JP6158727B2 - 促進輸送膜及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、促進輸送膜及び製造方法に関する。
気体分離膜による気体の分離・濃縮は、蒸留法や高圧吸着法などと比べてエネルギー効率に優れた省エネルギーで安全性の高い方法であり、近年再び注目を集めている。特に、気体分離膜の中でも、二酸化炭素を選択的に分離する分離膜が精力的に検討されている。この技術は、油田のオフガス、ゴミ焼却や火力発電の排ガス、天然ガス等からの二酸化炭素の分離回収に利用することができる(非特許文献1参照)。
従来、気体分離膜として高分子素材の検討がなされてきた。高分子素材には素材特有の気体透過性があるため、高分子素材から構成された膜によって気体成分を分離できることが知られている。二酸化炭素の透過性を選択的に向上させるには、溶解・拡散機構に基づいて、高分子膜に対する二酸化炭素の溶解度係数もしくは拡散係数を向上させればよい。しかし、一般的な高分子膜は選択性を上げると透過性が減少するというトレードオフの関係が知られており、更なる高性能な膜の開発が望まれている(非特許文献2参照)。
この高分子膜のトレードオフを解決する方法として、促進輸送膜と呼ばれる気体分離膜が提案されている。促進輸送膜は、分離層に特定の透過物質とのみ可逆的、選択的に反応する物質(キャリア)を含有する膜である。促進輸送膜においては、透過物質は溶解・拡散機構に加えて、キャリアとの反応生成物を形成して透過するため、高い選択性が得られる。例えば、二酸化炭素を選択的に透過する促進輸送膜において用いられるキャリアとして、アミン化合物や炭酸セシウム等が挙げられる。炭酸セシウム等の常温において固体の化合物を用いる場合、添加剤として水等の液体成分を加え、促進輸送膜とする検討がなされている。促進輸送膜の例として、多孔質支持体にキャリア及び液体成分を含浸した多孔質含浸液膜が挙げられる(非特許文献3参照)。
また、促進輸送膜の他の例として、液体及びキャリアをゲル状組成物とし、ゲル状組成物を分離層として用いるゲル膜の発明が提案されている(特許文献1参照)。ゲル膜の促進輸送膜を作製する場合、ゲル状組成物中のキャリアを高含有率にすることで促進輸送膜のキャリア能を十分に発揮させることができる。
さらに、高強度なゲル状組成物の研究が近年報告されている(特許文献2、非特許文献4参照)。特許文献2及び非特許文献4に記載のゲルは、末端官能基がアミノ基の4官能ポリエチレングリコールと末端官能基がN−ヒドロキシ−スクシンイミジル基の4官能ポリエチレングリコールとを反応させることで製造される。
特開2011−161387号公報 国際公報第2013/039071号
Industrial & Engineering Chemistry Research 2008年、 47号、2109−2121頁 Journal of Membrane Science 2008年、320号、390−400頁 Journal of Membrane Science 2008年、325号、509−519頁 Soft Matter,2012,8,1756−1759
しかしながら、非特許文献3に記載の多孔質含浸液膜においては、気体分離を行う際の差圧によってキャリア及び液体成分が多孔質支持体から漏出するため、耐圧性が不十分といった問題がある。
一方、ゲル膜は上記の多孔質含浸液膜の課題であるキャリアの漏出をある程度抑制する効果がある。しかしながら、高い液体含有率のゲル膜においては、液体含有率が上がるに従いゲル状組成物の強度が低下する。例えば特許文献1に記載の促進輸送膜のように、従来のゲル膜に使用されているゲル状組成物はポリビニルアルコール等がポリマーとして使われており、強度が不十分である。よって、高い液体含有率のゲル膜にした際、ハンドリング性や耐圧性が不十分となり、物理的にピンホールが生じるといった問題や、キャリアが漏出するといった問題が生じる。
また、特許文献2及び非特許文献4の製造方法では、末端官能基がアミノ基の4官能ポリエチレングリコールを含む溶液と末端官能基がN−ヒドロキシ−スクシンイミジル基の4官能ポリエチレングリコールとを含む溶液を混合後、時間と共に硬化が進行する。よって、複合膜を作製する場合、混合した溶液の保存安定性が悪いため、ディップコート等の方法で多孔質支持体上に連続的にコーティングし薄膜状のゲル状組成物からなる分離層を有する促進輸送膜を製造することが困難となる。
また、硬化条件を調整し硬化時間速度を遅くした場合、硬化の進行が遅いため、コーティング後、支持体に反応溶液が染み込み、欠陥を生じるといった問題が生じる。つまり、特許文献2及び非特許文献4のゲルを用いて気体分離膜を製造する場合、連続生産性やコーティング性が不十分なため、複合膜の作製が困難といった問題点を有する。
本発明は、耐圧性及び長期安定性に優れた促進輸送膜、及び多孔質支持体上への連続コーティングが可能な促進輸送膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究したところ、特定のポリマー及びキャリアを含有する分離層を備える促進輸送膜であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とのエンチオール反応によって得られるポリマーと、炭素数が15以下のアミン化合物、アミノ基含有イオン液体、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩及びアルカリ金属リン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のキャリアと、を含有する分離層を備える促進輸送膜。
Figure 0006158727

[一般式(1)中、n1は15〜250の整数であり、m1は3〜20の整数であり、Xはm1価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006158727

[一般式(2)中、n2は15〜250の整数であり、m2は3〜20の整数であり、Xはm2価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
[2]
一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であり、一般式(2)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物である、[1]の促進輸送膜。
Figure 0006158727

[一般式(3)中、n1は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006158727

[一般式(4)中、n2は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
[3]
が、下記式(5−1)〜(5−8)のいずれかである、[1]又は[2]の促進輸送膜。
Figure 0006158727

