JP6161161B2 - 複合材料内のポロシティ評価方法およびポロシティ評価装置 - Google Patents

複合材料内のポロシティ評価方法およびポロシティ評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化樹脂複合材料の内部に残存するポロシティ(分散した多数の微小な空孔状の欠陥)の評価方法および評価装置に関し、特に、繊維強化樹脂複合材料に含まれるポロシティの総量的な評価だけでなく、ポロシティの厚さ方向での偏在等についても評価することが可能な評価方法および評価装置に関する。
近年、これまで金属材料が用いられてきた分野において、繊維強化樹脂複合材料(以下、適宜「複合材料」と略す。)が広く用いられるようになっている。例えば、強化繊維材として炭素繊維(カーボンファイバ)を用い、これにエポキシ樹脂等を含むマトリクス樹脂材を含浸させて成形した炭素繊維強化型のもの(一般に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と称する。)は、金属材料よりも軽量であることに加え、より高強度であることから、特に近年では、スポーツ用品、産業機械、車両(自動車および自転車等)、航空宇宙等の分野に広く採用されている。
複合材料からなる成形物は、一般的には、複数枚のプリプレグ(強化繊維材からなるシートにマトリクス樹脂材を含浸等させたもの)を積層し、得られる積層物をオートクレーブ(圧力釜)により加圧および加熱して硬化させることにより得られる。
ここで、硬化前の積層物を硬化させる際に与えられる圧力または加熱温度によっては、複合材料の内部に「ポロシティ」と呼ばれる微小な空孔状の欠陥が多数分散して生じることがある。複合材料内にポロシティが一定量以上存在すると、当該複合材料の構造強度の低下につながる。特に、複合材料が航空宇宙分野に用いられる場合には、他の分野に比べて構造強度に関する要求が厳しいため、ポロシティの量をできるだけ少なくする必要がある。そのため、複合材料を製造する際には、ポロシティについて非破壊的に評価する必要がある。
従来、複合材料の欠陥を非破壊的に評価する技術としては、例えば、特許文献1に開示されている超音波探傷検査方法、あるいは、特許文献2に開示されている超音波探傷装置が挙げられる。これらの技術は、いずれも主として航空分野で用いられる複合材料を対象としている。そして、いずれの技術も、複合材料(複合材)の表面から厚さ方向に向けて超音波を入射し、裏面で反射される反射波または裏面で計測される透過波を測定し、反射波または透過波の減衰度合い、もしくは反射波または透過波の減衰特性に基づいて、複合材料の欠陥を検査している。
特開平06−018488号公報 特開平06−317568号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示される技術では、いずれも、複合材料の内部に含まれるポロシティの板厚方向の偏りを評価することが困難となっている。
特許文献1および2に開示されるいずれの技術も、複合材料の裏面で反射される反射波の減衰率に基づいて欠陥を検査している。この反射波の減衰率は、超音波の伝搬経路に沿って積分された(または総量的な)材料特性が反映されたものとなるため、複合材料の厚さ方向全体についての総量的な評価は可能であるが、厚さ方向に対するポロシティの偏在状態の評価は困難となっている。
言い換えれば、反射波の減衰率は、基本的に、複合材料内に含まれるポロシティの総量に依存するため、特許文献1または2に開示される技術では、ポロシティの分布が一様であるか偏在しているか等を区別することができない。
近年、航空機分野では、複合材料製の部品を製造する場合、複数の部品を同時に一体成形して製造する手法が拡大しつつある。このような製造手法では、同時に成形された部品であっても、互いにポロシティの発生または分布の程度が異なっていることがある。特許文献1または2に開示される技術では、部品にポロシティが生じているか否かを検査することができても、ポロシティの分布については評価することができない。そのため、例えば、一体成形した成形品全体としてポロシティが一定量以上発生していれば、十分な強度を有する部品を含め、成形品全体を使用不可とせざるを得ないことになる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、複合材料に含まれるポロシティの総量的な評価だけでなく、厚さ方向の分布も評価可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明に係るポロシティ評価方法は、前記の課題を解決するために、プリプレグを複数枚積層した後に硬化させて得られる、多層構造の複合材料の一方の面を入射面として、当該入射面から前記複合材料の厚さ方向に向かって超音波を入射するとともに、当該入射面側において反射波を受信し、受信した前記反射波を全体反射波とし、当該全体反射波に含まれる、前記多層構造の層間界面からの反射波を層間反射波としたときに、前記全体反射波を時間−周波数解析することにより、前記複合材料に含まれるポロシティの厚さ方向の分布を評価するために用いられる、前記層間反射波の時間的な変化情報を取得する構成である。
前記構成によれば、全体反射波を時間−周波数解析することにより、層間反射波の時間的な変化情報を得ることができる。この変化情報には、ポロシティに由来する反射波の減衰を表す情報が含まれているので、この変化情報に基づいて、複合材料中のポロシティの厚さ方向の分布を良好に評価することができる。
前記構成のポロシティ評価方法においては、前記複合材料の他方の面である底面から反射される底面反射波の減衰に基づいて、当該複合材料に含まれる前記ポロシティを総量的に評価するために用いられる超音波の入射周波数を、標準周波数としたときに、前記超音波の入射周波数は、前記標準周波数よりも、高く設定される構成であってもよい。
また、前記構成のポロシティ評価方法においては、前記入射周波数は、前記複合材料を構成するプライの厚さに応じて変更可能となっている構成であってもよい。
また、前記構成のポロシティ評価方法においては、前記複合材料内における前記ポロシティの分布を推測するために、評価用情報と、実際に受信した前記層間反射波からの前記変化情報と、を対比し、前記評価用情報としては、モデル化した前記ポロシティを含む前記複合材料と、当該複合材料に対する前記超音波の入射および前記反射波の受信と、を模擬的に再現する数値シミュレーションを行うことにより得られる模擬的な前記層間反射波の変化情報、および、既知の前記ポロシティを含む前記複合材料の試験片に対して、前記超音波の入射および前記反射波の受信を行うことにより取得される、前記層間反射波の既知情報、の少なくとも一方が用いられる構成であってもよい。
前記構成によれば、数値シミュレーションにより得られる変化情報は、実測された層間反射波を時間−周波数解析して得られる変化情報に現れる特徴を、良好に再現した評価用情報である。また、前記層間反射波の既知情報は、既知のポロシティを含む試験片から得られた評価用情報である。それゆえ、これら評価用情報を、実測に基づく変化情報と対比することで、複合材料内におけるポロシティの分布を、より精細に推測することが可能となる。
本発明に係るポロシティ評価装置は、前記の課題を解決するために、プリプレグを複数枚積層した後に硬化させて得られる、多層構造の複合材料の一方の面である入射面に対して、当該複合材料の厚さ方向に向かって超音波を入射するとともに、当該入射面からの反射波を受信する、超音波検出器と、受信した前記反射波を全体反射波とし、当該全体反射波に含まれる、前記多層構造の層間界面からの反射波を層間反射波としたときに、前記全体反射波を時間−周波数解析することで、前記複合材料に含まれるポロシティの厚さ方向の分布を評価するために用いられる、前記層間反射波の時間的な変化情報を取得する、時間−周波数解析器と、を備えている構成である。
