以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に弾球遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図4参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠が設けられている。なお、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、後述する演出図柄表示装置54b上の操作表示領域(本発明における変更速度表示領域に該当)に表示される演出変動表示の表示再生状態を、遊技者自身によって操作可能とする操作スイッチユニット14、詳しくは、停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e(いずれのスイッチも本発明の表示速度変更手段に該当)を配置している。
また、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。なお、パチンコ機内で遊技球を循環させることによって遊技者が遊技球に触れることなく遊技を行うことが可能な封入式のパチンコ遊技機としても何ら差し支えない。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図4参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。
前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
図2は、操作スイッチユニット14の拡大図となり、円形でほぼ水平な座面に、5種類の押ボタンスイッチが十字型に配置してある。具体的には十字型の中央に、変動表示状態から停止表示に変化させる停止スイッチ14aが配置され、その下に通常速度の再生に変化させる再生スイッチ14b、停止スイッチ14aの上にスロー再生に変化させる遅送スイッチ14c、停止スイッチ14aの左に早送り再生に変化させる早送スイッチ14d、停止スイッチ14aの右に逆再生をしながら再生箇所を戻す巻戻スイッチ14eが配置されている。
次に、図3を用いて遊技盤8の正面図を説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図4参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に入球(普通図柄作動スイッチ42a(図4参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図4参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2特図始動スイッチ32a(図4参照)の遊技球検出)が可能となるように構成されている。尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.3秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では5.0秒(1回)である。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特図始動スイッチ31a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2特図始動スイッチ32a(図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図4参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図4参照)の遊技球検出)が可能となるように構成されている。
続いて、図4に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図4には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機1本体に関する部品は図示を省略している。
図4に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチと、が接続されている。払出制御装置の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置と発射制御装置とは払出制御装置から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置には払出制御装置以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e(いずれのスイッチも本発明の表示速度変更手段に該当)が接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプと、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカと、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。なお、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとが本願発明の演出制御装置に該当する。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される演出操作スイッチ14からの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチが備えられ、音量調節スイッチの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカへ送信する内容とを判断し、スピーカから出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、図5を用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前(保留記憶時)に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、大当りの期待ができる値か否かを判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、又はS10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、S30と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。尚、先読判定コマンドは、第1、第2どちらの始動口への入球に起因した信号であるかを判別可能とした構成となっている。
