JP6154244B2 - ブロックの連結孔ジョイント装置及び付勢圧接部材の製造方法、並びにブロックの目地部施工方法とブロックの連結方法 - Google Patents

ブロックの連結孔ジョイント装置及び付勢圧接部材の製造方法、並びにブロックの目地部施工方法とブロックの連結方法 Download PDF

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Description

本発明は、連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材を用いて連結するに際し、両ブロックの連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置に関するものである。又、該ブロックの連結孔ジョイント装置に用いる付勢圧接部材の製造方法に関するものであり、又、該ブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロックの目地施工方法に関するものであり、更に、該ブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロックの連結方法に関するものである。
例えば、PC鋼材を通すためのシース孔が貫設されてなるプレキャストコンクリート製のブロック相互をモルタル等からなる目地部を設けて連結する場合、その施工方法の一例として、特許文献1が開示するものが提案されている。
該施工方法は、図53に示すような目地部シースaを用いて行われていた。該目地部シースaは、互いにスライド自在な内筒bと外筒cとからなる二重筒dと、該外筒c内に挿入されて該内筒bを該外筒c内から押し出す方向に付勢するスプリングeと、該外筒cの端部に設けられ前記内筒bの突出を抑止する折曲爪fと、該内筒bの先端gに取り付けた円環状シール材hとから構成されていた。
かかる目地部シースaを用いて目地部の施工を行うには、一方のプレキャストコンクリートブロックj1の仕口部kの拡径されたシース孔mに、前記外筒cを嵌入し(即ち、該プレキャストコンクリートブロックj1のコンクリート内に前記外筒cを埋め込み装着し)、連結されるべき両プレキャストコンクリートブロックj1,j2の仕口部k,kを対向状態にして前記シース孔mにPC鋼材nを通して後、前記スプリングeの付勢作用によって前記内筒bを突出させ、前記円環状シール材hを他方のプレキャストコンクリートブロックj2に圧着させ、目地形成空所r内に連結シース孔p(図53(C))を形成して前記シース孔m内を目地形成空所rから絶縁し、前記対向する仕口部k,k間の該目地形成空所rにグラウト等の目地材sを充填して目地部施工を行った後、前記PC鋼材nを緊張して両ブロックj1,j2を緊結し、次いでシース孔m内にグラウトを充填するものであった。
そして前記内筒bは、これを突出させるまでは、前記折曲爪fの折り曲げによって該突出が抑止されており、該折曲爪fを治具tによって開くことにより該内筒bが前記スプリングeによって押し出されて突出する如くなされていた。又、前記内筒bの先端に設けられた前記円環状シール材hが該スプリングeの付勢作用によって前記他方のプレキャストコンクリートブロックj2の仕口部kに弾性的に圧接される如くなされていた。
しかしながら、かかる目地部の施工方法によるときは次のような問題があった。即ち、前記スプリングeの付勢力によって外筒c内から押し出される前記内筒bの先端gに取り付けられた前記円環状シール材hを、前記他方のプレキャストコンクリートブロックj2の仕口部kに弾性的に当接させる構成を採用していたため、該仕口部kに対する前記円環状シール材hの当接面積が非常に小さかった。そのため、前記仕口部kに対する円環状シール材hの圧接が各部分で不均一化する恐れがあり、前記目地形成空所rと前記シース孔mとの絶縁が不完全となって、目地材(グラウト)sの充填時に該目地材sが前記シース孔m内に漏入する恐れがあった。
又、前記内筒bと前記外筒cとをスライド自在に構成していたことから、該内筒bと該外筒cとの重なり部分には一定の間隙uが形成されていたが、この間隙uを通して前記目地材sが該外筒cの底部側に浸入し、これが前記一方のプレキャストコンクリートブロックj1のシース孔m内に漏入する恐れがあった。
加えて、前記目地形成空所rに形成される前記連結シース孔pの直径が、連結されるべきプレキャストコンクリートブロックに設けられているシース孔mの直径よりも大きくならざるを得ないために、シース孔充填材の強度、ヤング係数が該目地充填材の強度、ヤング係数よりも小さい場合は、目地の強度、剛性がより減少し、地震荷重や強風時の風荷重に対して、強度的且つ剛性的に不安定化する恐れがあった。
更に、前記目地部シースaは、その不使用時において、前記折曲爪fが不用意に外れて前記内筒bがスプリングeの付勢作用によって飛び出す恐れがあった他、前記外筒cを前記一方のプレキャストコンクリートブロックj1のコンクリート内に埋め込む必要があったために該プレキャストコンクリートブロックj1の製造が面倒となる問題もあった。
特開平7−18751号公報
