JP6157967B2 - リチウム二次電池装置およびリチウム二次電池装置の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池装置およびリチウム二次電池装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、安全性の高いセパレータを備えたリチウム二次電池装置に関する。
電池の使用形態は、単電池の他に、数十個程度までの単電池を組み合わせた「組電池」と一般的に呼ばれるものがある。組電池は、電子機器用、電動工具用、車載用などに用いられている。また、電池の他の使用形態として、数百個程度までの単電池を組み合わせた「電池モジュール」と一般的に呼ばれるものがある。電池モジュールは、ビルのバックアップ電源、風力発電の蓄電装置、携帯電話の基地局用電源などに用いられている。本明細書で使用する「電池装置」という用語は、上記の「組電池」と「電池モジュール」の両方を含んだものである。
リチウム二次単電池には、正極と負極の間に両極の電気絶縁を保つためにセパレータが挿入されている。セパレータには、シャットダウン機能を有するポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系微多孔膜が主に用いられている。シャットダウン機能とは、電池が過熱した際に、内部の孔が閉塞してLiイオンの移動を妨げ、電池内の電流を止めることで熱暴走を抑制する機能である。以下、シャットダウン機能が発揮されることを、「シャットダウンする」ともいう。
リチウム二次単電池を充放電すると、電流値に応じたジュール発熱により電池温度が上昇する。複数のリチウム二次単電池で構成されるリチウム二次電池装置(以下、単に、電池装置ともいう)における充放電では、中心部と外周部で放熱状態が異なるため、電池装置に温度分布が生じる。なお、複数の正極と負極とセパレータからなる電極群(以下、単に、電極群ともいう)を内部に有するラミネート型単電池でも同様に、中心部と周辺部における電極群に温度分布が生じる。
温度分布を持つ電池装置や、温度分布を持つ電極群を有するラミネート型単電池が、過充電他の理由で過熱し温度が上昇した場合、セパレータのシャットダウンする温度(以下、シャットダウン温度ともいう)が同一であると、温度の高い中心部ではシャットダウンするが、温度の低い外周部ではシャットダウンせず電流が流れ続け、電池温度がさらに上昇し電池の熱暴走の危険性が高くなる。
そこで、特許文献1では、温度の低い外周部にはシャットダウン温度の低いポリエチレン(PE)、温度の高い中心部にはシャットダウン温度の高いポリプロピレン(PP)のセパレータを用いた電極群で単電池を構成し、過充電等の異常時に当該電池の温度が上昇した場合、電極群内の温度分布に応じてPEおよびPPのセパレータが各々シャットダウンすることにより、当該電池全体を短時間でシャットダウンし、安全に停止させることが提案されている。
特開2006−331922号公報
しかし、特に、電池装置(組電池や電池モジュール)のように、電源の規模が大きくなると、PEやPPが本来具備しているシャットダウン温度の差では対処できないくらいの温度分布が電池装置内に生じることがある。そのため、電池装置全体を短時間にシャットダウンさせるには、その温度分布が生じている領域内の高温領域に使用するセパレータのシャットダウン温度と、低温領域に使用するセパレータのシャットダウン温度の差を、さらに広げる必要があった。
請求項1の発明によるリチウム二次電池装置は、正極と、負極と、単層あるいは複数層の微多孔膜が設けられたセパレータと、電解液とを備えたリチウム二次単電池を中心部に複数配置するとともに、中心部に配置したリチウム二次単電池を取り囲む外周部にリチウム二次単電池をさらに複数配置したリチウム二次電池装置において、中心部に配置されたリチウム二次単電池のセパレータ(第1セパレータ)のシャットダウン温度は、外周部に配置されたリチウム二次単電池のセパレータ(第2セパレータ)のシャットダウン温度よりも高く、第1セパレータのシャットダウン温度と、第2セパレータのシャットダウン温度との差が、5〜40℃であり、第1セパレータ及び第2セパレータのシャットダウン温度の範囲が100〜160℃であることを特徴とする。
本発明によれば、リチウム二次電池装置の温度が上昇して装置の中心部と外周部の間に温度分布が生じた際に、電池装置全体で、短時間でシャットダウンすることができ、余分な電池温度の上昇を招くことなく安全に停止することができる。
円筒型リチウム二次電池の摸式図 標準シャットダウンセパレータの摸式図 低温シャットダウンセパレータの摸式図 小規模な円筒型リチウム二次電池装置の概要図 別構成の低温シャットダウンセパレータの摸式図 別構成の低温シャットダウンセパレータの摸式図 大規模なリチウム二次電池装置の概要図 ラミネート型リチウム二次電池の概要図
――第1実施形態――
