本発明の一実施形態に係る作業管理システムについて、図1から図40を参照して説明する。なお、以下では、製造ラインにおける作業管理システムを例にとり説明する。しかしながら、本発明に係る作業管理システムは、製品製造ラインにおける作業(加工工程・組立工程・検査工程・梱包工程・等)に限定されるものではない。本発明に係る作業管理システムは、例えば、部品の検査工程、廃棄物(例えば、工場廃棄物、廃水、廃ガス、ゴミ等)の処理工程、設備の管理・検査工程(メンテナンス工程)、物の配送工程、農産物の生産工程、など様々な工程における作業にも適用できる。
(作業管理システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る作業管理システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示されるように、作業管理システム1は、入出力端末10と、撮像装置20と、生産装置40と、ロット管理装置50と、サーバ装置60と、表示端末80と、動作エリア制限装置90とを備えている。ここで、入出力端末10,撮像装置20および生産装置40は、複数の製造ラインの各々に配置されている。また、入出力端末10,撮像装置20および生産装置40は、製造ライン毎にそれぞれ複数配置されていてもよい。図1に示す例では、撮像装置20および生産装置40が一つの製造ラインに複数配置されている例である。
入出力端末(表示装置)10は、作業者または管理者が作業に関する情報を入力するとともに、作業に関する情報を確認するための端末である。作業者または管理者が入力する情報としては、例えば、生産装置40に対する作業種別や処置内容などである。また、作業者または管理者が確認する情報は、生産装置40に関する情報(例えば、生産装置40の仕様など)や、製品の仕様、ロット番号、生産数量などである。入出力端末10は、入力された情報をサーバ装置60に送信するとともに、作業者または管理者が所望する情報をサーバ装置60から取得して表示する。
撮像装置20は、作業者に装着され、作業者の作業範囲を撮像する。作業範囲とは、作業者の前方であり、かつ、手のとどく範囲(例えば手元)である。撮像装置20が装着される位置は特に限定されるものではないが、作業者の上半身、特に頭部であることが好ましい。頭部に装着される場合、撮像方向が作業者の視線と略同じになるように撮像装置20が装着されることが好ましい。例えば、撮像装置20は、図2に示されるように、眼鏡型であり、そのブリッジ部分に撮像部21が取り付けられている。以下の説明では、撮像装置20が図2に示す眼鏡型であるものとする。
撮像装置20は、撮像した画像、または、撮像した画像に基づいて生成される情報(生成情報)をサーバ装置60に送信する。
生産装置40は、製品を製造するための設備である。本実施形態に係る生産装置40は、単一のユニットで構成されてもよいし、複数のユニットが組み合わされて構成されてもよい。複数のユニットで構成される生産装置40は、例えば、処理対象物となるワークを搬送する搬送ユニット、ワークを加熱する加熱ユニット、ワークをカットするカットユニットなどが組み合わされた設備である。生産装置40は、当該生産装置40の状態を示す状態情報をサーバ装置60に送信する。
ロット管理装置50は、製造ラインで生産されるロットに関する情報(ロット管理情報)を管理する装置である。図3は、ロット管理情報の一例を示す。図3に示されるように、ロット管理情報は、ロットごとに、ロット番号と、製品を識別する製品IDと、当該ロットの製造指示書を識別するオーダIDと、当該ロットが製造される製造ラインを識別するライン名と、当該ロットが生産される期間(生産期間)とを対応付けた情報である。
表示端末(表示装置)80は、作業者や管理者からの入力指示に従って、サーバ装置60に蓄積された情報を検索し、その検索結果を表示する。
サーバ装置60は、入出力端末10、撮像装置20、生産装置40、ロット管理装置50および表示端末80と通信可能であり、各装置から出力される情報を取得し、これら情報を管理する。また、サーバ装置60は、各装置からの指示に応じた情報を生成し、生成した情報を各装置に送信する。
動作エリア制限装置90は、撮像装置20における撮像機能の動作を所定エリア(例えば、工場)内においてのみ制限するための装置である。動作エリア制限装置90は、所定エリアへの全ての出入口に設置され、出入口を通過する作業者に装着された撮像装置20と近距離無線通信を行う。動作エリア制限装置90は、所定エリアから退室する作業者に装着された撮像装置20に対して、撮像機能を無効にする指示を送信し、所定エリアに入室する作業者に装着された撮像装置20に対して、撮像機能を有効にする指示を送信する。
以下に各装置の概略構成について説明する。
(入出力端末)
入出力端末10は、図1に示されるように、入力部としてのキーボード11およびマウス12と、表示部13と、通信部14と、制御部15とを備えている。
表示部13は、矩形状のディスプレイである。通信部14は、サーバ装置60と有線または無線で通信する。
制御部15は、入出力端末10の各部を統括的に制御する。制御部15の制御機能は、制御プログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。
例えば、作業者または管理者は、特定の作業を行ったときに、作業種別や作業内容を入力する。そして、制御部15は、入力された情報をサーバ装置に送信するように通信部14を制御する。また、制御部15は、サーバ装置60からスクロール指示を受けると、当該スクロール指示に従って、表示部13の表示画面のスクロール処理を行う。
(撮像装置)
撮像装置20は、図1に示されるように、撮像部21と、多次元コード認識部22と、作業対象記憶部23と、加速度センサ24と、マイク部25と、スピーカ部26と、カメラID記憶部27と、作業者ID記憶部28と、入力支援情報記憶部29と、通信部30と、制御部31とを備えている。
撮像部21は、作業者の作業範囲を撮像するための、レンズ等の光学素子と、光を電気信号に変換する撮像素子とを有し、動画を撮像する。撮像部21は、撮像した動画を制御部31および多次元コード認識部22に出力する。
多次元コード認識部22は、撮像部21から出力される動画を構成するフレームについて、当該フレーム中に含まれる多次元コードを認識する。多次元コード認識部22は、フレームごとに、当該フレームから多次元コードを認識すると、認識した全ての多次元コードを制御部31に出力する。なお、多次元コードを制御部31に出力するとは、多次元コードの画像から認識されるコードを制御部31に出力することを意味する。
ここで、多次元コードとしては、QRコード(登録商標)、データマトリックス(登録商標)、PDF417、Maxi、Code、Aztec Codeなどの二次元コードを用いることができる。以下、多次元コードの例として二次元コードを用いる場合について説明することにするが、二次元コードに限定されるものではない。
なお、多次元コード認識部22は、撮像部21から出力される全てのフレームについて多次元コードを認識してもよいし、一部のフレーム(例えば、所定数フレームにつき1フレーム)について多次元コードを認識してもよい。
作業対象記憶部23は、多次元コード認識部22により認識された多次元コードを基に決定された作業対象を示す情報を記憶する。作業対象としては、例えば、生産装置40を識別する設備ID(設備識別情報)や、製造指示書を示すオーダID(対象物識別情報)、ロット番号(対象物識別情報)などが挙げられる。
加速度センサ24は、眼鏡型の撮像装置20における上下方向の加速度および水平方向の加速度を検知する動作検知装置である。そのため、撮像装置20が作業者に装着されると、加速度センサ24の計測値を確認することで、作業者の頭部が上下に振られたか否か、作業者の頭部が横方向に振られたか否かを検知することができる。加速度センサ24は、上下方向および水平方向の加速度の計測値を制御部31に出力する。
マイク部25は、音声を電気信号に変換し、当該電気信号を制御部31に出力する音声入力装置である。スピーカ部26は、制御部31から受けた電気信号を音波に変換して出力する。
カメラID記憶部27は、撮像装置20に対して予めユニークに割り振られた識別情報であるカメラIDを記憶する。
作業者ID記憶部28は、撮像装置20が装着される作業者を識別する作業者IDを記憶する。作業者1人に対して撮像装置20が1個与えられる場合、撮像装置20に予め作業者IDが入力され、入力された作業者IDが作業者ID記憶部28に格納される。また、交代勤務により、一つの撮像装置20を複数の作業者が共用する場合、撮像装置20を装着する作業者が交代する際に、新たに使用する作業者の作業者IDが撮像装置20に入力され、入力された作業者IDにより制御部31が作業者ID記憶部28を更新する。
入力支援情報記憶部29は、多次元コードの組み合わせと、入力情報として設定される所定情報、および、入力情報を決定するためのアルゴリズムの少なくとも一方とを対応付けた入力支援情報を記憶する。
通信部30は、サーバ装置60と無線通信を行う。また、通信部30は、動作エリア制限装置90と近距離無線通信を行う。通信部30と動作エリア制限装置90との無線通信は、例えば、1m程度の範囲内で行われる。
制御部31は、撮像装置20の各部を統括的に制御する。制御部31の制御機能は、制御プログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。
例えば、制御部31は、撮像部21により撮像された画像をサーバ装置60に送信するように通信部30を制御してもよい。また、制御部31は、多次元コード認識部22により一つのフレームから認識された多次元コードの組み合わせと入力支援情報とに基づいて入力情報を決定(生成)する情報生成部として機能し、決定した入力情報を基に各部を制御してもよい。さらに、制御部31は、サーバ装置60から受けた指示に従って各部を制御してもよい。制御部31における制御の具体例については後述する。
また、制御部31は、動作エリア制限装置90から撮像機能を無効にする指示を受けた場合、撮像部21の動作を停止させ、動作エリア制限装置90から撮像機能を有効にする指示を受けた場合、撮像部21を起動させる。
(生産装置)
生産装置40は、図1に示されるように、操作部41と、センサ部42と、駆動部43と、通信部44と、異常報知部45と、制御部46とを備える。
操作部41は、作業者による操作指示を受け付けるものであり、例えば各種のボタンで構成される。操作部41は、受け付けた操作指示を制御部46に出力する。操作部41が受け付ける操作指示としては公知の様々なものが挙げられるが、例えば、起動指示、停止指示、異常報知の解除指示(トラブル解除指示)などがある。
センサ部42は、生産装置40の状態を検知するための各種のセンサであり、公知のものを用いることができる。センサ部42は、例えば、搬送ユニットに設置され、ワークの存在の有無や位置を検出するセンサや、加熱ユニットに設置される温度センサ、検査ユニットに設置され、ワークの物理量を計測する計測センサ、生産装置40等の設備に設置された電圧センサ、電流センサのなど多種多様のセンサを含む。
駆動部43は、生産装置40を稼働させるためのものであり、例えばモータ等により構成される。通信部44は、サーバ装置60と無線または有線で通信する。
異常報知部45は、何等かの異常が発生したことを作業者に報知するものであり、例えばランプやスピーカで構成される。
制御部46は、生産装置40の各部を統括的に制御する。制御部46の制御機能は、制御プログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。
具体的には、制御部46は、操作部41に起動指示が入力されると駆動部43を駆動させ、操作部41に停止指示が入力されると駆動部43を停止させる。また、制御部46は、センサ部42からの出力信号が所定の正常範囲外を示す場合、異常が発生したと認識し、異常報知部45を動作させ、異常報知を行うとともに、駆動部43を停止させる。このとき、制御部46は、現時刻を異常発生時刻として記憶しておく。なお、制御部46による認識される異常は、生産装置40の故障、各種のトラブル、生産装置40により生産された製品の不良などを含む。
また、制御部46は、各センサと当該センサの計測対象となるユニットとの対応関係を示す情報を基に、異常が発生したユニットを識別するユニットIDを特定する。さらに、制御部46は、操作部41にトラブル解除指示が入力されると、異常報知部45による異常報知を停止させる。
また、制御部46は、駆動部43の駆動状態と、操作部41およびセンサ部42からの出力信号とに応じて状態信号を生成し、生成した状態信号をサーバ装置60に送信するように通信部44を制御する。具体的には、制御部46は、駆動部43が駆動中である場合に稼働中であることを示し、駆動部43が停止中である場合に停止中であることを示す稼働信号を、状態信号の一つとして生成する。また、制御部46は、異常報知部45が動作中である場合にトラブル中であることを示し、異常報知部45が停止中である場合に異常報知が解除されていること(異常報知解除)を示すトラブル信号を、状態信号の一つとして生成する。
さらに、制御部31は、サーバ装置60からの要求に応じて、自身の生産装置40を識別する設備ID、異常が発生したユニットを識別するユニットID、異常が発生した時刻(異常発生時刻)をサーバ装置60に送信する。
(サーバ装置)
サーバ装置60は、図1に示されるように、通信部61と、画像記憶部62と、作業記録蓄積部63と、チェック結果記憶部64と、作業者情報記憶部65と、関連情報記憶部66と、ライン情報記憶部67と、制御部70とを備える。
通信部61は、入出力端末10、撮像装置20、生産装置40、ロット管理装置50、および表示端末80と通信する。
画像記憶部62は、撮像装置20の撮像により得られた画像データを記憶する。なお、画像記憶部62は、各画像データについて、当該画像データを出力した撮像装置20が装着された作業者を識別する作業者IDや当該撮像装置20を識別するカメラIDなどと対応付けて記憶してもよい。画像記憶部62が記憶する画像データは、制御部70により更新される。
作業記録蓄積部(入力情報記憶部)63は、作業記録を蓄積(記憶)する。図4は、作業記録蓄積部63が蓄積する作業記録の一例を示す図である。図4に示されるように、作業記録蓄積部63は、作業ごとに、当該作業を行った作業者を示す作業者ID、当該作業が行われた生産装置40を識別する設備ID、作業開始時刻、作業終了時刻、当該作業の種類、および処置内容(作業内容)を対応付けた作業記録を蓄積する。
チェック結果記憶部(入力情報記憶部)64は、各種のチェック項目の各々についてチェック情報を記憶する。図5は、チェック結果記憶部64が記憶する情報の一例を示す図である。図5に示されるように、チェック結果記憶部64は、チェック項目ごとに、チェック項目名、チェックを作業者を識別するチェック者ID、チェック時刻、およびチェック結果を対応付けたチェック情報を記憶する。
作業者情報記憶部65は、作業者に関する情報である作業者情報を記憶する。図6は、作業者情報記憶部65が記憶する作業者情報の一例を示す図である。図6に示されるように、作業者情報記憶部65は、製造ラインごとに、当該製造ラインを識別するライン名と、当該製造ラインが配置されている場所名(ロケーション名)と、当該製造ラインで作業を行う作業者を識別する作業者ID(作業者識別情報、特定者識別情報)、作業者名および当該作業者に装着される撮像装置20を識別するカメラIDと、当該ラインにおける主担当(特定者)となる作業者にのみ付けられる主担当フラグ(特定者識別情報)とを対応付けた作業者情報を記憶している。なお、作業者情報記憶部65は、勤務時間帯ごとに図6に示されるような作業者情報を記憶している。作業者情報記憶部65が記憶する作業者情報は、勤怠管理を行う管理者により予め作成される。
