JP6161724B2 - メタノールおよび酢酸メチルを生産するための統合方法 - Google Patents

メタノールおよび酢酸メチルを生産するための統合方法 Download PDF

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Description

本願発明は、合成ガスおよびジメチルエーテルから酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法に関する。
メタノールは主にホルムアルデヒド、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)および酢酸を生産するために使用され、より少量にてジメチルテレフタレート(DMT)、メチルメタクリレート(MMA)、クロロメタン、メチルアミン、グリコールメチルエーテル、および燃料の製造にまで用いられる。また、多くの一般的な溶剤や凍結防止剤の用途を有し、例えば、塗料剥離剤、車のフロントガラスの洗浄化合物、および天然ガスパイプライン用除氷剤の一成分となり得る。
酢酸メチルの主な用途には、接着剤、塗料、および幅広いコーティングおよびインク樹脂への適用における低毒性溶剤がある。酢酸メチルはまた無水酢酸の生産における供給原料としての用途が見出される。
メタノールは一酸化炭素、水素、および必要に応じて二酸化炭素を含有する合成ガスを、以下の式の反応全体に応じた適切な触媒上で、転換させることにより商業ベースで生産される:
Figure 0006161724
合成ガスからメタノールを合成するのに広く使用される触媒は、銅に基づくものである。
WO03/097523号公報では、メタノールと酢酸とを実質的に化学量論的条件下で生産するプラントおよび方法に関し、R比が2.0未満の未調整合成ガスを提供することが記載される。未調整合成ガスの全てまたは一部をセパレータユニットに供給し、CO、COおよび水素を回収する。回収したCO、COおよび水素のいずれか一つまたはその組み合わせの少なくとも一部分を、完全には処理されていない残りの合成ガスに添加させるか、そうでなければ残りの未調整合成ガスの不存在下で組み合わせることで、R比が2.0〜2.9に調整された合成ガスを生成し、これを使用してメタノールを生産する。未調整合成ガスのR比を調整するために使用されなかったCOを回収し、改質器に供給してCOの生産を増加させることができる。回収されたCOの少なくとも一部分を、生産されたメタノールの少なくとも一部分と、酢酸反応器において従来の方法で反応させて、酢酸または酢酸前駆体を生産させる。
酢酸メチルは、EP−A−0529868号公報に記載されるように統合方法で生産することができ、この方法ではメタノールと酢酸とをエステル化反応器中で反応させ、酢酸メチルは蒸留により回収すると共に水分は共沸蒸留により回収することにより酢酸メチルを生産し、メタノールと酢酸のエステル化反応器への供給を停止すること、生産工程が迅速に再開始できるように酢酸メチルと水分をエステル化反応器へ再循環することによって、この方法を「待機」様式で運転する。
酢酸メチルは、例えばWO2006/121778号公報に記載されるように、モルデナイトゼオライトなどのゼオライトカルボニル化触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素でカルボニル化することにより生産される。
ジメチルエーテルをカルボニル化することにより酢酸メチルを生産する方法は、また、例えばWO2008/132438号公報に記載されるように、一酸化炭素と水素の混合物を使用して実施される。WO2008/132438号公報によると、カルボニル化工程に使用される一酸化炭素:水素のモル比は、1:3〜15:1の範囲で可能であり、1:1〜10:1など、例えば1:1〜4:1がある。
WO01/07393号公報には、一酸化炭素と水素を含む供給原料を触媒転換して、アルコール、エーテルおよびそれらの混合物の少なくとも一つを生産し、および一酸化炭素と、前記アルコール、エーテルおよびそれらの混合物の少なくとも一つとを、固体超酸、ヘテロポリ酸、粘土、ゼオライト、および分子篩から選択された触媒の存在下、ハロゲン化物促進剤の不存在下で、エステル、酸、酸無水物およびこれらの混合物の少なくとも一つを生産するのに十分な温度および圧力条件下で反応させることが記載される。
EP−A−2559680号には、酢酸および/または酢酸メチルを生産するためのカルボニル化方法であって、カルボニル化反応器において、一酸化炭素をメタノールおよび/またはその反応誘導体を含む供給物と、気相中、およびヘテロポリ酸を含む不均一触媒の存在下に接触させる方法が記載されており、ここで該ヘテロポリ酸は、周期律表の第VIII族金属と、1つ以上の窒素および/またはリン供与体原子を含む少なくとも1つの配位子との有機金属錯体とイオン交換または負荷された前記ヘテロポリ酸である。
GB1306863号公報には、(a)1:0.5以下のモル比の一酸化炭素および水素のガス混合物を、メタノールと、遷移金属触媒およびハロゲン含有化合物助触媒の存在下で、一酸化炭素の多くとも半量が消費されるまで反応させ;(b)工程(a)で得られた反応ガスを冷却して、酢酸を含む液成分と未反応の一酸化炭素および水素を含むガス成分とに分離し、酢酸を系外に取り出し;(c)前記工程(b)で得られたガス成分を冷メタノールと接触させて洗浄し;(d)前記工程(c)で得られる洗浄されたガス成分を銅含有触媒の存在下反応させてメタノールを得て、このメタノールを前記工程(a)に移送する工程が記載される。
US5,840,969号公報には、第一触媒接触段階で、合成ガスに含まれる水素および一酸化炭素を転換してメタノールを含む液状プロセス流を得て、第二触媒接触段階で、このプロセス流を周期律表の第VIII族から選択される触媒有効量の金属化合物と促進剤としてのハロゲン化物との存在下に一酸化炭素でカルボニル化して酢酸の豊富な生成物流を得る酢酸の製造法であって、カルボニル化段階から一酸化炭素および残留量の酢酸およびハロゲン化物を含む出口ガス流を引き出し;その出口ガス流を残量の酢酸の一部およびハロゲン化物の一部を含有する液状成分と一酸化炭素および残量の酢酸およびハロゲン化物を含むガス状部分とに分離し;この液状部分をカルボニル化段階に循環し;ガス状部分中の酢酸およびハロゲン化物を除くためにガス状部分を液体吸収処理に付して、一酸化炭素の豊富な循環流を得て;そして一酸化炭素の豊富な循環流を合成ガス転換段階に導く各段階を含む方法が記載される。
EP−A−0801050号公報には、触媒接触段階において、合成ガスに含まれる水素と一酸化炭素を、メタノールおよびジメチルエーテルを含む混合プロセス流に転換し、前記プロセス流中に生成されたメタノールおよびジメチルエーテルを酢酸にカルボニル化する酢酸の生産方法が記載される。
US5,502、243号公報には、酸素化アセチル化合物エチリデンアセテート、酢酸、無水酢酸、アセトアルデヒドおよび酢酸メチルを触媒液相反応系中で合成ガスおよびジメチルエーテルから直接生産する方法が記載される。合成ガス中に選択された量で二酸化炭素を含むと、反応物のジメチルエーテルから得られる酸素化アセチル化合物の全収率を増加させる。メタノールを反応器の原料に含ませる際には、二酸化炭素を添加することでエチリデンジアセテートに対するモル選択率を著しく向上させる。
EP−A−0566370号公報には、エチリデンジアセテート、酢酸、無水酢酸および酢酸メチルを合成ガスからジメチルエーテルを含む中間体生成物流を経て製造する方法が記載される。ジメチルエーテルは、第一の液相反応器において合成ガスから生成され、ジメチルエーテル、メタノールおよび未反応の合成ガスを含む反応器からの排出流を、酢酸が含まれる第二の液相反応器へ流し、ここで、酸素化アセチル化合物が触媒の存在下合成される。酢酸ビニルおよび追加の酢酸は任意に別の反応装置でエチリデンジアセテートを熱分解することによって生成される。合成ガスは好適には、天然ガスなどの炭化水素供給原料を部分酸化して得られる。任意に、酢酸副産物の一部を部分酸化反応器に再循環させて追加の合成ガスに転換させる。
合成ガスは一酸化炭素と水素とを含む。必要に応じて二酸化炭素が含まれる。合成ガス組成の合成ガス比あるいは化学量数(SN)は、従来より、
SN = (H2-CO2)/(CO+CO2)
として計算され、ここでH、COおよびCOはモル換算(molar basis)でガスの組成を表す。
望ましくは、メタノールの生産に使用される合成ガスの最適な化学量数は2.05である。典型的には、しかしながら、ジメチルエーテルを合成ガスでカルボニル化して酢酸メチルを生産する方法は、化学量論的過剰量の一酸化炭素を含む合成ガスを使用する。したがって、カルボニル化方法とメタノール合成方法の統合方法における主な欠点は、メタノール合成に望ましい水素:一酸化炭素の比率が、カルボニル化方法にとって望ましい水素:一酸化炭素の比率よりも顕著に高いことにある。
ジメチルエーテルをカルボニル化する方法の他の欠点として、反応器中で再循環用成分が許可できない量まで達しないようにパージガスを工程で取り除かなければならないことにある。典型的には、パージガスは、燃焼して処分される。カルボニル化方法で生じたパージガスは、一酸化炭素を含み、また常にいくらかのジメチルエーテルと酢酸メチルとを含む。したがって、これら成分をパージして除去することは、それら貴重な成分を失い、また方法全体の効率を下げる。
また他の欠点として、酢酸メチルを含む合成ガス流をメタノール合成方法に導入することは望ましくない副反応および/または副生成物として、例えばエタノールおよび酢酸が生じ、触媒性能およびメタノール収率の有害的な損失になることが今日見出された。
上述したように、ジメチルエーテルを合成ガスでカルボニル化する方法は典型的には、化学量論的過剰な一酸化炭素を伴って合成ガスを使用する。この結果、消費されない一酸化炭素が、カルボニル化生産物流の一部として、プロセスから(プロセスにおいて通常消費されずに残存する水素と共に)取り出される。典型的には、一酸化炭素供給原料がプロセスより損失することを防ぐため、消費されない水素と共にカルボニル化反応器に再循環される。この欠点として、反応器中における水素の増大とカルボニル化反応率の望ましくない低下がみられることである。
さらに、合成ガスの運搬および貯蔵に関する困難性から、典型的にはその場で発生させる。したがって、新たな酢酸メチルおよびメタノールの生産能力に関する費用の大部分を、合成ガスの生成に関する資本および運用コストが占める。
