[実施の形態]
本発明の実施の形態に係る光アンプモジュールが搭載された光伝送装置は、例えば伝送距離が100km以上の光伝送路の端局や中継局に設置される。
(光伝送装置1の構成)
まず、光伝送装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光アンプモジュール3が搭載された光伝送装置1の外観を示す斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。
光伝送装置1は、略箱型状のシャーシ2を備え、このシャーシ2に形成された収容スペース20(図2に示す)に複数(本実施の形態では2つ)の光アンプモジュール3(第1の光アンプモジュール3a及び第2の光アンプモジュール3b)、及び光伝送に必要な各種のモジュール10が着脱可能に収容されて構成されている。この光伝送装置1は、シャーシ2に装着されるモジュールを適宜選択することにより、必要とされる通信仕様に柔軟に対応することが可能である。
一方の端局から送出された光信号は、第1の光アンプモジュール3aに入力され、第1の光アンプモジュール3a内で増幅された後に図略の分散補償器に入力される。光伝送路における光ファイバの波長分散により歪んだ光信号は、その逆波長分散特性を有する分散補償器によってその歪みを補償される、分散補償器から出力された光信号は、第2の光アンプモジュール3b内で増幅された後に他方の端局側に送出される。
また、他方の端局から送出された光信号は、第2の光アンプモジュール3b、分散補償器、及び第1の光アンプモジュール3aを経由して一方の端局側に送出される。
光アンプモジュール3は、対向して配置された第1及び第2の放熱板331,332を側板として有する直方体状の筐体33を備えている。より具体的には、筐体33は、シャーシ2の奥行方向(図2の矢印B方向)に細長い直方体状を有している。図2では、シャーシ2の奥行方向に直交する高さ方向に、第1及び第2の放熱板331,332が対向している。
また、筐体33は、第1の放熱板331と第2の放熱板332とをシャーシ2の高さ方向に連結する側板333と、例えばアルミニウム等の導電性の金属板から形成された前面パネル34とを有している。前面パネル34は、筐体33の長手方向(図2の矢印B方向)における一端側に設けられ、複数の光コネクタアダプタ(図2では光コネクタアダプタ120Aのみを示す)、及び筐体33をシャーシ2に固定するためのネジ32が取り付けられている。
光アンプモジュール3は、筐体33の長手方向における前面パネル34とは反対側から収容スペース20内にスライドさせて挿入する。シャーシ2への光アンプモジュール3の装着が完了すると、筐体33の長手方向における前面パネル34とは反対側の一端に設けられたモジュール側コネクタ18が、シャーシ2の収容スペース20における奥側に設けられたシャーシ側コネクタ6に嵌合する。
シャーシ側コネクタ6は、取付板4を介して収容スペース20内に取り付けられたマザーボード5に実装されている。光アンプモジュール3は、マザーボード5及びシャーシ側コネクタ6を介して電源の供給を受けると共に、各種電気信号の授受を行う。
シャーシ2は、光アンプモジュール3を挿入するための挿入口2aとは反対側に設けられた後壁2bに開口部2cが形成され、開口部2cの近傍にはシャーシ2内の空気を外部に排出するファン7が取り付けられている。これにより、光アンプモジュール3は、シャーシ2の収容スペース20内において空冷されている。
(光アンプモジュール3の構成)
次に、光アンプモジュール3の構成について、図3乃至図5を参照して説明する。
図3は、光アンプモジュール3を斜め上方から見た斜視図である。図4は、光アンプモジュール3を図2とは反対側から見た斜視図である。図5は、前面パネル34を省略した筐体33を示し、図5(a)は、第1の放熱板331側から見た斜視図、図5(b)は、第2の放熱板332側から見た斜視図である。
光アンプモジュール3は、筐体33と、シャーシ2の奥行方向(図2の矢印B方向)に延びる基板31とによって直方体状の箱型に形成されている。したがって、基板31は、筐体33の側板としての機能を有している。
筐体33は、前面パネル34と、第1の放熱板331と、第2の放熱板332と、側板333と、背面板334と、前面板335(図5に示す)とを有している。
背面板334は、シャーシ2の奥行方向において前面パネル34に対向するように配置されている。前面板335は、シャーシ2の奥行方向において前面パネル34と背面板334との間に配置されている。すなわち、背面板334は、シャーシ2の奥行方向において前面パネル34及び前面板335に対向するように配置されている。
第1の放熱板331及び第2の放熱板332は、背面板334と前面板335とをシャーシ2の奥行方向に連結し、シャーシ2の高さ方向に対向して互いに平行になるように配置されている。
図5(a)及び図5(b)に示すように、第1の放熱板331、第2の放熱板332、及び側板333は、長手方向の一端部が背面板334に、他端部が前面板335に、それぞれ複数のネジ117によって固定されている。本実施の形態では、図5(b)に示すように、第2の放熱板332と側板333とは、互いに直交して一体化されている。