本実施形態のリチウム二次電池装置を構成する次円筒型リチウム二次単電池10(以下、単電池10とも呼ぶ)を図1に示す。型式としては18650型を用いた。単電池10は、正極5と負極8、および正極5と負極8を電気絶縁するためのセパレータ7を両極間に挟んだ状態で捲回して電池容器6内に入れた後、非水溶性あるいは水溶性の電解液を注液し封入することにより作製される。正極5は正極端子4と、負極8は負極端子9と各々電気的に接続されており、正極端子4と負極端子9とを介して、単電池10の充放電を行う。
正極5は正極活物質、導電剤、結着剤、有機溶剤を混錬したペーストを集電体に塗布して作製することができる。正極活物質には、リチウムイオンを吸着、放出できる物質が用いられ、例えば、Ni系、Co系、Mn系等の活物質が挙げられる。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素系材料が用いられる。結着剤には、例えばポリフッ化ビニリデンを用いることができる。有機溶媒には、N−メチル−2−ピロリドンを用いることができる。正極用の集電体には、導電性金属であるアルミニウムの箔を用いることができる。負極8は負極活物質、導電剤、結着剤、有機溶媒を混錬したペーストを集電体に塗布して作製することができる。負極活物質には、リチウムイオンを挿入、脱離できる物質として、例えば黒鉛、炭素繊維等を用いることができる。導電剤、結着剤、有機溶媒には正極と同様の材料を用いることができる。集電体には、導電性材料として例えば銅箔を用いることができる。電解液には、電解質塩を有機溶剤に溶かした非水溶性電解液として、例えば六フッ化リン酸リチウムを用いることができる。
セパレータ7には、図2に示す標準シャットダウンセパレータ7a(以下、セパレータ7aとも呼ぶ)、あるいは、図3に示す低温シャットダウンセパレータ7b(以下、セパレータ7bとも呼ぶ)を用いた。後述するように、低温シャットダウンセパレータ7bのシャットダウン温度は、標準シャットダウンセパレータ7aのシャットダウン温度よりも低く設定されている。
図2は、標準シャットダウンセパレータ7aの断面を摸式的に示す図である。標準シャットダウンセパレータ7aは、微多孔膜2の片側に耐熱材層1を塗布により設けたものである。本実施形態の微多孔膜2の厚さは、16μmである。耐熱材層1は、微多孔膜2の表面にベーマイト分散体に界面活性剤および結着剤を添加した溶液を塗布し、その後乾燥させることにより形成される。耐熱材層1の厚さは5μmである。分散体に用いる溶媒は水、アルコールなど、耐熱材が分散できれば、溶媒の種類は問わない。
微多孔膜2はポリエチレン膜をポリプロピレン膜で挟んだ構成の3層構造(不図示)のものを用いた。微多孔膜2を構成するポリエチレン膜とポリプロピレン膜のそれぞれには、Liイオンが移動するための孔が開いている。この孔が閉塞する温度、すなわち、シャットダウン温度は、ポリエチレン膜では125〜140℃であり、ポリプロピレン膜では160〜170℃である。このように、微多孔膜2に使用される部材は、100℃以下で使用されるという単電池10の一般的な使用状況を考慮し、シャットダウン温度が100℃以上のものが選定される。100℃以下のものを選定すると、通常の電池の使用状況でシャットダウンしてしまう可能性があるからである。
さらに、微多孔膜2を構成するポリエチレン膜とポリプロピレン膜のそれぞれは、機械的強度を向上させるために製造時に一軸延伸あるいは二軸延伸が施されている。上記の延伸により、ポリエチレン膜とポリプロピレン膜のそれぞれには歪が残っている。それぞれの膜を単体で用いると、高温状態でこの歪が原因となり、熱収縮が起こりやすくなる。ポリエチレン膜の熱収縮が起こる温度は、ポリエチレン膜のシャットダウン温度より高くはあるが、近傍にある。同様に、ポリプロピレン膜の熱収縮が起こる温度は、ポリプロピレン膜のシャットダウン温度より高くはあるが、近傍にある。
この熱収縮がある程度進行すると破膜することがある。破膜すると正極と負極の短絡が起こり、熱暴走が発生する事態となり得る。そのため、本実施形態の微多孔膜2では、ポリエチレン膜をポリプロピレン膜で挟む構成にして、ポリエチレン膜のシャットダウン温度を多少越えても容易に破膜しないようにしている。さらに、セパレータ7には耐熱材層1が設けられているため、耐熱材層1が微多孔膜2を補強して、微多孔膜2の破膜をさらに防止することができる。この耐熱材層1は、ポリプロピレン膜のシャットダウン温度よりも高く温度上昇した際にも熱収縮を防止することができる。
図3は、低温シャットダウンセパレータ7bの摸式図である。低温シャットダウンセパレータ7bは、微多孔膜2の片側に、標準シャットダウンセパレータ7aの場合と同一の耐熱材層1を、反対側に低融点材層3をそれぞれ塗布により設けたものである。すなわち、低温シャットダウンセパレータ7bは、標準シャットダウンセパレータ7aの構成に、さらに低融点材層3を設けた構成になっている。
