b)に示すように、非接触距離計111、112、113が、封溝61の液面よりも下方の部位に設置されている場合は、算出される封溝61の液面高さX31’、X32’、X33’は、非接触距離計111、112、113が設置された部位から封溝61の底部61aまでの距離X21’、X22’、X23’と、非接触距離計111、112、113が計測した距離X11’、X12’、X13’とを足した距離(X11’+X21’)、(X12’+X22’)、(X13’+X23’)である。
また、中間槽4bの傾きθは、例えば、中間槽4bの側壁部42bの3箇所に設置された非接触距離計111、112、113によって計測された距離X11、X12、X13に基づいて、非接触距離計111、112、113が設置された3箇所の封溝61の液面からの高さ方向の位置関係を算出し、当該位置関係から算出することができる。中間槽4bの傾きθを求める具体的な方法として、距離X11、X12、X13のうち、最も大きいものと、最も小さいものとの差を採る方法を挙げることができる。
距離X11、X12、X13等の非接触距離計11が計測した封溝61の液面までの距離は、無線装置12によって無線で算出手段13に送信されるため、非接触距離計11と算出手段13との間を有線で接続する必要がない。このため、非接触距離計11及び算出手段13を有線で接続することが困難な場合であっても、非接触距離計11が計測した距離を算出手段13に容易に送信することができる。
警報手段14は、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さX、及び、封溝61が設けられる槽の傾きθに基づいて警報を発する手段である。本実施形態では、警報手段14は、各封溝61の液面高さXが基準高さ未満である場合、又は、封溝61が設けられた槽が基準角度を超えて傾いている場合は、警報を発する。尚、基準高さとは、第1接合部6及び第2接合部6’においてガス漏れが発生する恐れがある封溝61の液面の高さである。また、基準角度とは、封溝61のある特定位置における液面高さが基準高さより十分高くても、封溝61の他の位置における液面高さが基準高さを満たさないことが生じる槽の傾き角度である。よって、本実施形態に係る異常検出装置1は、封溝61に貯留された液体の液面高さXの低下、及び、封溝61が設けられる槽が傾くといったガス漏れの恐れがある異常状態を検出すると、警報を発することができる。更に、非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離X11、X12、X13は、前述のように、封溝61に貯留される液体の電気抵抗、及び、各槽の昇降に影響されず、高精度に計測されることが可能であるため、本実施形態に係る異常検出装置1は、液面高さXの低下、及び、封溝61が設けられる槽が傾くといったガス漏れの恐れがある異常状態を高精度に検出することができる。
以下において、図6を用いて、警報手段14が、封溝61の液面高さXが基準高さ未満であるか否かに基づいて、警報を発するか否かを判断する手順の一具体例を説明する。尚、当該判断の前に、算出手段13によって、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5に設けられた封溝61の液面高さXが算出される(図6、S101)。本具体例における、各槽に設けられた封溝61の液面高さXは、各非接触距離計11が設置された3箇所における各槽に設けられた封溝61の液面高さ(即ち、前述の液面高さX31、X32、X33)の合計値とする。
算出手段13によって、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5に設けられた封溝61の液面高さXが算出されると、警報手段14は、外槽4aに設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より高いか否かを判断する(図6、S102)。警報手段14は、外槽4aに設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より低いと判断すると、外槽4aに設けられた封溝61の液面高さXが低下している旨の警報を発する(図6、S103)。
次に、警報手段14は、中間槽4b、内槽4c、上槽5の順で、各槽に設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より高いか否かを判断する(図6、S104、S106、S108)。警報手段14は、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より低いと判断すると、中間槽4bに設けられた封溝61の液面高さXが低下している旨の警報を発生させ(図6、S105)、内槽4cに設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より低いと判断すると、内槽4cに設けられた封溝61の液面高さXが低下している旨の警報を発生させ(図6、S107)、上槽5に設けられた封溝61の液面高さXが基準高さの3倍より低いと判断すると、上槽5に設けられた封溝61の液面高さXが低下している旨の警報を発する(図6、S109)。
