JP6159726B2 - 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム - Google Patents

被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6159726B2
JP6159726B2 JP2014530869A JP2014530869A JP6159726B2 JP 6159726 B2 JP6159726 B2 JP 6159726B2 JP 2014530869 A JP2014530869 A JP 2014530869A JP 2014530869 A JP2014530869 A JP 2014530869A JP 6159726 B2 JP6159726 B2 JP 6159726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
silver
layer
bath
tungsten
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014530869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014526615A (ja
JP2014526615A5 (ja
Inventor
ナジラ・ダドヴァン
ジョン・ドゥルソ
ジョナサン・シー・トレンクル
アラン・シー・ルンド
ジョン・キャハレン
クリストファー・エイ・シュー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xtalic Corp
Original Assignee
Xtalic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US13/232,291 external-priority patent/US20120121925A1/en
Priority claimed from US13/232,261 external-priority patent/US20120118755A1/en
Application filed by Xtalic Corp filed Critical Xtalic Corp
Publication of JP2014526615A publication Critical patent/JP2014526615A/ja
Publication of JP2014526615A5 publication Critical patent/JP2014526615A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6159726B2 publication Critical patent/JP6159726B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/56Electroplating: Baths therefor from solutions of alloys
    • C25D3/64Electroplating: Baths therefor from solutions of alloys containing more than 50% by weight of silver
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/10Electroplating with more than one layer of the same or of different metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/10Electroplating with more than one layer of the same or of different metals
    • C25D5/12Electroplating with more than one layer of the same or of different metals at least one layer being of nickel or chromium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/48After-treatment of electroplated surfaces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/60Electroplating characterised by the structure or texture of the layers
    • C25D5/615Microstructure of the layers, e.g. mixed structure
    • C25D5/617Crystalline layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/60Electroplating characterised by the structure or texture of the layers
    • C25D5/615Microstructure of the layers, e.g. mixed structure
    • C25D5/619Amorphous layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/60Electroplating characterised by the structure or texture of the layers
    • C25D5/623Porosity of the layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/627Electroplating characterised by the visual appearance of the layers, e.g. colour, brightness or mat appearance
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/12Process control or regulation
    • C25D21/14Controlled addition of electrolyte components
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/18Electroplating using modulated, pulsed or reversing current