低融点材層3に用いられる低融点材は以下の理由で選定される。通常の電池の使用温度は100℃以下で使用されることが多い。さらに、低融点材層3の意義は、セパレータのシャットダウン温度を下げることにあるので、低融点材層3の低融点材は、本発明の微多孔膜2を構成するものの中で最低のシャットダウン温度である、ポリエチレン膜のシャットダウン温度(125〜140℃)よりも低い温度で融解し、微多孔膜2の孔を閉塞することが求められている。以上より、低融点材層3の低融点材は、融点が100〜125℃のものが選定される。特に、標準シャットダウンセパレータ7aとのシャットダウン温度との差を充分に設け、モジュール温度上昇時の安全性を向上させるため、シャットダウン温度を100〜115℃とすることが好ましい。また、リチウム二次電池装置の運転時にリチウム二次電池装置内の温度差が大きすぎることにより当該運転が不安定となる可能性がある。そこで、その温度差を5〜40℃となるように、リチウム二次電池装置を設計することが好ましい。したがって、リチウム二次電池装置の設計温度に合わせて、低温シャットダウンセパレータ7bと標準シャットダウンセパレータ7aとのシャットダウン温度の差は、5〜40℃とすることが好ましい。
低温シャットダウンセパレータ7bにおける微多孔膜2と耐熱材層1の作製方法は、標準シャットダウンセパレータ7aのそれらと同様であるため、説明を省略し、低融点材層3の作製方法について説明する。ポリエチレンを含むポリオレフィンの水系溶媒の懸濁液に界面活性剤を溶媒体積に対して0.6体積%と結着剤をポリエチレンの重量に対して2質量%を添加し、水を加えて固形分(界面活性剤含む)30質量%溶液に濃度調整後、微多孔膜2の面のうち耐熱材層1が形成されている面と反対側の微多孔膜2の面に塗布し乾燥させ、低融点材層3を形成した。低融点材層3の膜厚は9μmとした。懸濁液に用いる溶媒は水、アルコールなど、低融点材が分散できれば、溶媒の種類は問わない。
低融点材を塗布により形成する場合、溶液中の重量割合を低融点材6質量%以上、界面活性剤が溶媒に対して0.05体積%以上および結着剤が低融点材に対して0.5質量%以上の条件で成膜することが好ましい。低融点材が7質量%未満の場合、単位面積当たりの低融点材重量が少なくなり、融解した時のシャットダウン性能が不十分となる。界面活性剤が0.05体積%未満の場合、低融点材の分散が不十分かつ微多孔膜2とのなじみが悪く、低融点材が均一に塗布できなくなる。結着剤が0.5質量%未満の場合、低融点材と微多孔膜2との結着が不十分で、乾燥後に微多孔膜2から低融点材の剥れが起こる。
微多孔膜2に耐熱材層1および低融点材層3を設ける方法として、他には、スプレイによる方法、CVDによる方法等がある。塗布法は、簡便であって、均一な膜を低コストで得る方法であるため好適である。
結着剤としては、EVA(酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA)、ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が使用できる。
低温シャットダウンセパレータ7bの透気度と熱収縮率を評価した。透気度は室温では330s/100ccであったが、110℃では1990s/100ccとなり値が上昇した。また、温度150℃における熱収縮率は3%であり、目標とする10%以内にあった。上記の評価から、微多孔膜2に耐熱材層1と低融点材層3を設けた低温シャットダウンセパレータ7bが過熱された場合、熱収縮による正極5と負極8の短絡を防止できると共に、110℃付近でシャットダウンできることが可能であることを確認した。なお、この熱収縮率の目標は、下記事情と正極と負極とセパレータの寸法を考慮し、熱収縮時に正極5と負極8が短絡しない値として選定されている。セパレータは、高温で熱収縮するが、収縮率が大きくなると正極、負極の絶縁が破れ、短絡が発生する可能性がある。高温条件での短絡は危険が大きいため、セパレータを電極に対して大面積とするなど、対策が必要となる。セパレータの熱収縮率は、150℃で10%以下が望ましく、特に8%以下であることが好ましい。
図4は、図1に示す単電池10を用いて構成した、小規模な円筒型リチウム二次電池装置20(以下、電池装置20とも呼ぶ)の概要を示す図である。なお、図には示していないが、これらの単電池10をパッキングしたものが一般的な電池装置20の形態である。この規模の電池装置は、一般的には組電池と呼ばれている。電池の本数としては、数十本程度まで、用途としては、電子機器用、電動工具用、車載用などが挙げられる。電池装置20は、単電池10を25本用いて構成している。そのうち、図4の点線の枠で示された、充放電で相対的に高温となる電池装置20の中心部の9本は、標準シャットダウンセパレータ7aを用いた標準シャットダウンセパレータ適用単電池10a(以下、単電池10aとも呼ぶ)である。これに対して相対的に低温となる外周部の16本は、低温シャットダウンセパレータ7bを用いた低温シャットダウンセパレータ適用単電池10b(以下、単電池10bとも呼ぶ)である。標準シャットダウンセパレータ適用単電池10aと低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bのセパレータ以外の構成は共通とし、正極5の正極活物質はMn系材料、負極8の負極活物質には黒鉛系材料を用いた。電池容量は1.25Ahとした。以上の条件で上記2種類の電池の温度を調べたところ、電池装置20を充電した際の標準シャットダウンセパレータ適用単電池10aの平均温度は、低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bの平均温度と比べて10〜20℃程度高かった。