以上が始動入賞処理の内容となるが、始動口入賞時の遊技状態や他の条件によって、先読判定コマンドを送信する否かを判定する構成としてもよい。例えば、開放延長機能が作動する時短状態では先読判定コマンドを送信しない構成であったり、第1始動口31への入賞を検出したときのみ先読判定コマンドを送信する構成としてもよい。また、どのような状態でも常に先読判定コマンドを送信する構成とし、受信する側のサブ統合制御装置53が遊技状態やその他の条件を判断し受信した先読判定コマンドを用いた処理を実施するか否かを判断する公正としてもよい。また、本実施例では先読判定コマンドと保留数指示コマンドを別々に送信しているが、ひとつのコマンドにまとめて送信する構成も考えられる。
次に図6を用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この当否判定処理は、第1始動口31、第2始動口32への遊技球の入球によって取得した大当り判定用乱数の値の当否結果報知を実施するための処理であり、本発明における「始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数に基づいて大当りを生起させるか否かを抽選」という構成と変動パターン選択手段と変動指示信号送信手段とを含む処理となる。
当否判定処理を開始すると、特別図柄の始動条件が成立しているか否か判定する(S200)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄(第1特図、第2特図ともいう)が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S210)。肯定判定なら(S210:yes)、S230に進み、否定判定なら(S210:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S220:yes)S230に進む。S210とS220の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変わりはない。
S230では確変フラグの値が0か否か判定する(S230)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S230:yes)S240に進み、否定判定なら(S230:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S240では、保留記憶のシフト処理を行い(S240)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。この減算に応じて、サブ統合制御装置53に第1又は第2保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S250)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS260の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S250)の比較結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S260:yes)、図柄モード設定処理を行う(S270)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容(大入賞口33aの開放時間と開放回数)と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S280)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS270で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S290)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S270で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S300)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S310)(本発明の変動パターン選択手段に該当)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を指示する、変動指示コマンド(本発明の変動指示信号に該当)を生成しサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本発明の変動指示信号送信手段に該当)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S260が否定判定、即ちハズレなら(S260:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S250)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S330)、肯定判定なら(S330:yes)、小当り図柄を選択し(S340)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S330)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S310)(本発明の変動パターン選択手段に該当)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンド(本発明の変動指示信号に該当)をサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本発明の変動指示信号送信手段に該当)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S330が否定判定なら(S330:no)、ハズレ図柄を選択し(S350)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S310)(本発明の変動パターン選択手段に該当)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンド(本発明の変動指示信号に該当)をサブ統合制御装置53へ送信する(S320)(本発明の変動指示信号送信手段に該当)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、図7を用いてサブ統合制御装置53が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。保留数指示コマンド受信処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S350)。否定判定なら(S350:no)、リターンし、肯定判定なら(S350:yes)、サブ統合制御装置53が備える保留数カウンタに+1し(S355)、演出図柄制御装置54aに保留数表示信号を送信し(S360)、リターンする。保留数カウンタの値は、後述する変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置50が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