基板31は、例えば熱硬化処理が施されたガラスエポキシ樹脂等によって形成されたリジット基板であり、筐体33の側板333に対向し、かつ第1及び第2の放熱板331,332に対して直交するように配置されている。基板31における側板333に対向する実装面とは反対側の実装面31aには、例えばCPU等の各種の電子部品311及びデータ転送用のコネクタ312が実装されている。
図4に示すように、基板31は、長手方向における背面板334側の端部にシャーシ側コネクタ6(図2参照)に接続されるモジュール側コネクタ18が設けられ、当該端部が2つのネジ19によって背面板334に固定されている。また、図5(a)及び図5(b)に示すように、背面板334には、モジュール側コネクタ18を光アンプモジュール3の外部に突出させるための凹部334aが形成されている。
図3に示すように、第1の放熱板331には、前面パネル34側から背面板334側に向かって延びる第1のレール部材131が取り付けられている。第1のレール部材131は、第1の放熱板331に平行な横部材131a、及び第1の放熱板331に対して直交する縦部材131bから構成され、断面がL字形状を有している。
図4に示すように、第2の放熱板332には、前面パネル34側から背面板334側に向かって延びる第2のレール部材132が取り付けられている。第2のレール部材132は、第1のレール部材131と同様にして、横部材132a及び縦部材132bから構成され、断面がL字形状を有している。
前面パネル34は、図3に示すように、複数(本実施の形態では6つ)の光コネクタアダプタ120A〜120Fが装着された本体部34aと、本体部34aにおける筐体33の側板333側の端部及び基板31側の端部をそれぞれ背面板334側に向かって折り返して形成された鍔部34b,34cとを有している。
側板333側の鍔部34bは、図3に示すように、複数(本実施の形態では6つ)のネジ340bによって側板333に固定されている。基板31側の鍔部34cは、図4に示すように、円柱状のスペーサ340cが固定され、スペーサ340cが基板31に筐体33の内側からねじ留めされている。
図3に示すように、前面パネル34の本体部34aに装着された光コネクタアダプタ120A〜120Fは、基板31側から側板333側に向かって、光コネクタアダプタ120A,120B,120C,120D,120E,120Fの順に並列している。
前面パネル34の本体部34aには、複数の丸孔340aからなる第1の外気導入部101及び第2の外気導入部102が形成されている。第1の外気導入部101は、本体部34aにおける第1の放熱板331側に、第2の外気導入部102は、本体部34aにおける第2の放熱板332側に、それぞれ形成されている。すなわち、第1の外気導入部101及び第2の外気導入部102は、光コネクタアダプタ120A〜120Fを、その並び方向に垂直な方向に挟むように形成されている。
図5(a)に示すように、前面板335には、光コネクタアダプタ120A〜120Fにおいて前面パネル34の本体部34aから内側(背面板334側)に向かって突出した部分を一括して挿通させるための挿通孔335aが形成されている。
(光アンプモジュール3の内部構成)
次に、光アンプモジュール3の内部構成について、図6乃至図9を参照して説明する。
図6は、側板333を取り外して筐体33の内部を見た側面図である。
光アンプモジュール3は、筐体33内において第1の放熱板331及び第2の放熱板332の間に収容された第1及び第2のアンプユニットとしてのブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16を備えている。
ブースターアンプユニット15は、第1の放熱板331に取り付けられると共に、ブースターアンプ等の発熱部品から発生した熱が熱伝導によって第1の放熱板331から放熱されている。本実施の形態では、ブースターアンプユニット15は、第1の放熱板331の長手方向において背面板334側に配置され、複数のネジによって第1の放熱板331に固定されている。
ブースターアンプユニット15には、第1の放熱板331側の面に放熱シート153が設けられ、この放熱シート153を介してブースターアンプユニット15と第1の放熱板331とが熱的に結合されている。これにより、ブースターアンプユニット15内部の発熱部品から発生した熱を第1の放熱板331から放熱することが可能となっている。
プリアンプユニット16は、第2の放熱板332に取り付けられると共に、プリアンプ等の発熱部品から発生した熱が熱伝導によって第2の放熱板332から放熱されている。本実施の形態では、プリアンプユニット16は、第2の放熱板332の長手方向において前面板335側に配置され、複数のネジによって第2の放熱板332に固定されている。
