JP6161209B2 - 18f−糖−ホラート - Google Patents

18f−糖−ホラート Download PDF

Info

Publication number
JP6161209B2
JP6161209B2 JP2014526473A JP2014526473A JP6161209B2 JP 6161209 B2 JP6161209 B2 JP 6161209B2 JP 2014526473 A JP2014526473 A JP 2014526473A JP 2014526473 A JP2014526473 A JP 2014526473A JP 6161209 B2 JP6161209 B2 JP 6161209B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
independently
ether
cor
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014526473A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014531411A (ja
Inventor
シブリ・ロジャー
モーザー・ルードルフ
ミュラー・クリスティーナ・マクダレーナ
アメータマイ・ズィーモン・メンザー
フィッシャー・シンディー・ラモーナ
グレーン・ヴィオーラ
Original Assignee
メルク・アンド・コンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メルク・アンド・コンパニー filed Critical メルク・アンド・コンパニー
Publication of JP2014531411A publication Critical patent/JP2014531411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6161209B2 publication Critical patent/JP6161209B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/02Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
    • A61K51/04Organic compounds
    • A61K51/0491Sugars, nucleosides, nucleotides, oligonucleotides, nucleic acids, e.g. DNA, RNA, nucleic acid aptamers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B59/00Introduction of isotopes of elements into organic compounds ; Labelled organic compounds per se
    • C07B59/005Sugars; Derivatives thereof; Nucleosides; Nucleotides; Nucleic acids
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/60Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances involving radioactive labelled substances
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Nuclear Medicine (AREA)