関連情報記憶部66は、生産装置40や製造指示書に関する関連情報を記憶する。具体的には、関連情報記憶部66は、生産装置40ごとに、当該生産装置40を識別する設備ID(設備識別情報)と、当該生産装置40に関する設備関連情報とを対応付けて記憶している。設備関連情報とは、例えば、生産装置40の仕様、生産装置40の使用マニュアル、故障時の対処方法、メンテナンス方法などである。また、関連情報記憶部66は、製造指示書ごとに、当該製造指示書を識別するオーダID(対象物識別情報)と、当該製造指示書で示される製品やロットに関連する製品関連情報(対象物関連情報)とを対応付けて記憶している。製品関連情報とは、例えば、製品の仕様、製品の性能、製品の規格などである。関連情報記憶部66が記憶する情報は、管理者等により予め作成される。
ライン情報記憶部67は、製造ラインに関する情報(ライン情報)を記憶する。図7は、ライン情報記憶部67が記憶するライン情報の一例を示す図である。図7に示されるように、ライン情報記憶部67は、製造ラインごとに、当該製造ラインを識別するライン名と、当該製造ラインが配置されている場所名(ロケーション名)と、当該製造ラインに設置されている生産装置40を識別する設備IDとを対応付けたライン情報を記憶している。ライン情報記憶部67が記憶するライン情報は、管理者により予め作成される。
制御部70は、サーバ装置60の各部を統括的に制御する。制御部70の制御機能は、制御プログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。
例えば、制御部70は、撮像装置20から受信した画像データや撮像した画像に基づいて生成される情報(生成情報)の少なくとも一方を管理する管理部として機能する。つまり、制御部70は、撮像装置20から受信した画像データを画像記憶部62に格納する。また、制御部70は、撮像装置20や入出力端末10から受信した情報を基に作業記録を作成し、作業記録蓄積部63に格納してもよい。同様に、制御部70は、撮像装置20や入出力端末10から受信した情報を基にチェック情報を作成し、チェック結果記憶部64に格納してもよい。また、制御部70は、生産装置40から受信する状態信号を基に撮像装置20に対して指示を送信するように通信部61を制御してもよい。さらに、制御部70は、表示端末80からの検索指示に応じて、画像記憶部62に格納される情報の検索処理を行い、検索結果を表示端末80に出力してもよい。制御部70における処理の具体例については後述する。
(表示端末)
表示端末80は、図1に示されるように、入力部としてのキーボード81およびマウス82と、表示部83と、通信部84と、制御部85とを備えている。
表示部83は、矩形状のディスプレイである。通信部84は、サーバ装置60と有線または無線で通信する。
制御部85は、表示端末80の各部を統括的に制御する。制御部85の制御機能は、制御プログラムをCPU(Central Processing Unit)などの処理装置が実行することによって実現される。例えば、作業者または管理者は、サーバ装置60の画像記憶部62に格納されている画像の検索要求を入力してもよい。そして、制御部85は、入力された検索要求をサーバ装置60に送信するように通信部84を制御し、サーバ装置60から受信した検索結果画面を表示部83に表示する。
(作業管理システムの処理の具体例)
以下に、本実施形態の作業管理システム1における処理の具体例について説明する。なお、以下に示す具体例は、適宜組み合わせて実施してもよい。
(具体例1:動画作業標準の作成処理)
(具体例1が解決しようとする課題)
従来、生産現場では作業の手順を示す作業標準書が作成されている。一方、近年では、組み立て製造業において、1人から数人の作業者が部品の取り付けから組み立て、加工、検査までの全工程を担当するセル生産方式を行うところが増えてきている。ここで、セル生産方式とは、部品や工具をU字型などに配置したセルと呼ばれるラインで作業が行われる生産方式である。セル生産方式は、多品種少量生産に適したものである。そのため、生産対象となる製品ごとに作業標準書を作成すると、多数の作業標準書を予め準備する必要がある。また、セル生産方式では、求められる生産量に応じて、セルに配置される作業者の人数を適宜変更することができる。この場合、セルに配置される人数によって、各作業者が行う作業が異なるため、セルに配置される人数に応じた作業標準書も必要となる。図8は、第1から第5工程をU字型に配置したセルにおける作業者およびワークの動きを示す図である。なお、図8の(a)は1名の作業者で作業する場合、(b)は2名の作業者で作業する場合、(c)は3名の作業者で作業する場合の例を示す。図8に示されるように、セルに配置される人数によって、各作業者が行う作業が異なる。このように、セル生産方式では、作業者が行う作業のパターンが非常に多くなり、各パターンに対応する作業標準書の数も多くなる。そのため、製品ごと、および、セルに配置される作業者数に応じたパターンごとに作業標準書を作成することが困難になっている。
そこで、最近では、紙ベースで作成されていた作業標準書に代えて動画で作業の手順を示す動画作業標準(ビデオ式作業標準)が作成されている。しかしながら、上述したように、生産現場の所定位置に固定された撮像装置では死角が生じやすくなり、死角をなるべく減らすためには撮像装置の台数を多くする必要があるという問題が生じる。特に、セル生産方式の場合、作業者が異なる方向を向いて作業を行うことが多く、作業者の作業範囲を撮像するために撮像装置の台数が顕著に多くなる。
図9は、従来のセル生産方式における撮像装置の設置例を示し、(a)はセル生産方式の全体を、(b)は(a)に示すセル生産方式の一つの工程を示す。図9に示す例では、第1から第5工程が存在し、各工程には、作業台300と作業に用いる部品が格納された部品棚400とが設置されている。図9に示すセル生産方式では、作業者による作業範囲は、作業台300上と部品棚400とを含む。これら作業台300上の作業を撮像するために各作業台300につき1台の撮像装置200が作業台300の上方に設置される。ただし、これら撮像装置200は、作業台300を撮像する位置に固定されるため、部品棚400を撮像することができない。そこで、部品棚400を撮像できる位置にも撮像装置200が設置される。図9に示すセル生産方式では、第1工程および第2工程の部品棚400が同一方向を向いているため、第1工程および第2工程の部品棚400を同時に撮像できる撮像装置210aが一つ設置される。同様に、第4工程および第5工程の部品棚400が同一方向を向いているため、第4工程および第5工程の部品棚400を同時に撮像できる撮像装置210bが一つ設置される。第3工程の部品棚400は、他の部品棚400と異なる方向を向いているため、別に撮像装置210cが一つ準備される。このようにして、図9に示すセル生産方式の場合、作業者の作業範囲を撮像するために、合計8個の撮像装置200,210が必要となる。さらに、作業者の移動を確認するために俯瞰用の撮像装置を設置すると撮像装置の台数が増える。
また、セル生産方式は多品種生産に適した方式であるため、製造する品種に応じて頻繁にレイアウト変更されることがある。この場合、撮像装置200,210の設置位置の調整も必要となる。
さらに、図9に示すように作業台300上を撮像する撮像装置200は、作業台300上とともに作業者の顔も合わせて撮像することとなる。そのため、作業者は、撮影されているという心理的負担を感じることとなる。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、撮像装置の台数増大を招くことなく、複数パターンの動画作業標準を作業者の心理的負担の少ない状況で容易に作成可能な作業管理システムを提供するものである。
(具体例1の構成)
本具体例に係る作業管理システム1では、作業を熟知した作業者に対して撮像装置20が付与され、動画作業標準が作成される。
また、動画作業標準が作成される作業ごとに、図10に示すような二次元コード表が予め作成される。図10は、作業Aに対応する二次元コード表である。図10において、両端に位置する二次元コードC1,C4は、作業ごとにユニークに割り振られたコードであり、作業を示す作業種別コードである。ここで、複数の作業者がセル生産方式で作業を行う場合、作業種別コードは、各作業者が行う作業ごとにユニークに設定される。例えば、3人の作業者により作業Aを行う場合、一人目の作業者が分担する作業に対して「作業A−1」を示す作業種別コードが設定され、二人目の作業者が分担する作業に対して「作業A−2」を示す作業種別コードが設定され、三人目の作業者が分担する作業に対して「作業A−3」を示す作業種別コードが設定される。
左から2つ目の二次元コードC2は、作業を開始するときに手等により遮蔽される開始時遮蔽コードである。作業者は、作業を開始するとき、図11の(a)に示されるように、二次元コード表を見ながら、開始時遮蔽コードである二次元コードC2の上に手を置く。
左から3つ目の二次元コードC3は、作業を終了するときに手等により遮蔽される終了時遮蔽コードである。作業者は、作業を終了するとき、図11の(b)に示されるように、二次元コード表を見ながら、終了時遮蔽コードである二次元コードC3の上に手を置く。
図12は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図12に示すように、撮像装置20の制御部31は、指示受付部31aと、動画作業標準生成部31bとを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、作業標準処理部70aを備えている。
また、本具体例では、撮像装置20の入力支援情報記憶部29は、作業ごとに、当該作業の開始指示の入力を支援する第1入力支援情報と、当該作業の終了指示の入力を支援する第2入力支援情報とを記憶している。
第1入力支援情報は、図10に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC1,C4および終了時遮蔽コードである二次元コードC3の第1組み合わせと、対応する作業を識別する作業IDが付加された作成開始指示とを対応付けた情報である。
第2入力支援情報は、図10に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC1,C4および開始時遮蔽コードである二次元コードC2の第2組み合わせと、対応する作業を識別する作業IDが付加された作成終了指示とを対応付けた情報である。
指示受付部31aは、第1入力支援情報および第2入力支援情報を基に、動画作業標準の作成開始指示および作成終了指示を受け付ける。具体的には、指示受付部31aは、多次元コード認識部22により最新のフレームから認識された二次元コードの組み合わせと、入力支援情報記憶部29が記憶する何れかの入力支援情報の組み合わせとが一致するか判断する。そして、指示受付部31aは、何れかの入力支援情報の組み合わせと一致した場合、当該入力支援情報に基づいて指示を受け付ける。
指示受付部31aは、受け付けた指示を動画作業標準生成部31bに出力する。ただし、指示受付部31aは、作業状態フラグに応じて、受け付けた指示を出力するか否かを決定する。具体的には、指示受付部31aは、作業状態フラグが「非作業中」である場合にのみ、作成開始指示を出力し、作業状態フラグを「作業中」に変更する。また、指示受付部31aは、作業状態フラグが「作業中」である場合にのみ、作成終了指示を出力し、作業状態フラグを「非作業中」に変更する。
上述したように、作業者は、作業を開始するとき、図11の(a)に示すように開始時遮蔽コードに手を置く。このとき、開始時遮蔽コードである二次元コードC2が手で隠れてしまうため、作業者の手元を撮像する撮像装置20の多次元コード認識部22は、撮像されたフレームから、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC1,C4と終了時遮蔽コードである二次元コードC3との組み合わせ(第1組み合わせと同一の組み合わせ)を認識する。そのため、指示受付部31aは、第1入力支援情報に基づいて、第1組み合わせに対応する作成開始指示を受け付ける。なお、当該作成開始指示には、二次元コード表に対応する作業IDが付加されている。
同様に、作業者は、作業を終了するとき、図11の(b)に示すように終了時遮蔽コードに手を置く。このとき、終了時遮蔽コードである二次元コードC3が手で隠れてしまうため、作業者の手元を撮像する撮像装置20の多次元コード認識部22は、撮像されたフレームから、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC1,C4と開始時遮蔽コードである二次元コードC2との組み合わせ(第2組み合わせと同一の組み合わせ)を認識する。そのため、指示受付部31aは、第2入力支援情報に基づいて、第2組み合わせに対応する作成終了指示を受け付ける。なお、当該作成終了指示には、二次元コード表に対応する作業IDが付加されている。
動画作業標準生成部31bは、指示受付部31aから作成開始指示を受けると、撮像部21により撮像された動画の録画を開始する。このとき、録画している動画データに対して作成開始指示に付加されている作業IDを付加する。また、動画作業標準生成部31bは、指示受付部31aから作成終了指示を受けると、当該作成終了指示に付加された作業IDと同じ作業IDが付加された動画データの録画を終了させ、録画された動画データを動画作業標準として生成する。そして、動画作業標準生成部31bは、作業IDが付加された動画作業標準をサーバ装置60に送信するように通信部30を制御する。このとき、作業者ID記憶部28に格納されている作業者IDおよびカメラID記憶部27に格納されているカメラIDの少なくとも一方を動画作業標準に付加して送信してもよい。
サーバ装置60の作業標準処理部70aは、撮像装置20から受けた動画作業標準を画像記憶部62に格納する。このとき、作業標準処理部70aは、動画作業標準に付加された作業ID、作業者IDおよびカメラIDを動画作業標準と対応付けて格納する。
また、作業標準処理部70aは、入出力端末10または表示端末80から、作業IDを指定した動画作業標準の配信要求を受け付ける。作業標準処理部70aは、配信要求で指定された作業IDに対応する動画作業標準を画像記憶部62から読み出し、読み出した動画作業標準を配信要求を送信した端末に出力する。これにより、作業者は、動画作業標準を確認することができる。
(具体例1の処理の流れ)
次に、本具体例の作業管理システム1における処理の流れについて説明する。図13は、本具体例の撮像装置20における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、撮像装置20が割り当てられた作業者は、当該撮像装置20を装着し、撮像装置20の電源をオンにする。すると、撮像装置20の多次元コード認識部22は、撮像部21による撮像されたフレームについて二次元コードの認識処理を開始する。なお、撮像装置20の電源がオンにされたとき、指示受付部31aの作業状態フラグは「非作業中」となるように設定されている。