次に、図8を用いてサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この処理は、主制御装置50からS320の処理による変動指示コマンドを受信したことに応じて、演出図柄表示装置54bに表示する演出態様を選択し、演出図柄制御装置54aに表示制御を指示する処理となり、本発明の演出図柄制御手段を含む処理となる。
変動指示コマンド受信処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、振分乱数1を抽出し(S405)、サブ統合制御装置53が備える保留球数カウンタから−1すると共に、演出図柄表示装置54b上の保留記憶数表示を1個減らす制御の指示信号を演出図柄制御措置54aに送信する(S410)。
S410に続いては、受信した変動指示コマンドの種類とS405で抽出した振分乱数1の値に応じて、1つの変動パターンに対してサブ統合制御装置53が複数備える演出変動態様の中から、演出図柄表示装置54bに表示する演出変動態様を選択し(S415)、選択した演出変動態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置53aに送信する(S420)。
S420に続いては、S415で選択した演出変動態様が、予め、遊技者による操作スイッチユニット14(停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e)の操作によって変動表示スピードの変更が可能(上記操作スイッチユニット14の操作が有効)と設定された演出変動態様か否か判定する(S425)。
本実施例では、短縮変動(保留記憶数が3個以上の場合、に変動時間が5秒となる状態)と開放延長状態時の変動(変動時間3秒)を除いて、S415で選択された演出変動態様が、演出用のキャラクタが出現するものである場合に演出変動開始時から操作スイッチユニット14の操作が有効(可能)となる構成となっている。
但し、この構成に限るわけではなく、全ての演出変動態様で操作スイッチユニット14を有効としてもよいし、所定の変動時間以上(スーパーリーチ)の場合に有効としてもよい。
S425が否定判定なら(S425:no)、リターンし、肯定判定なら(S425:yes)、操作フラグに1を設定し(S430)、操作可能告知表示を指示する信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S435)リターンする。
操作フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が「0」の場合は、操作スイッチユニット14の全てのスイッチ(停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e)の操作が無効(操作信号の受信に応じて演出変動態様を変化させない)であることを、値が「1」のときは操作スイッチユニット14の全てのスイッチ操作が有効であることをサブ統合制御装置53が判断するための値である。
以上がサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理となる。この構成にすることにより、遊技者の興味のある演出キャラクタが出現する場合のみ変動開始時から操作スイッチユニット14の操作が可能となり、演出変動開始時に操作スイッチユニット14の操作が有効であることが操作可能告知によって確認でき、操作が可能ということにより後の演出変動表示中に演出キャラクタが出現することも同時にわかるため、撮影の準備等をその時点(操作可能告知が表示される演出変動表示開始時)からすることができ、実際に演出キャラクタが出現したときに慌てずに好みの画像が撮影できる。
次に、図9、10を用いて再生速度操作信号受信処理を説明する。この処理は、操作スイッチユニット14の操作に応じて演出図柄表示装置54bの操作表示領域(本発明の変更速度表示領域に該当)に表示する演出変動態様の変動速度(再生速度)や変動方向(正転逆転)を変化させる処理となり、本発明の表示速度変更手段と速度別表示手段とを含む処理となる。
再生速度操作信号受信処理を開始すると、操作フラグが1か否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、
停止スイッチ14aの操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S505)。肯定判定なら(S505:yes)、演出図柄表示装置54b上に操作表示領域(本発明の変更速度表示領域に該当)が未表示か否か判定する(S510)。
S510が肯定判定、即ち当該処理時は演出図柄表示装置54bに通常速度の演出変動態様しか表示されていない(通常表示領域のみの表示)ならば(S510:yes)、演出図柄表示装置54b上に遊技者の操作に応じて変化する演出変動態様(通常表示領域と同一の変動箇所)を表示した操作表示領域を表示すると共に、通常速度の演出変動態様を表示する通常表示領域(本発明の通常速度表示領域に該当)を縮小表示する(図13(2)参照)指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S515)(本発明の速度別表示手段に該当)。
S515、又はS510の否定判定(S510:no)に続いては、操作表示領域に表示する演出変動態様の変動表示を停止表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信(本発明の表示速度変更手段に該当)して(S520)リターンする。S520の処理により、操作表示領域に表示した演出変動態様が、停止スイッチ14aを操作時点の表示態様で一時停止する。この一時停止は、他の操作ボタン14が操作されるか、又は通常表示領域の演出変動が終了するまで継続する。したがって、遊技者の撮影したいキャラクタが出現している時点で停止スイッチ14aを操作した場合は、通常速度の演出表示が終了するまで所謂シャッターチャンスとすることができる。
S505が否定判定なら(S505:no)、再生スイッチ14bの操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S525)。肯定判定なら(S525:yes)、再生スイッチ14b操作に応じて演出変動態様を変化させることが可能な状態か否か判定する(S530)。具体的には、操作表示領域が未表示の状態か、操作表示領域が表示され通常速度以外の演出変動を実施しているか、を判定する。