図4の電池装置20の過充電における安全性を確認するため、過充電特性を評価した。電池装置20を満充電(SOC100%)まで充電した状態からさらに充電を継続し、電圧、電流、電池温度の特性を確認した。試験条件は充電レート2C、定電流定電圧(CCCV)モード、上限電圧8.4Vとした。
電池装置20を2.5Aの一定電流で過充電していくと、それぞれの単電池10の温度が上昇し始め、SOC200%付近で中心部の標準シャットダウンセパレータ適用単電池10aと外周部の低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bとが共にシャットダウンした。それぞれの単電池10のセパレータ7のシャットダウンにより、電池装置20の抵抗(DCR)が増加し、電池電圧が上限値まで上昇した後、充電モードが定電流(CC)から定電圧(CV)に切り替わり、電流値が徐々に低下した。電流値の低下に伴って発熱が収まり電池温度は徐々に低下し、電池装置20のそれぞれの単電池10は安全に停止した。
定電流定電圧(CCCV)モード、上限電圧8.4Vで、充電レートを5C(6.25A)または8C(10A)にしたそれぞれの条件における過充電特性も確認したところ、いずれの条件においても、電池装置20のそれぞれの単電池10は安全に停止した。
以上説明した第1実施形態の二次電池装置は、正極14と、負極15と、単層あるいは複数層の微多孔膜2が設けられたセパレータ7a、7bと、電解液とを備えたリチウム二次単電池10を中心部に複数配置するとともに、中心部に配置したリチウム二次単電池10を取り囲む外周部にリチウム二次単電池10をさらに複数配置した構成されている。中心部に配置されたリチウム二次単電池10のセパレータ(第1セパレータ)のシャットダウン温度は、外周部に配置されたリチウム二次単電池10のセパレータ(第2セパレータ)のシャットダウン温度よりも高い。
すなわち、本実施形態の電池装置20では、高温になりやすい中心部に標準シャットダウンセパレータ適用単電池10aを、比較的低温である外周部に低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bを配置した。これにより、過充電で電池装置20の温度が上昇した場合に、単電池よりも大きい温度分布を有する電池装置20でも十分応じたシャットダウンが可能となり、短時間で充電電流を遮断し、電池温度の上昇を防止し、電池装置20の単電池10a、10bを安全に停止させることができる。また、標準シャットダウンセパレータ7a、及び、低温シャットダウンセパレータ7bには耐熱材層1が設けられているため、仮に、電池温度が微多孔膜2の熱収縮が起こる温度に到達したとしても、熱収縮しないようにすることができる。
本実施形態では、微多孔膜2として、ポリエチレンとポリプロピレンから構成される3層構造のものを用いたが、ポリプロピレンの単層構造などにしてもよい。本発明のセパレータ7には、耐熱材層1が設けられているため、微多孔膜2がポリプロピレンの単層であっても破膜することはない。以降の実施形態および変形例においても同様である。
本実施形態では、低融点材層3の材料としてポリエチレンを含むポリオレフィンを用いたが、ポリエチレンを単独で用いることや、合成ワックス剤を用いることも可能である。以降の実施形態および変形例においても同様である。
本実施形態の耐熱材層1にはベーマイトを用いたが、Al、Al酸化物(アルミナ)、水酸化アルミニウム、ベーマイト、Si、Si酸化物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムのいずれか1種類または2種類以上の混合物を用いてよい。
本実施形態では、耐熱材層1を微多孔膜2の片側にしか設けていないが、微多孔膜2の両側に設けることも可能である。また、本実施形態では、低融点材層3も微多孔膜2の片側にしか設けていないが、微多孔膜2の両側に設けることも可能である。以降の実施形態および変形例においても同様である。
本実施形態では、単電池として円筒型リチウム二次電池(18650型)を用いたが、他の型式の円筒型リチウム二次電池でも同様の作用効果を奏する。単電池として、他に、ラミネート型リチウム二次電池などを用いてもよい。
――第1実施形態の変形例1――
第1実施形態の電池装置20の低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bで用いた低温シャットダウンセパレータ7bの代わりに、図5に示す低温シャットダウンセパレータ7cを用いることができる。低温シャットダウンセパレータ7cは、微多孔膜2の上に耐熱材層1、その上に低融点材層3を設けたものである。低温シャットダウンセパレータ7cのシャットダウン温度に到達すると、低温シャットダウンセパレータ7cの低融点材層3の低融点材が融解し、耐熱材層1を通過して、微多孔膜2の孔を閉塞する。低温シャットダウンセパレータ7cには、以上のような作用効果があるため、第1実施形態の電池装置20の低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bの低温シャットダウンセパレータ7bと同様なシャットダウン効果を奏する。よって、本変形例の電池装置20も第1実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、微多孔膜2の片面に耐熱材層1と低融点材層3を塗布して形成するため、塗布工程の簡略化が可能となる。