Description

本発明は、18F同位体が、ホラートまたはその誘導体のグルタマート部分に共有結合によって連結している補欠分子族を介して、より具体的には、環式単糖およびオリゴ糖などの糖基を含む補欠分子族を介して連結している新たな18F−ホラート放射性医薬品、その調製方法、さらに、癌ならびに炎症性および自己免疫疾患を診断およびモニタリングならびに治療する際のその使用を対象とする。
診断薬または治療薬などのエフェクター部分を送達するための細胞特異的標的化は、広く研究されている分野であり、非侵襲性の診断用および/または治療用医学的用途の開発をもたらしている。とりわけ電磁放射線をγ線または光子もしくは粒子放出放射線として放出する放射性材料を利用する核医学手順および治療の分野では、他の組織、例えば健康な組織における放射線傷害のリスクを伴うことなく、特異的な組織を可視化して、疾患を推定し、かつ/または治療的処置の効果をモニタリングするための高いシグナル強度か、または適切な線量の電離放射線を特異的疾患部位に送達するための高い放射線量かのいずれかを達成するために、これらの放射性材料を標的化細胞または組織に選択的局在化することが必要である。したがって、個々の生物学的ビヒクルによって特異的に標的化され得る受容体、抗原、ハプテンなどの細胞特異的構造、とりわけ、腫瘍(すなわち癌)または炎症性および自己免疫疾患の場合に存在する構造を決定および推定することは、重大な関心事である。
ホラート受容体(FR)は、これらの構造のうちの1種と同定されている。FRは、高親和性(K<10−9M)膜結合タンパク質である。正常な組織および臓器では、FR発現は、いくつかの臓器(例えば、腎臓、肺、脈絡叢、および胎盤)のみに高度に限られ、それらの臓器では、ホラート受容体は、上皮細胞の管腔側に広く存在し、したがって、循環中のホラートを供給されない。FRαは多くの場合に、上皮性腫瘍(例えば、卵巣、子宮頸部、子宮内膜、乳房、結腸直腸、腎臓、肺、鼻咽頭の上皮性腫瘍細胞)などの幅広い様々な特異的細胞種では過剰発現される一方で、FRβは多くの場合に、白血病細胞で過剰発現される(急性骨髄性白血病(AML)のうちの約70%は、FRβ陽性である)。したがって両方とも、選択的腫瘍標的化のための価値ある腫瘍マーカーとして使用することができる(ElnakatおよびRatnam、Adv.Drug Deliv.Rev.2004;56:1067〜84頁(非特許文献1))。加えて、FRβアイソフォームが、活性化(ただし、休止していない)マクロファージで見出されている。活性化マクロファージは、例えば、関節リウマチ、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、アテローム硬化症、糖尿病、変形性関節症、糸球体腎炎、感染などの炎症性病理に関係している。
文献によって、炎症部位を検出/位置特定するための、ホラートをベースとするイメージング薬、さらに、これらの疾患のホラート受容体標的化治療のいくつかの前臨床研究が報告されている。最近では、FolateScanを使用する、関節リウマチを有する患者におけるイメージング研究の結果を報告する臨床試験が公開された(Turkら、Arthritis and Rheumatism 2002、45、1947〜1955頁(非特許文献2);Paulosら、Adv. Drug Deliv.Rev.2004、56、1205〜1217頁(非特許文献3);Chenら、Arthritis Research & Therapy 2005、7、310〜317頁(非特許文献4);Hattoriら、Biol.& Pharm.Bull.2006、29、1516〜1520頁(非特許文献5);Chandrasekaら、J.Biomed.Mat.Res.Part A 2007、82、92〜103頁(非特許文献6);Vargheseら、Mol.Pharmaceutics 2007、4、679〜685頁(非特許文献7);Lowら、Discovery and development of folic−acid−based receptor targeting for imaging and therapy of cancer and inflammatory diseases 2008、41、120〜129頁(非特許文献8);Mattesonら、Clinical and Experimental Rheumatology 2009、27、253〜259頁(非特許文献9))。
したがって、ベンゾイルアミノ部分を介してグルタマートに共役しているプテリジン骨格をベースとする葉酸およびその誘導体は、治療薬および/または診断薬を、ホラート受容体を有する細胞集団に送達して、正常な細胞に対してそのような細胞において治療薬および/または診断薬の選択的濃縮を達成するための標的作用物質として過去15年間にわたって集中して研究されている。
様々な葉酸誘導体およびコンジュゲートが知られており、(前)臨床で評価されており、それらには、ホラート放射性医薬品(LeamonおよびLow、Drug Discov.Today 2001;6:44〜51頁(非特許文献10);米国特許第4,276,280号(特許文献1))、フッ素化ホラート化学療法薬(米国特許第4,628,090号(特許文献2))、化学療法薬とのホラートコンジュゲート(LeamonおよびReddy、Adv.Drug Deliv.Rev.2004;56:1127〜41頁(非特許文献11);Leamonら、Bioconjugate Chem.2005;16:803〜11頁(非特許文献12))、タンパク質およびタンパク質毒素とのホラートコンジュゲート(Wardら、J.Drug Target.2000;8:119〜23頁(非特許文献13);Leamonら、J.Biol.Chem.1993;268:24847〜54頁(非特許文献14);LeamonおよびLow,J.Drug Target.1994;2:101〜12頁(非特許文献15))、アンチセンスオリゴヌクレオチド(oliconucleotides)とのホラートコンジュゲート(Liら、Pharm.Res.1998;15:1540〜45頁(非特許文献16);ZhaoおよびLee、Adv.Drug Deliv.Rev.2004;56:1193〜204頁(非特許文献17))、リポソームとのホラートコンジュゲート(LeeおよびLow、Biochim.Biophys.Acta−Biomembr.1995;1233:134〜44頁(非特許文献18);Gabizonら、Adv.Drug Deliv.Rev.2004;56:1177〜92頁(非特許文献19))、ハプテン分子とのホラートコンジュゲート(Paulosら、Adv. Drug Deliv.Rev.2004;56:1205〜17頁(非特許文献3));MRIコントラスト剤とのホラートコンジュゲート(Kondaら、Magn.Reson.Mat.Phys.Biol.Med.2001;12:104〜13頁(非特許文献20))などが包含される。
ホラート放射性医薬品はとりわけ、癌ならびに炎症性および自己免疫疾患治療の有効性の診断および評価の改善に非常に有用であり得る。これは、治療応答の推定および/または予測と、その結果として、放射線の線量測定の改善とを包含し得る。放射性イメージングに適した典型的な可視化技法は、当技術分野で知られており、陽電子放射型断層撮影法(PET)、プレーナーまたは単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)イメージング、γカメラ、シンチレーションなどが包含される。
選択された標的部位をイメージングし、マッピングし、かつその活性を測定するために、PETおよびSPECTは両方とも、放射性トレーサーを使用する。PETがいまだに、近接するサイクロトロンを必要とする陽電子放出性核種を使用する一方で、SPECTは、発生器システムによって利用可能な単一光子放出性核種を使用し、そのことによって、その使用はより簡単になり得ている。しかしながらSPECTは、PETよりも低い感度を示し、僅かな手法の他には、定量化方法を欠いている。PETの場合には、陽電子消滅は、十分に開発された定量化方法のベースとなる2つの511keVのγ線をもたらす。したがって、PETは、脳および他の臓器における局部取り込みおよびリガンドまたは代謝基質の親和性を推定するための最も高性能な機能的イメージング技術の1種であり、したがって、代謝活性に基づくイメージング手段をもたらしている。これは例えば、陽電子放出性同位体を対象に投与することによって達成され、これが放射性崩壊を受けるときに、陽電子/電子消滅から生じるγ線をPETスキャナーによって検出する。
PETのために有用な適切な同位体を選択する際に考慮する必要のある因子には、患者に投与する前に、場合によって薬学的に許容可能な担体中で診断組成物を調製することを可能にする陽電子放出性同位体の十分な半減期と、PETスキャンによる体外測定を可能にする十分な活性を得るための十分な残存半減期とが包含される。さらに、不必要な放射線への患者の曝露を制限するために、適切な同位体は、十分に短い半減期を有するべきである。典型的には、PETに適した放射性医薬品は、ガリウムまたは銅などの金属同位体をベースとし得る。しかしながら、これら2種は、金属を捕捉するためのキレーターを必要とし、このことは、立体化学的特性および化学的特性に影響を有し得る。別法では、放射性医薬品は、軽微な構造的改変をもたらす共有結合によって連結された同位体をベースとし得る。共有結合によって付着させるために使用され、PETスキャニングに適し得るであろう放射性核種は典型的には、11C(約20分)、13N(約10分)、15O(約2分)、18F(約110分)などの短い半減期を有する同位体である。
今日までに、キレートをベースとするホラート放射性医薬品がいくつか合成されており、ホラート受容体陽性腫瘍をイメージングするための診断薬として成功裏に評価されている(例えば、SPECTのためには111In、99mTc、および67Gaを含むか(Leamonら、Bioconjug Chem 2002、13(6):1200頁(非特許文献21);Siegelら、J.Nucl.Med.2003、44:700頁(非特許文献22);Muellerら、J.Organomet.Chem.2004、689:4712頁(非特許文献23);Muellerら、Bioconjug Chem 2008、17(3):797頁(非特許文献24);Muellerら、Nucl Med Biol 2011、38(5):715頁(非特許文献25))、またはPETのためには68Gaを含む(Mathiasら、Nucl.Med.Biol.2003、30(7):725頁(非特許文献26);Faniら、Eur J Nucl Med Mol Imaging 2011、38(1):108頁(非特許文献27))。
加えて、共有結合によって連結している同位体を有するホラート放射性医薬品、とりわけ、その優れたイメージング特性、18Fの長い半減期(約110分)を理由として、かつ高分解能PETで鮮鋭なイメージを可能にする最も低い陽電子エネルギーを有する陽電子を放出することによって、18Fは崩壊することを理由として、18F標識ホラート放射性医薬品の重要性が高まっている。さらに、(68Gaなどの他の同位体と比較して)長い18Fの半減期は、より複雑な合成および放射化学施設を備えていないPETセンターへのサテライト配給も可能にする。
今日までに、文献中の報告には、ホラート分子に直接か、または補欠分子族を介して連結している18F同位体を有する18F標識葉酸誘導体が包含される(WO2006/071754(特許文献3)、WO2008/098112(特許文献4)、WO2008/125613(特許文献5)、WO2008/125615(特許文献6)、WO2008/125617(特許文献7)、Bettioら、J.Nucl.Med.、2006、47(7)、1153頁(非特許文献28);Rossら、Bioconjugate Chem.、2008、19、2402頁(非特許文献29)、Rossら、J.Nucl.Med.、2010、51(11)、1756頁(非特許文献30))。
いまだに、多くの方法がなお、低い放射化学的収率をもたらす時間のかかる放射性合成または分子イメージング目的には不都合な薬物動態などを包含する欠点を被っている。
米国特許第4,276,280号 米国特許第4,628,090号 WO2006/071754 WO2008/098112 WO2008/125613 WO2008/125615 WO2008/125617
ElnakatおよびRatnam、Adv.Drug Deliv.Rev.200456:1067〜84頁 Turkら、Arthritis and Rheumatism 2002、45、1947〜1955頁 Paulosら、Adv.Drug Deliv.Rev.2004、56、1205〜1217頁 Chenら、Arthritis Research & Therapy 2005、7、310〜317頁 Hattoriら、Biol.& Pharm.Bull.2006、29、1516〜1520頁 Chandrasekaら、J.Biomed.Mat.Res.Part A 2007、82、92〜103頁 Vargheseら、Mol.Pharmaceutics 2007、4、679〜685頁 Lowら、Discovery and development of folic−acid−based receptor targeting for imaging and therapy of cancer and inflammatory diseases 2008、41、120〜129頁 Mattesonら、Clinical and Experimental Rheumatology 2009、27、253〜259頁 LeamonおよびLow、Drug Discov.Today 20016:44〜51頁 LeamonおよびReddy、Adv.Drug Deliv.Rev.200456:1127〜41頁 Leamonら、Bioconjugate Chem.200516:803〜11頁 Wardら、J.Drug Target.20008:119〜23頁 Leamonら、J.Biol.Chem.1993268:24847〜54頁 LeamonおよびLow,J.Drug Target.19942:101〜12頁 Liら、 Pharm.Res.199815:1540〜45頁 ZhaoおよびLee、Adv.Drug Deliv.Rev.200456:1193〜204頁 LeeおよびLow、Biochim.Biophys.Acta−Biomembr.19951233:134〜44頁 Gabizonら、Adv.Drug Deliv.Rev.200456:1177〜92頁 Kondaら、Magn.Reson.Mat.Phys.Biol.Med.200112:104〜13頁 Leamonら、Bioconjug Chem 2002、13(6):1200頁 Siegelら、J.Nucl.Med.2003、44:700頁 Muellerら、J.Organomet.Chem.2004、689:4712頁 Muellerら、Bioconjug Chem 2008、17(3):797頁 Muellerら、Nucl Med Biol 2011、38 (5):715頁 Mathiasら、Nucl.Med.Biol.2003、30(7):725頁 Faniら、Eur J Nucl Med Mol Imaging 2011、38(1):108頁 Bettioら、J.Nucl.Med.、2006、47(7)、1153頁 Rossら、Bioconjugate Chem.、2008、19、2402頁 Rossら、J.Nucl.Med.、2010、51(11)、1756頁
したがって、癌ならびに炎症性および自己免疫疾患の診断および治療を改善するために、腫瘍の代謝イメージングに適した特異的な放射性医薬品がなお必要とされている。
出願人らは、新たな18F標識ホラート放射性医薬品を生産するための効率的かつ多角的な方法を見出し、その際、18F同位体を、補欠分子族を介して、より具体的には、好ましくはピラノシドまたはフラノシドをベースとする環式単糖またはオリゴ糖などの糖基を有する補欠分子族を介して導入する。この基のうちの優れたメンバーは例えば、ヒトにおいて局部グルコース代謝率をin vivoで評定するために世界で最も幅広く使用されているPETトレーサーのうちの1種である2−18Fフルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(18F−FDG)である。PETで承認されている診断用使用には、心筋生存率の測定、ならびに癌、てんかん、およびアルツハイマー病の検出のためのその使用が包含される。しかしながら、18F標識化合物を放射性合成するために、構成単位または補欠分子族として18F−FDGを使用する例は、非常に僅かしかない。
出願人らは、新たな本発明の化合物が、低いリガンド濃度での標識効率の改善、より良好な生体内分布、標的組織取り込みの増加、ならびに非標的化組織および臓器からのより良好なクリアランスなどのいくつかの利点(例えば、その化学的および/または物理的特性によって、具体的にはその親水特性などによって)を示すことによって、既知のコンジュゲートの欠点を克服し、目下の必要性を適え得ることを見出した。
さらに、新たな本発明の化合物は、ヒトにおける臨床用途のための期待に応える良好な収率で得ることができる。加えて、新たな放射性合成は、GMPガイドラインの要件に適う迅速かつ簡便な標識手順を可能にする自動合成モジュールに適用可能である。先行するin−vitroおよびin−vivo研究によって、FR陽性腫瘍のための強力な診断薬としてのそれらの適切性が示唆された。
本発明は、第1の態様では、ホラートと、ホラートのα−カルボン酸基もしくはγ−カルボン酸基のいずれか、またはα−カルボン酸基およびγ−カルボン酸基の両方に連結している18F置換糖基とを含む新たな18F−ホラートコンジュゲートを、より具体的には式Iの化合物を対象とする:
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
、Qは互いに独立に、H、保護基、または式−L−A−L’−18Fの基であり、ここで、
L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH、COH、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
Aは、糖基であるが、ただし、
およびQのうちの少なくとも1個が、式−L−A−L’−18Fの基であることを条件とする]。
より具体的には、本発明は、式IIを有する化合物を対象とする
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、Qは互いに独立に、H、保護基、または下式の基であり:
−L−A−L’−18
ここで、
L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH、COH、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルなどの連結基であり、
Aは、糖基であるが、ただし、
およびQのうちの少なくとも1個は、式−L−A−L’−18Fの基であることを条件とする]。
具体的な実施形態では、糖基は、好ましくはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、およびタロースから選択されるピラノシド、または好ましくはリボース、アラビノース、キシロース、およびリキソースから選択されるフラノシド、好ましくはグルコースおよびガラクトースをベースとする環式単糖または環式オリゴ糖である。
したがって、具体的な実施形態では、本発明は、式IIIa、IIIb、IIIcを有する化合物を対象とする
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、L’、L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH、COH、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、
、Bは互いに独立に、Hまたは保護基であり、
、Rは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
具体的な実施形態では、本発明の化合物は、位置異性的に純粋な形態である。したがって、一部の実施形態では、本発明の化合物は、α−カルボン酸基のみに連結している18F置換糖基を含み、他の実施形態では、本発明の化合物は、ホラートのγ−カルボン酸基のみに連結している18F置換糖基を含む。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物(位置異性的に純粋な形態においてか、または位置異性体の混合物として)を合成する方法を提供する。
まださらなる態様では、本発明は、診断イメージング量と、場合により治療有効量の選択された治療薬と、薬学的に許容可能なそのための担体とを含む医薬組成物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、診断イメージングまたは放射線治療法のモニタリングを必要とする対象に簡便かつ有効に投与するための本発明の化合物および/または医薬組成物の使用を提供する。本発明の方法の対象は好ましくは、動物またはヒトなどの哺乳動物、好ましくはヒトである。
さらなる態様では、本発明は、放射性核種イオンそれ自体以外の本発明の化合物を調製するために必要な成分の全てを含有する単一もしくは複数バイアルキットを提供する。
本発明の他の特徴および利点は、以下のその詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
γ−ホラートアルキン前駆体の合成スキーム。 α−ホラートアルキン前駆体の合成スキーム。 18F]−または[19F]−グルコースホラート化合物のγ−位置異性体の合成スキーム。 18F]−または[19F]−グルコースホラート化合物のα−位置異性体の合成スキーム。 2種の位置異性体α−グルコースホラートおよびγ−グルコースホラートならびに葉酸の置換曲線(四角はγ−[18F]−グルコースホラートを表し、菱形はα−[18F]−グルコースホラートを表し、三角は葉酸を表す)。 注射後60分目でのα−[18F]−グルコースホラートとγ−[18F]−グルコースホラートとの生体内分布データの比較。 注射後90分目でのα−[18F]−グルコースホラートとγ−[18F]−グルコースホラートとの生体内分布データの比較。 注射後75〜105分時点での(a):腫瘍、(b):肝臓、(c):胆嚢、(d):腎臓、(e):腸/糞便でのα−[18F]−グルコースホラートおよびγ−[18F]−グルコースホラートの最大強度PETイメージ。