ブースターアンプユニット15と同様にして、プリアンプユニット16には、第2の放熱板332側の面に放熱シート163が設けられ、この放熱シート163を介してプリアンプユニット16と第2の放熱板332とが熱的に結合されている。これにより、プリアンプユニット16内部の発熱部品から発生した熱を第2の放熱板332から放熱することが可能となっている。
図6に示すように、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16は、第1の放熱板331と第2の放熱板332とが対向する方向において一部が重なり合っている。換言すれば、前面パネル34側から見た場合、ブースターアンプユニット15は、その一部がプリアンプユニット16に重なっており、背面板334側から見た場合、プリアンプユニット16は、その一部がブースターアンプユニット15に重なっている。図6では、筐体33の高さ方向の寸法Hだけブースターアンプユニット15とプリアンプユニット16とが重なり合っている。
一方、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16は、筐体33の長手方向において離間して配置され、ブースターアンプユニット15とプリアンプユニット16との間にブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16にそれぞれ接続される光ファイバ130を通過させることが可能な隙間330が形成されている。
筐体33内において、その長手方向における前面板335とブースターアンプユニット15との間には、複数の光ファイバ130のうち一部の光ファイバ130の余長部分を巻回状態で収納する第1の余長収納部33cが設けられている。同様にして、筐体33内において、その長手方向における背面板334とプリアンプユニット16との間には、複数の光ファイバ130のうち他の一部の光ファイバ130の余長部分を巻回状態で収納する第2の余長収納部33dが設けられている。
より具体的には、複数の光ファイバ130のうちブースターアンプユニット15に接続される光ファイバ130の余長部分は、第1の放熱板331の内面331aにおいてプリアンプユニット16に対向する位置に設けられた複数(図6では2つのみ示す)の保持部材143によって保持された状態で、第1の余長収納部33cに収納されている。
複数の光ファイバ130のうちプリアンプユニット16に接続される光ファイバ130の余長部分は、その一部分がプリアンプユニット16において放熱シート163が設けられた面とは反対側の面(第1の放熱板331との対向面)に設けられた複数(図6では2つのみ示す)の保持部材145によって保持された状態で第1の余長収納部33cに収納され、他の一部が第2の放熱板332においてブースターアンプユニット15に対向する位置に設けられた複数(図6では2つのみ示す)の保持部材146によって保持された状態で第2の余長収納部33dに収納されている。
また、基板31には、ブースターアンプユニット15に設けられたアンプ側コネクタ151に対応する基板側コネクタ172、及びプリアンプユニット16に設けられたアンプ側コネクタ161に対応する基板側コネクタ171が実装されている。アンプ側コネクタ151,161と基板側コネクタ171,172とがそれぞれ接続されることにより、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16に対して電源の供給や信号の伝送が行われている。
次に、複数の光ファイバ130の接続構成、及びアンプ側コネクタ151,161と基板側コネクタ171,172との接続構成について、図7乃至図9を参照して、以下より具体的に説明する。
図7は、複数の光ファイバ130を配策した状態の光アンプモジュール3を示し、第2の放熱板332側から第1の放熱板331側を見た平面図である。図8は、複数の光ファイバ130及び複数の接続ケーブル17aを配策した状態の光アンプモジュール3を示し、第1の放熱板331を取り外して第2の放熱板332側を見た平面図である。図9は、複数の光ファイバ130及び複数の接続ケーブル17bを配策した状態の光アンプモジュール3を示し、第2の放熱板332を取り外して第1の放熱板331側を見た平面図である。
なお、以下の説明において、複数の光ファイバ130のうち、筐体33内部において配策される複数の光ファイバ130を光ファイバ131A〜131E,131F1,131F2とし、外部機器から光アンプモジュール3に接続される複数の光ファイバ130を光ファイバ132A〜132E,132F1,132F2とする。
光コネクタ12A〜12Fは、光コネクタアダプタ120A〜120Fと、光ファイバ131A〜131E,131F1,131F2が接続された内部側プラグ121A〜121E,121F1,121F2と、光ファイバ132A〜132E,132F1,132F2が接続された外部側プラグ122A〜122E,122F1,122F2とを有して構成されている。