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、概して、被覆された製品、電着浴、及び関連するシステムに関する。いくつかの態様では、被覆は金属製であり、電着(電気めっき)されている。
数多くのタイプのコーティングがベース材料に塗布されうる。電着(電気めっき)は、そのようなコーティングを析出させるための一般的な技術である。電着は、概して、電着浴(電気めっき浴)中に配置されたベース材料に電圧を印加し当該電着浴中の金属イオン種を減少させることを含み、この金属イオン種は、金属若しくは金属合金のコーティングの形態で、ベース材料上に析出される。電力供給装置を使用して、アノードとカソードとの間に電圧を印加する。アノード及びカソードの少なくともいずれか一方は、被覆されるベース材料として機能しうる。いくつかの電着プロセスにおいて、複合波形(インパルス析出、交流電流析出、若しくは、反転パルス析出)として印加されうる。
貴金属と貴金属合金のコーティングは、電着(電気めっき)等のプロセスを用いて析出させることができる。いくつかのアプリケーションにおいて、表面をこすることを繰り返して少なくとも部分的にコーティングを除去してもよい。このような行為は、特に、電気伝導性を改善するためにコーティングを少なくとも部分的に塗布する場合においては、望ましくない。これは、このような行為は、当該コーティングの抵抗を増加させうるからである。
被覆された製品、電着浴、及び、製品が提供される。
ある態様では、浴が提供され、当該浴は、銀イオン種;タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種;及び水酸化ナトリウムを含み、当該浴は、電着プロセスに適している。
他の態様では、浴が提供され、当該浴は、銀イオン種;タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種;及び、2, 2−ビピリジン及び3−ホルミル−1−(3−スルホナトプロピル)ピリジニウムからなる群から選択された光沢剤を含む。
ある態様では、電着システムが提供され、当該電着システムは、銀を含むアノード;カソード;浴;及び電力供給装置を備え、当該浴は、タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種、並びに、少なくとも1種の錯化剤を含み、上記浴は、アノード及びカソードと関連付けられ、上記電力供給装置は、上記アノード及び上記カソードの少なくとも一方と接続され、上記アノードの表面積は、上記カソードの表面積の少なくとも5倍である。
ある態様では、製品が提供され、当該製品は、ベース材料;及び上記ベース材料上に形成されたコーティングを備え、当該コーティングは、銀ベースの合金を含み、当該銀ベースの合金は、さらに、タングステン及び/又はモリブデンを含有し、上記銀ベースの合金は、少なくとも約100nmの粒径を有し、当該粒径は、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供された後、30nm以下の大きさの差をもって変動している。
他の態様では、製品が提供され、当該製品は、ベース材料;及び上記ベース材料上に形成されたコーティングを備え、当該コーティングは、銀ベースの合金を含み、当該銀ベースの合金は、さらに、タングステン及び/又はモリブデンを含有し、上記銀ベースの合金におけるタングステン及び/又はモリブデンの濃度は、少なくとも1.5原子パーセントであり、当該銀ベースの合金は、1ミクロン未満の平均粒径を有し、潤滑剤層が、上記コーティングの上に形成されている。
さらに別の態様では、製品が提供され、当該製品は、ベース材料;上記ベース材料の上に形成されたコーティングを含み、当該コーティングは、銀ベースの合金を含み、当該銀ベースの合金は、さらに、タングステン及び/又はモリブデンを含み、潤滑剤層が上記コーティング上に形成されており、上記製品の硬度は、約1GPaより大きく、摩擦係数は約0.3未満である。
さらにまた別の態様では、製品が提供され、当該製品は、ベース材料;上記ベース材料の上に形成されたコーティングを含み、当該コーティングは、銀ベースの合金を含み、当該銀ベースの合金は、さらに、タングステン及び/又はモリブデンを少なくとも1.5原子パーセントの濃度で含み、当該コーティングは、少なくとも10%の多孔率を有する。
本発明の他の態様、実施の形態、特徴は、添付図面と併せて検討した場合、次の詳細な記載から明らかになるであろう。添付の図面は、概略的であり、同一縮尺で描写することを意図したものではない。明確のため、全ての構成要素が全ての図面に記載されている訳ではなく、示された本発明の各実施の形態の全ての要素が示されている訳ではない。説明は、当該技術分野における当業者が発明を理解することを可能とするために必要とされている訳ではない。引用することにより本明細書に組み込まれる全ての特許出願及び特許権は、全体として引用することにより援用されている。不一致が生じた場合は、定義を含む本明細書が掌握(control)する。
図1は、ある実施の形態に係る電着システムを示す。 図2は、ある実施の形態に係る製品を示す。 図3A〜3Bは、いくつかの実施の形態に係る耐久テストに供された製品のイメージを示しており、Aは潤滑剤層を有しないものであり、Bは潤滑剤層を有するものである。 図3A〜3Bは、いくつかの実施の形態に係る耐久テストに供された製品のイメージを示しており、Aは潤滑剤層を有しないものであり、Bは潤滑剤層を有するものである。 図4A〜4Cは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀合金コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真を示しており、Aは2.3重量%、Bは4.5重量%、Cは8.7重量%のタングステンを含む。図4Dは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金の重量%と多孔率とをプロットしたものを示している。 図4A〜4Cは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀合金コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真を示しており、Aは2.3重量%、Bは4.5重量%、Cは8.7重量%のタングステンを含む。図4Dは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金の重量%と多孔率とをプロットしたものを示している。 図4A〜4Cは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀合金コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真を示しており、Aは2.3重量%、Bは4.5重量%、Cは8.7重量%のタングステンを含む。図4Dは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金の重量%と多孔率とをプロットしたものを示している。 図4A〜4Cは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀合金コーティングの断面の走査型電子顕微鏡写真を示しており、Aは2.3重量%、Bは4.5重量%、Cは8.7重量%のタングステンを含む。図4Dは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金の重量%と多孔率とをプロットしたものを示している。 図5Aは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金のタングステン重量パーセントと粒径とをプロットしたものを示している。図5Bは、いくつかの実施の形態に係る、1000時間125℃まで加熱され電着された銀−タングステン合金の付加された荷重と接触抵抗とをプロットしたものを示している。 図5Aは、いくつかの実施の形態に係る電着された銀−タングステン合金のタングステン重量パーセントと粒径とをプロットしたものを示している。図5Bは、いくつかの実施の形態に係る、1000時間125℃まで加熱され電着された銀−タングステン合金の付加された荷重と接触抵抗とをプロットしたものを示している。 図6は、いくつかの実施の形態に係る、異なるカソード表面積に対するアノード表面積の比率を有する電着浴の時間と銀濃度とをプロットしたものを示している。 図7は、いくつかの実施の形態に係る、電流密度と電着された銀−タングステン合金のタングステン濃度とをプロットしたものを示している。 図8は、いくつかの実施の形態に係る、電着浴中において観測される凝集体についての日数と電着浴のpHとをプロットしたものを示している。
被覆された製品、電着浴、及び、関連するシステムが開示されている。当該製品は、ベース材料と、当該ベース材料上に形成された、銀含有コーティングとを含みうる。いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、銀ベース合金、例えば銀−タングステン合金等を含む。ある場合では、当該コーティングは、少なくとも2つの層を含んでいてもよい。例えば、当該コーティングは、銀ベースの合金を含む第1層と、貴金属を含む第2層と、を含んでいてもよい。当該コーティングは、例えば耐久性(例示すると耐摩耗性)、硬度、耐食性、及び高い伝導性を示しうる。これらは、例えば電気アプリケーション及び/又は電子アプリケーションにおいて有用である。いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、電着プロセスを用いて塗布することができる。
図1は、ある実施の形態に係る電着システム(電気めっきシステム)10を示している。システム10は、電着浴(電気めっき浴)12を含む。以下にさらに記載されているように、当該浴は、コーティングを形成するために使用される金属源と、1以上の添加物と、を含む。アノード14及びカソード16が浴中に設置される。電力供給装置18は、アノードとカソードに接続されている。使用中、電力供給装置は、アノードとカソードとの間に電圧差を生じさせる波形を発生させる。この電圧差は、浴中における金属イオン種を減少させる。当該金属イオン種は、この実施の形態では、カソード上にコーティングの形態で析出される。カソードは、また、基板として機能する。
説明されたシステムは、限定することを意図したものではなく、当該技術分野における当業者に知られている様々な修正を含みうると理解すべきである。
電着浴は、金属源と添加剤のための流体キャリアー(fluid carrier)とを含む。いくつかの実施の形態において、流体キャリアーは水である(すなわち、浴は水溶性の溶液である)。しかしながら、とりわけ溶融塩、極低温媒体(cryogenic solvents)、アルコール浴等の他の流体キャリアーを使用してもよい。いくつかの実施の形態において、流体キャリアーは、水と少なくとも1種の有機溶媒(すなわち、水溶性浴は、少なくともいくつかの有機溶媒を含みうる)との混合物である。当該技術分野における当業者は、適切な流体キャリアーを選択することができる。
当該浴は、所望の組成を有するコーティングを析出させるための適切な金属源を含む。金属合金を電着(析出)させるとき、当該合金中の金属成分の全てが当該浴において金属源を有すると理解すべきである。金属源は、概して、流体キャリアーに溶解されたイオン種である。以下にさらに記載するように、電着プロセスの間、イオン種は、金属若しくは金属合金の形態で析出され、コーティングが形成される。概して、任意の適切なイオン種を用いることができる。イオン種は、金属塩から提供されうる。銀を含むコーティングを析出させる際、例えば、硝酸銀、硫酸銀、スルファミン酸銀を用いて銀イオン種を提供してもよい;タングステンを含むコーティングを析出させる際、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸等を用いてタングステンイオン種を提供してもよい。いつかの場合において、当該イオン種は、モリブデンを含んでいてもよい。モリブデンを含むコーディングを析出させる際、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム、酸化モリブデン等を用いてモリブデンイオン種を提供してもよい。これらのイオン種は例示として与えられ、他の多くのソースも可能であると理解すべきである。任意の適切な濃度の金属種を用いてもよく、当該技術分野における当業者は、ルーチン実験により適切な濃度を選択することができるであろう。いくつかの実施の形態において、上記浴におけるイオン種は、0.1g/L〜100g/L、5g/L〜50g/L、1〜20g/Lの濃度を有していてもよい。
