JP6157805B2 - 内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠と内面被覆材一体型セグメントの製作方法 - Google Patents

内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠と内面被覆材一体型セグメントの製作方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリートセグメントの内面に内面被覆材が一体に形成された内面被覆材一体型セグメントを製作する際に使用する型枠と、この型枠を使用してなる内面被覆材一体型セグメントの製作方法に関するものである。
たとえば下水道施設等を構成するコンクリート構造物である、シールドトンネルや沈砂池、マンホールや汚泥貯留槽などが下水道施設等から生成される硫化水素などによって早期に劣化するのを防止するために、これらのコンクリート構造物を構成するコンクリートセグメントの内面(湾曲状のセグメントの内側面)に樹脂製(プラスチック製)の防食材を被覆してその機能維持を図り、耐久性を向上させた内面被覆材一体型セグメントが適用されることがある。
上記樹脂製の防食材は、硫化水素のみならず、各種の酸やアルカリによるコンクリートセグメントの劣化や、流水によるキャビテーションや流水中の砂による浸食からコンクリートセグメントを防護してその耐久性の向上に供されることから、耐薬品性や物理的衝撃に強い樹脂製の防食被覆材が適用されている。
そして、このような内面被覆材一体型セグメントの製造方法や製作の際に使用される型枠装置に関する技術が特許文献1に開示されている。
ここで開示される製造方法は、セグメント用型枠装置のセグメント内面に対応する型枠面に樹脂系シートを固定し、型枠内にコンクリートを打設することによってトンネル覆工用内面被覆セグメントを製造する方法に関し、セグメント内面に対応する型枠面に多数の開孔を形成しておき、この型枠面の裏側に真空度を調整可能な真空チャンバを形成しておき、真空チャンバ内を所定の負圧状態とすることによって樹脂系シートを吸引力によって固定した状態で型枠内にコンクリートを打設するものである。
この製造方法で使用される型枠装置では、真空ポンプを必要とすることから装置製作コストが嵩むことに加えて、真空度を調整する必要があることからその調整手間の問題もある。この真空度の調整に関してさらに言及するに、単に真空吸引にて樹脂系シートを型枠底面に固定できたとしても、フレッシュコンクリートの充填によって樹脂系シートが作用熱を受け、この熱によって熱膨張した際の問題を解消することはできない。
すなわち、樹脂系シートが熱膨張することでその端部が型枠の側面に当接し、さらに熱膨張した際には樹脂系シートが型枠側面に対する当接点を支点としてその中央が膨らむ(跳ね上がる)ような変形を来たすことになる。過度に真空吸引することによる樹脂系シートへの影響を勘案すると、このような熱変形による膨らみを解消するように熱変形(量)に応じた真空度の調整が要求されることが予想されるが、実際に熱変形量に応じて膨らみを生じさせないように真空度を調整するのは容易なことではなく、セグメント製造時の大きな問題となり得る。たとえば、コンクリートの早期強度発現のために高温養生(40〜60℃程度)をおこなう際には、樹脂製の内面被覆材は数mm程度も延びることがあるが、そのような熱変形の前にキャビティ内に内面被覆材を固定してしまうと、熱変形によって内面被覆材の中央が大きく膨らんでしまうことは理解に易い。そして、このように内面被覆材の中央が膨らんだ状態でフレッシュコンクリートがその表面に硬化してしまうと、所望の曲率を有するセグメントが製造できず、製造歩留まりの低下に繋がってしまう。
また、上記する熱変形の際の膨らみ(跳ね上がり)を防止するために両面テープなどによって内面被覆材をキャビティ底面に接着する方法も考えられるが、接着作業のための準備工程をはじめとして製造工数が増加するなどの問題がある。