次いで、図7を用いて、警報手段14が、封溝61が設けられた槽が基準角度を超えて傾いているか否かに基づいて警報を発するか否かを判断する手順の一具体例を説明する。尚、当該判断の前に、算出手段13によって、封溝61が設けられた外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5の傾きθが算出される(図7、S111)。この傾きθは、各槽の側壁部の3箇所に設置された非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離のうち、最も大きいものと、最も小さいものとの差とされる。
算出手段13によって、外槽4a、中間槽4b、内槽4c及び上槽5の傾きθが算出されると、警報手段14は、外槽4aの傾きが基準角度を超えて傾いているか否かを判断する(図7、S112)。尚、本具体例における基準角度は、基準角度時の各槽の側壁部の3箇所に設置された非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離のうち、最も大きいものと、最も小さいものとの差とされる。警報手段14は、外槽4aが基準角度を超えて傾いている(基準角度に対応する差よりも算出手段13にて算出された差が大きい)と判断すると、外槽4aが傾いている旨の警報を発する(図6、S113)。
次に、警報手段14は、中間槽4b、内槽4c、上槽5の順で、各槽が基準角度を超えて傾いているか否かを判断する(図7、S114、S116、S118)。警報手段14は、中間槽4bが基準角度を超えて傾いていると判断すると、中間槽4bが傾いている旨の警報を発生させ(図7、S115)、内槽4cが基準角度を超えて傾いていると判断すると、内槽4cが傾いている旨の警報を発生させ(図7、S117)、上槽5が基準角度を超えて傾いていると判断すると、上槽5が傾いている旨の警報を発する(図7、S119)。
尚、図6及び図7に示す判断は、何れかを先に行っても、両方同時に行ってもよい。
また、警報手段14は、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さ、及び、封溝61が設けられる槽の傾きに加えて、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さの変化速度または各封溝61が設けられる槽の傾きの変化速度の内の少なくとも一方に基づいて、警報を発する構成としてもよい。警報手段14を、このような変化速度に基づいて警報を発する構成とすることで、異常検出装置1は、より早期に警報を発することができる。
封溝61の液面高さの変化速度は、例えば、算出手段13によって算出される封溝61の液面高さの所定時間内における変化率から算出することができる。また、槽の傾きの変化速度は、例えば、算出手段13によって算出される槽の傾き角度の所定時間内における変化率から算出することができる。
封溝61の液面高さの変化速度に基づいて警報を発するか否かの判断は、例えば、当該変化速度が一定以上であるか否かに基づいて行うことができる。また、槽の傾きの変化速度に基づいて警報を発するか否かの判断は、例えば、当該変化速度が一定以上であるか否かに基づいて行うことができる。
このような、変化速度に基づいて警報を発するか否かの判断は、図5及び図6を用いて説明した判断の前後に、又は、同時に行ってもよい。
また、本実施形態においては、中槽4は、3槽で構成されているが、中槽4は、1槽、2槽、4槽以上で構成してもよい。尚、1槽で構成する場合は、中槽4を構成する1槽は、液体槽3に対して昇降可能に配置されると共に、上槽5は中槽4を構成する当該1槽に対して昇降可能に配置される構成とされる。
本実施形態においては、非接触距離計11は、側壁部の周方向の3箇所に設置されているが、これらの距離計が設置される箇所は3箇所以上であればよい。
また、本実施形態においては、算出手段13は、無線装置12から送信された距離に基づいて、各封溝61の液面高さX、及び、各封溝61が設けられた槽の傾きθを算出し、警報手段14は、算出手段13によって算出される各封溝61の液面高さX、及び、封溝61が設けられる槽の傾きθに基づいて警報を発する構成とされている。しかしながら、算出手段13は、無線装置12から送信された距離に基づいて、封溝61が設けられた槽の傾きθのみを算出する構成とすることができ、警報手段14は、無線装置12から送信された距離、及び、算出手段13によって算出される各封溝61が設けられた槽の傾きθに基づいて警報を発する構成とすることもできる。
このような構成では、警報手段14において行われる、無線装置12から送信された距離に基づいて警報を発するか否かの判断は、例えば、無線装置12から送信された距離が基準距離未満又は基準距離以上であるか否かに基づいて行うことができる。この基準距離とは、第1接合部6及び第2接合部6’においてガス漏れが発生する恐れが少ないとされるときの封溝61の液面と、非接触距離計11との距離とすることができる。