そして、指示受付部31aは、多次元コード認識部22により二次元コードが認識されたか否かを判断する(S1)。指示受付部31aは、多次元コード認識部22から二次元コードが出力されたか否かにより、二次元コードが認識されたか否かを判断することができる。S1でNoの場合、次のフレームについて再度S1の処理から繰り返す。
指示受付部31aは、二次元コードが認識された場合(S1でYes)、多次元コード認識部22により一つのフレームから認識された二次元コードの組み合わせと、第1組み合わせとが一致するか確認する(S2)。第1組み合わせは、作成開始指示と対応付られているため、S2の判断は、動画作業標準の作成を開始するか否かの判断を意味する。
ここで、上述したように、作業者が二次元コード表の開始時遮蔽コードに手を置くと、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC1,C4と終了時遮蔽コードである二次元コードC3との組み合わせ(第1組み合わせと同一の組み合わせ)が認識され、この場合に限り、S2でYesとなる。例えば、撮像部21の撮像範囲の端に二次元コード表の右側2つの二次元コードC3,C4が撮像された場合や、二次元コード表の4つ全ての二次元コードC1〜C4が撮像された場合では、S2においてYesとならない。すなわち、二次元コード表の中の開始時遮蔽コードのみを手等で隠された状態で撮像した場合にのみS2でYesとなる。このような状態は、作業者が意図的に行わなければ、発生する確率が低いものである。そのため、撮像装置20の誤作動を防止できる。
S2でYesの場合、指示受付部31aは、作業状態フラグが「非作業中」であるか確認する(S3)。S3でNoの場合、次のフレームについて再度S1の処理を繰り返す。一方、S3でYesの場合、指示受付部31aは、作業状態フラグを「作業中」に変更し(S4)、S3で一致すると判断された第1組み合わせに対応する作成開始指示を入力支援情報記憶部29から読み出し、読み出した作成開始指示を動画作業標準生成部31bに出力する。そして、動画作業標準生成部31bは、撮像部21により撮像された動画の録画を開始する(S5)。
一方、S2でNoの場合、指示受付部31aは、多次元コード認識部22により認識された二次元コードの組み合わせと、第2組み合わせとが一致するか確認する(S6)。第2組み合わせは、作成終了指示と対応付られているため、S6の判断は、動画作業標準の作成を終了するか否かの判断を意味する。S6でNoの場合、次のフレームについて再度S1の処理から繰り返す。
S5の処理の後、作業者は、作業を開始する。この間、撮像部21は、作業者の作業範囲(例えば、作業台300の上や部品棚400など)を録画し続ける。そして、作業者は、作業が終了すると、二次元コード表の終了時遮蔽コードに手を置く。このとき、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC1,C4と開始時遮蔽コードである二次元コードC2との組み合わせ(第2組み合わせと同一の組み合わせ)が認識され、この場合に限り、S6でYesとなる。
S6でYesの場合、指示受付部31aは、作業状態フラグが「作業中」であるか確認する(S7)。S7でNoの場合、次のフレームについて再度S1の処理から繰り返す。一方、S7でYesの場合、指示受付部31aは、作業状態フラグを「非作業中」に変更し(S8)、S6で一致すると判断された第2組み合わせに対応する作成終了指示を入力支援情報記憶部29から読み出し、読み出した作成終了指示を動画作業標準生成部31bに出力する。そして、動画作業標準生成部31bは、撮像部21による録画を終了する(S9)。その後、動画作業標準生成部31bは、録画により得られた動画データを動画作業標準として作成し、通信部30を介して、当該動画作業標準をサーバ装置60に送信する(S10)。このとき、動画作業標準生成部31bは、作成開始指示および作成終了指示に付加されていた作業IDが付加して、動画作業標準を出力する。
本具体例によれば、作業者の作業範囲を撮像する撮像装置20を作業者が装着することにより、作業範囲を少ない台数の撮像装置20で撮像することができる。図14は、セル生産方式において3人の作業者で作業を行う場合の撮像装置20の設置例を示す。図14に示されるように、一人一台の撮像装置20を作業者が装着することで全ての作業範囲を撮像することができる。これにより、撮像装置20の台数増大を招くことなく、動画作業標準を容易に作成することができる。また、撮像装置20は、作業者の作業範囲を撮像するだけで、作業者自体(特に顔)を撮像するものではない。そのため、撮られているという心理的負担が生じない。
また、セル生産方式に配置される作業者の人数が異なる複数のパターンについて動画作業標準を作成する場合、配置される作業者それぞれに撮像装置20を付与するだけで、各作業者が分担する作業の動画作業標準を容易に作成できる。
さらに、セル生産方式のレイアウトを変更したとしても、撮像装置20は作業者に装着されるものであるため、従来の固定型の撮像装置のように設置位置を検討する必要がない。
よって、撮像装置の台数増大を招くことなく、複数パターンの動画作業標準を作業者の心理的負担の少ない状況で容易に作成可能な作業管理システム1を提供することができる。
(具体例2:具体例1の変形例)
本具体例は、上記具体例1の変形例である。そのため、具体例1と異なる点のみ説明する。具体例1の説明では、指示受付部31aは、多次元コード認識部22から出力された二次元コードを基に、作成開始指示および作成終了指示を受け付けるものとして説明した。しかしながら、本具体例では、指示受付部31aは、音声を用いて作成開始指示および作成終了指示を受け付ける。
指示受付部31aは、予め作成開始指示および作成終了指示に対応する音声パターンを記憶しておき、マイク部25に入力された音声と当該音声パターンとを照合して、作成開始指示および作成終了指示を受け付ける。この場合、作業者は、予め設定された音声(例えば、「作業A 開始」「作業A 終了」「作業Aの1番目 開始」「作業Aの2番目 終了」など)を発するだけで、動画作業標準を容易に作成することができる。
(具体例3:具体例1の変形例)
本具体例は、上記具体例1の変形例である。そのため、具体例1と異なる点のみ説明する。本具体例の作業管理システム1は、図15に示すように、作業者の移動を確認するために、作業者に装着される撮像装置20とは別に固定型の俯瞰カメラ120を有する。
指示受付部31aは、作成開始指示を受け付けたとき、動画作業標準生成部31bだけでなくサーバ装置60に対しても作成開始指示を送信するように通信部30を制御する。また、指示受付部31aは、作成終了指示を受け付けたとき、動画作業標準生成部31bだけでなくサーバ装置60に対しても作成終了指示を送信するように通信部30を制御する。
サーバ装置60の作業標準処理部70aは、撮像装置20から作成開始指示を受けた時刻から作成終了指示を受けた時刻までの動画(俯瞰動画)を俯瞰カメラから取得し、取得した俯瞰動画を動画作業標準と対応付けて画像記憶部62に格納する。
これにより、作業者の作業範囲を確認できるとともに、作業者の動きも確認することができる。
(具体例4:具体例1の変形例)
本具体例は、上記具体例1の変形例である。そのため、具体例1と異なる点のみ説明する。本具体例では、動画作業標準生成部31bは、具体例1の処理に加えて、作成開始指示を受けるとマイク部25に入力された音声の録音を開始し、作成終了指示を受けると当該録音を終了する。そして、動画作業標準生成部31bは、録音された音声データを動画作業標準に付加して、サーバ装置60に送信する。これにより、動画作業標準を作成する作業者は、注意事項を話しながら作業を行うことで、注意事項の音声付きの動画作業標準を作成することができる。
サーバ装置60の作業標準処理部70aは、撮像装置20から受けた動画作業標準と音声データとを対応付けて画像記憶部62に格納する。また、作業標準処理部70aは、配信要求を受けると、動画作業標準と音声データとを同期可能な形式で配信する。
(具体例5:具体例1の変形例)
本具体例は、上記具体例1の変形例である。そのため、具体例1と異なる点のみ説明する。本具体例では、サーバ装置60の作業標準処理部70aは、作業標準を作成する作業ごとに、作業IDと作業者IDとを対応付けた作業標準情報を予め取得しておく。例えば、サーバ装置60は、入出力端末10などの外部装置から管理者により入力された作業標準情報を取得しておけばよい。
また、本具体例では、撮像装置20の動画作業標準生成部31bは、動画作業標準をサーバ装置60に送信する際、動画作業標準に作業IDとともに作業者ID記憶部28に格納されている作業者IDを付加する。
サーバ装置60の作業標準処理部70aは、撮像装置20から動画作業標準を受けたとき、当該動画作業標準に付加されている作業IDと作業者IDとが、予め取得している作業標準情報と一致するか確認する。そして、一致する場合にのみ、作業標準処理部70aは、動画作業標準を画像記憶部62に格納する処理を行う。
これにより、動画作業標準を作成しない作業者に対して撮像装置20を付与している場合に、当該撮像装置20から動画作業標準が誤動作により誤ってサーバ装置60に送信されたとしても、作業標準処理部70aは、当該動画作業標準を画像記憶部62に格納しない。そのため、意図しない動画作業標準がサーバ装置60に蓄積されることを防止することができる。
(具体例6:標準時間の設定処理)
(具体例6が解決しようとする課題)
従来、生産現場では生産スケジュールをたてるために各作業の標準時間を設定することが行われている。通常、管理者が作業者のそばで作業を確認し、作業時間を計測する。そして、計測した作業時間を基に標準時間が設定される。
しかしながら、作業時間は、作業者の熟練度に応じて変わるものである。そのため、熟練度の異なる複数の作業者が作業を行う生産現場において標準時間を設定するためには、これら複数の作業者の各々について作業時間を計測する必要があり、標準時間の設定に手間がかかる。また、作業時間は、日々の作業改善によっても変化するものであるが、頻繁に作業時間の計測を行うのは手間である。
そこで、特許文献1,2に記載のように撮像装置を生産現場に設置して、撮像装置により得られた動画を確認することで各作業者の作業時間を求め、標準時間を設定することが考えられる。しかしながら、この場合、固定型の撮像装置では、死角が多く、作業者の作業範囲を的確に撮像できない場合があり、作業の開始および終了を判断するのが困難となる。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、作業者の作業範囲を的確に撮像することで、標準時間を容易に設定することができる作業管理システムを提供するものである。
(具体例6の構成)
本具体例に係る作業管理システム1でも、標準時間が設定される作業ごとに、上記具体例1で説明した図10に示すような二次元コード表が予め作成される。そして、作業者は、作業を開始するとき、図11の(a)に示されるように、二次元コード表を見ながら、開始時遮蔽コードである二次元コードC2の上に手を置く。同様に、作業者は、作業を終了するとき、図11の(b)に示されるように、二次元コード表を見ながら、終了時遮蔽コードである二次元コードC3の上に手を置く。なお、本具体例では、作業者全員に対して撮像装置20が割り当てられる。
図16は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図16に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dと、作業時間算出部31cとを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、標準時間設定部70bを備えている。
また、本具体例の入力支援情報記憶部29は、各作業について、作業開始時刻の入力を支援する第3入力支援情報と、作業終了時刻の入力を支援する第4入力支援情報とを記憶している。
第3入力支援情報は、図10に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC1,C4および終了時遮蔽コードである二次元コードC3の第3組み合わせと、第3アルゴリズムとを対応付けた情報である。第3アルゴリズムは、現時刻を作業開始時刻とし、当該作業開始時刻と、対応する作業を識別する作業IDと、を含む作業時間算出指示を入力情報とするアルゴリズムである。
第4入力支援情報は、図10に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC1,C4および開始時遮蔽コードである二次元コードC2の第4組み合わせと、第4アルゴリズムとを対応付けた情報である。第4アルゴリズムは、現時刻を作業終了時刻とし、当該作業終了時刻と、対応する作業を識別する作業IDとを含む作業時間算出指示を入力情報とするアルゴリズムである。
入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22からフレームごとに出力される二次元コードの組み合わせと入力支援情報とに基づいて入力情報を決定し、決定した入力情報を出力する。本具体例では、入力情報決定部31dは、決定した入力情報を制御部31内の他の構成部(本具体例では作業時間算出部31c)に出力する。
本具体例では、図11の(a)に示すように開始時遮蔽コードに手が置かれ、二次元コードC1,C4と終了時遮蔽コードである二次元コードC3との組み合わせ(第3組み合わせと同一の組み合わせ)が認識されると、入力情報決定部31dは、第3組み合わせに対応する第3アルゴリズムに従って、現時刻を作業開始時刻とする。そして、入力情報決定部31dは、第3アルゴリズムで指定された作業IDと当該作業開始時刻とを含む作業時間算出指示を、入力情報として特定し、当該作業時間算出指示を作業時間算出部31cに出力する。
また、図11の(b)に示すように終了時遮蔽コードに手が置かれ、二次元コードC1,C4と開始時遮蔽コードである二次元コードC2との組み合わせ(第4組み合わせと同一の組み合わせ)が認識されると、入力情報決定部31dは、第4組み合わせに対応する第4アルゴリズムに従って、現時刻を作業終了時刻とする。そして、入力情報決定部31dは、第4アルゴリズムで指定された作業IDと当該作業終了時刻とを含む作業時間算出指示を入力情報として決定し、当該作業時間算出指示を作業時間算出部31cに出力する。
作業時間算出部31cは、作業IDごとに、入力情報決定部31dからの作業時間算出指示に含まれる作業開始時刻と作業終了時刻との差である時間を作業時間として算出し、算出した作業時間と当該作業IDとを対応付けてサーバ装置60に送信するように通信部30を制御する。
サーバ装置60の標準時間設定部70bは、作業IDごとに、当該作業IDに対応付けて各撮像装置20から受けた作業時間の分布を求める。このとき、標準時間設定部70bは、現時刻から所定期間前(例えば1週間)までの間に撮像装置20から受けた作業時間の分布を求める。そして、標準時間設定部70bは、作業IDごとに、作業時間の分布を基に標準時間を設定する。すなわち、標準時間設定部70bは、撮像装置20から受信した複数の作業時間の実績データを累積して統計処理を行い、標準時間を設定する。例えば、標準時間設定部70bは、作業時間の分布の最頻値、平均値、中央値などの代表値を標準時間として設定すればよい。標準時間設定部70bは、入出力端末10や表示端末80からの要求に応じて、設定した標準時間を出力する。これにより、管理者は、適当なタイミングで最近の作業時間に基づいた標準時間を容易に確認することができる。