特開2010−222837号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、内面被覆材一体型セグメントの製作に当たり、型枠内に収容された内面被覆材が充填されたフレッシュコンクリートから受ける作用熱によって熱変形した場合であっても、型枠底面から熱変形した内面被覆材が膨らんでしまうという課題を効果的に解消することができ、しかも上記する困難な真空度の調整などを不要とし、その製作コストも何等高価なものではない型枠と、この型枠を使用することで効率的かつ容易に内面被覆材一体型セグメントを製作することのできる製作方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠は、内面被覆材が一体となっているセグメントを製作するための型枠であって、前記型枠は、内面被覆材が収容されるとともにセグメント用のフレッシュコンクリートが充填される側面と底面から構成されたキャビティを備え、型枠のキャビティの側面のうち、底面から離れた位置には突起が設けてあり、この突起と底面の間に内面被覆材の端部が収容される収容空間が形成されており、収容空間には第1の弾性体が備えてあり、この第1の弾性体に内面被覆材の端部が当接した姿勢でキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填されるようになっているものである。
本発明の型枠は、内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠であり、側面、底面で画成されるキャビティの該側面に突起を有し、この突起と底面の間の収容空間で内面被覆材の端部を収容するようになっているものである。
ここで、内面被覆材は一般には樹脂製の部材であり、たとえば平板状に形成された内面被覆材は容易に変形することができる。そして、一般に湾曲状を呈しているセグメントの該湾曲状に沿うように内面被覆材を変形させてその端部を収容空間に収容することにより、キャビティ内に内面被覆材を仮固定することができる。
ここで、キャビティが4つの側面と1つの底面から画成される平面視方形の溝の場合(底面は一般には湾曲面)を例示するに、この4つの側面に連続した枠状の突起が形成されている形態、間欠的な突起(隙間を置いて複数の突起が連続している)が形成されている形態など、キャビティ側面に形成される突起の形態は任意である。いずれの形態にせよ、突起によって連続的な、もしくは間欠的な収容空間が形成され、この収容空間に内面被覆材の端部の一部もしくは全部を収容できるものであればよい。
本発明の型枠は上記する収容空間を有することに加えて、この収容空間に弾性体(第1の弾性体)が収容されていることも特徴の1つである。
収容空間に弾性体が収容され、収容空間に収容された内面被覆材の端部が弾性体に当接した状態でその仮固定が図られるとともに、その後にキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填され、このフレッシュコンクリートから受ける作用熱で内面被覆材が熱変形した場合でも、この熱変形の際の膨張量を弾性体の変形で吸収することが可能となる。
すなわち、本発明の型枠は、フレッシュコンクリート充填時に内面被覆材が受ける作用熱に起因する熱変形を許容しながら、この熱変形によっても内面被覆材の端部がキャビティの側面を支点としてその中央が膨らむような変形を効果的に解消できるものである。
しかも、この膨らみの解消において、既述する従来技術のように精緻な真空度の調整などは一切不要であるし、型枠自体もキャビティの側面に突起があり、収容空間に適宜の弾性体が収容されただけのシンプルな改良構成のものであることからその製作コストは何等高価なものとはならない。
なお、上記型枠は、鋼製、アルミニウム製、ステンレス製等の金属製のもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂製のもの、セラミックス製のものなど、その構成素材は任意である。
また、弾性体としては、比較的剛性もあって内面被覆材を仮固定できる発泡ゴムや、側面に固定されたボルトの先端に変形自在なパッキンが取り付けられた形態など、その形態は多様である。
また、本発明による内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠の他の実施の形態は、キャビティの前記底面には、製作される内面被覆材一体型セグメントの有するグラウトホール形成用の凸部が設けてあり、前記凸部の周りに第2の弾性体が備えてあり、内面被覆材にはグラウトホール用の開口が設けてあり、第2の弾性体に前記グラウトホール用の開口の端部が当接するようになっているものである。
設置後のその背面にグラウトが注入されるセグメントの場合には、セグメントのたとえば中央位置にグラウトホールが形成されるため、このようなセグメントを製作する場合には、型枠のキャビティを構成する底面にグラウトホール形成用の凸部を設けておく。