――第1実施形態の変形例2――
第1実施形態の電池装置20の低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bで用いた低温シャットダウンセパレータ7bの代わりに、図6に示す低温シャットダウンセパレータ7dを用いることができる。低温シャットダウンセパレータ7dにおいては、微多孔膜2の一方の面に耐熱材と低融点材の混合材を塗布して混合層13を設け、微多孔膜2の他方の面に耐熱材層1を設けた。低温シャットダウンセパレータ7dのシャットダウン温度に到達すると、混合層13に含まれる低融点材が融解し、微多孔膜2の孔を閉塞する。低温シャットダウンセパレータ7dには、以上のような作用効果があるため、第1実施形態の電池装置20の低温シャットダウンセパレータ適用単電池10bの低温シャットダウンセパレータ7bと同様なシャットダウン効果を奏する。よって、本変形例の電池装置20も第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、異なる材料層を積層する方法に比して、作業工程を簡略化でき、生産コストも低下する。
なお、第1実施形態やその変形例で述べた標準シャットダウンセパレータ7aと低温シャットダウンセパレータ7b、7c、7dには耐熱材層1が設けられているが、耐熱材層1を設けないことも可能である。標準シャットダウンセパレータは、微多孔膜2のみの構成となり、低温シャットダウンセパレータは、微多孔膜2に低融点材層3が設けられた構成となるが、このようなセパレータを作製することも可能である。
――第2実施形態――
図7は、大規模なリチウム二次電池装置40(以下、電池装置40とも呼ぶ)の概要図である。これは、第1実施形態に示した電池装置20よりも大規模に組み合わせた電池装置であり、一般的に電池モジュールと呼ばれている。規模としては、電池の本数が数百本程度のもので、用途としては、ビルのバックアップ電源用、携帯電話の基地局用、風力発電の蓄電装置用などが挙げられる。電池の形式としては、円筒型リチウム二次単電池10やラミネート型リチウム二次電池などが適用可能である。
電池装置40は、高温になりやすい中心部に標準シャットダウンセパレータ7aが適用された電池で構成された標準シャットダウンセパレータ適用電池ユニット30を配置し、比較的低温の外周部に低温シャットダウンセパレータ7bが適用された電池で構成された低温シャットダウンセパレータ適用電池ユニット31を配置した構造となっており、過充電時に電池装置40の温度分布に対応したシャットダウンをすることにより、第1実施形態、第2実施形態と同様に、過充電時に電池装置40を短時間に安全に停止することができる。
なお、本実施形態でも、低温シャットダウンセパレータ7bの代わりに、第1実施形態の変形例1、2で示した低温シャットダウンセパレータ7c、7dが適用できる。
また、標準シャットダウンセパレータ7aと低温シャットダウンセパレータ7b、7c、7dには耐熱材層1が設けられているが、耐熱材層1を設けないことも可能である。その場合、標準シャットダウンセパレータは、微多孔膜2のみの構成となり、低温シャットダウンセパレータは、微多孔膜2に低融点材層3が設けられた構成となるが、このようなセパレータを作製することも可能である。
――第3実施形態――
図8に、ラミネート型電池を用いた、ラミネート型リチウム二次電池21(以下、電池21と呼ぶ)の内部構造を示す。電池21は単電池であるが、内部に電極群、すなわち、電池構成体を複数有するため、電極群の中心部から外周部にかけて温度分布が生じる。電池21は正極14、負極15および標準シャットダウンセパレータ7a、低温シャットダウンセパレータ7bから構成した。標準シャットダウンセパレータ7aおよび低温シャットダウンセパレータ7bの構成は、第1実施形態と同様である。相対的に温度の高い中心部には標準シャットダウンセパレータ7a、温度の低い外周部には低温シャットダウンセパレータ7bを用いた。
本実施形態では、微多孔膜2の厚さは16μm、耐熱材層1の厚さは3μm、低融点材層3の厚さは4μmとした。以上の条件の本実施形態における低温シャットダウンセパレータ7bの特性を評価したところ、熱収縮率は150℃で8%、室温での透気度は414s/100cc、110℃での透気度は低融点材の溶融によりセパレータの孔が閉塞して測定不可であった。第2実施形態に用いた低温シャットダウンセパレータ7bは昇温時において電極短絡を起こさない熱収縮の抑制とシャットダウン効果が両立できることを確認した。