無線装置12から送信された距離が基準距離未満又は基準距離以上であるか否かに基づいて行う判断は、非接触距離計11が、図3に示すように、封溝61の液面よりも上方の部位に設置された場合と、封溝61の液面よりも下方の部位に設置された場合とで異なる。上方の部位に設置された場合は、封溝61の液面が高ければ高いほど、非接触距離計11が計測する距離X1は短くなる。よって、警報手段14は、無線装置12から送信された距離が基準距離以上であれば、警報を発する必要があると判断する。一方、非接触距離計11が封溝61の液面よりも下方の部位に設置された場合、封溝61の液面が高ければ高いほど、非接触距離計11が計測する距離X1’は長くなる。よって、警報手段14は、無線装置12から送信された距離が基準距離未満であれば、警報を発する必要があると判断する。尚、非接触距離計11は、周方向の3箇所に設置されているので、基準距離と比較する値としては、3箇所に設置された各非接触距離計11が計測した各距離の合計値、平均値、最小値等することができる。また、比較する値として合計値を用いる場合は、当該合計値と比較する値として、基準距離に代えて基準距離の3倍の値とする。尚、算出手段13によって算出される各封溝61が設けられた槽の傾きθに基づいて警報を発するか否かの判断は、本実施形態で説明した方法と同様の方法を用いることができる。
また、警報手段14は、無線装置12から送信された距離の変化速度に基づいて、警報を発する構成としてもよい。警報手段14を、このような変化速度に基づいて警報を発する構成とすることで、異常検出装置1は、より早期に警報を発することができる。無線装置12から送信された距離の変化速度は、例えば、無線装置12から送信された距離の所定時間内における変化率から算出することができる。また、無線装置12から送信された距離の変化速度に基づいて警報を発するか否かの判断は、例えば、当該変化速度が一定以上であるか否かに基づいて行うことができる。
さらに、本実施形態においては、各封溝61が設けられた槽の傾きθは、各槽の側壁部の3箇所に設置された非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離のうち、最も大きいものと、最も小さいものとの差として算出したが、3箇所以上の箇所に設置された非接触距離計11が計測する封溝61の液面までの距離の測定値に基づき、三次元空間における各非接触距離計11が含まれる平面の方程式によって算出するものであってもよい。
1…異常検出装置、2…ガスホルダ、11…非接触距離計、12…無線装置、13…算出手段、14…警報手段、3…液体槽、4…中槽、5…外槽、6…第1接合部、6’…第2接合部、61…封溝
Claims (3)
- 底部及び環状の側壁部を具備し、液体が貯留される液体槽と、
前記液体槽の内側に当該液体槽に対して昇降可能に配置され、環状の側壁部を具備する中槽と、
前記中槽の内側に当該中槽に対して昇降可能に配置され、天井部及び環状の側壁部を具備する上槽と、
前記液体槽と前記中槽との間、及び、前記中槽と前記上槽との間を気密状に接合する第1接合部とを備え、
前記第1接合部は、気密状に接合する2つの槽のうち、内側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる液体を貯留可能な封溝と、外側の槽の側壁部の全周に亘って設けられる前記封溝に貯留された液体に浸水可能な浸水板とを具備するガスホルダの異常状態を検出するガスホルダの異常検出装置であって、
前記封溝が設けられる槽の側壁部の周方向の3箇所以上に設置される、前記封溝の液面までの距離を計測する非接触距離計と、
前記非接触距離計によって計測された距離を無線で送信する無線装置と、
前記無線装置によって送信される距離に基づいて、前記各封溝が設けられる槽の傾きを算出する算出手段と、
前記無線装置によって送信される距離、及び、前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きに基づいて警報を発する警報手段とを備えることを特徴とするガスホルダの異常検出装置。 - 前記中槽は、互いに同心円状に、且つ、内側の槽が外側の槽に対して昇降可能に配置された、環状の側壁部を備える複数の槽で構成され、
前記中槽を構成する槽のうち最も外側に配置される外槽は、前記液体槽に対して昇降可能に配置され、
前記上槽は、前記中槽を構成する槽のうち最も内側に配置される内槽に対して昇降可能に配置され、
前記第1接合部は、前記液体槽と前記外槽との間、及び、前記内槽と前記上槽との間を気密状に接合し、
前記ガスホルダは、互いに隣接する前記中槽を構成する槽の間を気密状に接合する第2接合部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のガスホルダの異常検出装置。 - 前記警報手段は、前記無線装置によって送信される距離と、前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きと、さらに前記無線装置によって送信される距離の変化速度または前記算出手段によって算出される前記各封溝が設けられる槽の傾きの変化速度の内の少なくとも一方に基づいて警報を発することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスホルダの異常検出装置。
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