そして、このような凸部をたとえばキャビティの底面の中央位置に設けておく場合には、キャビティ内に仮設置される内面被覆材の対応箇所にはグラウトホール用の開口が設けてあり、内面被覆材を変形させながらその端部を収容空間に収容させ、さらにこの開口をグラウトホール形成用の凸部に嵌めるようにして収容する。
すなわち、この収容姿勢において、グラウトホール形成用の凸部と内面被覆材のグラウトホール用の開口が当接してしまうと、フレッシュコンクリートから受ける作用熱による熱変形の際に当接箇所が支点となって膨らみの原因となることから、これを解消するべく、この箇所においても弾性体(第2の弾性体)を設けておくものである。
第2の弾性体に内面被覆材のグラウトホール用の開口の端部が当接することにより、これが熱変形した場合にはその熱膨張量を第2の弾性体の変形で吸収することができ、したがって、グラウトホールを有する内面被覆材一体型セグメントを製作する場合においても、内面被覆材の熱膨張による膨らみを解消することができ、所望の曲率をもった内面被覆材一体型セグメントを製作することができる。
また、本発明による内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠の好ましい実施の形態は、キャビティの前記底面のうち、前記収容空間よりもキャビティの内側には第1の凹溝が設けてあり、この第1の凹溝にパッキンが収容されているものである。
キャビティに充填されたフレッシュコンクリートは内面被覆材の端部を回り込んで内面被覆材の裏面(キャビティの底面側)に達し、固まってノロとなる可能性がある。このようなノロは内面被覆材一体型セグメントの内面(表面)に付着することからその清掃が余儀なくされる。
そこで、たとえば、キャビティの底面において、収容空間よりも内側にたとえば枠状に第1の凹溝を設けておき、この枠状の第1の凹溝に枠状のパッキンを収容しておくことにより、フレッシュコンクリートの回り込みをこの枠状のパッキンで完全に防ぐことができ、ノロの除去清掃を不要とすることができる。
なお、キャビティの前記底面がグラウトホール形成用の凸部を有する場合には、この凸部の周りに別途の第2の凹溝を設けておき、この第2の凹溝にも別途のパッキンを収容した型枠を適用するのがよい。
また、本発明は内面被覆材一体型セグメントの製作方法にも及ぶものであり、この製作方法は、内面被覆材が一体となっているセグメントを製作する方法であって、内面被覆材が収容されるとともにセグメント用のフレッシュコンクリートが充填される側面と底面から構成されたキャビティを備え、型枠のキャビティの側面のうち、底面から離れた位置には突起が設けてあり、この突起と底面の間に内面被覆材の端部が収容される収容空間が形成されており、該収容空間には第1の弾性体が備えてあり、この第1の弾性体に内面被覆材の端部が当接した姿勢でキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填されるようになっている型枠を用意する第1のステップ、内面被覆材を変形させながらその端部を収容空間に収容するようにしてキャビティの底面に内面被覆材を当接させながらキャビティに収容する第2のステップ、フレッシュコンクリートをキャビティに充填し、フレッシュコンクリートからの作用熱による内面被覆材の熱変形を第1の弾性材で吸収しながらフレッシュコンクリートの硬化を待ち、脱型して内面被覆材一体型セグメントを製作する第3のステップからなるものである。
本発明の製作方法によれば、既述する本発明の型枠を使用することにより、効率的かつ容易に、しかも製作歩留まりを低下させることなく、内面被覆材一体型セグメントを製作することができる。
また、本発明の製作方法においても、キャビティの前記底面には、製作される内面被覆材一体型セグメントの有するグラウトホール形成用の凸部が設けてあり、前記凸部の周りに第2の弾性体が備えてあり、内面被覆材にはグラウトホール用の開口が設けてある場合には、前記第2のステップにおいてさらに第2の弾性体に前記グラウトホール用の開口の端部を当接させ、前記第3のステップにおいてフレッシュコンクリートからの作用熱による内面被覆材の熱変形を第2の弾性材でも吸収するものとなる。