上述の課題は、ジメチルエーテルをカルボニル化して酢酸メチルを生産する方法とメタノール合成方法とを統合することで、克服するかあるいは少なくとも軽減することが可能となることが今日見出され;この統合方法は合成ガス供給物をカルボニル化反応に使用し、メタノール合成に対して追加的な合成ガス供給物を使用する必要がなく、且つ酢酸メチルを合成ガス流から取り除いた後、その合成ガス流をメタノール合成に使用する方法である。
したがって、本願発明は酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法であり、この方法は:
(i)合成ガスとジメチルエーテルとをカルボニル化反応領域に供給し、その領域内で合成ガスとジメチルエーテルとをカルボニル化触媒の存在下で反応させて、酢酸メチルと水素豊富な合成ガスとを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成し;
(ii)カルボニル化反応生産物をカルボニル化反応領域から取り出し、そのカルボニル化反応生産物から酢酸メチル豊富な液体流と酢酸メチルの残量を含む合成ガス流とを回収し;
(iii)カルボニル化反応生産物から回収された合成ガスの少なくとも一部を洗浄領域において液体洗浄溶剤で洗浄し、合成ガス中の酢酸メチルの含有量を低減させ、且つ酢酸メチルの激減した洗浄された合成ガスと、酢酸メチルを含む液体溶剤流とを得て;
(iv)洗浄された合成ガスをメタノール合成領域に移送して、メタノール合成領域内で洗浄された合成ガスをメタノール合成触媒と接触させて、メタノールおよび未転換合成ガスを含むメタノール合成生産物を生成させる工程を含む。
有利には、本願発明は合成ガスから酢酸メチルとメタノールとの両方を生産する一方で、酢酸メチル生産物から貴重な一酸化炭素供給原料の損失を最小化する方法を提供する。カルボニル化反応流に存在する未反応の一酸化炭素および水素は、メタノール合成領域においてメタノールに有効に転換されるため、メタノール合成のための合成ガス原料を更に追加する必要性がなくなる。
有利には、本願発明は、触媒の存在下一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化して酢酸メチルを生産する方法において、排出されたパージガスを廃棄する必要性を低減または完全に排除可能にすることで、ジメチルエーテル、一酸化炭素および酢酸メチル等の貴重な成分の損失を減じることができる方法を提供する。
有利には、本願発明は、メタノール合成用の供給物から酢酸メチルを実質的に取り除くことによって、メタノール合成中に生成する副産物を減少させるため、メタノールの収率に対し望ましくない損失を軽減する方法を提供する。
望ましくは、本願発明は、メタノール生産には準最適な化学量数を有する合成ガス供給物からメタノールを生産可能にするだけではなく、酢酸メチルを生産することも可能にする。
さらに、本願発明は、メタノールを生産可能にするにもかかわらず、外部から取り入れる二酸化炭素を必要とせずあるいは軽減することができるため、メタノール生産費用を減少させ得る。
添付する図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成し、本願発明の実施態様を図示し、図面の説明と共に、本願発明の特徴、利点、および原理を説明するために提供される。図面は以下の通りである。
図1は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法に関する本願発明の一実施態様を表すブロック図である。 図2は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法であって、カルボニル化反応およびメタノール合成に対し合成ガスの再循環を組み込む方法に関する本願発明の一実施態様を表すブロック図である。 図3は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法であって、合成ガスの複数の洗浄工程を組み込む方法に関する本願発明の一実施態様を表すブロック図である。
上述したように、合成ガスは、一酸化炭素と水素を含む。必要に応じて、合成ガスは二酸化炭素も含むことが可能である。典型的には、合成ガスは、また窒素およびメタンおよび水蒸気等の不活性ガスを少量で含み得る。炭化水素源を合成ガスに転換させる従来の方法には、水蒸気改質および部分酸化が含まれる。合成ガス生産物に使用される炭化水素源の例として、バイオマス、天然ガス、メタン、C−C炭化水素、ナフサ、石炭および石油系重質油が含まれる。
一般に、水蒸気改質は、炭化水素を、水蒸気と接触させて合成ガスを生成する方法を含む。この方法は、好適には、触媒、例えばニッケルベースの触媒を使用することを含む。
一般に、部分酸化は、炭化水素を酸素または空気等の酸素含有ガスと接触させて合成ガスを生成する方法を含む。部分酸化は、触媒を使用せずに、あるいは触媒として例えばロジウム、白金またはパラジウムベース等の触媒を使用して生じさせる。
本願発明において、一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを、カルボニル化反応領域において、適切なカルボニル化触媒と接触させることにより、酢酸メチルおよび水素豊富な合成ガスとを含むガス状カルボニル化反応生産物を生産させる。
適切には、カルボニル化反応領域用の合成ガス供給物は炭化水素の水蒸気改質により、または炭化水素の部分酸化により生成される合成ガスである。好適には合成ガスは天然ガスまたはメタンの部分酸化により生成される。
適切には、合成ガス生成方法において生成された合成ガスは冷却された後にカルボニル化反応に使用される。好適には、合成ガスは、合成ガス生成工程中に生成された水蒸気の少なくとも一部が凝縮するよう冷却される。
カルボニル化反応領域に供給された合成ガスは、好適には乾性合成ガスである。水分は、適切な手段、例えば分子篩を用いて合成ガスから除去され得る。
カルボニル化反応領域用の合成ガス供給物は、フレッシュ合成ガスを含む。本願発明の目的のため、フレッシュ合成ガスは合成ガスの貯蔵源を含む。適切には、合成ガス供給物は実質的にフレッシュ合成ガスからなり、すなわち再循環合成ガスが除外されている。
適切には、カルボニル化反応領域用のフレッシュ合成ガス供給物は二酸化炭素を含む。二酸化炭素は50モル%以下の量で、例えば0.5〜12モル%の範囲で合成ガス供給物に存在し得る。
フレッシュ合成ガスの化学量数(SN)は、臨界はなく大幅に変更可能である。望ましくは、化学量論的にバランスのとれたメタノールを生産するよう、適切な合成ガス組成物をメタノール合成領域に供給するために、フレッシュ合成ガスは、一酸化炭素および二酸化炭素に対して少なくとも一部過剰量の水素を含む。したがって、フレッシュ合成ガスは、化学量数を適切には0.9〜1.3の範囲、好適には1.0〜1.2の範囲、例えば、1.0〜1.1の範囲で有する。適切には、フレッシュ合成ガスの化学量数は、メタノール合成領域に移送させる洗浄された合成ガスの化学量数よりも低い値を有する。
好適には、カルボニル化反応領域用合成ガス供給物は、さらに再循環合成ガスを含む。再循環合成ガスの適切な原料として、カルボニル化反応生産物から回収された合成ガスを含む。
好適には、本願発明において、カルボニル化反応領域用の合成ガス供給物は、フレッシュ合成ガスとカルボニル化反応生成物から回収された合成ガスとの混合物を含む。
例えばカルボニル化反応生産物から回収されたような、再循環合成ガスは、二酸化炭素も含み得る。フレッシュ合成ガスおよび再循環合成ガスを含んだ合成ガス供給物に、二酸化炭素が存在する場合、好適には、全体で50モル%以下の量で、例えば0.5〜12モル%の範囲で存在する。
合成ガスは、一つ以上の流れとしてカルボニル化反応領域に供給され得る。この一つ以上の流れを、フレッシュ合成ガスまたはフレッシュ合成ガスと再循環合成ガスとの混合物のいずれかとすることができる。
好適には、カルボニル化反応に使用する前に、合成ガスであって、フレッシュ合成ガス、再循環合成ガス、またはそれらの組合せのいずれかを、例えば、一つ以上の熱交換器で、好ましいカルボニル化反応温度まで加熱する。
カルボニル化反応領域における一酸化炭素分圧は、酢酸メチルを生産するのに十分な圧力にすべきである。したがって、適切には、一酸化炭素分圧は、0.1〜100barg(10kPa〜10,000kPa)の範囲であり、例えば、10〜65barg(1000kPa〜6500kPa)の範囲である。
カルボニル化反応領域における水素分圧は、適切には、1barg〜100barg(100kPa〜10,000kPa)の範囲であり、好適には、10〜75barg(1000kPa〜7500kPa)の範囲である。
カルボニル化反応領域に対するジメチルエーテル供給物は、フレッシュジメチルエーテル、またはフレッシュジメチルエーテルと再循環ジメチルエーテルとの混合物のいずれかとすることができる。適切には、ジメチルエーテルを含む再循環流を、例えば、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガス流を含む、カルボニル化反応工程の下流のどのような一部からも得ることができる。
ジメチルエーテルは、一つ以上のフレッシュジメチルエーテル流として、またはフレッシュジメチルエーテルと再循環ジメチルエーテルとの混合物を含む一つ以上の流れとして、カルボニル化反応領域に供給することができる。
ジメチルエーテルおよび合成ガスは、一つ以上の別個の流れとして、カルボニル化反応領域に供給可能であるが、好適には、合成ガス流とジメチルエーテル流とを組み合わせた一つ以上の流れとしてカルボニル化反応領域に供給できる。
一実施態様として、ジメチルエーテルと合成ガスとを、組み合わせた流れとしてカルボニル化反応領域に供給し、ここで組み合わせた流れを、例えば、一つ以上の熱交換器において、所望のカルボニル化反応温度まで加熱した後に、カルボニル化反応に使用する。
商慣行において、ジメチルエーテルを、メタノールの脱水触媒上でメタノールの触媒転換により生産する。この触媒転換により、大部分はジメチルエーテルが生産されるものの、少量のメタノールおよび/または水も含み得る。ゼオライト触媒を用いたジメチルエーテルのカルボニル化反応に有意な量の水が存在すると、酢酸メチル生産物の生産性を阻害する傾向にある。加えて、カルボニル化反応の副反応で水が生成され得る。本願発明のカルボニル化反応に使用するジメチルエーテルは、水とメタノールの合計量が、酢酸メチルの生産を阻害するほど多くなければ、少量の水およびメタノールのいずれか一つ以上を含み得る。適切には、ジメチルエーテル(再循環物を含む)は、水およびメタノールを、その合計量が、1ppm〜10モル%の範囲、例えば1ppm〜2モル%の範囲、1ppm〜1モル%の範囲等、好適には1ppm〜0.5モル%の範囲で含み得る。
好適には、ジメチルエーテル(フレッシュおよび再循環物)を乾燥させた後カルボニル化反応に使用する。
