JP2008175591A - 有水式ガスホルダの傾斜測定装置及び有水式ガスホルダの傾斜測定方法 - Google Patents

有水式ガスホルダの傾斜測定装置及び有水式ガスホルダの傾斜測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な測定装置を用いて外部の環境によらず安定的にガス槽の傾斜を測定できる有水式ガスホルダの傾斜測定装置を提供すること。
【解決手段】水槽と第1〜第3基柱と昇降自在に設けられたガス槽41を備える有水式ガスホルダの傾斜測定装置10を提供する。この傾斜測定装置10は、ガス槽41に対して同一の相対高さで連結された第1〜第3被検知体と、第1基柱の第1高さに配置され第1被検知体の通過を検知する第1センサ11Aと、第1基柱〜第3基柱の第2高さにそれぞれ配置され、対応する第1被検知体〜第3被検知体の通過を検知する第2〜第4センサ11B〜11Dと、ガス槽が上昇又は下降するときに、第1センサ11Aと第2センサ11Bとの検知タイミングの時間差と、第2〜第4センサ11B〜11Dによる検知タイミングと、に基づいてガス槽41の傾斜を算出する傾斜算出手段13と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、有水式ガスホルダの傾斜測定装置及び有水式ガスホルダの傾斜測定方法に関する。
例えば製鉄所においては、コークス炉、高炉、転炉等を用いて操業する場合、必ずコークス炉ガス(COG)、高炉ガス(BFG)、転炉ガス(LDG)等の副生ガスが生成される。これらのガスは、その成分組成からそのまま放出することはできないものがほとんどであり、また、燃料ガスとして再利用可能である。よって、生成されたガスは、貯蔵タンク(以下、ガスホルダという。)内に一旦貯蔵される。そして、必要に応じて取り出され、他のガスと混合されて適宜用途の燃料ガスとして利用されるか、場合によっては、無害化処理を施してから燃焼・放散される。
このようなガスを貯蔵するガスホルダとしては、例えば、乾式ガスホルダ、有水式ガスホルダ等がある。乾式ガスホルダは、例えば、円筒型のガスホルダ本体の側板と、側板内部においてガス収容空間を区画する昇降ピストンと、側板と昇降ピストンとの間を密封するシール機構とを有する。また、このシール機構は、それらの接触部に設けられた油溝と、滑板又はゴムと、油とを用いる機構で構成されてもよく、ゴムとグリスとを用いる機構等によって構成されてもよい。また、有水式ガスホルダは、例えば、シール機構等に使用される水を貯蔵した水槽と、円筒型に水槽内部に形成され昇降自在な多段のガス槽と、を有し、各ガス槽の間を水圧によるシール機構によって密封する。
このようなガスホルダは、例えば、ガスホルダ内のガスが可燃性又は有害な性質を有する場合等、貯蔵するガスの漏洩を防止することが重要である。しかし、上記シール機構は、昇降ピストン又はガス槽(以下、昇降ピストン等という。)が傾斜した場合、内部のガス収容空間を外部と完全に隔離することができず、貯蔵ガスが噴出する等の危険がある。よって、昇降ピストンやガス槽の傾斜を管理することが重要となる。
例えば、特許文献1及び2には、昇降ピストン等の傾斜を測定する傾斜測定装置が開示されている。特許文献1及び2に記載の技術では、ホルダー上部に少なくとも3台の光波距離計を配置し、昇降ピストン等までの距離を測定し、得られた距離値から昇降ピストン等の傾斜を測定していた。
特開2006−58205号公報 特開2006−17492号公報
しかし、従来の傾斜測定装置によれば、信頼性が高く非常に精密な傾斜を測定することができる反面、光波距離計等の高価な装置を使用するため費用が高く、また、光を使用するため、外部の光を遮断しなければ昼間の測定が困難となる場合があり、外部からの粉塵等によって受光面が汚染されると誤差が生じる場合がある等の改善すべき点を有していた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、安価な測定装置を用いて外部の環境によらず安定的にガス槽の傾斜を測定することが可能な、新規かつ改良された有水式ガスホルダの傾斜測定装置及び有水式ガスホルダの傾斜測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、水を貯留する水槽と、水槽の周囲に立設された第1、第2及び第3基柱と、水槽内に第1、第2及び第3基柱に沿って昇降自在に設けられたガス槽と、を備える有水式ガスホルダにおいて、ガス槽の傾斜を測定する傾斜測定装置であって、第1、第2及び第3基柱に対応してそれぞれ設けられ、ガス槽に対して同一の相対高さで連結された第1、第2及び第3被検知体と、第1基柱の第1高さに配置され、第1被検知体の通過を検知する第1センサと、第1基柱の第1高さと異なる第2高さに配置され、第1被検知体の通過を検知する第2センサと、第2基柱の第2高さに配置され、第2被検知体の通過を検知する第3センサと、第3基柱の第2高さに配置され、第3被検知体の通過を検知する第4センサと、ガス槽が第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差と、第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいてガス槽の傾斜を算出する傾斜算出手段と、を含むことを特徴とする、有水式ガスホルダの傾斜測定装置が提供される。
かかる構成によれば、ガス槽が上昇又は下降する際に、第1センサは、第1高さにおいてガス槽に連結された第1被検知体の通過を検知し、第2センサは、第2高さにおいて第1被検知体の通過を検知し、第3センサは、第2高さにおいて第2被検知体の通過を検知し、第4センサは、第2高さにおいて第3被検知体の通過を検知する。よって、第1センサと第2センサとは、同一の第1被検知体を違った高さで検知するので、傾斜算出手段は、ガス槽が第1センサと第2センサとの間の距離を上昇又は下降するのに要した時間(第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差)を算出することができる。また、第1〜第3被検知体は、ガス槽に対して同一の高さに連結されるため、第1〜第3被検知体のそれぞれの高さには、このガス槽の傾斜によって、相対的な高低差が生じる。よって、ガス槽が傾斜している場合、同一の高さに配置された第2〜第4センサのそれぞれは、この傾斜に対応したタイミングで第1〜第3被検知体の通過を検知する。つまり、第2〜第4センサによる検知タイミングは、ガス槽の傾斜を反映している。よって、傾斜算出手段は、第1センサと第2センサとの間の距離と、上記の上昇又は下降に要した時間(第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差)と、第2センサ〜第4センサによる検知タイミングとに基づいて、ガス槽の傾斜を測定することができる。
また、傾斜算出手段は、第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差と、第1高さと第2高さとの間の第1高低差と、に基づいてガス槽の上昇速度又は下降速度を算出し、上昇速度又は下降速度と、第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて、第2被検知体と第3被検知体との間の第2高低差と、第2被検知体と第3被検知体との間の第3高低差と、を算出し、第2及び第3高低差に基づいてガス槽の傾斜を算出してもよい。かかる構成によれば、第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差は、ガス槽が第1高低差を上昇又は下降するのに要した時間(第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差)を表すため、傾斜算出手段は、ガス槽の上昇速度又は下降速度を算出することができる。そして、傾斜算出手段は、上昇速度又は下降速度と、第2センサ〜第4センサによる検知タイミングとによって、第2被検知体と第3被検知体との間の第2高低差と、第2被検知体と第3被検知体との間の第3高低差と、を算出することができる。ここで、ガス槽の傾斜は、各被検知体の高低差に反映されるため、傾斜算出手段は、第2高低差と第3高低差とから、ガス槽の傾斜を算出することができる。