前記構成のポロシティ評価装置においては、前記変化情報から表示用情報を生成する表示用情報生成器と、前記表示用情報を用いて前記変化情報を表示可能とする表示器と、をさらに備えている構成であってもよい。
また、前記構成のポロシティ評価装置においては、前記時間−周波数解析器より得られる前記変化情報を、評価用情報と対比することにより、前記複合材料内における前記ポロシティの分布を推測する、ポロシティ評価器、を備え、前記評価用情報として、模擬的な前記層間反射波の変化情報、および、予め取得した前記複合材料の前記層間反射波の既知情報の少なくとも一方が用いられ、模擬的な前記層間反射波の前記変化情報は、モデル化した前記ポロシティを含む前記複合材料に対する、前記超音波の入射および前記反射波の受信を、数値シミュレーションにより模擬的に再現して得られるものであり、前記既知情報は、既知の前記ポロシティを含む前記複合材料の試験片に対して、前記超音波の入射および前記反射波の受信を行うことにより取得されたものである構成であってもよい。
また、前記構成のポロシティ評価装置においては、前記数値シミュレーションを行う超音波送受信シミュレータ、および、前記評価用情報を複数記憶する評価用情報データベースの少なくとも一方を備え、前記ポロシティ評価器は、前記超音波送受信シミュレータ、および、前記評価用情報データベースの少なくとも一方から、前記評価用情報を取得する構成であってもよい。
本発明では、以上の構成により、複合材料に含まれるポロシティの総量的な評価だけでなく、厚さ方向の分布も評価可能とする技術を提供することができる、という効果を奏する。
(a)は、本発明の評価対象である複合材料であって、ポロシティを含まない健全複合材料の一例を示す模式的断面図であり、(b)および(c)は、ポロシティを含む欠陥複合材料の一例を示す模式的断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る複合材料のポロシティ評価方法の一例を示す工程図である。 (a)は、ポロシティ評価のために複合材料に入射された超音波の反射波について説明する模式図であり、(b)および(c)は、ポロシティによる反射波の減衰について説明する模式図である。 図4は、図2に示すポロシティ評価方法を実施するためのポロシティ評価装置の一例を模式的に示すブロック図である。 図5は、図4に示すポロシティ評価装置の変形例を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態2に係る複合材料のポロシティ評価方法の一例を示す工程図である。 図7は、図6に示すポロシティ評価方法を実施するためのポロシティ評価装置の一例を模式的に示すブロック図である。 図8は、図7に示すポロシティ評価装置の変形例を示すブロック図である。 図9は、図7または図8に示すポロシティ評価装置の変形例を示すブロック図である。 図10は、本発明の実施例の結果であって、ポロシティ評価用サンプルから得られた反射波の波形を示す波形図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施例の結果であって、ポロシティ評価用サンプルから得られた反射波の時間−周波数解析の結果を示すグラフである。 (a)および(b)は、本発明の実施例の結果であって、ポロシティ評価用サンプルから得られた反射波の時間−周波数解析の結果と、反射波の数値シミュレーションの結果との対比を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[複合材料]
まず、本発明においてポロシティの評価対象となる複合材料について図1(a)〜図1(c)を参照して具体的に説明する。なお、本発明においては、「ポロシティ」とは、前述したように、「分散した多数の微小な空孔状の欠陥」を意味する。「ポロシティ」という用語には、空孔状の欠陥の含有率を含む場合もあるが、本実施の形態では、「ポロシティ」は欠陥そのものを指すものとする。
図1(a)〜図1(c)に示すように、本発明における複合材料100A〜100Cは、複数のプライ101が積層された多層構造となっている。各プライ101は、基本的に、強化材料である繊維材料とマトリクス材料である熱硬化性樹脂組成物とで構成されており、このプライ101が複数積層されて一体化されることで、単一の複合材料100A〜100Cとなる。
複合材料100A〜100Cのうち、図1(a)に示す健全複合材料100Aは、その内部に欠陥を有さない理想的な状態であるが、図1(b)に示す欠陥複合材料100Bまたは図1(c)に示す欠陥複合材料100Cは、いずれもその内部に複数のポロシティ102(微小な空孔状の欠陥)を含んでいる。ポロシティ102としては、図1(b)または図1(c)に示すように、プライ101同士の間に生じているポロシティ102Aと、プライ101の内部に生じているポロシティ102Bとが存在する。このうち図1(b)に示す欠陥複合材料100Bでは、ポロシティ102Aおよび102Bのいずれも比較的分散して存在しているが、図1(c)に示す欠陥複合材料100Cでは、ポロシティ102Aおよび102Bは一方の面側に偏在している。
なお、図1(a)〜図1(c)では、複合材料100A〜100Cは、それぞれ平板状の部材として図示しているが、この図示は便宜的なものであり、実際の評価対象となる複合材料は、その用途に応じた様々な形状に成形された成形品となっている。本実施の形態における「複合材料」とは、「材料」としての複合材料そのものを指すだけでなく、評価対象である「複合材料製の成形品」についても指すものとする。また、下記の説明では、健全複合材料100Aと欠陥複合材料100Bおよび100Cとの区別なく、「複合材料」を指すときには、「複合材料100」と表記する。
複合材料100は、一般的には、プリプレグを所望の形状に合わせて積層(プライアップ)してから、オートクレーブ(圧力釜)により加熱および加圧して硬化させることにより製造される。プリプレグは、繊維材料に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて半硬化状態としたものである。
複合材料100に用いられる熱硬化性樹脂は特に限定されず、複合材料の分野で公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これら樹脂は単一種類のみを用いてもよいし、複数種類を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、熱硬化性樹脂に対しては、溶剤、硬化剤、硬化促進剤、安定剤、帯電防止剤等の種々の添加剤が含まれてもよい。それゆえ、複合材料100を構成するマトリクス材料は、1種類以上の熱硬化性樹脂のみで構成されてもよいが、他の成分を含む熱硬化性樹脂組成物として構成されてもよい。したがって、本実施の形態における「熱硬化性樹脂組成物」には、熱硬化性樹脂とともに他の成分を含む組成物だけでなく、複数種類の熱硬化性樹脂からなる樹脂混合物、あるいは、単一種類の熱硬化性樹脂も含まれるものとする。
複合材料100に用いられる繊維材料は、熱硬化性樹脂組成物とともに用いることで得られる成形品(複合材料)を強化できるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、炭素繊維、ポリエステル繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、シリカ繊維(石英繊維)、炭化ケイ素(SiC)繊維、ナイロン繊維、等が挙げられる。これら繊維材料は単一種類のみを用いてもよいし、複数種類を適宜組み合わせて用いてもよい。例えば航空機分野では、炭素繊維が好適に用いられる。また、繊維材料の長さおよび直径等も特に限定されず、複合材料100の用途に応じて適宜設定すればよい。
複合材料100において、繊維材料と熱硬化性樹脂組成物との比率は特に限定されず、その用途または使用条件等に応じて適宜設定することができる。さらに、複合材料100には、繊維材料および熱硬化性樹脂組成物以外に、公知の他の材料を含んでもよい。