[式(5−1)〜(5−8)中、*は結合手を表す。]
[4]
炭素数が15以下のアミン化合物がアルカノールアミンである、[1]〜[3]のいずれかの促進輸送膜。
[5]
アミノ基含有イオン液体は、イミダゾリウムカチオン又はアンモニウムカチオンを含有し、イミダゾリウムカチオンは、炭素数15以下のアミノアルキル基を有し、アンモニウムカチオンは、Aで表され、A、A、A、Aの少なくとも1つが炭素数15以下のアミノアルキル基である、[1]〜[4]のいずれかの促進輸送膜。
[6]
アミノ基含有イオン液体は、アミノ酸イオンから選択されるアミノ基含有アニオンを含有する、[1]〜[5]のいずれかの促進輸送膜。
[7]
分離層は、アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール−1,2−カルボナート及び水からなる群から選択される少なくとも1種の液体を更に含有する、[1]〜[6]のいずれかの促進輸送膜。
[8]
キャリアの含有率が、分離層の全質量を基準として5質量%〜90質量%である、[1]〜[7]のいずれかの促進輸送膜。
[9]
分離層の膜厚が100nm〜500μmである、[1]〜[8]のいずれかの促進輸送膜。
[10]
多孔質支持体を更に備え、分離層が該多孔質支持体の主表面上に積層された、[1]〜[9]のいずれかの促進輸送膜。
[11]
[1]〜[10]のいずれかの促進輸送膜の製造方法であって、エンチオール反応を光及び/又は熱により行う工程を備える、促進輸送膜の製造方法。
[12]
エンチオール反応を重合開始剤の存在下で行う、[11]の促進輸送膜の製造方法。
[13]
一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とを含む溶液を多孔質支持体の表面上にコーティングする工程と、表面上でエンチオール反応を行う工程と、を備える、[11]又は[12]の促進輸送膜の製造方法。
本発明によれば、耐圧性及び長期安定性に優れた促進輸送膜、及び多孔質支持体上への連続コーティングが可能な促進輸送膜の製造方法を提供することができる。特に、本発明の促進輸送膜は、酸性ガス、特に二酸化炭素の透過に優れており、二酸化炭素含有混合気体(例えば二酸化炭素とメタン、二酸化炭素と窒素)から二酸化炭素を分離する際に好適に用いることができる。また分離層が高強度であり、ハンドリング性、耐圧性、長期安定性に優れ、この分離層を多孔質支持体上に積層し複合膜とすることで薄膜化することも可能であり、高い透過度の促進輸送膜を提供することができる。さらに、本発明の製造方法によればエンチオール反応を用いて短時間で製造され、従来の高強度ゲルでは困難であった促進輸送膜の連続生産も可能となる。
本発明に係る輸送促進膜の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る輸送促進膜の他の実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の促進輸送膜は、特定のポリマー及びキャリアを含有する分離層を備える。分離層は、例えばゲル状となっている。
[ポリマー]
本実施形態の促進輸送膜において、ポリマーは、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とのエンチオール反応によって得られるポリエチレングリコール骨格を有する多官能ポリマーである。ここで、本明細書中においてポリエチレングリコール骨格とは、下記一般式(A)で表される骨格を意味し、ポリオキシエチレン骨格又はポリエチレンオキサイド骨格ともいう。ただし、式(A)中、pは自然数である。
Figure 0006158727
換言すれば、本実施形態に係るポリマーは、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とのエンチオール反応によって得られる付加重合体構造を有している。
Figure 0006158727

[一般式(1)中、n1は15〜250の整数であり、m1は3〜20の整数であり、Xはm1価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006158727

[一般式(2)中、n2は15〜250の整数であり、m2は3〜20の整数であり、Xはm2価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
一般式(1)中のXとm1について説明する。Xはm1価の有機基を表し、Xの構造によりm1が決定する。Xは、アルキル基、フェニル基、イソシアヌル環を有することが好ましく、アルキル基を有することが特に好ましい。m1は、3〜20の整数であり、3〜8の整数であることが好ましく、4であることが特に好ましい。m1が4の場合、原料合成の容易さの点から好ましい。
一般式(1)中、n1は、15〜250の整数であり、35〜180の整数であることが好ましく、50〜110の整数であることがより好ましく、50〜60の整数であることが特に好ましい。複数あるn1は互いに同一でも異なっていてもよいが、複数あるn1が互いに同一であると、重合後のポリマーが均一な架橋構造になり、高強度な分離層が得られるため好ましい。
一般式(1)中、Yにおける炭素数1〜15の炭化水素基の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などが挙げられ、原料合成の容易さの点から好ましくはエチレン基である。R11〜R13における炭素数1〜10の炭化水素基の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、トリレン基などが挙げられる。複数あるYは、互いに同一でも異なっていてもよいが、高強度な分離層を製造できる点から同一であることが好ましい。これは、Yが互いに同一であると、重合後のポリマーが均一な架橋構造になるためと推測される。
一般式(2)中、Xとm2について説明する。Xはm2価の有機基を表し、Xの構造によりm2が決定する。Xは、アルキル基、フェニル基、イソシアヌル環を有することが好ましく、アルキル基を有することが特に好ましい。m2は、3〜20の整数であり、3〜8の整数であることが好ましく、4であることが特に好ましい。m2が4の場合、原料合成の容易さの点から好ましい。
一般式(2)中、n2は15〜250の整数であり、35〜180の整数であることが好ましく、50〜110の整数であることがより好ましく、50〜60の整数であることが特に好ましい。複数あるn2は互いに同一でも異なっていてもよいが、複数あるn2が互いに同一であると、重合後のポリマーが均一な架橋構造になり、高強度な分離層が得られるため好ましい。
一般式(2)中、Yにおける炭素数1〜15の炭化水素基の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、トリレン基などが挙げられる。R21〜R23における炭素数1〜10の炭化水素基の具体的な例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、トリレン基などが挙げられる。
好ましくは、原料合成の容易さの点から、Yは−CO−R21−であり、さらに好ましくはR21がメチレン基、つまりYが−CO−CH−である。複数あるYは、互いに同一でも異なっていてもよいが、高強度な分離層を製造できる点から同一であることが好ましい。これは、Yが互いに同一であると、重合後のポリマーが均一な架橋構造になるためと推測される。
一般式(2)中、Rの具体的な例としては、下記式(5−1)〜(5−8)で表される有機基から選ばれる基が挙げられる。高い反応率で付加重合が進行する点から、Rはビニル基(5−1)であることが好ましい。
Figure 0006158727