本発明は、第1の態様では、18F置換糖基がホラートのα−カルボン酸基もしくはγ−カルボン酸基のいずれか、またはホラートのα−カルボン酸基およびγ−カルボン酸基の両方に連結している、プテロアートまたはホラート(またはその誘導体)と、18F置換糖基(本明細書において下記では、本発明の化合物とも称される)とを含む新たな18F−ホラートコンジュゲートを対象とし、より具体的には、式Iの化合物を対象とする
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
、Qは互いに独立に、H、保護基、または下式の基であり:
−L−A−L’−18
ここで、
L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NHR’、COOR’、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルなどの連結基であり、
Aは、糖基であるが、ただし、
およびQのうちの少なくとも1個は、式−L−A−L’−18Fの基であることを条件とする]。
より具体的には、式Iの化合物は、式Ia、Ib、Icを有する化合物によって表され得る
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
、L’、L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NHR’、COOR’、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルなどの連結基であり、
、Aは互いに独立に、糖基であり、
、Bは互いに独立に、Hまたは保護基である]。
別段に規定されていない限り、本明細書において下記で示されている定義は全て、本明細書(全ての構造式を含めて)を通じて当てはまる。
用語「ホラート」は本明細書において使用する場合、ペプチド結合を介してグルタミン酸(またはその誘導体)にカップリングしているプテロアート基をベースとする化合物を指す。したがって、用語「プテロアート」は本明細書において使用する場合、アミノベンゾイル部分に連結している縮合ピリミジン複素環を表す。本明細書において使用する場合、「縮合ピリミジン複素環」には、さらなる5員または6員の複素環と縮合して、プテリジン(すなわち縮合6−6複素環)またはピロロピリミジン二環(すなわち縮合6−5複素環)が生じているピリミジンが包含される。縮合ピリミジン複素環の誘導体には、インドールおよびイソインドール、キノリンおよびイソキノリンなどの炭素環式誘導体が包含される。本明細書において使用する場合、「アミノベンゾイル部分に連結している縮合ピリミジン複素環」には、三縮合環系も包含され、すなわちその場合、アミノベンゾイル部分のアミノ基が、縮合ピリミジン複素環と共にさらなる縮合環を形成していて、縮合6−6−6、6−6−5、6−5−6、または6−5−5複素環を生じている。本明細書において使用する場合のホラートの好ましい代表は、ホラート骨格、すなわち、プテロイル−グルタミン酸、個々には、N−[4−[[(2−アミノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]−L−(またはD−)グルタミン酸およびその誘導体をベースとする。したがって、プテロアート構造はホラート構造の前駆体であるので、プテロアートの好ましい代表は、類似の誘導体を、テトラヒドロプテリン、ジヒドロホラート、テトラヒドロホラート、ならびにそれらのデアザ類似体およびジデアザ類似体などの場合によって置換されている葉酸、ホリン酸、プテロポリグルタミン酸、5,10−メテニル−5,6,7,8−テトラヒドロホラート、およびホラート受容体結合性プテリジンを包含するホラート構造で典型的に知られているものとして包含する。葉酸、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸、および5−ホルミル−(6S)−テトラヒドロ葉酸は、本発明の化合物のために使用される好ましいベース構造である。用語「デアザ」および「ジデアザ」類似体は、炭素原子が天然に存在する葉酸構造中の1個または2個の窒素原子で置換されている当分野で認められている類似体を指す。例えば、デアザ類似体には、1−デアザ、3−デアザ、5−デアザ、8−デアザ、および10−デアザ類似体が包含される。ジデアザ類似体には、例えば、1,5−ジデアザ、5,10−ジデアザ、8,10−ジデアザ、および5,8−ジデアザ類似体が包含される。好ましいデアザ類似体化合物には、N−[4−[2−[(6R)−2−アミノ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4−オキソピリド[2,3−d]ピリミジン−6−イル]エチル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸(ロメトレキソール)およびN−[4−[1−[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸(エダトレキサート)が包含される。
用語「糖基」は、環状単糖および環状糖単位(複数可)をベースとする環状オリゴ糖の両方を包含する。用語「糖単位」は、本明細書において使用する場合、直鎖(単/オリゴ)糖の細胞内環状ヘミアセタールまたはヘミケタール形態を指す環状糖単位を指す。単糖は、1個の糖単位を含む一方で、オリゴ糖は、糖単位からなる鎖を指し、好ましくは2〜20の糖単位、好ましくは2〜10の糖単位、より好ましくは単糖、二糖、および三糖を含む。オリゴ糖は、直鎖または分枝であってよく、オリゴ糖内の糖単位は互いに、α(1−2)、(1−4)、もしくは(1−6)、またはβ(1−2)、(1−4)、もしくは(1−6)結合によって連結している。好ましくは選択されるオリゴ糖は、直鎖であり、より好ましくは、オリゴ糖は直鎖であり、オリゴ糖内の糖単位は、α(1−4)またはβ(1−4)結合によって連結している。最も好ましい実施形態では、オリゴ糖は直鎖であり、オリゴ糖内の糖単位はα(1−4)結合によって連結している。
したがって、具体的な実施形態では、A(またはAおよびA)は、1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1、2、または3個の糖単位を含む。
好ましくは糖単位は、ピラノシドまたはフラノシド、およびそれらの天然および合成誘導体、好ましくはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、およびフコースから選択されるピラノシド、またはリボース、アラビノース、キシロース、およびリキソースから選択されるフラノシドである。誘導体という用語は、任意の化学的または酵素的に修飾された単糖単位を指し、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、またはチオール基などによる1個または複数のヒドロキシル基の酸化、脱酸素化、置き換え、さらにヒドロキシ基またはアミノ基のアルキル化、アシル化、硫酸化、またはリン酸化によって得られるものが包含される。本発明の好ましい糖単位には、例えば、グルコースおよびガラクトースが包含される。
したがって、具体的な一実施形態では、糖基A(またはA、A)は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フコース、好ましくはグルコースおよびガラクトースから選択される単糖である。
他の具体的な実施形態では、糖基A(またはA、A)は、同じか、または異なり、それぞれリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フコース、好ましくはグルコースおよびガラクトースからなる群から選択される少なくとも2、好ましくは2〜20の糖単位を含むオリゴ糖である。
より具体的な実施形態では、オリゴ糖は、(a)二糖、例えばラクトース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース;(b)二糖同族体、例えば、マルトトリオース、イソマルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、ラクトトリオース、ラクトテトラオース;(c)ウロン酸、例えば、グルクロン酸、ガラクツロン酸;(d)分枝オリゴ糖、例えば、パノース、イソパノース;(e)アミノ単糖、例えば、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、フコサミン、キノボサミン、ノイラミン酸、ムラミン酸、ラクトースジアミン、アコサミン、バシロサミン、ダウノサミン、デソサミン、ホロサミン、ガロサミン、カノサミン、カンソサミン、ミカミノース、ミコサミン、ペロサミン、プノイモサミン、プルプロサミン、ロドサミン;(f)修飾糖、例えば、アベクオース、アミセトース、アルカノース、アスカリロース、ボイビノース、カコトリオース、カルコース、クラジノース、コリトース、シマロース、2−デオキシリボース、2−デオキシグルコース、ジギノース、ジギタロース、ジギトキソース、エバロース、エベルニトロース、ハマメロース、マンニノトリオース、メリビオース、ミカロース、ミシノース、ニゲロース、ノビオース、オレアンドロース、パラトース、ロジノース、ルチノース、サルメントース、セドヘプツロース、ソラトリオース、ソホロース、ストレプトース、ツラノース、チベロースであってよい。
より好ましい実施形態では、糖基A(またはA、A)は、単糖またはオリゴ糖であり、したがって、グルコース、ガラクトース、グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、ラクトース、ラクトテトラオース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、およびノイラミン酸からなる群から選択される1つまたは複数の(同じか、または異なる)糖単位(複数可)を含む。
糖基A、またはAおよびAは、共有結合を介して直接か、または本明細書において定義するとおりのリンカーL’(またはL’およびL’)を介して、少なくとも1個の糖単位に連結していてよい少なくとも1個の18F原子で置換されている。オリゴ糖の場合には、18F原子は、オリゴ糖内の糖単位のうちの任意の糖単位に、好ましくはA、またはAおよびA中の末端糖単位に連結していてよい。末端糖単位は、連結していないか(単糖の場合)、または1個の隣接する糖単位のみ(オリゴ糖の場合)に連結している糖単位を指す。本発明の化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体(regiosiomer)、およびラセミ化合物を包含する全ての異性体が、本発明の一部であると企図されていることは理解される。本発明は、光学的に純粋な形態およびラセミ混合物を包含する混合物での立体異性体を包含する。従来の技法を使用して、光学的に純粋か、または光学的に濃縮された出発物質を反応させるか、または式Iの化合物の異性体を分離するかのいずれかによって、異性体を調製することができる。このことは特に、糖基もしくは天然L型または非天然D型で存在し得る式Iの化合物(および後続の式)中に存在するアミノ酸基、すなわち、グルタミン酸ポーション(またはその誘導体)を指す、基A(またはA1、A2)に当てはまる。本発明は、純粋な形態の位置異性体、すなわち、同じ実験式を有するが、基Q1およびQ2の付着が異なる、より具体的には、18F置換糖基がホラートのα−カルボン酸基のみに(すなわちα−位置異性体)、またはホラートのγ−カルボン酸基のみに(すなわち、γ−位置異性体)連結している本発明の化合物も包含する。時には、一方の特異的付着部位(αまたはγ)のみが、したがって、2種の位置異性体を純粋な形態で生産することが好ましいことがあるが、本発明は、両方の位置異性体の混合物、さらに、両方の部位が18F置換糖基で置換されている本発明の化合物も包含する。
より具体的には、本発明は、式IIの化合物を対象とする
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、Qは互いに独立に、H、保護基、または下式の基であり:
−L−A−L’−18
ここで、
L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NHR’、COOR’、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルなどの連結基であり、
Aは、糖基であるが、ただし、
およびQのうちの少なくとも1個は、式−L−A−L’−18Fの基であることを条件とする]。
式Iの化合物について上記で概説したとおり、式IIの化合物を、式IIa、IIb、IIcを有する化合物によって表すことができる
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、L’、L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NHR’、COOR’、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルなどの連結基であり、
、Aは互いに独立に、糖基であり、
、Bは互いに独立に、Hまたは保護基である]。
略語「N」および「C」は、全ての可能な飽和度を表しており、すなわち、Nは−NH−および−N=結合を包含し、Cは−CH−および−CH=結合を包含すると理解される。
さらに、(H)は、示されている環上の全ての水素置換基(すなわちX、C6、C7、およびX上)を表すと理解される。例えば、完全に飽和している5,8−ジデアザ類似体(X=X=C)ではq=7であり、X=X=Nを有する完全に不飽和の類似体では、q=1である。
用語「アルキル」は、単独で、または組み合わせて使用されている場合、示されている数の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキル基を指す。したがって、用語「C(1〜12)アルキル」は、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜12個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを指す。好ましいアルキル基には、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜8個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを指すC(1〜8)アルキル基(例えば、基Sp)、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2,3−ジメチルブタン、ネオヘキシル、ヘプチル、オクチルが包含される。より好ましいアルキル基は、1〜6個のC原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するC(1〜6)アルキル基である。
用語「アルケニル」は、単独で、または他の基と組み合わされて、1個または複数の炭素−炭素二重結合を有する、本明細書において上記で定義したとおりの直鎖または分枝アルキル基を指す。したがって、用語「C(2〜12)アルケニル」は、その炭素鎖が直鎖または分枝であり、1〜12個の炭素原子および1個または複数の炭素−炭素二重結合を含む炭化水素ラジカルを指す。好ましいアルケニル基には、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、t−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、アミレン、イソアミレン、ペンチレン、イソペンチレン、ヘキシレンなどのC(2〜8)アルケニル基が包含される。好ましいアルケニル基は、2〜6個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用する場合、1個または複数の炭素−炭素三重結合を有する、本明細書において上記で定義したとおりの直鎖または分枝アルキル基を指す。好ましいアルキニル基は、2〜6個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する。
用語「ハロゲン」は、本明細書において使用する場合、任意の第7族元素を指し、これには、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが包含される。
用語「ハロ置換されている」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の水素の代わりにハロゲン部分を有するアルキル基を指す。
好ましい実施形態では、RおよびRは互いに独立に、H、C(1〜12)アルキル、−OR、−NHR、より好ましくは−OR、−NHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)である)であってよく;かつ/またはRは、H、C(1〜12)アルキル、または−CO−C(1〜8)アルキルであり;かつ/またはRは、H、ニトロソ、−O−C(1〜8)アルキル、または−CO−C(1〜8)アルキルである。
当技術分野で知られていて、記載されているカップリング化学を使用して、18F同位体を、糖基に、ホラート化合物に、本発明の化合物の連結基L(またはL、L)およびL’(またはL’、L’)を介してコンジュゲートさせることができる。そのような手順は、当業者の平均的な技能の範囲内であり、先行技術で利用可能な常套的な実験および標準的な合成ストラテジーの最適化しか必要としない。典型的なカップリングストラテジーには、アミン、アルコール、もしくはチオール官能基と、アルデヒド、カルボン酸、もしくは活性化カルボン酸官能基との間での反応、またはクリック反応などの付加環化反応が包含される。当業者であれば、どの所望の官能基が、選択されたリンカーL(またはL、L)およびL’(またはL’、L’)の末端基として存在すべきかが分かるであろう。好ましいカップリングストラテジーには例えば、例えばEDC、DCC、pyBOP、もしくは他のカルボキシラートを活性化させる作用物質を使用して、アミンをカルボン酸と反応させて、アミド結合を形成する標準的なペプチドカップリング化学、または付加環化反応、例えば、アジド基をアルキンと反応させて、アザ複素環を形成するクリック化学をベースとするカップリングが包含される。
基L、L’、L、およびL’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、またはHal、OH、NHR’、COR’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルである。表現「非置換か、またはHal、OH、NHR’、COR’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキル」は、オリゴ/ポリエーテル、オリゴ/ポリペプチド、オリゴ/ポリアミド、オリゴ/ポリアミン、オリゴ/ポリエステル、オリゴ/多糖などの親水性オリゴ/ポリマー基、ポリオール、多重荷電種、またはそれらの任意の他の組合せなどの連結基も包含する。
一実施形態では、そのような親水性オリゴ/ポリマー基には、オリゴ/ポリアルキレンオキシドなどのオリゴ/ポリエーテル、より具体的にはポリエチレングリコール(PEG)ならびに、ポリメチルエチレングリコール、ポリヒドロキシプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリメチルプロピレングリコール、およびポリヒドロキシプロピレンオキシドなどの関連ホモポリマー、または典型的には2〜25個、好ましくは2〜10個のオキシアルキレン基を有するポリエテチレン(polyethetylene)/ポリプロピレングリコールなどの、小さなアルコキシモノマーからなるヘテロポリマーが包含される。
他の実施形態では、そのような親水性オリゴ/ポリマー基には、親水性ペプチド配列などのオリゴ/ポリペプチド、またはポリアミノ酸およびその誘導体、例えば、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリアスパラギン酸、ポリアスパルトアミドが包含され、ここで、各ペプチド配列またはポリアミノ酸は典型的には、2〜12個、好ましくは2〜6個のアミノ酸残基を有する。
好ましくは、LおよびLは、非置換か、またはOH、NHR’、COR’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、5員または6員の複素環、好ましくはトリアゾールまたはテトラゾールなどの5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜24)、より好ましくはC(1〜12)、最も好ましくはC(1〜6)アルキル、あるいは上記で定義したとおりの親水性オリゴ/ポリマー基である。
基L’およびL’は好ましくは共有結合か、あるいは非置換か、またはHal、OH、NHR’、COR’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜24)アルキル、より好ましくはC(1〜12)アルキル、最も好ましくはC(1〜6)アルキルである。
より好ましくは、L’およびL’は共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜12)アルキル、より好ましくはC(1〜6)アルキルである。
基mは、1、2、または3、好ましくは2である。
具体的な実施形態では、Yおよび/またはYは好ましくはNであり、Bはカルボキサミド保護基である。