本発明は、連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結孔に通される連結材で連結するに際し、該両ブロックの連結面間に目地充填材を充填して目地部を形成する場合における前記従来の問題点を解決せんとするものである。
より具体的には、前記連結孔への連結孔充填材の円滑な注入を可能とするために前記連結孔に前記目地充填材が浸入するのを防止でき、又施工後においては、地震荷重等の外力の作用に対して良好な抵抗作用を発揮し得る強度的安定性に優れる目地部を形成でき、しかも、目地部に存する前記連結材の腐食防止を図ることのできる止水性に優れる目地部を形成できるブロックの連結孔ジョイント装置の提供を課題とするものである。又、該ブロックの連結孔ジョイント装置を構成するための付勢圧接部材を生産性よく製造し得る付勢圧接部材の製造方法の提供を課題とするものであり、又、ブロック相互間の目地部施工を簡易且つ確実に行うことを可能とするブロックの目地部施工方法の提供を課題とするものであり、更に、前記連結材を用いて行うブロック相互の連結を簡易且つ確実に行うことを可能とするブロックの連結方法の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係るブロックの連結孔ジョイント装置(以下連結孔ジョイント装置という)の第1の態様は、連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置であって、一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定され且つ該固定された状態で前記連結材を挿通可能となされたジョイントパイプと、該ジョイントパイプに装着される付勢圧接部材とを具えており、該ジョイントパイプは円筒状を呈し、その基端側が、前記一方のブロックの連結孔の端部側に連通状態で固定されるものであり、その先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態とされる如くなされている。又、前記付勢圧接部材は、前記基端側が前記連結孔の端部側に固定されて前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプの該突出部分を挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、前記他方のブロックの前記連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面が表側に設けられる共に、その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられている。そして、前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面が、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、該弾性圧接状態で、前記当接面から突出した前記先端側が前記拡大孔部に挿入状態となることを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第2の態様は、前記第1の態様において、「基端側が、前記一方のブロックの連結孔の端部側に連通状態で固定されるものであり、」の構成に代えて、「基端側が、前記一方のブロックの連結孔の端部側に挿入状態で固定されるものであり、」の構成を採用することを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第3の態様は、連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置であって、一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定された状態で前記連結材を挿通可能となされたジョイントパイプと、該ジョイントパイプに装着される付勢圧接部材とを具えており、該ジョイントパイプは、その延長方向に割溝が設けられた円筒状を呈し、該割溝の両縁部分が重ね合わせられた縮径状態で弾性的に拡径できるものであり、該ジョイントパイプは、その基端側が前記一方のブロックの連結孔の端部側に縮径状態で挿入されて後に弾性的に拡径することにより、該基端側が該連結孔の内周面に弾性圧接状態で固定される如くなされており、その先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態とされる如くなされている。又、前記付勢圧接部材は、前記基端側が前記連結孔の端部側に挿入状態で固定されて前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプの該突出部分を挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、前記他方のブロックの前記連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面が表側に設けられる共に、その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられている。そして、前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面が、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、該弾性圧接状態で、前記当接面から突出した前記先端側が前記拡大孔部に挿入状態となることを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第4の態様は、前記第2、第3の態様において、前記ジョイントパイプの外周面に、前記一方のブロックに設けられている前記連結孔の端部の周辺部分と当接して前記端部側への前記基端側の挿入量を規制する規制突部を設けたことを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第5の態様は、前記第4の態様において、前記規制突部を、前記ジョイントパイプの外周面を外方に向けて膨らみ変形させて設けるのがよい。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第6の態様は、前記第1の態様において、前記連結孔が、円筒状を呈する所要長さの管体をブロックに埋設して構成される場合、前記ジョイントパイプを、該管体の一方の端部分を前記一方のブロックの連結面で突出させて設けたことを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第7の態様は、前記第1、第2、第3の態様において、前記バネ部材を、前記環状当接板を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片の複数を該周方向に所要間隔を置いて設け、該傾斜バネ片の先端部が、前記一方のブロックの前記連結面に当接し得るように構成したことを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第8の態様は、前記第7の態様において、前記傾斜バネ片の先端部を、前記連結面に当接し得る屈曲片を有したものとし、前記両ブロックを相対的に所要量接近させて前記目地形成空所が形成された状態で、該屈曲片が前記連結面に面接触状態となり得ることを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第9の態様は、前記第7の態様において、前記傾斜バネ片は、前記環状当接板の半径方向に幅広の板バネからなり、夫々の傾斜バネ片の先端部は、前記連結面に当接し得る屈曲片を有しており、前記両ブロックを相対的に所要量接近させて前記目地形成空所が形成された状態で、該屈曲片が前記連結面に面接触状態となり得る如く構成したことを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第10の態様は、前記第1、第2、第3の態様において、前記付勢圧接部材は、前記環状当接板と前記バネ部材とが別体に形成され、該バネ部材を該環状当接板の裏面に固定して構成されており、該バネ部材は、前記環状当接板に設けられている前記挿通孔を内側に含むように前記挿通孔と連通し得る孔部を有し且つ該環状当接板の裏面に当接される環状部を具え、該環状部の外周縁には、周方向に所要角度ピッチで突出片が突設され、該突出片の表面は、前記環状部の表面と面一を呈しており、夫々の突出片の、周方向で見た同一側縁には、前記環状当接板を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片が屈曲形成されており、該傾斜バネ片の先端部が前記一方のブロックの前記連結面に当接し得ることを特徴とするものである。
本発明に係る連結孔ジョイント装置の第11の態様は、前記第1〜第10の態様の何れかに記載のブロックの連結孔ジョイント装置を、上下のブロック相互を連結するに際し、該上下のブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるものとし、前記ジョイントパイプの先端側が、前記上のブロックの前記連結孔の下の端部分としての前記拡大孔部に、立設された挿入状態とされることを特徴とするものである。
本発明に係る付勢圧接部材の製造方法は、別体に形成された環状当接板とバネ部材を用いて請求項1、2又は3記載の付勢圧接部材を製造する付勢圧接部材の製造方法であって、該バネ部材は、前記環状当接板の裏面に当接される環状部を具え、該環状部は、前記環状当接板に設けられている前記挿通孔を内側に含むように該挿通孔と連通し得る孔部を有しており、該孔部は、想定される前記挿通孔の径よりも大きく設定されており、該孔部を、これが前記挿通孔を内側に含むように該挿通孔と位置合わせして、前記環状部を前記環状当接板の裏面に固定することを特徴とするものである。