また、キャビティの前記底面のうち、前記収容空間よりもキャビティの内側には第1の凹溝が設けてあり、前記第1のステップでは第1の凹溝にパッキンを収容しておくのが内面被覆材の表面にノロが付着するのを防止する観点から好ましい。そして、キャビティの前記底面のうち、グラウトホール形成用の凸部を有する場合には、この凸部の周りに第2の凹溝が設けておき、前記第1のステップでは、さらに第2の凹溝にもパッキンを収容するのがよい。
以上の説明から理解できるように、本発明の内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠と内面被覆材一体型セグメントの製作方法によれば、内面被覆材が収容されるとともにセグメント用のフレッシュコンクリートが充填される側面と底面から構成されたキャビティを備え、型枠のキャビティの側面のうち、底面から離れた位置には突起が設けてあり、この突起と底面の間に内面被覆材の端部が収容される収容空間が形成されており、該収容空間には第1の弾性体が備えてあり、この第1の弾性体に内面被覆材の端部が当接した姿勢でキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填されるようになっている型枠を使用することにより、型枠自体の製作コストは高価なものとはならず、しかも、製作歩留まりを低下させることなく、効率的かつ容易に内面被覆材一体型セグメントを製作することができる。
本発明の型枠の実施の形態を示す斜視図である。 (a)、(b)ともに、図1のII−II矢視図である。 図1のIII−III矢視図である。 内面被覆材の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の製作方法の第1、第2のステップを説明した図である。 本発明の製作方法の第3のステップを説明した図である。 フレッシュコンクリートから受ける作用熱によって内面被覆材が熱膨張すること、この熱膨張を弾性体が吸収していることを説明した模式図である。 製作された内面被覆材一体型セグメントの実施の形態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の内面被覆材一体型セグメントの製作方法と、この製作方法で使用される型枠の実施の形態を説明する。なお、図示例は、グラウトホールを具備するセグメントを製作対象とし、したがって、型枠はグラウトホール形成用の凸部やその周囲を囲繞する弾性体などを有し、さらに内面被覆材もグラウトホール用の開口を具備するものであるが、セグメントがグラウトホールを具備しない場合にはこれらの構成は一切不要となる。また、コンクリートセグメントを構成する配筋等の図示は省略している。
(型枠の実施の形態)
図1は本発明の型枠の実施の形態を示す斜視図であり、図2a、bはともに図1のII−II矢視図であり、図3は図1のIII−III矢視図である。
図示する型枠10は、金属製もしくは硬質樹脂製で、製作されるセグメントの形状寸法を具備するキャビティ1aを有する型枠本体1から構成されている。
キャビティ1aは、4つの側面1cと底面1bから画成されており、底面1bは所望の曲率を有する湾曲状を呈している。
4つの側面1cには、連続する枠状の突起2が底面1bから離れた位置に設けてあり、この突起2と底面1bの間に不図示の内面被覆材の端部が収容される収容空間Kが形成されている。
この収容空間Kには、図2a,bで示す2種の弾性体のいずれか一種が収容される。
図2aで示す弾性体3は、比較的剛性のある発泡ゴムからなり、枠状の突起2の下方の収容空間Kに枠状の弾性体3が収容され、接着剤にて固定されたものである。
弾性体3が比較的硬質でかつ変形性能のある発泡ゴムから形成されていることで、不図示の内面被覆材の端部がこれに当接した際に内面被覆材を仮固定することができ、かつ、内面被覆材の熱膨張の際の熱変形量を吸収することができる。
一方、図2bで示す弾性体3Aは、キャビティの側面1cに埋め込まれたボルト3aと、その先端に装着された中空のパッキン3bから構成されたものである。
ボルト3aにて内面被覆材を保持する剛性を担保しながら、パッキン3bにて内面被覆材の熱変形を吸収することができる。
また、底面1bのうち、収容空間Kの近傍位置には、枠状の第1の凹溝1b1が形成されており、この第1の凹溝1b1に同様に枠状のパッキン5が収容されている。
このように底面1bの収容空間K近傍位置に枠状にパッキン5が配設されていることで、フレッシュコンクリートを充填した際にこれが内面被覆材の端部を回りこんで底面1bと内面被覆材の間に入り込み、硬化してノロとなるのを解消することができる。