また、ガス槽は、第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、複数のガス槽のそれぞれに、第1、第2及び第3被検知体が連結され、第1、第2、第3及び第4センサは、複数のガス槽の全てが降下した際に最上方に位置するガス槽に連結された第1、第2及び第3被検知体の高さよりも高く、かつ、複数のガス槽の全てが上昇した際に最下方に位置するガス槽に連結された第1、第2及び第3被検知体の高さよりも低い位置に配置されてもよい。かかる構成によれば、複数のガス槽にそれぞれ連結された第1被検知体〜第3被検知体の全ては、対応した第1センサ〜第4センサを通過することができ、第1センサ〜第4センサは、全てのガス槽の通過を検知することができる。また、第1センサ〜第4センサは、複数のガス槽のそれぞれに対して、第1被検知体〜第3被検知体の通過を検知することができる。よって、複数のガス槽の全てのガス槽の傾斜を測定することができる。
また、ガス槽は、第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、傾斜測定装置は、ガス槽内部のガス圧を計測するガス圧計と、ガス圧に基づいて、複数のガス槽のうち上昇又は下降しているガス槽を特定するガス槽特定手段と、を更に備えてもよい。かかる構成によれば、ガス圧計は、ガス槽内部のガス圧を測定することができる。このガス圧は、ガス槽のうち、上昇又は下降している全てのガス槽の重量の総和に応じて増減する。よって、ガス槽特定手段は、このガス圧に基づいて、複数のガス槽のうち上昇又は下降しているガス槽を特定することができ、測定対象のガス槽を判別できる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、水を貯留する水槽と、水槽の周囲に立設された第1、第2及び第3基柱と、水槽内に第1、第2及び第3基柱に沿って昇降自在に設けられたガス槽と、を備える有水式ガスホルダにおいて、ガス槽の傾斜を測定する傾斜測定方法であって、ガス槽に対して同一の相対高さで連結された第1、第2及び第3被検知体を、第1、第2及び第3基柱に対応してそれぞれ設けておき、ガス槽が第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、第1基柱の第1高さに配置された第1センサにより、第1被検知体の通過を検知し、第1基柱の第1高さと異なる第2高さに配置された第2センサにより、第1被検知体の通過を検知し、第2基柱の第2高さに配置された第3センサにより、第2被検知体の通過を検知し、第3基柱の第2高さに配置された第4センサにより、第3被検知体の通過を検知し、第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差と、第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいてガス槽の傾斜を算出することを特徴とする、有水式ガスホルダの傾斜測定方法が提供される。かかる構成によれば、ガス槽の傾斜を上述したように好適に測定することができる。
また、ガス槽の傾斜を算出するときには、第1センサによる検知タイミングと第2センサによる検知タイミングとの時間差と、第1高さと第2高さとの間の第1高低差と、に基づいてガス槽の上昇速度又は下降速度を算出し、上昇速度又は下降速度と、第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて、第2被検知体と第3被検知体との間の第2高低差と、第2被検知体と第3被検知体との間の第3高低差と、を算出し、第2及び第3高低差に基づいてガス槽の傾斜を算出してもよい。
また、ガス槽は、第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、複数のガス槽のそれぞれに、第1、第2及び第3被検知体が連結され、第1、第2、第3及び第4センサは、複数のガス槽の全てが降下した際に最上方に位置するガス槽に連結された第1、第2及び第3被検知体の高さよりも高く、かつ、複数のガス槽の全てが上昇した際に最下方に位置するガス槽に連結された第1、第2及び第3被検知体の高さよりも低い位置に配置されてもよい。
また、ガス槽は、第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、複数のガス槽のうち少なくとも1つが第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、ガス槽内部のガス圧を計測し、ガス圧に基づいて、複数のガス槽のうち上昇又は下降しているガス槽を特定してもよい。
以上説明したように本発明によれば、安価な測定装置を用いて外部の環境によらず安定的にガス槽の傾斜を測定することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.有水式ガスホルダ1の全体構成>
まず、図1A及び図1Bを参照して、本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダの全体構成について説明する。図1Aは、本実施形態に係る有水式ガスホルダの全体構成を示す断面図である。図1Bは、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1の全体構成を示す平面図である。尚、図1Aは、図1BにおけるA−A線での断面図である。
図1Aに示す有水式ガスホルダ1は、所定のガスGを貯蔵するためのガスホルダであって、当該ガスGの出し入れが頻繁に行われるのに適したガスホルダである。このガスGとしては、例えば、COを主成分とする転炉ガス(LDG)、天然ガス等、様々なガスであってもよい。ガスGを貯蔵するためには、機密性が非常に重要であり、漏れが生じた場合には、安全性にも重大な影響を与える。有水式ガスホルダ1は、この機密性を保つために、下記のような水圧(但し、如何なる液体も使用可能である)によるシール機構を使用する。このような有水式ガスホルダ1によれば、摩擦等による機械的シール機構に比べて、耐久性に優れており、頻繁に行われるガスGの出し入れに耐えうる。
図1A及び図1Bに示すように、有水式ガスホルダ1は、多段式のガス槽を備えたガス貯蔵タンクであって、水槽2と、第1基柱3A〜第8基柱3Hと、4段式のガス槽4と、傾斜測定装置10(図4参照)と、を含む。
水槽2は、略円形の底を有する略円筒状の水槽であって、内部に水によるシール(水封)用の水21を貯蔵する。また、この水槽2は、例えば、2重の層の側板及び底を有する2重水槽であってもよい。ここでは、液体として水を用いるが、本発明はかかる例に限定されず、液体は貯蔵するガスGに応じて適宜選択されてもよい。
更に、水槽2は、ガス入管22と、ガス出管23と、を有する。ガス入管22及びガス出管23は、水槽2の底を貫通して突出して形成される。また、少なくともガス出管23の入口(開口部)は、水21の上面よりも高く配置される。ガス入管22は、ガスGを有水式ガスホルダ1に供給するための供給管であり、ガス出管23は、ガスGを有水式ガスホルダ1から排出するための排出管である。なお、水槽2は、ガス入管22及びガス出管23の代替として供給/排出両方を兼ねたガス入出管を備えてもよい。この場合、ガス入出管の出入り口は、水21の上面よりも高く配置される。
第1基柱3A〜第8基柱3Hは、ガス槽4の昇降をガイドする基柱の一例であって、水槽2の外側周囲に垂直に配置され、水槽2に結合され固定される。また、この第1基柱3A〜第8基柱3Hは、例えば、水槽2の周囲において相互に等間隔に配置されてもよい。この第1基柱3A〜第8基柱3Hは、後述のガス槽4の各槽(第1ガス槽41〜第4ガス槽44)を支持し、これらの昇降をガイドするための支柱(ガイド柱)である。