本明細書において記載されているように、電着浴は、電着プロセス及び/又はコーティングの品質を改善しうる1以上の添加物を含んでいてもよい。例えば、電着浴は、少なくとも1種の錯化剤(すなわち、一種の錯化剤若しくは複数の錯化剤の混合物)を含んでいてもよい。錯化剤は、当該溶液に含まれるイオンと連携する任意の種を意味する。いくつかの実施の形態において、一種の錯化剤若しくは複数の錯化剤の混合物は、少なくとも二種の元素の共析出を可能にしうる。例えば、一種の錯化剤若しくは複数の錯化剤の混合物は、銀とタングステンとの共析出を可能にしうる。
錯化剤は、クエン酸イオン等の有機種、ヒダントインを含む化合物、イミド官能基、若しくは置換されたピリジン化合物であってもよい。錯化剤は、アンモニウムイオン等の無機種であってもよい。いくつかの場合においては、錯化剤は、中間の種である。いくつかの場合においては、錯化剤は、帯電した種(例えば、負に帯電したイオン、正に帯電したイオン)である。錯化剤の具体例には、クエン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、他のアルキルヒドロキシカルボキ酸;シアン化物(例えば、5,5−ジメチルハイダントイン)、スクシンイミド(例えば、スクシンイミド)、イミド官能基を含む他の化合物;及び、置換されたピリジン化合物(例えば、ニコチンアミド)が含まれる。
概して、一種の錯化剤若しくは複数の錯化剤の混合物は、0.1〜200g/Lの濃度範囲の電着浴に含まれていてもよい。いくつかの態様において、40〜80g/Lの範囲の電着浴に含まれていてもよい。ある実施の形態において、錯化剤の混合物は、5,5−ジメチルハイダントイン、クエン酸、ニコチンアミドを含む。錯化剤が、イミド官能基を含む化合物であるとき、錯化剤の濃度は30〜70g/L若しくは40〜60g/Lの範囲に含まれうる。錯化剤が、アルキルハイドロキシカルボン酸であるとき、錯化剤の濃度はいくつかの態様では1〜20g/L若しくは5〜15g/Lの範囲に含まれうる。錯化剤が、置換されたピリジン化合物であるとき、錯化剤の濃度は、いくつかの態様において、0.5〜20g/L若しくは0.5〜5g/Lの範囲に含まれうる。錯化剤がハイダントインであるとき、錯化剤の濃度は、いくつかの態様では、50〜70g/Lの範囲に含まれうる。これらの範囲外の濃度を使用してもよく、当該技術分野における当業者は、ルーチン実験により適切な濃度を容易に決定することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、アンモニウムイオンを、錯化剤として、電解液浴に注入し、溶液のpHを調整してもよい。例えば、電着浴は、1〜50g/Lの範囲の及び10〜30g/Lの範囲のアンモニウムイオンを含んでいてもよい。また、他の濃度範囲も適合しうる。
いくつかの態様において、複数の浴が、少なくとも1種の潤滑剤を含んでいてもよい。潤滑剤は、電着浴の表面張力を減少させることができる、及び/又は、当該浴においてガスバブルを表面から分離する能力を増加させることができる任意の種を意味する。例えば、基板は、親水性表面を有し、潤滑剤は、当該基板に対して浴の親和性(例えば、濡れ性)を高めうる。いくつかの態様において、潤滑剤は、また、製造された金属コーティング内の欠陥の数を減少させることもできる。潤滑剤は、有機種、無機種、有機金属種、若しくはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、潤滑剤は、電着浴及びその成分との親和性(例えば、溶解度)を示すように選択してもよい。例えば、潤滑剤は、潤滑剤の水溶解度を向上させるため、アミン、チオール、アルコール、カルボン酸、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ポリエチレングリコール(PEG)、若しくは、ポリエチレングリコールの派生体を含む1以上の親和種を含むように選択してもよい。いくつかの実施の形態では、潤滑剤は、フッ素の表面活性剤を含んでいてもよい。いくつかの態様において、潤滑剤には、ゾニル(登録商標)FSJ(デュポン)、キャプトソン(登録商標)(デュポン)、若しくは、トリトン(登録商標)QS−15(ダウ)が含まれる。
任意の適切な濃度の潤滑剤を使用してもよい。例えば、潤滑剤の濃度は、10マイクロリットル/L〜2000マイクロリットル/L、20マイクロリットル/L〜1000マイクロリットル/L、50マイクロリットル/L〜500マイクロリットル/Lであってもよい。他の濃度範囲も適合しうる。
いくつかの実施の形態において、浴は少なくとも1つの光沢剤を含んでいてもよい。当該光沢剤は、本明細書において開示された浴において含まれるとき、製造される電着コーティングの輝度、及び/又は、平滑度を改善する任意の種(species)であってもよい。いくつかの場合においては、当該光沢剤は、中性の種である。いくつかの場合においては、光沢剤には、帯電した種(例えば、正に帯電したイオン、負に帯電したイオン)が含まれる。ある一連の実施の形態において、光沢剤は、少なくとも1種のピリジン若しくは少なくとも1種のピリジニウム環を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態において、光沢剤は、ビピリジンが含まれ、任意であるがこれは置換されていてもよい。
任意の適切な濃度の光沢剤を使用してもよい。例えば、当該光沢剤の濃度は、0.01g/L〜50g/L、0.01g/L〜10g/L、0.1g/L〜5g/L、0.1g/L〜1g/Lであってもよい。他の濃度範囲も適合しうる。
いくつかの実施の形態において、光沢剤は、2,2−ビピリジン、若しくは、3−ホルミル−1−(3−スルホン酸プロピル)ピリジニウムである。当該浴における2,2−ビピリジンの濃度は、約0.1g/L〜約5g/L、若しくは、0.1g/L〜1g/L、若しくは、0.1g/L〜0.8g/Lであってもよい。特定の実施の形態において、光沢剤は、約0.2g/L〜約0.6g/Lの濃度の2,2−ビピリジンである。特定の実施の形態において、光沢剤は、約2g/Lの濃度の3−ホルミル−1−(3−スルホン酸プロピル)ピリジニウムである。ある実施の形態において、電着浴は、光沢剤である2,2−ピリジン、及び、潤滑剤であるトリトン(登録商標)QS−15(ダウ)を含む。
当該技術分野における当業者は、イオン種、潤滑剤、錯化剤、及び/又は特定のアプリケーションにおいて使用されるに適した他の添加剤(例えば、光沢剤)の適切な組み合わせを選択することができるであろう。概して、浴における添加剤は、電着プロセスと適合可能であり、すなわち、浴は電着プロセスに適している。当該技術分野における一の当業者は、電着プロセスに適する浴を理解することができるであろう。同様に、当該技術分野における一の当業者は、浴に添加される際に、当該浴を電着プロセスに適さないものとする添加剤を理解することができるであろう。
いくつかの態様において、様々な技術を用いて電着浴の内容物をモニターしてもよい。例えば、このような技術は、浴における1以上の添加剤、例えば、光沢剤、潤滑剤、錯化剤等の濃度を決定してもよい。当該添加剤の濃度は、所望の濃度より低い若しくは高い場合、当該浴は、その濃度が所望の範囲に含まれるように調節してもよい。
電着浴のpHは、約2.0〜12.0であってもよい。いくつかの場合において、電着浴は、約7.0〜9.0のpHを有していてもよく、若しくは、いくつかの場合において、約7.6〜8.4のpHを有していてもよく、若しくは、いくつかの場合において、約7.9〜8.1のpHを有していてもよい。しかしながら、当該pHは、上記した範囲外であってもよいことは理解すべきである。浴におけるpHは、当該技術分野における当業者により知られた任意の適切な薬剤を使用して調整してもよい。いくつかの実施の形態において、浴のpHは、水酸化物塩(具体的には水酸化カリウム)等の塩基を用いて調整される。いくつかの実施の形態において、浴のpHは、酸(具体的には、硝酸)を用いて調整される。
いくつかの実施の形態において、電着浴は、水酸化物塩を含む。特定の実施の形態において、当該水酸化物塩は、水酸化ナトリウムである。いくつかの場合において、当該水酸化物塩は、水酸化カリウムではない。理論に拘泥されることを望むわけではないが、電着浴における水酸化カリウムの使用と比較して水酸化ナトリウムの使用は好ましい。これは、当該溶液中において沈殿物の形成が減少及び/又は抑制されるかもしれないからである。例えば、ある実施の形態において、水酸化物カリウムを含む電着浴を採用するとき、酸化タングステンの沈殿物が観測され、一方、水酸化ナトリウムを使用して実質的に同様の条件下では沈殿物は観測されなかった。いくつかの場合において、水酸化ナトリウムを用いる際、電着浴は、約6.5〜9.0より大きいpHを有してもよい。いくつかの場合において、pHは、約6.5〜約9.5、約6.5〜約8.5、約7.0〜約8.5、約6.5〜約8.0である。いくつかの場合において、pHは、9.0未満、8.5未満、若しくは、8.0未満である。
ある実施の形態において、電着浴は、タングステンイオン種(約27g/L)の周りに銀イオン種(約8〜約9g/L)を含み、約6.5より大きく約8未満のpH、若しくは、約6.5〜8のpHを有する。他の実施の形態において、電着浴は、タングステンイオン種(約60g/L)の周りに銀イオン種(約4〜約5g/L)を含み、約6.5より大きく約8.5未満のpH、若しくは、約6.5〜8のpHを有する。
いくつかの場合において、本明細書において記載された電着浴の動作範囲は、5〜100℃、10〜70℃、10〜30℃、25〜80℃であり、いくつかの場合では、40〜70℃である。いくつかの場合において、温度は80℃未満である。しかしながら、他の温度範囲も適合しうることは理解すべきである。
概して、電着浴は、任意の電着プロセスに関連付けて使用してもよい。概して、電着は、基板を電着浴に接触させ、2つの電極間の電気ポテンシャルの差異により、電着浴を介して2つの電極間に電流を流すことにより、基板上にコーティングを析出させることを含む。例えば、本明細書において記載された方法は、アノード、カソード、当該アノード及び当該カソードに関連する(すなわち、これらに接触する)電着浴、及び、上記アノード及び上記カソードに接続された電力供給装置を提供することを含んでいてもよい。いくつかの場合において、電力供給装置は、以下により詳細に記載されているように、コーティングを形成するために波形を発生させるために駆動されてもよい。いくつかの実施の形態において、少なくとも1種の電極は、被覆される基板として機能してもよい。
いくつかの実施の形態において、電着システムは、アノード、カソード、浴、及び前記アノード、及び前記カソードの少なくとも一方に接続された電力供給装置を備える。いくつかの場合において、アノードは銀を含み(具体的には、アノードは浴に対して銀イオン種を提供する)、浴はタングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種、任意ではあるが、少なくとも1種の錯化剤、及び/又は他の添加剤を含む。そのような実施の形態において、カソードの表面積に対するアノードの表面積は、浴に対して適当な量の銀イオン種を提供するように選択してもよい。理論に拘泥されることを望むわけではないが、カソード表面積に対してアノード表面積の比率が小さすぎる実施の形態において、アノードは不動態化し、溶液中における銀イオン種は補充されなくてもよい。いくつかの場合において、アノード(例えば銀を含む)の表面積は、カソードの表面積の少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、若しくは、少なくとも約10倍である。特定の実施の形態において、アノードの表面積は、カソードの表面積の少なくとも約5倍である。