[式(5−1)〜(5−8)中、*は結合手を表す。]
本実施形態において、一般式(1)中のn1と一般式(2)中のn2とが同一であると、高強度な分離層が得られるため好ましい。これは、n1とn2が同一であると、重合後の架橋構造がより均一になるためと推測される。
本実施形態において、一般式(1)中のm1と一般式(2)中のm2とが同一であると、高強度な分離層が得られるため好ましい。これは、m1とm2が同一であると、重合後のポリマーがより均一な架橋構造になるためと推測される。
本実施形態において、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とをエンチオール反応(チオール−エン反応)により付加重合することで、高強度かつ気体分離時のキャリアの漏出が抑制されたゲル状組成物からなる分離層を得ることができる。これは、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物に含まれる官能基が分子内で相互に反応せず分子内反応が起こらないため、また、一般式(1)で表される化合物のチオール基1つに対し、一般式(2)で表される化合物の炭素−炭素二重結合1つが反応するため、均一な架橋構造の付加重合体が得られることが理由だと推定される。均一な架橋構造を有すると、ポリマー内に構造的に弱い部分の発生が抑制されるため、高強度な分離層が得られると推定される。また、均一な架橋構造を有すると、ポリマーが均一な三次元架橋構造を構築するため、キャリアを膜中に保持する能力が向上し、キャリアの漏出が抑制されると推定される。
本実施形態において、ポリエチレングリコール骨格を有する多官能ポリマーが、上記一般式(1)の好ましい態様である下記一般式(3)で表される化合物と、上記一般式(2)の好ましい態様である下記一般式(4)で表される化合物との付加重合体構造を有することが好ましい。ポリエチレングリコール骨格を有する多官能ポリマーが下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物との付加重合体構造を有すると、より高強度な分離層が得られ、促進輸送膜として使用した際の耐圧性が向上するため好ましい。
Figure 0006158727