本実施形態では、例えば、8本の基柱(第1基柱3A〜第8基柱3H)が設けられるとしたが、かかる例には限定されず、任意の数の基柱を設けてもよい。この際、各基柱は、水槽2の外側周囲に同方向に沿って一定間隔で配置されうる。また、基柱は、水槽2の外側周囲に固定されるとしたが、例えば、地盤等に直接固定されてもよい。更に、図1Aにおいて、第1基柱3A〜第8基柱3Hは、例えば、トラス構造を有するようにしたが、例えば、円柱型であってもよく、様々な断面形状の鋼管等であってもよい。即ち、基柱は、ガス槽4の各槽等の横方向等の荷重や外部から加わる荷重(風圧等)に耐えうる強度を有すればどのような構造であればよい。そして、各基柱は、ガス槽4にワイヤー、ロープ等で結合されたバランスウェイト等を、その内部又は外部に備えてもよく、その場合、当該ワイヤー、ロープ等を取り付ける部材を備えてもよい。
また、第1基柱3A〜第8基柱3Hのそれぞれの一面には、鉛直方向に延長形成されたガイドレール31が配置される。ガイドレール31は、後述するガイドローラ46を上下方向に案内(ガイド)する。
ガス槽4は、上下方向に伸縮可能な多段式ガス槽であって、水槽2の内部に第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って昇降可能に設けられる。ガス槽4は、例えば、4段の槽を有する。ここでは、ガス槽4の上方より1段目の槽を第1ガス槽41といい、2段目の槽を第2ガス槽42といい、3段目の槽を第3ガス槽43といい、4段目の槽を第4ガス槽44という。しかし、ガス槽4が有する槽の数は、かかる例に限定されず貯蔵したいガスGの体積等によって適宜変更可能である。
ガス槽4の全ての槽(第1ガス槽41〜第4ガス槽44)は、第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って個別に昇降自在に設けられる。第1ガス槽41は、ガス槽4の最上段に位置した内槽であり、第2ガス槽42及び第3ガス槽43は、ガス槽4の中段に位置した中槽であり、第4ガス槽44は、ガス槽4の最下段に位置した外槽である。以下では、「ガス槽4」という場合、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全てを指し、単に「槽」という場合、第1ガス槽41〜第4ガス槽44のうち何れか1つを指すものとする。
第1ガス槽41は、上蓋を有する略円筒状に形成され、第2ガス槽42〜第4ガス槽44は、上蓋及び下底を有さない略円筒状に形成される。また、第4ガス槽44は、水槽2の内径よりも小さい外径を有し、第3ガス槽43は、第4ガス槽44の内径よりも小さい外径を有し、第2ガス槽42は、第3ガス槽43の内径よりも小さい外径を有し、第1ガス槽41は、第2ガス槽42の内径よりも小さい外径を有する。そして、水槽2と、第1ガス槽41〜第4ガス槽44とは、中心軸が略同一直線上に位置するように配置される。よって、第1ガス槽41〜第4ガス槽44は、昇降した場合に重なり合うことができ、槽毎に上下移動でき、全ての槽は、水槽2の内部に入ることができる。
第1ガス槽41〜第4ガス槽44のぞれぞれには、ガイドローラ46を備えた一端にアーム45が配置される。アーム45は、基柱に対応して形成され、ガス槽4の各槽が基柱の本数と同一の個数のアーム45を有してもよい。よって、本実施形態においては、アーム45は、第1基柱3A〜第8基柱3Hに対応して、8個設けられる。各アーム45は、一端を第1ガス槽41の上蓋側端部又は第2ガス槽42〜第4ガス槽44の後述するデップ52(図2参照)等の上方に結合され、他端をガイドローラ46を介して対応した基柱に当接される。
ガイドローラ46は、軸47を介してアーム45の一端に回転自在に設置され(図5参照)、ガイドレール31に接触する。ガイドローラ46は、ガイドレール31によって上下方向に案内され、ガイドレール31上を転がりながら上下動する。
第1ガス槽41〜第4ガス槽44は、アーム45と、それに結合されたガイドローラ46を備えることによって、第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上下方向に移動することができる。即ち、ガイドローラ46は、第1基柱3A〜第8基柱3Hのそれぞれに設けられたガイドレール31によって案内され、第1ガス槽41〜第4ガス槽44は、このガイドローラ46と、アーム45及びガイドローラ46とを介して第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上下方向に案内される。
第1ガス槽41の下部外周には、第2ガス槽42の上部内周に形成された上部シールカップ(以下、デップ52という。図2参照。)と係合する下部シールカップ(以下、カップ51という。図2参照。)が形成される。同様に、第2ガス槽42の下部外周には、第3ガス槽43の上部内周に形成されたデップ52と係合するカップ51が形成され、第3ガス槽43の下部外周には、第4ガス槽44の上部内周に形成されたデップ52と係合するカップ51が形成される。この互いに係合するデップ52及びカップ51は、ガス槽4の各槽間の密封をする水圧シール50を形成する。
<1−2.水圧シール50>
ここで、図2を参照して、水圧シール50について、第1ガス槽41のカップ51と、第2ガス槽42のデップ52との係合を例に挙げて詳細に説明する。尚、ガス槽4の他の槽間における水圧シール50も同様の構成である。図2は、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1が備える水圧シール50を示す断面図である。
図2の(a)は、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全てが水21の中にあった状態から、第1ガス槽41が上昇し、そのカップ51が第2ガス槽42のデップ52と係合する直前を表す。また、図2の(b)は、当該カップ51とデップ52とが完全に係合し、第2ガス槽42が第1ガス槽41によって上方に牽引された状態を示し、当該カップ51とデップ52とによる水圧シール50によって、ホルダ内部の封止がなされた状態を示す。
図2の(a)に示すように、カップ51は、第1ガス槽41の側板下部の外周に結合され、一体に形成された内側板511と、カップ底512と、外側板513と、を含む。カップ51は、第1ガス槽41と一体に形成されてもよい。
内側板511の下部には、その外側全周より外側方向の水平方向(内側板511と垂直な方向)にカップ底512が突設される。そして、カップ底512の外側端部には、その全周より上方(カップ底512と垂直な方向)に外側板513が突設される。この外側板513は、内側板511と略平行に形成される。
また、デップ52は、第2ガス槽42の側板上部の内周に結合され、一体に形成された内側板521と、デップ蓋522と、外側板523と、突出板524と、を含む。デップ52は、第2ガス槽42と一体に形成されてもよい。
外側板523の上部には、その内側全周より内側方向の水平方向(外側板523と垂直な方向)にデップ蓋522が突設される。そして、デップ蓋522の内側端部には、その全周より下方(デップ蓋522と垂直な方向)に内側板521が突設される。この内側板521は、外側板523と略平行に形成され、カップ51の外側板513と略同一の高さを有する。但し、内側板521と外側板513とは、同一の高さを有さなくてもよい。また、内側板521の上端部には、突出板524が上方に延長形成される。ここで、カップ51の外側板513の上端部からデップ52の内側板521の下端部までの距離を距離Lとする。
図2の(a)に示すように、カップ51とデップ52とが係合される前は、水槽2の水21の水面(F0又はF1)より下に、カップ51が位置しているため、第1ガス槽41と水21とによって囲まれた空間(ガスGの貯蔵空間)は、密封された状態となる。この際、カップ51とデップ52との間の空間は、水21によって満たされている。但し、図2の(a)において、デップ52の突出板524とカップ51の内側板511との間の水面F1が第1ガス槽41内部の水面F0より高いのは、ガスGの圧力と大気圧との差によるものである。即ち、水面F1には大気圧がかかり、水面F0には、ガスGのガス圧がかかることによる。