本発明における複合材料100は、スポーツ用品、産業機械、車両、航空宇宙等の様々な分野に用いられるものであり、その用途は特に限定されない。特に代表的な用途としては、航空機用部品等の航空宇宙分野を挙げることができる。
航空宇宙分野では、強度等に関する基準が他の分野よりも厳しいが、あらゆる部品について一律に強度等が規定されているわけではなく、部品の種類または役割等に応じて強度低下の許容性に差がある。また、前述したように、航空機分野では、複合材料製部品を製造するに際して、複数の部品を同時に一体成形する手法を用いることができるため、同時に成形された部品であっても、ポロシティの発生状況は一律ではない。本発明においては、このような航空機用部品について、それぞれポロシティを良好に評価することが可能となる。
[ポロシティ評価方法]
次に、本実施の形態1に係るポロシティ評価方法について、図2および図3(a)〜図3(c)を参照して具体的に説明する。
本発明に係るポロシティ評価方法は、複合材料100に含まれるポロシティ102を総量的に評価できるだけでなく、厚さ方向の偏在等の分布についても評価可能とする方法である。例えば、図1(b)に示す欠陥複合材料100Bと、図1(c)に示す欠陥複合材料100Cとは、内部に含まれるポロシティ102の分布が異なるものの、ポロシティ102の総量が実質的に同じであるとする。このとき、従来の評価方法であれば、健全複合材料100Aと、欠陥複合材料100Bまたは100Cとの違いを評価することはできるものの、同量のポロシティ102を含む欠陥複合材料100Bと欠陥複合材料100Cとの違いを評価することは実質的に困難である。
これに対して、本実施の形態に係るポロシティ評価方法は、図2に示すように、複合材料100に対して入射された超音波の反射波を時間−周波数解析する。これにより、複合材料100内において、ポロシティ102が偏在しているか否か等の分布を評価することができる。このポロシティ評価方法について、例えば、図3(a)に示す3層構造の欠陥複合材料100Bまたは100Cと、図3(b)および図3(c)に示す5層構造の欠陥複合材料100Bまたは100Cとを想定して、模式的に説明する。
図3(a)〜図3(c)では、複合材料100の一方の面(例えば表面)を入射面103とし、他方の面(例えば裏面)を底面104とし、プライ101同士の界面を多層構造の層間界面105としている。なお、図3(a)〜図3(c)では、説明の便宜上、各プライ101内部に存在するポロシティ102(図1(b)および図1(c)におけるポロシティ102B)のみを図示し、プライ101の界面に存在するポロシティ102(図1(b)および図1(c)におけるポロシティ102A)については図示していない。
さらに、図3(a)〜図3(c)では、入射面103から超音波を入射すると、超音波の入射波Wiの一部は底面104で反射されて底面反射波Wr1となるとともに、底面104に至る前に層間界面105で一部が反射されて層間反射波Wr2となる。したがって、入射面103で受信される反射波Wrには、底面反射波Wr1および層間反射波Wr2が含まれる。そこで、説明の便宜上、受信される全ての反射波Wrを「全体反射波Wr」と称する。
ここで、全体反射波Wrは、複合材料100の入射面103側(入射面103に近接する位置)で受信(検出)される超音波の反射波であって、図3(a)の細い破線に示すように、底面反射波Wr1および層間反射波Wr2に加えて、表面反射波Wr0も含まれる。この表面反射波Wr0は、超音波が入射面103で反射されることにより生じる反射波である。
なお、複合材料100の入射面103に対して超音波を入射した場合、実際の超音波の挙動は複雑なものとなる。具体的には、超音波が複合材料100の入射面103に対して垂直に入射した場合に、当該超音波は底面104に向かって下向きに伝搬する経路と、底面104で反射された後に、入射面103に向かって上向きに伝搬する経路とで、それぞれ同一のポロシティ102により散乱されて減衰する。しかしながら、図3(a)〜図3(c)では、説明の便宜上、上向きに伝搬する経路で散乱される状態のみを図示している。それゆえ、入射波Wi、底面反射波Wr1および層間反射波Wr2についても単純な矢印と見なして、いずれも太い破線で図示している。また、図3(a)〜図3(c)において入射波Wiおよび反射波Wr0、Wr1およびWr2が成す角度も便宜上の図示であって、実際の超音波の挙動を表すものではない。
さらに、図3(a)では、層間反射波Wr2としては、上から第一層および第二層のプライ101同士の層間界面105で反射されたものと、第二層および第三層のプライ101同士の層間界面105で反射されたものの2つを図示している。このうち、後者の層間反射波Wr2は、第二層のプライ101に存在するポロシティ102で一部が散乱されて減衰したものとして、蛇行した点線矢印で図示している。この減衰した層間反射波Wr2の図示については、図3(b)および図3(c)でも同様である。
また、図3(b)および図3(c)では、いずれも向かって左側に、ポロシティ102が分散して存在する欠陥複合材料100Bを図示しており、向かって右側に、入射面103側にポロシティ102が偏在する欠陥複合材料100Cを図示している。図3(b)および図3(c)のいずれにおいても、ポロシティ102は、左右それぞれ2つずつのみ図示している。欠陥複合材料100Bでは、ポロシティ102は、上から第二層のプライ101と、下から第二層(上から第四層)のプライ101と、に図示している。また、欠陥複合材料100Cでは、上から第二層のプライ101と、上から第三層のプライ101と、に図示している。
図2に示すポロシティ評価方法では、まず、入射面103から複合材料100の厚さ方向に向かって超音波を入射し(図3(a)の入射波Wi参照)、当該入射面103から超音波の全体反射波Wrを受信する(工程S11)。次に、受信した全体反射波Wrを時間−周波数解析することにより、全体反射波Wrに含まれる層間反射波Wr2の時間的な変化情報を取得する(工程S12)。そして、取得した変化情報に基づいて、複合材料100の厚さ方向について、ポロシティ102の分布を評価する(工程S13)。
従来の一般的なポロシティ評価方法では、底面反射波Wr1の減衰率(または減衰特性等)に基づいてポロシティ102を評価しているので、実質的に総量的な評価しかできない。例えば、図3(b)に示す模式例では、欠陥複合材料100Bおよび100Cのいずれにおいても、底面反射波Wr1は、2つのポロシティ102で一部が散乱され減衰して入射面103に到達する。
それゆえ、底面反射波Wr1の減衰率は、複合材料100の厚さ方向の総量を反映したものになるが、厚さ方向の分布の違いを十分に反映していない。したがって、底面反射波Wr1の減衰率のみでは、厚さ方向におけるポロシティ102の分布の違いを考慮した評価を行うことはできない。つまり、底面反射波Wr1の減衰率のみを測定する場合、ポロシティ102が分散している欠陥複合材料100Bと、入射面103側に偏在している欠陥複合材料100Cとの違いについては十分に評価できないことになる。
これに対して、図3(c)に示す模式例では、第三層および第四層の間の層間界面105で反射された層間反射波Wr2を示している。図3(c)における向かって左側の欠陥複合材料100Bでは、層間反射波Wr2は、底面104側のポロシティ102で散乱されずに、入射面103側のポロシティ102のみで散乱されるので、その減衰率は、1つのポロシティ102に対応する。一方、向かって右側の欠陥複合材料100Cでは、層間反射波Wr2は、入射面103側の2つのポロシティ102で散乱されるので、その減衰率は、2つのポロシティ102に対応する。それゆえ、図3(c)に示す例では、欠陥複合材料100Cの層間反射波Wr2の方が、欠陥複合材料100Bの層間反射波Wr2よりも減衰率が大きくなる。