本発明に係るブロックの目地部施工方法は、前記1〜10の何れかの態様に係るブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロックの目地施工方法であって、前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプを、前記付勢圧接部材の前記環状当接板の前記挿通孔に挿通させると共に、前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面を、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となし且つ、前記ジョイントパイプの先端側を、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入させ、前記ジョイントパイプと前記挿通孔の孔縁との間隙をシールして目地部充填材の漏出を防止した状態で、前記目地形成空所に目地充填材を充填することを特徴とするものである。
本発明に係るブロックの連結方法は、前記1〜10の何れかの態様に係るブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロック連結方法であって、前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプを前記環状当接板の前記挿通孔に挿通させると共に、前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面を、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となし且つ、前記ジョイントパイプの先端側を、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入させ、前記ジョイントパイプと前記挿通孔の孔縁との間隙をシールして目地部充填材の漏出を防止した状態で、前記目地形成空所に目地充填材を充填し、該目地充填材の硬化によって、前記両ブロックの対向する連結面間に目地部を形成し、その後、前記ブロックの前記連結孔に通され且つ前記ジョイントパイプに挿通状態とされている連結材を用いて前記ブロック相互を連結した後に、前記連結孔及び前記ジョイントパイプに連結孔充填材を充填することを特徴とするものである。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る連結孔ジョイント装置は、連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるものであって、一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定され且つ該固定された状態で前記連結材を挿通可能となされた円筒状のジョイントパイプと、該ジョイントパイプの突出部分に装着される付勢圧接部材を具える。そして該付勢圧接部材は、前記ジョイントパイプを挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、他方のブロックの連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面を表側に有する。又その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられている。そして、該両ブロックを相対的に接近させることにより、前記当接面が前記バネ部材の圧縮によって、前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、この状態で前記ジョイントパイプの先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態となされる。
かかることから本発明によるときは、目地形成空所に目地充填材を充填する際、前記ジョイントパイプ内や、前記連結孔の、前記拡大孔部を除く部分に該目地充填材が浸入するのが防止される。これにより、ブロック相互の連結によって連通状態にある連通連結孔への連結孔充填材の注入を円滑に行うことができる。特に、該連通連結孔を形成した後に該連通連結孔に連結材を挿通させる場合は、該挿通を障害なく行うことができる。
又、前記連結孔に固定状態とされる円筒状のジョイントパイプに前記連結材が挿通されることから、前記目地形成空所に目地充填材を充填することによって形成された目地部の断面欠損を極力小さくなし得、これによって、目地部の強度及び剛性を高く確保できる。従ってブロック相互を安定的に連結できると共に、地震荷重等の外力の作用に効果的に抵抗し得る安定構造の目地部を形成できることとなる。
更に、このように目地部が強度的に安定しており該目地部が損傷されにくいため、長期に亘り良好な止水効果が持続される。又、地震荷重等の作用によって目地部にクラックが入り該クラックを通して水分や塩分が該目地部に浸入したとしても、前記ジョイントパイプがこれを遮断するため、該ジョイントパイプは、目地部における連結材の腐食防止に寄与できる。
特にブロック相互を上下方向で連結する場合は、前記ジョイントパイプの先端側が前記拡大孔部内で立設状態となるため、該立設状態の筒部が一種の堤防としての機能を発揮する。従って、前記環状当接板と前記連結面との間の当接部に目地充填材が浸入して前記拡大孔部に入り込んだとしても、該拡大孔部内に流入した目地充填材の上端が該立設状態の筒部の上端を越えない限り、前記ジョイントパイプ内に流入したり、前記拡大孔部の基端を通してストレート孔部内に流入することがない。