また、製作されるセグメントはグラウトホールを具備するため、型枠10の底面1bのうち、グラウトホールに対応する箇所にはグラウトホール形成用の凸部1dが設けてあり、この凸部1dの周りに枠状の弾性体収容溝1b2が設けてあり、ここに発泡ゴムからなる弾性体4が収容されている。
この弾性体4に不図示の内面被覆材のグラウトホール用の開口の端部が当接することにより、この端部の熱変形を弾性体4で吸収することができる。
また、枠状の弾性体収容溝1b2の周りには第2の凹溝1b3が形成されており、この第2の凹溝1b3に枠状のパッキン6が収容され、このパッキン6によって、内面被覆材のグラウトホール用の開口の端部をフレッシュコンクリートが回りこんで底面1bと内面被覆材の間に入り込み、硬化してノロとなるのを解消することができる。
ここで、収容空間Kの高さは5mm程度、幅は10mm程度でここに7〜8mm程度の幅の弾性体3を収容し、突起2の高さは15mm程度、弾性体収容溝1b2の深さ、幅ともに5mm程度でここに高さ10mm程度の弾性体4を収容し、第1、第2の凹溝1b1,1b3の深さ、幅ともに3mm程度でここにφ3mm程度のパッキン5,6を収容する実施例を挙げることができる。
図示する型枠10は、従来使用されている型枠の側面に突起を設けて内面被覆材の端部収容空間を形成し、ここに弾性体を収容するとともに、フレッシュコンクリートの回り込みを解消する凹溝やパッキンを付加しただけの簡易な構造改良に基づくものであることから、型枠自体の製作コストは何等高価なものとはならない。また、この型枠を使用して内面被覆材一体型セグメントを製作する際に何等困難な制御を要するものでもない。
次に、図4〜8を参照してセグメントの製作方法の実施の形態を説明する。
(セグメントの製作方法の実施の形態)
図4は内面被覆材の実施の形態を示す斜視図であり、図5は本発明の製作方法の第1、第2のステップを説明した図、図6は第3のステップを説明した図である。
ここで、使用する内面被覆材20は、熱可塑性樹脂からなるシート21(中央にグラウトホール用の開口23が開設されている)と、その一側面に接着された複数のアンカー22(断面形状が上に開いた略Uの字状のもの)から構成されており、作業員の手で変形自在(図4のX方向)な剛性を有するものである。
シート21、アンカー22の形成素材である熱可塑性樹脂は、結晶化度が極めて低いか、結晶化状態になり得ない非結晶性プラスチックであっても、分子鎖が規則正しく配列された結晶領域の量の比率が高いもの、すなわち結晶化度の高い結晶性プラスチックであってもよい。非結晶性プラスチックの場合には、たとえばポリスチレン(PS)やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどを適用することができ、結晶性プラスチックの場合には、たとえばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを適用できる。
まず、図1〜3で示す型枠10を用意し(第1のステップ)、図5で示すように、内面被覆材20を変形させながらその4つの端部(端辺)を対応するキャビティ1aの4つの側面1cに形成された収容空間Kに収容し、さらに、グラウトホール用の開口23を底面1bの凸部1dに嵌め込んで内面被覆材20をキャビティ1a内に収容する。
この収容姿勢において、内面被覆材20の4つの端辺は収容空間Kに収容されている弾性体3と当接し、グラウトホール用の開口23の端部は凸部1dの周囲にある弾性体4に当接している(第2のステップ)。
次いで、充填装置7からフレッシュコンクリートFCをキャビティ1aに充填する。
このフレッシュコンクリートFCの充填により、図7で示すように内面被覆材20はフレッシュコンクリートFCから受ける作用熱fによって熱変形するが(厚み方向に変形量δ2、弾性体3を押し潰す方向に変形量δ1)、このように弾性体3が内面被覆材20の変形量δ1を自身の変形によって吸収することで、内面被覆材20の熱変形の際に、その端部がキャビティ1aの側面1cを支点としてその中央が膨らむ(跳ね上がる)ような変形は生じない。
また、図示を省略するが、内面被覆材20のグラウトホール用の開口23の端部の熱変形量も凸部1dの周囲にある弾性体4によって吸収される。
さらに、図示するように内面被覆材20が厚み方向に熱膨張した場合でも、突起2がストッパーとなり、内面被覆材20がキャビティ1aの底面1bから離れることもない。