用語「保護基」(または末端基)は、本明細書において使用する場合、Yおよび/またはYに適した保護基を指す。これらの保護基は、官能基(典型的には、アミノまたはカルボキサミド、カルボキシルまたはチオカルボニル官能基)の性質に左右され、したがって、様々であり得る。アミノ官能基に適した保護基には、例えば、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジルまたは2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、およびトリチルまたはトシル保護基が包含される。アミド官能基に適した保護基には、例えば、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、ベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどが包含される。カルボキシル官能基に適した保護基には、例えば、シリル基、およびアルキル、アリール、またはアリールアルキルエステル、より具体的には、メチルおよびt−ブチルなどのアルキルエステル;メトキシメチルなどのアルコキシアルキル;メチル、チオメチルなどのアルキルチオアルキルエステル;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロアルキルエステル、およびベンジル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチルなどのアラルキルエステルが包含される。ヒドロキシ官能基に適した保護基には、例えば、アルキルエステル、t−ブチル、ベンジル、またはトリチル基が包含され、メチルエーテル、置換メチルエーテル(例えば、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル))、置換エチルエーテル、置換ベンジルエーテル、シリルエーテル(例えば、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、TBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル))が包含される。本発明は、これらの保護基に限定されることを意図したものではなく;むしろ、様々な追加の同等の保護基を容易に同定し、本発明において利用することができる。上記の保護基およびさらなる保護基、さらに、それらを導入および除去するための技法は、その内容全体が参照によって本明細書に援用される「Protective Groups in Organic Synthesis」、Third Ed.Greene,T.W.およびWuts,P.G.編、John Wiley & Sons、New York:1999に記載されている。
より具体的な実施形態では、本発明は、式IIIa、IIIb、IIIcの化合物を対象とする:
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、RはH、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換の−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Yは互いに独立に、O、N、またはSであり、
mは1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、L’、L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、OH、NHR’、COOR’、NOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどの連結基であり、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−、または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)によって置き換えられていてよく、
、Bは互いに独立に、Hまたは保護基であり、
、Rは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
用語「複素環」(または「複素環式環」)は、本明細書において使用する場合、飽和、不飽和、または芳香族のいずれかであり、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を含有し、その窒素および硫黄ヘテロ原子が場合によって酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子が場合によって四級化されていてよい任意の4〜7員の複素環式環を意味する。複素環には、これらに限られないが、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが包含され得る。本発明において使用するために好ましい複素環(heterocylces)は、1〜3個の窒素原子を含有するアザ複素環、好ましくは5員のアザ複素環である。用語「アザ複素環」は、L、L’およびL、L’に関連して、好ましくはLおよびLに関連して使用する場合、少なくとも1個の窒素原子を環中に包含し、非置換か、または置換されていてよい複素環式基を指す。アザ複素環式基は、当技術分野で認められるとおり、例えばC(1〜6)アルキルによって置換されていてもよい。本化合物において使用するためには、5員のアザ複素環式基が好ましく、例えばトリアゾリルまたはテトラゾリル基、より好ましくは次の構造の基である
[式中、
点線は、隣接する基への連結部位を表し、R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルである]。
したがって、好ましい実施形態では、L、L’、L、およびL’、好ましくはLおよびLは互いに独立に、式(a)、(b)、(c)、または(d)の基である
[式中、
R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサー(Yおよび/またはYに連結)であり、
qは、0、1、2、3、または4である]。
好ましい実施形態では、Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、NHR’、もしくはCOOR’(ここで、R’は上記で定義したとおりである)で置換されている直鎖または分枝C(1〜6)アルキルである。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、式IVa、IVb、IVc、IVdを有する式Iの化合物を提供する:
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
は、O、N、またはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’は、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、Rは互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
他の実施形態では、本発明は、式Va、Vb、Vc、Vdを有する式Iの化合物を提供する
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
は、O、N、またはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’は、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
まだ他の実施形態では、本発明は、式VIa、VIb、VIc、VIdを有する式Iの化合物を提供する:
[式中、
〜Xは互いに独立に、C、N、またはO、好ましくはNまたはOであり、
、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2、または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
R”は、Hか、あるいは非置換か、または少なくとも1個のCN、Hal、もしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
、Rは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
本発明の化合物の具体的な一実施形態には例えば、
(a)X〜XがNであり、RがNYであり、RがOであり、RがYであり、pが0または1であり、qが1または3であるか、あるいは
(b)X〜XがNであり、RがNYであり、RがNHであり、RがYであり、pが0であり、qが1である
化合物が包含される。
したがって、具体的な実施形態では、本発明の化合物は、式VIIa、VIIb、VIIc、VIIdの化合物を包含する
[式中、
、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2、または3であり、
は、O、N、またはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’は、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、Rは互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
他の具体的な実施形態では、本発明の化合物は、式VIIIa、VIIIb、VIIIc、VIIIdの化合物を包含する:
[式中、
、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2、または3であり、
は、O、N、またはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’は、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
他の具体的な実施形態では、本発明の化合物は、式IXa、IXb、IXc、IXdの化合物を包含する
[式中、
、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’、および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’、およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2、または3であり、
Spは互いに独立に、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’、もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルなどのスペーサーであり、
’、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3、または4であり、
、Rは互いに独立に、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OH、または−OC(1〜8)アルキルである]。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法も提供する。合成は好ましくは、モジュラー式手法(適切に誘導体化された官能基、すなわち、ホラート基、糖基など)に基づき、エステル化、アミド化(amdiation)、およびクリック反応(上記も参照)を包含する当技術分野で知られている様々な標準的なカップリング化学に基づく。後者の反応は、特に有用であることが証明されており、熱条件下または触媒の存在下、付加環化でアジドおよびアルキン基をカップリングさせて、選択された最終化合物を得ることに基づく(KolbおよびSharpless、Drug Discovery Today 2003、8、1128頁;Kolbら、Angew.Chem.Int.Ed.2001、40、2004; Rostovtsev,V.V.ら、Angew.Chem.Int.Ed.2002、41、2596頁;米国特許出願公開第2005/02222427号;WO06/116629)。これらの反応は、Huisgen1,3−双極性付加環化(熱条件)およびクリック反応(触媒条件)として知られており、当技術分野において記載されている(KolbおよびSharpless、Drug Discovery Today 2003、8、1128頁;Kolbら、Angew.Chem.Int.Ed.2001、40、2004;Rostovtsevら、Angew.Chem.Int. Ed.2002、41、2596頁(非特許文献24);米国特許出願公開第2005/02222427号;WO06/116629)。
より具体的には、5員の複素環がトリアゾールである本発明の化合物は、アジドR−NをアルキンR−C≡C−Rと付加環化させることによって得られてもよく、5員の複素環がテトラゾールである式Iの化合物は、アジドR−NをシアニドR−C≡Nと付加環化させることによって得られる。全ての可能な組合せが本明細書においては企図されており、すなわち、Rは、ホラート誘導体であり、Rは糖基(またはその前駆体)であり、さらに、Rはホラート誘導体であり、Rは糖基(またはその前駆体)である。したがって、反応のモジュラー式かつ可変的性質によって、幅広い様々なリンカーを利用して、放射性同位体を葉酸にカップリングさせることができる。
糖基は、ホラート基にカップリングする前に、またはホラート基にカップリングした後に、18F同位体で置換されてよいことも理解される。
2個のカップリング基(すなわち、アルキン基またはアジド基)のうちの1個を、直接、またはリンカーを介して、ホラート上のα−カルボン酸に特異的に連結して(γ−カルボン酸の適切な保護下で)、α−位置異性体を純粋な形態で得ることができることも理解される。別法では、2個のカップリング基(すなわち、アルキン基またはアジド基)のうちの1個を、直接、またはリンカーを介して、ホラート上のγ−カルボン酸に特異的に連結して(α−カルボン酸の適切な保護下で)、γ−位置異性体を純粋な形態で得ることができる。
様々なカップリングステップに適した条件を選択し、適切な保護基PG(例えば、Greene & Wuts編、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、1991、John Wiley & Sons、NY.を参照されたい)および脱離基LG(例えば、ハロゲン、トシラート、メシラート、トリフラート、カルボナート基)を選択して所望のα−またはγ−位置異性体を得ることは当業者には明白であろう。
さらなる態様では、本発明は、診断イメージング量または治療有効量の少なくとも1種の本発明の化合物と、薬学的に許容可能なそのための担体とを含む医薬組成物を提供する。本明細書において使用する場合、適切な適用量で存在する薬学的に許容可能な担体には、生理学的に許容できる溶媒、分散媒体、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤などが包含される。そのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野でよく知られている。
さらなる態様では、本発明は、診断イメージングを必要とする対象に簡便かつ有効に投与するための(本発明の化合物および医薬組成物を包含する)本発明のホラート放射性医薬品の使用を提供する。
したがって、本発明は、ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法を提供し、前記方法は、少なくとも1種の本発明のホラート放射性医薬品を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む。
そのようなイメージングを、ホラート受容体を発現する細胞または細胞集団上、in vitroまたはin vivoで行うことができる。
したがって、本発明は、組織試料においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出する方法を提供し、その方法は、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の少なくとも1種の本発明のホラート放射性医薬品と十分な時間および条件で接触させるステップと、PETイメージングによってそのような結合を検出するステップとを包含する。
さらなる態様では、本発明は、癌ならびに炎症性および自己免疫疾患の診断イメージングおよび/または治療のモニタリングを必要とする対象に、簡便かつ有効に投与するための本発明のホラート放射性医薬品の使用を提供する。
したがって、本発明は、同時に診断および治療するための方法を提供し、この方法は、それを必要とする対象に少なくとも1種の本発明のホラート放射性医薬品を診断有効量で、選択された治療活性な化合物と組み合わせて投与するステップと、治療経過に従うように前記組織の診断イメージを得るステップとを含む。
本発明の方法の対象は好ましくは、動物またはヒトなどの哺乳動物、好ましくはヒトである。
投薬量、すなわち、少なくとも1種の本発明のホラート放射性医薬品の診断有効量は、診断の形態などの所望の効果の性質に、診断計装に、製剤の適用形態に、かつ受容者の年齢、体重、栄養、および状態、もしあるならば併用療法の種類に左右される。
しかしながら、理解されるとおり、かつ過度の実験を伴うことなく、当業者であれば決定することができるとおり、最も好ましい投薬量を個々の対象に合わせることができる。これは典型的には、標準的な用量を調節することを伴い、例えば、患者が少ない体重を有する場合には、用量を減らすことを伴う。
放射性トレーサーを投与してから数分以内から2〜4時間までに、PETスキャナーでのイメージング手順を実施する。スケジュールは、イメージング標的および放射性トレーサーの動態、さらに、所望の情報に左右される。
本発明のホラート放射性医薬品の好ましい投与経路は、静脈内注射によるものである。
注射に適した形態には、上述の本発明のホラート放射性医薬品の滅菌水性液剤または分散剤が包含される。典型的には、放射性医薬品を、生理学的緩衝液中で製剤化する。
これらに限られないが、抗菌剤または抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどを加えることを包含する任意の当分野で認められている技法によって、ホラート放射性医薬品を減菌することができる。好ましくは、投与の前に、それらを滅菌濾過して、追加の滅菌薬の必要性を排除する。
注射される液剤では、好ましい単位投薬量は、約0.01mL〜約10mLである。静脈内投与の後に、所望の場合には、放射標識された試薬を対象に投与して十分な量の投与用量を選択された標的化領域に蓄積させてから数分以内から2〜4時間まで、臓器または腫瘍のイメージングをin vivoで行うことができる。
本発明のホラート放射性医薬品は、対象から採取された組織生検においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出するために使用することもできる。したがって、さらなる実施形態では、本発明は、組織試料においてホラート受容体を発現している細胞、例えば、腫瘍細胞をin vitroで検出するための方法を提供し、この方法は、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の本発明のホラート放射性医薬品と十分な時間および条件で接触させるステップと、イメージング技法によってそのような結合を検出するステップとを包含する。
当業者に知られている手順によって、例えば、組織生検または体液を収集することによって、気管または肺試料などを吸引することによって、試料を収集することができる。
検査される組織試料には、腫瘍細胞、上皮細胞、腎臓、胃腸、または肝胆道系などの、ホラート受容体を発現している体組織または体液(例えば、血液細胞)の個々の細胞、細胞群、または細胞培養物を含有すると疑われる、アテローム斑を包含する任意の動脈および血管組織が包含される。
組織は、対象の内部にあってよいか、または対象から生体採取もしくは除去されていてよい。組織は、身体臓器の全体または任意の部分であってもよい。組織が、切除と本発明の方法との間に何ら保存ステップを伴うことなく、対象から最近除去されたということにおいて、組織は「新鮮」であってよい。本発明の方法を適用する前に、組織(試料)を、これらに限られないが、凍結、急速凍結、パラフィン包埋、および組織固定を包含するそのような標準的な組織調製技法によって保存しておいてもよい。例えば、ミクロトームを用いて、試料を薄片にして、顕微鏡検査および観察を容易にすることができる。本発明のホラート放射性医薬品のうちの1種と共にインキュベーションする前または後のいずれかに、適切な固定剤を用いて、試料を固定して、試料組織の組織学的品質を改善することもできる。
本発明のホラート放射性医薬品が細胞上のホラート受容体に結合するために十分な時間および条件には、標準的な組織培養条件が包含され、すなわち、生理学的培地中で、試料をin vitroで培養し、本発明の化合物または組成物のうちの1種と共にインキュベートすることができる。そのような条件は、当業者によく知られている。別法では、試料を固定し、次いで、等張性または生理学的緩衝液中、本発明のホラート放射性医薬品と共にインキュベートすることができる。
全ての用途で、本発明の化合物を、使用される現場で、またはその付近で調製することが簡便である。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.式Iの化合物:
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
、Y は互いに独立に、O、NまたはSであり、
mは、1、2または3であり、
、Q は互いに独立に、H、保護基または下式の基であり:
−L−A−L’− 18
ここで、
L、L’は互いに独立に、連結基、例えば、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH 、CO H、NO によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO R’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Aは、糖基であり、
ただし、Q およびQ のうちの少なくとも1個は、式−L−A−L’− 18 Fの基であることを条件とする]。
2.式Ia、Ib、Icを有する、上記1に記載の化合物:
[式中、
Zは、プテロアートまたはその誘導体であり、
、Y は互いに独立に、O、NまたはSであり、
mは、1、2または3であり、