又ブロック相互を横方向に連結する場合は、前記当接部に浸入した目地充填材が前記ジョイントパイプの外周面に到達しても、これが前記先端側の先端部に達するまでには長い距離の移動を要するため、前記ジョイントパイプ内に流入したり、該浸入した目地充填材が前記拡大孔部の基端を通して前記ストレート孔部内に流入しにくい。
(2) 前記ジョイントパイプが、その延長方向に割溝が設けられた円筒状を呈し、該割溝の両縁部分が重ね合わせられた縮径状態で弾性的に拡径できる構成を有するときは、その基端側をブロックの連結孔の端部側に縮径状態で挿入した後に弾性的に拡径させることにより、該基端側を該連結孔の内周面に弾性圧接状態で簡易且つ確実に固定できる。
(3) 前記ジョイントパイプの外周面に、前記連結孔の端部側への前記基端側の挿入量を規制する規制突部を設ける場合は、該ジョイントパイプを前記連結孔に挿入する作業工程において、該挿入作業を容易且つ確実に行うことができながら、前記ジョイントパイプに装着されている前記環状当接板が前記一方のブロックの連結面に向けて移動する際において、前記連結孔に更に押し込まれてしまうといった不具合を確実に防止できる。
(4) 前記バネ部材を、前記環状当接板を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片の複数を以て構成する場合は、該傾斜バネ片の弾性変形が無理なく行われるために、該バネ部材の弾性変形が無理なく行われる。又、該傾斜バネ片の弾性変形がこのように無理なく行われることから、例えば接合されるブロックを吊り下ろす際等においてその納まりが悪かった場合は、これを吊り上げて再度位置調整を行った後に吊り下ろすことになるが、このように吊り上げたとき、該バネ部材は良好に弾性復元できる。
そして該バネ部材のバネ強さの設定は、該傾斜バネ片の厚さやその幅、その本数を所要に設定することによって容易に行い得る利点がある。
(5) 特に前記傾斜バネ片の先端部を、前記連結面に当接し得る屈曲片を有したものとして構成し、前記両ブロックを相対的に所要量接近させて前記目地形成空所が形成された状態で、該屈曲片が前記連結面に面接触状態となり得るように構成するときは、該屈曲片の接触安定性が向上するので、前記バネ部材の付勢力がより良好に発揮され、前記環状当接板を前記連結面により良好に弾性圧接状態となし得ることとなって好ましい。
(6) 前記環状当接板と前記バネ部材とを別体に形成し、該バネ部材を該環状当接板の裏面に固定して前記付勢圧接部材を構成する付勢圧接部材の製造方法によるときは、一種類のバネ部材を、所要大きさの挿通孔を有する環状当接板と組合わせることにより、多種類の付勢圧接部材を安価に製造できることとなる。
(7) 本発明によるときは、前記連結材を前記連結孔に挿通させる作業は、前記目地部を形成する前に行うことができる他、目地部を形成した後で行うこともできる。
(8) 本発明によるときは、特許文献1におけるような部材の埋め込みを必要としないためブロックの製造を容易化し得る利点がある。又、特許文献1におけるように、バネ部材を予め縮めてその状態を係止部材で保持させておく必要がないため、装置の構造的な簡素化を図り得ると共に、かかる係止部材が存在しないため、不使用時に動作してしまう恐れもない。
(9) 本発明に係る目地部施工方法によるときは、前記連結孔ジョイント装置の独特の作用効果によって、ブロック相互間の目地施工を簡易且つ確実に行うことができる。又本発明に係るブロックの連結方法によるときは、ブロック相互の連結を簡易且つ確実に行うことができる。
本発明に係る連結孔ジョイント装置を説明する斜視図である。 それを用いて構成した目地部を示す断面図である。 ジョイントパイプの基端側をブロックの連結孔に固定した状態を示す斜視図と、その固定状態おけるジョイントパイプの両縁部分の重なり状態を示す平面図と、該ジョイントパイプの突出部分に付勢圧接部材を装着した状態を示す斜視図である。 付勢圧接部材を示す斜視図とその分解斜視図である。 連結部材が連結孔に挿通されていない状態で目地部を構成する工程を示す断面図である。 バネ部材を構成する環状部を示す平面図である。 エレベータシャフトを示す断面図である。 エレベータシャフトを示す斜視図である。 エレベータシャフトを構成するブロックを示す斜視図である。 基礎部ブロックにおいて、その連結孔にPC鋼棒が挿通されている状態を示す断面図である。 そのPC鋼棒に別のPC鋼棒を連結した後、2段目のブロックを吊り下ろす工程を示す断面図である。 基礎部ブロックの上端面の縁部に沿って環状に定形シール材を貼着してなる目地空間を示す平面図と、この目地空間にジョイントパイプと付勢圧接部材とライナープレートを配設した状態を示す部分斜視図である。 基礎部ブロックに設けられている連結孔に、PC鋼棒が挿通状態にあるジョイントパイプの基端側を固定し、該ジョイントパイプの突出部分の下側部分に不定形シール材を塗布した状態を示す断面図である。 ジョイントパイプの突出部分に付勢圧接部材を装着した状態を示す断面図である。 