図2の(b)に示すように、第1ガス槽41が上昇すると、カップ51の外側板513の上端は、デップ52のデップ蓋522の下面と結合し、デップ52の内側板521の下端は、カップ51のカップ底512の上面と結合することで、カップ51とデップ52とは、係合する。更に、第1ガス槽41が水槽2の水面F0から上方に離脱した場合、第1ガス槽41は、第2ガス槽42を上方に牽引し、第2ガス槽42の上部は、水面F0から上方に離脱する。この際、カップ51が水21をすくうため、カップ51とデップ52の間には水21の層が形成される。結果、水圧シール50は、カップ51及びデップ52の係合と、両者の間に存在する水21の層とによって、有水式ガスホルダ1の内部を密封することができる。この場合、ガスGは、その圧力によって、カップ51の外側板513の上端とデップ52のデップ蓋522との間に入り込み、水面F2を下降させうる。水面F2がカップ51の外側板513の上端部から降下した高さを、水面降下Hとする。
以上説明したように、内側に位置する槽の下部と、その外側に位置する槽の上部との間は、水によって密封(水封)されるので、ガス槽4の各槽間でのガス漏れは防止され、ガスGの貯蔵が可能となる。尚、上記においては、第1ガス槽41のカップ51と第2ガス槽42のデップ52を例に挙げて説明したが、ガス槽4の他の槽間の係合(水圧シール50)も同様の構成によってなされる。
<2.有水式ガスホルダ1の動作>
次に、図3を参照して、内部にガスGが供給された場合の有水式ガスホルダ1の動作について説明する。図3は、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1にガスGが供給されたときの動作を示す断面図である。
図3に示すように、第1ガス槽41〜第4ガス槽44は、内部のガス圧により昇降する。具体的には、ガスGが内部にない場合、ガス槽4の全ての槽は、水槽2の水21に着水(入水)しうる。そして、ガスGがガス入管22を介して供給されると、まず第1ガス槽41は、ガスGのガス圧によって、ガイドローラ46を介して第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上昇を始める。そして、第1ガス槽41の下部(カップ51)は、第2ガス槽42の上部(デップ52)と係合され(図3の(a))、第2ガス槽42は、ガイドローラ46を介して第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上方に牽引される(図3の(b))。更に、ガスGが供給されると、第1ガス槽41と第2ガス槽42とは更に上昇し、第2ガス槽42の下部は、第3ガス槽43の上部と係合される。そして、第3ガス槽43は、ガイドローラ46を介して第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上方に牽引される(図3の(c))。同様に、第4ガス槽44の上部も、第3ガス槽43の下部と係合し、ガイドローラ46を介して第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上方に牽引される。
尚、ガス槽4の各槽間は、上記の水圧シール50によってシールされるため、有水式ガスホルダ1は、水21と、第1ガス槽41の上蓋と、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の側板と、各槽間の水圧シール50と、によって内部を密封される。
また、ガスGをガス出管23を介して排出すると、上記とは逆に、第4ガス槽44が完全に入水した後、第3ガス槽43、第2ガス槽42、第1ガス槽41と順次に入水する。
このような有水式ガスホルダ1においては、水圧シール50によって水封するため、ガス槽4の各槽の傾きの管理(傾向管理)が非常に重要である。つまり、図2において、例えば、第1ガス槽41が傾いた場合、水面F0、F1、F2は、常に水平であるため、傾いた下方に位置するカップ51から水21が漏れ、上方に位置するカップ51には十分な水21が保持されない。よって、図2の(a)における水面F1、F2は、高さの差を維持しつつ、下降する。その後、ガスGが、第1ガス槽41のカップ51と第2ガス槽42のデップ52との間に入り込み、水面F2は、更に降下し、水面F1は、上昇する。この際、傾いた上方に位置するカップ51に水21が十分に保持されていない場合、水面F2の水面降下Hは、外側板513の上端から内側板521の下端までの距離L以上となり、ガスGは、内側板521の下端から漏れ、外部へと漏れてしまう。このようにガスGが外部に漏れることを防ぐために、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1は、傾斜測定装置10を備えることによりガス槽4の各槽の傾斜を測定する。
<3.有水式ガスホルダ1の傾斜測定装置10の構成>
以下では、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1の傾斜測定装置10の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る有水式ガスホルダ1の傾斜測定装置10の構成を示す概略図である。図5は、本実施形態に係る傾斜測定装置10が備えるセンサ11の一例を示す概略図である。
図4は、説明の便宜上、上記有水式ガスホルダ1の構成を省略して模式的に図示している。図4において、最外周に位置する円筒は、第1基柱3A〜第8基柱3Hが配置された水槽2の外周部を表す。つまり、第1基柱3A〜第8基柱3Hは、この円筒上に配置されている。また、当該円筒の内部に位置する略円筒状のものは、第1ガス槽41〜第4ガス槽44のうちいずれかの槽を表す。ここでは、第1ガス槽41の傾斜測定について説明する。但し、第2ガス槽42〜第4ガス槽44の傾斜を測定する場合も同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
本実施形態に係る傾斜測定装置10は、図4及び図5に示すように、複数のセンサ11A〜11Eと、ガス槽4のアーム45の先端のガイドローラ46の近傍に備えられたターゲット12と、各センサ11に接続された傾斜算出装置13と、傾斜測定結果を表示する表示装置14と、を含む。
傾斜測定装置10は、以下に説明するように、ガス槽4の傾斜を測定することができる。傾斜測定装置10は、ガス槽4の傾斜を、常時計測するのではなく、ガス槽4が上昇している際に測定する。尚、ガス槽4が傾斜する原因としては、様々な理由が考えられるが、一般的には、ガス槽4の傾斜と第1基柱3A〜第8基柱3Hの傾きとが密接に関連している場合が多い。つまり、第1基柱3A〜第8基柱3Hのいずれかの基柱が傾けばガス槽4は傾斜し、何らかの要因でガス槽4が傾斜すれば、第1基柱3A〜第8基柱3Hも傾きうる。この第1基柱3A〜第8基柱3Hの傾きは、一般的には、経年的に変化するものである。従って、ガス槽4の傾向管理を行う上では、常時計測を行うことよりも、長期の傾斜測定を通じて、ガス槽4の傾きの変化を計測する必要がある。よって、この傾斜測定装置10は、常時計測を行わないが、適切にガス槽4の傾向管理を行うことができる。
複数のセンサ11は、少なくとも4つのセンサによって構成されるが、以下では、例えば、5つのセンサによって構成されるとして説明する。この5つのセンサを以下では、第1センサ11A〜第5センサ11Eとする。但し、第1センサ11A〜第5センサ11Eを総称してセンサ11という場合もある。
5つのセンサ11が、4本の基柱に配置される。即ち、第1基柱3Aには、2つのセンサ11(第1センサ11A、第2センサ11B)が配置され、第2基柱3B〜第4基柱3Dには、それぞれ1つのセンサ11(第3センサ11C〜第5センサ11E)が配置される。図4において、A〜E点は、それぞれ、第1基柱3A〜第4基柱3Dにおけるセンサ11の設置位置を表す。即ち、第1基柱3Aには、A点及びB点のそれぞれにセンサ11(第1センサ11A、第2センサ11B)が設置され、他の第2基柱3B〜第4基柱3Dの各点(C点、D点、E点)に、センサ11(第3センサ11C〜第5センサ11E)が配置される。即ち、センサ11が4つのセンサで構成される場合、2つのセンサ11が1本の基柱に配置され、他の2つのセンサ11が、他の基柱にそれぞれ1つずつ配置される。尚、図4では、第1基柱3A〜第4基柱3Dは、図示せず省略している。