S530が否定判定なら(S530:no)リターンし、肯定判定なら(S530:yes)、
演出図柄表示装置54b上に操作表示領域が未表示か否か判定し(S535)、肯定判定なら(S535:yes)、演出図柄表示装置54b上に通常表示領域と同一の演出変動を表示した操作表示領域を表示すると共に、通常速度の演出変動態様を表示する通常表示領域を縮小表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S540)(本発明の速度別表示手段に該当)。
S540、又はS535の否定判定(S535:no)に続いては、操作表示領域に表示する演出変動態様の変動表示を通常速度で実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S545)(本発明の表示速度変更手段に該当)リターンする。S545の処理により、操作表示領域に表示した演出変動態様が通常の表示速度となり、通常表示領域における演出変動態様と同一の変動速度となるため、変動表示位置の比較(操作表示領域の変動表示がどこまで進んでいるかの比較)がしやすくなる。
S525が否定判定なら(S525:no)、遅送スイッチ14cの操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S550)。肯定判定なら(S550:yes)、遅送スイッチ14c操作に応じて演出変動態様を変化させることが可能な状態か否か判定する(S555)。具体的には、操作表示領域が未表示の状態か、操作表示領域が表示されスロー再生以外の演出変動態様を実施しているか、を判定する。
S555が否定判定なら(S555:no)リターンし、肯定判定なら(S555:yes)、
演出図柄表示装置54b上に操作表示領域が未表示か否か判定し(S560)、肯定判定なら(S560:yes)、演出図柄表示装置54b上に通常表示領域と同一の演出変動を表示した操作表示領域を表示すると共に、通常速度の演出変動態様を表示する通常表示領域を縮小表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S565)(本発明の速度別表示手段に該当)。
S565、又はS560の否定判定(S560:no)に続いては、操作表示領域に表示する演出変動態様の変動表示をスロー再生で実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S570)(本発明の表示速度変更手段に該当)リターンする。S570の処理により、操作表示領域に表示した演出変動態様が通常の表示よりも遅いスロー再生状態となり、撮影したいキャラクタの出現タイミングが計りやすくなる。
S550が否定判定なら(S550:no)、図10のフローチャートに進み、巻戻スイッチ14eの操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S600)。肯定判定なら(S600:yes)、巻戻スイッチ14e操作に応じて演出変動態様を変化させることが可能な状態か否か判定する(S605)。具体的には、操作表示領域が未表示の状態か、操作表示領域が表示され巻戻再生以外の演出変動態様を実施しているか、を判定する。
S605が否定判定なら(S605:no)リターンし、肯定判定なら(S605:yes)、
演出図柄表示装置54b上に操作表示領域が未表示か否か判定し(S610)、肯定判定なら(S610:yes)、演出図柄表示装置54b上に通常表示領域と同一の演出変動を表示した操作表示領域を表示すると共に、通常速度の演出変動態様を表示する通常表示領域を縮小表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S615)(本発明の速度別表示手段に該当)。
S615、又はS610の否定判定(S610:no)に続いては、操作表示領域に表示する演出変動態様の変動表示を巻戻再生で実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S620)リターンする。S620の処理により、操作表示領域に表示した演出変動態様が逆再生状態となり、撮影したいキャラクタの出現が過ぎてしまった場合に改めて出現ポイントに戻ることができる。
S600が否定判定なら(S600:no)、早送スイッチ14dの操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S625)。否定判定なら(S625:no)リターンし、肯定判定なら(S625:yes)、早送スイッチ14d操作に応じて演出変動態様を変化させることが可能な状態か否か判定する(S630)。具体的には、操作表示領域が表示され早送再生以外の演出変動態様を実施しているか、を判定する。操作表示領域が表示されていない状態では、早送りスイッチ14dの操作は行えない(通常の演出変動よりも操作に応じた演出変動が先に進むことを許さないため)。
S630が否定判定なら(S630:no)リターンし、肯定判定なら(S630:yes)、
操作表示領域に表示する演出変動態様の変動表示を早送再生で実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S635))(本発明の表示速度変更手段に該当)リターンする。S635の処理により、操作表示領域に表示した演出変動態様が早送り再生状態となり、撮影したいキャラクタの出現ポイントまで演出変動態様を早送りすることが可能となるが、通常表示領域で変動表示中の演出表示態様よりも先の状態を表示することは後述する早送再生監視処理により不可能な構成となっている。
次に、図11を用いて早送再生監視処理を説明する。この処理は、上記したように、早送り再生によって操作表示領域における演出変動態様の再生表示位置が通常表示領域の演出変動態様の再生表示位置に追いついていないか否かを監視し、追いついた場合は、操作表示領域の表示を終了する処理となる。従って、この処理により本発明の「前記変更速度表示領域は前記通常速度表示領域に表示する変動表示場面までに限り変更した再生速度で変動表示を実施する」の構成と「前記変更速度表示領域の変動表示場面が前記通常速度表示領域の変動表示場面に追いつくと、前記速度別表示手段は前記変更速度表示領域の表示を終了する」の構成とを実施する処理となる。
早送再生監視処理を開始すると、操作表示領域における演出変動態様が早送り再生状態か否か判定する(S650)。否定判定なら(S650:no)リターンし、肯定判定なら(S650:yes)、早送り再生による再生位置が通常表示領域の演出変動態様の再生位置に達していないか否か判定する(S655)。肯定判定なら(S655:yes)リターンし、否定判定、即ち早送り再生の再生位置が通常速度の再生位置に達したなら(S655:no)、操作表示領域の早送り再生を終了する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S660)、操作表示領域の表示を終了し通常表示領域を拡大する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信して(S665)リターンする。