層間反射波Wr2は、第三層および第四層の間の層間界面105だけでなく、第一層〜第五層のそれぞれの間の層間界面105でも発生する。また、実際の層間反射波Wr2は、図3(b)および図3(c)に示すような単純な矢印として伝搬するわけではなく、欠陥複合材料100Bまたは100Cの各層間界面105で反射と透過とを繰り返しながら伝搬する。
全体反射波Wrを時間−周波数解析すれば、全体反射波Wrを構成する個々の周波数成分について、それぞれの時間的な変化を捕捉することができる。そこで、層間反射波Wr2に対応する周波数成分について、その時間的な変化(減衰)を変化情報として取得すれば、この変化情報から、欠陥複合材料100Bまたは100Cの厚さ方向におけるポロシティ102の分布を評価することが可能となる。この変化情報は、時間−周波数解析の結果得られる情報であって、かつ、ポロシティ102の分布を評価することが可能な情報であれば特に限定されない。例えば、後述する実施例では、特徴的な周波数域の持続振動を変化情報として取得している。この周波数域は、複合材料100の構造(積層数、層厚、成形品としての形状等)に応じて適宜異なるものであって、特定の周波数域に限定されない。
図3(b)または図3(c)では、複合材料100を模式的に5層構造として図示しているが、実際の複合材料100は、数十層から百層以上の多層構造となっている。それゆえ、このような多層構造の複合材料100に超音波を入射すれば、多数の層間界面105それぞれで層間反射波Wr2が発生することになる。これにより、底面104のみで生じる底面反射波Wr1に比べて、層間反射波Wr2は、複合材料100の厚さ方向内で全体的に生じるため、その減衰率も多岐にわたることになる。このような層間反射波Wr2を利用することができれば、多層構造を構成する各層の状態を含む変化情報を取得することができる。これにより豊富な情報を得ることができるので、複合材料100内のポロシティ102の分布をより詳細に評価することも可能となる。
ここで、超音波(入射波Wi)の周波数は特に限定されず、超音波探傷検査の分野で公知の周波数域を選択することができる。ただし、本発明では、底面反射波Wr1の減衰に着目した従来のポロシティ評価方法とは異なり、層間反射波Wr2に着目するので、入射面103において層間反射波Wr2を受信しやすい周波数域を選択することが好ましい。具体的には、従来のポロシティ評価方法の入射周波数(底面反射波Wr1の減衰に基づいてポロシティ102を総量的に評価するために用いられる周波数)を、例えば「標準周波数」とすれば、本発明に係るポロシティ評価方法の入射周波数は、標準周波数よりも高く設定されてもよい。
超音波探傷検査の分野では、一般に、伝搬距離に対して超音波の波長が短すぎると、超音波の減衰が大きくなって反射波(特に底面反射波Wr1)を良好に受信できなくなることが知られている。それゆえ、従来のポロシティ評価方法では、複合材料100の厚さ方向全体を往復しても減衰が大きくなり過ぎないように、入射周波数としては、相対的に低い周波数域を選択している。これに対して本発明では、従来のポロシティ評価方法における技術常識とは逆の発想に基づき、相対的に高い周波数域を選択する。これにより、個々の層間界面105から良好な層間反射波Wr2を得やすくすることができる。
例えば、底面反射波Wr1が良好に受信できない程度に入射周波数を高くした場合、底面104からの底面反射波Wr1、または、底面104に近い層間界面105から良好な層間反射波Wr2が得られない可能性がある。しかしながら、ポロシティの分布を評価する上では、入射面103に近い層間界面105から層間反射波Wr2を受信することを優先すればよい。それゆえ、入射周波数としては、従来よりも高い周波数域を選択して設定することが可能となる。
前述したように、入射波Wiは、入射面103から見て手前に位置するポロシティ102で散乱されて減衰し、層間反射波Wr2となる。そのため、本発明では、前記の通り、入射面103側に近い層間反射波Wr2を取得することを優先すればよい。逆に、底面反射波Wr1、あるいは、底面104に近い層間界面105から層間反射波Wr2を得るために、入射周波数を低く設定すると、入射面103に近い層間界面105から良好な層間反射波Wr2が受信できない可能性がある。
なお、各層間界面105から層間反射波Wr2を良好に受信できる入射周波数は、複合材料100を構成するプライ101の厚さに応じて設定すればよい。複合材料100の厚さ方向において、どの程度の深さまで層間反射波Wr2を受信できるか否かは、複合材料100の材質等の条件によって決定される。例えば、約半分程度の深さまで層間反射波Wr2を受信できれば、複合材料100の厚さ全体について層間反射波Wr2を受信することが可能となる。つまり、表面を入射面103として表面から層間反射波Wr2を受信し、入射面103を裏面に変えて、裏面から層間反射波Wr2を受信すれば、結果的に、複合材料100の厚さ全体についてポロシティ102の分布を評価することができる。
また、本発明においては、ポロシティ102の分布評価だけでなく総量的な評価も行ってよい。前述したように、本発明では、入射面103に近い層間界面105から優先して層間反射波Wr2を受信すればよい。それゆえ、底面反射波Wr1は基本的に不要な反射波となる。しかしながら、総量的な評価を行う場合には、層間反射波Wr2と底面反射波Wr1との双方が良好に受信できるような周波数域を選択してもよいことは、言うまでもない。
さらに、本発明においては、入射周波数は、複合材料100を構成するプライ101の厚さに応じて変更可能とすることが好ましい。実際の評価対象となる複合材料100は、所定の形状を有する成形品であるため、1つの成形品であってもその厚さ(または積層数)が異なる場合がある。それゆえ、入射周波数を変更可能とすることにより、様々な形状または用途の複合材料100について、汎用的にポロシティ評価を実施することが可能となる。
ここで、入射周波数の変更手法は特に限定されず、入射波Wiとして用いる超音波の周波数を、好適な周波数に設定(特定の周波数を選択)すればよい。本実施の形態では、諸条件に応じた好適な周波数を含む広帯域の超音波を、入射波Wiとして用いればよい。この点について具体的に説明する。
層間反射波Wr2が顕著に生じる場合とは、複合材料100における各プライ101同士の間(層間)からの層間反射波Wr2の位相が概ね揃う場合ということができる。そこで、各層間からの層間反射波Wr2が全て揃う場合を想定し、そのための条件について模式的に検討する。プライ101の厚さ方向の超音波伝搬速度をcとし、プライ101の厚さをhとし、入射波Wiの周波数(入射周波数)をfとして、入射波Wiの波長をλとすると、c、h、fおよびλの関係は、下記式(1)として概算することができる。
λ=c/f=2h ・・・(1)
それゆえ、入射周波数fは、超音波伝搬速度cおよびプライ101の厚さhを用いて下記(2)式として表現することができる。
f=c/(2h) ・・・(2)
プライ101がCFRP製であれば、超音波伝搬速度c(縦波伝搬速度)の代表的な値は約3,000m/sとなることが知られている。そこで、この超音波伝搬速度c=3,000m/sおよびプライ101の厚さhから、上記式(2)に基づいて入射周波数fを概算することができる。例えば、CFRP製のプライ101の厚さh=0.15mmであれば、その入射周波数f=10.0MHzに概算できる。また、プライ101の厚さh=0.19mmであれば、入射周波数f=7.9MHzに概算できる。また、プライ101の厚さh=0.40mmであれば、入射周波数3.8MHzに概算できる。
超音波の送受信を実際に計測する場合には、入射波Wiとして、上述した概算値のように、式(2)の条件を満たすような周波数(好適な周波数)を含む比較的広帯域の超音波を選択して用いればよい。このような広帯域の超音波を複合材料100に入射し、少なくとも層間反射波Wr2を受信して、時間−周波数解析すれば、好適な周波数の付近において、層間反射波Wr2が顕著に生じていることを確認することができる。
[ポロシティ評価装置]
