JP6162015B2 - 乗物用シートのシートフレーム - Google Patents
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Description
このような問題に鑑み本発明の課題は、レーザー溶接する際の接合面の平坦度を高めることにより、大きなクランプ力なしでレーザー溶接を可能とすることにある。
第1発明によれば、レーザー溶接の接合面の被溶接部に対応して突部が形成されているため、レーザー溶接のためのクランプ力を大きくしなくても、突部がない場合に比べて単位面積当りの接合面の面圧を高く維持することができ、クランプを行うとしても簡単なもので良く、生産性良くレーザー溶接を行うことができる。また、レーザー溶接するために必要な平坦面を限定された突部にのみ形成すれば良いため、レーザー溶接に適した平坦面を容易に形成することができ、面圧を高めることなくレーザー溶接可能な接合面を形成することができる。
第2発明によれば、突部の周囲の一般面からの突出量を、アーク溶接が可能な最大溶接面隙間より小さくしたため、突部の周辺でレーザー溶接に代えてアーク溶接を用いて溶接を行うことができる。そのため、レーザー溶接の設備は無いが、アーク溶接の設備はある工場においても全く同じ部品を用いてシートフレームを製造することができる。
第3発明によれば、サイドフレームの前後のフランジ部によって、レーザー溶接の被溶接部における溶接面が互いに離間するのを抑制するように挟まれているため、レーザー溶接のためのクランプなしでも、溶接面同士の隙間をレーザー溶接が可能な程度に抑制することができる。
シート1は、シートクッション3とシートバック2とが組み合わせて成り、シートバック2を成すバックフレーム(本発明におけるシートフレームに相当)は、左右のサイドフレーム10とアッパフレーム20とロアフレーム60とが枠状に組み合わされて構成されている。各サイドフレーム10は、プレス成形された鉄板から成り、平面の殆どが前後方向に沿うように設けられ、鉄板の前後に前側及び後側フランジ部11、12が互いに対向するサイドフレーム10に向かって形成されている。
ロアフレーム60は、プレス成形された鉄板から成り、平面の殆どが上下方向に沿うように設けられ、その左右両端部が左右のサイドフレーム10の後側フランジ部12に、その後側から接合してアーク溶接されている。
アッパフレーム20の中央部の左右両側には、ヘッドレスト(不図示)を支持するための筒状のヘッドレストホルダ40が固定されている。
左右のサイドフレーム10の前側フランジ部11との間で接合面を成すアッパフレーム20の左右の前側面24には、前側フランジ部11に向けて突出するように打出成形されて突部20aが形成されている。この場合、突部20aの打出形状は楕円形状とされ、楕円の大きさはレーザー溶接のC字形状の被溶接部50を含む大きさとされている(図5参照)。
左右のサイドフレーム10の後側フランジ部12との間で接合面を成すアッパフレーム20の後側の上側フランジ部21及び下側フランジ部22には、後側フランジ部12に向けて突出するように打出成形されて突部21a、22aが形成されている。この場合も突部20aと同様、各突部21a、22aの打出形状は楕円形状とされ、楕円の大きさはレーザー溶接のC字形状の被溶接部50を含む大きさとされている。
レーザー溶接は、左右のサイドフレーム10の前側フランジ部11の前側から突部20aに向けてレーザー光を当てて行われる。また、左右のサイドフレーム10の後側フランジ部12の後側から突部21a、22aに向けてレーザー光を当てて行われる。
更に、左右のサイドフレーム10の前後のフランジ部11、12によって、レーザー溶接の被溶接部50における溶接面が互いに離間するのを抑制するように挟まれているため、レーザー溶接のためのクランプなしでも、溶接面同士の隙間をレーザー溶接が可能な程度に抑制することができる。ここで、アッパフレーム20がサイドフレーム10の前後のフランジ部11、12間に圧入されるようにすれば、レーザー溶接の被溶接部50における溶接面の離間抑制効果を更に高めることができる。そのため、サイドフレーム10の前後のフランジ部11、12間へのアッパフレーム20の嵌合状態が、アッパフレーム20がサイドフレーム10に対して下方に行く程、前後のフランジ部11、12間で強く挟まれるように、各接合面が上下方向で傾斜する構造とされても良い。
更にまた、突部20a、21a、22aは、全てアッパフレーム20に形成されているため、突部20a、21a、22aを形成するための工程をアッパフレーム20の成形工程に集約することができ、生産性を高めることができる。勿論、突部20a、21a、22aは、その一部、又は全部を左右のサイドフレーム10に形成しても良い。
各突部20a、21a、22aに隣接する位置でアーク溶接が行われた場合には、図2、3に示されるように、それぞれの位置に溶接ビード51、52、53が形成される。
1.上記実施形態では、溶接の行われる個所を、バックフレームにおけるアッパフレームとサイドフレームとの接合個所としたが、バックフレームにおけるロアフレームとサイドフレームとの接合個所としても良い。また、シートクッションのクッションフレームにおける接合部品同士としても良い。
2.上記実施形態では、突部の打出形状をレーザー溶接のC字形状の溶接形状に合わせて楕円形状としたが、レーザー溶接の溶接形状に合わせて四角形等各種形状のものとすることができる。
3.上記実施形態では、本発明を自動車のシートに適用したが、飛行機、船、電車等に搭載のシートに適用しても良い。
2 シートバック
3 シートクッション
10 サイドフレーム
11 前側フランジ部
12 後側フランジ部
12a、12b 突部
20 アッパフレーム
20a 突部
21 上側フランジ部
21a 突部
22 下側フランジ部
22a 突部
23 横側フランジ部
24 前側面(一般面)
30 コンターマット
31 連結ロッド
32 係止リング
40 ヘッドレストホルダ
50 被溶接部
51、52、53 溶接ビード
60 ロアフレーム
Claims (3)
- バックフレームのアッパフレームとサイドフレームとをレーザー溶接によって組み立てて構成される乗物用シートのシートフレームであって、
前記アッパフレームは、前記サイドフレームの上部で、前記サイドフレームの前後のフランジ部によって挟まれて、互いに離間するのを抑制された状態で構成され、
前記サイドフレームの前側フランジ部と前記アッパフレームとの接合面、並びに前記サイドフレームの後側フランジ部と前記アッパフレームとの接合面は、それぞれ前記レーザー溶接の被溶接部とされており、
前記アッパフレーム及び前記サイドフレームのいずれか一方には、前記各接合面における前記レーザー溶接の被溶接部に対応する平坦面を持った突部が形成されていることを特徴とする乗物用シートのシートフレーム。 - 請求項1において、
前記突部は、前記平坦面が楕円形状に形成されていることを特徴とする乗物用シートのシートフレーム。 - 請求項1又は2において、
前記アッパフレームは、前方に凸で、後方に開いたハット型断面形状であり、上下の各後端部には上方へ延びる上側フランジ、及び下方へ延びる下側フランジがそれぞれ形成されており、
前記アッパフレームの凸形状の前側面が前記サイドフレームの前側フランジ部に固定されており、前記アッパフレームの上側フランジ及び下側フランジがそれぞれ前記サイドフレームの後側フランジ部に固定されており、
前記アッパフレームの凸形状の前側面の側端部には、前記サイドフレームの内側面に沿って後方へ曲げられて、その内側面に当接された横側フランジ部が形成されていることを特徴とする乗物用シートのシートフレーム。
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