JP6156084B2 - 読取装置 - Google Patents
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Description
請求項2に係る発明によれば、読取光学系の光軸から離れる方向に彩度を次第に低くする配色としない場合に比べて、読取光学系の画角を原因とする色の測定誤差を小さくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、複数の読取光学系でカラーチャートを読み取ってキャリブレーションを行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、第1の読取光学系と第2の読取光学系とで配色を異ならせた場合に比べて、当該配色した色の測定誤差を小さくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、第1の読取光学系と第2の読取光学系とで共通に読み取られた色の測定結果に基づいて、キャリブレーションを行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る読取装置10の構成を説明する図である。読取装置10は、媒体の表面を光学的に読み取る読取装置である。
搬送媒体11は、円筒状の部材であり、円筒の中心を軸として回転する。搬送媒体11は、モータ等の図示せぬ駆動手段によって、矢印A1方向(反時計回り)に回転させられる。搬送媒体11は、回転することにより、シート状媒体Mを矢印A2方向へ搬送する。シート状媒体Mは、搬送媒体11の位置に搬送されたときに、読取面Sの部分が読み取られる。
なお、シート状媒体Mを搬送する搬送手段は、搬送媒体11以外にも存在するが、その説明を省略する。
なお、搬送媒体11は、シート状媒体Mを搬送する場合には、カラーチャート100を有しない部分を使用するように動作が制御される。これにより、シート状媒体Mとカラーチャート100とが接触して、カラーチャート100が損傷する可能性が回避される。
なお、光源121,122がシート状媒体Mに照射する光の入射角は、ここでは同一であるが、互いに異なっていてもよい。
なお、色分解プリズム14に代えて、例えばビームスプリッタ及びカラーフィルタを備えた色分解手段が用いられてもよく、色分解手段の具体的構成については特に問わない。
図2には、カラーチャート100が読み取られるときの、読取面Sから読取光学系15に至るまでの光の光路が示されている。符号「pr1」、「pr2」を付して表した実線の各々は、読取光学系15に入射する最外郭の主光線を意味する。符号「OP」を付して表した一点鎖線は、読取装置10の光学系、より詳細には、読取光学系15の光軸を意味する。読取光学系15の画角(物体側画角)は「θ」で表される。画角θは、主光線pr1又はpr2と光軸OPとの間の角度で表され、0度よりも大きい角度である。この場合、主光線pr1及びpr2の各々は、光軸OPに平行でない(光軸OPに平行とみなさない場合を含む。)。読取面Sは、ここでは、カラーチャート100上の主光線pr1とpr2との間の範囲である。読取光学系15の光軸OPは、典型的には、読取面Sの中心と交差する。読取面Sは、例えば、搬送媒体11の軸方向においてカラーチャート100と同じ幅を有するが、カラーチャート100よりも広い幅を有していてもよい。
読取光学系15は、受光素子151により出力された画像信号を、制御装置20へ出力する。
図3(a)における上段に示すように、カラーチャート100は、正方形のパッチ状画像を、搬送媒体11の軸方向(行方向)及び搬送媒体11の回転方向である矢印A1方向(列方向)に沿って格子状に配置した構成である。読取装置10は、搬送媒体11を矢印A1方向に回転させながら、行L1,L2,L3,・・・という行方向に、複数行(行数は特に問わない。)分ずつパッチ状画像を読み取る。図3(a)には、読取面Sにおける、カラーチャート100における1行分のパッチ状画像に対応する範囲が示されている。
なお、図3において、行L1のパッチ状画像については、彩度の分布を分かりやすくするため、彩度に応じた模様を付している。また、ここでは、1行分のパッチ状画像が16個のパッチ状画像で構成されているが、この例に限定されない。
カラーチャート100における配色は、読取光学系15の画角を原因とするパッチ状画像の色の測定誤差(以下、「測色誤差」という。)が、当該色が有する彩度の高低によって変化する、という知見に基づいて決められている。測色誤差は、例えば、パッチ状画像の表色値と、当該パッチ状画像の表色値を読取光学系15で測定したときの表色値(測色値)との差(例えば色差)に相当する。
