JP6158565B2 - 筋タンパク質合成シグナル増強剤 - Google Patents

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本発明は、筋量の増加或いは低下抑制効果を発揮する医薬品、食品等に関する。
運動やスポーツ競技において、骨格筋は最も重要な運動器である。我々は骨格筋を収縮又は弛緩させることにより身体活動を行う。また骨格筋は活動するためのエネルギー源として、血液中の糖や脂肪を取り込んで消費することから、最大のエネルギー消費組織でもある。その他にも骨格筋は関節の安定化や姿勢の保持、血管、臓器の保護等の役割を有している。
骨格筋量は、筋蛋白質の合成と分解のバランスにより一定量に保たれており、通常の生活の中で骨格筋量が急激に変動することは考えられない。しかし、加齢に伴い骨格筋量や筋力等の筋機能は低下してくる。我々の骨格筋は、30歳を過ぎると10年毎に約5%前後の割合で減少し、60歳を過ぎるとその減少率は更に加速すること、また高齢期の骨格筋の減少には、速筋(タイプII)繊維の選択的な減少が特徴であると報告されている(非特許文献1)。加齢に伴う骨格筋量や筋機能の低下は、転倒による怪我を引き起こし、身体活動量の低下を引き起こし、それに伴い骨粗鬆症、肥満やインスリン抵抗性等の代謝障害の危険性を高めると言われている(非特許文献2)。
生体内では、骨格筋量の増加は、タンパク質合成の増加につながるシグナル伝達系を通じて行われ、その中心的な因子としてmTOR(mammalian target of rapamycin)がある。インスリンやIGF−1などの増殖因子に応答して、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)を介し、シグナル伝達経路下流のAKTがリン酸化され、mTORがリン酸化される。リン酸化されたmTORはさらに下流の、4E−BPやp70S6キナーゼ(S6K)をリン酸化する。p70S6キナーゼ(S6K)は、セリン/スレオニンキナーゼであり、リン酸化され活性化されると、翻訳を促進するS6リボソームタンパク質がリン酸化され活性化されることで、筋組織においては筋タンパク質の合成が促進される。従って、筋組織において上記シグナル系が活性化すれば骨格筋量が増加すると考えられる。
これまで、骨格筋量を増加するための手段として、ステロイド剤や成長ホルモンの使用が知られているが、これらは筋力の低下や筋肉痛、副腎機能の低下等の副作用の問題を有している。骨格筋量を増加或いは維持することは、パフォーマンス向上を目指す運動愛好者やアスリートだけでなく、ヘルスケアの点で広く一般人においても有用であると考えられることから、より安全性の高い成分が求められ、例えば、アルギニン、リジン及びオルニチンを含むサプリメント(特許文献1)、L−ロイシンを一定量含有する高齢者の骨格筋量減少を防止又は改善するためのアミノ酸含有組成物(特許文献2)等が報告されている。
一方、乳脂肪球皮膜(MFGM: milk fat globule membrane)は、乳中の脂肪球を皮膜している乳腺細胞由来の膜様成分であり、主としてリン脂質とリポタンパク質よりなる。乳脂肪球皮膜は、脂肪を乳汁中に分散させる機能があるが、それのみならず血中アディポネクチン増加及び/又は減少抑制効果(特許文献3)、学習能向上効果(特許文献4)、シアロムチンの分泌促進効果等(特許文献5)の生理機能を有することが知られている。また、最近では、乳脂肪球皮膜が、筋力を増大させることや持久力を向上させることが報告されている(特許文献6)。
しかしながら、乳脂肪球皮膜に筋量増加作用があること、更にこれとアミノ酸を併用して用いることにより、それぞれを単独で用いるよりも格段に筋タンパク質合成シグナルが増強され、筋量増加作用或いは筋萎縮抑制作用が大きくなることはこれまで全く知られていない。
特開2004−256513号公報 特表2008−534599号公報 特開2007−320901号公報 特開2007−246404号公報 特開2007−112793号公報 特開2010−59155号公報
Lexell、J Neurol Sci、84、1988 Evans、J Gerontol A Biol Sci Med Sci、50、1998 Gauthier-Rouviere、Mol Biol Cell、7、1996 Sakuma、Biochim Biophys Acta,1782、2008 Lahoute、PLoS One、3、2008
本発明は、優れた筋タンパク質合成シグナルの増強作用を有し、筋肉量増加効果、筋萎縮抑制効果を発揮し、且つ安全性が高い医薬品、医薬部外品、食品、飼料及び医薬品や食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材を提供することに関する。
本発明者らは、筋量増加において有効な成分の探索を行った結果、乳脂肪球皮膜とアミノ酸を併用して用いれば、各々を単独で用いる場合に比較して格段に優れた筋タンパク質合成シグナル増強作用があり、これが筋量増加、筋萎縮抑制等の効果を発揮し得る医薬品、医薬部外品、食品及び飼料等として有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に係るものである。
(1)乳脂肪球皮膜とアミノ酸を組み合わせてなる筋タンパク質合成シグナル増強剤。
(2)乳脂肪球皮膜とアミノ酸を組み合わせてなる筋量増加剤。
(3)乳脂肪球皮膜とアミノ酸を組み合わせてなる筋萎縮抑制剤。