銀を含むアノードは、原則的に、銀から構成されていてもよく(具体的には、95%より多い銀、97%より多い銀、98%より多い銀、99%より多い銀、99.5%より多い銀、99.9%より多い銀)、若しくは、原則的に、銀から構成されていなくてもよい。いくつかの場合において、銀を含むアノードは、基板上に形成された銀を含んでいてもよい(例えば、導電性基板)。いくつかの場合では、銀を含むアノードは、また、少なくとも1種の付加的な金属(例えばタングステン)を含んでいてもよい。付加的な金属のそれぞれは、浴に対して金属イオン種(例えばタングステンイオン種)を提供してもよいし提供しなくてもよい。
概して、電着プロセスの間、電気ポテンシャルは、被覆される基板上に存在してもよく、印加電圧、電流、電流密度が変化することにより、基板上の電気ポテンシャルが変化するであろう。いくつかの場合において、電着プロセスは、1以上のセグメントを含む波形を用いることを含んでいてもよい。各セグメントは、特定の一組の電着条件(例えば、電流密度、電流期間、電着浴温度等)を含む。波形は、恣意的な形状の四角い波形、四角ではない波形等を含む任意の形状を有してもよい。いくつかの方法において、例えば、異なる部分を有するコーティングを形成する際、異なる部位を形成するために使用される異なるセグメントを有していてもよい。しかしながら、全ての方法が、異なるセグメントを有する波形を使用するわけではないことを理解すべきである。
いくつかの実施の形態において、コーティング、その一部は、直流(DC)析出を用いて電着してもよい。例えば、コンスタントで一定の電流を電着浴に通過させ、基板上にコーティング若しくはその一部を作製してもよい。いくつかの実施の形態において、電極間に印加される電気ポテンシャル(例えば、ポテンシャル制御若しくは電圧制御)、及び/又は、流れることを可能とする電流若しくは電流密度(例えば、電流制御若しくは電流密度制御)を変化させてもよい。例えば、パルス、振動、及び/又は電圧、ポテンシャル、電流、及び/又は電流密度における他のバリエーションを電着プロセスの間組み込んでもよい。いくつかの実施の形態では、制御された電圧のパルスは、制御された電流若しくは電流密度のパルスと交互になっていてもよい。いくつかの実施の形態において、コーティングは、パルス電流電着、反転パルス電流電着、若しくは、その両方を使用して、形成してもよい(例えば、電着されてもよい)。
いくつかの実施の形態において、少なくとも1つのフォワードパルスと少なくとも1つのリバースパルス、すなわち、”リバースパルスシーケンス”を含むバイポーラ波形を使用してもよい。上述したように、本明細書において記載した電着浴は、リバースパルスシーケンス等の複合波形を用いてコーティングを析出させるのに特に適している。いくつかの実施の形態において、当該少なくとも1つのリバースパルスは、上記少なくとも1つのフォワードパルスに直ぐに追随する。いくつかの実施の形態において、当該少なくとも1つのフォワードパルスは、上記少なくとも1つのリバースパルスに直ぐに追随する。いくつかの場合において、バイポーラ波形は、複数のフォワードパルスと複数のリバースパルスを含む。いくつかの実施の形態は、複数のフォワードパルスと複数のリバースパルスを含み、それぞれのパルスが特定の電流密度及び特定の期間を有する。いくつかの場合において、リバースパルスシーケンスの使用により、製造されるコーティングの組成及び/又は粒径の調節が可能となる。
少なくとも0.001A/cm、少なくとも0.01A/cm、若しくは、少なくとも0.02A/cmの電流密度での電着プロセスを使用してコーティングを被覆してもよい。これらの範囲外の電流密度を同様に使用してもよい。いくつかの場合では、約10mA/cmより大きい、約15mA/cmより大きい、約20mA/cmより大きい、約30mA/cmより大きい、若しくは、約50mA/cmより大きい直流電流密度を有する直流電流を採用する。いくつかの実施の形態では、直流電流密度は、15mA/cmより大きく、当該レベル未満の電流密度においては、銀のみが析出される。
パルスで供給される電流について、周波数は任意の適切な周波数(例えば、0.1ヘルツ〜約100ヘルツ)であってもよい。同様に、電圧は任意の適切な電圧(例えば、約0.1V〜約1V)であってもよい。
コーティングの析出速度を制御してもよい。ある場合では、析出速度は、少なくとも0.1マイクロメートル/分、少なくとも0.3マイクロメートル/分、少なくとも1マイクロメートル/分、若しくは、少なくとも3マイクロメートル/分であってもよい。これらの範囲外の析出速度も同様に使用することができる。
当該技術分野における当業者は、本明細書において記載された電着プロセスは、印加された電圧ではなく、主として、若しくは、全体として化学的還元剤を使用してコーティングを析出させる無電解めっきと区別しうることは理解するであろう。本明細書において記載された電着浴は、例えば印加された電圧が無い場合にコーティングを析出させる化学的還元剤が実質的に存在しなくてもよい。
電着システム/方法は、”合金析出物を製造する方法および負電流パルス電着法を使用してそのナノ構造体を制御する方法並びにそのような析出物を組み込んだ製品”という名称の米国特許出願公開第2006/02722949号に記載されたある態様の方法/システムを用いてもよい。これは、本明細書において全体として引用して援用する。2007年11月15日に出願された”ナノ結晶若しくはアモルファス金属若しくは合金の表面トポグラフィーを調整する方法、及び、そのような方法により作製された製品”という名称の米国特許出願公開第2006/0154084号、及び、米国特許出願第11/985,569号;2008年5月14日に出願された米国特許出願公開第20090286103及び米国特許出願第12/120,564号;2010年3月12日に出願された”電着浴及びシステム”という名称の米国特許出願第12/723,020号;2010年3月12日に出願された”被覆された製品及び方法”という名称の米国特許出願第12/723,044号に記載されたものを含む他の電着法/システムもまた適している。これらは、本明細書において全体として引用して援用する。
図2は、ある実施の形態に係る製品20を示す。当該製品は、ベース材料24上に形成されたコーティング22を有する。いくつかの実施の形態では、当該コーティングは、多数の層を含む。いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、上記ベース材料上に形成された第1層26と、上記第1層26上に形成された第2層28とを有してもよい。以下に詳細に説明する適切なプロセスを用いて各層を塗布してもよい。当該コーティングは2以上の層を有していてもよいことは理解すべきである。当該コーティングは1層のみ含んでいてもよいことは理解すべきである。しかしながら、いくつかの実施の形態では、当該コーティングは、示した通り、2つの層を含むのみであってもよい。いくつかの場合において、当該コーティングは、基板表面の少なくとも一部に形成されていてもよい。他の場合において、当該コーティングは、基板表面の全部をカバーする。
いくつかの実施の形態において、コーティングは1以上の金属を含む。例えば、当該コーティングは、金属合金を含んでいてもよい。いくつかの場合では、銀を含む合金(銀ベース合金)が好ましい。そのような合金には、タングステン及び/又はモリブデンが含まれていてもよい。いくつかの場合において、銀−タングステン合金が好ましい。いくつかの実施の形態において、銀−モリブデン合金も可能である。いくつかの場合において、当該合金中におけるタングステン及び/又はモリブデンの原子パーセントは、0.1原子パーセント〜50原子パーセントであってもよく;いくつかの場合では、0.1原子パーセント〜20原子パーセントであってもよい。いくつかの実施の形態では、当該合金中のタングステン及び/又はモリブデンの原子パーセントは、少なくとも0.1原子パーセント、少なくとも1原子パーセント、少なくとも1.5原子パーセント、少なくとも5原子パーセント、少なくとも10原子パーセント、少なくとも20原子パーセントであってもよい。当該範囲外の他の原子パーセントを同じように使用してもよい。
いくつかの実施の形態において、銀ベース合金は、当該コーティングの第1層26を構成してもよい。いくつかの実施の形態において、1以上の貴金属を含む第2層28は、当該コーティングの第2層を形成してもよい。いくつかの場合において、銀合金を含む第1層は、ベース材料上に形成され、1以上の貴金属を含有する第2層は、上記第1層上に形成される。適切な貴金属の具体例には、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの任意の組み合わせが含まれる。いくつかの実施の形態において、金が好ましい。いくつかの実施の形態において、ある層は基本的に1つの貴金属から構成される。いくつかの実施の形態において、ある層(例えば第2層)は錫を含まないことが好ましい。他の場合では、ある層は、少なくとも1つの貴金属及び少なくとも1つの他の元素を含む合金を含んでいてもよい。当該元素は、他の元素の中でも、Ni、W、Fe、B、S、Co、Mo、Cu、Cr、Zn及びSnから選択してもよい。例えば、ある層は、Ni−Pd合金、Au−Co合金、及び/又はAu−Ni合金を含んでいてもよい。
いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、ニッケル(具体的には、ニッケル−タングステン等のニッケル合金)を含有する層を含んでいてもよい。いくつかの場合では、ニッケルを含有する層は、ベース材料と銀ベース合金層との間に配置してもよい。ある実施の形態において、当該コーティングは、ニッケルを含有する第1層と、銀ベース合金を含有する第2層と、1以上の貴金属を含有する第3層と、を備え、上記第1層は上記ベース材料の上に形成され、第2層は上記第1層上に形成され、第3層は第2層上に形成されている。
当該コーティングのある層は、任意の適切な厚さを有していてもよい。いくつかの実施の形態において、例えば、材料コストを節約するため、ある層は薄いことが好ましい。いくつかの実施の形態において、ある層(具体的には、銀ベースの合金層)の厚さは、約1000マイクロインチ未満(具体的には、約1マイクロインチ〜約1000マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約750マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約500マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約100マイクロインチ、約1マイクロインチ〜50マイクロインチ)であってもよい。当該層の厚さは、約500マイクロインチ未満であってもよく、若しくは、250マイクロインチ未満(具体的には、約1マイクロインチ〜250マイクロインチ)であってもよい。いくつかの場合では、当該層の厚さは、非常に薄くてもよい。例えば、層の厚さは、30マイクロインチ未満(具体的には、約1マイクロインチ〜約30マイクロインチ;いくつかの場合では、約5マイクロインチ〜約30マイクロインチ)であってもよく;いくつかの場合では、当該層の厚さは、20マイクロインチ未満(具体的には、約1マイクロインチ〜約20マイクロインチ;いくつかの場合では、約5マイクロインチ〜約20マイクロインチ)であってもよく;いくつかの場合では、当該層の厚さは、10マイクロインチ未満(具体的には、約1マイクロインチ〜約10マイクロインチ;いくつかの場合では、約5マイクロインチ〜約10マイクロインチ)であってもよい。いくつかの実施の形態において、ある層の厚さは、当該層が基本的に当該表面において透明となるように選択される。他の層厚さも適合しうることは理解すべきである。
第2層は、第1層の全体をカバーしてもよい。しかしながら、他の実施の形態において、第2層は、第1層の一部のみをカバーしてもよいことは理解すべきである。いくつかの場合において、第2層は、第1層の表面積の少なくとも50%、第1層の表面積の少なくとも75%をカバーする。いくつかの場合では、第1層の元素を第2層内に組み込んでもよい、及び/又は、第2層の元素を第1層内に組み込んでもよい。
いくつかの実施の形態において、第1層がベース材料上に直接形成されることが好ましい。このような実施の形態は、そのような介在層が無いことは全材料コストを節約しうるため、第1層とベース材料との間の層を利用するある従来技術の構造よりも好ましい。反対に、他の実施の形態において、1以上の層を第1層とベース材料との間に形成してもよいことは理解すべきである。例えば、ある実施の形態において、バリアー層をベース材料と第1層との間に形成してもよい。当該バリアー層は、金属を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態において、当該バリアー層は、ニッケルを含む。いくつかの実施の形態において、当該バリアー層は、ニッケル−タングステン若しくはスルファミン酸ニッケルを含む。