本具体例によれば、作業者が撮像装置20を装着することで、自動的に各作業の標準時間を容易に設定することができる。
(具体例7:具体例6の変形例)
本具体例は、上記具体例6の変形例である。具体例6では、撮像装置20が作業時間算出部31cを備える構成としたが、本具体例では、サーバ装置60が作業時間を算出する構成である。
図17は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図17に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、作業時間算出部70cと標準時間設定部70bとを備えている。
入力情報決定部31dは、具体例6と同様に入力情報を決定し、決定した入力情報を出力する。ただし、本具体例では、入力情報決定部31dは、入力情報をサーバ装置60に送信するように通信部30を制御する。すなわち、入力情報決定部31dは、具体例6と比較して、入力情報の出力先がサーバ装置60である点でのみ相違する。
本具体例においても、入力支援情報記憶部29は、具体例6と同じく、第3入力支援情報と第4入力支援情報とを記憶している。そのため、入力情報決定部31dは、第3組み合わせと同一の組み合わせが多次元コード認識部22により認識されると、対応する作業IDと作業開始時刻(現時刻)とを含む作業時間算出指示を、入力情報として出力する。また、入力情報決定部31dは、第4組み合わせと同一の組み合わせが多次元コード認識部22により認識されると、第4組み合わせに対応する作業IDと作業終了時刻(現時刻)とを含む作業時間算出指示を、入力情報として出力する。
作業時間算出部70cは、作業IDごとに、撮像装置20から受信した作業開始時刻と作業終了時刻との差である時間を作業時間として算出し、算出した作業時間と当該作業IDとを対応付けて標準時間設定部70bに出力する。
本具体例の標準時間設定部70bは、具体例6と同じ処理を行うため、詳細な説明を省略する。
本具体例によっても、作業者が撮像装置20を装着することで、自動的に各作業の標準時間が設定される。
(具体例8:作業記録作成指示および作業記録更新指示のハンズフリー入力処理)
(具体例8が解決しようとする課題)
従来、生産現場において、生産装置の仕様を確認するために、作業者が端末を操作して、端末に当該仕様を表示させることがある。また、生産装置ごとに、作業者が作業開始時刻および作業終了時刻などの作業記録を端末に入力することで、作業期間の管理が行われている。しかしながら、作業者が端末を操作するには、キーボードやマウスを用いた入力が必要となる。一般に、生産現場では、作業者は、立ちながら端末を操作する。立ちながらの入力の場合、「肘から指まで」だけでなく「肩から指まで」の姿勢保持が必要になり、座りながらの操作と比較して腕にかかる負担が大きくなる。また、指の位置を細かく調整することが困難であるため、正確な入力に時間がかかる。
そこで、特開2008−108008には、作業者の特定の部位の移動を入力パターンとして検出する技術が開示されている。
しかしながら、特開2008−108008に記載の技術ではカメラが固定されているため、上述したように、作業者の状態によって死角ができやすく、作業範囲を的確に撮像できないという問題が生じる。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、作業者の作業範囲を的確に撮像することで、作業者による端末への入力作業の負担を軽減できる作業管理システムを提供するものである。
(具体例8の構成)
本具体例に係る作業管理システム1では、図18に示されるような二次元コード表が各生産装置40に予め貼り付けられている。図18は、生産装置Mに対応する二次元コード表である。図18において、両端に位置する二次元コードC5,C8は、生産装置40ごとにユニークに割り振られたコードであり、生産装置40を示す設備コードである。左から2つ目の二次元コードC6は、作業を開始するときに手等により遮蔽される開始時遮蔽コードである。作業者は、作業を開始するとき、具体例1と同様に(図11の(a)参照)、二次元コード表を見ながら、開始時遮蔽コードである二次元コードC6の上に手を置く。また、左から3つ目の二次元コードC7は、作業を終了するときに手等により遮蔽される終了時遮蔽コードである。作業者は、作業を終了するとき、具体例1と同様に(図11の(b)参照)、終了時遮蔽コードである二次元コードC7の上に手を置く。
図19は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図19に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、作業記録作成部70dを備えている。
入力情報決定部31dは、具体例7で説明した機能を備えている。ただし、本具体例の入力支援情報記憶部29は、作業記録の蓄積対象となる生産装置40ごとに、作業開始時刻の入力を支援する第5入力支援情報(入力支援情報A)と、作業終了時刻の入力を支援する第6入力支援情報(入力支援情報B)とを記憶している。
第5入力支援情報は、図18に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC5,C8および終了時遮蔽コードである二次元コードC7の第5組み合わせと、第5アルゴリズムとを対応付けた情報である。第5アルゴリズムは、現時刻を作業開始時刻とし、当該作業開始時刻と、対応する生産装置40を識別する設備IDと、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDとを含む作業記録作成指示を入力情報とするアルゴリズムである。
第6入力支援情報は、図18に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC5,C8および開始時遮蔽コードである二次元コードC6の第6組み合わせと、第6アルゴリズムとを対応付けた情報である。第6アルゴリズムは、現時刻を作業終了時刻とし、当該作業終了時刻と、対応する生産装置40を識別する設備IDと、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDとを含む作業記録更新指示を入力情報とするアルゴリズムである。
そのため、開始時遮蔽コードに手が置かれ、二次元コードC5,C8と終了時遮蔽コードである二次元コードC7との組み合わせ(第5組み合わせと同一の組み合わせ)が多次元コード認識部22により認識されると、入力情報決定部31dは、第5組み合わせに対応する第5アルゴリズムに従って、現時刻を作業開始時刻とするとともに、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出す。そして、入力情報決定部31dは、第5組み合わせに対応する設備IDと当該作業開始時刻と当該作業者IDとを含む作業記録更新指示を入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する。
また、終了時遮蔽コードに手が置かれ、二次元コードC5,C8と開始時遮蔽コードである二次元コードC6との組み合わせ(第6組み合わせと同一の組み合わせ)が認識されると、入力情報決定部31dは、第6組み合わせに対応する第6アルゴリズムに従って、現時刻を作業終了時刻とするとともに、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出す。そして、入力情報決定部31dは、第6組み合わせに対応する設備IDと当該作業終了時刻と当該作業者IDとを含む作業記録更新指示を入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する。
ただし、入力情報決定部31dは、作業状態フラグに応じて、決定した入力情報を出力するか否かを決定する。具体的には、入力情報決定部31dは、作業状態フラグが「非作業中」である場合にのみ、作業開始時刻を含む入力情報を出力し、作業状態フラグを「作業中」に変更する。また、入力情報決定部31dは、作業状態フラグが「作業中」である場合にのみ、作業終了時刻を含む入力情報を出力し、作業状態フラグを「非作業中」に変更する。
サーバ装置60の作業記録作成部70dは、撮像装置20から受けた入力情報を基に、作業記録蓄積部63が記憶する情報(図4参照)を更新する。具体的には、作業記録作成部70dは、撮像装置20から作業記録作成指示を受けると、当該作業記録作成指示に含まれる作業者ID、設備IDおよび作業開始時刻を含む新たな作業記録レコードを作成し、作業記録蓄積部63に格納する。また、作業記録作成部70dは、撮像装置20から作業記録更新指示を受けると、当該作業記録更新指示に含まれる作業者IDおよび設備IDに対応する作業記録レコードを更新対象レコードとして作業記録蓄積部63から特定する。なお、作業者IDおよび設備IDに対応する作業記録レコードが複数存在する場合、作業記録作成部70dは、その中で最新の作業開始記録を含む作業記録レコードを更新対象レコードとして特定すればよい。作業記録作成部70dは、特定した更新対象レコードに、作業記録更新指示に含まれる作業終了時刻を追加する。
これにより、設備ID、作業者ID、作業開始時刻および作業終了時刻が対応付けられた作業記録を、作業者の手入力操作なしに自動的に作成することができる。
なお、図4で示したように、作業記録蓄積部63は、作業種類情報および処置内容情報も記憶している。作業記録作成部70dは、作業種類情報および処置内容情報について、入出力端末10から取得すればよい。例えば、作業記録作成部70dは、設備ID、作業者ID、作業開始時刻および作業終了時刻を含む作業記録レコードについて、作業種類情報および処置内容情報の入力を促す画面を入出力端末10に送信する。図20は、当該画面の一例を示す図である。そして、作業者は、当該画面を確認し、作業種類情報および処置内容情報の入力を行えばよい。なお、図20において、「部位」「発生現象」「処置」の欄が処置内容情報を示す。作業記録作成部70dは、入出力端末10に入力された作業種類情報および処置内容情報を作業記録レコードに追加することで、作業記録を更新する。
(具体例8の処理の流れ)
次に、本具体例における撮像装置20の処理の流れについて説明する。図21は、本具体例の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22により二次元コードが認識されたか否かを判断する(S11)。S11でNoの場合、次のフレームについて再度S11の処理から繰り返す。
入力情報決定部31dは、二次元コードが認識された場合(S11でYes)、多次元コード認識部22により一つのフレームから認識された二次元コードの組み合わせと、第5組み合わせとが一致するか確認する(S12)。第5組み合わせは、作業開始時刻を含む作業記録作成指示を入力情報とする第5アルゴリズムと対応付けられているため、S12の判断は、作業を開始するか否かの判断を意味する。
ここで、上述したように、作業者が二次元コード表(図18参照)の開始時遮蔽コードに手を置くと、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC5,C8と終了時遮蔽コードである二次元コードC7との組み合わせ(第5組み合わせと同一の組み合わせ)が認識され、この場合に限り、S12でYesとなる。
S12でYesの場合、入力情報決定部31dは、作業状態フラグが「非作業中」であるか確認する(S13)。S13でNoの場合、次のフレームについて再度S11の処理を繰り返す。一方、S13でYesの場合、入力情報決定部31dは、作業状態フラグを「作業中」に変更する(S14)。そして、入力情報決定部31dは、第5組み合わせに対応する第5アルゴリズムに従って、現時刻を作業開始時刻とするとともに、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出す。そして、入力情報決定部31dは、第5組み合わせに対応する設備IDと当該作業開始時刻と当該作業者IDとを含む作業記録作成指示を入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する(S15)。
一方、S12でNoの場合、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22により認識された二次元コードの組み合わせと、第6組み合わせとが一致するか確認する(S16)。第6組み合わせは、作業開始時刻を含む作業記録作成指示を入力情報とする第6アルゴリズムと対応付けられているため、S16の判断は、作業を終了するか否かの判断を意味する。S16でNoの場合、次のフレームについて再度S11の処理から繰り返す。
作業者は、作業が終了すると、二次元コード表(図18参照)の終了時遮蔽コードに手を置く。このとき、二次元コード表の両端に位置する二つの二次元コードC5,C8と開始時遮蔽コードである二次元コードC6との組み合わせ(第6組み合わせと同一の組み合わせ)が認識され、この場合に限り、S16でYesとなる。
S16でYesの場合、入力情報決定部31dは、作業状態フラグが「作業中」であるか確認する(S17)。S17でNoの場合、次のフレームについて再度S11の処理から繰り返す。一方、S17でYesの場合、入力情報決定部31dは、作業状態フラグを「非作業中」に変更し(S18)、S16で一致すると判断された第6組み合わせに対応する第6アルゴリズムに従って、現時刻を作業終了時刻とするとともに、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出す。そして、入力情報決定部31dは、第6組み合わせに対応する設備IDと当該作業終了時刻と当該作業者IDとを含む作業記録更新指示を入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する(S19)。
これにより、作業者は、撮像装置20を装着し、手元の作業範囲にある二次元コード表(図18参照)のうち開始時遮蔽コードである二次元コードC6または終了時遮蔽コードである二次元コードC7を手で隠すだけで、作業記録作成指示または作業記録更新指示を自動的にサーバ装置60に送信することができる。よって、作業者によるキーボードやマウスを用いた手入力作業を軽減することができる。
(具体例9:具体例8の変形例)
本具体例は、上記具体例8の変形例である。そのため、具体例8と異なる点のみ説明する。本具体例では、生産装置40ごとではなく、製造指示書ごとに作成された二次元コード表を用いる。図22は、本具体例で用いる二次元コード表の一例を示す。製造指示書とは、作業者に対する製造指示が記載された書類であり、製品種別、ロット番号、使用する設備などを記される。製造指示書は、作業対象となる対象物(製品やロットなど)を識別するものである。
図22において、両端に位置する二次元コードC9,C12は、製造指示書ごとにユニークに割り振られたコードであり、製造指示書を示すオーダコードである。左から2つ目の二次元コードC10は、作業を開始するときに手等により遮蔽される開始時遮蔽コードである。作業者は、作業を開始するとき、二次元コードC10の上に手を置く。また、左から3つ目の二次元コードC11は、作業を終了するときに手等により遮蔽される終了時遮蔽コードである。作業者は、作業を終了するとき、二次元コードC11の上に手を置く。