、L ’、L 、L ’は互いに独立に、連結基、例えば、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH 、CO H、NO によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO R’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルであり、
、A は互いに独立に、糖基であり、
、B は互いに独立に、Hまたは保護基である]。
3.式IIを有する、上記1に記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR 、−CONHR (ここで、R は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Y は互いに独立に、O、NまたはSであり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、Q は互いに独立に、H、保護基または下式の基であり:
−L−A−L’− 18
ここで、
L、L’は互いに独立に、連結基、例えば、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH 、CO H、NO によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO R’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルであり、
Aは、糖基であり、
ただし、Q およびQ のうちの少なくとも1個は、式−L−A−L’− 18 Fの基であることを条件とする]。
4.式IIa、IIb、IIcを有する、上記1〜3のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR 、−CONHR (ここで、R は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Y は互いに独立に、O、NまたはSであり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、L ’、L 、L ’は互いに独立に、連結基、例えば、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH 、CO H、NO によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO R’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜50)アルキルであり、
、A は互いに独立に、糖基であり、
、B は互いに独立に、Hまたは保護基である]。
5.糖基が、好ましくはアロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトースおよびタロースから選択されるピラノシド、または好ましくはリボース、アラビノース、キシロースおよびリキソースから選択されるフラノシドをベースとする環式単糖または環式オリゴ糖である、上記1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
6.糖基が、グルコースおよびガラクトースから選択される環式単糖である、上記1〜5のいずれか一つに記載の化合物。
7.式IIIa、IIIb、IIIcを有する、上記1〜6のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR 、−CONHR (ここで、R はH、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
、Y は互いに独立に、O、NまたはSであり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
、L ’、L 、L ’は互いに独立に、連結基、例えば、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH 、CO H、NO によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SO R’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
、B は互いに独立に、Hまたは保護基であり、
、R は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R 、R 10 、R 11 は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
8.L およびL が互いに独立に、非置換かまたはHal、OH、NHR’、CO R’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’または5員もしくは6員の複素環、好ましくは5員のアザ複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜24)アルキルである、上記2〜7のいずれか一つに記載の化合物。
9.L およびL が、互いに独立に、式(a)、(b)、(c)または(d)の基である、上記2〜8のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalもしくはNO によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、スペーサー(Y1および/またはY2に連結)、例えば、非置換であるかまたは−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4である]。
10.L ’およびL ’が、好ましくは共有結合であるか、あるいは非置換かまたはHal、OH、NHR’、CO R’から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜24)アルキル、より好ましくはC(1〜12)アルキル、最も好ましくはC(1〜6)アルキルである、上記2〜9のいずれか一つに記載の化合物。
11.Y および/またはY がNであり、B がカルボキサミド保護基である、上記1〜10のいずれか一つに記載の化合物。
12.式IVa、IVb、IVc、IVdを有する、上記1〜11のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR (ここで、R は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
は、O、NまたはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
R”は、非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalまたはNO によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
Spは、スペーサー、例えば、非置換であるか、または−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、 qは、0、1、2、3または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
13.式Va、Vb、Vc、Vdを有する、上記1〜12のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR (ここで、R は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
は、O、NまたはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalまたはNO によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、スペーサー、例えば、非置換であるかまたは−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
10 、R 11 は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
14.式VIa、VIb、VIc、Vidを有する、上記1〜13のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
〜X は互いに独立に、C、NまたはO、好ましくはNまたはOであり、
、R は互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR 、−COR 、−COOR 、−NHR 、−CONHR (ここで、R は、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
、R は互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
mは、1、2または3であり、
rは、1〜7の値を有し、
pは、0または1であり、
R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalもしくはNO によって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
Spは、スペーサー、例えば、非置換であるかまたは−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
’、L ’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
、R は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R 、R 10 、R 11 は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
15.mが2である、上記1〜14のいずれか一つに記載の化合物。
16.qが0である、上記9〜15のいずれか一つに記載の化合物。
17.式VIIa、VIIb、VIIc、VIIdを有する、上記1〜16のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
、Y は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2または3であり、
は、O、NまたはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
Spは、スペーサー、例えば 非置換であるかまたは−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
18.式VIIIa、VIIIb、VIIIc、VIIIdを有する、上記1〜17のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
、Y は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2または3であり、
は、O、NまたはSであり、
は、Hまたは保護基であり、
Spは、スペーサー、例えば、非置換であるか、または−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、 L ’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
10 、R 11 は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
19.式IXa、IXb、IXc、IXdを有する、上記1〜18のいずれか一つに記載の化合物:
[式中、
、Y は互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
mは、1、2または3であり、
Spは互いに独立に、スペーサー、例えば、非置換であるかまたは−CH −基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
’、L ’は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH 基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
、R は互いに独立に、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
、R 、R 10 、R 11 は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
20.少なくとも1種の、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物を含む、医薬組成物。
21.ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団をin vitroまたはin vivoで診断イメージングするための、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物の使用または上記20に記載の医薬組成物。
22.診断イメージングを必要とする対象に、簡便かつ有効に投与するための、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物の使用または上記20に記載の医薬組成物。
23.ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法であって、少なくとも1種の、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む方法。
24.診断イメージングを、ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団でin vitroまたはin vivoで行う、上記23に記載の方法。
25.組織試料においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出する方法であって、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物と十分な時間および条件で接触させるステップと、PETイメージングによってそのような結合を検出するステップとを包含する方法。
26.対象を診断イメージングおよび/またはモニタリングする方法であって、(i)少なくとも1種の、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、(ii)前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む方法。
27.対象において癌療法をモニタリングする方法であって、(i)それを必要とする対象に、少なくとも1種の、上記1〜19のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で、選択された治療活性な化合物と組み合わせて投与するステップと、(ii)癌療法の経過に従うように、前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む方法。
28.任意の他の癌診断方法または癌療法と組み合わせて使用される、上記26または27に記載の方法。
本明細書において開示および請求されている化合物および/または方法は全て、本開示を考慮すれば過度の実験を伴うことなく、製造および実行することができる。本発明の範囲から逸脱しなければ、変形形態も本発明に該当し得ることは、当業者には明らかであろう。本明細書において提示されている例は、実例を意図したものであって、網羅的なものではない;したがって、説明されている例は、本発明を制限するものとしては決して考察されるべきではない。
材料および方法
赤外スペクトルを、Jasco FT/IR−6200 ATR−IRで記録した。核磁気共鳴スペクトルを、内標準として対応する溶媒シグナルを用いるBruker 400MHzまたは500MHz分光計で記録した。化学シフトは、テトラメチルシラン(0.00ppm)に対して百万分率(ppm)で報告する。結合定数、Jの値は、ヘルツ(Hz)で示されている;H−NMRスペクトルを記載する実験セクションで、次の略語を使用する:一重項(s)、二重項(d)、三重項(t)、多重項(m)、二重二重項(dd)。複雑な多重項の化学シフトは、その存在範囲として示されている。低分解能質量スペクトル(LR−MS)は、Micromass Quattro micro(商標) API LC−ESIで、かつ高分解能質量スペクトル(HR−MS)はBruker FTMS 4.7 T BioAPEXII(ESI)で記録した。
薄層クロマトグラフィー(TLC、EM Science 0.25mm厚のプレコーティングされたシリカゲル60 F−254ガラス担持プレートで行われた)またはHPLCによって、反応をモニタリングした。L−7400チューナブル吸収検出器を備えたMerck−Hitachi L−7000システムで、HPLCを行った。次の溶媒系(1ml/分):50mMのNHHCO溶液(溶媒A)、アセトニトリル(溶媒B);0〜4分は100%のA;4〜5分で100→93%のA;5〜15分は93%のA;15〜25分で93→30%のA;25〜30分は30%のAを使用するGeminiカラム(C18、5μm、4.6×250mm、Phenomenex)で、分析HPLCを行い;次のとおりの溶媒系および勾配:50mMのNHHCO溶液(溶媒A)、メタノール(溶媒B);0〜3分は100%のA;3〜28分で100→40%のA;28〜30分で40→30%のA;30〜35分は30%のAを用いるGeminiカラム(C18、5μm、10×250mm、Phenomenex)、3mL/分で、半分取HPLCを行った。
L−2450ダイオードアレー検出器およびBertholdラジオディテクタを備えたMerck−Hitachi L−2130システムで、分析HPLCのための上述のカラムおよび勾配を使用して、分析放射性HPLCを行った。
in vitro安定性研究では、Waters Acquity UPLC BEH C18カラム(2.1×50mm、1.7μm)および付属のBertholdコインシデンス検出器(FlowStar LB513)を備えたWaters製の超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC(商標))システムを、次の勾配システムで使用した:50mMのNHHCO溶液(溶媒A)、アセトニトリル(溶媒B)、0.5ml/分;0〜0.5分は100%のA;0.5〜3.5分で100→30%;3.5〜3.9分は30%のA。
Merck−Hitachi L−6200Aインテリジェントポンプ(intelligent pump)、Knauer可変波長紫外線検出器、およびEberline RM−14ラジオディテクタを備えたHPLCシステムで、Geminiカラム(C18、5μm、250×10mm、Phenomenex)と、3ml/分の流速でpH7.0に調節された50mMのNaHPO/NaHPO緩衝液および5%のエタノールからなる定組成溶媒システムとを使用して、[18F]グルコース葉酸の半分取放射性HPLC精製を実施した。
別段に規定しない限り、全ての薬品を供給されたままで使用した。
担体無添加[18F]フルオリドの生産
濃縮[18O]水の照射によって、サイクロン18/9サイクロトロン(IBA)で18O(p,n)18F核反応を介して、n.c.a.(no−carrier−added:担体無添加)[18F]フルオリドを生産した。[18F]フルオリドをアニオン交換カートリッジ(QMA Light;Waters;0.5MのKCO溶液およびHOで予め調整)に固定し、Kryptofix K222(5mg)およびKCO(1mg)のアセトニトリル(1.4mL)および水(0.6mL)中の溶液で10mL密閉反応容器に溶離した。110℃、真空下で、窒素流を用いてアセトニトリルを共沸蒸留することによって、フルオリドを乾燥させた。共沸乾燥プロセスを各回アセトニトリル1mLで3回繰り返した。
例1
γ−ホラートアルキン前駆体の合成(図1Aによる)
(a)(S)−メチル2−((S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)−アミノ)−5−メトキシ−5−オキソペンタナンアミド(oxopentananamido))ペンタ−4−イノアートの合成(ステップa)
市販のBocGluOMe(402mg、1.54mmol)を無水DMF(4mL)に溶かし、EtN(428μL、2当量)を加えた。HBTU(700mg、1.85mmol)を0℃で加え、混合物を30分間撹拌した。活性化された酸の溶液を、EtN(856μL、4当量)を含有するH−Pra−OMe・HCl(205mg、1.62mmol)の無水DMF(4mL)中の溶液に0℃で移した。混合物を0℃で1時間撹拌し、室温に加温し、一晩撹拌した。生成物をクエン酸(1M)および酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインですすぎ、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。CHCl/MeOH(50:1)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製を達成して、生成物を白色の固体(467mg、82%)として得た。
H−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 8.40(d,1H,J=7.3Hz)、7.27(d,1H,J=7.7Hz)、4.45(q,1H,J=7.3Hz)、4.00(m,1H)、3.68(s,3H)、3.66(s,3H)、2.92(t,1H,J=2.5Hz)、2.62(m,2H)、2.26(t,2H,J=7.6Hz)、2.04〜1.71(m,2H)、1.42(s,9H);13C−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 173.8、172.4、171.8、156.4、80.9、79.1、74.1、53.9、53.0、52.6、51.9、32.2、29.1、27.5、21.9;HR−MS(ES)計算値C1727:371.1813;実測値:371.1816