本実施の形態に係るポロシティ評価方法を実施する具体的な構成は特に限定されないが、当該ポロシティ評価方法を実施するための代表的なポロシティ評価装置(本実施の形態1に係るポロシティ評価装置)の一例について、図4および図5を参照して具体的に説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係るポロシティ評価装置10Aは、超音波検出器11、時間−周波数解析器12、表示用情報生成器13、および表示器14を備えている。
超音波検出器11は、探触子111および超音波送受信器112から構成され、複合材料100の一方の面を入射面103として、当該入射面103から厚さ方向に向かって超音波を入射するとともに、当該入射面103からの全体反射波Wrを受信する。超音波検出器11の具体的な構成は特に限定されず、超音波探傷検査の分野で公知の構成を好適に用いることができる。
また、この超音波検出器11は、入射周波数が変更可能になっていることが好ましい。通常、公称中心周波数の異なる複数種の探触子111を準備しておき、複合材料100の諸条件(材質、厚さ等)に応じて、好適な探触子111を適宜取り替えて用いればよい。また、入射周波数を変更する構成(周波数調整器)は、超音波送受信器112に設けられてもよいし、超音波送受信器112とは別体としてポロシティ評価装置10Aが備えてもよい。
なお、図4に示すブロック図では、探触子111が複合材料100に直接接触したかたちで図示しているが、通常は、超音波の送受信面と入射面103との間に緩衝材(ディレー材)を介在させる必要がある。この緩衝材の具体的な種類は特に限定されないが、後述する実施例も含めて一般的には水が用いられる。したがって、超音波検出器11は、複合材料100を水中に浸漬した状態で超音波を送受信するように構成されていればよい。また、緩衝材としては、表面反射波Wr0およびこれに続く層間反射波Wr2の波形が受信できるような材料であれば、必ずしも水に限定されず、公知の樹脂材料等であってもよい。
時間−周波数解析器12は、複合材料100の入射面103から超音波検出器11によって受信される全体反射波Wrを時間−周波数解析することで、全体反射波Wrに含まれる層間反射波Wr2の時間的な変化情報を取得する。この変化情報は、前記の通り、複合材料100に含まれるポロシティ102の厚さ方向の分布を評価するために用いられる情報である。時間−周波数解析器12の具体的な構成は特に限定されず、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路等として構成されてもよいし、公知のプロセッサ(CPU等)が記憶器(メモリ)に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される構成、すなわちプロセッサの機能構成であってもよい。
ここで、時間−周波数解析の具体的な手法は特に限定されない。本実施の形態では、後述する実施例で説明するように、短時間フーリエ変換(STFT)を採用している。また、STFTを実施する上のパラメータも特に限定されず、後述する実施例では、STFTを行う時間範囲、時間範囲の分割数、窓関数の種類、および窓関数の幅等を適宜設定している。
表示用情報生成器13は、時間−周波数解析器12により得られた変化情報から、表示用情報を生成する。表示用情報生成器13の具体的な構成は特に限定されず、表示器14で画像を表示するための公知のプロセッサ(GPU等)であればよい。また、時間−周波数解析器12と表示用情報生成器13とは、それぞれ、1つのプロセッサがプログラムに従って動作する機能構成であってもよい。
表示器14は、表示用情報生成器13で生成された表示用情報に基づいて変化情報を画像情報または数値情報等として表示する。表示器14の具体的な構成は特に限定されず、公知の液晶ディスプレイ等を好適に用いることができる。
また、図5に示すように、本発明では、少なくとも、超音波検出器11および時間−周波数解析器12のみでポロシティ評価装置10Bが構成されてもよい(なお、図5では、説明の便宜上、探触子111および超音波送受信器112をまとめて超音波検出器11のブロックとして図示している)。図5に示すポロシティ評価装置10Bは、表示器14(および表示用情報生成器13)を備えていないが、図5に示すように、外付けの表示装置23が接続可能な構成となっていればよい。さらに図示しないが、本発明に係るポロシティ評価装置10Aまたは10Bは、時間−周波数解析器12以外の他の解析構成を備えていてもよい。具体的には、例えば、超音波の反射波を受信することによって得られる、ポロシティ評価以外に関する情報に基づいて、複合材料100の解析、評価または検査等を行う公知の構成を挙げることができる。
なお、本実施の形態に係るポロシティ評価装置10Aまたは10Bは、いずれも、変化情報を表示器14または表示装置23で表示する構成である。それゆえ、前述した工程S13のポロシティ評価に関しては、ポロシティ評価装置10Aまたは10Bのオペレータ(複合材料100の検査の担当者)が表示される画像情報等に基づいて評価することになる。もちろん、後述する実施の形態2のように、ポロシティ評価器を備えることによって、ポロシティ評価装置10Aまたは10Bそのものがポロシティ評価を行うように構成されてもよい。
このように、本実施の形態に係るポロシティ評価方法およびポロシティ評価装置では、複合材料中におけるポロシティの厚さ方向の分布状態を良好に評価することができるので、例えば、一体成形された複数の複合材料製の部品について、異なる部品別に良好にポロシティレベルを評価することができる。例えば、航空機用部品であれば、前記の通り、各部品の種類または役割等に応じて強度低下の許容性に差がある。そこで、本発明に係るポロシティ評価方法により、部品別にポロシティ評価を行うとともに、ポロシティに由来する強度低下も評価することで、より効率的かつ良好な部品評価が可能となる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1に係るポロシティ評価方法(およびポロシティ評価装置10A、10B)は、複合材料100からの反射波に基づいて、ポロシティ102の厚さ方向の分布を評価する構成であったが、本実施の形態2に係るポロシティ評価方法は、さらに、数値シミュレーションを併用することにより、複合材料100内におけるポロシティ102の分布をより精細に推測する構成となっている。本実施の形態に係るポロシティ評価方法について、図6を参照して具体的に説明する。
[ポロシティ評価方法]
図6に示すように、本実施の形態に係るポロシティ評価方法は、工程S21およびS22は前記実施の形態1に係るポロシティ評価方法における工程S11およびS12と同様であるが、工程S23および工程S24を含んでいる点が異なっている。
図6に示すポロシティ評価方法では、前記実施の形態1と同様に、まず、入射面103から複合材料100の厚さ方向に向かって超音波を入射し、当該入射面103から超音波の全体反射波Wrを受信する(工程S21)。次に、受信した全体反射波Wrを時間−周波数解析することにより、全体反射波Wrに含まれる層間反射波Wr2の時間的な変化情報を取得する(工程S22)。
さらに、本実施の形態では、ポロシティ評価のための評価用情報を取得する(工程S23)。そして、取得した変化情報と評価用情報とを対比することにより、複合材料100内におけるポロシティ102の分布を推測する(工程S24)。
工程S23で取得する具体的な評価用情報は特に限定されないが、代表的には、(1)モデル化したポロシティ102を含む欠陥複合材料100Bまたは100Cと、当該欠陥複合材料100Bまたは100Cに対する超音波の入射および反射波の受信と、を模擬的に再現する数値シミュレーションを行うことにより得られる模擬的な層間反射波Wr2の変化情報(模擬的な再現結果)、(2)既知のポロシティ102を含む複合材料100の試験片を準備し、当該試験片に対して超音波の入射および反射波の受信を行うことにより取得される、層間反射波Wr2の既知情報が挙げられる。なお、説明の便宜上、前者(1)を模擬的変化情報と称し、後者(2)を既知情報と略する。