本発明の筋タンパク質合成シグナル増強剤、筋量増加剤及び筋萎縮抑制剤は、高齢者を含む幅広い年齢層において、日常の活動時における筋量増加、筋萎縮抑制のための食品、医薬品、医薬部外品、飼料として又は医薬品や食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材として有用である。
MGM及びロイシンの併用によるS6Kのリン酸化亢進を示すグラフ。
本発明における乳脂肪球皮膜は、乳中の脂肪球を皮膜する膜及びそれを構成する膜成分混合物と定義され、バターミルクやバターセーラム等の乳複合脂質高含有画分に多く含まれることが知られている。一般的に、乳脂肪球皮膜はタンパク質(約40〜45%)と脂質(約50〜55%)から構成されており、当該タンパク質としては、ミルクムチンと呼ばれる糖蛋白質(Mather IH、Biochim Biophys Acta.(1978) 514:25-36.)等を含むことが知られ、脂質としては、トリグリセライドやリン脂質(例えば、スフィンゴリン脂質、グリセロリン脂質等)が多く含まれ、これ以外にスフィンゴ糖脂質(例えば、グルコシルセラミド、ガングリオシド等)が含まれることが知られている(Keenan TW、Applied Science Publishers.(1983) pp89-pp130.)。また、リン脂質は、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質が主であり、その他にホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれる。
本発明の乳脂肪球皮膜としては、脂質の含有量が、乾燥物換算で、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、且つ100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、10〜100質量%、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜60質量%である。また、リン脂質の含有量が、乾燥物換算で、5質量%以上、好ましくは8質量%以上、より好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、且つ100質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、5〜100質量%、より好ましくは8〜90質量%、より好ましくは15〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
本発明の乳脂肪球皮膜は、乳原料から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により調製することができる。
乳原料としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられるが、牛乳を用いるのが好ましい。また、乳原料には、生乳、脱脂乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られるが、乳脂肪球皮膜はバターミルク中に多く含まれているので、バターミルクをそのまま使用することができる。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜が多く含まれるのでバターセーラムをそのまま使用してもよい。
乳脂肪球皮膜の調製法としては、例えば、乳やホエータンパク質濃縮物(WPC)等の乳製品をエーテルやアセトンで抽出する方法(特開平3−47192号公報)、バターミルクを酸性域に調整、等電点沈殿を行うことにより生じたタンパク質を除去し、上清を精密濾過膜処理して得られる濃縮液を乾燥する方法(特許第3103218号公報)等が挙げられる。また、バターセーラム中よりタンパク質を凝集除去後に濾過濃縮し乾燥する方法(特開2007−89535号公報)等も使用することができる。本製法によると、例えば、乳由来の複合脂質を乾燥物中20質量%以上含有する乳脂肪球皮膜を調製することができる。
斯くして調製された乳脂肪球皮膜は、必要に応じて、さらに透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを使用してもよい。
なお、乳脂肪球皮膜の形態は、特に限定されず、液状、半固体状や個体状、粉状等の何れでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
牛乳由来の乳脂肪球皮膜は、食経験が豊富であり、高純度かつ安価なものも市販されており、それらを用いるのが特に好ましい。例えば、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate」等が挙げられる。
一方、本発明のアミノ酸としては、必須アミノ酸、すなわち、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、トリプトファンから選ばれる1種以上が好ましい。このうち、筋肉量増加の点から、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニンのような疎水性アミノ酸が好ましく、更にはロイシン、イソロイシン及びバリンのような分岐鎖アミノ酸が好ましく、ロイシンがより好ましい。尚、当該アミノ酸はL型であるのが好ましいが、D型であってもよい。当該アミノ酸は、市販品をそのまま用いてもよく、また、化学合成したものを用いても良い。