第2センサ11B〜第5センサ11Eは、同一の高さに設置される。この高さを第2レベル(第2高さ)という。第1センサ11Aのみが、第2レベルより下方の第1レベル(第1高さ)に設置される。よって、第1センサ11Aは、下部センサに該当し、第2センサ11B〜第5センサ11Eは、上部センサに該当する。この第1レベルと第2レベルの高さの差を、ここでは、高低差H12とする。この高低差H12は、第1高低差に該当する。
また、5つ以上のセンサ11が配置される場合、追加されるセンサ11は、第2レベルの別の基柱に追加される。即ち、各基柱は、一本だけ2つのセンサ11が設置され(第1基柱3A)、他の基柱3には、センサ11が1つだけ設置される(第2基柱3B〜第4基柱3D等)。また、センサ11が設置される基柱は、一定の間隔で選択されてもよい。つまり、偶数本の基柱にセンサ11を設置する場合(奇数個のセンサ11が設置される場合)、2本の基柱は、互いにガス槽4及び水槽2の中心軸を挟んで対象に選択されうる。本実施形態では、5つのセンサ11が設置されるので、4本のセンサ11は、中心軸を中心とした略正方形上に配置されうる。このように、第2レベルの各センサ11を略一定の間隔(同一間隔)の基柱にそれぞれ設置することにより、より正確な傾斜を算出することができる。
センサ11は、第1センサ11Aを例に取り説明すると、図5に示すように、第1基柱3Aの一面に配置される。この一面にガイドレール31が設けられる場合、センサ11は、ガイドレール31の側方に設けられる。
上記のように配置された第1センサ11Aは、第1ガス槽41の通過を検知する。本実施形態において第1センサ11Aは、具体的には、第1ガス槽41に取り付けられたターゲット12の通過を検知することにより、第1ガス槽41の通過を検地する。そして、第1センサ11Aは、第1ガス槽41の通過を検知した場合、所定の信号を傾斜算出装置13に出力する。
ターゲット12は、被検知体の一例であり、センサ11に通過が感知される対象であって、第1基柱3A〜第4基柱3Dを上下するガイドローラ46の付近において、アーム45の先端に配置される。ターゲット12は、例えば、第1センサ11A及び第2センサ11Bが配置された第1基柱3Aに対応したアーム45に配置される第1ターゲット12A(第1被検査体)と、第3センサ11Cが配置された第2基柱3Bに対応したアーム45に配置される第2ターゲット12B(第2被検査体)と、第4センサ11Dが配置された第3基柱3Cに対応したアーム45に配置される第3ターゲット12C(第3被検査体)と、第5センサ11Eが配置された第4基柱3Dに対応したアーム45に配置される第4ターゲット12D(第4被検査体)と、を含む。この第1ターゲット12A〜第4ターゲット12Dは、取り付けられた槽に対して同一の高さに配置される。
ターゲット12が第1ガス槽41のアーム45にのみ配置された場合、傾斜測定装置10は、第1ガス槽41のみの傾斜を測定する。しかし、ターゲット12は、他の槽に配置されてもよく、この場合、ターゲット12が設置された全ての槽の傾斜を測定することが可能となる。また、全ての第2ガス槽42〜第4ガス槽44のアーム45(センサ11が取り付けられた基柱3に対応するアーム45)に、ターゲット12が配置された場合、第1レベルと第2レベルの設定の仕方によって、第2ガス槽42〜第4ガス槽44の何れを測定するかを選択することも可能である。
センサ11は、一般に使用される如何なるセンサであってもよい。また、ターゲット12は、当該センサ11に対応して如何なるターゲットであってもい。以下では、センサ11は、例えば、機械式センサであるとする。このセンサ11は、ターゲット12と略直角かつ略水平方向に突設され、上下方向に回動可能な検知棒111を有する。この場合、図5に示すように、ターゲット12は、例えば、ガイドローラ46の軸47と略直角かつ略水平方向に突設された棒で構成されてもよい。
この場合、ガイドローラ46がセンサ11近傍を通過すると、ターゲット12の固定された棒が、センサ11の回動可能な検知棒111に接触し、この検知棒111を回動させる。センサ11は、この検知棒111の回動を検知し、ガイドローラ46、即ちガス槽4の上端部が通過したとし、所定の信号を傾斜算出装置13に出力する。
しかし、本発明はかかる例に限定されるものではなく、センサ11は、例えば、他の機械式センサ11、非接触式センサ、圧力センサ等であってもよい。また、圧力センサ等の場合、ターゲット12は必ずしも必要ではなく、センサ11は、ガイドレール31上に設けられ、ガイドレール31とガイドローラ46との間の圧力を検知することで、ガイドローラ46の通過を検知してもよい。この場合、ガイドローラ46が被検知体となる。
そして、センサ11は、例えば、光学式センサであってもよい。この場合、ターゲット12は、反射板で構成されてもよく、センサ11が配置され、ターゲット12が通過する経路にカバーを備えてもよい。このようにカバーを設けることにより、光学式センサ等の正確な作動を妨げる反射板の汚れを防ぐことができ、また、内部に光が入らないようにカバーを形成することにより、夜間だけでなく昼間でも正常にセンサ11を作動させることができる。
このようにセンサ11及びターゲット12を構成、配置することにより、傾斜測定装置10は、汚れや天候、時間帯等の外的要因に左右されずに傾斜の測定を行うことができる。
傾斜算出装置13は、傾斜算出手段の一例であって、CPU131と、記憶装置と、入力ポート134と、出力ポート135と、タイマー136と、を含む。CPU131は、マイクロプロセッサユニット及びその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、記憶装置は、例えば、ハードディスク等の磁気記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置、又はROM(Read Only Momory)やRAM(Radom Access Memory)等の半導体メモリ等であってもよい。以下では、記憶装置は、例えば、傾斜測定装置10の動作に必要なプログラムや各種のデータを記憶するROM132と、CPU131の作業領域として機能するRAM133等を組み合わせて構成されるとする。入力ポート134は、ガイドローラ46の通過による各センサ11からの所定の信号と、タイマー136からの計測時間又は経過時間等の入力を受ける。出力ポート135は、タイマー136へのタイマースタート信号及びタイマーストップ信号を出力すると共に、傾斜の演算結果を表示装置14に出力する。
タイマー136は、複数の時間計測を行い、センサ11が備えられた基柱3の本数に対応して複数のタイマーで構成されてもよく、1つのタイマーで構成されてもよい。1つのタイマーで構成される場合、タイマー136は、経過時間を常に出力し、この経過時間とCPU131とRAM133等とによって、擬似的に複数の時間を算出してもよい。以下では、タイマー136は、例えば、センサ11が備えられた基柱の本数と同様に、4つ備えるものとする。以下では、4つのタイマー136をそれぞれ、タイマーB〜タイマーEとする。
表示装置14は、出力装置の一例であって、傾斜の演算結果の入力を受けて、この傾斜を表示する。但し、出力装置等は、例えば、音声出力装置等であってもよく、警告音等を発生させてもよい。
以上、本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダ1の傾斜測定装置10の構成について、第1ガス槽41の傾斜を測定する場合を例に取り詳しく説明した。しかし、第2ガス槽42〜第4ガス槽44の傾斜を測定する場合も同様の構成で行われる。即ち、この場合、傾斜測定する対象の第1ガス槽41〜第4ガス槽44のそれぞれに、上記ターゲット12が連結される。尚、これらの詳しい説明は、上記同様であるため省略する。
<4.傾斜測定装置10の動作>
次に、図6〜図8を参照して、この傾斜測定装置10の動作について、上記同様、第1ガス槽41を例に挙げて説明する。図6は、本実施形態に係る傾斜測定装置10の第2レベルに備えられたセンサ11の動作を示す説明図である。図7は、本実施形態に係る傾斜測定装置10の動作を示すフローチャートである。図8は、本実施形態に係る傾斜測定装置10の動作を示す断面図である。