以上が、サブ統合制御装置53が実行する早送再生監視処理となる。この処理により、通常表示領域において主制御装置50から受信した変動指示コマンドが示す変動時間に基づいた通常表示領域の演出変動表示を実施している途中で、操作表示領域における遊技者が操作する演出変動表示が早送スイッチ14dの操作により通常表示領域の演出変動表示の再生位置まで追いつくと、操作表示領域の表示を終了することによって操作表示領域自体の表示が消え、画面全体に通常表示領域が拡大する。
これにより、主制御装置50から受信した変動指示コマンドが示す変動時間に基づいた通常の変動表示を追い越した変動表示を実施することは無く、設定された変動時間の終了時よりも早く当否判定の結果を知ることはできない構成となっている。
本実施例の場合、通常表示領域が変動表示を継続している期間であれば、早送操作に応じて操作表示領域自体の表示が終了しても、操作フラグの値は1のままなので、早送スイッチ14d以外の操作が行われれば、操作表示領域が再度表示され遊技者の操作に応じた演出変動表示が実施される。
次に、図12を用いて、操作表示領域終了処理を説明する。この処理は、操作表示領域の表示中に通常表示領域の演出変動が終了すると操作作動領域の表示を終了する処理となり、本発明の「速度別表示手段は、前記通常速度表示領域の変動表示が終了すると、前記変更速度表示領域の変動表示も終了する」の構成を実施する処理となる。
操作表示領域終了処理を開始すると、操作フラグが1か否か判定する(S700)。否定判定なら(S700:no)、リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、操作表示領域の表示中か否か判定する(S705)。否定判定なら(S705:no)リターンし、肯定判定なら(S705:no)、通常表示領域における変動時間が終了したか否か判定する(S710)。否定判定なら(S710:no)、リターンし、肯定判定なら(S710:yes)、操作表示領域の表示を終了すると共に通常表示領域を拡大して表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S715)、操作フラグに0をセットして(S720)リターンする。
以上が、サブ統合制御装置53が実行する操作表示領域終了処理の説明となる。この処理により、操作表示領域において遊技者が操作する演出変動が表示されている場合、主制御装置50から受信した変動指示コマンドが示す変動時間に基づいた通常表示領域の演出変動表示が終了すると、操作表示領域自体が画面から消え(操作表示領域に表示されている遊技者が操作する演出変動表示も当然消える)、画面全体が通常表示領域となる。この時に同時に操作フラグに0がセットされるため、操作スイッチユニット14の操作有効期間も終了する。
次に、図13を用いて演出図柄表示装置54bで実施される演出変動の表示例を説明する。図13(1)は、図8のS425が肯定判定だった場合(操作スイッチユニット14の操作によって演出変動表示を変化させることが可能になる場合)に実施される演出変動表示の開始時を示す図となる。
具体的な表示内容は、画面の中央部から上部にかけて左中右の演出図柄が高速で変動を行い、その下の操作可能告知表示領域に、図8のS435の指示によって、操作スイッチユニット14の略図と「で、自由に再生できるぞ!」の文字列とを表示する。画面の最下部は、保留記憶数表示領域となり左が第1保留記憶数表示領域、右が第2保留記憶数表示領域となる。
上記したように、操作スイッチユニット14の操作が行われていない時点における演出図柄表示装置54bの画面は、保留記憶数表示領域よりも上の領域が全て通常速度表示領域となっている。
(2)は、(1)の状態から操作スイッチユニット14(停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e)の操作が実施され、画面に通常表示領域と操作表示領域との両方が表示された状態を示す図となる。
具体的には、画面のほぼ全域で表示していた通常表示領域が左上方に縮小され、元の通常表示領域の大部分が操作表示領域として出現し、該操作表示領域において遊技者の操作スイッチユニット14の操作に応じて変動速度、又は/及び変動方向が変化した演出変動が実施されている状態となる。
図例では、操作表示領域の下方には演出キャラクタとして熊の達吉が表示されている。本実施例では、この熊の達吉は通常の変動表示中に0.5秒間表示される。このような演出キャラクタが遊技者の撮影対象となり、遊技者は操作スイッチユニット14の複数のスイッチ(停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e)を操作して、該演出キャラクタを撮影しやすい状態に調整することが可能となっている。
但し、演出変動の再生位置を左上で表示している通常表示領域の演出変動表示(正規の変動表示)よりも先に進めることはできず、早送スイッチ14dを操作して正規の変動表示の再生位置に追いついた場合は、操作表示領域の表示を終了し、画面全体が通常表示領域となる。
次に、図14に示したタイミングチャートを用いて操作スイッチユニット14の操作有効期間を説明する。サブ統合制御装置53は、主制御装置50から受信した変動指示コマンドに応じて、変動開始から変動終了までの全体の変動時間がXとなる演出変動表示を行うが、通常表示領域で実施される演出変動表示がタイミングチャートの(A)時点まで進行している場合は、操作スイッチユニット14(停止スイッチ14a、再生スイッチ14b、遅送スイッチ14c、早送スイッチ14d、巻戻スイッチ14e)の操作(実際には早送スイッチ14dの操作)によって、操作表示領域の演出変動表示が(A)よりも変動終了側に進行しなければ、(B)の範囲内で繰り返し演出変動表示を操作することが可能となっている。
以上が実施例の説明となる。本実施例では、通常表示領域と操作表示領域とでは、サブ統合制御装置43が図8のS415で選択した同一の演出変動態様を表示するが、所定の確率で異なる種類の変動態様を表示する構成も考えられる。その場合、S415で選択した演出変動態様は通常表示領域に表示し、操作表示領域には通常表示領域には出現しないキャラクタ(例えば、大当り確定キャラクタとしてもよい)を表示して操作を行ったことに対する特典を与える構成も考えられる。この構成では、遊技者の撮影意欲を掻き立て更に積極的に操作を行わせることが可能となる。
また、通常表示領域専用の演出図柄表示装置と操作表示領域専用の演出図柄表示領域とを別々に備える構成も考えられる。この構成の場合、コストアップがデメリットとなるが、操作手段と対応する画面との関係が明確になり、遊技者が撮影に専念しやすくなる。