本発明の乳脂肪球皮膜とアミノ酸を組み合わせてなる筋タンパク質合成シグナル増強剤、筋量増加剤及び筋萎縮抑制剤(以下、「筋タンパク質合成シグナル増強剤等」とも称する)は、配合剤として、それぞれの有効量を、すなわちそれぞれを有効成分として、適当な配合比において一つの剤型に製剤化したものでも、またそれぞれの有効量を含有する単独の製剤を同時に又は間隔を空けて別々に使用できるようにしたキットであってもよい。
本発明の筋タンパク質合成シグナル増強剤等における、乳脂肪球皮膜とアミノ酸の組み合わせの割合は、適宜選択することができるが、例えば乳脂肪球皮膜1質量部に対して、アミノ酸は、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上であり、且つ好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である、また、好ましくは0.05〜30質量部、より好ましくは0.2〜10質量部である。
後記実施例に示すように、乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を組み合わせてラットに投与した場合、筋タンパク質合成に関わるp70S6キナーゼ(S6K)がリン酸化される。p70S6キナーゼ(S6K)がリン酸化され活性化されると、翻訳を促進するS6リボソームタンパク質がリン酸化され活性化され、筋組織において筋タンパク質の合成が促進され、骨格筋量が増加することから、乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせは、筋タンパク質合成シグナル増強剤、筋量増加剤又は筋萎縮抑制剤として使用することができる。ここで、当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
また、乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせは、筋タンパク質合成シグナル増強剤、筋量増加剤又は筋萎縮抑制剤を製造するために使用することができる。
したがって、乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせは、例えば加齢に伴って生ずる筋量の減少や筋萎縮に対して有効である。
本発明において、「筋量増加」とは、筋肉量を増加させること意味し、筋量低下の抑制も含まれる。また、「筋萎縮」とは、筋蛋白質の分解速度が合成速度を上回ることにより、筋蛋白質が減少する、もしくは筋細胞が減少し、結果的に筋量が低下することをいい、長期間の安静臥床や骨折等によるギプス固定、或いは微小重力暴露によるもの(廃用性筋萎縮という)と筋萎縮性側策硬化症(ALS)等の疾病による進行性筋萎縮に大別される。さらに、加齢に伴っても筋萎縮と同様の症状が起きることがあり、これは加齢性筋減弱症(サルコペニア)と呼ばれている。したがって「筋萎縮の抑制」とは、不活動や加齢、疾病等による筋量の低下を抑制することをいう。
一般に筋断面積と筋力との間には相関関係が認められ(福永哲夫:ヒトの絶対筋力−超音波による体肢組成・筋力の分析−杏林書院 1978)、このことは筋肥大が筋力の増加を伴うことを示しているが、トレーニングによる筋力の増加は筋横断面積の増加よりも大きいという報告されている(Davis J et al. Eur J Appl Physiol 57 1988)。また、トレーニングが進むについて、筋線維横断面積あたりの筋力が低下することも示されている(Ploutsz LL et al. J Appl Physiol 76 1994)。このような理由として、筋横断面積以外にも、運動神経系や筋肉に含まれる速筋線維と遅筋線維の割合が筋力に影響するからと考えられる(Komi P et al. Acta Physiol Scand 100 1997、Sale DG et al. Med Sci Sports Exerc 20 1998)。このことから、筋力は様々な因子により調節され、筋肥大の筋力の増加は単なる一対一の関係で結ばれているわけではない。したがって、本発明の筋量増加剤及び筋萎縮抑制剤は、筋力向上剤、持久力向上剤とは異なるものである。
本発明の筋タンパク質合成シグナル増強剤等は、それ自体、ヒトを含む動物に摂取又は投与した場合に筋量増加、及び筋萎縮抑制の各効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、食品、又は飼料であってもよく、或いは当該医薬品、医薬部外品、食品又は飼料に配合して使用される素材又は製剤であってもよい。
また、当該食品には、運動不足者や中高年者、ベッドレスト者、或いはアスリートや運動愛好者における筋量増加、速筋増加、筋分化促進、及び筋損傷抑制をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品が包含される。