いくつかの実施の形態において、コーティングの上部層として、潤滑剤層が形成されていてもよい。当該潤滑剤層は、例えば、有機材料、自己組織化単分子膜、カーボンナノチューブ等を含んでいてもよい。いくつかの場合では、潤滑剤層の存在により、潤滑剤層を含まない実質的に同様のコーティングと比較して、当該コーティングの摩擦係数が減じられる。潤滑剤層は、例えば、ハロゲン含有有機性潤滑剤、ポリフェニル含有有機性潤滑剤、若しくは、ポリエーテル含有潤滑剤等の適切な材料から構成されていてもよい。ある実施の形態において、潤滑剤層は、ハロゲン含有有機性潤滑剤から構成される。特定の非制限の潤滑剤の具体例には、エバブライト(登録商標)(エンソン)、Auルブ(AMP)、ニータクト(登録商標)570H(ニールブリカント)、FS−5(ガブリエルパフォーマンスプロダクツ)、S−30(ガブリエルパフォーマンスプロダクツ)、及び、MS−383H(ミラー−ステファンソン)が含まれる。いくつかの場合において、潤滑剤層は、コーティングの表面上に形成されたモノマー層を含む。
当該技術分野における当業者は、コーティング上に潤滑剤層を形成する適切な方法に思い至るであろう。例えば、いくつかの実施の形態において、コーティングを含む製品は、潤滑剤(例えば、任意であるが溶液中において)にさらされ(具体的には、浸漬され)、その後、当該製品は乾燥され、それにより、コーティングの上面に潤滑剤層が形成される。
いくつかの実施の形態において、コーティング(具体的にはベース材料)上に形成された、潤滑剤層を含む製品は、潤滑剤層を含まない実質的に同様の製品と比較して、減少した摩擦係数を有しうる。いくつかの場合において、潤滑剤層を有する製品は、潤滑剤層を有しない製品の少なくとも1/2より小さい、少なくとも1/3より小さい、少なくとも1/4より小さい、少なくとも1/5より小さい、若しくは少なくとも1/10より小さい摩擦係数を有する。
いくつかの場合において、潤滑剤層を有する製品は、潤滑剤層を有しない実質的に同様の製品と比較して、良好な耐摩耗性を有しうる。当該技術分野における当業者は、材料の耐摩耗性を決定する適切な方法(具体的には、ボールとプレートの両方が合金の層により被覆され任意ではあるが潤滑剤層により被覆されたプレート上にボールを載せたタイプの往復式摩擦摩耗テスト)に思い至るであろう。例えば、いくつかの実施の形態において、銀ベースの合金及び潤滑剤層を含む製品について、100gの負荷が加えられ、50サイクル、100サイクル、250サイクル、500サイクル、若しくは、1000サイクル繰り返したところ、磨り減りは最小であるか全く観測されなかった。ここで、潤滑剤層を含まない実質的に同様の製品は、実質的な若しくは完全な磨り減りを示しうる。
いくつかの場合において、コーティング(具体的には、第1層及び/又は第2層)は、特定のマイクロ構造を有していてもよい。例えば、コーティングの少なくとも一部が、ナノ結晶のマイクロ構造を有していてもよい。本明細書において使用されているように、”ナノ結晶”構造は、結晶粒の数平均サイズが1ミクロン未満である構造を意味する。結晶粒子の数平均サイズは、各粒子に対して同じ統計的重量(statistical weight)を与え、本体の各体積における全粒子数により除された全球等価粒径の合計として算出される。いくつかの実施の形態において、結晶粒子の数平均サイズは、100nm未満であってもよい。いくつかの場合において、銀ベース合金は、銀ベース合金層の厚さの50%未満の数平均粒径を有していてもよい。いくつかの例では、数平均粒径は、銀ベース合金層の厚さの10%未満であってもよい。いくつかの実施の形態では、コーティングの少なくとも一部がアモルファス構造を有していてもよい。当該技術分野において知られているように、アモルファス構造は、原子位置において領域対称性を有しないことにより特徴づけられる非結晶構造である。アモルファス構造の具体例には、ガラス構造、若しくは、非ガラス構造が含まれる。いくつかの実施の形態は、全コーティングの実質的に全体に亘ってナノ結晶構造を有するコーティングを提供してもよい。いくつかの実施の形態は、実質的に全コーティングに亘ってアモルファス構造を有するコーティングを提供してもよい。
いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、面心立法構造を有する結晶であってもよい。いくつかの実施の形態において、当該コーティングは、当該コーティングを含む金属が実質的に各原子として配置された固溶体であってもよい。そのような構造は、電着プロセスを用いることにより製造してもよい。固溶体は、例えば、無電解めっきプロセスを用いて形成された代替の構造と区別することができる。第1金属種(すなわち、タングステン及び/又はモリブデン)を含む第1相を有する粒状物は、第2金属種(すなわち、銀)を含む第2相を有するコーティング内に分散され、第2相は、第1相と異なる成分及び/又は結晶構造を有する。いくつかの場合において、固溶体は、実質的に酸素を含まなくてもよい。
いくつかの実施の形態において、コーティングは、異なるマイクロ構造を有する様々な部分を含んでいてもよい。例えば、第1層は、第2層と異なるマイクロ構造を有していてもよい。当該コーティングは、例えば、ナノ結晶構造を含む1以上の部分、及び、アモルファス構造を含む1以上の部分を含んでいてもよい。ある一連の実施の形態において、コーティングは、ナノ結晶粒子及びアモルファス構造を示す他の部分を含む。いくつかの実施の形態において、コーティング、若しくは、その一部(具体的には、第1層の一部、第2層の一部、第1層と第2層の両方の一部)は、大部分が、直径が1マイクロメートルより大きい粒子サイズを有する結晶粒子を有する部分を含んでいてもよい。いくつかの実施の形態において、コーティングは、単独で、若しくは、ナノ結晶部分若しくはアモルファス部分との組み合わせで、他の構造若しくは相を含んでいてもよい。当該技術分野における当業者は、本明細書において使用されるに適した他の構造若しくは相を選択することができるであろう。
好ましくは、コーティング(例えば、第1層、第2層、若しくは、第1層と第2層の両方)は、実質的に、高い毒性若しくは他の欠点を有する元素若しくは化合物が実質的に存在しなくてもよい。いくつかの例では、コーティングには、高い毒性若しくは他の欠点を有する種を用いて析出された元素若しくは化合物が実質的に存在しないことが好ましい。例えば、いくつかの場合において、コーティングには、クロム(具体的には、酸化クロム)が存在しない。クロムは、毒性を有するクロムイオン種(具体的には、Cr6+)を用いて通常析出される。いくつかの場合において、コーティングは、シアン化物が実質的に存在しない電着浴から析出されてもよい。そのようなコーティングは、ある従来のコーティングよりも様々な処理的、健康的、環境的利点を提供することができる。
いくつかの実施の形態において、電着されたコーティング(具体的には、合金)は、多孔性であってもよい。いくつかの場合において、コーティングは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、若しくは、少なくとも50%の多孔率を有する。いくつかの場合において、コーティングは、約5%〜約30%、若しくは、約10%〜約25%の多孔率を有する。いくつかの場合では、タングステン及び/又はモリブデンを含有する銀ベース合金について、当該合金中に含まれるタングステンのパーセントに基づいて多孔率を変化させ、及び/又は制御してもよい。特定の実施の形態において、少なくとも1.5原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンを含む銀ベース合金について、コーティングは、少なくとも約10%若しくは約10%〜約25%の多孔率を有する。
当該技術分野における当業者は、以下に限定される訳ではないが、光学的方法及び/又は密度方法による多孔率の直接測定を含む、コーティング(具体的には、合金)の多孔率を決定するための方法に思い至るであろう。いくつかの場合では、多孔率は、光学的方法を用いて決定してもよい。光学的方法においては、多孔率は、コーティングの断面積のイメージを取得しポアの領域を算出する(例えば、いくつかの場合においては、ダークスポットとして観測されうる)ことにより決定される。ポアがコーティングにおいて一様であることを前提として、ポアの体積分率を計算することができる。
いくつかの実施の形態において、金属、非金属、及び/又は、半金属材料、塩等(例えば、リン酸塩、若しくは、酸化還元メディエータ(例えばフェリシアン化カリウム)、若しくは、その一部)をコーティングに組み込んでもよい。
コーティング、若しくは、その一部又は層の組成は、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)等の当該技術分野において知られた適切な技術を用いて明らかにしてもよい。例えば、AES及び/又はXPSを用いて、コーティングの表面の化学組成を明らかにしてもよい。
コーティングは、特定のアプリケーションに適切な任意の厚さを有していてもよい。例えば、コーティング厚は、約1マイクロインチより大きくてもよい(具体的には、約1マイクロインチ〜約1000マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約750マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約500マイクロインチ、約1マイクロインチ〜約100マイクロインチ、約1マイクロインチ〜50マイクロインチ);いくつかの場合では、約5マイクロインチより大きくてもよい(具体的には、約5マイクロインチ〜約100マイクロインチ、約5マイクロインチ〜50マイクロインチ);約25マイクロインチより大きくてもよい(具体的には、約25マイクロインチ〜約100マイクロインチ、約1マイクロインチ〜50マイクロインチ)。他の厚さも適合しうることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、コーティングの厚さは、コーティングが表面において基本的に透明となるように選択される。厚さは、当該技術分野における当業者に知られた技術により測定してもよい。
ベース材料30は被覆され上述したように被覆された製品を形成してもよい。いくつかの場合において、ベース材料は、電気伝導性材料、例えば金属、金属合金、金属間材料等を含んでいてもよい。適切なベース材料には、他の中でも、鋼鉄、銅、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、導電性表面を有する、及び/又は表面処理されたポリマー、透明伝導性酸化物が含まれる。いくつかの実施の形態において、銅ベース材料が好ましい。
電気コネクター(具体的には、プラグタイプ)等の電気的アプリケーションを含む様々なアプリケーションにおいて当該製品を使用してもよい。いくつかの実施の形態において、電気コネクター上のコーティングは、銀合金を含みベース材料上に配置された第1層と、貴金属を含み上記第1層上に配置された第2層と、を含む。コーティングは、製品に対して、耐久性、硬度、耐腐食性、熱安定性、及び減少した電気抵抗等の所望の特性を付与しうる。これらの特性は、電気コネクター等の電気的アプリケーションにおける製品にとって特に好ましい。これは、製品上の導電層の導電性にダメージを与えるか若しくはその反対に当該導電性を減じうる電気回路に接続及び/又は電気回路から切断する際、摩擦応力若しくは研磨応力を受けうる。限定的ではない電気コネクターの具体例には、赤外コネクター、USBコネクター、バッテリーチャージ、バッテリーコネクター、自動車用の電気コネクター等が含まれる。いくつかの実施の形態において、コーティングの第1層が存在することにより、当該コーティングに対して耐久性、及び耐腐食性の少なくともいくつかを提供しうる。いくつかの実施の形態において、コーティングは、装飾的クオリティー、例えば青色染料、及び還元された変色を提供してもよい。さらに、第1層が存在することにより、第2層の膜厚は減少し、それにより、当該製品上において貴金属の量をかなり減少させる。