本具体例の入力支援情報記憶部29は、作業記録の蓄積対象となる製造指示書ごとに、
作業開始時刻の入力を支援する第7入力支援情報(入力支援情報C)と、作業終了時刻の入力を支援する第8入力支援情報(入力支援情報D)とを記憶している。
第7入力支援情報は、図22に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC9,C12および終了時遮蔽コードである二次元コードC11の第7組み合わせと、第7アルゴリズムとを対応付けた情報である。第7アルゴリズムは、現時刻を作業開始時刻とし、当該作業開始時刻と、対応する製造指示書を識別するオーダIDと、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDとを含む作業記録作成指示を入力情報とするアルゴリズムである。
第8入力支援情報は、図22に示されるような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC9,C12および開始時遮蔽コードである二次元コードC10の第8組み合わせと、第8アルゴリズムとを対応付けた情報である。第8アルゴリズムは、現時刻を作業終了時刻とし、当該作業終了時刻と、対応する製造指示書を識別するオーダIDと、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDとを含む作業記録更新指示を入力情報とするアルゴリズムである。
本具体例の入力情報決定部31dは、第7または第8入力支援情報に基づいて、設備IDの代わりに、オーダIDを含む作業記録作成指示または作業記録更新指示を入力情報として決定する点でのみ、具体例8と異なる。
そして、撮像装置20における処理は、図21に示すフローチャートとほぼ同じであり、S15およびS19において設備IDの代わりにオーダIDを含む指示を送信する点で異なる。
また、サーバ装置60の作業記録作成部70dは、撮像装置20から受けた指示を基に、設備IDの代わりにオーダIDを含む作業記録を作業記録蓄積部63に格納する点でのみ具体例8と異なる。
本具体例によっても、作業者は、撮像装置20を装着し、手元の作業範囲にある二次元コード表(図22参照)のうち開始時遮蔽コードである二次元コードC10または終了時遮蔽コードである二次元コードC11を手で隠すだけで、作業記録作成指示または作業記録更新指示を自動的にサーバ装置60に送信することができる。よって、作業者によるキーボードやマウスを用いた手入力作業を軽減することができる。
なお、オーダIDの代わりに、製品を識別する製品ID、製品およびロットを識別するロットIDを用いてもよい。オーダID、製品ID、ロットIDは、作業対象となる対象物を識別する対象物識別情報である。
(具体例10:表示指示のハンズフリー入力処理)
(具体例10が解決しようとする課題)
従来、設備に関する詳細な情報や、生産対象となる製品,ロットなどに関する詳細な情報をサーバ装置に蓄積しておき、作業者が必要に応じて端末を操作し、これらの情報を確認することが行われている。しかしながら、具体例8でも述べたように、作業者は、立ちながら端末を操作するため、座りながら操作する場合に比較して腕にかかる負担が大きくなる。また、指の位置を細かく調整することが困難であるため、正確な入力に時間がかかる。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、端末に情報を表示させる際の指示(表示指示)の入力負担を軽減できる作業管理システムを提供する。
(具体例10の構成)
以下、本具体例について、具体例8の変形例として説明する。そのため、具体例8と異なる点のみ説明する。
本具体例では、図18に示す二次元コード表とは別に、入出力端末10の表示部13の四隅に二次元コードが貼り付けられている。図23は、四隅に二次元コードが貼り付けられた表示部13の一例を示す。表示部13の四隅に貼り付けられる二次元コードは、表示部13ごとにユニークに割り振られたコードと、位置を示すコードとを含む。具体的には、左上隅に貼り付けられた二次元コード(以下、左上用二次元コード(左上用多次元コード)という)C13は、表示部13に対しユニークに割り振られたコードと、左上であることを示すコードとを含む。同様に、右上隅に貼り付けられた二次元コード(以下、右上用二次元コード(右上用多次元コード)という)C14は、表示部13に対しユニークに割り振られたコードと、右上であることを示すコードとを含む。左下隅に貼り付けられた二次元コード(以下、左下用二次元コード(左下用多次元コード)という)C15は、表示部13に対しユニークに割り振られたコードと、左下であることを示すコードとを含む。右下隅に貼り付けられた二次元コード(以下、右下用二次元コード(右下用多次元コード)という)C16は、表示部13に対しユニークに割り振られたコードと、右下であることを示すコードとを含む。
図24は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図24に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dと、作業対象設定部31eとを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、作業記録作成部70dと、表示制御部70eとを備えている。
また、本具体例の入力支援情報記憶部29は、具体例8で説明した第5入力支援情報および第6入力支援情報の他に、第9から第13入力支援情報を記憶している。
第9入力支援情報(入力支援情報E)は、各入出力端末10について、当該入出力端末10が備える表示部13の四隅に貼り付けられた4つの二次元コードの組み合わせ(第9組み合わせ)と、第9アルゴリズムとを対応付けた情報である。第9アルゴリズムは、対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイID(表示装置識別情報)と、作業対象記憶部23に格納された設備IDとを含む表示指示を入力情報とするアルゴリズムである。
第10入力支援情報(入力支援情報F)は、各入出力端末10について、当該入出力端末10が備える表示部13に貼り付けられた左上用二次元コードC13および右上用二次元コードC14の組み合わせ(第10組み合わせ)と、対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイIDおよび上を示す方向情報を含む表示指示とを対応付けた情報である。
第11入力支援情報(入力支援情報G)は、各入出力端末10について、当該入出力端末10が備える表示部13に貼り付けられた左下用二次元コードC15および右下用二次元コードC16の組み合わせ(第11組み合わせ)と、対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイIDおよび下を示す方向情報を含む表示指示とを対応付けた情報である。
第12入力支援情報(入力支援情報H)は、各入出力端末10について、当該入出力端末10が備える表示部13に貼り付けられた左上用二次元コードC13および左下用二次元コードC15の組み合わせ(第12組み合わせ)と、対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイIDおよび左を示す方向情報を含む表示指示とを対応付けた情報である。
第13入力支援情報(入力支援情報I)は、各入出力端末10について、当該入出力端末10が備える表示部13に貼り付けられた右上用二次元コードC14および右下用二次元コードC16の組み合わせ(第13組み合わせ)と、対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイIDおよび右を示す方向情報を含む表示指示とを対応付けた情報である。
そのため、第9から第13入力支援情報を基に表示指示が入力情報として決定されると、入力情報決定部31dにより、当該表示指示がサーバ装置60に送信制御される。
作業対象設定部31eは、通信部30が作業記録作成指示を送信するタイミングで、当該作業記録作成指示に含まれる設備IDを作業対象の生産装置40を示す設備IDとして決定し、決定した設備IDを作業対象記憶部23に上書きする。
サーバ装置60の表示制御部70eは、撮像装置20から受けた表示指示に応じて、入出力端末10の表示を制御する。
具体的には、表示制御部70eは、撮像装置20から設備IDおよびディスプレイIDを含む表示指示を受けた場合、当該設備IDに対応する設備関連情報を関連情報記憶部66から読み出し、当該ディスプレイIDで示される表示部13を備えた入出力端末10に対し、読み出した設備関連情報を送信する。これにより、作業者が見ている表示部13に設備関連情報が表示される。
また、表示制御部70eは、撮像装置20からディスプレイIDおよび方向情報を含む表示指示を受けた場合、当該ディスプレイIDで示される表示部13を備えた入出力端末10に対して、当該方向情報で示される方向にスクロールさせるスクロール指示を送信する。これにより、作業者が見た方向に向けて自動的にスクロールされる。
(具体例10の処理の流れ)
次に、本具体例の作業管理システム1における処理の流れについて説明する。図25は、本具体例の作業管理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。なお、図25において、具体例8で説明した処理と同じ処理については図21と同じステップ番号を付与し、その説明を省略する。
まず、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22により二次元コードが認識されたか否かを判断する(S11)。S11でYesの場合、入力情報決定部31dは、認識した二次元コードが表示部13に対しユニークに割り振られたコードを含むか確認する(S21)。入力情報決定部31dは、作業管理システム1に含まれる全ての入出力端末10の表示部13に割り振られたコードを予め記憶しておくことでS21の処理を行うことができる。
S21でNoの場合、具体例8で説明したS14およびS15の処理が実行される。そして、S15の後、作業対象設定部31eは、S15でサーバ装置60に送信された作業記録作成指示に含まれる設備IDを作業対象の生産装置40を示すIDとして作業対象記憶部23に上書きする(S22)。
一方、S21でYesの場合、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22により一つのフレームから認識された二次元コードの組み合わせと、第9組み合わせとが一致するか確認する(S23)。第9組み合わせは、同一の表示部13に貼り付けられた左上用二次元コードC13、右上用二次元コードC14、左下用二次元コードC15、右下用二次元コードC16の組み合わせである。よって、S23は、表示部13の四隅に貼り付けられた4つの二次元コードと一致するかを確認していることになる。
S23でYesの場合、入力情報決定部31dは、第9組み合わせに対応する第9アルゴリズムに従って、第9組み合わせに対応する入出力端末10の表示部13を識別するディスプレイIDと、作業対象記憶部23に格納された設備IDとを含む表示指示を、入力情報として決定する。そして、通信部30は、入力情報決定部31dにより決定された入力情報(表示指示)をサーバ装置60に送信する(S24)。
表示指示を受けたサーバ装置60の表示制御部70eは、当該表示指示に含まれる設備IDに対応する設備関連情報を関連情報記憶部66から読み出す。そして、表示制御部70eは、表示指示に含まれるディスプレイIDで示される入出力端末10に対して、読み出した設備関連情報を送信する。これにより、作業者は、入出力端末10への操作入力なしに、装着している撮像装置20が撮像した表示部13、つまり作業範囲内にある表示部13で、設備関連情報を確認することができる。
一方、S23でNoの場合、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22により一つのフレームから認識された二次元コードの組み合わせと、第10〜第13組み合わせのいずれかと一致するか確認する(S25)。第10〜第13組み合わせは、同一の表示部13に貼り付けられた左上用二次元コードC13、右上用二次元コードC14、左下用二次元コードC15、右下用二次元コードC16のうちの2つの組み合わせである。よって、S25は、表示部13の四隅に貼り付けられた4つの二次元コードのうちの2つと一致するかを確認していることになる。S25でNoの場合、次のフレームについてS11の処理から繰り返される。
S25でYesの場合、入力情報決定部31dは、一致した組み合わせに応じた方向を示す方向情報とディスプレイIDとを含む表示指示を、入力情報として決定する。そして、通信部30は、入力情報決定部31dにより決定された入力情報(表示指示)をサーバ装置60に送信する(S26)。
S26の表示指示を受けたサーバ装置60の表示制御部70eは、当該表示指示に含まれるディスプレイIDで示される入出力端末10に対して、当該表示指示に含まれる方向情報で示される方向へのスクロール指示を送信する。スクロール指示を受けた入出力端末10は、指示に従って表示部13の画面をスクロールさせる。
図26は、入出力端末10の表示部13と、撮像装置20の撮像範囲Eとの位置関係を示す図である。図26に示されるように、頭部に装着された撮像装置20の撮像範囲Eが四隅の二次元コードのうち右上用二次元コードC14および右下用二次元コードC16のみを含む場合、作業者が画面の右側を確認したいことが推定される。この場合、S25,S26により右スクロールが自動的に実行される。同様に、撮像範囲Eに左上用二次元コードC13および右上用二次元コードC14のみを含む場合には上スクロールが、撮像範囲Eに左上用二次元コードC13および左下用二次元コードC15のみを含む場合には左スクロールが、撮像範囲Eに左下用二次元コードC15および右下用二次元コードC16のみを含む場合には下スクロールが、自動的に実行される。このように、作業者による入出力端末10への操作入力なしに、画面のスクロールを実行することができる。
(具体例11:具体例10の変形例)
本具体例は、上記具体例10の変形例である。そのため、具体例10と異なる点のみ説明する。本具体例では、生産装置40ごとではなく、製造指示書ごとに作成された二次元コード表(図22参照)を用いる。
そして、本具体例の入力支援情報記憶部29は、作業記録の蓄積対象となる製造指示書ごとに、具体例10で説明した第9〜13入力支援情報に加えて、具体例9と同様の第7入力支援情報と第8入力支援情報とを記憶している。
そして、撮像装置20における処理は、図25に示すフローチャートとほぼ同じであり、S15およびS19において設備IDの代わりにオーダIDを含む指示を送信する点で異なる。
また、サーバ装置60の表示制御部70eは、表示指示に含まれるオーダIDに対応する製品関連情報を関連情報記憶部66から読み出す。そして、表示制御部70eは、表示指示に含まれるディスプレイIDで示される入出力端末10に対して、読み出した製品関連情報を送信する。これにより、作業者は、入出力端末10への操作入力なしに、製品関連情報を確認することができる。
本具体例によっても、作業者は、撮像装置20を装着し、手元の作業範囲にある二次元コード表(図22参照)のうち開始時遮蔽コードである二次元コードC10または終了時遮蔽コードである二次元コードC11を手で隠すだけで、作業記録作成指示または作業記録更新指示を自動的にサーバ装置60に送信することができる。よって、作業者によるキーボードやマウスを用いた手入力作業を軽減することができる。