本発明の乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を含有する上記医薬品の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤型の製剤は、本発明の乳脂肪球皮膜及びアミノ酸をそれぞれ単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤、乳脂肪球皮膜以外の薬効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。また、これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、経口用液体製剤は、嬌味剤、緩衝剤、安定化剤等を加えて常法により調製することができる。
経口投与用製剤中の乳脂肪球皮膜の含有量は、一般的に製剤全質量の0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、且つ30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。また0.05〜30質量%、好ましくは0.2〜10質量%である。
経口投与用製剤中のアミノ酸の含有量は、一般的に製剤全質量の0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、且つ30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。また0.05〜30質量%、好ましくは0.2〜10質量%である。
本発明の乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を含有する上記食品の形態としては、清涼飲料水、茶系飲料、コーヒー飲料、果汁飲料、炭酸飲料、ジュース、ゼリー、ウエハース、ビスケット、パン、麺、ソーセージ等の飲食品や栄養食等の各種食品の他、さらには、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)の栄養補給用組成物が挙げられる。
種々の形態の食品は、本発明の乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、本発明以外の有効成分等を適宜組み合わせて調製することができる。
また、病者用食品、例えば適当量の栄養補給が困難な高齢者やベッドレスト状態の病者に対する食品としては、経腸栄養剤等の栄養組成物の形態とすることが可能である。
また、飼料としては、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫等に用いるペットフード等の飼料等が挙げられ、上記食品と同様の形態に調製できる。
当該食品又は飼料中の乳脂肪球皮膜の含有量は、一般的に製剤全質量の0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、且つ30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。また0.05〜30質量%、好ましくは0.2〜10質量%である。
当該食品飼料中のアミノ酸の含有量は、一般的に製剤全質量の0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、且つ30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。また0.05〜30質量%、好ましくは0.2〜10質量%である。
本発明の乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせを医薬品又は食品として、或いは医薬又は食品に配合して使用する場合の成人1人当たりの1日の投与又は摂取量は、通常、乳脂肪球皮膜として10mg以上、好ましくは100mg以上であり、且つ10000mg以下、好ましくは5000mg以下である。また、10〜10000mg、好ましくは 100〜5000mgである。また、アミノ酸として、10mg以上、好ましくは100mg以上であり、且つ10000mg以下、好ましくは5000mg以下である。また、10〜10000mg、好ましくは100〜5000mgである。
投与又は摂取対象としては、それを必要としているヒト等であるが、例えば筋肉減弱症の患者や加齢性筋肉減弱症のヒト、それらの予備軍などが好適に挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を組み合わせてなる筋タンパク質合成シグナル増強剤。
<2>乳脂肪球皮膜及びアミノ酸を組み合わせてなる筋量増加剤。
<3>乳脂肪球皮膜とアミノ酸を組み合わせてなる筋萎縮抑制剤。
<4>筋タンパク質合成シグナル増強剤を製造するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせの使用。
<5>筋量増加剤を製造するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせの使用。
<6>筋萎縮抑制剤を製造するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせの使用。
<7>筋タンパク質合成シグナル増強に使用するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせ。
<8>筋量増加に使用するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせ。
<9>筋萎縮抑制に使用するための乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の組み合わせ。