本明細書に記載されたコーティングは、電気的コネクター等の製品に有利な特性を与えうる。いくつかの実施の形態において、コーティング、若しくは、コーティングの層は、低い電気抵抗を有していてもよい。例えば、電気抵抗は、100マイクロオーム−センチメートル未満、50マイクロオーム−センチメートル未満、10マイクロオーム−センチメートル未満、若しくは、2マイクロオーム−センチメートル未満であってもよい。
コーティング、若しくは、コーティングの層は、少なくとも1GPa、少なくとも1.5GPa、少なくとも2GPa、少なくとも2.5GPa、若しくは、少なくとも3GPa、若しくは、約2.0GPa〜約3.0GPaの硬度を有していてもよい。当該技術分野における当業者は、これらの特性を容易に測定することができるであろう。いくつかの実施の形態において、銀ベース合金及び潤滑剤層を含むコーティングは、少なくとも1GPa、少なくとも1.5GPa、少なくとも2GPa、少なくとも2.5GPa、若しくは、少なくとも3GPaの硬度を有し、約0.1未満、約0.75未満、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、約0.2未満、若しくは約0.1未満の摩擦係数を有していてもよい。いつかの実施の形態において、硬度は約2.0GPa〜約3.0GPaであり、摩擦係数は約0.3未満、若しくは、約0.3〜約0.1である。
コーティング若しくはコーティングの層は熱的に安定であってもよい。いくつかの場合において、さらにタングステン及び/又はモリブデンを含み約100nm未満の粒子サイズを有する銀ベースの合金を含有するコーティングは、かなりの期間、高温に供された際、粒子サイズに殆ど若しくは全く変化が示されない。いくつかの実施の形態において、コーティングの粒子サイズは、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供された後、約30nm以下、約20nm以下、約15nm以下、約10nm以下、若しくは、約5nm以下の大きさの差だけ変化している。いくつかの場合において、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供された後、粒子サイズは、約30nm以下、約20nm以下、約15nm以下、約10nm以下、若しくは、約5nm以下の大きさの差だけ変動している。温度の安定は、他の適切な条件(例えば、少なくとも約24時間、約150℃の温度;少なくとも約24時間、約200℃の温度;少なくとも約24時間、約250℃の温度;若しくは、約120時間、約200℃の温度)で決定してもよい。さらに、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供された後、コーティングの接触抵抗(contract resistance)は、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、若しくは、約5%未満変化する。
当該技術分野における当業者は、材料の熱的安定性を決定するための適切な方法に思い至るであろう。いくつかの場合において、熱的安定性は、熱に供する間、及び/又は熱に供する前、熱に供した後、材料のマイクロ構造の変化(例えば、粒子成長、相転移等)を観察することにより決定してもよい。熱的安定性は、材料が制御された条件の下加熱される示差走査熱量測定法(DSC)、若しくは、示差熱分析法(DTA)を用いて決定してもよい。粒子サイズの変化及び/又は相転移を決定するため、その場X線実験を熱プロセスの間行ってもよい。
上述したように、コーティング20は、電着プロセスを用いて形成してもよい。いくつかの場合において、コーティングの各層は、別々の電着浴を用いて塗布してもよい。いくつかの場合において、個々の製品は、それらが、例えば、リール−トゥー−リールプロセスで、別々の電着浴に連続的に供するように接触させてもよい。例えば、製品を共通の導電性基板(例えば、ストリップ)に接触させてもよい。いくつかの実施の形態において、電着浴のそれぞれは、分離されたアノードに関連付けられ、相互に連結された各製品をカソードに共通に(並列に)接触させてもよい。
いくつかの実施の形態において、本発明は、1以上の可能性として考えられる腐食環境において、腐食に対抗することができる、及び/又は、下の基板の材料を腐食から防護する被覆された製品を提供する。そのような腐食環境の具体例には、以下に限定される訳ではないが、水溶性の溶液、酸溶液、アルカリ溶液若しくは塩基性溶液、若しくは、これらの組み合わせが含まれる。例えば、本明細書において記載された被覆された製品は、腐食性の液体環境、気体環境、若しくは、湿潤環境等の腐食環境に供される(例えば、これらに接触、これらの中に浸漬される)際、腐食に対して対抗しうる。
腐食抵抗は、”電気コンタクトについての混合フローガス(MFG)テストのための標準ガイド”と称されるASTM B845等のテストを用いて評価してもよい。また、クラスIIaプロトコルの後に、これを使用して、被覆された製品の腐食抵抗を評価してもよい。これらのテストは、被覆された基板サンプルを腐食環境(すなわち、NO、HS、Cl、及びSOの混合物)に供する手続をオンラインで行ってもよい。流動気体の混合物は、200+/−50ppbのNO、10+/−5ppbのHS、10+/−3ppbのCl、及び、100+/−20ppbのSOを含んでいてもよい。また、温度及び相対湿度を制御してもよい。例えば、温度は30+/−1℃であってもよく、相対湿度は70+/−2%であってもよい。
サンプルの低レベル接触抵抗(contact resistance)は、上述した1のテストにしたがって、一連の時間、腐食環境に供する前及び/又は後に決定してもよい。いくつかの実施の形態において、低レベル接触抵抗は、説明書EIA364、テスト手順23にしたがって決定してもよい。概して、サンプルの接触抵抗は、特定の負荷及び電流の下、サンプルと接触する所定の断面領域を有する測定プローブを用いてサンプルと接触させることにより測定してもよい。例えば、低レベル接触抵抗は、25g、50g、150g、200g等の負荷の下測定してもよい。概して、低レベル接触抵抗は負荷が増加するにしたがって減少する。
いくつかの実施の形態において、被覆された製品は、減少した低レベル接触抵抗を有する。減少した低レベル接触抵抗は、電気コネクター等の電気アプリケーションにおいて使用される製品にとって有用でありえる。いくつかの場合において、製品は、25gの負荷の下では、約100ミリオーム未満;いくつかの場合では約10ミリオーム未満;いくつかの場合では約5ミリオーム未満;また、いくつかの場合では約1ミリオーム未満の低レベル接触抵抗を有してもよい。製品は、この範囲外の低レベル接触抵抗を同様に有していてもよいことは理解すべきである。測定プローブによる接触の断面領域は、測定された低レベル接触抵抗の値に影響を与えうることは理解すべきである。
以下の実施例は、本発明のある特徴を限定するものと考えるべきではなく、例示するものと考えるべきである。
実施例1
この実施例は、様々なサンプルにより達成されたコーティングの厚さ、タングステンの含有量、粒子サイズ、コーティングの硬度、及び、接触抵抗を示している。
電着プロセスを用いて水溶性の電着浴中のベース材料上に電着させた。電着浴は、銀イオン種、タングステンイオン種、及び錯化剤を含んでいた。コーティングは、ベース材料基板上に直接形成した。さらに、サンプル28〜35について、銀ベース合金を電着する前に、基板上にニッケル層を電着させた。
表1及び2は、これらのコーティングについて得られた結果を示す。
表1 様々なサンプルについての厚さ、タングステン含有量、粒子サイズ、及び硬度 N.D.は決定されなかったことを示す
Figure 0006159726
表2 様々なサンプルについての基板、タングステン含有量、及び接触抵抗 N.D.は決定されなかったことを示す
Figure 0006159726
実施例2
この実施例は、潤滑剤層を含む材料についてのコーティング耐摩耗性を示す。
実施例1において上述したように、銀−タングステン合金を、2つの丸い表面及び2つのフラットな表面に電着させた。当該合金は、約5質量%のタングステンを含み、当該コーティングの厚さは、約80マイクロインチであった。当該コーティングの硬度は、約2.0〜2.5GPaであった。電着の後、当該技術分野において知られたシンプルな浸漬塗布方法を用いて、潤滑剤を丸い表面の1つ及びフラットな表面の1つの上に形成した。この実施例において、潤滑剤はエバブライト(登録商標)であった。耐摩耗性の調査を以下のようにして行った:被覆された丸い表面を被覆されたフラットな表面に接触させた状態で配置した;フラットな表面及び丸い表面はその後直線往復運動を介してそれぞれに対して摩耗された。図3に示すように、潤滑剤層を含まなかった製品(図3A)は、25サイクルの後、かなり大きな磨り減りを示した。一方、潤滑剤層を含んだ製品(図3B)は、基本的に、100サイクル後でさえ、磨り減りは見られなかった。潤滑剤層を有しない製品についての摩擦係数は約1.0であり、一方、潤滑剤層を含む製品の摩擦係数は約0.2であった。
実施例3
本実施例は、タングステンの質量割合を変化させた銀合金を含む金属めっき析出されたコーティングの多孔率の変化を示す。
図4A〜4Cは、実施例1に記載された方法にしたがって電着された銀−タングステン合金[A)2.3質量%、B)4.5質量%、及びC)8.7質量%を含む]の断面の走査型電子顕微鏡を示す。図4Dは、いくつかの実施の形態に係る、電着された銀−タングステン合金についての多孔率とタングステンの質量%とをプロットしたものを示す。
実施例4
本実施例は、少なくとも1つの光沢剤を含む電着浴の使用を示す。
実施例1に記載された方法にしたがって銀−タングステン合金を電着させた。第1の場合において、浴は、約0.2g/L〜0.5g/Lの濃度で、2,2−ビピリジン光沢剤を含んでいた。2,2−ビピリジンを、光沢剤を浴に加える前にエチレングリコール中で溶解させた。他の場合では、当該浴は、約2g/Lの濃度で、3−ホルミル−1−(3−スルホナトプロピル)ピリジニウム光沢剤を含んでいた。両方の場合において、コーティングは、全ての電流密度で光沢を示した。
実施例5
本実施例は、銀−タングステン合金の熱的安定性を示す。
実施例1において上述したように、様々な質量割合のタングステンを含む銀−タングステン合金コーティングをベース材料上に電着させた。製品は、選択された時間、昇温に供した。図5Aは、当該合金についての粒子サイズ(nm)とタングステン質量割合とをプロットしたものを示す。図5Bは、エバブライト(登録商標)潤滑剤が塗布され、1000時間、125℃まで加熱された銀−タングステンコーティングについての接触抵抗と印加された負荷とをプロットしたものを示す。
実施例6
本実施例は、アノード表面領域に対するカソードの比率のバリエーションを示す。
実施例1において上述したように、銀−タングステン合金コーティングをベース材料上に電着させた。ここで、銀イオン種が、消費可能な銀アノードから浴へ提供された。本実施例において、アノードの表面積は、カソード表面積の3.5若しくは5倍であった。アノード:カソードの表面積比が、3.5:1である場合において、アノードは不動態化し、溶液中の銀イオン種は補充されなかった。アノード:カソードの表面積比が、5:1である場合において、銀濃度はおおよそ一定を維持した(図6参照)。
実施例7
本実施例は、電着浴のpHのバリエーションと合金中におけるタングステン含有量に対するその関係とを示す。
銀−タングステン合金コーティングを、実施例1において上述したように、ベース材料上に電着させた。電着浴のpHを水酸化ナトリウムを用いて調整した。タングステン含有量と電流密度とをプロットしたものを図7に示す。
実施例8
本実施例は、電着浴のpHを調整するための添加剤のバリエーションを示す。
銀−タングステン合金コーティングを、実施例1において上述したように、ベース材料上に様々な浴から電着させた。電着浴のpHを、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、若しくは、炭酸カリウムを用いて調整した。水酸化ナトリウム若しくは炭酸ナトリウムを含む浴において、沈殿物(例えば、酸化タングステン)は観測されなかった。一方、沈殿物は、水酸化カリウム若しくは炭酸カリウムを含む浴において観測された(図8参照)。