(b)(S)−メチル2−((S)−4−アミノ−5−メトキシ−5−オキソペンタナンアミド)ペンタ−4−イノアートの合成(ステップb)
(S)−メチル2−((S)−4−((tert−ブトキシカルボニル)−アミノ)−5−メトキシ−5−オキソペンタナンアミド)ペンタ−4−イノアート(460mg、1.24mmol)をCHCl(4.5mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(TFA;0.5mL)を加えた。混合物を室温で5時間放置し、次いで、減圧下で濃縮して、アミンのTFA塩を黄色のオイル(332mg、定量)として得た。
H−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 8.56(d,1H,J=7.3Hz)、8.48(bs,1H)、4.46(q,1H,J=7.3Hz)、4.10(bs,1H)、3.79(s,3H)、3.68(s,3H)、2.95(t,1H,J=2.6Hz)、2.64(m,2H)、2.38(m,2H)、2.04(m,2H);13C−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 171.9、171.7、170.6、81.0、74.3、53.8、53.0、52.5、52.0、31.1、26.8、21.9;HR−MS(ES)計算値C1219:271.1288;実測値:271.1298
(c)γ−ホラートアルキンの合成(ステップcおよびd)
−N,N−ジメチルアミノメチレン−10−ホルミルプテロイン酸(formylpteoric acid)(246mg、0.62mmol)を無水DMF(2mL)に懸濁させ、EtN(165μL、2当量)を加えた。HBTU(314mg、0.83mmol)を0℃で加え、透明なオレンジ色の溶液が現れるまで、懸濁液を5分間撹拌した。生じた溶液を0℃で、EtN(165μL、2当量)を含有する(S)−メチル2−((S)−4−アミノ−5−メトキシ−5−オキソペンタナンアミド)ペンタ−4−イノアート(TFA塩;160mg、0.59mmol)の無水DMF(3mL)中の溶液に加えた。透明な黄色の溶液を0℃で4時間撹拌し、次いで室温に加温し、2時間撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、CHCl/MeOH(10:1)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して、保護されたγ−ホラートアルキンを黄色の固体(238mg、62%)として得た。
LR−MS(ES)計算値C3033:647.25;実測値:647.83
NMRおよびHPLCによって、生成物の部分的な脱保護が示されたので、化合物をすぐに脱保護して、γ−ホラートアルキン前駆体(下記参照)を得た。
保護されたγ−ホラートアルキン(203mg、0.35mmol)を1MのNaOH(6mL)に溶かし、室温で一晩撹拌した。水溶液を少量の酢酸エチル(3×1ml)で抽出し、その後、2MのHClで、pHを8に調節した。溶液を2つのポーションに分け、2つの逆相カートリッジ(Sep−Pak C18、12cc、2g;Waters;MeOHおよびHOで予め調整)によって、精製を達成した。カートリッジを初めにHO3mlで洗浄し、次いで、生成物をHO12mlで溶離した。両方の生成物画分を合わせ、凍結乾燥させた後に、γ−ホラートアルキンを黄色の粉末(121mg、63%、HPLCによる純度>95%)として得た。
H−NMR(DO/NaOD) δ/ppm 8.62(s,1H)、7.69(d,2H,J=8.8Hz)、6.86(d,2H,J=8.8Hz)、4.63(s,2H)、4.37(q,1H,J=4.5Hz)、4.24(t,1H,J=5.7Hz)、2.56(m,2H)、2.44(m,2H)、2.29(m,1H)、2.07(m,1H);HR−MS(ES)計算値C2425:537.1841;実測値:537.1834
例2
γ−[19F]−グルコースホラート基準の合成(図2Aによる)
2−デオキシ−2−フルオログルコピラノシルアジドの合成を、文献手順(例えば、MaschauerおよびPrante、Carbohydr.Res.2009)による手順に従って調製した。
γ−ホラートアルキン(10mg、19μmol)をtert−BuOH/HO(1:1、1mL)にエッペンドルフ管内で溶かし、2−デオキシ−2−フルオログルコピラノシルアジド(11.6mg、56μmol)、0.1MのCu(OAc)溶液(0.1当量、19μL)、および0.1Mのアスコルビン酸ナトリウム溶液(0.2当量、38μL)を加えた。完全に変換するまで(HPLCを介して分析)、溶液を室温、500rpmで1時間振盪した。生成物を単離するために、混合物を半分取HPLCに掛けた。所望の画分を収集し、凍結乾燥させて、生成物を黄色の粉末(7.2mg、52%、HPLCによる純度>98%)として得た。
H−NMR(DO/NaOD) δ/ppm 8.74(s,1H)、7.98(s,1H)、7.61(d,2H,J=8.8Hz)、6.76(d,2H,J=8.8Hz)、5.89(dd,1H,J=2.6Hz,J=9.0Hz)、4.91(t,1H,J=9.0Hz)、4.61(s,2H)、4.44(q,1H,J=4.7Hz)、4.35(q,1H,J=4.3Hz)、4.02〜3.86(m,2H)、3.79〜3.62(m,2H)、3.20(dd,1H,J=4.7Hz,J=14.8Hz)、3.04(dd,1H,J=8.4Hz,J=14.8Hz)、2.37(m,2H)、2.17(m,1H)、2.01(m,1H);HR−MS(ES)計算値C3035FN1111:744.2496;実測値:744.2508
例3
γ−[18F]−グルコースホラートの合成(図2Aによる)
18F−置換グルコースをクリック反応を介してホラートにカップリングするために使用される3,4,6−トリ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノシルアジド前駆体を、文献手順(例えばMaschauerおよびPrante、Carbohydr.Res.2009、753頁;Takataniら、Carbohydr.Res.2003、1073頁)に従って得た。
(b)2−[18F]フルオログルコピラノシルアジドの放射性合成
無水18F−フルオリド−クリプタート複合体に、無水アセトニトリル0.30mL中の前駆体、3,4,6−トリ−O−アセチル−2−O−トリフルオロメタンスルホニル−β−D−マンノピラノシルアジド(3.0mg、6.5μmol)を加えた。混合物を80℃で5分間撹拌して、放射性UPLC分析によると最大75%の18F導入を得た。5分間冷却し、水8mLを加えた後に、混合物を逆相カートリッジ(Sep−Pak C18 Plus;Waters;MeOHおよびHOで前処理)に通した。カートリッジを水5mLで洗浄した。18F標識された保護中間体、3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−[18F]フルオログルコピラノシルアジドをアセトニトリル2.0mLで別の10mL密閉反応容器に溶離し、減圧および窒素流下、80℃で乾燥させた。加水分解のために、60mMの水酸化ナトリウム溶液0.25mlを加え、混合物を65℃に5分間加熱して、脱アセチル化を完了した。冷却後に、混合物を60mMの塩化水素溶液0.25mLで中和し、さらに精製することなく、クリック反応のためにそのまま使用した。
(c)γ−ホラートアルキン前駆体へのカップリング
ステップ(b)で得られた脱保護された2−デオキシ−2−[18F]フルオログルコピラノシルアジドを、γ−ホラートアルキンを含有する他の反応容器に移し、続いて、エタノール0.3mL、0.1MのCu(OAc)溶液10μLおよび0.1Mのアスコルビン酸ナトリウム溶液20μLを加えた。反応混合物を50℃で15分間撹拌した。0.15Mのリン酸塩緩衝液3mLを加えた後に、混合物を半分取放射性HPLCシステムに掛けた。生成物画分γ−[18F]−グルコースホラートを滅菌フィルターに通し、発熱物質不含の滅菌バイアルに、さらなる製剤を伴うことなく収集した。単離された生成物の全減衰補正収率は、3時間の全合成時間の後に25%に達し、その際、放射化学的純度は常に、95%超であった。γ−[18F]−グルコースホラートの特異活性は、120GBq/μmolまでであった。
例4
α−ホラートアルキン前駆体の合成(図1Bによる)
(a)(S)−メチル2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)−アミノ)−5−メトキシ−5−オキソペンタンアミド)ペンタ−4−イノアートの合成
例1と同様に、BocGluOMe−OH・DCHを出発物質として使用して、アルキンを調製した。ステップaの生成物は、透明なオイル(326mg、80%)として生じた。
H−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 8.34(d,1H,J=7.8Hz)、6.97(d,1H,J=8.4Hz)、4.46(m,1H)、4.05(m,1H)、3.68(s,3H)、3.62(s,3H)、2.94(t,1H,J=2.6Hz)、2.66(dd,2H,J=2.6Hz,J=6.8Hz)、2.38(m,2H)、2.00〜1.71(m,2H)、1.42(s,9H);13C−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 173.8、172.7、171.6、156.1、80.7、79.1、74.4、54.1、53.1、52.3、51.8、30.7、29.1、28.2、21.8;HR−MS(ES)計算値C1726NaO:393.1632;実測値:393.1641
(b)(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5−メトキシ−5−オキソペンタンアミド)ペンタ−4−イノアートの合成(ステップb)
(S)−メチル2−((S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)−アミノ)−5−メトキシ−5−オキソペンタンアミド)ペンタ−4−イノアート(270mg、0.73mmol)をCHCl(4.5mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(TFA;0.5mL)を加えた。混合物を室温で5時間放置し、次いで、減圧下で濃縮して、アミンのTFA塩を黄色のオイル(198mg、定量)として得た。
H−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 9.12(d,1H,J=7.4Hz)、8.28(bs,2H)、4.54(m,1H)、3.99(m,1H)、3.70(s,3H)、3.65(s,3H)、3.04(t,1H,J=2.7Hz)、2.72(m,2H)、2.49(m,2H)、2.05(m,2H);13C−NMR(DMSO−d6) δ/ppm 173.2、171.1、169.4、80.5、74.8、53.3、52.5、52.2、52.1、29.4、27.2、21.6;HR−MS(ES)計算値C1219:271.1288;実測値:271.1291
(c)α−ホラートアルキンの合成
−N,N−ジメチルアミノメチレン−10−ホルミルプテロイン酸(246mg、0.62mmol)を無水DMF(2mL)中に懸濁させ、EtN(165μL、2当量)を加えた。HBTU(314mg、0.83mmol)を0℃で加え、透明なオレンジ色の溶液が現れるまで、懸濁液を5分間撹拌した。生じた溶液を0℃で、EtN(165μL、2当量)を含有する例1(b)に従って得られた(S)−メチル2−((S)−2−アミノ−5−メトキシ−5−オキソペンタンアミド)ペンタ−4−イノアート(TFA塩;160mg、0.59mmol)の無水DMF(3mL)中の溶液に加えた。
透明な黄色の溶液を0℃で4時間撹拌し、次いで、室温に加温し、一晩撹拌した。揮発性成分を減圧下で除去し、CHCl/MeOH(10:1)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して、保護されたα−ホラートアルキンを黄色の固体として得た。
LR−MS [M+H]:648.12。
NMRおよびHPLCによって、生成物の部分的な脱保護が示されたので、下記の手順を使用して、化合物をすぐに脱保護して、α−ホラートアルキンを得た。
保護されたα−ホラートアルキンを1MのNaOH(6mL)に溶かし、室温で一晩撹拌した。水溶液を少量の酢酸エチル(3×1mL)で抽出し、その後、2MのHCl(30μL)を用いて、pHを8に調節した。溶液を50mMのNHHCO溶液(5ml)で希釈し、分取HPLCに掛けた。所望の画分を収集し、凍結乾燥させて、生成物α−ホラートアルキンを黄色の粉末(84mg、2ステップで26%、HPLCによる純度>98%)として得た。
H−NMR(DO/NaOD) δ/ppm 8.58(s,1H)、7.67(d,2H,J=8.5Hz)、6.81(d,2H,J=9.8Hz)、4.58(s,2H)、4.46(q,1H,J=4.8Hz)、4.31(t,1H,J=5.9Hz)、2.68(m,2H)、2.33(t,2H,J=7.7Hz)、2.16(m,1H)、2.05(m,1H);HR−MS(ES)計算値C2424NaO:559.1660;実測値:559.1659。
例5
α−[19F]−グルコースホラート基準の合成(図2Bによる)
2−デオキシ−2−フルオログルコピラノシルアジドの合成を、文献手順(例えば、MaschauerおよびPrante、Carbohydr.Res.2009)による手順に従って調製した。α−ホラートアルキン(10mg、19μmol)をtert−BuOH/HO(1:1、1mL)にエッペンドルフ管内で溶かし、2−デオキシ−2−フルオログルコピラノシルアジド(11.6mg、56μmol)、0.1MのCu(OAc)溶液(0.1当量、19μL)、および0.1Mのアスコルビン酸ナトリウム溶液(0.2当量、38μL)を加えた。完全に変換するまで(HPLCを介して分析)、溶液を室温および500rpmで1時間振盪した。生成物を単離するために、混合物を半分取HPLCに掛けた。所望の画分を収集し、凍結乾燥させて、生成物を黄色の粉末(7.2mg、52%、HPLCによる純度>98%)として得た。
H−NMR(DO/NaOD) δ/ppm 8.74(s,1H)、7.98(s,1H)、7.61(d,2H,J=8.8Hz)、6.76(d,2H,J=8.8Hz)、5.89(dd,1H,J=2.6Hz,J=9.0Hz)、4.91(t,1H,J=9.0Hz)、4.61(s,2H)、4.44(q,1H,J=4.7Hz)、4.35(q,1H,J=4.3Hz)、4.02〜3.86(m,2H)、3.79〜3.62(m,2H)、3.20(dd,1H,J=4.7Hz,J=14.8Hz)、3.04(dd,1H,J=8.4Hz,J=14.8Hz)、2.37(m,2H)、2.17(m,1H)、2.01(m,1H);HR−MS(ES)計算値C3035FN1111:744.2496;実測値:744.2508
例6
α−[18F]−グルコースホラートの合成(図2Bによる)
γ−位置異性体の放射性合成と同じ方法で、α−[18F]−グルコースホラートの放射性合成を行った。
単離された生成物の全減衰補正収率は、3時間の全合成時間の後に3〜10%であり、その際、放射化学的純度は常に、95%超であった。[18F]−グルコースα−ホラートの特異活性は、110±30GBq/μmolまでであった。
例7
in vitro結合親和性アッセイ
ホラート受容体が過剰発現されているヒト子宮頸癌に由来するKB細胞を用いて、結合親和性アッセイを行った。細胞を単層として、75cmフラスコ内、37℃、加湿雰囲気(7.5%のCO)下で培養した。熱不活化ウシ胎児血清(10%)、L−グルタミン、ペニシリン(100IU/mL)、およびストレプトマイシン(100mg/mL)を補足されている特別なホラート欠乏RPMI 1640培地(FFRPMI 1640;Cell Culture Technologies)中で、細胞を維持した。ウシ胎児血清が、培地中の唯一のホラート供給源であったが、これは、ヒトにおける生理的血清濃度の下端である約3nmol/mLの最終ホラート濃度をもたらすと報告されている。
純粋なFFRPMI 1640培地(添加剤なし、氷冷)中の細胞懸濁液を1.5mLバイアル(240μL中に7000細胞)に加えた。H−葉酸(0.82nM)と共に、非放射性基準化合物グルコースホラート3の濃度を高めながら(5.0×10−7から5.0×10−12Mへ)、4℃で30分間、三重反復で細胞をインキュベートした。非特異的結合を過剰な葉酸(10−3M)の存在下で決定した。インキュベーションの後に、懸濁液を3500rpmおよび4℃で5分間遠心分離し、上清を除去した。1NのNaOH0.5mLを加えることによって、細胞ペレットを再懸濁させ、同時に溶解させた。溶解させた細胞をボルテックスミキサー内で撹拌し、シンチレーションカクテル(Ultima Gold;Perkin Elmer)4mLを含有するシンチレーション管に移した。βカウンター(LS6500;Beckman)を使用して、放射能を測定し、置換曲線からGraph Pad Prism 4.0ソフトウェアを使用して、50%阻害濃度を決定した。
3つの独立した実験から、グルコースホラートでの平均50%阻害濃度(IC50値)を得たが、これは、0.8±0.2nM(K=0.4±0.1nM)の値を示す葉酸と比較して、γ−位置異性体では1.6±0.1nM(K=0.8±0.1nM)、およびα−位置異性体では1.4±0.2nM(K=0.7±0.2nM)であることが見出された。1つの実験の置換曲線を図3に示す(四角はγ−グルコースホラートを示し、菱形はα−グルコースホラートを示し、三角は葉酸を示す)。
例8
in vitro安定性研究
γ−[18F]−グルコースホラートの安定性をヒト血漿中で、37℃での様々なインキュベーション時間(0〜120分)で調査した。インキュベーションの後に、血漿タンパク質を氷冷メタノールで沈殿させ、13500rpmおよび20℃で10分間遠心分離した。PBS対照を同じ体積のメタノールで希釈した。分析放射性UPLCによって、上清およびPBS対照を分析した。[18F]−グルコースホラートの位置異性体は両方とも120分まで、何らの崩壊生成物もヒト血漿中で示さなかった。
例9
分布係数の決定
振盪フラスコ法によって、分布係数(logD7.4)を決定した。簡略には、γ−[18F]−グルコースホラートをリン酸塩緩衝液(500μL、pH7.4)およびn−オクタノール(500mL)の混合物中に20℃で溶かした。試料をオーバーヘッドシェーカー中で15分間平衡させた。遠心分離(3分、5000rpm)によって、2相を分離し、50μLアリコットを各層から採取し、γカウンター内で放射能をカウントした。分配係数をPBS相中の放射能(cpm)に対するオクタノール相中での放射能(cpm)の比として表すが、これは、8回の測定の平均±標準偏差を表している。
18F]−グルコースホラートの両方の位置異性体のlogD7.4値は、γ−位置異性体では−4.21±0.14であり、α−位置異性体では−4.20±0.06(化合物の親水性の上昇を示している)であることが見出された。
例10
生体内分布研究
雌のCD−1ヌードマウスをCharles River(ドイツ)から購入し、ホラート欠乏げっ歯類食餌で保持して、ヒト血清レベルに匹敵するレベルまで、その血清ホラート濃度を低下させた。3〜4日の順応期間の後に、KB腫瘍細胞懸濁液(5×10細胞)0.1mLを、各マウスの両腋窩に皮下接種した。動物実験を接種から12日後に行った。動物にγ−[18F]−グルコースホラート約5MBq(注射1回につき最大100μL体積)を外側尾静脈を介して注射した。放射性トレーサーの10分前に静脈内注射されるPBSに溶かした過剰の葉酸(100μg/100μl)を用いて、遮断研究(n=2)を行った。放射性トレーサーを注射した後の3つの異なる時点(30分、60分、90分)で、動物をと殺した。臓器および組織を切開し、γカウンター(Wizard、PerkinElmer)で測定した。導入された放射能を、組織1グラム当たりの注射用量百分率(%ID)として表した。生体内分布データを表1にまとめた。様々な時点で得られた生体内分布データを[18F]−グルコースホラートのγ−位置異性体については表1に、α−位置異性体については表2にまとめている。遮断群(表内の最後の欄)では、各動物は、放射性トレーサー注射をする10分前に、PBS中100μg/100μLの葉酸を投与された。図4Aは、注射後60分目でのγ−位置異性体とα−位置異性体との生体内分布における比較を種々の組織について示している(縞のカラム:γ−位置異性体、中空のカラム:γ−位置異性体遮断群、中実のカラム:α−位置異性体、点付きのカラム:α−位置異性体遮断群)。図4Bは、注射後90分目でのγ−位置異性体とα−位置異性体との生体内分布における比較を種々の組織について示している(点付きの灰色のカラム:γ−位置異性体、中実の黒色のカラム:α−位置異性体)。
例11
PETイメージング研究
0.9mm未満の超高分解能をもたらすExplore VISTA PET/CT断層X線撮影器(GE)を用いて、PET実験を行った。
動物を軽く拘束し、10〜14MBqのγ−[18F]−グルコースホラート(注射1回当たり100〜150μL)を外側尾静脈を介して注射した。遮断研究のために、動物は、放射性トレーサー注射をする10分前に、PBSに溶かした過剰の葉酸(100μg/100μL)を静脈内注射を介して投与された。動物に、空気/酸素混合物中のイソフルランで麻酔をかけた。注射後75〜105分目にPETスキャンを得た。Amira(Version 4)後処理ソフトウェアを用いて、PETおよびCTを合わせたデータを分析した。
18F]−グルコースホラートのγ−およびα−位置異性体を使用するPET研究によって、両方の肩で、KB腫瘍異種移植片の優れたイメージが得られた。さらに、取り込みは高度に特異的であり、天然葉酸によって遮断された。図5A、Bは、注射後75〜105分時点での両方の異性体のPETイメージを示している。図5Bは、遮断群のPETイメージである。記号は次の臓器/組織を示している:(a):腫瘍、(b):肝臓、(c):胆嚢、(d):腎臓、(e):腸/糞便。