図7及び図8に示すように、光コネクタ12A〜12Fは、筐体33の内側及び外側に亘って配置されている。より具体的には、内部側プラグ121A〜121E,121F1,121F2は、前面板335から筐体33の内側に向かって突出している。光コネクタアダプタ120A〜120Fの一端部及び外部側プラグ122A〜122E,122F1,122F2は、前面パネル34の本体部34aから筐体33の外側に向かって突出している。
光コネクタアダプタ120A〜120Fには、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16への入力用の光コネクタアダプタと、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16からの出力用の光コネクタアダプタとが含まれる。すなわち、光コネクタ12A〜12Fには、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16への入力用の光コネクタと、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16からの出力用の光コネクタとが含まれる。以下、光コネクタ12A〜12Fのそれぞれについて詳しく説明する。
光コネクタ12Aは、プリアンプユニット16への入力用の光コネクタであり、内部側プラグ121Aと、外部側プラグ122Aと、内部側プラグ121A及び外部側プラグ122Aが嵌合される光コネクタアダプタ120Aとから構成されている。
光コネクタ12Aの内部側プラグ121Aは、図8及び図9に示すように、光ファイバ131Aによってプリアンプユニット16の入力用ポート16aに接続されている。
より具体的には、内部側プラグ121Aから導出された光ファイバ131Aは、プリアンプユニット16に設けられた複数(本実施の形態では4つ)の保持部材145に対して環状に巻き回された後、隙間330を通過して第2の放熱板332に設けられた複数(本実施の形態では4つ)の保持部材146に対して環状に巻き回されて、プリアンプユニット16の入力用ポート16aに接続されている。
また、光コネクタ12Aの外部側プラグ122Aは、光ファイバ132Aによって外部機器に接続されている。内部側プラグ121Aと外部側プラグ122Aとは、光コネクタアダプタ120Aを介して光結合している。
光コネクタ12Bは、プリアンプユニット16からの出力用の光コネクタであり、内部側プラグ121Bと、外部側プラグ122Bと、内部側プラグ121B及び外部側プラグ122Bが嵌合される光コネクタアダプタ120Bとから構成されている。
光コネクタ12Bの内部側プラグ121Bは、図8及び図9に示すように、光ファイバ131Bによってプリアンプユニット16の出力用ポート16bに接続されている。
より具体的には、内部側プラグ121Bから導出された光ファイバ131Bは、プリアンプユニット16に設けられた複数の保持部材145に対して環状に巻き回された後、隙間330を通過して第2の放熱板332に設けられた複数の保持部材146に対して環状に巻き回されて、プリアンプユニット16の出力用ポート16bに接続されている。
また、光コネクタ12Bの外部側プラグ122Bは、光ファイバ132Bによって外部機器に接続されている。内部側プラグ121Bと外部側プラグ122Bとは、光コネクタアダプタ120Bを介して光結合している。
光コネクタ12Cは、ブースターアンプユニット15への入力用の光コネクタであり、内部側プラグ121Cと、外部側プラグ122Cと、内部側プラグ121C及び外部側プラグ122Cが嵌合される光コネクタアダプタ120Cとから構成されている。
光コネクタ12Cの内部側プラグ121Cは、図7に示すように、光ファイバ131Cによってブースターアンプユニット15の入力用ポート15aに接続されている。
より具体的には、内部側プラグ121Cから導出された光ファイバ131Cは、第1の放熱板331に設けられた複数(本実施の形態では4つ)の保持部材143に対して環状に巻き回されて、ブースターアンプユニット15の入力用ポート15aに接続されている。
また、光コネクタ12Cの外部側プラグ122Cは、光ファイバ132Cによって外部機器に接続されている。内部側プラグ121Cと外部側プラグ122Cとは、光コネクタアダプタ120Cを介して光結合している。
光コネクタ12Dは、ブースターアンプユニット15からの出力用の光コネクタであり、内部側プラグ121Dと、外部側プラグ122Dと、内部側プラグ121D及び外部側プラグ122Dが嵌合される光コネクタアダプタ120Dとから構成されている。
光コネクタ12Dの内部側プラグ121Dは、図7に示すように、光ファイバ131Dによってブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。
より具体的には、内部側プラグ121Dから導出された光ファイバ131Dは、第1の放熱板331に設けられた複数の保持部材143に対して環状に巻き回されて、ブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。