なお、オーダIDの代わりに、製品を識別する製品ID、製品およびロットを識別するロットIDを用いてもよい。オーダID、製品ID、ロットIDは、作業対象となる対象物を識別する対象物識別情報である。
(具体例12:チェック結果のハンズフリー入力処理)
(具体例12が解決しようとする課題)
従来、生産現場では製品の品質を保つために、作業者が各種のチェック項目についてチェックを行っている。そのチェック結果は、後日見返すために、所定のチェック結果記録用紙に記録される。
このようなチェック結果記録用紙への作業者による記録は、生産に直接関わる作業ではない。そのため、作業者の生産能力を高めるためには、なるべく短時間で行うことが望ましい。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、作業者によるチェック結果の入力負担を軽減できる作業管理システムを提供する。
(具体例12の構成)
本具体例では、チェック項目ごとに、図27の(a)に示されるような二次元コード表が予め作成されている。図27の(a)は、チェック項目Kに対応する二次元コード表である。図27の(a)において、両端に位置する二次元コードC17,C20は、チェック項目ごとにユニークに割り振られたコードであり、チェック項目を識別するチェック項目コードである。左から2つ目の二次元コードC18は、チェック結果が合格であるときに手等により遮蔽される合格時遮蔽コードである。作業者は、チェック結果が合格であると判断したとき、図27の(b)に示されるように、合格時遮蔽コードである二次元コードC18の上に手を置く。また、左から3つ目の二次元コードC19は、チェック結果が不合格であるときに手等により遮蔽される不合格時遮蔽コードである。作業者は、チェック結果が不合格である判断したとき、図27の(c)に示されるように、不合格時遮蔽コードである二次元コードC19の上に手を置く。
図28は、本具体例の作業管理システム1が備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図28に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、チェック結果処理部70fを備えている。
また、本具体例の入力支援情報記憶部29は、チェック項目ごとに、チェック結果の入力を支援する第14入力支援情報および第15入力支援情報を記憶している。
第14入力支援情報(入力支援情報J)は、図27の(a)の両端に示す2つの二次元コードC17,C20および不合格時遮蔽コードである二次元コードC19の第14組み合わせと、第14アルゴリズムとを対応付けた情報である。第14アルゴリズムは、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDと、対応するチェック項目を識別するチェック項目ID(チェック項目識別情報)と、「合格」を示すチェック結果情報とを含むチェック結果登録指示を入力情報とするアルゴリズムである。
第15入力支援情報(入力支援情報J)は、図27の(a)の両端に示す2つの二次元コードC17,C20および合格時遮蔽コードである二次元コードC18の第15組み合わせと、第15アルゴリズムとを対応付けた情報である。第15アルゴリズムは、作業者ID記憶部28に記憶された作業者IDと、対応するチェック項目を識別するチェック項目IDと、「不合格」を示すチェック結果情報とを含むチェック結果登録指示を入力情報とするアルゴリズムである。
上述したように、作業者は、チェック結果が合格であると判断したとき、合格時遮蔽コードである二次元コードC18の上に手を置く。このとき、二次元コードC18が手で隠れてしまうため、作業者の手元を撮像する撮像装置20の多次元コード認識部22は、二次元コードC17,C19およびS20の組み合わせ(第14組み合わせと同じ組み合わせ)を認識する。そのため、入力情報決定部31dは、第14アルゴリズムに従って、作業者IDと、チェック項目IDと、「合格」を示すチェック結果情報とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する。
また、作業者は、チェック結果が不合格であると判断したとき、不合格時遮蔽コードである二次元コードC19の上に手を置く。このとき、二次元コードC19が手で隠れてしまうため、多次元コード認識部22は、二次元コードC17,C18およびS20の組み合わせ(第15組み合わせと同じ組み合わせ)を認識する。そのため、入力情報決定部31dは、第15アルゴリズムに従って、作業者IDと、チェック項目IDと、「不合格」を示すチェック結果情報とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として決定し、サーバ装置60に送信する。
サーバ装置60のチェック結果処理部70fは、撮像装置20から受けたチェック結果登録指示に含まれる作業者IDとチェック項目IDとチェック結果情報とを対応付けてチェック結果記憶部64に格納する。このとき、チェック結果処理部70fは、現時刻をチェック時刻としてチェック結果記憶部64に格納する。
これにより、作業者は、入出力端末10に対する操作を行うことなく、チェック結果をサーバ装置60に記録することができる。
(具体例13:具体例12の変形例)
本具体例は、具体例12の変形例である。そのため、具体例12と異なる点のみ説明する。本具体例では、第14アルゴリズムおよび第15アルゴリズムは、具体例12で説明したアルゴリズムに加えて、現時刻をチェック時刻とし、当該チェック時刻をチェック結果登録指示に含めるアルゴリズムを含む。
本具体例では、入力情報決定部31dは、第14アルゴリズムおよび第15アルゴリズムを基に、作業者IDと、チェック項目IDと、チェック結果情報と、チェック時刻(現時刻)とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として決定する。また、チェック結果処理部70fは、チェック結果登録指示に含まれる作業者IDと、チェック項目IDと、チェック結果情報と、チェック時刻とを対応付けてチェック結果記憶部64に格納すればよい。
(具体例14:具体例12の変形例)
本具体例は、具体例12の変形例である。そのため、具体例12と異なる点のみ説明する。本具体例では、音声によりチェックを行うチェック項目ごとに、図29に示されるような二次元コード表が予め作成されている。図29において、両端に位置する2つの二次元コードC21,C23は、チェック項目ごとにユニークに割り振られたコードである。また、真ん中に位置する二次元コードC22は、両端に位置する二次元コードとは異なるコードであり、チェックを開始する際に遮蔽される開始時遮蔽コードである。
そして、本具体例の入力支援情報記憶部29は、音声によりチェックを行うチェック項目ごとに、第16入力支援情報(入力支援情報K)を記憶している。第16入力支援情報は、図29に示す二次元コード表の両端に位置する二次元コードC21,C23の組み合わせ(第16組み合わせ)と、第16アルゴリズムとを対応付けた情報である。
第16アルゴリズムは、所定時間内にマイク部25に入力された音声が所定パターンに一致する場合に「合格」を示すチェック結果を生成し、一致しない場合に「不合格」を示すチェック結果を生成するチェック結果生成アルゴリズムを含む。また、第16アルゴリズムは、現時刻をチェック時刻とするチェック時刻生成アルゴリズムを含む。そして、第16アルゴリズムは、チェック結果生成アルゴリズムにより生成されたチェック結果と、作業者ID記憶部28に格納された作業者IDと、対応するチェック項目を識別するチェック項目IDと、チェック時刻生成アルゴリズムにより生成されたチェック時刻とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として生成するアルゴリズムを含む。
そのため、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第16組み合わせに一致すると、第16アルゴリズムに従ってチェック結果登録指示を生成する。例えば、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第16組み合わせに一致すると判断した時から所定時間(例えば、1分間)の間にマイク部25に入力された音声と所定パターン(例えば、音声パターン「良し」)とを照合する。照合の結果、一致した場合、チェック結果「合格」が生成され、一致しない場合、チェック結果「不合格」が生成される。
本具体例によれば、作業者は、図29に示す二次元コード表の開始時遮蔽コードである二次元コードC22の上に手を置いた後、所定の音声を発するだけで、チェック項目に対するチェックを行うことができる。すなわち、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減することができる。
(具体例15:具体例12の変形例)
本具体例は、具体例12の変形例である。そのため、具体例12と異なる点のみ説明する。本具体例では、加速度センサ24によりチェックを行うチェック項目ごとに、具体例14と同様の二次元コード表(図29参照)が予め作成されている。
そして、本具体例の入力支援情報記憶部29は、加速度センサ24によりチェックを行うチェック項目ごとに第17入力支援情報(入力支援情報L)を記憶している。第17入力支援情報は、図29に示すような二次元コード表の両端に位置する二次元コードC21,C23の組み合わせ(第17組み合わせ)と、第17アルゴリズムとを対応付けた情報である。
第17アルゴリズムは、所定時間内に加速度センサが検知した上下方向の加速度が所定閾値以上となった場合に「合格」を示すチェック結果を生成し、所定時間内に加速度センサが検知した水平方向の加速度が所定閾値以上となった場合に「不合格」を示すチェック結果を生成するチェック結果生成アルゴリズムを含む。また、第17アルゴリズムは、現時刻をチェック時刻とするチェック時刻生成アルゴリズムを含む。そして、第17アルゴリズムは、チェック結果生成アルゴリズムにより生成されたチェック結果と、作業者ID記憶部28に格納された作業者IDと、対応するチェック項目と識別するチェック項目IDと、チェック時刻生成アルゴリズムにより生成されたチェック時刻とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として生成するアルゴリズムを含む。
本具体例では、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第17組み合わせに一致すると、第17アルゴリズムに従ってチェック結果登録指示を生成する。例えば、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第17組み合わせに一致すると判断した時から所定時間(例えば、1分間)の間に加速度センサ24により検知された上下方向の加速度が所定閾値以上になった場合、チェック結果「合格」を生成する。また、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第17組み合わせに一致すると判断した時から所定時間(例えば、1分間)の間に加速度センサ24により検知された水平方向の加速度が所定閾値以上になった場合、チェック結果「不合格」を生成する。
そのため、作業者は、図29に示す二次元コード表の開始時遮蔽コードである二次元コードC22の上に手を置いた後、合格である場合は首を上下に振り、不合格である場合は横に振ればよい。これにより、チェック結果が自動的に入力され、サーバ装置60に蓄積される。その結果、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減することができる。
(具体例16:具体例12の変形例)
チェック項目の中には、計測器の計測パネルに数字として表示された計測値を基にチェックを行うことがある。具体的には、計測パネルに表示された計測値が所定範囲内である場合に「合格」、それ以外の場合に「不合格」とチェックする。
本具体例は、このような計測パネルに表示された計測値を用いたチェック項目について、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減する作業管理システムである。本具体例は、具体例12の変形例である。そのため、具体例12と異なる点のみ説明する。
本具体例では、計測値を用いたチェック項目ごとに、図30に示されるように、計測パネルの周囲に、二次元コードC24,C25と、チェック開始時に遮蔽される開始時遮蔽コードである二次元コードC26とが予め貼り付けられている。
そして、本具体例の入力支援情報記憶部29は、計測値を用いたチェック項目ごとに第18入力支援情報(入力支援情報M)を記憶している。第18入力支援情報は、図30に示すような、計測パネルの周囲に貼り付けられた複数の二次元コードのうち開始時遮蔽コードを除く二次元コードC24,C25の組み合わせ(第18組み合わせ)と、第18アルゴリズム(アルゴリズムM)とを対応付けた情報である。
第18アルゴリズムは、第18組み合わせと同じ組み合わせの二次元コードが認識されたフレームの中から文字認識アルゴリズムを用いて計測値を認識し、認識した計測値が所定範囲内である場合に「合格」を示すチェック結果を生成し、所定範囲外の場合に「不合格」を示すチェック結果を生成するチェック結果生成アルゴリズムを含む。また、第18アルゴリズムは、現時刻をチェック時刻とするチェック時刻生成アルゴリズムを含む。そして、第18アルゴリズムは、チェック結果生成アルゴリズムにより生成されたチェック結果と、作業者ID記憶部28に格納された作業者IDと、対応するチェック項目と識別するチェック項目IDと、チェック時刻生成アルゴリズムにより生成されたチェック時刻とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として生成するアルゴリズムを含む。なお、文字認識アルゴリズムは公知のものを用いればよい。
本具体例では、図30において、開始時遮蔽コードである二次元コードC26の上に手が置かれると、入力情報決定部31dは、多次元コード認識部22が認識した二次元コードの組み合わせが第18組み合わせに一致すると判断する。そして、入力情報決定部31dは、第18アルゴリズムに従ってチェック結果登録指示を生成する。例えば、入力情報決定部31dは、第18組み合わせと同じ組み合わせの二次元コードが認識されたフレームから文字認識により認識された計測値(図30の例では、「31.2」)が所定範囲内である場合、チェック結果「合格」を生成する。
このように、本具体例によれば、作業者は、装着した撮像装置20が計測パネルを撮像できる位置まで向かうだけで、チェック結果が自動的に入力され、サーバ装置60に蓄積される。その結果、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減することができる。
(具体例17:具体例12の変形例)
計測器の中には、具体例15のように計測値を数字で表示せずに、指針により表示するものがある。このような計測器の場合、従来では、計測パネルの指針が所定範囲内を示している場合に「合格」、それ以外の場合に「不合格」とチェックしている。