まず、(1)模擬的変化情報の取得について説明すると、当該模擬的変化情報を取得するための数値シミュレーションとしては、公知の手法を好適に用いることができ、その具体的な手法は特に限定されない。後述する実施例では、数値シミュレーションを行うに当たって、欠陥複合材料100Bまたは100Cの模擬的な再現は、ポロシティ102を辺長がガウス分布にしたがって分布した長方形断面としてモデル化し、模擬的な欠陥複合材料100Bまたは100Cの断面中にランダムに分布させることによって行っている。さらに、欠陥複合材料100Bまたは100Cに対する超音波の入射および反射波の受信の模擬的な再現は、実際の超音波の入射波形を用いて、有限要素解析法(FEM)を用いて行っている。
また、前記数値シミュレーションは、複合材料100についてのポロシティ評価を行うときに、工程S22で得られる実際の変化情報を参考にして毎回行ってもよいし、予め複数回の数値シミュレーションを行ってデータベースを作成しておいてもよい。さらに、工程S22を行った後に、実際の変化情報に基づいて、数値シミュレーションを毎回実施し、得られた再現結果をデータベースに登録してもよい。つまり、数値シミュレーション結果のデータベースは、ポロシティ評価の実施に並行して徐々に構築してもよい。データベースを徐々に構築する場合でも、ポロシティ評価を開始する前に、代表的な条件で数値シミュレーションを実施して、予備的なデータベースを予め作成してもよい。
次に、(2)既知情報の取得について説明すると、当該既知情報を取得するための試験片の作製方法は特に限定されず、ポロシティ102の分布状況が予め判明するように、欠陥複合材料100Bまたは100Cを公知の手法で作製すればよい。また、評価のために改めて試験片を作製するのではなく、本実施の形態に係るポロシティ評価方法により得られたポロシティ102の分布の推測結果(評価結果)を蓄積して、既知情報として用いてもよい。この場合、評価対象となる複合材料100が、既知情報を取得するための試験片に相当する。また、試験片から取得された既知情報は、(1)模擬的変化情報と同様に、データベースに記憶され、適宜読み出されればよい。
なお、本実施の形態に係るポロシティ評価方法は、図6に示す4工程に限定されない。例えば、評価用情報を取得する工程S23は、実際の変化情報を取得する工程S22の後に実施されているが、最初に評価用情報を取得(先に工程S23を実施)してから、実際の変化情報を取得(後で工程S21およびS22を実施)してもよい。また、工程S21〜S24以外の工程が含まれてもよい。
また、前記の通り、工程S23では、評価用情報が(1)模擬的変化情報であっても(2)既知情報であっても、データベースに記憶された情報を適宜読み出して用いることができる。それゆえ、評価用情報が(1)模擬的変化情報であれば、工程S22が行われた後に、数値シミュレーションを行わずに、データベースから適宜シミュレーション結果を読み出せばよい。また、データベースは、ポロシティ評価方法を実施する現場に準備されている必要はなく、通信ネットワークを介して別の場所に準備されてもよい。この場合、工程S23では、通信により評価用情報を取得することになる。このように、工程S23における評価用情報の取得の方法は特に限定されない。
さらに、工程S24で用いられる評価用情報は、1種類のみでもよいし2種類以上であってもよい。例えば、工程S24では、取得された実際の変化情報と(1)模擬的変化情報と対比させてもよいし、実際の変化情報と(2)既知情報とを対比させてもよいし、実際の変化情報に対して(1)模擬的変化情報および(2)既知情報の双方を対比させてもよいし、評価用情報として(1)模擬的変化情報および(2)既知情報以外の他の情報を1種類以上用いることができるのであれば、これら3種類以上の情報をそれぞれ実際の変化情報に対比させてもよい。
[ポロシティ評価装置]
本実施の形態に係るポロシティ評価方法を実施する具体的な構成は特に限定されないが、前記実施の形態1と同様に、代表的なポロシティ評価装置(本実施の形態2に係るポロシティ評価装置)の一例について、図7、図8および図9を参照して具体的に説明する。
図7または図8に示すように、本実施の形態に係るポロシティ評価装置10Cまたは10Dは、基本的には前記実施の形態1に係るポロシティ評価装置10Aまたは10Bと同様の構成を有しているが、ポロシティ評価器15を少なくとも備えている点が異なっている。
ポロシティ評価器15は、前記時間−周波数解析器より得られる変化情報を、前述した評価用情報と対比することにより、複合材料100内におけるポロシティ102の分布を推測する。評価用情報としては、前述した通り、(1)模擬的変化情報または(2)既知情報、もしくはその両方を(あるいは他の情報も)用いることができる。これら評価用情報は、図7に示す超音波送受信シミュレータ16(模擬的変化情報のみ)、または、図8に示す評価用情報データベース17(模擬的変化情報および既知情報の少なくとも一方)から取得すればよい。
ポロシティ評価器15の具体的な構成は特に限定されず、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路等として構成されてもよいし、公知のプロセッサがプログラムに従って動作する機能構成であってもよい。また、ポロシティ評価器15によって行われるポロシティ評価は、前述した工程S24の評価、すなわち、実際の変化情報と評価用情報とを対比して、ポロシティ102の分布を推測する評価に限定されず、公知の他の評価手法を採用してもよい。
図7に示すポロシティ評価装置10Cでは、ポロシティ評価器15は、超音波送受信シミュレータ16から模擬的変化情報を取得する構成となっている。それゆえ、このポロシティ評価装置10Cは、前述したポロシティ評価方法のうち、数値シミュレーションを毎回行う構成に対応する。超音波送受信シミュレータ16は、前述した模擬的変化情報を取得するための数値シミュレーションを実施する構成である。その具体的な構成は特に限定されず、数値シミュレーションのプログラムにしたがって公知のプロセッサが動作することにより実現される機能構成であればよい。
一方、図8に示すポロシティ評価装置10Dは、ポロシティ評価器15が、評価用情報データベース17から、模擬的変化情報および既知情報の少なくとも一方を取得する構成となっている。それゆえ、このポロシティ評価装置10Dは、前述したポロシティ評価方法のうち、データベースから再現結果を取得する構成に対応する。評価用情報データベース17の具体的な構成は特に限定されず、データベースを記憶可能とする公知の記憶装置等であればよい。
さらに、図7または図8に示すポロシティ評価装置10Cまたは10Dは、超音波送受信シミュレータ16のみ、または、評価用情報データベース17のみを備える構成であるが、本発明はこれに限定されず、図9に示すように、超音波送受信シミュレータ26および評価用情報データベース27の双方を備える構成のポロシティ評価装置10Eであってもよい。
図9に示すポロシティ評価装置10Eは、公知の超音波探傷装置21および公知の情報処理装置22を利用した「ポロシティ評価システム」として構成されている。公知の超音波探傷装置21としては、ポロシティ102以外の欠陥を検査する検査装置または従来のポロシティ評価(総量的評価)を行う検査装置等を挙げることができ、公知の情報処理装置22としては、例えば、パーソナルコンピュータ等を挙げることができるが特に限定されない。したがって、本発明に係る「ポロシティ評価装置」は、図4、図5、図7および図8に示すような、単一の「評価装置」に限定されず、複数の「装置」が互いに接続された「評価システム」も本発明の範囲に含まれる。
また、図9に示す例では、図5に示すポロシティ評価装置10Bと同様に、外付けの表示装置23を備える構成となっているが、図4に示すポロシティ評価装置10A、図7または図8に示すポロシティ評価装置10Cまたは10Dと同様に、情報処理装置22そのものが表示器14を備える構成であってもよい。