Claims (22)

  1. 式IIIa、IIIb、IIIcを有する化合物:
    [式中、
    〜Xは互いに独立に、C、NまたはOであり、
    、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR、−CONHR(ここで、RはH、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
    、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
    、Yは互いに独立に、O、NまたはSであり、
    mは、1、2または3であり、
    rは、1〜7の値を有し、
    pは、0または1であり、
    、L’、L、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、Hal、OH、NH、COH、NOによって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−NR’−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、−O−CO−O−、−S−R’−、−SOR’−または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    、Bは互いに独立に、Hまたは保護基であり、ここで、保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、トリチルまたはトシル保護基、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチル、t−ブチル、メトキシメチル、チオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルキルエステル、メチルエーテル、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル)、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、およびTBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル)からなる群から選択され、
    、Rは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  2. およびLが互いに独立に、非置換かまたはHal、OH、NH CO から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’または5員もしくは6員の複素環(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜)アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. およびLが、互いに独立に、式(a)、(b)、(c)または(d)の基である、請求項1または2に記載の化合物:
    [式中、
    R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalもしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    Spは、Y1および/またはY2に連結する、非置換であるかまたは−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NH もしくは−COOHで置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4である]。
  4. ’およびL’が、共有結合であるか、あるいは非置換かまたはHal、OH、NH CO から選択される少なくとも1個の基によって置換されていて、非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜)アルキルである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の化合物。
  5. および/またはYがNであり、Bがカルボキサミド保護基である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の化合物。
  6. 式IVa、IVb、IVc、IVdを有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    〜Xは互いに独立に、C、NまたはOであり、
    、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
    、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
    mは、1、2または3であり、
    rは、1〜7の値を有し、
    pは、0または1であり、
    は、O、NまたはSであり、
    は、Hまたは保護基であり、ここで、保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、トリチルまたはトシル保護基、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチル、t−ブチル、メトキシメチル、チオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルキルエステル、メチルエーテル、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル)、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、およびTBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル)からなる群から選択され、
    R”は、非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalまたはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    、Rは互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  7. 式Va、Vb、Vc、Vdを有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    〜Xは互いに独立に、C、NまたはOであり、
    、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
    、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
    mは、1、2または3であり、
    rは、1〜7の値を有し、
    pは、0または1であり、
    は、O、NまたはSであり、
    は、Hまたは保護基であり、ここで、保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、トリチルまたはトシル保護基、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチル、t−ブチル、メトキシメチル、チオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルキルエステル、メチルエーテル、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル)、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、およびTBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル)からなる群から選択され、
    R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalまたはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    Spは、非置換であるかまたは−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    10、R11は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  8. 式VIa、VIb、VIc、Vidを有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    〜Xは互いに独立に、C、NまたはOであり、
    、Rは互いに独立に、H、ハロゲン、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR、−COR、−COOR、−NHR、−CONHR(ここで、Rは、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’または−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)を表す)であり、
    、Rは互いに独立に、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’またはハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)であり、
    mは、1、2または3であり、
    rは、1〜7の値を有し、
    pは、0または1であり、
    R”は、Hであるか、あるいは非置換かまたは少なくとも1個のCN、HalもしくはNOによって置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    Spは、非置換であるかまたは−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’、L’は互いに独立に、共有結合か、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    、Rは、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  9. mが2である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の化合物。
  10. qが0である、請求項3〜9のいずれか一つに記載の化合物。
  11. 式VIIa、VIIb、VIIc、VIIdを有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
    は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
    mは、1、2または3であり、
    は、O、NまたはSであり、
    は、Hまたは保護基であり、ここで、保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、トリチルまたはトシル保護基、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチル、t−ブチル、メトキシメチル、チオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルキルエステル、メチルエーテル、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル)、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、およびTBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル)からなる群から選択され、
    Spは、非置換であるかまたは−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    、Rは互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  12. 式VIIIa、VIIIb、VIIIc、VIIIdを有する、請求項1〜11のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
    は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
    mは、1、2または3であり、
    は、O、NまたはSであり、
    は、Hまたは保護基であり、ここで、保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、メトキシ−またはエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、アセチルまたはトリフルオロアセチル、ベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、フタロリル基、トリチルまたはトシル保護基、p−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシベンジル、0−ニトロベンジル、ジ−(p−メトキシフェニル)メチル、トリフェニルメチル、(p−メトキシフェニル)ジフェニルメチル、ジフェニル−4−ピリジルメチル、m−2−(ピコリル)−N’−オキシド、5−ジベンゾスベリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチル、t−ブチル、メトキシメチル、チオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジル、ジフェニルメチル、アルキルエステル、メチルエーテル、MOM(メトキシメチルエーテル)、MTM(メチルチオメチルエーテル)、BOM(ベンジルオキシメチルエーテル)、PMBM、またはMPM(p−メトキシベンジルオキシメチルエーテル)、TMS(トリメチルシリルエーテル)、TES(トリエチルシリルエーテル)、TIPS(トリイソプロピルシリルエーテル)、TBDMS(tert−ブチルジメチルシリルエーテル)、トリベンジルシリルエーテル、およびTBDPS(tert−ブチルジフェニルシリルエーテル)からなる群から選択され、
    Spは、非置換であるか、または−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’は、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    は、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    10、R11は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  13. 式IXa、IXb、IXc、IXdを有する、請求項1〜12のいずれか一つに記載の化合物:
    [式中、
    、Yは互いに独立に、H、ハロ、C(1〜12)アルキル、C(2〜12)アルケニル、C(2〜12)アルキニル、−OR’、−COR’、−COOR’および−NHR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルである)から選択され、
    は、H、ニトロソ、C(1〜12)アルキル、−OR’、−COR’およびハロ置換−COR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜12)アルキルである)から選択され、
    mは、1、2または3であり、
    Spは互いに独立に、非置換であるかまたは−CH−基のうちの少なくとも1個が、−OH、−NHR’もしくは−COOR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)で置換されている直鎖または分枝C(1〜8)アルキルであり、
    ’、L’は互いに独立に、共有結合であるか、あるいは非隣接のCH基のうちの1個または複数が独立に、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’(ここで、R’は、HまたはC(1〜8)アルキルを表す)から選択される基によって置き換えられていてよい直鎖または分枝C(1〜6)アルキルであり、
    qは、0、1、2、3または4であり、
    、Rは互いに独立に、HまたはC(1〜8)アルキルであり、
    、R、R10、R11は互いに独立に、H、−OHまたは−OC(1〜8)アルキルである]。
  14. 少なくとも1種の、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物を含む、医薬組成物。
  15. ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団のin vitroまたはin vivoでの診断イメージングに使用するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物。
  16. 診断イメージングを必要とする対象に、簡便かつ有効に投与するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物。
  17. ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団を診断イメージングする方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物であって、上記方法が少なくとも1種の、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、前記細胞または細胞集団の診断イメージを得るステップとを含む、化合物。
  18. 診断イメージングを、ホラート受容体を発現している細胞または細胞集団でin vitroまたはin vivoで行う、請求項17に記載の化合物。
  19. 組織試料においてホラート受容体を発現している細胞をin vitroで検出する方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物であって、上記方法が、前記組織試料を、結合を生じさせるために有効な量の請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物と十分な時間および条件で接触させるステップと、PETイメージングによってそのような結合を検出するステップとを包含する、化合物。
  20. 対象を診断イメージングおよび/またはモニタリングする方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物であって、上記方法が(i)少なくとも1種の、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で投与するステップと、(ii)前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む、化合物。
  21. 対象において癌療法をモニタリングする方法に使用するための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物であって、上記方法が(i)それを必要とする対象に、少なくとも1種の、請求項1〜13のいずれか一つに記載の化合物を診断イメージング量で、選択された治療活性な化合物と組み合わせて投与するステップと、(ii)癌療法の経過に従うように、前記少なくとも1種の化合物からのシグナルを検出することによって、PETを使用する診断イメージングを行うステップとを含む、化合物。
  22. 任意の他の癌診断方法または癌療法と組み合わせて使用される、請求項20または21に記載の使用のための化合物。
JP2014526473A 2011-08-22 2012-08-21 18f−糖−ホラート Active JP6161209B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP11178260.3 2011-08-22
EP11178260 2011-08-22
PCT/EP2012/066236 WO2013026842A1 (en) 2011-08-22 2012-08-21 18f-saccharide-folates