[一般式(3)中、n1は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006158727

[一般式(4)中、n2は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
一般式(3)及び一般式(4)のY、n1、Y、n2、Rの好ましい範囲は、一般式(1)及び一般式(2)のY、n1、Y、n2、Rの好ましい範囲と同一である。
一般式(3)の具体的な例としては、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(6)中、n1の好ましい範囲は一般式(3)中のn1の好ましい範囲と同一である。下記一般式(6)で表される化合物は、日本油脂(株)社から、SUNBRIGHT PTE−050SH(n1=約26)、SUNBRIGHT PTE−100SH(n1=約54)、SUNBRIGHT PTE−200SH(n1=約111)の商品名で購入することができる。
Figure 0006158727
一般式(4)の具体的な例としては、下記一般式(7−1)〜(7−3)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(7−1)〜(7−3)中、n2の好ましい範囲は一般式(4)中のn2の好ましい範囲と同一である。原料合成の容易さ、エンチオール反応で使用する際の反応性の観点から、下記一般式(7−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006158727
一般式(7−1)〜(7−3)で表される化合物は、下記一般式(8)で表される化合物を原料として用いて合成できる。例えば、一般式(7−1)で表される化合物は下記一般式(8)で表される化合物と3−ブテン酸とを原料に合成でき、一般式(7−2)で表される化合物は下記一般式(8)で表される化合物とアクリル酸とを原料に合成でき、一般式(7−3)で表される化合物は下記一般式(8)で表される化合物とアリルアルコールとを原料に合成できる。合成には主に縮合反応が用いられ、有機溶媒中で酸性触媒等の縮合触媒と共に加熱して縮合する方法、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤を用いて縮合する方法が挙げられる。精製方法は特に限定されないが、再結晶法を用いることができる。下記一般式(8)で表される化合物は、例えばJENKEM USA社から4ARM−PEG−10K(n2=約56)の商品名で購入できる。
Figure 0006158727
一般式(1)で表される化合物のその他の好ましい例として、下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(9)中、n1の好ましい範囲は一般式(1)中のn1の好ましい範囲と同一である。下記一般式(9)で表される化合物は日本油脂(株)社から、SUNBRIGHT HGEO−200SH(n1=約54)、JENKEM USA社から8ARM−SH−10K(n1=約25)の商品名で購入することができる。
Figure 0006158727
一般式(2)で表される化合物のその他の好ましい例として、下記一般式(10−1)〜(10−3)で表される化合物が挙げられる。下記一般式(10−1)〜(10−3)中、n2の好ましい範囲は一般式(2)中のn2の好ましい範囲と同一である。
Figure 0006158727
一般式(10−1)〜(10−3)で表される化合物は、下記一般式(11)で表される化合物を原料として用いて合成できる。例えば、一般式(10−1)で表される化合物は下記一般式(11)で表される化合物と3−ブテン酸とを原料に合成でき、一般式(10−2)で表される化合物は下記一般式(11)で表される化合物とアクリル酸とを原料に合成でき、一般式(10−3)で表される化合物は下記一般式(11)で表される化合物とアリルアルコールとを原料に合成できる。合成には主に縮合反応が用いられ、有機溶媒中で酸性触媒等の縮合触媒と共に加熱して縮合する方法、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤を用いて縮合する方法が挙げられる。精製方法は特に限定されないが、再結晶法を用いることができる。下記一般式(11)で表される化合物は、例えばJENKEM USA社から8ARM−PEG−10K(n2=約27)の商品名で購入できる。
Figure 0006158727
[キャリア]
本実施形態の促進輸送膜に用いられるキャリアは、炭素数が15以下のアミン化合物、アミノ基含有イオン液体、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩及びアルカリ金属リン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。これらのキャリアは、特に酸性ガスのキャリアとして好適である。
炭素数が15以下のアミン化合物としては、アルキルアミン、芳香族アミン、アルカノールアミンが挙げられる。好ましくは、アルカノールアミンである。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、n−ブチルモノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、ジ−n−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミン、PAMAM(ポリアミドアミン)デンドリマーが挙げられる。好ましくは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミンである。その他の好ましい例として、PAMAMデンドリマーが挙げられる。PAMAMデンドリマーは、アルキルジアミンのコアと三級アミンの分岐構造からなるアミンであり、シグマアルドリッチ社よりPAMAM−Gen0、PAMAM−Gen1、PAMAM−Gen2の商品名で購入することができる。
アミノ基含有イオン液体は、アミノ基含有カチオン及び/又はアミノ基含有アニオンを含有する。ここで、アミノ基とは、−NH、−NHR、−NRを意味する。ただし、Rは、アルキル基、アリール基を表す。
アミノ基含有カチオンは、イミダゾリウムカチオン又はアンモニウムカチオンから選択される。イミダゾリウムカチオンは、炭素数15以下のアミノアルキル基を有することが好ましい。アンモニウムカチオンは、Aで表され、A、A、A、Aの少なくとも1つが炭素数15以下のアミノアルキル基を有することが好ましい。アミノ基含有カチオンの具体的な例としては、1−アミノエチルー3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−アミノブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−アミノヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルアミノデシルアンモニウムカチオン、ジメチルアミノブチルイソプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルアミノヘキシルアンモニウムカチオンが挙げられる。好ましくは1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
アミノ基含有カチオンを用いた場合、その対イオンとなるアニオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、四フッ化ホウ素イオン、硝酸イオン、チオシアネートイオン、ジシアノアミドイオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド等が挙げられる。
アミノ基含有アニオンは、アミノ酸イオンから選択されることが好ましい。アミノ酸イオンの具体的な例としては、アルギニンイオン、ヒスチジンイオン、リシンイオン、アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン、セリンイオン、トレオニンイオン、アスパラギンイオン、グルタミンイオン、システインイオン、グリシンイオン、プロリンイオン、アラニンイオン、イソロイシンイオン、ロイシンイオン、メチオニンイオン、フェニルアラニンイオン、トリプトファンイオン、チロシンイオン及びバリンイオン等が挙げられる。
アミノ基含有アニオンを用いた場合、その対イオンとなるカチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、トリブチルメチルアンモニウムカチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジメチルブチルイソプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルヘキシルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
本実施形態において用いられるアミノ基含有イオン液体の具体的な例としては、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−アミノヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−アミノヘキシル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−アミノヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムジシアノアミド、トリメチルアミノヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロリン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアラニンが挙げられる。好ましくは、特に酸性ガスのキャリアとして使用した際の気体透過性能の観点から、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシンである。
アミノ基含有イオン液体を構成するカチオン及びアニオンの組合せとして、アミノ基含有カチオン及びアミノ基含有アニオンの組合せを用いることもできる。このようなアミノ基含有イオン液体としては、例えば、1−アミノプロピル−3−メチルイミダゾリウムグリシンが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムが挙げられる。アルカリ金属アルコキシドの具体例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩の具体例としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムが挙げられる。アルカリ金属重炭酸塩の具体例としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。アルカリ金属リン酸塩の具体例としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムが挙げられる。二酸化炭素との親和性が良好という観点から、カリウム、ルビジウム又はセシウムをアルカリ金属元素として含む化合物が好ましく、セシウムをアルカリ金属元素として含む化合物がより好ましく、炭酸セシウムが特に好ましい。