さらに、図9に示す例では、超音波送受信シミュレータ26および評価用情報データベース27は、図7または図8に示すポロシティ評価装置10Cまたは10Dのように内部構成として備えられているのではなく、独立した「装置」として、情報処理装置22に接続されている。それゆえ、図7または図8に示すポロシティ評価装置10Cまたは10Dにおいても、超音波送受信シミュレータ16または評価用情報データベース17は、内部構成ではなく外付け構成として備えられてもよい。
このように、本実施の形態に係るポロシティ評価方法およびポロシティ評価装置では、実測に基づく結果と、数値シミュレーションによる模擬的な再現結果(模擬的な変化情報)とを対比しているので、複合材料製の部品中におけるポロシティレベルをより精細に評価することができる。それゆえ、部品の評価精度の向上を図ることが可能となるとともに、ポロシティに由来する強度低下の評価についても精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態に係るポロシティ評価装置10C〜10Eは、いずれも、実測に基づく結果と数値シミュレーションによる模擬的な再現結果とを対比するポロシティ評価器15を備えている構成である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、前記の通り、他の評価手法によりポロシティ102の分布を評価してもよいし、前記実施の形態1のように、ポロシティ評価装置10C〜10Eのオペレータが、ポロシティ評価器15の評価結果(表示器14で画像情報等として表示される)に基づいて、さらなる評価を行ってもよい。また、ポロシティ評価器15そのものが1種類のみではなく、2種類以上設けられてもよい。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例および比較例における測定方法または解析方法は次に示すようにして行った。
(サンプルからの反射波の測定)
インサイト株式会社製FlexScan、および、公称中心周波数10MHzの水浸用探触子を用いて、ポロシティ評価用サンプルまたは比較健全サンプルの一方の面または他方の面に対して超音波パルスを入射し、反射波を受信した。
(反射波の時間−周波数解析)
ポロシティ評価用サンプルまたは比較健全サンプルから得られた超音波の反射波の測定時間波形を、短時間フーリエ変換(STFT)することにより、時間−周波数応答をグラフ化して解析した。このとき、STFTを行う時間範囲、並びに、窓関数の種類およびその幅は、着目する周波数範囲および時間範囲に応じて適宜設定した。また、グラフ化に際しては、時間波形をサンプリング周期毎に離散化して数値処理した。
(数値シミュレーションによる解析)
ISHII, Yosuke, and BIWA, Shiro, Journal of Applied Physics 111, No. 084907 (2012) に開示されている有限要素解析(FEM)に基づいて、陰解法を用いて、数値シミュレーションを行うことにより、ポロシティ評価用サンプルまたは比較健全サンプルにおける超音波の反射波を解析した。なお、数値シミュレーションにおいては、前記反射波の測定に用いた入射波形を模擬して用いた。この入射波形は、中心周波数7MHz程度の広帯域波となる。
(実施例)
東邦テナックス株式会社製の航空機用複合材料UTS50/135(商品名)を用いて、真空度750mmHg、加圧無し、硬化温度180℃の成形条件(オートクレーブ条件)で成形を行うことにより、120mm×100mmかつ積層数(プライ数)24(全体の厚さが約4.6mm)の寸法のポロシティ評価用サンプルを作製した。積層構成は、24プライの繊維方向が全て同一方向の積層構成([0]24)、および、繊維方向が0°、90°、45°、−45°の角度に均等に分配した擬似等方積層構成([45/0/-45/90]3s)の2種類とした。なお、UTS50/135に用いられる炭素繊維は、同社製UTS50(商品名)のUD(Uni-Direction)材であり、用いられるマトリクス材料は、同社製の高靭性エポキシ樹脂である。
また、得られたポロシティ評価用サンプルは、一方の面(表面)側の半分がポロシティを4%含む欠陥複合材料となっており、他方の面(裏面)側の半分がポロシティを含まない健全複合材料となっている(図1(c)参照)。それゆえ、ポロシティ評価用サンプル全体としては、ポロシティの総量が2%となる。
得られたポロシティ評価用サンプルの表面(欠陥偏在側)から、前述した通り超音波を入射して反射波を測定するとともに、裏面(健全側)からも超音波を入射して反射波を測定した。得られた結果のうち、擬似等方積層構成のポロシティ評価用サンプルについての結果を図10の「実施例(表面)」および「実施例(裏面)」に示す。
また、表面または裏面で測定された反射波について、前述した通り時間−周波数解析を行ってグラフ化した。その結果を図11(a)(表面側の解析結果)および図11(b)(裏面側の解析結果)に示す。
さらに、前述した数値シミュレーションにより、ポロシティ評価用サンプルにおける表面側および裏面側の反射波を再現してグラフ化した。この数値シミュレーションに際して、ポロシティは、ポロシティ評価用サンプルの断面全体において、平均値0.1mm×0.2mm、かつ、辺長がガウス分布にしたがって分布した長方形断面としてモデル化し、表面側(図1(c)参照)に偏在させた。その結果を図12(a)(表面側の解析結果)および図12(b)(裏面側の解析結果)に示す。なお、図12(a)および図12(b)の上側のグラフは実測結果を示しており、下側のグラフは数値シミュレーションによる結果を示している。
(比較例)
ポロシティを含まないこと、並びに、成形条件の加圧を400kPaとしたこと以外は、実施例と同様にして、120mm×100mmかつ積層数(プライ数)24(全体の厚さが約4.6mm)の寸法の比較健全サンプルを作製した。
得られた比較健全サンプルについて、実施例と同様にして、表面または裏面からそれぞれ超音波を入射して反射波を測定した。得られた結果のうち、擬似等方積層構成のポロシティ評価用サンプルについての結果を図10の「比較例(表面)」および「比較例(裏面)」に示す。
また、表面または裏面で測定された反射波について、前述した通り時間−周波数解析を行ってグラフ化した。その結果を図11(c)(表面側の解析結果)および図11(d)(裏面側の解析結果)に示す。
(実施例および比較例の対比等)
図10に示すように、ポロシティ評価用サンプルにおいては、表面および裏面のいずれの全体反射波Wrにおいても、表面反射波Wr0(1.6〜1.7μs付近)に続く層間反射波Wr2(実線の円で囲んだ箇所、1.8〜2.2μs付近)が確認されるが、表面から入射した場合の層間反射波の振動は比較的早期に消失している。また、比較健全サンプルにおいては、表面および裏面のいずれの全体反射波Wrにおいても底面反射波Wr1(破線の円で囲んだ箇所、4.6μs付近)が確認されるが、ポロシティ評価用サンプルにおいては、底面反射波Wr1は確認されない。
また、図11(c)および図11(d)に示すように、時間−周波数解析の結果、比較健全サンプルにおいては、図10の結果と同様に、底面反射波Wr1に相当する信号(破線の円で囲んだ領域)が確認できるが、図11(a)および図11(b)に示すように、ポロシティ評価用サンプルでは、底面反射波Wr1に対応する信号は確認できない。
また、比較健全サンプルにおいては、表面(図11(c))および裏面(図11(d))のいずれにおいても、図中実線の円で囲んだ領域に、表面反射波Wr0に続く周波数8MHz付近の成分の持続振動が確認できる。ポロシティ評価用サンプルでも、健全側である裏面から超音波を入射した場合には、図11(b)の実線の円で囲んだ領域に、周波数8MHz付近の持続振動が確認できる。一方、ポロシティ偏在側である表面から超音波を入射した場合には、図11(a)に示すように、周波数8MHz付近の持続振動は十分に確認することはできない。