ジメチルエーテルの濃度は、カルボニル化反応領域に供給する全ての流れに基づいて、1モル%〜20モル%の範囲にあり、適切には、1.5モル%〜15モル%の範囲にあり、例として5〜15モル%、例えば2.5〜12モル%、2.5〜7.5モル%等の範囲にある。
カルボニル化反応領域における一酸化炭素:ジメチルエーテルのモル比は、適切には1:1〜99:1、例えば1:1〜25:1、2:1〜25:1等の範囲にある。
二酸化炭素は、水素と反応して水と一酸化炭素を生成する。この反応は、通常は、逆水性ガスシフト反応と呼ばれる。したがって、カルボニル化反応において、水の影響を軽減するために、二酸化炭素を含む合成ガスを利用したい場合、カルボニル化触媒は逆水性ガスシフト反応に対し、またはメタノールの生産に対して作用しないことが好ましい。好適には、カルボニル化触媒は、アルミノケイ酸塩ゼオライトを含む。
ゼオライトは、チャンネル構造を含み、これは、別のチャンネル構造あるいは、サイドポケットまたはケージなどのキャビティと相互接続可能である。このチャンネル構造は環構造により規定され、この環構造は、例えば8、10、12員環を含み得る。ゼオライト、ゼオライトの骨格構造型およびチャンネル構造についての情報は、ゼオライト骨格構造型のアトラス(Atlas of Zeolite Framework Types)、C.H.Baerlocher、L.B.MccuskerおよびD.H.Olson著、第6改定版、エルゼビア、アムステルダム、2007年に記載されており、また、国際ゼオライト協会のウェブサイトwww.iza-online.org.でも入手できる。
適切には、カルボニル化触媒は、アルミノケイ酸塩ゼオライトであり、この触媒は、8員環で規定される少なくとも一つのチャンネルを含む。この8員環で規定されたゼオライトのチャンネル構造の開口部は、反応物質のジメチルエーテルおよび一酸化炭素分子が、ゼオライト骨格の中や外へ自由に拡散できるような口径とすべきである。適切には、ゼオライトの8員環チャンネルの開口部の口径は、少なくとも2.5×3.6オングストロームを有する。好適には、8員環で規定されるチャンネルは10員環または12員環で規定されるチャンネルの少なくとも一つと相互接続される。
8員環で規定されるチャンネルを少なくとも一つ含むアルミノケイ酸塩ゼオライトの限定されない例として、骨格構造型がMOR(例えばモルデナイト)、FER(例えばフェリエライト)、OFF(例えばオフレタイト)およびGME(たとえばグメリナイト)のゼオライトが含まれる。
好適なカルボニル化触媒はモルデナイトゼオライトである。
カルボニル化触媒は水素型のゼオライトとすることができる。好適には、カルボニル化触媒は、水素型モルデナイトである。
カルボニル化触媒は、1つ以上の金属を全体的にまたは部分的に担持したゼオライトとすることができる。ゼオライトに担持する適切な金属は、銅、銀、ニッケル、イリジウム、ロジウム、白金、パラジウム、またはコバルトまたはそれらの組合せを含み、好適には銅、銀、またはそれらの組み合わせを含む。この金属担持形態は、イオン交換および含浸等の技術により調製できる。これらの技術は公知であり、典型的には、ゼオライトの水素陽イオンまたは水素前駆体の陽イオン(例えばアンモニウム陽イオン)を金属陽イオンでイオン交換することを含む。
カルボニル化触媒は、アルミノケイ酸塩ゼオライトの骨格構造内に、アルミニウムおよびシリコンの他に、ガリウム、ホウ素および鉄の少なくとも一つから選択される三価金属のような追加の金属を一つ以上存在させたゼオライトとすることができる。適切にはカルボニル化触媒は骨格元素として、ガリウムを含むゼオライトとすることができる。より適切には、カルボニル化触媒は、骨格元素としてガリウムを含むモルデナイトであり、最適にはカルボニル化触媒は骨格元素としてガリウムを含むモルデナイトであり、且つその水素型である。
カルボニル化触媒は、少なくとも一つのバインダー材料と複合化させたゼオライトとすることができる。当業者にとって理解されているように、バインダー材料は、カルボニル化反応条件下で触媒が適切に活性化し、且つ耐性を有するよう選択される。適切なバインダー材料の例として、シリカ、アルミナ、アルミナ‐シリケート、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、チタニアおよびジルコニアなどの無機酸化物が含まれる。好適なバインダー材料はアルミナ、アルミナ‐シリケートおよびシリカが含まれ、例えばベーマイト型アルミナが含まれる。
ゼオライトとバインダー材料との相対的比率は大幅に変化させることができるが、適切には、バインダー材料は、複合材料中、10重量%〜90重量%の範囲、好適には10重量%〜65重量%の範囲で存在し得る。
ゼオライトの粉末は、バインダーを使用せずに粒子状にも形成可能である。典型的なゼオライト触媒粒子は、押し出し成形体を含み、その断面が円形または触媒粒子の中心部から外側に延びる複数の円弧状の突起物を包囲する。
本願発明の一実施態様において、カルボニル化触媒は、適切には、アルミナ、シリカおよびアルミナ‐シリカから選択可能な少なくとも一つの無機酸化物のバインダー材料と複合化されるモルデナイト等のゼオライトであって、且つ押し出し成形体などの成形体の形態で使用される。特に、カルボニル化触媒は、ベーマイトアルミナ等のアルミナと複合化されたモルデナイトである。このベーマイトアルミナと複合化されたモルデナイトは骨格元素としてガリウムを含むことができる。
本願発明において、カルボニル化触媒として使用するゼオライトのシリカ対アルミナのモル比は、容積率あるいは全体の比率である。これは、多くの化学分析技術のいずれか一つで決定できる。このような技術には、X線蛍光分析、原子吸光分析およびICP(誘導結合プラズマ)が含まれる。これら全てにおいて、実質的に同一のシリカ対アルミナのモル比の値を提供する。
合成ゼオライトのシリカ対アルミナの容積モル比(「SAR」とも呼ばれる)は変化し得る。例えば、モルデナイトのような、ゼオライトのSARは5と低い値から90以上の値の範囲となる。
本願発明のカルボニル化触媒として使用されるゼオライトのSARは、適切には10:1〜90:1、例えば20:1〜60:1の範囲にある。
ゼオライトのカルボニル化触媒は、使用直前に活性化され、典型的には、窒素流、一酸化炭素流、水素流あるいはそれらの混合流下で、少なくとも1時間高められた温度で触媒を加熱することにより活性化させる。
好適には、カルボニル化反応は、実質的に無水条件下で実施する。したがって、適切には、上述したように、カルボニル化反応中、水の存在を制限するために、フレッシュ合成ガス、フレッシュジメチルエーテル、それらの再循環物および触媒を含む全ての反応物質は乾燥した後にカルボニル化反応に使用する。適切には、カルボニル化反応領域に存在する水とメタノール(水の供給源)の合計量が、1ppm〜0.5モル%の範囲、好適には1ppm〜0.1モル%の範囲、最適には1ppm〜0.05モル%の範囲に制限させる。望ましくは、カルボニル化反応領域に導入する水とメタノールとの合計量は、0.5モル%以下、例えば0〜0.5モル%、1ppm〜0.5モル%等である。
カルボニル化触媒は、固定床のカルボニル化反応領域において使用可能であり、管状あるいは筒状の形態で用いられ、そこで、典型的にはガス状形態のジメチルエーテル供給物と合成ガス供給物とを、カルボニル化触媒上あるいは内部に通過させる。
カルボニル化反応は気相で実施する。
合成ガスおよびジメチルエーテルを、カルボニル化触媒の存在下、酢酸メチルを含むガス状のカルボニル化反応生産物を生成するのに有効な反応条件で反応させる。
好適には、カルボニル化反応は100℃〜350℃の範囲、例えば250℃〜350℃の範囲で実施する。
好適には、カルボニル化反応は、全圧が、1〜200barg(100kPa〜20,000kPa)の範囲、例えば、10〜100barg(1000kPa〜10,000kPa)の範囲、50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲等で実施できる。
ある実施態様において、カルボニル化反応を、温度が250℃〜350℃の範囲、全圧が50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で実施する。
好適な実施態様において、合成ガスおよびジメチルエーテルは、好適には水とメタノールをその合計量がわずかに1ppm〜10モル%の範囲で含み、8員環により規定される少なくとも一つのチャンネルを有するアルミノケイ酸塩ゼオライトのような、例えばモルデナイト、好適には水素型のモルデナイトであるカルボニル化触媒の存在下、反応温度が100〜350℃の範囲、全圧が10〜100barg(1000kPa〜10,000kPa)の範囲で、前記合成ガスとジメチルエーテルとを反応させて、酢酸メチルと水素豊富な合成ガスとを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成する。
ジメチルエーテルおよびフレッシュ合成ガス(必要に応じて二酸化炭素と再循環物を含む)を、カルボニル化反応領域に適切には、触媒床を通過する全ガス流の気体空間速度(gas hourly space velocity)(GHSV)が、500〜40,000h−1、例えば、2000〜20,000h−1の範囲で供給することができる。
好適には、カルボニル化反応は、ヨウ化物のようなハロゲン化物を実質的に欠いた状態で実施する。この「実質的に」の用語は、カルボニル化反応領域への供給流に含まれるハロゲン化物の量、例えばヨウ化物の総量が、500ppm未満、好ましくは100ppm未満であることを意味する。
合成ガスに存在する水素はカルボニル化反応に対して原則不活性であり、そのため、カルボニル化反応領域から取り出した合成ガスの水素含量は、カルボニル化反応領域への合成ガス供給物中の水素含量と比べて多くなっている。
カルボニル化反応領域から取り出したカルボニル化反応生産物は酢酸メチルと水素豊富な合成ガスとを含む。カルボニル化反応生産物に典型的に存在し得る他の成分として、未反応のジメチルエーテル、および少量の水、酢酸およびメタノールのうちの一つ以上が含まれる。
二酸化炭素は一般的にカルボニル化反応では消費されず、そのため、カルボニル化反応領域に対する合成ガス供給物が二酸化炭素を含む場合、カルボニル化反応生産物も二酸化炭素を含むことになる。
カルボニル化反応生産物はカルボニル化反応領域からガス状形態で取り出す。
酢酸メチル豊富な液体流、および酢酸メチルの残量を含む合成ガス流は、カルボニル化反応生産物から回収する。
適切には、カルボニル化反応生産物をカルボニル化反応領域から取り出し、冷却し、分離して酢酸メチル豊富な液体流と合成ガス流とを回収する。