本明細書の開示内容は、以下の態様を含む。

態様1:
ベース材料と、
前記ベース材料の上に形成されたコーティングと、を含む製品であって、
前記コーティングは、銀ベース合金を含み、前記銀ベース合金はさらにタングステン及び/又はモリブデンを含み、前記銀ベース合金は、約100nm未満の粒子サイズを有し、
前記粒子サイズは、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供した後、30nm以下の大きさの差をもって変動していることを特徴とする製品。

態様2:
前記製品は電気部品であることを特徴とする態様1記載の製品。

態様3:
前記ベース材料は、導電性ベース材料であることを特徴とする態様2記載の製品。

態様4:
前記銀ベース合金は、0.1原子パーセント〜50原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンであることを特徴とする態様1記載の製品。

態様5:
前記コーティングは、約5マイクロインチより大きい厚さを有することを特徴とする態様1記載の製品。

態様6:
前記粒子サイズは、約20nm以下の大きさの差をもって変動していることを特徴とする態様1記載の製品。

態様7:
前記コーティングは、電着プロセスを用いて形成されたことを特徴とする態様1記載の製品。

態様8:
前記コーティングは、浴中において形成されたことを特徴とする態様1記載の製品。

態様9:
前記ベース材料は、銅を含むことを特徴とする態様1記載の製品。

態様10:
前記コーティングは、ニッケル含有層をさらに備えることを特徴とする態様1記載の製品。

態様11:
前記コーティングは、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの組み合わせを含む層をさらに備えることを特徴とする態様1記載の製品。

態様12:
ベース材料と、
前記ベース材料上に形成されたコーティングと、
前記コーティング上に形成された潤滑剤層と、を含む製品であって、
前記コーティングは、銀ベース合金を含み、前記銀ベース合金はさらにタングステン及び/又はモリブデンを含み、前記銀ベース合金中のタングステン及び/又はモリブデンの濃度は、少なくとも1.5原子パーセントであり、
前記銀ベース合金は、1ミクロン未満の平均粒子サイズを有することを特徴とする製品。

態様13:
前記製品は電気部品であることを特徴とする態様12記載の製品。

態様14:
前記ベース材料は、導電性ベース材料であることを特徴とする態様13記載の製品。

態様15:
前記銀ベース合金は、1.5原子パーセント〜50原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンを含むことを特徴とする態様12記載の製品。

態様16:
前記コーティングは、約5マイクロインチより大きい厚さを有することを特徴とする態様12記載の製品。

態様17
前記潤滑剤層は、ハロゲン含有潤滑剤、ポリフェニル含有潤滑剤、若しくは、ポリエーテル含有潤滑剤であることを特徴とする態様12記載の製品。

態様18:
前記コーティングは、電着プロセスを用いて形成されたことを特徴とする態様12記載の製品。

態様19:
前記コーティングは、浴中において形成されたことを特徴とする態様12記載の製品。

態様20:
前記ベース材料は、銅を含むことを特徴とする態様12記載の製品。

態様21:
前記コーティングは、ニッケル含有層をさらに備えることを特徴とする態様12記載の製品。

態様22:
前記コーティングは、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの組み合わせを含む層をさらに備えることを特徴とする態様12記載の製品。

態様23:
前記製品は、潤滑剤層を含有しない製品の摩擦係数の少なくとも1/2より小さい摩擦係数を有することを特徴とする態様12記載の製品。

態様24:
前記製品は、潤滑剤層を含有しない製品の摩擦係数の少なくとも1/3より小さい摩擦係数を有することを特徴とする態様12記載の製品。

態様25:
ベース材料と、
前記ベース材料上に形成されたコーティングであって、タングステン及び/又はモリブデンをさらに含む銀ベース合金を含有するコーティングと、
前記コーティング上に形成された潤滑剤層と、を含む製品であって、
前記製品の硬度は、約1GPaより大きく、摩擦係数は、約0.3未満であることを特徴とする製品。

態様26:
前記製品は電気部品であることを特徴とする態様25記載の製品。

態様27:
前記ベース材料は、導電性ベース材料であることを特徴とする態様26記載の製品。

態様28:
前記銀ベース合金は、0.1原子パーセント〜50原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンであることを特徴とする態様25記載の製品。

態様29:
前記コーティングは、約5マイクロインチより大きい厚さを有することを特徴とする態様25記載の製品。

態様30:
前記合金の硬度は、約1.5GPa〜約3.0GPaであることを特徴とする態様25記載の製品。

態様31:
前記コーティングは、電着プロセスを用いて形成されたことを特徴とする態様25記載の製品。

態様32:
前記コーティングは、浴中において形成されたことを特徴とする態様25記載の製品。

態様33:
前記ベース材料は、銅を含むことを特徴とする態様25記載の製品。

態様34:
前記コーティングは、ニッケル含有層をさらに備えることを特徴とする態様25記載の製品。

態様35:
前記コーティングは、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの組み合わせを含む層をさらに備えることを特徴とする態様25記載の製品。

態様36:
前記製品は、潤滑剤層を含有しない製品の摩擦係数の少なくとも2倍未満の摩擦係数を有することを特徴とする態様25記載の製品。

態様37:
前記製品は、潤滑剤層を含有しない製品の摩擦係数の少なくとも3倍未満の摩擦係数を有することを特徴とする態様25記載の製品。

態様38:
ベース材料と、
前記ベース材料上に形成されたコーティングであって、さらにタングステン及び/又はモリブデンを少なくとも1.5原子パーセントの濃度で含む銀ベース合金を含有するコーティングと、を備える製品であって、
前記コーティングは、少なくとも10%の多孔率を有することを特徴とする製品。

態様39:
前記コーティングが、約10%〜約25%の多孔率を有することを特徴とする態様38記載の製品。

態様40:
前記製品が電気部品であることを特徴とする態様38記載の製品。

態様41:
前記ベース材料は、導電性ベース材料であることを特徴とする態様40記載の製品。

態様42:
前記銀ベース合金は、0.1原子パーセント〜50原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンであることを特徴とする態様38記載の製品。

態様43:
前記コーティングは、約5マイクロインチより大きい厚さを有することを特徴とする態様38記載の製品。

態様44:
前記銀ベース合金は、面心立方構造を有することを特徴とする態様38記載の製品。

態様45:
前記コーティングは、電着プロセスを用いて形成されたことを特徴とする態様38記載の製品。

態様46:
前記コーティングは、浴中において形成されたことを特徴とする態様38記載の製品。

態様47:
前記ベース材料は、銅を含むことを特徴とする態様38記載の製品。

態様48:
前記コーティングは、ニッケル含有層をさらに備えることを特徴とする態様38記載の製品。

態様49:
前記コーティングは、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの組み合わせを含む層をさらに備えることを特徴とする態様38記載の製品。

態様50:
銀イオン種と、
タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種と、
水酸化ナトリウムと、を含む浴であって、
前記浴は、電着プロセスに適していることを特徴とする浴。

態様51:
前記浴のpHが、約8.0未満であることを特徴とする態様50記載の浴。

態様52:
前記浴のpHが、約6.5〜約8.5であることを特徴とする態様50記載の浴。

態様53:
さらに、錯化剤を含むことを特徴とする態様50記載の浴。

態様54:
前記少なくとも1種の錯化剤により、銀とタングステンとが共析出されることを特徴とする態様53記載の浴。

態様55:
前記錯化剤が、2,2−ジメチルハイドレーションであることを特徴とする態様53記載の浴。

態様56:
前記浴は、水溶性の溶液であることを特徴とする態様50記載の浴。

態様57:
前記浴は、さらに、潤滑剤を含むことを特徴とする態様50記載の浴。

態様58:
前記浴は、さらに、光沢剤を含むことを特徴とする態様50記載の浴。

態様59:
銀イオン種と、
タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種と、
2, 2−ビピリジン及び3−ホルミル−1−(3−スルホナトプロピル)ピリジニウムからなる群から選択された光沢剤と、を含むことを特徴とする浴。