なお、図11(a)〜図11(d)は、いずれも擬似等方積層構成のポロシティ評価用サンプルの結果であるが、同一方向の積層構成のポロシティ評価用サンプルについても、図示しないが、同様の傾向を示す結果が得られている。
このように、ポロシティ評価用サンプルでは、表面および裏面のいずれから超音波を入射しても、底面反射波Wr1は確認できず、また、表面反射波に続く持続振動の成分には違いが認められる。それゆえ、全体反射波を時間−周波数解析して、層間反射波の時間的な変化情報を取得することにより、複合材料に含まれるポロシティの厚さ方向の分布を評価できることが分かる。
また、図示しないが、ポロシティ評価用サンプルにおいて、表面(欠陥偏在側)から超音波を入射した場合の数値シミュレーション結果と、裏面(健全側)から超音波を入射した場合の数値シミュレーション結果と、ポロシティが均一に分布した場合の数値シミュレーション結果と、を比較すると、健全側の面(裏面)から超音波を入射した方が、均一なポロシティを有する場合よりも、表面反射波Wr0に続く持続振動が長く持続し、表面から超音波を入射した方が、均一なポロシティを有する場合よりも表面反射波Wr0に続く持続振動が早く減衰することが分かった。
また、図12(a)および図12(b)の上グラフは、ポロシティ評価用サンプルにおいて反射波を実際に測定した場合の時間−周波数解析結果を示し、図12(a)および図12(b)の下グラフは、数値シミュレーションによる模擬的な時間−周波数解析結果を示すが、上下のグラフの対比から明らかなように、実測された反射波の時間−周波数解析結果の特徴は、数値シミュレーションの結果に良好に対応していることがわかる。
それゆえ、数値シミュレーションにより得られる模擬的な層間反射波の変化情報(もしくは、ポロシティの分布が既知の試験片から取得される層間反射波の既知情報)を、予めデータベース化しておけば、実測した層間反射波からの変化情報を、模擬的な変化情報(もしくは、既知のポロシティ評価結果)に対比させることにより、複合材料内におけるポロシティの分布を精細に推測することが可能となることが分かる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、繊維強化樹脂複合材料に含まれるポロシティを評価する分野に、広く好適に用いることができる。特に、本発明は、他の構造強度に関する要求が厳しい航空宇宙分野に用いられる複合材料のポロシティ評価に好適に用いることができる。
10A ポロシティ評価装置
10B ポロシティ評価装置
10C ポロシティ評価装置
10D ポロシティ評価装置
11 超音波検出器
12 時間−周波数解析器
13 表示用情報生成器
14 表示器
15 ポロシティ評価器
16 超音波送受信シミュレータ
17 評価用情報データベース
21 超音波探傷装置
22 情報処理装置
23 表示装置
100 複合材料
100A 健全複合材料
100B 欠陥複合材料
100C 欠陥複合材料
101 プライ
102 ポロシティ
103 入射面
104 底面
105 層間界面
111 探触子
112 超音波送受信器
Wi 入射波
Wr 全体反射波
Wr0 表面反射波
Wr1 底面反射波
Wr2 層間反射波

Claims (8)

  1. プリプレグを複数枚積層した後に硬化させて得られる、多層構造の複合材料の一方の面を入射面として、当該入射面から前記複合材料の厚さ方向に向かって超音波を入射するとともに、当該入射面側において反射波を受信し、
    受信した前記反射波を全体反射波とし、当該全体反射波に含まれる、前記多層構造の層間界面からの反射波を層間反射波としたときに、
    前記全体反射波を時間−周波数解析することにより、前記複合材料に含まれるポロシティの厚さ方向の分布を評価するために用いられる、前記層間反射波の時間的な変化情報である減衰を取得することを特徴とする、
    複合材料内のポロシティ評価方法。
  2. 前記複合材料の他方の面である底面から反射される底面反射波の減衰に基づいて、当該複合材料に含まれる前記ポロシティを総量的に評価するために用いられる超音波の入射周波数を、標準周波数としたときに、
    前記超音波の入射周波数は、前記標準周波数よりも、高く設定されることを特徴とする、
    請求項1に記載の複合材料内のポロシティ評価方法。
  3. 前記入射周波数は、前記複合材料を構成するプライの厚さに応じて変更可能となっていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の複合材料内のポロシティ評価方法。
  4. 前記複合材料内における前記ポロシティの分布を推測するために、評価用情報と、実際に受信した前記層間反射波からの前記変化情報と、を対比し、
    前記評価用情報としては、
    モデル化した前記ポロシティを含む前記複合材料と、当該複合材料に対する前記超音波の入射および前記反射波の受信と、を模擬的に再現する数値シミュレーションを行うことにより得られる模擬的な前記層間反射波の変化情報、および、
    既知の前記ポロシティを含む前記複合材料の試験片に対して、前記超音波の入射および前記反射波の受信を行うことにより取得される、前記層間反射波の既知情報、の少なくとも一方が用いられる
    ことを特徴とする、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の複合材料内のポロシティ評価方法。
  5. プリプレグを複数枚積層した後に硬化させて得られる、多層構造の複合材料の一方の面である入射面に対して、当該複合材料の厚さ方向に向かって超音波を入射するとともに、当該入射面からの反射波を受信する、超音波検出器と、
    受信した前記反射波を全体反射波とし、当該全体反射波に含まれる、前記多層構造の層間界面からの反射波を層間反射波としたときに、
    前記全体反射波を時間−周波数解析することで、前記複合材料に含まれるポロシティの厚さ方向の分布を評価するために用いられる、前記層間反射波の時間的な変化情報である減衰を取得する、時間−周波数解析器と、を備えていることを特徴とする、
    複合材料内のポロシティ評価装置。
  6. 前記変化情報から表示用情報を生成する表示用情報生成器と、
    前記表示用情報を用いて前記変化情報を表示可能とする表示器と、をさらに備えていることを特徴とする、
    請求項5に記載の複合材料内のポロシティ評価装置。
  7. 前記時間−周波数解析器より得られる前記変化情報を、評価用情報と対比することにより、前記複合材料内における前記ポロシティの分布を推測する、ポロシティ評価器、を備え、
    前記評価用情報として、模擬的な前記層間反射波の変化情報、および、予め取得した前記複合材料の前記層間反射波の既知情報の少なくとも一方が用いられ、
    模擬的な前記層間反射波の前記変化情報は、モデル化した前記ポロシティを含む前記複合材料に対する、前記超音波の入射および前記反射波の受信を、数値シミュレーションにより模擬的に再現して得られるものであり、
    前記既知情報は、既知の前記ポロシティを含む前記複合材料の試験片に対して、前記超音波の入射および前記反射波の受信を行うことにより取得されたものであることを特徴とする、
    請求項5または6に記載の複合材料内のポロシティ評価装置。
  8. 前記数値シミュレーションを行う超音波送受信シミュレータ、および、前記評価用情報を複数記憶する評価用情報データベースの少なくとも一方を備え、
    前記ポロシティ評価器は、前記超音波送受信シミュレータ、および、前記評価用情報データベースの少なくとも一方から、前記評価用情報を取得することを特徴とする、
    請求項7に記載の複合材料内のポロシティ評価装置。

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