カルボニル化反応生産物の冷却は、従来型の熱交換器のような一つ以上の熱交換手段を用いて実施でき、カルボニル化反応生産物を冷却し、例えば、50℃以下の範囲の温度、適切には40℃〜50℃の範囲の温度まで冷却する。冷却したカルボニル化反応生産物は、例えば、ノックアウトドラムまたは接線流入式ドラムとして、一つ以上の気体/液体分離手段を用いて分離し、酢酸メチル豊富な液体流および合成ガス流とを回収できる。この酢酸メチル豊富な液体流は主に酢酸メチルを含み、また未反応ジメチルエーテル、メタノール、水、酢酸および溶存合成ガスのうちの一つ以上から選択される追加の成分を含み得る。
酢酸メチルの残量は合成ガス流に保持することができる。合成ガスに存在する酢酸メチルの量は変更可能であるものの、典型的には、合成ガスは酢酸メチルを0.1〜5モル%、例えば0.5〜5モル%、0.5〜2モル%等、例として0.5〜1モル%の範囲で含むことができる。合成ガス流は少量で他の成分、典型的には未反応ジメチルエーテル、二酸化炭素および酢酸の一つ以上を含むことができる。
酢酸メチルは、酢酸メチル豊富な液体流から、例えば蒸留により回収して、それ自体を販売するかまたは下流の化学プロセスの供給原料として使用することができる。
本願発明の一実施態様において、酢酸メチルは酢酸メチル豊富な液体流の少なくとも一部から回収し、さらに回収した酢酸メチルは、好適には加水分解プロセスにより酢酸に転換させる。回収した酢酸メチルの加水分解は、触媒蒸留プロセス等の公知のプロセスを使用して実施可能である。典型的には、酢酸メチルの加水分解に使用する触媒蒸留プロセスでは、酢酸メチルは、酸性イオン交換樹脂またはゼオライトのような酸性触媒を使用する固定床反応器中で、水により加水分解して、酢酸およびメタノールを含む混合物を生産し、この混合物から、蒸留により、一つ以上の蒸留段階において酢酸とメタノールを分離することができる。
メタノール合成用の合成ガス供給物中に酢酸メチルが存在することは、非常に望ましくないことが見出され、それは、この酢酸メチルが存在することで、エタノールおよび酢酸のうちの一つ以上の望ましくない副産物の生成の原因となり触媒性能および/またはメタノール収率を損失させることにつながるためである。
したがって、本願発明では、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部を液体洗浄溶剤で洗浄し、合成ガス中の酢酸メチル含量を減少させる。所望であれば、合成ガス全体を洗浄可能である。しかしながら、好適には、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの一部をカルボニル化反応領域に再循環させる。
適切には、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスを少なくとも2つの部分に分割し、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの第一部分を洗浄し、且つ例えば第一部分と同量の、他の部分の少なくとも一つを、カルボニル化反応領域に再循環する。しかしながら、好適には、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスを、主要部分と少量部分とに分割する。より好適には、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスを、主要部分と少量部分とに分割し、主要部分をカルボニル化反応領域に再循環し、且つ少量部分を洗浄する。
適切には、主要部分は、合成ガスの少なくとも50モル%であり、60〜85モル%の範囲等であり、例えば70〜80モル%の範囲にある。適切には、少量部分は50モル%未満であり、10〜30モル%の範囲等、例えば20〜30モル%の範囲にある。
一実施態様において、合成ガスの70〜80モル%をカルボニル化反応領域に再循環し、且つ合成ガスの20〜30モル%を洗浄する。
適切には、合成ガスを一つ以上の圧縮機で圧縮した後にカルボニル化反応領域に再循環することができる。
所望であれば、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの一部をパージガスとして排出可能であるが、好適には、回収した合成ガスの実質的に全てを、洗浄するかまたはカルボニル化反応に再循環するかまたはその両方を実施する。
合成ガス中の酢酸メチル含量を減少させるために合成ガスの洗浄を洗浄領域で実施する。洗浄領域には1つ以上の洗浄ユニットを含み、適切には慣用的設計であり、例えばカラムまたは塔の内部に高表面積材料、例えばトレーまたは充填材料を配置させて、合成ガスと洗浄溶剤とを密接に接触可能にし、且つ気相と液相との間の良好な物質移動を確保させる。望ましくは、合成ガスと洗浄溶剤とを向流接触させる洗浄を行うことで、合成ガスをカラムまたは塔を通して上向きに流し、且つ洗浄溶剤をカラムまたは塔を通して下向きに流すことができる。
適切には、洗浄溶剤と酢酸メチルとを含む液体流を、洗浄ユニットの下部から取り出す。
適切には、酢酸メチル含量が激減した合成ガスを、洗浄ユニットの上部から取り除く。
洗浄させる合成ガスに対し、複数の洗浄処理を実施することができる。各々の洗浄を同一又は異なる洗浄溶剤で実施することができる。
合成ガスに対し一つ以上の洗浄処理、例えば2つの洗浄処理を実施する場合、合成ガスを第一の洗浄溶剤と接触させて、酢酸メチルを含む液体溶剤流と酢酸メチルが激減した合成ガスとを得る第一洗浄処理を実施する。この酢酸メチルが激減した合成ガスを第二液体洗浄溶剤と接触させて、酢酸メチルを含む液体溶剤流と酢酸メチルが更に激減した合成ガスとを得る第二洗浄処理を実施する。
合成ガスの複数洗浄では、一般には、各々の洗浄で生じた液体溶剤流が異なる組成物を有することになる。例えば、洗浄溶剤がメタノールを含む場合、洗浄させる合成ガスに存在する酢酸メチルの大部分が第一洗浄処理において洗浄溶剤に吸収されるため、第一洗浄処理で得られる液体メタノール流は、その後に続く洗浄処理で得られる液体メタノール流よりも酢酸メチルを多く含むことになる。
第一洗浄処理およびその後に続く洗浄処理で得られる液体溶剤流を組み合わせて単一液体流を生成できる。
好適には、洗浄領域の入り口の洗浄溶剤の温度は、−50℃から100℃まで、より好適には0℃から60℃まで、最適には35℃から55℃までとする。
洗浄溶剤は酢酸メチルを吸収できるいかなる溶剤でもよい。好適には、洗浄溶剤は、メタノールを含む。洗浄溶剤は純メタノールであってよい。あるいは、洗浄溶剤は、メタノールと別の成分との混合物を含み、例えばメタノールと、水およびジメチルエーテルのうちの少なくとも一つとの混合物を含む。洗浄溶剤として使用する、メタノールとジメチルエーテルおよび水のうちの少なくとも一つとの混合物を、メタノール合成反応において生産されるメタノール合成生産物から得ることができる。
適切には、洗浄溶剤を、外部から取り入れたメタノール、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な流れ、およびそれらの混合物から選択する。
適切には、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な流れの全体または一部を洗浄溶剤として使用する。
好適には、メタノールおよび水の混合物を含む洗浄溶剤は、20w/w%未満、より好適には10w/w%未満、および最適には5w/w%未満の量で水を含む。
好適には、メタノールおよびジメチルエーテルの混合物を含む洗浄溶剤は、20w/w%未満、より好適には10w/w%未満の量でジメチルエーテルを含む。
本願発明の一部あるいは全ての実施態様において、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部に対し、一つの洗浄ユニットにおいて、液体洗浄溶剤を用いて、複数の洗浄処理、例えば2つ以上の洗浄処理を実施する。適切には、各洗浄処理で使用する液体溶剤は、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な流れの一部を含み、好適にはこの流れからなる。
カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスに存在し得るジメチルエーテルおよび酢酸は、一般的に、メタノール含有洗浄溶剤に吸収されることから、これらの成分は、液体メタノール溶剤流の一部として、酢酸メチルと共に取り除かれる。
吸収された酢酸メチルを含む液体溶剤流を、処理および/または精製工程に付し、そこから洗浄溶剤を回収する。
合成ガスから酢酸メチルを少なくとも80%、好適には少なくとも90%、より好適には少なくとも95%、最適には少なくとも99%取り除くことが好ましい。
適切には、メタノール合成領域に供給した合成ガスは、0〜1モル%、例えば0〜1モル%未満の量で酢酸メチルを含む。
合成ガスの洗浄は、合成ガスに含まれる一酸化炭素、水素および二酸化炭素の量をほとんど変更しない。しかしながら、一酸化炭素、水素および二酸化炭素のうちの一つ以上が洗浄溶剤に存在する場合、それら成分のうちのいずれかは部分的に洗浄溶剤から放出されて洗浄した合成ガスの一部を形成する。しかしながら一般的には、洗浄した合成ガスの化学量数は、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの化学量数とおおよそ一致する。
カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの化学量数は、原則カルボニル化反応に使用したフレッシュ合成ガスの化学量数およびカルボニル化反応の転換率に依存するが、カルボニル化反応生産物から回収し且つカルボニル化反応領域に再循環させる合成ガスの量を変更することにより調整可能である。したがって、洗浄した合成ガスの化学量数は、これらの要因の一つ以上を変更することにより、メタノール合成に最適となるよう、すなわち、1.5〜2.5の範囲、好適には2.0〜2.1の範囲、より好適には2.05に調整することができる。
酢酸メチルが激減する洗浄した合成ガスを、直接メタノール合成領域に移送することができる。洗浄した合成ガスの少なくとも一部分を、メタノール合成領域に移送し、メタノールを生産することができる。もし所望であれば、洗浄した合成ガスの全てをメタノール合成領域に移送することができる。
本願発明のメタノール合成生産物を製造するためのメタノール合成方法には、任意の適切な方法を用いることができる。商業的には、メタノールは以下の総括式に基づき一酸化炭素と水素を触媒変換することにより生産される。
Figure 0006161724
この反応は、以下の反応式に従って進行する:
Figure 0006161724
Figure 0006161724
従来、メタノール生産に必要な一酸化炭素および水素を、改質プロセスまたは部分酸化プロセスからメタノール合成領域に直接供給した合成ガスから得ている。有利には、本願発明において、単一の合成ガス供給物を利用して酢酸メチルとメタノールの両方を生産することができる。本願発明において、カルボニル化反応に使用するために供給した合成ガスの他に、メタノール合成用のフレッシュ合成ガスを追加的に供給する必要がない。上述したように、メタノール合成に必要な一酸化炭素および水素は、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスから得られる。
好適な態様において、本願発明の方法はさらに、以下の:
(v)メタノール合成領域からメタノール合成生産物を取り出し、そのメタノール合成生産物からメタノール豊富な液体流と合成ガス流とを回収し;および
(vi)メタノール合成生産物から回収した合成ガス流の少なくとも一部をメタノール合成領域に再循環させる
工程を含む。
メタノール合成領域に移送した洗浄した合成ガスを、メタノール合成用の唯一の合成ガス原料として使用可能である。しかしながら、好適には、洗浄した合成ガスを、メタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部と組み合わせた供給物としてメタノール合成領域に移送する。好適には、洗浄した合成ガスを、メタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部と組み合わせることで、メタノール合成領域に移送したこの組み合わせ合成ガスを、メタノールの化学量論的生産用に調整することができる。適切には、洗浄した合成ガスは1.5〜2.5の範囲、好適には2.01〜2.1の範囲、より好適には2.05の化学量数を有する。
メタノール合成領域で使用する前に、メタノール合成領域に対する合成ガス供給物、例えば洗浄した合成ガスや、洗浄した合成ガスとメタノール合成生産物から回収した合成ガスとを組み合わせた供給物等を、例えば一つ以上の熱交換器で、所望のメタノール合成温度まで加熱することができる。
メタノール合成を有利に進めるために、メタノール合成生産物から回収した合成ガス、またはメタノール合成生産物から回収した合成ガスと洗浄した合成ガスとを組み合せた供給物を、好適には、メタノール合成の所望の圧力まで圧縮させる。
メタノール合成は二酸化炭素の原料を必要とする。二酸化炭素の原料は合成ガス、メタノール合成中にその場で生じた二酸化炭素および外部から取り入れた二酸化炭素を含む。二酸化炭素は、メタノール合成方法で生成した水、およびメタノール合成用に追加した水によってその場で発生し得る。しかしながら、追加的な処理の必要性や水の適切な原料を提供する必要性を含め、二酸化炭素をその場で発生させるために、メタノール合成に水を追加することに関して多くの不利益が存在する。しかしながら、もし所望であれば、水と外部から取り入れた二酸化炭素の少なくとも一つをメタノール合成領域に導入できる。しかしながら、最適には、メタノール合成に必要な二酸化炭素は全て、カルボニル化反応に対する合成ガス供給物から得るもの、またはメタノール合成方法で生成した水によってその場で発生して得るものである。
メタノール合成において消費されない二酸化炭素を、メタノール合成領域からメタノール合成生産物の一部として取り出す。もし所望であれば、二酸化炭素は、メタノール合成生産物から、例えば従来の液体/気体分離技術によって回収可能である。
一般に、ジメチルエーテルは、メタノール合成には関与しないため、その結果、メタノール合成領域に移送する合成ガスに含まれ得るジメチルエーテルはメタノール合成領域からメタノール合成生産物の一部として取り出される。
メタノール合成は、メタノール合成触媒の存在下達成させる。洗浄した合成ガスの少なくとも一部、および必要に応じてメタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部を、メタノール合成領域においてメタノール合成触媒と接触させる。
メタノール合成を活性化させる触媒の多くは当技術分野で公知であり、商業的にも入手可能であり、例えばジョンソン・マッセイplc.から市販されているKatalcoTMというメタノール合成用触媒がある。典型的には、触媒は、銅ベースであり、且つ、例えば亜鉛、マグネシウムおよびアルミニウムなどの一つ以上の金属も含み得る。
本願発明の一実施態様において、メタノール合成触媒は、銅、酸化亜鉛およびアルミナを含む。
メタノール合成触媒は、固定床メタノール合成領域内で、例えば、筒状または管状の形態で用いることができ、そこで、洗浄した合成ガス流と、必要に応じてメタノール合成生産物から回収した合成ガスとをメタノール合成触媒上または内部を通過させる。
好適には、メタノール合成を気相で実施する。
合成ガスを転換して、メタノールおよび未転換の合成ガスを含むメタノール合成生産物を生成するのに有効な反応条件で、合成ガスとメタノール合成触媒とを接触させる。
適切には、メタノール合成を、210℃〜300℃の温度、例えば、210℃〜270℃または220℃〜300℃の範囲等、例えば230℃〜275℃の範囲で実施する。
好適には、メタノール合成を、全圧が、25〜150barg(2500kPa〜15,000kPa)の範囲、例えば、50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で実施する。
適切には、メタノール合成を、温度が230℃〜275℃の範囲、全圧が50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で実施する。
本願発明の一実施態様において、メタノール合成を、210℃から270℃までの温度および全圧が50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で実施する。
好適な実施態様において、洗浄した合成ガスの少なくとも一部を、必要に応じてメタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部と組み合わせて、銅ベースのメタノール合成触媒、好適には銅、亜鉛およびアルミニウムを含む触媒と、220℃〜300℃の範囲または210℃〜270℃の範囲の温度および全圧が25〜150barg(2500kPa〜15,000kPa)の範囲で接触させる。
適切には、メタノール合成領域用の全供給物(任意の再循環合成ガス、水、任意の外部から取り入れた二酸化炭素を含む)の総気体空間速度は、500〜40,000h−1の範囲にある。
洗浄した合成ガスを、必要に応じてメタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部と組み合わせて、メタノール合成触媒と接触させることにより、メタノールおよび未転換合成ガスを含む粗メタノール合成生産物を生産する。メタノール合成用の合成ガス供給物に存在する成分の正確な特性に依存して、メタノール合成生産物は、メタノールおよび未転換合成ガスに加え、更に他の成分、例えば二酸化炭素、水およびジメチルエーテルのうちの一つ以上を含み得る。
メタノール合成生産物は、メタノール合成領域から、例えば蒸気形態で取り出す。
メタノールは、公知の回収技術により、取り出したメタノール合成生産物から回収可能である。適切には、メタノールは、メタノール合成生産物の少なくとも一部から、例えばメタノール合成生産物の温度を低下させて冷却したメタノール−合成ガス混合物を生成することにより回収可能である。適切には、混合物の温度は、30℃〜50℃の範囲の温度、好適には35℃〜45℃の範囲の温度まで低下させる。冷却したメタノール−合成ガス混合物を分離してメタノール豊富な液体流と合成ガス流とを回収する。
好適には、メタノール合成生産物の実質的に全てを分離してメタノール豊富な液体流と合成ガス流とを回収する。
メタノール合成生産物の少なくとも一部を分離するのに、一つ以上の分離ユニットで実施できる。各分離ユニットは慣用的設計であってもよく、且つメタノール合成生産物を冷却し、メタノール合成生産物から、液体メタノールを水のような凝縮可能な他の成分と共に凝縮させるための、一つ以上の熱交換手段を含み、且つ冷却したメタノール−合成ガス混合物を分離してメタノール豊富な液体流と合成ガス流とを回収するための、例えば、ノックアウトドラムまたは接線流入式ドラムのような、一つ以上の気体/液体分離手段を含み得る。
また、メタノール合成生産物の分離はメタノール合成領域において直接実施可能であり、すなわち、メタノール合成領域から、合成ガスを含む一つ以上のガス流と一つ以上のメタノールが豊富な液体流とを取り出すことにより実施可能である。
メタノール豊富な液体流は少量の水および未反応ジメチルエーエルを含み得る。
メタノール豊富な液体流は洗浄溶剤として使用するのに適する。したがって、好適には、本願発明において、メタノール豊富な液体流の少なくとも一部、例えば実質的に全てを洗浄溶剤として使用する。有利なことに、これにより、洗浄溶剤として使用するための他の洗浄溶剤または輸入メタノールを必要としなくて済む。
複数の洗浄処理を実施する場合、洗浄領域に供給したメタノール豊富な液体流を、分離させて、等しいまたは異なる液体流分を、洗浄領域に存在する2つ以上の洗浄ユニットにそれぞれ供給させる。例えば、メタノール豊富な液体流の少量部分、例えば0%より大で20%までを第一洗浄ユニットに供給し、前記液体流の主要部分、例えば80%から100%未満までを第二洗浄ユニットに供給する。
メタノールは、メタノール合成領域から取り出したメタノール合成生産物、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な液体流、および合成ガスの洗浄から得られたメタノールを含む液体溶剤流のうちの一つ以上から、蒸留などの従来の精製手段によって回収することができ、且つそれ自体を販売可能であり、またはそのメタノールを多様な化学プロセスの供給原料として使用可能である。例えば、メタノールは、ロジウム、イリジウムまたはそれらの混合物のような第VIII族貴金属触媒の存在下、一酸化炭素でカルボニル化させて酢酸を生成できる。
また、メタノールは、適切な触媒の存在下脱水させてジメチルエーテルを生成することができる。適切な触媒としてガンマ−アルミナ等のアルミナが含まれる。
メタノール豊富な液体流に存在し得るジメチルエーテルは、例えば蒸留によりその液体流から回収可能である。回収したジメチルエーテルはカルボニル化反応領域に再循環可能である。
メタノール合成生産物から回収した合成ガスは二酸化炭素を含み得る。
メタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部はメタノール合成領域に再循環可能である。適切には合成ガスの90〜99%がメタノール合成領域に再循環可能である。
もし所望であれば、メタノール合成領域における不活性ガスの蓄積を減少させるべく、メタノール合成生産物から回収した合成ガスの一部をパージ流として排出可能である。適切には、メタノール合成生産物から回収した合成ガスの1〜10%はパージ流として排出可能である。
適切には、カルボニル化反応領域およびメタノール合成領域の各々における反応を、不均一な気相反応として実施する。
本願発明の統合方法とその成分の酢酸メチルおよびメタノールの生産方法は、各々が、連続プロセスまたはバッチプロセスとして操作可能であり、好適には、統合方法は連続プロセスとして実施する。
図1は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法に関する本願発明の一実施態様を表すブロック図である。統合ユニット110は、合成ガス供給ライン112およびジメチルエーテル供給ライン114を含み、これらのラインは、カルボニル化反応器116に接続させる。カルボニル化反応器116には、カルボニル化触媒、例えばモルデナイトゼオライト、好適にはH−モルデナイトの固定床を含む。使用時には、フレッシュ合成ガスを所望のカルボニル化反応温度まで加熱してから合成ガス供給ライン112を介してカルボニル化反応器116に供給する。0.9〜1.3の範囲の化学量数を有する合成ガスは、一酸化炭素、水素および二酸化炭素を含む。乾燥ジメチルエーテルを、ジメチルエーテル供給ライン114を介してカルボニル化反応器116に供給する。ジメチルエーテルおよび合成ガスを、触媒の存在下、カルボニル化反応器116において、250℃〜350℃の温度範囲および全圧10〜100barg(1000kPa〜10000kPa)の範囲で反応させて、酢酸メチル、未反応ジメチルエーテル、少量の酢酸および水素豊富な合成ガスを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成させる。カルボニル化反応生産物を、カルボニル化反応生産物ライン118を介してカルボニル化反応器116から取り出し、更に例えば熱交換器およびノックアウトドラムを含む分離ユニット120に供給する。分離ユニット120において、カルボニル化反応生産物を、好適には40〜50℃の範囲の温度まで冷却し、またジメチルエーテルおよび酢酸を含む酢酸メチル豊富な液体流、およびジメチルエーテルおよび酢酸メチルの残量を含む合成ガス流を分離ユニット120から回収する。酢酸メチル豊富な液体流は液体生産物ライン122を介して分離ユニット120から取り出す。合成ガス流は、ガス生産物ライン124を介して分離ユニット120から取り出し、その全体を洗浄領域126に移送する。洗浄領域126には、メタノールを含む液体溶剤を向流で適切には0〜60℃の範囲の温度でメタノール供給ライン128を介して供給する。洗浄領域126に供給した合成ガスを、酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を取り除くために、そこでメタノールと接触させる。吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含むメタノールを、メタノール除去ライン130を介して洗浄領域126から取り出す。酢酸メチルが激減し且つ酢酸およびジメチルエーテルが激減した、洗浄した合成ガスを、洗浄物供給ライン132を介して洗浄領域126から取り出し、一つ以上の熱交換器(図示せず)において所望のメタノール合成温度まで加熱し、メタノール合成反応器134に移送する。メタノール合成反応器134は、メタノール合成触媒、好適には、ジョンソン・マッセイplc.により入手可能な市販のKatalcoTMメタノール合成触媒のような銅を含むメタノール合成触媒を含む。一酸化炭素、水素および二酸化炭素を、メタノール合成条件、例えば、230℃〜275℃の温度範囲および全圧50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で、メタノール合成領域134において、メタノール、未転換合成ガスおよび水を含むメタノール合成生産物に転換させて、このメタノール合成生産物を、メタノール合成生産物ライン136を介してメタノール合成領域134から取り出す。
図2は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合ユニット310を示し、カルボニル化反応およびメタノール合成に対し合成ガス再循環を組み込む本願発明の一実施態様を表す。統合ユニット310は、合成ガス供給ライン312およびジメチルエーテル供給ライン314を含みこれらのラインは、カルボニル化反応器316に接続させる。カルボニル化反応器316には、カルボニル化触媒、例えばモルデナイトゼオライト、好適にはモルデナイトの水素型の固定床を含む。使用時には、フレッシュ合成ガスを所望のカルボニル化反応温度まで加熱してから合成ガス供給ライン312を介してカルボニル化反応器316に供給する。フレッシュ合成ガスは0.9〜1.3の範囲の化学量数を有し、且つ一酸化炭素、水素および二酸化炭素を含む。乾燥ジメチルエーテルを、ジメチルエーテル供給ライン314を介してカルボニル化反応器316に供給する。ジメチルエーテルおよび合成ガスを、触媒の存在下、カルボニル化反応器316において、250℃〜350℃の温度範囲および全圧10〜100barg(1000kPa〜10,000kPa)の範囲で反応させて、酢酸メチル、未反応ジメチルエーテル、少量の酢酸および水素豊富な合成ガスを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成させる。カルボニル化反応生産物を、カルボニル化反応生産物ライン318を介してカルボニル化反応器316から取り出し、更に例えば熱交換器およびノックアウトドラムを含む第一分離ユニット320に供給する。第一分離ユニット320において、カルボニル化反応生産物を、好適には40〜50℃の範囲の温度まで冷却し、またジメチルエーテルおよび酢酸を含む酢酸メチル豊富な液体流、および酢酸メチルの残量を含む合成ガス流を分離ユニット320から回収する。酢酸メチル豊富な液体流は液体生産物ライン322を介して分離ユニット320から取り出す。合成ガス流は、ガス生産物ライン324を介して分離ユニット320から取り出し、さらに、第一部分および第二部分に、例えば適切なバルブ配置により分割させる。合成ガスの第一部分を洗浄領域328に供給し、合成ガスの第二部分を、フレッシュ合成ガス供給ライン312と結合する合成ガス再循環ライン326を介してカルボニル化反応器316に再循環させる。合成ガス第一部分は、例えば合成ガスを20〜30%含み、合成ガス第二部分は、例えば合成ガスを70〜80%含む。洗浄領域328には、メタノールを含む液体溶剤を向流で適切には0〜60℃の範囲の温度でメタノール供給ライン330を介して供給する。洗浄領域328に供給した合成ガスを、酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸のようなメタノールに可溶な成分を取り除くために、そこでメタノールと接触させる。吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含むメタノールを、メタノール除去ライン332を介して洗浄領域328から取り出す。酢酸メチルが激減し、また酢酸およびジメチルエーテルが激減した洗浄した合成ガスを、洗浄物供給ライン334を介して洗浄領域328から取り出し、一つ以上の熱交換器(図示せず)において所望のメタノール合成温度まで加熱し、メタノール合成反応器336に移送する。メタノール合成反応器336は、メタノール合成触媒、好適には、ジョンソン・マッセイplc.により入手可能な市販のKatalcoTM触媒のような銅を含むメタノール合成触媒を含む。一酸化炭素、水素および二酸化炭素を、メタノール合成条件、例えば、230℃〜275℃の温度範囲および全圧50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で、メタノール合成領域336において、メタノール、未転換合成ガスおよび水を含むガス状メタノール合成生産物に転換させて、このメタノール合成生産物を、メタノール合成生産物ライン338を介してメタノール合成領域336から取り出す。メタノール合成ガス生産物を、例えば熱交換器およびノックアウトドラムを含む、第二分離ユニット340に供給し、ここで、適切には30〜50℃の範囲の温度まで冷却し、またメタノールおよび水を含むメタノール豊富な液体流、およびガス状合成ガス流を第二分離ユニット340から回収する。メタノール豊富な液体流はメタノール生産物ライン342を介して第二分離ユニット340から取り出す。合成ガスは、合成ガスライン344を介して第二分離ユニット340から取り出し、さらに、第一部分および第二部分に、例えば適切なバルブ配置により分割させる。合成ガスの第一部分を、合成ガスライン334と結合する合成ガス再循環ライン346を介してメタノール合成反応器に再循環させることによって、合成ガスの第一部分を洗浄した合成ガスと組み合わせて、一つ以上の熱交換器(図示せず)で加熱し、さらに、その後、組み合わせた合成ガス流をメタノール合成領域336に移送する。合成ガスの第二部分は、パージガスとして排出させる。合成ガス第一部分(再循環ガス)は、適切には、例えば合成ガスを95〜99%含み、合成ガス第二部分(パージガス)は、適切には、例えば合成ガスを1〜5%含む。必要に応じて、第二分離ユニット340から取り出したメタノール豊富な液体流の一部、または好適には全てを、メタノール供給ライン330と結合するメタノール補給ライン348を介して洗浄領域328に供給する。