図4(a)には、図2で説明した読取光学系15と、光軸OPからの距離が互いに異なる測色値の測定位置I,II,III及びIVとが示されている。測定角度θ1は、レンズ152の中心と測定位置Iとを結ぶ線分と、光軸OPとの間の角度である。測定角度θ2は、レンズ152の中心と測定位置IIとを結ぶ線分と、光軸OPとの間の角度である。測定角度θ3は、レンズ152の中心と測定位置IIIとを結ぶ線分と、光軸OPとの間の角度である。測定角度θ4は、レンズ152の中心と測定位置IVとを結ぶ線分と、光軸OPとの間の角度である。図4(b)には、測色対象の色の彩度(横軸)と、当該測色において発生し得る測色誤差(縦軸)との関係を、測定位置毎に表したグラフが示されている。
また、カラーチャート100は、光軸OPを挟んで彩度が対称に分布する配色としなくてもよい。
また、カラーチャート100は、行毎に彩度を異ならせた配色としてもよい。
キャリブレーション手段21は、スキャン画像の色再現特性を調整するように、読取装置10のキャリブレーションを行う。例えば、キャリブレーション手段21は、パッチ状画像に対して予め分光測色機等により測定されている表色値と、当該パッチ状画像を読み取ったときの画像信号から得た測色値との差を小さくする(例えば一致させる)ように、スキャン画像の生成に用いられるルックアップテーブルを生成(更新)する。このキャリブレーションにより、光源121,122の分光放射特性等の、読取装置10における経時変化の影響を抑えて、制御装置20がスキャン画像を生成する。
なお、キャリブレーション手段21は、前述したルックアップテーブルの生成以外のキャリブレーションを行ってもよく、例えば、色空間変換に用いられる色変換パラメータを生成(更新)してもよい。また、キャリブレーション手段21は、制御装置20がプログラムを実行することにより実現されてもよいし、それ以外の方法で実現されてもよい。
本発明の第2実施形態を説明する。
この実施形態に係る読取装置10は、R色、G色、B色の色毎に、読取光学系15を複数備える点で、上述した第1実施形態の構成と相違する。以下の説明において、上述した第1実施形態の構成要素については同一の符号を付して表し、その説明を省略する。
読取装置10は、R色、G色、B色の色毎に、読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nからなる読取光学系ユニット30を備える。読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nの各々は、上述した第1実施形態の読取光学系15と同じ構成で、搬送媒体11の軸方向に沿って互いに間隔を空けて配置される。
以下の説明では、読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nの読取面を、順に、読取面Sa,Sb,Sc,・・・,SNと表す。ただし、各読取面を特に区別する必要のないときには、これらを「読取面S」と総称する。また、以下の説明で、読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nの各々を特に区別する必要のないときには、これらを「読取光学系15」と総称する。図5では、上述した第1実施形態で説明した光軸OPや主光線pr1,pr2の符号の末尾にも、a,b,c,・・・,Nの各アルファベットを付して、読取光学系毎にこれらの要素を区別している。
また、カラーチャート100における配色は、上述した第1実施形態で説明した配色と同じでよい。図5に示す例では、読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nの各々は、互いに共通の配色としたパッチ状画像群101を読み取る。配色が共通するということは、パッチ状画像に使用される色の種類と、パッチ状画像の配列方向に見たときの色の並び順が共通することを意味する。色が共通するということは、彩度のほか、例えば明度及び色相も共通する。
なお、読取面Sa,Sb,Sc,・・・,SNの各々と、カラーチャート100における配色との関係は、図5で説明した例に限られない。また、カラーチャート100は、読取面Sa,Sb,Sc,・・・,SNの各々で、共通の配色としなくてもよく、例えば、一部又は全部の配色(彩度)を異ならせてもよい。