電池21の過充電時における特性を過充電試験で確認した。電池仕様は第1実施形態と同様に正極活物質がMn系材料、負極活物質が黒鉛系材料、電池容量は1.25Ahとした。試験条件は定電流定電圧(CCCV)モード、上限電圧8.4V、充電レートは2C、5Cとした。本実施形態の電池21の過充電特性は、第1実施形態の電池装置20と同様にシャットダウン温度の異なるセパレータ7a、7bが温度分布に応じてシャットダウンすることにより、電池抵抗が増加して電流が減少し、電池21が安全に停止した。
本実施形態の電池21でも、第1実施形態同様、高温になりやすい中心部に標準シャットダウン7aを、比較的低温である外周部に低温シャットダウンセパレータ7bを配置した。これにより、過充電で電池21の温度が上昇した場合に、電池21の温度分布に応じたシャットダウンが可能となり、短時間で充電電流を遮断し、電池温度の上昇を防止し、電池21全体を安全に停止させることができる。また、標準シャットダウンセパレータ7a、及び、低温シャットダウンセパレータ7bには耐熱材層1が設けられているため、仮に、電池温度が微多孔膜2の熱収縮が起こる温度に到達したとしても、標準シャットダウンセパレータ7a、及び、低温シャットダウンセパレータ7bは熱収縮しない。
なお、本実施形態でも、低温シャットダウンセパレータ7bの代わりに、第1実施形態の変形例1、2で示した低温シャットダウンセパレータ7c、7dが適用できる。
また、標準シャットダウンセパレータ7aと低温シャットダウンセパレータ7b、7c、7dには耐熱材層1が設けられているが、耐熱材層1を設けないことも可能である。その場合、標準シャットダウンセパレータは、微多孔膜2のみの構成となり、低温シャットダウンセパレータは、微多孔膜2に低融点材層3が設けられた構成となるが、このようなセパレータを作製することも可能である。
なお、標準シャットダウンセパレータ7a(以下、本段落において、セパレータ7a)と、低温シャットダウンセパレータ7b(以下、本段落において、セパレータ7b)とを備えるラミネート型電池を本発明のリチウム二次電池装置に使用することも可能である。具体例として、図7の標準シャットダウンセパレータ適用電池ユニット30(以下、本段落において、ユニット30)に、セパレータ7aのみを用いたラミネート電池、低温シャットダウンセパレータ適用電池ユニット31(以下、本段落において、ユニット31)に本実施形態のラミネート電池21(以下、本段落において、電池21)を用いることも可能である。こうすることで、ユニット30を構成する電池の全てのセパレータと、ユニット31を構成する電池のセパレータ7bがほぼ同時にシャットダウンする。ユニット31を構成する電池のセパレータ7aはシャットダウンしないことが考えられるが、上述したシャットダウン状況で十分に発電性能は抑えられており、熱暴走を抑制することは十分可能である。もしくは、ユニット30に、電池21を用い、ユニット31に、電池21のセパレータ7aのいくつかをセパレータ7bに置き換えて電池21よりもセパレータ7bを多く配置したラミネート電池を用いることも可能である。こうすることで、ユニット30を構成する電池21のセパレータ7bが最初にシャットダウンし、次にユニット30を構成する電池21のセパレータ7aとユニット31を構成する電池のセパレータ7bがほぼ同時にシャットダウンする。この場合でもユニット31を構成する電池のセパレータ7aは、シャットダウンしないことが考えられるが、やはり、上述したシャットダウン状況で十分に発電性能は抑えられており、熱暴走を抑制することは十分可能である。
以上の実施形態及び変形例においては、標準シャットダウンセパレータと低温シャットダウンセパレータという2種類のセパレータのうちのいずれかを用いた電池で電池装置を構成した。より好ましい形態としては、低融点材層3の材質や塗布方法などを変えることで、低温シャットダウンセパレータの種類を増やして、標準シャットダウンセパレータも含む、シャットダウン温度の異なる3種類以上のセパレータの中のいずれかを用いた電池で電池装置を構成することも可能である。このようにすることで、電池装置内の温度分布に対してより細かく対応することができ、より短時間で電池装置全体のシャットダウンを行うことが可能となる。
以上の実施形態および変形例によるリチウム二次電池装置は、以下のような作用効果を奏する。
(1)本発明のリチウム二次電池装置は、正極と、負極と、単層あるいは複数層の微多孔膜が設けられたセパレータと、電解液とを備えたリチウム二次単電池を中心部に複数配置するとともに、中心部に配置したリチウム二次単電池を取り囲む外周部にリチウム二次単電池をさらに複数配置して構成されている。中心部に配置されたリチウム二次単電池のセパレータ(以下、第1セパレータ)のシャットダウン温度は、外周部に配置されたリチウム二次単電池のセパレータ(以下、第2セパレータ)のシャットダウン温度よりも高くなっている。すなわち、第1セパレータは標準シャットダウンセパレータであり、第2セパレータは標準シャットダウンセパレータよりも低温でシャットダウンする低温シャットダウンセパレータである。
これにより、電池装置の温度分布に応じたセパレータのシャットダウンが可能となる。よって、電池装置が過充電などで過熱し電池温度が上昇した場合、電池装置全体で充電電流を短時間で遮断することができ、余分な電池温度の上昇を招くことなく安全に停止できる。