第1ガス槽41は、有水式ガスホルダ1にガス入管22を介してガスGが供給されると、ガイドローラ46及びアーム45を介して、第1基柱3A〜第8基柱3Hに沿って上昇する。よって、アーム45に接続されたターゲット12は、各センサ11の近傍を通過し、各センサ11は、ガイドローラ46の通過を感知することにより、第1ガス槽41の通過を検知する。尚、上述のように、第1基柱3A〜第4基柱3Dに対応してそれぞれ設けられたターゲット12を、第1ターゲット12A(第1被検知体)〜第4ターゲット12D(第4被検知体)とする。この第1ターゲット12A〜第4ターゲット12Dの位置関係を、模式的に図6に示す。
より詳細に説明すれば、まず、第1ガス槽41の上部は、第1レベルを通過し、第1センサ11Aが第1ターゲット12Aの通過を検知し(S10、第1検知ステップ)、所定の信号を出力する。傾斜算出装置13は、第1センサ11Aからの信号の入力を受けると全てのタイマーB〜Eを作動させる(S20)。
更に第1ガス槽41は上昇し、第2レベル近傍を通過する際に、第2センサ11B〜第5センサ11Eは、それぞれ対応した第1ターゲット12A〜第4ターゲット12Dの通過を検知し(S31〜S34、第2〜4検知ステップ)、所定の信号を出力する。傾斜算出装置13は、第2センサ11B〜第5センサ11Eのそれぞれからの信号の入力を受けた場合、各センサ11に対応したタイマーB〜Eをストップさせる(S41〜S44)。
つまり、傾斜算出装置13は、第2センサ11Bが第1ターゲット12Aの通過を検知すると(S31、第2検知ステップ)、タイマーBをストップし(S41)、第3センサ11Cが第2ターゲット12Bの通過を検知すると(S32、第3検知ステップ)、タイマーCをストップし(S42)、第4センサ11Dが第3ターゲット12Cの通過を検知すると(S33、第4検知ステップ)、タイマーDをストップし(S43)、第5センサ11Eが第4ターゲット12Dの通過を検知すると(S34、第5検知ステップ)、タイマーEをストップする(S44)。
そして、傾斜算出装置13は、各タイマーB〜Eの経過時間を測定又は算出し、タイマーBの経過時間をtとし(S51)、タイマーCの経過時間をtとし(S52)、タイマーDの経過時間をtとし(S53)、タイマーEの経過時間をtとする(S54)。
ここで、第1ガス槽41が傾いていない場合は、全てのタイマーB〜Eが同時にストップされるが、第1ガス槽41が傾いている場合は、第1ターゲット12A〜第4ターゲット12Dの相対的な高さが変化されるので、各タイマーB〜Eは同時にストップされず、測定時間に時間差が生じる。
傾斜算出装置13は、t〜tを測定すると、以下のような処理を行う。まず、傾斜算出装置13は、第1レベルと第2レベルとの高低差H12と、t(第1センサの検知タイミングと第2センサの検知タイミングとの時間差)とから、第1ガス槽41の上昇速度Vを算出(V=H12/t)する(S61)。
そして、傾斜算出装置13は、図6に示すように、第1ターゲット12Aが点Bを通過した時間を基準時間0として、基準時間0から第2ターゲット12B〜第4ターゲット12Dがそれぞれ点C〜点Eを通過するまでの時間Δt〜Δtを算出する。この時間Δt〜Δtは、具体的には、Δt=t−t(S62)、Δt=t−t(S63)、Δt=t−t(S64)によって算出される。
更に、傾斜算出装置13は、この時間Δt〜Δtと上昇速度Vとから、第1ターゲット12Aの高さを基準高さ0とした際の、基準高さ0に対する第2ターゲット12B〜第4ターゲット12Dそれぞれの高低差ΔH〜ΔHを算出する。この高低差ΔH〜ΔHは、具体的には、ΔH=V・Δt(S72)、ΔH=V・Δt(S73)、ΔH=V・Δt(S74)によって算出される。尚、ΔHは、第2高低差に該当し、ΔHは、第3高低差に該当し、ΔHは、第4高低差に該当する。
そして、傾斜算出装置13は、予め記憶された点B〜Eの各点間の直線距離LBC、LCD、LDE、LEB、LBD、LCE等と、高低差ΔH〜ΔH等と、から三平方の定理等を利用して、第1ガス槽41の傾斜を算出する(例えば、傾斜角度=tan−1(ΔH/LBD)等)(S80)。傾斜算出装置13は、第1ガス槽41の傾斜を表示装置14に出力する。
但し、第1ガス槽41の傾斜は、必ずしも角度によって算出される必要はない。即ち、例えば、この傾斜は、高低差ΔH〜ΔH等にも反映されるため、傾斜算出装置13は、この高低差ΔH〜ΔH等を傾斜として出力してもよい。更に傾斜算出装置13は、予め記憶された第1センサ11A〜第2センサ11Bの位置情報から傾斜の方向を算出し、第1ガス槽41の最大傾斜角度及び/又は最大高低差を算出して傾斜として出力してもよい。尚、S51〜S80までのステップが、傾斜算出ステップに該当する。
表示装置14は、算出された第1ガス槽41の傾斜を表示する。但し、この場合、傾斜算出装置13は、所定の閾値を予め記憶し、第1ガス槽41の傾斜が閾値を超えた場合に所定の信号を出力し、表示装置14に表示させてもよい。また、音声出力装置を備える場合、ガス槽4の傾斜が所定の閾値を超えた場合に、警告音等を発してもよい。
以上、傾斜測定装置10によるガス槽4の傾斜測定動作について、第1ガス槽41を例にとり、説明した。このような傾斜測定装置10によって傾斜が測定されるガス槽4は、上記で説明した有水式ガスホルダ1の場合、第1ガス槽41〜第4ガス槽44のいずれであってもよい。第2ガス槽42〜第4ガス槽44のいずれかの傾向測定も上記同様であるため、ここでの説明は省略する。
傾斜測定装置10は、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の中でも、第1ガス槽41の傾斜を測定することにより、不具合を早期に発見することができる。また、傾斜測定装置10は、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全ての傾斜を測定してもよい。この場合について、図8を参照して説明する。但し、説明の便宜上、既に説明した構成等は図示しておらず、図8の水槽2に貯蔵された水の上面は、簡略して記述している。よって、図8に記載の傾斜測定装置10は、上記全ての構成を備え、水槽2の水面の高さは適宜変更されうる。
第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全ての傾斜を測定する場合、第1ガス槽41〜第4ガス槽44に備えられたガイドアーム45のうち、センサ11が設置された基柱(ここでは、第1基柱3A〜第4基柱3D)に対応した全てのガイドアーム45に、ターゲット12が設置される。
この場合、第1センサ11A〜第5センサ11Eは、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全てが降下しきった際の全てのターゲット12の位置よりも高く、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の全てが上昇しきった際の全てのターゲット12の位置よりも低い位置に配置される。このように第1センサ11Aが設置される第1レベルと、第2センサ11B〜第5センサ11Eが設置される第2レベルとが、低く設定されことにより、全てのガス槽4の傾斜を測定することが可能となる。また、第1レベルと第2レベルとの間の距離H12は、第1ガス槽41〜第4ガス槽44の高さよりも狭く設定されることにより、ガス槽4の1つの槽の傾斜算出が完了する前に、次の槽の通過によってタイマー136が作動される誤作動を防止することができる。
しかし、本発明はかかる例に限定されず、第1レベルと第2レベルとの高さを選択することにより、ガス槽4の槽のうち傾斜を測定する槽を選択することができる。例えば、第1ガス槽41及び第2ガス槽42しか通過しない高さに第1レベルと第2レベルとを設定すれば、第1ガス槽41及び第2ガス槽42のみの傾斜を測定することも可能である。