図3は、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合ユニット910であって、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの複数の洗浄を組み込む本願発明の一実施態様を表す。統合ユニット910は、合成ガス供給ライン912およびジメチルエーテル供給ライン914を含み、これらのラインは、カルボニル化反応器916に接続させる。カルボニル化反応器916には、カルボニル化触媒、例えばモルデナイトゼオライト、好適にはH−モルデナイトの固定床を含む。使用時には、フレッシュ合成ガスを所望のカルボニル化反応温度まで加熱してから合成ガス供給ライン912を介してカルボニル化反応器916に供給する。0.9〜1.3の範囲の化学量数を有する合成ガスは、一酸化炭素、水素および二酸化炭素を含む。乾燥ジメチルエーテルを、ジメチルエーテル供給ライン914を介してカルボニル化反応器916に供給する。ジメチルエーテルおよび合成ガスを、触媒の存在下、カルボニル化反応器916において、250℃〜350℃の温度範囲および全圧10〜100barg(1000kPa〜10,000kPa)の範囲で反応させて、酢酸メチル、未反応ジメチルエーテル、少量の酢酸および水素豊富な合成ガスを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成させる。カルボニル化反応生産物を、カルボニル化反応生産物ライン918を介してカルボニル化反応器916から取り出し、更に、例えば、熱交換器およびノックアウトドラムを含む分離ユニット920に供給する。分離ユニット920において、カルボニル化反応生産物を、好適には40〜50℃の範囲の温度まで冷却し、またジメチルエーテルおよび酢酸を含む酢酸メチル豊富な液体流、および酢酸メチルの残量を含むガス状合成ガス流を分離ユニット920から回収する。酢酸メチル豊富な液体流は液体生産物ライン922を介して分離ユニット920から取り出す。合成ガス流は、ガス生産物ライン924を介して分離ユニット920から取り出し、さらに、合成ガスの少なくとも一部を第一洗浄ユニット928に供給する。分離ユニット920から取り出した合成ガスの全てを第一洗浄ユニット928に供給できるが、好適には、合成ガス流を分離し、さらに合成ガスの一部を、合成ガス再循環ライン926を介して、カルボニル化反応へ再循環させる。合成ガスを分離する場合、適切には、合成ガスの15〜25%を第一洗浄ユニット928に供給し、合成ガスの75%〜85%を、カルボニル化反応に再循環させる。第一洗浄ユニット928には、メタノールを含む液体溶剤を向流で、適切には0℃〜60℃の範囲の温度で、メタノール供給ライン930を介して供給する。洗浄ユニット928に供給した合成ガスを、酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸のようなメタノールに可溶な成分を取り除くために、そこでメタノールと接触させる。吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含むメタノールを、メタノール除去ライン932を介して洗浄ユニット928から取り出す。酢酸メチルが激減し、また酢酸およびジメチルエーテルが激減した洗浄した合成ガスを、第一洗浄済合成ガスライン934を介して洗浄ユニット928から取り出す。洗浄した合成ガス流を第二洗浄ユニット936に供給する。第二洗浄ユニット936には、メタノールを含む液体溶剤を向流で、適切には0℃〜60℃の範囲の温度で、メタノール供給ライン938を介して供給する。第二洗浄ユニット936に供給した洗浄した合成ガスを、そこでメタノールと接触させて、合成ガスに含まれる酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸をさらに減少させる。吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含むメタノールの第二洗浄溶剤流を、第二メタノール除去ライン940を介して第二洗浄ユニット936から取り出す。酢酸メチルが更に激減した合成ガスを、第二洗浄済合成ガスライン942を介して第二洗浄ユニット936から取り出す。酢酸メチルはメタノールに特に溶解するため、第一洗浄ユニット928に供給した合成ガスに含まれる酢酸メチルのほとんどを、第一洗浄ユニットから除去させ、且つ第一液体溶剤ライン932を介して第一洗浄ユニット928から除去させた液体メタノール流に吸収させる。しかしながら、酢酸メチルは第二洗浄ユニット936に供給した洗浄された合成ガスにいくらか残留可能であり、この大部分を第二液体メタノール流に吸収させる。第二洗浄ユニット936から取り出した合成ガス流を、一つ以上の熱交換器(図示せず)において所望のメタノール合成温度まで加熱し、第二合成ガスライン942を介して、メタノール合成反応器946に移送する。メタノール合成反応器946は、メタノール合成触媒、好適には、ジョンソン・マッセイplc.により入手可能な市販のKatalcoTM触媒のような銅を含むメタノール合成触媒を含む。一酸化炭素、水素および二酸化炭素を、メタノール合成条件、例えば、230℃〜275℃の温度範囲および全圧50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で、メタノール合成反応器946において、メタノール、未転換合成ガスおよび水を含むガス状メタノール合成生産物に転換させて、このメタノール合成生産物を、メタノール合成生産物ライン948を介してメタノール合成反応器946から取り出す。メタノール合成生産物を、例えば熱交換器およびノックアウトドラムを含む、第二分離ユニット950に供給し、ここで、適切には30〜50℃の範囲の温度まで冷却し、またメタノールおよび水を含むメタノール豊富な液体流、およびガス状合成ガス流を第二分離ユニット950から回収する。メタノール豊富な液体流は、メタノール生産物ライン952を介して第二分離ユニット950から取り出し、更に第一洗浄ユニット928および第二洗浄ユニット936に供給する。これら2つの洗浄ユニット928、936にそれぞれ供給させるメタノール豊富な液体流の相対的な量は変更可能であるが;しかしながら、好適には少量部分、例えば10%を、第一メタノール供給ライン930を介して第一洗浄ユニット928に供給し、主要部分、例えば90%を、第二メタノール供給ライン938を介して第二洗浄ユニット936に供給する。合成ガス流は、合成ガスライン954を介して第二分離ユニット950から取り出す。合成ガスは、パージ流として排出可能である。必要に応じて、合成ガス流は分離可能であり、その一部は、任意の合成ガス再循環ライン956を介してメタノール合成反応に再循環させる。合成ガス流を分離する場合、適切には、合成ガスの95〜99%をメタノール合成反応器946に再循環させ、且つ合成ガスの1〜5%を、パージ流として排出可能である。第一洗浄ユニット928から取り出したメタノールおよび吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含む第一液体溶剤流と、第二洗浄ユニット936から取り出したメタノールおよび任意の吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含む第二液体溶剤流とは混合可能であり、または、個別に処理可能である(図示せず)。
本願発明を以下に限定されない実施例を参照して説明する。
実施例1
本実施例は、酢酸メチルとメタノールとを生産するための統合方法であり、酢酸メチルを生産するためにジメチルエーテルをカルボニル化して得られたガス流を、メタノール合成用の供給物として使用する方法を示す。関連するプロセス流の結果を概略した図1および表1が参照される。
水素、一酸化炭素および二酸化炭素を含み、水素:一酸化炭素のモル比が1.15、化学量数(SN)が1.07を有し、微量の不活性ガスを含む合成ガス(合成ガス供給物)を、カルボニル化反応器に供給する。ジメチルエーテル(DME供給物)をカルボニル化反応器に供給する。合成ガスおよびジメチルエーテルを、カルボニル化反応器において、H−モルデナイトゼオライト触媒の存在下、ジメチルエーテルをカルボニル化して酢酸メチルを生産する反応を触媒するのに有効な反応条件下、例えば250℃〜350℃の温度範囲および全圧10〜100barg(1000kPa〜10,000kPa)の範囲で反応させる。酢酸メチルおよび水素豊富な合成ガスを含むガス状カルボニル化反応生産物をカルボニル化反応器から取り出し、冷却し、気体/液体分離器に移送して、大部分が酢酸メチルを含む液体流であって(酢酸メチル生産物流)、より少量でジメチルエーテルと酢酸とを共に含む液体流と、合成ガス、酢酸メチルの残量、ジメチルエーテルおよび酢酸を含むガス流(洗浄供給物)を回収する。このガス流は化学量数2.02を有し、慣用設計の洗浄カラムに供給し、ここで液体メタノールと向流で接触させて、吸収された酢酸メチル、ジメチルエーテルおよび酢酸を含む液体メタノール流と、化学量数2.04の酢酸メチルの激減した合成ガス流とを得る。この洗浄した合成ガス流(メタノール合成供給物)をメタノール合成温度まで加熱し、従来型のメタノール合成反応器に移送する。このメタノール合成は、低圧合成法であって、全圧50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲、240℃〜275℃の温度範囲で稼働し、銅を含むメタノール合成触媒を使用して、例えば、ジョンソン・マッセイplc.により入手可能な市販のKatalcoTMメタノール合成触媒を使用して実施し、メタノール、未転換合成ガスおよびジメチルエーテルを含むメタノール合成生産物流(メタノール生産物)を生産する。統合方法におけるプロセス流のモル流量の例を以下の表1に示す。
Figure 0006161724
実施例2
本実施例は、酢酸メチルとメタノールとを生産するための統合方法であり、酢酸メチルを生産するためにジメチルエーテルをカルボニル化して得られたガス流を、メタノール合成用の供給物として使用し、且つメタノール合成から得られた生産物流を、メタノールが大部分を占める液体流と合成ガス流に分離させる方法を示す。
表2に示す組成を有する合成ガス供給物(合成ガス供給物)およびジメチルエーテル供給物(DME供給物)を用いて、実施例1の方法を繰り返す。
メタノール合成反応器からの生産物流を、熱交換器およびノックアウトドラムを含む分離ユニットに供給し、さらに冷却し、さらにメタノールが主に含まれる液体流(メタノール生産物)、およびジメチルエーテルが含まれるガス状合成ガス流(メタノール合成ガス)に分離させる。
上述の統合方法で得ることができるモル流量の例を以下の表2に示す。
Figure 0006161724
実施例3