(2)本発明のリチウム二次電池装置の外周部に配置されたリチウム単二次電池のセパレータには、低温シャットダウンセパレータに、低融点材層が設けられるようにしてもよい。低温シャットダウンセパレータのみ低融点材層が設けられることで、微多孔膜が具備するシャットダウン温度よりも低いシャットダウン温度を具備することができる。
(3)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、セパレータのシャットダウン温度の範囲を100〜160℃に定めるのが好ましい。シャットダウン温度の範囲の下限を100℃としたことにより、電池装置の通常の使用を阻害しないようにすることができる。また、シャットダウン温度の範囲の上限を160℃としたことにより、微多孔膜の熱収縮の抑制とシャットダウンの両立を図ることができる。
(4)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、標準シャットダウンセパレータの具備しうるシャットダウン温度を125〜140℃とし、低温シャットダウンセパレータの具備しうるシャットダウン温度を100〜125とし、標準シャットダウンセパレータのシャットダウン温度と低温シャットダウンセパレータのシャットダウン温度との差を、5〜40℃に定めるのが好ましい。電池装置の実際の温度状況を考慮して、2種類のセパレータのそれぞれのシャットダウン温度をより細かく設定したことで、より短時間に、安全に電池装置全体をシャットダウンすることができる。
(5)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、セパレータに耐熱材層を設けるのが好ましい。耐熱材層が設けられたことで、微多孔膜の形状が安定し、仮に電池温度が微多孔膜のシャットダウン温度以上になったとしても、微多孔膜が熱収縮を抑えることができる。
(6)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、セパレータの150℃における熱収縮率を8%以内に定めるのが好ましい。これにより、セパレータの熱収縮による正極と負極の短絡を防止することができ、電池の安全性が向上できる。
(7)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、低融点材層は、ポリエチレン、合成ワックス、ポリオレフィン系樹脂のいずれか1種類または2種類以上の混合物からなる低融点材を用いて形成するのが好ましい。これにより、微多孔膜よりも低温度で溶融し微多孔膜の孔を閉塞でき、Liイオンの移動が遮断され、電池温度の上昇が止まり、電池が安全に停止するようにできる。
(8)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、低融点材層は、界面活性剤、結着剤、及び、水系エマルジョン化された低融点材を含む溶液を用いて形成されるのが好ましい。これにより、低融点材がセパレータとなじみやすくなり、表面に均一な低融点材層を形成することができる。
(9)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、溶液中の低融点材の重量割合を6質量%以上とし、溶液中の界面活性剤の体積割合を溶媒に対して0.05体積%以上とし、溶液中の結着剤の重量割合を低融点材に対して0.5質量%以上とするのが好ましい。これにより、シャットダウンに必要な単位面積当たりの低融点材の量が確保できるとともに、さらに均一な低融点材層を得ることができる。
(10)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、耐熱材層は、Al、Al酸化物(アルミナ)、水酸化アルミニウム、ベーマイト、Si、Si酸化物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムのいずれか1種類または2種類以上の混合物を用いて形成することができる。これにより、電池温度が微多孔膜の溶融上限温度を超えても耐熱材層の劣化は無く形状が維持されるため、セパレータの微多孔膜は熱収縮を抑えられ、正極と負極の短絡が防止できる。
(11)本発明のリチウム二次電池装置は、さらに、耐熱材層および低融点材層は、微多孔膜に塗布されることで設けられるのが好ましい。これにより、他の方法(例えば、スプレイ法など)よりも、簡便に均一な層を設けることができる。
上記の実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士を組み合わせることも可能である。
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
1…耐熱材層、 2…微多孔膜、 3…低融点材層、 4…正極端子、 5…正極、
6…電池容器、 7…セパレータ、 7a…標準シャットダウンセパレータ、
7b、7c、7d…低温シャットダウンセパレータ、 8…負極、 9…負極端子、
10…リチウム二次単電池、 10a…標準シャットダウンセパレータ適用電池、
10b…低温シャットダウンセパレータ適用電池、 13…混合層、
14…正極、 15…負極、 20…小規模なリチウム二次電池装置、