[液体]
本実施形態の促進輸送膜においては、分離層は、アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びグリセロール−1,2−カルボナート及び水からなる群から選択される少なくとも1種の液体を含有することが好ましい。これらの液体を用いることで、分離すべきガスとキャリアとの反応をより促進することができる。また、キャリアが分離条件の温度で固体の場合、液体にキャリアを溶解させることで、分離条件の温度で分離層をゲル状とすることが可能となる。これらの中でも、促進輸送膜の透過性能の観点から、イオン液体、グリセリン、水がより好ましい。
液体の融点は、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは30℃以下であり、特に好ましくは0℃以下である。液体の融点が0℃以下の場合、常温で液体を促進輸送膜に使用できるため好ましい。
アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体を構成するカチオンは、イミダゾリウムカチオン又はアンモニウムカチオンから選択されることが好ましい。イミダゾリウムカチオンは、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリル基、フルオロアルキル基のいずれかの基を有することが好ましい。アンモニウムカチオンはBで表され、B、B、B、Bは、各々独立にフェニル基、無置換の炭素数1〜15個のアルキル基、又はヒドロキシル基、エーテル基、アリル基若しくはフルオロアルキル基を有する炭素数1〜15個のアルキル基であることが好ましい。カチオンの具体的な例としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、トリブチルメチルアンモニウムカチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジメチルブチルイソプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルヘキシルアンモニウムカチオンが挙げられる。好ましくは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体を構成するアニオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、四フッ化ホウ素イオン、硝酸イオン、チオシアネートイオン、ジシアノアミドイオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドイオンであることが好ましい。好ましくはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンである。
アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体の具体的な例としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウム(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートが挙げられる。好ましくは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアノアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートである。これらのイオン液体を用いた場合、促進輸送膜の二酸化炭素の透過性、選択性がより良好となるため好ましい。
[促進輸送膜の製造方法]
本実施形態の促進輸送膜をより詳細に説明するために、促進輸送膜の製造方法をまず説明する。しかし、この製造方法に限定されるものではなく、促進輸送膜が得られれば、どのような製造方法でもよい。
本実施形態の促進輸送膜を製造する方法を説明する。エンチオール反応を用いて促進輸送膜を得る製造法としては、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び反応溶媒を含有する反応溶液を作製する工程と、反応溶液を薄膜状に成形する工程と、エンチオール反応を行う工程と、キャリアを含む混合溶液に得られた膜を浸漬し、得られた膜に混合溶液を染み込ませる工程により製造する方法が挙げられる。促進輸送膜を製造する方法において、例えば上記の反応溶液に重合開始剤等の添加剤を添加することができる。
一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び反応溶媒を含有する反応溶液を作製する工程を説明する。該工程において、一般式(1)で表される化合物のチオール基のモル数と一般式(2)で表される化合物の炭素−炭素二重結合のモル数とが同モル数になるように配合することが好ましい。同じモル数で配合することで、重合反応が均一に進行し、高強度の分離層を得ることができる。また、反応溶液を配合する際、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との合計質量100質量部に対して反応溶媒を100〜9900質量部配合することが好ましく、500〜2000質量部配合することがより好ましい。反応溶媒の配合量により反応溶液の粘度を調整できるため、反応溶液を薄膜状に成形する工程において、コーティングによる複合膜の作製が容易となる。
反応溶媒は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物と相溶性があり、かつ、ある程度揮発性を有する溶媒を用いることができる。例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、アセトニトリル、ニトロメタンなどから選ばれる1種又は2種以上を混合液として用いることができる。好ましくは、水、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、1,4−ジオキサンである。
続いて、反応溶液を薄膜状に成形する工程を説明する。ここで、本実施形態においては、図1に示すように、促進輸送膜1は分離層2からなる自立膜であってもよい。また、図2に示すように、促進輸送膜11は、多孔質支持体3を更に備え、分離層2が多孔質支持体3の主表面上に積層された複合膜であってもよい。
反応溶液を薄膜状に成形する工程において、促進輸送膜を自立膜として得る場合、石英板と石英板の間にスペーサーを挟み、その隙間に液を流し込む方法、ガラス板等の平面基板上にスピンコートする方法、ガラス板等にディップコート法やハンドコート法等で塗布する方法が挙げられる。
反応溶液を薄膜状に成形する工程において、促進輸送膜を複合膜として得る場合、多孔質支持体の主表面上であって少なくとも片面に反応溶液を塗布する方法が好ましい。塗布の方法としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコーティング、スプレーコート、ディップコート、フロートコート、コンマロール法、キスコート、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。また、石英板上に置いた支持体に反応溶液を垂らし、別の石英板で挟み込むことで薄膜状に成型する方法も挙げられる。連続生産を考慮した場合、平膜形状の多孔質支持体に塗布する場合は主表面上にフロートコート、中空糸形状の多孔質支持体に塗布する場合はディップコートが好ましい。
多孔質支持体は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアラミド等の各種樹脂多孔質膜;不織布と多孔質膜の複合積層体などが好ましい。多孔質膜の好ましい例は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、酢酸セルロース、ポリイミドである。不織布の好ましい例は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン、アクリル、ビニロン等の樹脂で作製された不織布である。また、多孔質支持体の形状としては、平膜状、管状、中空糸状などいずれの形状もとることができる。
多孔質支持体の膜厚は5μm〜5mmが好ましく、より好ましくは10μm〜1000μmである。膜厚が5μmより小さいと、支持体としての機械的強度が充分でない場合が多く、5mmより大きいと膜の柔軟性が損なわれ取り扱いが難しくなる傾向があり、また、気体透過の抵抗が大きくなることがあるため好ましくない。
多孔質支持体の孔の大きさは0.001μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.1μmである。孔の大きさが0.001μmよりも小さい場合、得られる複合膜の気体透過度が不十分となる場合がある。逆に孔の大きさが1μmより大きい場合、反応溶液を薄膜状に成形する工程において、反応溶液が孔中に浸透し孔中に充填される、ピンホールが発生するといった問題を生じる傾向にある。
エンチオール反応を行う工程は、光(光重合反応)又は熱(熱重合反応)を用いることが好ましい。簡便にエンチオール反応を進行できる観点から、光重合反応が好ましい。なお、熱重合反応と光重合反応とを併用して行うこともでき、例えば熱重合反応の後に光重合反応を行うか、光重合反応させた後に熱重合反応するか、あるいは光重合反応と熱重合反応とを同時に行うこともできる。
光重合反応はγ線、紫外線、可視光線、電子線などの照射によって進行することが好ましい。装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。
紫外線は、200〜400nmの波長を用いて、10〜5000mJ/cmで照射されることが好ましい。波長は、より好ましくは約250〜360nmである。500〜3000mJ/cmで照射することがさらに好ましく、600〜2000mJ/cmで照射することが特に好ましい。
紫外線等を照射する場合、添加剤として光重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤を用いない場合、紫外線等の光を直接チオール基が吸収し、チオラジカルが発生することで重合が進行する。光重合開始剤を用いるとラジカルが発生しやすくなるため好ましい。光重合開始剤としては、公知のものを使用でき、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;アシルフォスフィンオキサイド類及びキサントン類が挙げられる。これらは単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