2段目のブロックの連結孔にジョイントパイプを固定し、該ジョイントパイプに付勢圧接部材を装着した状態を示す断面図である。 2段目のブロックを吊り下ろしてバネ部材を稍圧縮させた状態を示す断面図である。 上下のPC鋼棒相互を連結するカップラとジョイントパイプの先端側を、2段目のブロックの連結孔の下端部分に設けられている拡大孔部に納めた状態で形成した目地部を示す断面図とその部分拡大断面図である。 連結孔ジョイント装置を用いて2段目と3段目のブロック相互を連結する工程を示す断面図である。 3段目のブロックの所要の下降によってバネ部材を圧縮させ、目地形成空所に目地充填材を充填した状態を示す断面図である。 12段目のブロックと屋根ブロックとを連結孔ジョイント装置を用いて連結すると共に、目地形成空所に目地充填材を充填し且つ連通連結孔に連結孔充填材を充填した状態を示す断面図である。 柱ブロック相互を梁ブロックで連結するに際し、両者の連結部分に目地部を形成した状態を示す側面図である。 柱ブロックと梁ブロックとを目地部を形成して連結した状態と、複数のブロックからなる柱部材のブロック相互の連結部を示す側面図である。 柱ブロックと梁ブロックとを、目地部を介して連結した状態を示す断面図である。 柱ブロックに向けて梁ブロックを移動させる移動量を、隅出し線を基準に行う場合を示す斜視図である。 その移動量をライナープレートで規制する場合を示す斜視図である。 その移動量をライナープレートで規制する他の態様を示す斜視図である。 その移動量を楔片で規制する場合を示す斜視図である。 対向する連結面間の空間部を型枠で塞ぐ場合の一例を示す側面図と断面図である。 連結孔ジョイント装置を用いて柱ブロックと梁ブロックとを連結し、目地形成空所に目地充填材を充填して目地部を形成した状態を示す断面図である。 柱ブロックと梁ブロックとを連結する他の態様を示す側面図である。 柱ブロックを複数のブロックの連結によって構成する場合において、基礎部ブロックと柱部材とを連結する態様を示す側面図である。 拡大孔部を有するボックスカルバートを示す斜視図である。 拡大孔部を有するU型水路ブロックを示す斜視図である。 拡大孔部を有する門型側溝ブロックを示す斜視図である。 拡大孔部を有するL型擁壁ブロックを示す斜視図である。 図32〜図35に係るブロック相互を連結孔ジョイント装置を用いて連結した状態を例示する断面図である。 ジョイントパイプの他の構成を示す平面図と部分斜視図である。 係合突部を具えるジョイントパイプを示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプの他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプのその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプのその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプのその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプのその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 係合突部を具えるジョイントパイプのその他の態様を示す斜視図とその使用状態を示す断面図である。 付勢圧接部材を構成するに際し、バネ部材と環状当接板との組合わせ態様を説明する斜視図である。 付勢圧接部材の他の態様を示す斜視図である。 付勢圧接部材を構成するバネ部材の他の態様を示す斜視図と側面図である。 パッキン材の装着によって形成された挿通孔を具える付勢圧接部材を示す分解斜視図と、その付勢圧接部材をジョイントパイプに装着した状態を示す断面図である。 連結孔がブロックを貫通していない場合の一例を示す側面図である。 ジョイントパイプの他の態様を示す斜視図と、該ジョイントパイプの突出部分に付勢圧接部材を装着した状態を示す側面図である。 付勢圧接部材を2段重ねした場合を示す側面図である。 エレベータシャフトを構成するブロック相互の連結に際し、上下対向する連結面間に形成された空間部を型枠で塞いだ場合を示す断面図である。 ブロック相互を連結材を用いて連結する従来方法を説明する断面図である。
図1〜3において本発明に係る連結孔ジョイント装置1は、連結材2を通すための連結孔3が設けられてなるブロックB,B相互を該連結材2を用いて連結するに際し、該両ブロックB,Bの対向する連結面6,6間に形成される目地形成空所7に介在されるものであり(図2)、一方のブロックBaに設けられている前記連結孔3に固定され且つ該固定された状態で前記連結材2が挿通状態となされ得るジョイントパイプ9と、該ジョイントパイプ9に装着される付勢圧接部材10とを具えている。
該ジョイントパイプ9は、例えば図1に示すように、0.2〜0.3mm程度の肉厚を有する長方形板状のステンレス板や、防錆処理の施されたバネ性板体等の板体を円筒状に巻回し、その巻き縁端11,11間には、上下方向に延長する割溝12が設けられている。該ジョイントパイプ9の長さL1は、例えば70mm程度に設定されると共にその外径L2は40mm程度に設定され、又、前記割溝12の溝幅L3は5mm程度に設定される。