21…リチウム二次単電池
30…標準シャットダウンセパレータ適用電池ユニット、
31…低温シャットダウンセパレータ適用電池ユニット、
40…大規模なリチウム二次電池装置

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、単層あるいは複数層の微多孔膜が設けられたセパレータと、電解液とを備えたリチウム二次単電池を中心部に複数配置するとともに、前記中心部に配置したリチウム二次単電池を取り囲む外周部に前記リチウム二次単電池をさらに複数配置したリチウム二次電池装置において、
    前記中心部に配置された前記リチウム二次単電池の前記セパレータ(以下、第1セパレータ)のシャットダウン温度は、前記外周部に配置された前記リチウム二次単電池の前記セパレータ(以下、第2セパレータ)のシャットダウン温度よりも高く、
    前記第1セパレータのシャットダウン温度と、前記第2セパレータのシャットダウン温度との差が、5〜40℃であり、
    前記第1セパレータ及び前記第2セパレータのシャットダウン温度の範囲が100〜160℃であることを特徴とするリチウム二次電池装置。
  2. 請求項1に記載のリチウム二次電池装置において、
    前記第2セパレータは、融点が100〜125℃の低融点材を有する低融点材層を含むことを特徴とするリチウム二次電池装置。
  3. 請求項2に記載のリチウム二次電池装置において、
    前記低融点材は、ポリエチレン、合成ワックス、ポリオレフィン系樹脂のいずれかを含むことを特徴とするリチウム二次電池装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池装置において、
    前記第1セパレータの前記シャットダウン温度は、125〜140℃であり、
    前記第2セパレータの前記シャットダウン温度は、100〜125℃であることを特徴とするリチウム二次電池装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池装置において、
    前記第1セパレータ又は前記第2セパレータには、ベーマイト、Al酸化物、水酸化アルミニウム、Si酸化物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムのいずれか1種類または2種類以上の混合物よりなる耐熱材を有する耐熱材層が設けられていることを特徴とするリチウム二次電池装置。
  6. 請求項5に記載のリチウム二次電池装置において、
    前記耐熱材層が設けられたセパレータの150℃における熱収縮率が8%以内であることを特徴とするリチウム二次電池装置。
  7. 正極と、負極と、単層あるいは複数層の微多孔膜が設けられたセパレータと、電解液とを備えたリチウム二次単電池を中心部に複数配置するとともに、前記中心部に配置したリチウム二次単電池を取り囲む外周部に前記リチウム二次単電池をさらに複数配置したリチウム二次電池装置の製造方法であって、
    前記中心部に配置された前記リチウム二次単電池の前記セパレータ(以下、第1セパレータ)のシャットダウン温度は、前記外周部に配置された前記リチウム二次単電池の前記セパレータ(以下、第2セパレータ)のシャットダウン温度よりも高く、
    前記第1セパレータのシャットダウン温度と前記第2セパレータのシャットダウン温度との差が、5〜40℃であり、
    前記第1セパレータ及び前記第2セパレータのシャットダウン温度の範囲が100〜160℃であり、
    前記第2セパレータは、融点が100〜125℃の低融点材を有する低融点材層を含み、
    前記低融点材層は、界面活性剤、結着剤、及び、水系エマルジョン化された低融点材を含む溶液を用いて形成されることを特徴とするリチウム二次電池装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載のリチウム二次電池装置の製造方法において、
    前記溶液中の前記低融点材の重量割合を6質量%以上とし、
    前記溶液中の前記界面活性剤の体積割合を溶媒に対して0.05体積%以上とし、
    前記溶液中の前記結着剤の重量割合を前記低融点材に対して0.5質量%以上とすることを特徴とするリチウム二次電池装置の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載のリチウム二次電池装置の製造方法において、
    前記第1セパレータ又は前記第2セパレータには、ベーマイト、Al酸化物、水酸化アルミニウム、Si酸化物、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムのいずれか1種類または2種類以上の混合物よりなる耐熱材を有する耐熱材層がさらに設けられ、
    前記耐熱材層は、前記耐熱材の分散体に界面活性剤及び結着剤を添加した溶液を、前記微多孔膜に塗布し乾燥させることにより形成されることを特徴とするリチウム二次電池装置の製造方法。
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