また、光コネクタ12Dの外部側プラグ122Dは、光ファイバ132Dによって外部機器に接続されている。内部側プラグ121Dと外部側プラグ122Dとは、光コネクタアダプタ120Dを介して光結合している。
光コネクタ12Eは、ブースターアンプユニット15の出力確認用の光コネクタであり、内部側プラグ121Eと、外部側プラグ122Eと、内部側プラグ121E及び外部側プラグ122Eが嵌合される光コネクタアダプタ120Eとから構成されている。
光コネクタ12Eの内部側プラグ121Eは、図7に示すように、光ファイバ131Eによってブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。
より具体的には、内部側プラグ121Eから導出された光ファイバ131Eは、第1の放熱板331に設けられた複数の保持部材143に対して環状に巻き回されて、ブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。
また、光コネクタ12Eの外部側プラグ122Eは、光ファイバ132Eによって外部のモニタに接続されている。内部側プラグ121Eと外部側プラグ122Eとは、光コネクタアダプタ120Eを介して光結合している。
光コネクタ12Fは、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16の監視用の光コネクタであり、内部側プラグ121F1,121F2と、外部側プラグ122F1,122F2と、内部側プラグ121F1,121F2及び外部側プラグ122F1,122F2が嵌合される光コネクタアダプタ120Fとから構成されている。
内部側プラグ121F1と外部側プラグ122F1とが光コネクタアダプタ120Fを介して光結合し、プリアンプユニット16へ入力される光信号から監視用信号を分離して出力するDEMUXポートとなっている。また、内部側プラグ121F2と外部側プラグ122F2とが光コネクタアダプタ120Fを介して光結合し、ブースターアンプユニット15から出力される光信号に対して監視用信号を合波するMUXポートとなっている。
内部側プラグ121F1は、光ファイバ131F1によってプリアンプユニット16の入力用ポート16aに接続され、内部側プラグ121F2は、光ファイバ131F2によってブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。外部側プラグ122F1,122F2は、光ファイバ132F1,132F2によって外部機器に接続されている。
より具体的には、図8及び図9に示すように、内部側プラグ121F1から導出された光ファイバ131F1は、プリアンプユニット16に設けられた複数の保持部材145に対して環状に巻き回された後、隙間330を通過して第2の放熱板332に設けられた複数の保持部材146に対して環状に巻き回されて、プリアンプユニット16の入力用ポート16aに接続されている。
また、図7に示すように、内部側プラグ121F2から導出された光ファイバ131F2は、第1の放熱板331に設けられた複数の保持部材143に対して環状に巻き回されて、ブースターアンプユニット15の出力用ポート15bに接続されている。
以上より、光ファイバ131A,131B,131F1が、プリアンプユニット16に設けられた複数の保持部材145に対して環状に巻き回された後、隙間330を通過して第2の放熱板332に設けられた複数の保持部材146に対して環状に巻き回されて、プリアンプユニット16に接続され、光ファイバ131C,131D,131E,131F2が、第1の放熱板331に設けられた複数の保持部材143に対して環状に巻き回されて、ブースターアンプユニット15に接続されている。
複数の保持部材143,145,146はそれぞれ、光ファイバ131A〜131E,131F1,131F2それぞれの巻き回し方向に対応して等間隔に配置されている。
なお、光ファイバ131A,131B,131F1は、必ずしも複数の保持部材145,146のそれぞれに対して巻き回される必要はなく、各々の余長によっては、複数の保持部材146に対して巻き回されずに、複数の保持部材145に対してのみ巻き回されていてもよい。
基板31に設けられた基板側コネクタ171とプリアンプユニット16に設けられたアンプ側コネクタ161とは、例えばフラットケーブル等の可撓性を有する接続ケーブル17aによって接続されている。
接続ケーブル17aは、その両端部に第1及び第2のコネクタ171a,161aを有し、第1のコネクタ171aが基板側コネクタ171に嵌合し、第2のコネクタ161aがアンプ側コネクタ161に嵌合する。本実施の形態では、図8に示すように、接続ケーブル17aは、プリアンプユニット16に設けられた複数の保持部材145に対して巻き回された光ファイバ131A,131B,131F1を跨いで配策されている。
同様に、基板31に設けられた基板側コネクタ172とブースターアンプユニット15に設けられたアンプ側コネクタ151とは、可撓性を有する接続ケーブル17bによって接続されている。