キャビティ1aに充填されたフレッシュコンクリートFCの硬化を待ち、型枠10から脱型することにより、図8で示すように、湾曲状でグラウトホール31を具備するコンクリート本体30と、その内面にアンカー22を介して一体に形成された内面被覆材20とからなる内面被覆材一体型セグメント100が製作される(第3のステップ)。
図示する製作方法によれば、フレッシュコンクリートの作用熱によって内面被覆材20がキャビティ側面を支点としてその中央が跳ね上がるように変形するのが解消でき、このように跳ね上がった内面被覆材の上でフレッシュコンクリートが硬化して不良品ができるといった問題が生じ得ないことから、製作歩留まりが高く、しかも簡易に内面被覆材一体型セグメント100を製作することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…型枠本体、1a…キャビティ、1b…底面、1b1…第1の凹溝、1b2…弾性体収容溝、1b3…第2の凹溝、1d…凸部、2…突起、3…弾性体(発泡ゴム)、3A…弾性体、3a…ボルト、3b…パッキン、4…弾性体(発泡ゴム)、5,6…パッキン、7…充填装置、10…型枠、20…内面被覆材、21…シート、22…アンカー、30…コンクリート本体、31…グラウトホール、100…内面被覆材一体型セグメント、K…収容空間、FC…フレッシュコンクリート

Claims (5)

  1. 内面被覆材が一体となっているセグメントを製作するための型枠であって、
    前記型枠は、内面被覆材が収容されるとともにセグメント用のフレッシュコンクリートが充填される側面と底面から構成されたキャビティを備え、
    型枠のキャビティの側面のうち、底面から離れた位置には突起が設けてあり、この突起と底面の間に内面被覆材の端部が収容される収容空間が形成されており、
    収容空間には第1の弾性体が備えてあり、この第1の弾性体に内面被覆材の端部が当接した姿勢でキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填されるようになっている内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠。
  2. キャビティの前記底面には、製作される内面被覆材一体型セグメントの有するグラウトホール形成用の凸部が設けてあり、
    前記凸部の周りに第2の弾性体が備えてあり、
    内面被覆材にはグラウトホール用の開口が設けてあり、
    第2の弾性体に前記グラウトホール用の開口の端部が当接するようになっている請求項1に記載の内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠。
  3. キャビティの前記底面のうち、前記収容空間よりもキャビティの内側には第1の凹溝が設けてあり、この第1の凹溝にパッキンが収容されている請求項1または2に記載の内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠。
  4. キャビティの前記底面のうち、グラウトホール形成用の凸部の周りには第2の凹溝が設けてあり、この第2の凹溝にもパッキンが収容されている請求項2または3に記載の内面被覆材一体型セグメント製作用の型枠。
  5. 内面被覆材が一体となっているセグメントを製作する方法であって、
    内面被覆材が収容されるとともにセグメント用のフレッシュコンクリートが充填される側面と底面から構成されたキャビティを備え、型枠のキャビティの側面のうち、底面から離れた位置には突起が設けてあり、この突起と底面の間に内面被覆材の端部が収容される収容空間が形成されており、該収容空間には第1の弾性体が備えてあり、この第1の弾性体に内面被覆材の端部が当接した姿勢でキャビティ内にフレッシュコンクリートが充填されるようになっている型枠を用意する第1のステップ、
    内面被覆材を変形させながらその端部を収容空間に収容するようにしてキャビティの底面に内面被覆材を当接させながらキャビティに収容する第2のステップ、
    フレッシュコンクリートをキャビティに充填し、フレッシュコンクリートからの作用熱による内面被覆材の熱変形を第1の弾性で吸収しながらフレッシュコンクリートの硬化を待ち、脱型して内面被覆材一体型セグメントを製作する第3のステップからなる内面被覆材一体型セグメントの製作方法。
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