本実施例は、酢酸メチルとメタノールとを生産するための統合方法であり、酢酸メチルを生産するためにジメチルエーテルをカルボニル化して回収した合成ガス流の一部を、メタノール合成用の合成ガス供給物として使用する方法を示す。図2は、本実施例の統合方法を実施するために適切な基本的な構成要素を示す。実施例1に詳述したカルボニル化反応を、表3に示される組成を有する、合成ガス供給物(合成ガス供給物)およびジメチルエーテル供給物(DME供給物)を用いて繰り返した。合成ガスは、水素:一酸化炭素のモル比が1.13、化学量数(SN)が1.03を有する。この合成ガスおよびジメチルエーテル供給物を組み合わせた後に、カルボニル化反応に付す。カルボニル化反応器から取り出したガス生産物流(生産物流(Carb))を、分離ユニットに供給し、さらに冷却し、そこで分離させて、酢酸メチル豊富な液体流(MeOAc液体流)と未反応のジメチルエーテル、酢酸メチルおよび酢酸を含むガス状合成ガス流(合成ガス流(Carb由来))とを回収する。この合成ガス流の化学量数は、2.04である。この合成ガス流を2つの流れに分割し、合成ガス流のおよそ76%(再循環合成ガス流(Carb行き))を、フレッシュ合成ガス供給物に再循環させて、組み合わせた供給物(総供給物(Carb行き))を生成させ、合成ガス流のおよそ24%(洗浄供給物)を従来型の気体/液体洗浄ユニットに供給し、そこでメタノール水溶液再循環流(メタノール液体流)と向流接触させて酢酸メチルが激減した合成ガスを得る。吸収された酢酸メチルと他の成分とを含むメタノール液体流(洗浄流出流)を洗浄ユニットから取り出す。洗浄した合成ガス(洗浄済合成ガス供給物)を洗浄ユニットから取り出し、メタノール合成温度まで加熱し、従来型のメタノール合成領域に、メタノール合成領域から再循環した合成ガス流(再循環合成ガス(メタノール行き))と共に組み合わせて移送し、組み合わせた合成ガス流(総合成ガス供給物(メタノール行き))を形成する。メタノール合成領域に移送した組み合わせた合成ガス流は、そこで、ジョンソン・マッセイplc.により入手可能な市販のKatalcoTM触媒のような銅を含むメタノール合成触媒と接触させる。このメタノール合成は、240℃〜275℃の温度範囲で、全圧50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲で、低圧合成法で稼働し、メタノール含有生産物流(総生産物流(メタノール由来))を生産する。この生産物流を、メタノール合成領域から取り出し、熱交換器およびノックアウトドラムを含む従来型の分離ユニットに供給して冷却し、さらにこの生産物流からメタノール豊富な液体流(メタノール液体流)およびガス状合成ガス流(メタノール合成ガス流)を回収する。メタノール豊富な液体流を、洗浄ユニットに戻す。およそ2%の合成ガス流をパージガスとして排出し(メタノールパージ)、合成ガス流の残量(およそ98%)(再循環合成ガス(メタノール行き))をメタノール合成に再循環させる。
上述の統合方法で得ることができるモル流量の例を以下の表3に示す。
Figure 0006161724
Figure 0006161724
表3で使用された略称は、以下の意味:
DMEはジメチルエーテル
MeOHはメタノール
MeOAcは酢酸メチル
SNは化学量数
を示す。
実施例4
本実施例は、合成ガス由来メタノール合成に対する酢酸メチルの効果を調べる。KatalcoTMメタノール触媒(ジョンソン・マッセイplc.)ペレットを粉砕して125〜160ミクロンのサイズ画分に篩分けした。9mmの内径の管状反応器に、石英チップで1:1v/vに希釈した触媒を3ml充填した。触媒床の長さは100mmであった。実験1、3、4および6において、組成が62モル%H、7モル%CO、5モル%CO、21モル%Nおよび5モル%Arの合成ガスを、全ガス流の気体空間速度(GHSV)が、5000h−1および20000h−1で、全圧75bar(7500kPa)、260℃の温度の条件下、反応器に供給した。実験2および実験5で、組成が62モル%H、7モル%CO、5モル%CO、20モル%Nおよび5モル%Arの合成ガスと、1モル%酢酸メチルの共供給物とを使用して試験を繰り返した。各試験において、反応器からの出口流を2つのガスクロマトグラフィー(GC’s)に移送し、出口流の成分を分析した。この2つのGC’sは、それぞれ熱伝導検出器を備えた3つのカラム(分子篩5A、Porapak(登録商標)Q、およびCP−Wax−52)を備えるVarian4900マイクロGCであり、もう一つは、それぞれフレームイオン化検出器を備えた2つのカラム(CP Sil 5およびCP−Wax−52)を備えるInterscience TraceGCであった。以下の表4に、各実験で達成したメタノールの選択率(Sel)および毎時触媒1リットル当たりのメタノール生産量をグラムで示した空時収率(STY)を示す。表4の結果から、酢酸メチルが存在すると、合成ガスからメタノールを生産するのに悪影響をもたらすことが明らかである。
Figure 0006161724

Claims (24)

  1. (i)合成ガスとジメチルエーテルとをカルボニル化反応領域に供給し、その領域内で合成ガスとジメチルエーテルとをカルボニル化触媒の存在下で反応させて、酢酸メチルと水素豊富な合成ガスとを含むガス状カルボニル化反応生産物を生成し、且つカルボニル化触媒は、8員環で規定される少なくとも一つのチャンネルを含むアルミノケイ酸塩ゼオライトであり
    (ii)カルボニル化反応生産物をカルボニル化反応領域から取り出し、そのカルボニル化反応生産物から酢酸メチル豊富な液体流と酢酸メチルの残量を含む合成ガス流とを回収し;
    (iii)カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部を洗浄領域において液体洗浄溶剤で洗浄し、合成ガス中の酢酸メチルの含有量を低減させ、且つ酢酸メチルが激減した洗浄された合成ガスと、酢酸メチルを含む液体溶剤流とを得て;
    (iv)洗浄された合成ガスをメタノール合成領域に移送し、メタノール合成領域内で洗浄された合成ガスをメタノール合成触媒と接触させて、メタノールおよび未転換合成ガスを含むメタノール合成生産物を生成させる
    工程を含む、酢酸メチルおよびメタノールを生産するための統合方法。
  2. さらに以下の:
    (v)メタノール合成領域からメタノール合成生産物を取り出し、そのメタノール合成生産物からメタノール豊富な液体流と合成ガス流とを回収し;および
    (vi)メタノール合成生産物から回収した合成ガス流の少なくとも一部をメタノール合成領域に再循環させる
    工程を含む請求項1記載の統合方法。
  3. 洗浄された合成ガスを、メタノール合成生産物から回収した合成ガスの少なくとも一部と組み合わせた供給物としてメタノール合成領域に移送させる請求項2記載の統合方法。
  4. カルボニル化反応領域に供給する合成ガスは、フレッシュ合成ガスであり、
    SN = (H2-CO2)/(CO+CO2)
    で表す化学量数SNを0.9〜1.3の範囲で有し、このフレッシュ合成ガスの化学量数は、メタノール合成領域に移送する洗浄された合成ガスの化学量数よりも低いものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の統合方法。
  5. カルボニル化反応領域に供給する合成ガスは、フレッシュ合成ガス、またはフレッシュ合成ガスと再循環合成ガスとの混合物である請求項1乃至のいずれか一項に記載の統合方法。
  6. カルボニル化反応領域に(再循環を含め)供給する合成ガスは、二酸化炭素を含む請求項1乃至のいずれか一項に記載の統合方法。
  7. アルミノケイ酸塩ゼオライトがMORの骨格構造型を有し、且つモルデナイトである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の統合方法。
  8. 合成ガスとジメチルエーテルを、250℃〜350℃の範囲の温度、50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲の全圧の条件下、カルボニル化反応領域で反応させる請求項1乃至のいずれか一項に記載の統合方法。
  9. カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスを、主要部分と少量部分とに分割し、主要部分はカルボニル化反応領域に再循環させ、且つ少量部分は洗浄させる請求項1乃至のいずれか一項に記載の統合方法。
  10. 主要部分は、カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスの70〜80モル%である請求項記載の統合方法。
  11. カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスは、酢酸メチルを0.1〜5モル%の範囲で含む請求項1乃至10のいずれか一項に記載の統合方法。
  12. 洗浄溶剤はメタノールを含む請求項1乃至11のいずれか一項に記載の統合方法。
  13. 洗浄溶剤は、水およびジメチルエーテルのうちの一つ以上を含む請求項12記載の統合方法。
  14. カルボニル化反応生産物から回収した合成ガスは、複数の洗浄処理を施され、この複数の洗浄処理は、一つの洗浄ユニットにおいて実施させる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の統合方法。
  15. 洗浄溶剤は、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な液体流の一部を少なくとも含む請求項2乃至14のいずれか一項に記載の統合方法。
  16. 洗浄された合成ガスは、1.5〜2.5の範囲の化学量数を有する請求項1乃至15のいずれか一項に記載の統合方法。
  17. 洗浄された合成ガスは、酢酸メチルを0〜1モル%の量で含む請求項1乃至16のいずれか一項に記載の統合方法。
  18. 合成ガスを、メタノール合成触媒と、210℃〜270℃の範囲の温度および50〜100barg(5000kPa〜10,000kPa)の範囲の全圧で接触させる請求項1乃至17のいずれか一項に記載の統合方法。
  19. メタノールを、メタノール合成領域から取り出したメタノール合成生産物、およびカルボニル化反応生産物から回収した合成ガスを洗浄して得られたメタノールを含む液体溶剤流のうちの一つ以上から回収する請求項1乃至18のいずれか一項に記載の統合方法。
  20. メタノールを、メタノール合成生産物から回収したメタノール豊富な液体流から回収する請求項2乃至19のいずれか一項に記載の統合方法。
  21. 酢酸メチルを、酢酸メチル豊富な液体流の少なくとも一部から回収し、且つ回収した酢酸メチルを酢酸に転換させる請求項1乃至20のいずれか一項に記載の統合方法。
  22. メタノール合成生産物から回収した合成物の一部を、パージ流として排出する請求項2乃至21のいずれか一項に記載の統合方法。
  23. カルボニル化反応領域およびメタノール合成領域の各々において、その反応は不均一な気相反応としておこなう請求項1乃至22のいずれか一項に記載の統合方法。
  24. 方法を連続プロセスで実施する請求項1乃至23のいずれか一項に記載の統合方法。
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