接続ケーブル17bは、その両端部に第1及び第2のコネクタ172a,151aを有し、第1のコネクタ172aが基板側コネクタ172に嵌合し、第2のコネクタ151aがアンプ側コネクタ151に嵌合する。本実施の形態では、図9に示すように、接続ケーブル17bは、第2の放熱板332に設けられた複数の保持部材146に対して巻き回された光ファイバ131C,131D,131E,131F2を跨いで配策されている。
なお、基板側コネクタ171,172とアンプ側コネクタ151,161とは、必ずしも可撓性を有する接続ケーブル17a,17bで接続されている必要はなく、可撓性を有する接続部材であればよく、例えばフレキシブル基板を介して電気的に接続されていてもよい。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
(1)第1の放熱板331に取り付けられたブースターアンプユニット15及び第2の放熱板332に取り付けられたプリアンプユニット16は、第1の放熱板331と第2の放熱板332とが対向する方向において一部が重なり合っているため、ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16のそれぞれにおいて発生した熱を第1の放熱板331及び第2の放熱板332から効率よく放熱しながら、第1の放熱板331と第2の放熱板332とが対向する方向、すなわち筐体33の高さ方向の寸法H(図6参照)だけ小さくすることができ、第2の放熱板332を基準としてプリアンプユニット16、ブースターアンプユニット15の順に積み上げるように配置した場合と比較して光アンプモジュール3の小型化を図れる。
(2)筐体33の長手方向において、ブースターアンプユニット15とプリアンプユニット16との間に複数の光ファイバ130を通過させることが可能な隙間330が形成されているため、光アンプモジュール3の小型化を図りながらも、光ファイバ130の配策を簡易化することができる。
(3)基板31に設けられた基板側コネクタ171,172とブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16に設けられたアンプ側コネクタ151,161とが、可撓性を有する接続ケーブル17a,17b又はフレキシブル基板を介して接続されているため、基板31とブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16との間における位置ずれを許容して接続することが可能である。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]対向して配置された第1及び第2の放熱板(331,332)を側板として有する直方体状の筐体(33)と、筐体(33)内において第1及び第2の放熱板(331,332)の間に収容された第1及び第2のアンプユニット(ブースターアンプユニット15及びプリアンプユニット16)とを備え、第1のアンプユニット(ブースターアンプユニット15又はプリアンプユニット16)は、第1の放熱板(331)に取り付けられると共に、発生した熱が熱伝導によって第1の放熱板(331)から放熱され、第2のアンプユニット(プリアンプユニット16又はブースターアンプユニット15)は、第2の放熱板(332)に取り付けられると共に、発生した熱が熱伝導によって第2の放熱板(332)から放熱され、ブースターアンプユニット(15)及びプリアンプユニット(16)は、第1の放熱板(331)と第2の放熱板(332)とが対向する方向において一部が重なり合っている光アンプモジュール(3)。
[2]筐体(33)の長手方向において、ブースターアンプユニット(15)とプリアンプユニット(16)との間にブースターアンプユニット(15)又はプリアンプユニット(16)に接続される光ファイバ(130)を通過させることが可能な隙間(330)が形成されている、[1]に記載の光アンプモジュール(3)。
[3]第1及び第2の放熱板(331,332)に対して直交するように配置された基板(31)をさらに備え、基板(31)に設けられた基板側コネクタ(171,172)とブースターアンプユニット(15)及びプリアンプユニット(16)に設けられたアンプ側コネクタ(151,161)とが、可撓性を有する接続部材(接続ケーブル17a,17b)を介して接続されている、[1]又は[2]に記載の光アンプモジュール(3)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、第1のアンプユニットとしてブースターアンプユニット15を用い、第2のアンプユニットとしてプリアンプユニット16を用いた場合について説明したが、これとは反対に、第1のアンプユニットとしてプリアンプユニットを用い、第2のアンプユニットとしてブースターアンプユニットを用いてもよい。また、第1及び第2のアンプユニットが共にプリアンプユニット又はブースターアンプユニットであってもよい。
また、上記実施の形態では、光アンプモジュール3をシャーシ2に着脱可能にした光伝送装置1について説明したが、これに限らず、単体で用いられる光アンプモジュールに本発明を適用してもよい。