図8に示すように、ガスGが供給されると第1ガス槽41の各ターゲット12が、対応するセンサ11を通過し、傾斜測定装置10は、第1ガス槽41の傾斜を測定する(図8の(a))。更にガスGが供給されると第2ガス槽42は、第1ガス槽41と係合し牽引され上昇する。その際、第2ガス槽42の各ターゲット12は、対応するセンサ11を通過する。よって、傾斜測定装置10は、第2ガス槽42の傾斜を測定する(図8の(b))。更にガスGが供給されると第3ガス槽43は、第2ガス槽42と係合し牽引され上昇する。その際、第3ガス槽43の各ターゲット12は、対応するセンサ11を通過する。よって、傾斜測定装置10は、第3ガス槽43の傾斜を測定する。最後に、更にガスGが供給されると第4ガス槽44は、第3ガス槽43と係合し牽引され上昇する。その際、第4ガス槽44の各ターゲット12は、対応するセンサ11を通過する(図8の(c))。よって、傾斜測定装置10は、第4ガス槽44の傾斜を測定する。このように傾斜測定装置10は、各ガス槽4の傾斜を測定することが可能である。
尚、第1レベルと第2レベルとの間の距離H12は、例えば、約1m程度に設定される。また、ガス槽4の各槽の上昇速度Vは、例えば、約2.5cm/secである。また、ガス槽4のいずれかの槽の傾斜による水面降下H(水面F2の外側板513の上端からの降下の高さ)の許容値は、距離L(図2の(b)参照)に依存するが、例えば、約150mm程度である。この許容値は、高低差ΔH等に対応する。
この場合、ガス槽4の傾斜した槽のガイドローラ46がA点(第1センサ11A)を通過してからB点(第2センサ11B)を通過するまでの時間は、約40secとなる。また、B点とE点(第5センサ11E)との間の高低差(|ΔH|)が許容値の約150mmに達する場合、その時間Δtは、約6sec程度となる。
一方、一般的なセンサ11の反応速度は、数十〜数百μsecであり、約6sec、約40secより遥かに短いので、測定誤差を考慮に入れても、十分に傾向管理が可能である。
傾斜測定装置10は、更に、ガス圧計(図示せず)と、ガス槽特定装置(図示せず)と、を備えてもよい。ガス圧計は、ガス入管22又は第1ガス槽41等に配置され、有水式ガスホルダ1の内部のガスGの圧力を測定し(ガス圧測定ステップ)、ガス槽特定装置にガス圧を出力する。そして、ガス槽特定装置は、ガス槽特定手段の一例であって、ガス圧の入力を受けると、第1ガス槽41〜第4ガス槽44のどの槽が上昇しているかを特定する。このガス槽特定装置は、上記傾斜算出装置13と同様の構成で構成されうる。この場合、入力ポート134は、上記ガス圧計が測定したガス圧Gの入力を受ける。
かかるガス圧計及びガス槽特定装置を備えることにいよって、傾斜測定装置10は、各センサ11を通過した槽が第1ガス槽41〜第4ガス槽44のどの槽であるかを特定することができる。すなわち、ガス槽4の各槽は、その内側に位置する槽に牽引される。よって、例えば、第1ガス槽41だけが上昇している場合、第1ガス槽41の重量に対応したガス圧が供給されるガスGやガス槽4の内部のガスGに印加されることになる。しかし、何らかの不具合より第1ガス槽41と第2ガス槽42とが固着し、第1ガス槽41が上昇して第2ガス槽42と係合する前に、両槽が同時に上昇を始めた場合、ガス圧は、両ガス槽の重量の和に対応した値となる。
よって、傾斜測定装置10は、ガス圧計及びガス槽特定装置により、ガス槽4のうちどの槽が上昇しているかを測定することができる。更に上記のような不具合の場合、カップ51とデップ52とが係合しないため、水圧シール50は、適切に形成されずガスGを密封することができず、ガスGは、外部へと漏れ出る恐れがある。この際、ガス圧計及びガス槽特定装置を備えた傾斜測定装置10は、早期に当該不具合を検出することができる。
なお、上記のような不具合や、ガス槽4の槽の傾斜が許容値を超える不具合が発生した場合、ガスGの供給を中止し、ガスGを全て排出し、ガス槽4の全ての槽を着水させ、基柱3やガス槽4等の不具合を発見し、修理等の処置を行うこととなる。
<5.傾斜測定装置10の効果>
以上、本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダ1の傾斜測定装置10の構成及び動作について詳しく説明した。上記傾斜測定装置10によれば、外部の粉塵等による汚れの影響を受けることなく、安定的にガス槽4の傾斜を測定することができると共に、高価な光波距離計等を用いることなく、安価かつ簡易な測定装置を用いることができるので、製造コストを削減することができる。
更に、光学式センサを使用しても、センサの光路が水平方向になるように配置できる。このため、汚れや天候や時間帯に左右されずに傾斜を測定することができるため、ガス槽4の稼動時には常時測定することができると共に、装置の不具合を低減でき信頼性を向上することができる。更に、光学式センサにカバーを設ければ、この効果がより向上する。
また、ガス槽4の槽の全ての傾斜を別々に測定することが可能で、結果として全ての水圧シール50の密封状態を監視することができるため、安全性を向上させることができる。また、ガス槽4の槽の全てが傾斜している場合は、基柱に不具合がある可能性が高く、特定の槽が傾斜している場合は、特定の槽の構造等に不具合がある可能性が高いので、不具合を特定することができる。
ガス圧計を用いることによっても、ガス槽4の槽毎の傾向管理による信頼性を更に向上することができ、かつ、不具合の特定を更に正確に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、ガス槽4及び水槽2は、円筒型に形成されたが本発明はかかる例に限定されず、ガス槽4及び水槽2は、例えば、楕円、四角柱の筒型等の任意の形状に形成されてもよい。
また、上記実施形態では、第1レベルは第2レベルの下方に設定され、第1センサ11Aのみが他のセンサ11よりも低い位置に設置されたが、本発明はかかる例に限定されず、例えば、第1レベルは第2レベルの上方に設定され、第1センサ11Aのみが他のセンサ11よりも高い位置に配置されれもよい。このように配置することにより、傾斜測定装置10は、ガス槽4の各槽が降下中にその傾斜を測定してもよい。尚、この測定方法は、ガス槽4の各槽の動きのみが逆で、他の動作は略同一であるため、詳しい説明は省略する。
また、ガス槽4の槽の個数、基柱の本数、センサ11の数等は、上述の通り適宜変更可能である。ガス槽4の槽の個数を増やせば、内部に貯蔵するガスGの量を増やすことができ、基柱3の本数を増やせば、ガス槽4をより正確にガイドすることができ、センサ11の個数を増やせば、ガス槽4のより詳細な傾斜を測定することができる。尚、上述の通り、センサ11の個数を増やす場合、第2レベルに配置されるセンサ11の個数を増やしてもよい。
更に、上記実施形態では、ターゲット12は、アーム45の先端に配置されるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、センサ11によってガス槽4の側面の通過を検知できる如何なる構成であってもよい。例えば、センサ11として上記のような機械式センサを使用する場合、ターゲット12は、ガス槽4の側面上方より水平方向に延設された被検知棒であってもよい。また、光学式センサを使用する場合、ターゲット12は、ガス槽4の側面に配置された反射板であってもよい。この場合においても、反射板はガス槽4の側面に配置され、光学式センサの光路は水平方向に設定されるため、反射板等が粉塵等によって汚染され、誤差が生じる可能性は低減される。
そして、上記実施形態では、各センサ11の経過時間t〜tの差から各ターゲット12(第1被検知体〜第4被検知体)間の高低差を算出した後にガス槽4の槽の傾斜を算出するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、傾斜算出装置13は、各センサ11の経過時間t〜t等及び他の情報に基づいて、予め格納されたプログラム等により多用な演算方法を使用して、ガス槽4の傾斜を算出可能であることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態に係る有水式ガスホルダの全体構成を示す断面図である。 同実施形態に係る有水式ガスホルダの全体構成を示す平面図である。 同実施形態に係る有水式ガスホルダが備える水圧シールを示す断面図である。 同実施形態に係る有水式ガスホルダにガスGが供給されたときの動作を示す断面図である。 同実施形態に係る有水式ガスホルダの傾斜測定装置の構成を示す概略図である。 同実施形態に係る傾斜測定装置が備えるセンサの一例を示す概略図である。 同実施形態に係る傾斜測定装置の第2レベルに備えられたセンサの動作を示す説明図である。 同実施形態に係る傾斜測定装置の動作を示すフローチャートである。 同実施形態に係る傾斜測定装置の動作を示す断面図である。