態様60:
前記浴は、電着プロセスに適していることを特徴とする態様59記載の浴。

態様61:
前記光沢剤は、2, 2−ビピリジンであり、約0.2〜0.6g/Lの量で存在することを特徴とする態様59記載の浴。

態様62:
前記浴のpHは、約6.5〜約8.5であることを特徴とする態様59記載の浴。

態様63:
さらに、錯化剤を含むことを特徴とする態様59記載の浴。

態様64:
前記少なくとも1種の錯化剤により、銀とタングステンとが共析出されることを特徴とする態様63記載の浴。

態様65:
前記錯化剤が、2,2−ジメチルハイドレーションであることを特徴とする態様63記載の浴。

態様66:
前記浴は、水溶性の溶液であることを特徴とする態様59記載の浴。

態様67:
前記浴は、さらに、潤滑剤を含むことを特徴とする態様59記載の浴。

態様68:
銀を含むアノードと、
カソードと、
浴と、
電力供給装置と、を備える電着システムであって、
前記浴は、タングステンイオン種及び/又はモリブデンイオン種、及び、少なくとも1種の錯化剤を含み、
前記浴は、前記アノードと前記カソードとに関連し、
前記電力供給装置は、前記アノード及び前記カソードの少なくとも一方に接続され、
前記アノードの表面積は、前記カソードの表面積の少なくとも5倍であることを特徴とする電着システム。

態様69:
少なくとも1種の前記錯化剤が、2,2−ジメチルハイドレーションを含むことを特徴とする態様68記載の電着システム。

態様70:
前記浴は、約6.5〜約9.0のpHを有することを特徴とする態様68記載の電着システム。

態様71:
前記浴は、約6.5〜約8.5のpHを有することを特徴とする態様70記載の電着システム。

態様72:
前記浴は、水溶性の溶液であることを特徴とする態様70記載の電着システム。

態様73:
さらに、潤滑剤を含有することを特徴とする態様70記載の電着システム。

態様74:
前記電力供給装置は、リバースパルスシーケンスを有する波形を発生させることができることを特徴とする態様70記載の電着システム。

態様75:
前記浴は、光沢剤をさらに含有することを特徴とする態様70記載の電着システム。

態様76:
水溶性の浴は、水酸化ナトリウムを含有することを特徴とする態様72記載の電着システム。

Claims (8)

  1. ベース材料と、
    前記ベース材料の上に形成されたコーティングと、を含む電気部品であって、
    前記コーティングは、銀ベース合金を含み、前記銀ベース合金はさらにタングステン及び/又はモリブデンを含み、前記銀ベース合金は、100nm未満の粒子サイズを有し、
    前記粒子サイズは、少なくとも1000時間、少なくとも125℃の温度に供した後、30nm以下の大きさの差をもって変動していることを特徴とする電気部品
  2. 前記ベース材料は、導電性ベース材料であることを特徴とする請求項記載の電気部品
  3. 前記銀ベース合金は、0.1原子パーセント〜50原子パーセントのタングステン及び/又はモリブデンを含むことを特徴とする請求項1記載の電気部品
  4. 前記コーティングは、5マイクロインチより大きい厚さを有することを特徴とする請求項1記載の電気部品
  5. 前記粒子サイズは、20nm以下の大きさの差をもって変動していることを特徴とする請求項1記載の電気部品
  6. 前記ベース材料は、銅を含むことを特徴とする請求項1記載の電気部品
  7. 前記コーティングは、ニッケル含有層をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電気部品
  8. 前記コーティングは、Ru、Os、Rh、Re、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、若しくはこれらの組み合わせを含む層をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電気部品
JP2014530869A 2011-09-14 2012-09-14 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム Active JP6159726B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/232,291 US20120121925A1 (en) 2010-03-12 2011-09-14 Coated articles, electrodeposition baths, and related systems
US13/232,261 US20120118755A1 (en) 2010-03-12 2011-09-14 Coated articles, electrodeposition baths, and related systems
US13/232,291 2011-09-14
US13/232,261 2011-09-14
PCT/US2012/055495 WO2013040400A1 (en) 2011-09-14 2012-09-14 Coated articles, electrodeposition baths, and related systems

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014526615A JP2014526615A (ja) 2014-10-06
JP2014526615A5 JP2014526615A5 (ja) 2017-03-23
JP6159726B2 true JP6159726B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=47883783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014530869A Active JP6159726B2 (ja) 2011-09-14 2012-09-14 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP2755819B1 (ja)
JP (1) JP6159726B2 (ja)
CN (2) CN106947986B (ja)
WO (1) WO2013040400A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6159726B2 (ja) * 2011-09-14 2017-07-05 エクスタリック コーポレイションXtalic Corporation 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム
JP2015014019A (ja) * 2013-07-03 2015-01-22 パナソニック株式会社 電気接点の表面処理方法、電気接点部材、コネクタ並びに接点処理剤
EP3417089B1 (en) * 2016-02-16 2023-12-13 Xtalic Corporation Articles including a multi-layer coating and methods
CN106521284A (zh) * 2016-11-24 2017-03-22 苏州华意铭铄激光科技有限公司 一种高性能电气设备用复合电阻应变材料
KR101913568B1 (ko) * 2017-04-26 2018-10-31 재단법인대구경북과학기술원 귀금속 나노입자가 도금된 다공성 수지침 및 이의 제조방법

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3762882A (en) * 1971-06-23 1973-10-02 Di Coat Corp Wear resistant diamond coating and method of application
GB1418108A (en) * 1972-09-12 1975-12-17 Siemens Ag Preparation of a catalytic material
SU1035655A1 (ru) * 1980-12-12 1983-08-15 Предприятие П/Я А-1955 Электрохимический управл емый резистор
JPS61248314A (ja) * 1985-04-24 1986-11-05 松下電工株式会社 接点材料の製法
US5225253A (en) * 1992-04-17 1993-07-06 General Motors Corporation Method of forming silver/molybdenum surface coating material
US5525206A (en) * 1995-02-01 1996-06-11 Enthone-Omi, Inc. Brightening additive for tungsten alloy electroplate
JPH10302866A (ja) * 1997-04-28 1998-11-13 Harness Sogo Gijutsu Kenkyusho:Kk 嵌合型接続端子
JP2003183882A (ja) * 2001-12-11 2003-07-03 Kobe Steel Ltd 錫めっき付き電子材料
SG121757A1 (en) * 2003-02-11 2006-05-26 Agency Science Tech & Res Thin film magnetic recording media
JP2005062624A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Seiko Epson Corp 反射膜及びその製造方法、カラーフィルタ及びその製造方法並びに電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器
US7320832B2 (en) * 2004-12-17 2008-01-22 Integran Technologies Inc. Fine-grained metallic coatings having the coefficient of thermal expansion matched to the one of the substrate
JP4176081B2 (ja) * 2005-01-19 2008-11-05 日本航空電子工業株式会社 コンタクトの製造方法
WO2006100917A1 (ja) * 2005-03-22 2006-09-28 Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 発光素子用のリフレクター及びその製造方法、並びに該リフレクターを備える発光デバイス
US7695808B2 (en) * 2005-11-07 2010-04-13 3M Innovative Properties Company Thermal transfer coating
JP5144302B2 (ja) * 2007-02-20 2013-02-13 株式会社神戸製鋼所 反射膜積層体
US9005420B2 (en) * 2007-12-20 2015-04-14 Integran Technologies Inc. Variable property electrodepositing of metallic structures
EP2356267A4 (en) * 2008-11-07 2016-03-30 Xtalic Corp BATHS, SYSTEMS AND METHODS FOR ELECTROLYTIC DEPOSITION
US8652649B2 (en) * 2009-07-10 2014-02-18 Xtalic Corporation Coated articles and methods
JP5719179B2 (ja) * 2010-01-25 2015-05-13 株式会社神戸製鋼所 反射膜積層体
WO2011112939A1 (en) * 2010-03-12 2011-09-15 Xtalic Corporation Coated articles and methods
US9694562B2 (en) * 2010-03-12 2017-07-04 Xtalic Corporation Coated articles and methods
JP6159726B2 (ja) * 2011-09-14 2017-07-05 エクスタリック コーポレイションXtalic Corporation 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム

Also Published As

Publication number Publication date
EP2755819A4 (en) 2015-04-15
JP2014526615A (ja) 2014-10-06
CN106947986A (zh) 2017-07-14
EP2755819A1 (en) 2014-07-23
EP2755819B1 (en) 2016-09-14
CN104080606A (zh) 2014-10-01
WO2013040400A1 (en) 2013-03-21
CN106947986B (zh) 2019-07-19
CN104080606B (zh) 2016-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200115815A1 (en) Coated articles, electrodeposition baths, and related systems
US8936857B2 (en) Coated articles and methods
JP6644831B2 (ja) 被コーティング物品およびそのコーティング方法
JP5872492B2 (ja) 被覆物および方法
JP6159726B2 (ja) 被覆された製品、電着浴、及び関連するシステム
US20120121925A1 (en) Coated articles, electrodeposition baths, and related systems
Hamid et al. Influence of electrodeposition parameters on the characteristics of NiMoP film
Abdel Hamid et al. Performance of Ni–Cu–ZrO2 nanocomposite coatings fabricated by electrodeposition technique
WO2015002838A1 (en) Coated articles comprising a metal layer
US20110220511A1 (en) Electrodeposition baths and systems

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150911

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150911

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160816

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161111

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20170215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6159726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250