例えば、重なり領域Sabには、複数のパッチ状画像からなるパッチ状画像群102abが配置される。重なり領域Sbcには、複数のパッチ状画像からなるパッチ状画像群102bcが配置される。重なり領域に配置されたパッチ状画像がキャリブレーションに使用されると、例えば、読取光学系15間の個体差を原因とする測色誤差が小さくなる。読取光学系15間の個体差をゼロとした場合、両者による色の測定結果は同じになるはずである。しかし、両者の測定結果に差異があった場合、例えば、読取光学系15間に個体差があったり、いずれかの読取光学系15に何らかの不具合が発生したりしている可能性がある。
そこで、キャリブレーション手段21は、読取光学系15a,15b,15c,・・・,15Nでカラーチャート100を読み取ったときの画像信号に基づいてキャリブレーションを行うことに加え、重なり領域に形成されたパッチ状画像の色の測定結果に基づいて、読取装置10(例えば読取光学系15)の状態を特定してもよい。
キャリブレーション手段21は、重なり領域の全体の色の測定結果を用いてキャリブレーションを行ってもよいし、例えば、光軸OPから離れる方向に彩度が次第に低くなる一部の領域の色の測定結果を用いて、キャリブレーションを行ってもよい。
図6に示すように、カラーチャート100は、重なり領域において配色しない、すなわち、重なり領域にパッチ状画像を配置しない構成であってもよい。この場合、重なり領域において、読取光学系15の光軸OPから離れる方向に彩度が低くならない部分が存在することがない。
なお、読取光学系ユニット30が備える読取光学系15の数は、2つ以上のいくつであってもよい。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した各実施形態では、カラーチャート100は、読取面Sの全体(又は重なり領域を除く全体)において、光軸OPから離れる方向に次第に彩度を低くする配色としていた。これに代えて、カラーチャート100は、読取面Sの一部(又は重なり領域を除いた領域の一部)において、光軸OPから離れる方向に次第に彩度を低くする配色としてもよい。すなわち、カラーチャート100は、読取面Sにおいて、彩度を有する第1の色を、当該第1の色に比べて彩度が低い第2の色よりも読取光学系15の光軸OPに近くする配色とした部分を有していればよい。
また、カラーチャート100は、円筒形の搬送媒体11に形成される例に限られない。例えば、カラーチャート100は、読取装置10がホワイトバランスの調整に用いる白色基準板の一部等、搬送媒体11以外の媒体に形成されてもよい。
また、読取装置10は、色分解プリズム14(色分解手段)を有しない構成であってもよい。この場合、読取装置10は、例えば、3ライン方式のカラーラインセンサを受光素子として備える。
また、本発明は、読取光学系を備えた読取装置が行う、カラーチャートを用いたキャリブレーション方法としても把握し得る。
Claims (5)
- 媒体の読取面から入射した光を画像信号に変換する読取光学系と、
前記媒体に形成されたカラーチャートであって、前記読取面において、彩度を有する第1の色を、当該第1の色に比べて彩度が低い第2の色よりも、前記読取光学系の光軸に近くする配色としたカラーチャートと、
前記カラーチャートを読み取ったときの前記画像信号に基づいて、キャリブレーションを行うキャリブレーション手段と
を備える読取装置。 - 前記カラーチャートは、
前記読取面において、前記光軸から離れる方向に彩度を次第に低くする配色とした
ことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。 - 前記読取光学系として、第1の読取光学系と第2の読取光学系とを備え、
前記第1の読取光学系及び前記第2の読取光学系は、互いの前記読取面が一部の領域にて重なり合う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の読取装置。 - 前記カラーチャートは、
前記第1の読取光学系における前記読取面と、前記第2の読取光学系における前記読取面とにおいて、共通の配色とした
ことを特徴とする請求項3に記載の読取装置。 - 前記カラーチャートは、
前記一部の領域において配色した
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の読取装置。
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