符号の説明
1 有水式ガスホルダ
2 水槽
3A〜3H 第1基柱〜第8基柱
4 ガス槽
10 傾斜測定装置
11 センサ
11A〜11E 第1センサ〜第5センサ
12 ターゲット(被検知体)
12A〜12D 第1〜第4ターゲット(第1〜第4被検知体)
13 傾斜算出装置
14 表示装置
21 水
22 ガス入管
23 ガス出管
31 ガイドレール
41〜44 第1ガス槽〜第4ガス槽
45 アーム
46 ガイドローラ
50 水圧シール
51 カップ
52 デップ
111 検知棒
131 CPU
132 ROM
133 RAM
134 入力ポート
135 出力ポート
136 タイマー
511 内側板
512 カップ底
513 外側板
521 内側板
522 デップ蓋
523 外側板
524 突出板

Claims (8)

  1. 水を貯留する水槽と、前記水槽の周囲に立設された第1、第2及び第3基柱と、前記水槽内に前記第1、第2及び第3基柱に沿って昇降自在に設けられたガス槽と、を備える有水式ガスホルダにおいて、前記ガス槽の傾斜を測定する傾斜測定装置であって、
    前記第1、第2及び第3基柱に対応してそれぞれ設けられ、前記ガス槽に対して同一の相対高さで連結された第1、第2及び第3被検知体と、
    前記第1基柱の第1高さに配置され、前記第1被検知体の通過を検知する第1センサと、
    前記第1基柱の前記第1高さと異なる第2高さに配置され、前記第1被検知体の通過を検知する第2センサと、
    前記第2基柱の前記第2高さに配置され、前記第2被検知体の通過を検知する第3センサと、
    前記第3基柱の前記第2高さに配置され、前記第3被検知体の通過を検知する第4センサと、
    前記ガス槽が前記第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、前記第1センサによる検知タイミングと前記第2センサによる検知タイミングとの時間差と、前記第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて前記ガス槽の傾斜を算出する傾斜算出手段と、
    を含むことを特徴とする、有水式ガスホルダの傾斜測定装置。
  2. 前記傾斜算出手段は、
    前記第1センサによる検知タイミングと前記第2センサによる検知タイミングとの前記時間差と、前記第1高さと前記第2高さとの間の第1高低差と、に基づいて前記ガス槽の上昇速度又は下降速度を算出し、
    前記上昇速度又は前記下降速度と、前記第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて、前記第2被検知体と前記第3被検知体との間の第2高低差と、前記第2被検知体と前記第3被検知体との間の第3高低差と、を算出し、
    前記第2及び第3高低差に基づいて前記ガス槽の傾斜を算出することを特徴とする、請求項1に記載の有水式ガスホルダの傾斜測定装置。
  3. 前記ガス槽は、前記第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、
    前記複数のガス槽のそれぞれに、前記第1、第2及び第3被検知体が連結され、
    前記第1、第2、第3及び第4センサは、
    前記複数のガス槽の全てが降下した際に最上方に位置するガス槽に連結された前記第1、第2及び第3被検知体の高さよりも高く、かつ、
    前記複数のガス槽の全てが上昇した際に最下方に位置するガス槽に連結された前記第1、第2及び第3被検知体の高さよりも低い位置に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有水式ガスホルダの傾斜測定装置。
  4. 前記ガス槽は、前記第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、
    前記傾斜測定装置は、
    前記ガス槽内部のガス圧を計測するガス圧計と、
    前記ガス圧に基づいて、前記複数のガス槽のうち上昇又は下降しているガス槽を特定するガス槽特定手段と、
    を更に備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有水式ガスホルダの傾斜測定装置。
  5. 水を貯留する水槽と、前記水槽の周囲に立設された第1、第2及び第3基柱と、前記水槽内に前記第1、第2及び第3基柱に沿って昇降自在に設けられたガス槽と、を備える有水式ガスホルダにおいて、前記ガス槽の傾斜を測定する傾斜測定方法であって、
    前記ガス槽に対して同一の相対高さで連結された第1、第2及び第3被検知体を、前記第1、第2及び第3基柱に対応してそれぞれ設けておき、
    前記ガス槽が前記第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、
    前記第1基柱の第1高さに配置された第1センサにより、前記第1被検知体の通過を検知し、
    前記第1基柱の前記第1高さと異なる第2高さに配置された第2センサにより、前記第1被検知体の通過を検知し、
    前記第2基柱の前記第2高さに配置された第3センサにより、前記第2被検知体の通過を検知し、
    前記第3基柱の前記第2高さに配置された第4センサにより、前記第3被検知体の通過を検知し、
    前記第1センサによる検知タイミングと前記第2センサによる検知タイミングとの時間差と、前記第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて前記ガス槽の傾斜を算出することを特徴とする、有水式ガスホルダの傾斜測定方法。
  6. 前記ガス槽の傾斜を算出するときには、
    前記第1センサによる検知タイミングと前記第2センサによる検知タイミングとの前記時間差と、前記第1高さと前記第2高さとの間の第1高低差と、に基づいて前記ガス槽の上昇速度又は下降速度を算出し、
    前記上昇速度又は前記下降速度と、前記第2、第3及び第4センサによる検知タイミングと、に基づいて、前記第2被検知体と前記第3被検知体との間の第2高低差と、前記第2被検知体と前記第3被検知体との間の第3高低差と、を算出し、
    前記第2及び第3高低差に基づいて前記ガス槽の傾斜を算出することを特徴とする、請求項5に記載の有水式ガスホルダの傾斜測定方法。
  7. 前記ガス槽は、前記第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、
    前記複数のガス槽のそれぞれに、前記第1、第2及び第3被検知体が連結され、
    前記第1、第2、第3及び第4センサは、
    前記複数のガス槽の全てが降下した際に最上方に位置するガス槽に連結された前記第1、第2及び第3被検知体の高さよりも高く、かつ、
    前記複数のガス槽の全てが上昇した際に最下方に位置するガス槽に連結された前記第1、第2及び第3被検知体の高さよりも低い位置に配置されることを特徴とする、請求項5又は6に記載の有水式ガスホルダの傾斜測定方法。
  8. 前記ガス槽は、前記第1、第2及び第3基柱に沿ってそれぞれ昇降自在な複数のガス槽からなる多段式ガス槽であり、
    前記複数のガス槽のうち少なくとも1つが前記第1、第2及び第3基柱に沿って上昇又は下降するときに、
    前記ガス槽内部のガス圧を計測し、
    前記ガス圧に基づいて、前記複数のガス槽のうち上昇又は下降しているガス槽を特定することを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の有水式ガスホルダの傾斜測定方法。
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