光重合開始剤の添加量は、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との合計質量100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
熱重合反応は、40℃〜120℃で、30分〜24時間加熱することにより行われることが好ましい。約60〜80℃で、約2〜4時間加熱することがさらに好ましい。
熱重合反応を行う場合、添加剤として熱重合開始剤を用いてもよい。具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。また、熱重合時には硬化促進剤を混合して使用してもよく、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトやオクチル酸コバルト等又は3級アミン等が好ましい。
熱重合開始剤の添加量は、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物との合計質量100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
キャリアを含む混合溶液に得られた膜を浸漬し、得られた膜に混合溶液を染み込ませる工程を説明する。該工程は以下の混合溶液(a)〜混合溶液(c)を用いて行うことができる。混合溶液(a)は、キャリア及び希釈溶媒の混合溶液であり、混合溶液(b)はキャリア及び液体の混合溶液であり、混合溶液(c)はキャリア、液体及び希釈溶媒の混合溶媒である。該工程において、混合溶液は得られた膜の分離層100質量部に対し1000質量部以上用いることが好ましい。過剰量の混合溶液を用いることで、分離層の内部に混合溶液を染み込ませることができる。なお、エンチオール反応を行う工程の際に用いた反応溶媒は混合溶液により十分希釈されるため、最終的に得られる分離層には残存しない。混合溶液に浸漬する時間は、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは1時間〜12時間、特に好ましくは4時間〜8時間である。なお、反応溶媒を任意の乾燥法により除去してから、得られた膜に混合溶液を染み込ませる工程を行ってもよい。または、得られた膜を別の溶媒に一度置換させた後に、該工程を行ってもよい。
混合溶液(a)を使用して該工程を実施した場合、キャリアと希釈溶媒との混合比率はキャリア100質量部に対し希釈溶媒が25質量部〜5000質量部であることが好ましく、250質量部〜2000質量部であることが特に好ましい。キャリアと希釈溶媒の混合比率を調整することで、得られる分離層のキャリアの含有率を調整することができる。また、混合溶液(a)を使用して該工程を実施した場合、希釈溶媒を除去する工程を行うことが好ましい。希釈溶媒を除去する工程は、常圧又は真空下で20℃〜120℃で、30分〜24時間加熱することが好ましく、40℃〜80℃で、2〜4時間加熱することがより好ましい。混合溶液(a)を用いて該工程を行い、促進輸送膜を作製した場合、キャリアの塩析を抑制するために、キャリアの融点が分離条件の温度以下であることが好ましい。
混合溶液(b)を使用して該工程を実施した場合、キャリアと液体との混合比率は、キャリア100質量部に対し液体が25質量部〜1700質量部であることが好ましく、250質量部〜1000質量部であることが特に好ましい。キャリアと液体の混合比率を調整することで、得られる分離層のキャリア及び液体の含有率を調整することができる。混合溶液(b)を用いて該工程を行い、促進輸送膜を作製した場合、分離層にはキャリア及び液体が含有される。この場合、液体にキャリアが溶解しているため、分離条件の温度がキャリアの融点以下であっても分離層を作製でき、促進輸送膜として使用できる。
混合溶液(c)を使用して該工程を実施した場合、キャリアと液体と希釈溶媒との混合比率はキャリア100質量部に対し液体が25質量部〜1700質量部であり、希釈溶媒が25質量部〜5000質量部であることが好ましく、液体250質量部〜1000質量部であり、希釈溶媒が250質量部〜2000質量部であることが特に好ましい。キャリアと液体と希釈溶媒の混合比率を調整することで、得られる分離層のキャリア及び液体の含有率を調整することができる。混合溶液(c)を使用して該工程を実施した場合、希釈溶媒を除去する工程を行うことが好ましい。希釈溶媒を除去する工程は、常圧又は真空下で20℃〜120℃で、30分〜24時間加熱することが好ましく、40℃〜80℃で、2〜4時間加熱することがより好ましい。混合溶液(c)を用いて該工程を行い、促進輸送膜を作製した場合、分離層にはキャリア及び液体が含有される。この場合、液体にキャリアが溶解しているため、分離条件の温度がキャリアの融点以下であっても分離層を作製でき、促進輸送膜として使用できる。
希釈溶媒は、キャリアと相溶性があり、かつ、ある程度揮発性を有する溶媒を用いることができる。そのような溶媒としては、例えば、好ましくは、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、水であり、より好ましくはメタノールである。
[促進輸送膜]
本実施形態において、キャリアの含有率は、分離層の全質量を基準として、好ましくは5質量%〜90質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、特に好ましくは50〜70質量%である。キャリアの含有率が90質量%を超える場合、分離層の強度が低下しピンホールを生じやすくなる、液体の漏出が生じるといった問題が生じる傾向にあるため、促進輸送膜として適さない。液体の含有率が5質量%未満の場合、キャリアの含有量が少ないため、特に酸性ガスの透過性が減少する傾向にあるため適さない。
本実施形態において液体を用いる場合、液体の含有量はキャリア100質量部に対し液体が25質量部〜1700質量部であることが好ましく、250質量部〜1000質量部であることが特に好ましい。また、液体を用いる場合、キャリア及び液体の合計質量が、分離層の全質量を基準として95質量%以下である必要がある。キャリア及び液体の合計質量が、分離層の全質量を基準として95質量%を上回ると、分離層の強度が低下しピンホールを生じやすくなる、液体の漏出が生じるといった問題が生じる傾向にあるため、促進輸送膜として適さない。
本実施形態の分離層の膜厚は、100nm〜500μmであることが好ましい。さらに好ましくは100nm〜100μm、特に好ましくは100nm〜50μmである。膜厚が薄いと高透過度の促進輸送膜となるため好ましい。
本実施形態において、促進輸送膜は、上述のとおり、分離層2からなる自立膜(促進輸送膜1)としてもよく(図1)、多孔質支持体3を更に備え、分離層2が多孔質支持体3上に積層された複合膜(促進輸送膜11)としてもよい(図2)。分離層を多孔質支持体上で薄膜化できる点、耐圧性が向上する点から、促進輸送膜は複合膜であることが好ましい。
自立膜又は複合膜は、促進輸送膜モジュールとすることが好ましい。モジュールの例としては、スパイラル型、中空糸型、プリーツ型、管状型、プレート&フレーム型などが挙げられる。
促進輸送膜を使用する際の温度条件は、好ましくは10℃〜300℃、さらに好ましくは15℃〜90℃、特に好ましくは20℃〜70℃である。
促進輸送膜を使用する際の圧力条件は、分離対象ガスの圧力がゲージ圧で0.01MPa〜1.0MPaであることが好ましい。好ましくは、0.05MPa〜0.5MPaである。また、分離対象ガスが加湿条件であることが好ましい。好ましくは、10%RH〜95%RHの加湿条件であり、より好ましくは40%RH〜80%RHである。分離対象ガスの二酸化炭素濃度は1%〜50%が好ましく、より好ましくは2%〜10%である。
本実施形態の促進輸送膜は、二酸化炭素含有混合気体から二酸化炭素を分離する気体分離膜として用いることもできる。この技術は、油田のオフガス、ゴミ焼却や火力発電の排ガス、天然ガス等からの二酸化炭素の分離回収に利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
<末端がビニル基の4官能ポリエチレングリコール(4ARM−PEG−ビニル−10K)の合成>
まず、内容量500mlのガラス製1口フラスコにp−トルエンスルホン酸・一水和物(PTSA)3.6g、テトラヒドロフラン(和光純薬工業(株):試薬特級)50mlを加え、スターラ−で撹拌し溶解した。溶解後、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)5.6gをテトラヒドロフラン50mlで溶解した溶液にゆっくり加えた。10分間撹拌後、析出した白色沈殿を濾過し、得られた沈殿物を塩化メチレン(和光純薬工業(株):試薬特級)とヘキサン(和光純薬工業(株):試薬特級)とを用い再結晶し、白色の針状結晶を得た(PTSA/DMAP:収率72%)。次に、内容量200mlのガラス製フラスコを用い、ディーン・スターク装置を準備した。これに末端が水酸基の4官能ポリエチレングリコール(JENKEM USA社製:4ARM−PEG−10K(商品名)、分子量10000Da)5g、3−ブテン酸(東京化成工業(株)製)12g、トルエン(和光純薬工業(株)製:試薬特級)15g、PTSA/DMAPを440mg加え、窒素置換した。副生成物として発生する水を共沸により除去し、必要に応じてトルエンを継ぎ足しながら120℃で3時間還流させた。冷却後、飽和食塩水を加え、クロロホルム(和光純薬工業(株):試薬特級)を用いて抽出し、炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)飽和水溶液で不純物を抽出により取り除いた。エバポレーターでクロロホルムを除去した後、エタノール(和光純薬工業(株)製:試薬特級)とヘキサン(和光純薬工業(株)製:試薬特級)とを用いて再結晶を行い、白色結晶を得た(収率89%)。H−NMR測定により、白色結晶が、上記一般式(7−1)に相当する末端がビニル基の4官能ポリエチレングリコール(4ARM−PEG−ビニル−10K)であることを確認した。
<促進輸送膜の作製>
内容量10mlのスクリュー管に4ARM−PEG−ビニル−10Kを125mg、上記一般式(6)に相当する末端がチオール基の4官能ポリエチレングリコール(JENKEM USA社製:4ARM−SH−10(商品名)、分子量10000Da)125mg、IRGACURE2959(Ciba製)2.5mg、蒸留水4.75gを加え、撹拌し、気泡が無くなるまで静置した。石英板の上にPS20(商品名)(セプロ社製、ポリスルホン製UF膜)をポリスルホン層が上向きになるように置き、その上に溶液をのせ、もう一枚の石英板を重ねて挟んだ。露光機(UVシステムズ製:FUSION VPS−6)で1512mJ/cm(254nmにおける露光量)照射し、12時間静置した。石英板をゆっくりとはがし、得られた膜をメタノールに12時間浸漬した後、ジエタノールアミン(東京化成工業(株)製):メタノール(和光純薬工業(株)製:試薬特級)=1:7(質量比)の溶液に浸漬した。浸漬後、70℃、2時間真空下で乾燥することでメタノールを除去し、促進輸送膜(複合膜)を得た。