本具体例は、このような計測パネルの指針を用いたチェック項目について、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減する作業管理システムである。本具体例は、具体例12の変形例である。そのため、具体例12と異なる点のみ説明する。
本具体例では、計測値を用いたチェック項目ごとに、図31に示されるように、計測パネルの周囲に、二次元コードC27,C28と、チェック開始時に遮蔽される開始時遮蔽コードである二次元コードC29とが予め貼り付けられている。
そして、本具体例の入力支援情報記憶部29は、計測値を用いたチェック項目ごとに第19入力支援情報(入力支援情報M)を記憶している。第19入力支援情報は、図31に示すような、計測パネルの周囲に貼り付けられた複数の二次元コードのうち開始時遮蔽コードを除く二次元コードC27,C28の組み合わせ(第19組み合わせ)と、第19アルゴリズム(アルゴリズムM)とを対応付けた情報である。
第19アルゴリズムは、第19組み合わせと同じ組み合わせの二次元コードが認識されたフレームの中から計測パネルの領域を検出し、検出した領域(計測器画像)における指針131の位置が所定範囲内である場合に「合格」を示すチェック結果を生成し、所定範囲外の場合に「不合格」を示すチェック結果を生成するチェック結果生成アルゴリズムを含む。計測パネルの領域の検出、指針の位置の検出、指針の位置が所定範囲内か否かの判断は、公知の画像処理の技術を用いればよい。例えば、計測パネルの周囲の領域を計測パネルと異なる色で塗装しておくことで、色値を用いて計測パネルの領域を認識することができる。また、指針131の形状や色を予め登録しておくことで、指針131の位置を認識することができる。そして、計測パネルにおいて、予め合格範囲となる領域(図31では点線で囲まれる領域134)を所定の色で塗装しておくことで、指針が当該合格範囲内か否かを画像処理により判断することができる。
また、第19アルゴリズムは、現時刻をチェック時刻とするチェック時刻生成アルゴリズムを含む。そして、第19アルゴリズムは、上述のチェック結果生成アルゴリズムにより生成されたチェック結果と、作業者ID記憶部28に格納された作業者IDと、対応するチェック項目と識別するチェック項目IDと、チェック時刻生成アルゴリズムにより生成されたチェック時刻とを含むチェック結果登録指示を、入力情報として生成する。
本具体例においても、作業者は、装着した撮像装置20が計測パネルを撮像できる位置まで向かうだけで、チェック結果が自動的に入力され、サーバ装置60に蓄積される。その結果、作業者によるチェック記録用紙への記入作業を軽減することができる。
(具体例18:異常発生時動画の自動作成処理)
(具体例18が解決しようとする課題)
従来、特定の生産装置にカメラを設置して作業状況を録画しておき、当該生産装置において何等かの異常(トラブル)が発生した場合、録画された動画の中から異常発生期間を切り出し、原因追究や処置方法の確認が行われている。
しかしながら、上述したように、カメラを固定位置に設置した場合、死角が発生するため、異常個所によっては撮像できなくなる。また、撮像できたとしても作業状況まで正確に把握できない可能性が高い。その結果、原因追究や処置方法の確認ができない。また、録画の中から異常発生期間のシーンを切り出す手間がかかる。
本具体例は、このような問題点を解決するためのものであり、異常発生時の作業状況を撮像した動画をより確実に蓄積することができる作業管理システムを提供するものである。
(具体例18の構成)
本具体例では、異常発生時の作業状況を確認したい生産装置40ごとに、図32の(a)に示されるような二次元コード表が当該生産装置40に貼り付けられている。図32の(a)において、両端に位置する二次元コードC30,C32は、生産装置40ごとにユニークに割り振られたコードであり、生産装置40のチェックを示す設備チェックコードである。真ん中に位置する二次元コードC31は、生産装置40のチェックを開始するときに手等により遮蔽される開始時遮蔽コードである。作業者は、生産装置40のチェックを開始する前に、図32の(b)に示されるように、生産装置40に貼り付けられた二次元コード表を見ながら、開始時遮蔽コードの上に手を置く。
また、本具体例では、異常発生時の作業状況を確認したい生産装置40ごとに、図33の(a)に示されるような二次元コード表が当該生産装置40に貼り付けられている。図33の(a)において、両端に位置する二次元コードC33,C35は、生産装置40ごとにユニークに割り振られたコードであり、生産装置40で生産された製品のチェックを示す製品チェックコードである。真ん中に位置する二次元コードC34は、生産装置で生産された製品のチェックを開始するときに手等により遮蔽される開始時遮蔽コードである。作業者は、生産装置40で生産された製品のチェックを開始する前に、図33の(b)に示されるように、生産装置40に貼り付けられた二次元コード表を見ながら、開始時遮蔽コードの上に手を置く。
図34は、本具体例の作業管理システムが備える撮像装置およびサーバ装置の制御部の内部構成を示すブロック図である。図34に示すように、撮像装置20の制御部31は、入力情報決定部31dと録画処理部31fとを備えている。また、サーバ装置60の制御部70は、録画指示部(設備信号受付部)70gと、トラブル情報作成部(トラブル情報処理部)70hと、検索処理部70jとを備えている。
入力情報決定部31dは、具体例7と同様に、入力支援情報に基づいて入力情報を決定し、決定した入力情報をサーバ装置60に送信するように通信部30を制御する。
ただし、本具体例の入力支援情報記憶部29は、異常発生時の作業状況の確認が望まれる生産装置40ごとに、生産装置40のチェック開始の入力を支援する第20入力支援情報と、製品のチェック開始の入力を支援する第21入力支援情報とを記憶している。
第20入力支援情報は、図32の(a)に示す二次元コード表の両端に位置する二次元コードC30,C32の組み合わせ(第20組み合わせ)と、第20アルゴリズムとを対応付けた情報である。第20アルゴリズムは、作業者ID記憶部28に格納された作業者ID(設備点検者識別情報)が付加された設備チェック信号(設備点検信号)を入力情報とするアルゴリズムである。
第21入力支援情報は、図33の(a)に示す二次元コード表の両端に位置する二次元コードC33,C35の組み合わせ(第21組み合わせ)と、第21アルゴリズムとを対応付けた情報である。第21アルゴリズムは、作業者ID記憶部28に格納された作業者ID(製品点検者識別情報)が付加された製品チェック信号(製品点検信号)を入力情報とするアルゴリズムである。
作業者は、生産装置のチェック(設備点検)を開始するとき、図32の(b)に示すように開始時遮蔽コードに手を置く。このとき、開始時遮蔽コードが手で隠れてしまうため、作業者の手元を撮像する撮像装置20の多次元コード認識部22は、撮像されたフレームから、二次元コード表の両端に位置する二次元コードC30,C32の組み合わせ(第20組み合わせと同一の組み合わせ)を認識する。そのため、入力情報決定部31dは、第20入力支援情報に基づいて、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出し、読み出した作業者IDを付加した設備チェック信号を入力情報として決定する設備点検信号生成部として機能する。
また、作業者は、製品のチェック(製品点検)を開始するとき、図33の(b)に示すように開始時遮蔽コードに手を置く。このとき、開始時遮蔽コードが手で隠れてしまうため、作業者の手元を撮像する撮像装置20の多次元コード認識部22は、撮像されたフレームから、二次元コード表の両端に位置する二次元コードC33,C35の組み合わせ(第21組み合わせと同一の組み合わせ)を認識する。そのため、入力情報決定部31dは、第21入力支援情報に基づいて、作業者ID記憶部28から作業者IDを読み出し、読み出した作業者IDを付加した製品チェック信号を入力情報として決定する製品点検信号生成部として機能する。
録画処理部31fは、サーバ装置60からの録画開始指示を受けると、撮像部21により撮像されたフレームのサーバ装置60への送信を開始する。また、録画処理部31fは、サーバ装置60から録画終了指示を受けると、撮像部21により撮像されたフレームのサーバ装置60への送信を停止する。
録画指示部70gは、製造ラインごとに、生産装置40からの状態信号に応じて、録画開始指示または録画終了指示を撮像装置20に送信するように通信部61を制御する。
上述したように、生産装置40は、状態信号として、稼働中であるか停止中であるかを示す稼働信号と、異常報知部45が動作中であるか否かを示すトラブル信号とを出力している。図35は、状態信号の変化と録画期間との関係を示す図である。図35の上部には、状態信号の時間経過の一例が示されている。生産装置40は、上述したように、何等かの異常が発生すると停止するように設計されている。そのため、稼働中に何等かの異常が発生すると、生産装置40は、停止中であることを示す稼働信号と、異常報知部45が動作中であることを示すトラブル信号とをサーバ装置60に送信する。その後、異常報知部45の報知を受けて作業者が生産装置40に出向き、異常報知の解除ボタンが押下されると、生産装置40は、トラブル信号を異常報知が解除されていることを示す信号に変える。そして、作業者がトラブル処置を行い、稼働開始されると、生産装置40は、稼働信号を稼働中であることを示す信号に変える。
本具体例では、録画指示部70gは、トラブル信号が異常報知中から異常報知解除を示す信号に変化したタイミングで、録画開始指示を出力する。すなわち、録画指示部70gは、停止中であることを示す稼働信号および異常報知解除を示すトラブル信号の組み合わせを異常開始信号として認識し、当該異常開始信号を受け付けたタイミングで、録画開始指示を出力する。製造ラインが自動運転されているような場合、異常が発生したタイミング(図35の符号Ta)から異常報知が解除されるタイミング(図35の符号Tb)までは、作業者が生産装置40の付近にいないため、作業者が装着している撮像装置20で撮像される動画は、異常に対する処置とは関係のない画像である。そのため、録画指示部70gは、作業者が生産装置40のそばに来たタイミング、すなわち異常報知が解除されたタイミングで、録画開始指示を出力する。
このとき、録画指示部70gは、対応する製造ラインを担当している作業者が装着している撮像装置20のカメラIDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、録画指示部70gは、特定したカメラIDで示される撮像装置20に対してのみ録画開始指示を出力する。
また、録画指示部70gは、稼働信号が停止中から稼働中に変化したタイミング(図35の符号Tc)で録画終了指示を出力する。稼働信号が停止中から稼働中に変化したタイミングとは、異常が解消されたタイミングである。
このとき、録画指示部70gは、対応する製造ラインを担当している作業者が装着している撮像装置20のカメラIDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、録画指示部70gは、特定したカメラIDで示される撮像装置20に対してのみ録画終了指示を出力する。
録画指示部70gは、録画開始指示を出力した撮像装置20から受けた動画を異常発生時動画として画像記憶部62に一時的に格納する。このとき、録画指示部70gは、撮像装置20から受けた作業者IDと対応付けて異常発生時動画を一時的に格納する。
トラブル情報作成部70hは、生産装置40の異常発生に関するトラブル情報を作成し、画像記憶部62に格納する。図36は、トラブル情報作成部70hにより作成されるトラブル情報の一例を示す図である。図36に示されるように、トラブル情報は、異常発生した生産装置40ごとに、当該生産装置40を識別する設備IDと、当該生産装置40内の異常発生したユニットを識別するユニットIDと、異常発生時刻と、異常報知が解除された時刻(対応開始時刻)と、トラブル処置が終了した時刻(処置終了時刻)と、処置内容と、当該生産装置40が属するライン名と、当該生産装置40が設置されている場所を示すロケーション名と、異常発生後に当該生産装置40のチェックを行った作業者を示す設備対応作業者IDと、設備対応作業者IDで示される作業者に装着された撮像装置20により撮像された動画ファイルと、当該生産装置40で生産されていた製品の製品IDおよびロット番号と、異常発生後に当該生産装置40で生産された製品のチェックを行った作業者を示す製品チェック作業者IDと、製品チェック作業者IDで示される作業者に装着された撮像装置20により撮像された動画ファイルとを対応付けた情報である。
トラブル情報作成部70hは、停止中を示す稼働信号と異常報知中を示すトラブル信号とを出力している生産装置40から、当該生産装置40を識別する設備IDと、異常が発生しているユニットを識別するユニットIDと、異常発生時刻とを取得する。そして、トラブル情報作成部70hは、取得した設備ID、ユニットIDおよび異常発生時刻とを対応付けたトラブル情報レコードを作成し、画像記憶部62に格納する。
トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、当該レコードに含まれる設備IDに対応するライン名およびロケーション名をライン情報記憶部67から取得し、取得したライン名およびロケーション名を当該レコードに加える。
また、トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、当該レコードに含まれる設備IDに対応する製品IDおよびロット番号をロット管理装置50から取得し、取得した製品IDおよびロット番号を当該レコードに加える。
また、トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、トラブル信号が異常報知中から異常報知解除に変化した時刻を対応開始時刻とし、当該対応開始時刻をレコードに加える。トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、稼働信号が停止中から稼働中に変化した時刻を処置終了時刻とし、当該処置終了時刻をレコードに加える。
さらに、トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、当該レコードに含まれるライン名に対応する作業者IDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、トラブル情報作成部70hは、特定した作業者IDの中に、撮像装置20から受けた設備チェック信号に付加された作業者IDと同一のものがあるか確認する。同一の作業者IDが存在する場合、トラブル情報作成部70hは、当該作業者IDを設備対応作業者IDとしてレコードに加える。一方、同一の作業者IDが存在しない場合、トラブル情報作成部70hは、作業者情報記憶部65の中から、当該レコードに含まれるライン名に対応し、かつ、主担当フラグが付けられた作業者IDを設備対応作業者ID(設備点検者識別情報)としてレコードに加える。そして、トラブル情報作成部70hは、設備対応作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、読み出した異常発生時動画を設備対応動画として当該レコードに加える。