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014531411A JP2014531411A (ja) 2014-11-27
JP6161209B2 true JP6161209B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=46704677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014526473A Active JP6161209B2 (ja) 2011-08-22 2012-08-21 18f−糖−ホラート

Country Status (18)

Country Link
US (2) US10322195B2 (ja)
EP (1) EP2776382B1 (ja)
JP (1) JP6161209B2 (ja)
KR (1) KR101994327B1 (ja)
CN (1) CN103732563B (ja)
AU (2) AU2012298546A1 (ja)
CA (1) CA2839654C (ja)
DK (1) DK2776382T3 (ja)
EA (1) EA201400253A1 (ja)
ES (1) ES2703107T3 (ja)
HK (1) HK1194355A1 (ja)
IL (1) IL230760A (ja)
PL (1) PL2776382T3 (ja)
PT (1) PT2776382T (ja)
SG (2) SG10201606981QA (ja)
TR (1) TR201819447T4 (ja)
WO (1) WO2013026842A1 (ja)
ZA (1) ZA201400175B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201711999A (zh) 2015-09-03 2017-04-01 佛瑪治療公司 ﹝6,6﹞稠合雙環組蛋白脫乙醯基酶8(hdac8)抑制劑
TWI732825B (zh) * 2016-05-20 2021-07-11 日商王子控股股份有限公司 圖案形成用定向自組裝組成物、圖案形成用定向自組裝組成物用單體及圖案形成方法
CN109232690A (zh) * 2018-09-10 2019-01-18 南方医科大学南方医院 一种正电子显像剂标准品前体及其制备方法
EP3671511B1 (en) 2018-12-19 2022-07-06 Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG Communication system and method
CN111714640B (zh) * 2019-03-14 2023-02-14 北京和益源生物技术有限公司 一种糖修饰的叶酸衍生物制备的纳米运载颗粒及其应用
CN111748002B (zh) * 2019-03-14 2022-03-29 北京和益源生物技术有限公司 一种脱氧葡萄糖修饰的叶酸衍生物及其合成与应用

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4276280A (en) 1976-09-29 1981-06-30 Becton, Dickinson And Company Radiolabeled derivatives of folic acid
US4628090A (en) 1984-08-21 1986-12-09 Rensselaer Polytechnic Institute Fluorine-containing antifolates incapable of polyglutanayte formation related compounds
US6093382A (en) * 1998-05-16 2000-07-25 Bracco Research Usa Inc. Metal complexes derivatized with folate for use in diagnostic and therapeutic applications
KR101138643B1 (ko) 2002-05-30 2012-04-26 더 스크립스 리서치 인스티튜트 구리 촉매 작용하에서의 아지드와 아세틸렌과의 리게이션
JP2008525485A (ja) 2004-12-23 2008-07-17 パーデュー・リサーチ・ファウンデーション ポジトロン放射断層画像法
EP1875240A2 (en) 2005-04-27 2008-01-09 Siemens Medical Solutions USA, Inc. The preparation of molecular imaging probes using click chemistry
US8926945B2 (en) * 2005-10-07 2015-01-06 Guerbet Compounds comprising a biological target recognizing part, coupled to a signal part capable of complexing gallium
US8586595B2 (en) 2007-02-07 2013-11-19 Purdue Research Foundation Positron emission tomography imaging method
PT2144912E (pt) * 2007-04-11 2013-02-01 Merck & Cie Folatos marcados com 18f
CA2670379C (en) * 2007-04-11 2015-06-23 Merck Eprova Ag 18f-labelled folates
CA2670363C (en) 2007-04-11 2015-07-21 Merck Eprova Ag 18f-labelled folates
JP5597396B2 (ja) * 2007-09-28 2014-10-01 ナノデックス株式会社 葉酸修飾されたシクロデキストリン化合物、その製造方法、標的指向性薬物送達システム用の薬物送達剤、医薬組成物及び造影剤
KR101756793B1 (ko) * 2008-10-10 2017-07-11 메르크 앤드 씨에 Pet 방사성트레이서로서의 18f-표지화된 엽산
JP6152104B2 (ja) * 2011-08-17 2017-06-21 メルク・アンド・コンパニー アルブミン結合実体のホラートコンジュゲート

Also Published As

Publication number Publication date
IL230760A (en) 2017-08-31
CN103732563A (zh) 2014-04-16
ES2703107T3 (es) 2019-03-07
AU2012298546A1 (en) 2014-02-20
US10973936B2 (en) 2021-04-13
DK2776382T3 (en) 2019-01-14
PT2776382T (pt) 2018-12-24
JP2014531411A (ja) 2014-11-27
CN103732563B (zh) 2016-04-20
AU2017203512A1 (en) 2017-06-15
WO2013026842A1 (en) 2013-02-28
SG10201606981QA (en) 2016-10-28
IL230760A0 (en) 2014-03-31
US10322195B2 (en) 2019-06-18
CA2839654A1 (en) 2013-02-28
EP2776382A1 (en) 2014-09-17
SG2014001085A (en) 2014-03-28
HK1194355A1 (zh) 2014-10-17
EA201400253A1 (ru) 2014-08-29
US20190255200A1 (en) 2019-08-22
PL2776382T3 (pl) 2019-05-31
CA2839654C (en) 2021-02-16
KR101994327B1 (ko) 2019-06-28
US20140193337A1 (en) 2014-07-10
ZA201400175B (en) 2015-08-26
TR201819447T4 (tr) 2019-01-21
KR20140054284A (ko) 2014-05-08
EP2776382B1 (en) 2018-09-19
AU2017203512B2 (en) 2019-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10973936B2 (en) 18F-saccharide-folates
JP6152104B2 (ja) アルブミン結合実体のホラートコンジュゲート
US8344140B2 (en) 18F-labelled folates
US10377756B2 (en) 18F-labelled folates
US10961246B2 (en) 18F-labelled folates as PET radiotracers
KR20090130110A (ko) 18f-표지된 폴레이트
Schibli et al. 18 F-saccharide-folates

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160511

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160923

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161109

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170124

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6161209

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250