[実施例2]
国際公開第2013/118776号を参考に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシンを作製した。実施例1のジエタノールアミン:メタノール=1:7(質量比)の溶液を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン:メタノール=1:7(質量比)の溶液に代えた以外は、実施例1と同様にして促進輸送膜(複合膜)を得た。
[実施例3]
実施例1のジエタノールアミン:メタノール=1:7(質量比)の溶液をCsCO(炭酸セシウム)(和光純薬工業(株):試薬特級):水=1:20(重量比)に代え、メタノールを除去する工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして促進輸送膜(複合膜)を得た。
[実施例4]
内容量20mlのスクリュー管に4ARM−PEG―ビニル−10Kを500mg、末端がチオール基の4官能ポリエチレングリコールである4ARM−SH−10K(商品名)(JENKEM USA社製:分子量10000Da)500mg、IRGACURE2959(商品名)(Ciba製)10mg、1,4−ジオキサン(和光純薬工業(株):試薬特級)9.0gを加え、気泡が無くなるまで静置した。溶液をゆっくりとシャーレに展開し、PAN50(商品名)(セプロ社製:ポリアクリロニトリルUF膜)のポリアクリロニトリル層のみにフロートコート(溶液表面に浮遊・接触させ連続的に引き上げる方法)で塗工を行った。コート後、露光機(UVシステムズ製:FUSION VPS−6)を用い、1512mJ/cm(254nmにおける露光量)で照射した。照射後12時間静置した後、得られた膜に対して上記と同様に再び溶液でフロートコート、露光の工程を行った。12時間静置後、得られた膜を過剰量のメタノールに12時間浸漬した後、過剰量の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン:メタノール=1:7(重量比)の溶液に12時間浸漬した。2時間真空下で乾燥することでメタノールを除去し、促進輸送膜(複合膜)を得た。
[実施例5]
内容量20mlのスクリュー管に4ARM−PEG―ビニル−10Kを500mg、末端がチオール基の4官能ポリエチレングリコールである4ARM−SH−10K(商品名)(JENKEM USA社製:分子量10000Da)500mg、IRGACURE2959(商品名)(Ciba製)10mg、1,4−ジオキサン(和光純薬工業(株):試薬特級)9.0gを加え、気泡が無くなるまで静置した。静置後、片端のみ封止された25cm程度の長さの細長いガラス管に溶液を移し、ガラス管の開放部が上部になるように垂直に設置した。PVDF製中空糸UF膜(旭化成ケミカルズ(株)製)の先端を圧着して封止し、先端に2gの重りをつけ、溶液に浸漬し垂直に引き上げることでディップコートを行った。コート後、中空糸を金属製の枠に貼り付け、中空糸の全面を数回に分けて露光機(UVシステムズ製:FUSION VPS―6)で1512mJ/cm2(254nmにおける露光量)照射した。照射後12時間静置した後、得られた膜に対して上記と同様に再び溶液でディップコート、露光の工程を行った。12時間静置後、得られた膜を過剰量のメタノールに12時間浸漬した後、過剰量の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン:メタノール=1:7(重量比)の溶液に12時間浸漬した。70℃、2時間真空下で乾燥することでメタノールを除去し、促進輸送膜(複合膜)を得た。
[比較例1]
旭化成ケミカルズ社製ポリエチレン多孔質膜ハイポア(登録商標)NB630(膜厚30μm)に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシンを十分に染み込ませ、表面の液体をキムワイプでふき取り、多孔質支持体に液体を染み込ませた多孔質含浸液膜を作製した。
[比較例2]
特許文献2を参考とし、促進輸送膜の作製を試みた。内容量10mlのスクリュー管に、末端がN−ヒドロキシスクシンイミジル基の4官能ポリエチレングリコールであるSUNBRIGHT PTE−100GS(商品名)(日本油脂(株)製:分子量 10000Da)260mg、1,4−ジオキサン2.8gを加え混合しA液とした。また、別の内容量10mlのスクリュー管に、末端がアミノ基の4官能ポリエチレングリコールであるSUNBRIGHT PTE−100PA(商品名)(日本油脂(株)製:分子量10000Da)260mg、1,4−ジオキサン2.7gを加え混合しB液とした。A液とB液とを混合し、シャーレに展開し、PAN50(商品名)(セプロ社製:ポリアクリロニトリルUF膜)のポリアクリロニトリル層のみにフロートコート(溶液表面に浮遊・接触させ連続的に引き上げる方法)で塗工を行った。A液とB液とを混合後、素早くゲル化が進行し硬化したため、PAN50に均一にフロートコートすることができなかった。分離層を支持体にコートすることが困難であったため、以後の工程を行うことはできなかった。
[比較例3]
比較例2のコーティング方法をフロートコートからディップコートに変更し、PAN50をPVDF製中空糸UF膜(旭化成ケミカルズ(株)製)に変更した以外は、比較例2と同様にして促進輸送膜の作製を試みた。ディップコートは、PVDF製中空糸UF膜を20cmの長さに切り、先端を圧着して封止し、2gの重りをつけ、溶液に浸漬し垂直に引き上げることで行った。A液とB液とを混合後、素早く反応が進行し硬化したため、均一にディップコートすることはできなかった。分離層を支持体にコートすることが困難であったため、以後の工程は行うことができなかった。
(キャリア含有率)
実施例1〜2の促進輸送膜については、同じ組成の自立膜を作製し、キャリア含有率を測定した。まず、自立膜の質量を正確に計測し(計測値をW1とする)、自立膜を過剰量のメタノールに24時間浸漬した後、12時間70℃真空乾燥を行い、自立膜の質量を再び計測した(計測値をW2とする)。キャリア含有率(質量%)=(W1−W2)/W1×100の式によりキャリア含有率を計算した。実施例3については、まず同じ組成の自立膜を作製し、自立膜の質量を正確に計測した(計測値をW3とする)。その後、自立膜を水に浸漬した後、水を乾燥させることによって水に含まれるCsCOの量を測定し、CsCOの量とした(計測値をW4とする)。キャリア含有率(質量%)=W4/W3×100の式によりキャリア含有率を計算した。
(分離層の膜厚)
実施例1〜3の促進輸送膜(複合膜)の分離層の膜厚については、走査型電子顕微鏡(JCM−5100型、JEOL製)によって、断面を観察することによって測定した。結果を表1にまとめた。
(気体透過性能、0.8MPa加圧後気体透過性能)
実施例1〜3、比較例1における気体透過測定を、ジーティーアールテック社製等圧式ガス透過率測定装置(GTR20FMAK)を用いて実施した。相対湿度50%、80℃、ゲージ圧0.01MPa、10%二酸化炭素(CO)/90%窒素(N)の混合ガスを用い測定した。また、耐圧性、長期安定性の指標として、0.8MPa加圧後気体透過性能を測定した。0.8MPa加圧は、Feedガスとして10%二酸化炭素(CO)/90%窒素(N)の混合ガスを用い、ゲージ圧0.8MPaに加圧して1週間保存することで行った。0.8MPa加圧後気体透過性能は、相対湿度50%、80℃、ゲージ圧0.01MPa、10%二酸化炭素(CO)/90%窒素(N)の混合ガスを用い測定した。二酸化炭素の透過度(QCO)、理想分離係数(αCO/N、αCO/CH)を比較した。結果を表1に示す。
表1の記号や略称を説明する。
Q:透過係数(1GPU=1×10−6[cm(STP)/cm/s/cmHg])
α:理想分離係数
emimGly:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムグリシン
−:未実施
測定不可能:膜に欠陥やピンホール等が生じ、測定に必要な差圧を維持できなくなった状態。
(コーティング評価)
実施例4〜5、比較例2〜3について、コーティング性を評価した。支持体上に欠陥なくコートできたものを「OK」、できなかったものを「NG」とした。COとNとの分離係数が15以上のものを欠陥なくコートできたと判断した。実施例4、比較例2については、ジーティーアールテック社製差圧式ガス・水蒸気透過率測定装置(GTR30XAAS)にて、相対湿度50%、80℃、ゲージ圧0.01MPa、10%二酸化炭素(CO)/90%窒素(N)の混合ガスを用い測定した。実施例5、比較例3については、ジーティーアールテック社製等圧式ガス透過率測定装置(GTR20FMAK)にて、相対湿度50%、80℃、ゲージ圧0.01MPa、10%二酸化炭素(CO)/90%窒素(N)の混合ガスを用い測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006158727
Figure 0006158727
表1の結果より、本発明の好適な実施例により、耐圧性のある分離層を備える促進輸送膜を提供することが可能であり、高い気体透過性能を得られることがわかった。また、実施例1〜3と比較例1との比較より、耐圧性及び長期安定性に優れた促進輸送膜を提供できることがわかった。よって、本発明の好適な実施例である促進輸送膜は、二酸化炭素等の分離対象ガスを有効に分離できることがわかった。
表2より、本発明の好適な実施例である促進輸送膜は、エンチオール反応を用いることでフロートコート、ディップコートで多孔質支持体の表面に分離層を塗布した複合膜を提供出来ることがわかった。また、これらの方法を用いることで、欠陥なく多孔質支持体にコーティングすることが可能であり、さらに連続プロセスへ適用可能であることもわかった。
1,11…促進輸送膜、2…分離層、3…多孔質支持体。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とのエンチオール反応によって得られるポリマーと、
    炭素数が15以下のアミン化合物、アミノ基含有イオン液体、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩及びアルカリ金属リン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のキャリアと、
    を含有する分離層を備える促進輸送膜。
    Figure 0006158727