同様に、トラブル情報作成部70hは、トラブル情報レコードごとに、当該レコードに含まれるライン名に対応する作業者IDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、トラブル情報作成部70hは、特定した作業者IDの中に、撮像装置20から受けた製品チェック信号に付加された作業者IDと同一のものがあるか確認する。同一の作業者IDが存在する場合、トラブル情報作成部70hは、当該作業者IDを製品チェック作業者ID(製品点検者識別情報)としてレコードに加える。一方、同一の作業者IDが存在しない場合、トラブル情報作成部70hは、作業者情報記憶部65の中から、当該レコードに含まれるライン名に対応し、かつ、主担当フラグが付けられた作業者IDを製品チェック作業者IDとしてレコードに加える。そして、トラブル情報作成部70hは、製品チェック作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、読み出した異常発生時動画を製品チェック動画として当該レコードに加える。
検索処理部70jは、表示端末80からの検索要求に応じて、画像記憶部62に格納されたトラブル情報(図36参照)を検索し、検索結果画面を表示端末80に送信する。
例えば、検索処理部70jは、設備IDやユニットID、設備作業者ID、製品チェック作業者IDごとに、トラブル情報をソートさせ、検索結果画面を作成してもよい。図37は、設備IDおよびユニットIDごとにトラブル情報がソートされた検索結果画面の例である。このとき、図38に示されるように、処置内容の項目について回数が多い順にソートしてもよい。
また、検索処理部70jは、処置終了時刻と対応開始時刻との差分である時間を復旧時間として算出し、算出した復旧時間を含む検索結果画面を作成してもよい。図39は、ロケーション名ごとにソートされ、かつ、各レコードごとに算出された復旧時間を含む検索結果画面の例である。また、検索処理部70jは、図39に示されるように、復旧時間の基準となる標準時間も検索結果画面に含ませてもよい。当該標準時間は、予め設定されていてもよいし、上記の具体例6により設定されてもよい。このとき、検索処理部70jは、標準時間と復旧時間との差に応じて昇順または降順でソートした検索結果画面を作成してもよい。
また、検索処理部70jは、設備対応動画または製品チェック動画の配信要求を表示端末80から受け付け、配信要求で指定された設備対応動画または製品チェック動画を表示端末80に配信する。これにより、作業者や管理者は、表示端末80を操作することで、所望の動画を確認することができる。
このとき、検索処理部70jは、設備対応動画および製品チェック動画ごとに、配信した回数をカウントしておき、そのカウント数をトラブル情報に含めて蓄積してもよい。この場合、検索処理部70jは、配信回数が多い順でトラブル情報をソートして検索結果画面を作成することができる。
(具体例18におけるトラブル情報の作成処理の流れ)
次に、本具体例の作業管理システムにおけるトラブル情報の作成処理の流れについて説明する。図40は、トラブル情報の作成処理の流れを示すフローチャートである。サーバ装置60のトラブル情報作成部70hは、製造ラインごとに、図40に示す処理を行う。図40は、製造ラインa(図中では単に「ラインa」と記載)についての処理を示している。
まず、トラブル情報作成部70hは、製造ラインaに属する生産装置40から出力される状態信号を確認し、稼働信号が停止中を示し、かつ、トラブル信号が異常報知中を示しているか判断する(S31)。S31でNoの場合、S31の処理を繰り返す。
停止中を示す稼働信号および異常報知中を示すトラブル信号を出力する生産装置40が存在する場合(S31でYes)、トラブル情報作成部70hは、当該生産装置40に対して、設備ID、異常発生しているユニットのユニットIDおよび異常発生時刻を要求し、これら情報を取得する。そして、トラブル情報作成部70hは、取得した設備ID、ユニットIDおよび異常発生時刻を含むトラブル情報レコードを作成し、画像記憶部62に格納する(S32)。このとき、トラブル情報作成部70hは、製造ラインaに対応するロケーション名およびライン名をライン情報記憶部67から特定し、当該レコードに追加する。
次に、制御部70は、生産装置40から異常報知解除を示すトラブル信号を受けたか判断する(S33)。異常報知解除を示すトラブル信号を受けていない場合、S33の処理を繰り返す。
異常報知解除を示すトラブル信号を受けた場合(S33でYes)、S34の処理が行われる。S34において、トラブル情報作成部70hは、現時刻を対応開始時刻とし、当該対応開始時刻をS32で作成したレコードに追加する。また、録画指示部70gおよびトラブル情報作成部70hは、製造ラインaで作業している作業者の作業者IDおよびカメラIDを作業者情報記憶部65から読み出す。
そして、録画指示部70gは、読み出したカメラIDで示される撮像装置20に対して、録画開始指示を出力する(S35)。これにより、録画開始指示を受けた撮像装置20の録画処理部31fは、撮像部21により撮像されたフレームと作業者IDとのサーバ装置60への送信を開始する。そして、録画指示部70gは、撮像装置20から受けたフレームを異常発生時動画を構成するフレームとし、作業者IDと対応付けて画像記憶部62に一時的に格納していく。また、トラブル情報作成部70hは、ロット管理装置50から製造ラインaに対応する製品IDおよびロット番号を読み出し、S32にて作成したレコードに追加する(S36)。
なお、異常報知解除を示すトラブル信号を受ける場合(S33でYes)とは、作業者が生産装置40の異常報知解除ボタンを押下したときである。その後、作業者は、生産装置40に対する設備チェックや生産された製品のチェックを行う。このとき、設備チェックを行う作業者は、生産装置40に貼り付けられている二次元コード表(図32参照)を見て、開始時遮蔽コードである二次元コードC31の上に手を置く。これにより、上述したように、当該作業者に装着された撮像装置20の入力情報決定部31dは、作業者IDが付加された設備チェック信号をサーバ装置60に送信する。また、製品チェックを行う作業者は、生産装置40に貼り付けられている二次元コード表(図33参照)を見て、開始時遮蔽コードである二次元コードC34の上に手を置く。これにより、上述したように、当該作業者に装着された撮像装置20の入力情報決定部31dは、作業者IDが付加された製品チェック信号をサーバ装置60に送信する。なお、サーバ装置60のトラブル情報作成部70hは、設備チェック信号または製品チェック信号を受け付けた場合、これら信号を一時的に記憶しておく。
次に、制御部70は、生産装置40から稼働中を示す稼働信号を受けたか判断する(S37)。稼働中を示す稼働信号を受けていない場合(S37でNo)、S37の処理を繰り返す。
稼働中を示す稼働信号を受けると(S37でYes)、トラブル情報作成部70hは、現時刻を処置終了時刻とし、S32で作成したレコードに当該処置終了時刻を追加する(S38)。また、録画指示部70gは、S35で録画開始指示を出力した撮像装置20に対して、録画終了指示を出力する(S39)。これにより、録画終了指示を受けた撮像装置20の録画処理部31fは、撮像部21により撮像されたフレームの送信を停止する。
続いて、トラブル情報作成部70hは、S33でYesと判断してからS37でYesと判断するまでの間に、設備チェック信号を受け付けたか否か判断する(S40)。設備チェック信号を受け付けた場合(S40でYes)、トラブル情報作成部70hは、当該設備チェック信号に付加された作業者IDを設備対応作業者IDとして、S32にて作成したレコードに追加する(S41)。さらに、トラブル情報作成部70hは、設備対応作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、S32にて作成したレコードに追加する(S42)。
一方、設備チェック信号を受け付けていない場合(S40でNo)、トラブル情報作成部70hは、製造ラインaに対応し、かつ、主担当フラグが付けられている作業者IDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、トラブル情報作成部70hは、特定した作業者IDを設備対応作業者IDとして、S32にて作成したレコードに追加する(S43)。さらに、トラブル情報作成部70hは、設備対応作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、S32にて作成したレコードに追加する(S44)。
次に、トラブル情報作成部70hは、S33でYesと判断してからS37でYesと判断するまでの間に、製品チェック信号を受け付けたか否か判断する(S45)。製品チェック信号を受け付けた場合(S45でYes)、トラブル情報作成部70hは、当該製品チェック信号に付加された作業者IDを製品チェック作業者IDとして、S32にて作成したレコードに追加する(S46)。さらに、トラブル情報作成部70hは、製品チェック作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、S32にて作成したレコードに追加する(S47)。
一方、製品チェック信号を受け付けていない場合(S45でNo)、トラブル情報作成部70hは、製造ラインaに対応し、かつ、主担当フラグが付けられている作業者IDを作業者情報記憶部65から特定する。そして、トラブル情報作成部70hは、特定した作業者IDを製品チェック作業者IDとして、S32にて作成したレコードに追加する(S48)。さらに、トラブル情報作成部70hは、製品チェック作業者IDに対応する異常発生時動画を画像記憶部62から読み出し、S32にて作成したレコードに追加する(S49)。
その後、適当なタイミング、または、作業者からの指示に従って、トラブル情報作成部70hは、処置内容の入力を促す画面を製造ラインaの入出力端末に送信し、入出力端末から処置内容を示す情報を取得する。そして、トラブル情報作成部70hは、取得した処置内容をS32で作成したレコードに追加する。
以上により、サーバ装置60は、図36に示されるようなトラブル情報を蓄積することができる。
本具体例によれば、作業者目線で撮像された動画を設備対応動画または製品チェック動画として蓄積することができる。よって、後で設備対応動画または製品チェック動画を確認するとき、作業で注意すべきポイントを容易に理解できる。
また、生産装置40からの状態信号に応じて録画開始指示および録画終了指示が生成されるため、異常発生に対応しているときの動画のみを自動的に蓄積できる。その結果、動画の切り出し作業を行う必要がない。また、サーバ装置60における動画を蓄積するための容量を小さくすることができる。
さらに、異常発生時の動画が設備IDやユニットID、ロケーション名などに対応付けられて、サーバ装置60に蓄積される。そのため、作業者や管理者は、表示端末80を操作して、いつでも必要な動画を確認しやすくなる。例えば、作業者は、ある生産装置40の異常に対応する場合、当該生産装置40の設備IDを指定することにより、同じ生産装置40に対応する設備対応動画のみを容易に確認することができる。
また、表示端末80を多数設置することで、作業者や管理者は、どの場所でも、近くの表示端末80を操作して必要な動画を確認することが容易となる。
また、異常発生時の動画が処置内容に対応付けられている。そのため、頻度の高い処置内容に対応する動画を容易に確認することができる。
さらに、設備対応動画だけでなく製品チェック動画も蓄積するため、後で製品に対するクレームがあったとしても、製品チェック動画を見ることで、生産装置40の異常による製品への影響を事後調査できる。
(具体例19:具体例18の変形例)
上記の具体例18では、トラブル信号が異常報知解除に変化したタイミングで録画を開始するものとした。しかしながら、作業者が生産装置40の近くで作業を行うような製造ラインの場合、録画指示部70gは、異常報知中であるトラブル信号を受けたタイミング(図35の符号Ta)で録画開始指示を出力してもよい。すなわち、録画指示部70gは、停止中であることを示す稼働信号および異常報知中を示すトラブル信号の組み合わせを異常開始信号として認識し、当該異常開始信号を受け付けたタイミングで、録画開始指示を出力する。
(具体例20:具体例18の変形例)
上記の具体例18において、サーバ装置60の制御部70は、表示端末80からの指示に応じて、撮像装置20から受信した異常発生時動画を構成するフレームを表示端末80に配信してもよい。そして、表示端末80は、サーバ装置60から受けた異常発生時動画を表示部83に表示する。
これにより、表示端末80を見ている管理者は、生産装置40の設備チェックを行っている作業者に装着された撮像装置20の撮像画像をリアルタイムで確認することができる。
さらに、表示端末80がマイク部およびスピーカ部を備えており、サーバ装置60を介して、表示端末80と撮像装置20との間で音声信号を送受信をリアルタイムで行ってもよい。これにより、管理者は、作業者の作業範囲を表示端末80で確認しながら、作業者に対する指示を音声で伝えることができる。
(具体例21:具体例18の変形例)
具体例18では、設備チェック信号および製品チェック信号を受け付けていない場合、主担当の作業者に装着された撮像装置20で撮像された動画を設備対応動画および製品チェック動画とした。しかしながら、トラブル情報作成部70hは、設備チェック信号および製品チェック信号を受け付けていない場合、設備対応動画および製品チェック動画をトラブル情報に登録しなくてもよい。すなわち、図40における処理フローにおいて、S40でNoの場合にはS43、S44の処理を省略し、S45でNoの場合、S48,S49の処理を省略する。
必ずしも、主担当の作業者に装着された撮像装置20で撮像された動画が、チェック作業を示す動画であるとはいえないからである。これにより、不必要な動画の蓄積を防止できる。
(その他)
上記の説明では、サーバ装置60、画像記憶部62、作業記録蓄積部63、チェック結果記憶部64、作業者情報記憶部65、関連情報記憶部66およびライン情報記憶部67を備えるものとして説明した。しかしながら、作業管理システム1がサーバ装置60と別の記憶装置を備えており、当該記憶装置が、画像記憶部62、作業記録蓄積部63、チェック結果記憶部64、作業者情報記憶部65、関連情報記憶部66およびライン情報記憶部67の全てまたは一部を備えていてもよい。この場合、サーバ装置60は、ネットワークを介して記憶装置にアクセスすればよい。
(ソフトウェアによる実現例)
最後に、撮像装置20およびサーバ装置60の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、撮像装置20およびサーバ装置60は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである撮像装置20およびサーバ装置60の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記撮像装置20およびサーバ装置60に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、撮像装置20およびサーバ装置60を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)(登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態中に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。