<10>乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の有効量を組み合わせて投与又は摂取することによる筋タンパク質合成シグナル増強方法。
<11>乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の有効量を組み合わせて投与又は摂取することによる筋量増加方法。
<12>乳脂肪球皮膜及びアミノ酸の有効量を組み合わせて投与又は摂取することによる筋萎縮抑制方法。
<13>上記<1>〜<12>において、アミノ酸は必須アミノ酸である。
<14>上記<1>〜<12>において、アミノ酸は疎水性アミノ酸である。
<15>上記<1>〜<12>において、アミノ酸は分岐アミノ酸である。
<16>上記<1>〜<12>において、アミノ酸はロイシン、イソロイシン及びバリンから選ばれる分岐アミノ酸である。
<17>上記<1>〜<12>において、アミノ酸はロイシンである。
<18>上記<1>〜<12>において、乳脂肪球皮膜とアミノ酸の質量比が、1:0.05〜1:30である。
<19>上記<7>〜<9>において、使用は非治療的使用である。
<20>上記<10>〜<12>において、方法は非治療的方法である。
<21>上記<10>〜<12>において、投与又は摂取の対象は、それぞれ筋量増加を必要とする若しくは希望する動物又はヒト、筋萎縮抑制を必要とする若しくは希望する動物又はヒトである。
<22>上記<1>、<4>、<7>、<10>において、筋タンパク質合成シグナル増強は、好適にはp70S6キナーゼのリン酸化である。
試験例1: 乳脂肪球皮膜及びロイシンの筋タンパク質合成シグナル増強作用
乳脂肪球皮膜(MGM)及びロイシンの筋タンパク質合成シグナル作用に対する評価を下記の通り行った。乳脂肪球皮膜としては、アーラ・フーズ社製PL 20を使用した。ロイシンは関東化学株式会社製のL−ロイシンを使用した。
<方法>
1週間の予備飼育後、6週齢の雄性SDラットを6群{1)対照群、2)MGM(0.68 g/kg体重:L)投与群、3)MGM(1.35 g/kg体重:H)投与群、4)ロイシン(0.68 g/kg体重:L)投与群、5)ロイシン(1.35 g/kg体重:H)投与群、6)MGM(0.68 g/kg体重:L)+ロイシン(0.68 g/kg体重:L)投与群}に分け(各群n=6)、各群18時間の絶食を行った。絶食後、水(対照群)、水に溶解したMGM、或いはロイシン(上記量)を胃ゾンデにて経口投与し、自由飲水・絶食下で1時間飼育を継続した。1時間後、ヒフク筋を摘出し、ウェスタンブロットサンプルに供した。
ウェスタンブロッティング法は、以下の手順で行った。
Protease inhibitor cocktail set III(CALBIOCHEM)を添加したCelLytic(TM) MT Cell Lysis Reagent,For mammalian tissues(SIGMA)内で、凍結保存していたヒフク筋組織をホモジナイズし、遠心分離(12000rpm、4℃、10分)後、上清を回収した。各タンパク質濃度をBCA protein assay kit(PIERCE)にて測定し、全ての濃度を統一した。各サンプル20μgをSDS−PAGE(レディーゲル5−15% BioRad)にて分離後、Immun−Blot PVDF membrane For Protein Blotting(Bio−Rad)に転写した。作製したメンブレンを1%のBSA(Wako)にてブロッキングし、その後、表1に示す1次抗体と90分間反応させた。メンブレンを洗浄後、Anti−rabbit IgG,HRP−linked Antibody(Cell Signaling Technology)と60分間反応させ、再びメンブレンを洗浄後、ECL Prime Western Blotting Detection Reagent(GE Healthcare)にてS6Kタンパク質の検出を行った。活性化のシグナルは、p70S6キナーゼ(S6K)の活性化(リン酸化)を指標とし、S6Kの総タンパクおよびリン酸化型を認識する抗体を用い検出したバンドより、[リン酸化型量/総タンパク量]という値を求めて表現した。対照群との有意差検定は、student's t−testにより行った。
Figure 0006158565
<結果>
低濃度のMGMおよびロイシンの併用投与群で、相乗的なS6Kのリン酸化亢進が認められ、筋タンパク質合成促進が示唆された(図1)。

Claims (6)

  1. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋タンパク質合成シグナル増強剤。
  2. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋量増加剤。
  3. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋萎縮抑制剤。
  4. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋タンパク質合成シグナル増強用食品又は食品組成物。
  5. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋量増加用食品又は食品組成物。
  6. 乳脂肪球皮膜とロイシンを組み合わせてなる筋萎縮抑制用食品又は食品組成物。
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