    [一般式(1)中、n1は15〜250の整数であり、m1は3〜20の整数であり、Xはm1価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006158727

    [一般式(2)中、n2は15〜250の整数であり、m2は3〜20の整数であり、Xはm2価の有機基であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物であり、前記一般式(2)で表される化合物が下記一般式(4)で表される化合物である、請求項1に記載の促進輸送膜。
    Figure 0006158727

    [一般式(3)中、n1は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−R11−、−CO−NH−R11−、−R12−O−R13−、−R12−NH−R13−、−R12−CO−R13−、−R12−COO−R13−、−R12−CO−NH−R13−、又は−R12−O−CO−NH−R13−であり、R11〜R13は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基である。n1同士、Y同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006158727

    [一般式(4)中、n2は15〜250の整数であり、Yは炭素数1〜15の炭化水素基、−CO−、−CO−NH−、−CO−R21−、−CO−NH−R21−、−R22−O−R23−、−R22−NH−R23−、−R22−CO−R23−、−R22−COO−R23−、−R22−CO−NH−R23−、又は−R22−O−CO−NH−R23−であり、R21〜R23は各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rは炭素−炭素二重結合を有する1価の有機基である。n2同士、Y同士、R同士は各々互いに同一でも異なっていてもよい。]
  3. が、下記式(5−1)〜(5−8)のいずれかである、請求項1又は2に記載の促進輸送膜。
    Figure 0006158727

    [式(5−1)〜(5−8)中、*は結合手を表す。]
  4. 前記炭素数が15以下のアミン化合物がアルカノールアミンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  5. 前記アミノ基含有イオン液体は、イミダゾリウムカチオン又はアンモニウムカチオンを含有し、
    前記イミダゾリウムカチオンは、炭素数15以下のアミノアルキル基を有し、
    前記アンモニウムカチオンは、Aで表され、前記A、A、A、Aの少なくとも1つが炭素数15以下のアミノアルキル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  6. 前記アミノ基含有イオン液体は、アミノ酸イオンから選択されるアミノ基含有アニオンを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  7. 前記分離層は、前記アミノ基含有イオン液体以外のイオン液体、グリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール−1,2−カルボナート及び水からなる群から選択される少なくとも1種の液体を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  8. 前記キャリアの含有率が、前記分離層の全質量を基準として5質量%〜90質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  9. 前記分離層の膜厚が100nm〜500μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  10. 多孔質支持体を更に備え、前記分離層が該多孔質支持体の主表面上に積層された、請求項1〜9のいずれか一項に記載の促進輸送膜。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の促進輸送膜の製造方法であって、
    前記エンチオール反応を光及び/又は熱により行う工程を備える、促進輸送膜の製造方法。
  12. 前記エンチオール反応を重合開始剤の存在下で行う、請求項11に記載の促進輸送膜の製造方法。
  13. 前記一般式(1)で表される化合物と前記一般式(2)で表される化合物とを含む溶液を多孔質支持体の表面上にコーティングする工程と、
    前記表面上で前記エンチオール反応を行う工程と、
    を備える、請求項11又は12に記載の促進輸送膜の製造方法。
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