該ジョイントパイプ9は、図3(A)(B)に示すように、前記割溝12の両縁部分13,13が図3(B)に示すように重ね合わせられた縮径状態で弾性的に拡径できる。そして該ジョイントパイプ9は図2(A)(C)、図3(A)に示すように、その基端側(例えば40mm程度の長さの部分)15が前記一方のブロックBaの連結孔3の端部側16に縮径状態で挿入されて後に弾性的に拡径することにより、該基端側15が該連結孔3の内周面17に弾性圧接状態で固定される如くなされており、該基端側15が該端部側16に連通状態にある。そして該固定状態で、該ジョイントパイプ9の先端側19が、図2(C)に示すように、前記他方のブロックBbの連結孔3bの端部分としての拡大孔部20に挿入状態とされる如くなされている。
又前記付勢圧接部材10は、図1〜2、図3(C)、図4(A)に示すように、前記割溝12の両縁部分13,13が重ね合わせられた縮径状態にある前記ジョイントパイプ9を挿通させ得る挿通孔21が設けられてなる環状当接板22を具える。該環状当接板22は、前記他方のブロックBbの前記連結面6bの内の前記連結孔3の周辺部分24と当接し得る当接面23が表側に設けられると共に、その裏側には、前記一方のブロックBaの連結面6の内の前記ジョイントパイプ9の周辺部分25に弾性圧接状態となり得るバネ部材26が設けられている。該バネ部材26は、本実施例においては図4(A)に示すように、前記環状当接板22を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片35の複数が該周方向に所要間隔を置いて設けられている。そして本実施例においては図4(B)に示すように、該環状当接板22と該バネ部材26とは別体であり、両者は共に、例えばステンレス製である。そして、該バネ部材26を該環状当接板22の裏面27に固定して前記付勢圧接部材10が構成されている。
前記バネ部材26は、本実施例においては図4に示すように、前記環状当接板22の裏面27に略同心に当接される環状部(実施例においては円環状部)28を有し、該環状部28に設けられている孔部29は、図4(A)に示すように、前記挿通孔21を内側に含むことができる。該孔部29の大きさ(本実施例においての径)は、前記ジョイントパイプ9の外径に合わせて設定される前記挿通孔21の大きさ(本実施例においては径)が種々となることに鑑み、その大きさの最大のものよりも大きく設定される。
そして該環状部28の外周縁には、図4に示すように該環状部28の周方向に90度の角度ピッチで、該環状部28の半径方向に突出片30,30,30,30が突設されている。該突出片30の表面31は、該環状部28の表面32と面一を呈しており、夫々の突出片30,30,30,30の、周方向で見た同一側縁33には、前記環状部28を水平にした状態で、該環状部28の周方向で見て同一方向に斜め下方に突出する傾斜バネ片35,35,35,35が屈曲形成されている。該傾斜バネ片35は板バネからなり、夫々の傾斜バネ片35の先端部(下端部分)は、前記一方のブロックBaの前記連結面6aに当接し得る屈曲片36を有している。図2〜3には、該屈曲片36が前記連結面6aに当接した状態が示されている。そして本実施例においては、図4(A)に示すように、かかる構成を有するバネ部材26の前記環状部28の表面32及び前記突出片30の表面31が、前記環状当接板22の裏面27に、例えば両面粘着テープを介して接着されている。
そして前記連結孔ジョイント装置1は、前記一方のブロックBaに設けられている連結孔3aに固定されている前記ジョイントパイプ9に前記連結材2が挿通され、或いは該ジョイントパイプ9に前記連結材2が挿通されていない状態で、前記両ブロックB,Bを相対的に接近させることにより、前記環状当接板22の前記当接面23が、前記バネ部材26の圧縮によって前記他方のブロックBbの前記連結面6bに弾性圧接状態となり得るように構成されている。図2(A)(C)は、前記ジョイントパイプ9に前記連結材2が挿通された状態で前記バネ部材26が圧縮された状態を示し、図5は、前記ジョイントパイプ9に前記連結孔2が挿通されていない状態で前記バネ部材26が圧縮された状態を示している。
なお、前記構成を有するバネ部材26は、本実施例においては例えば図6に示すような円環状板体39を用いて構成する。より具体的には、該円環状板体39の外周縁41の稍内側において、前記傾斜バネ片35の幅に相当する間隔をおいて周方向に切り目42を設ける。該切り目42は90度の角度ピッチで設ける。そして、該切り目42の該周方向の同一側の端部43で、前記外周縁41に向けて延びる端部切り目45を設け、該切り目42の外側の部分46を斜め下方に屈曲させることによって前記バネ部材26を構成する。該バネ部材26のバネ強さは、前記当接面23が前記周辺部分24と弾性圧接した状態において前記目地形成空所7に目地充填材47を充填する際、該目地充填材47(図2(A)(C))が両者の当接部分49(図2(C))に浸入するのを防止できるように設定される。そして該バネ強さの設定は、前記傾斜バネ片35の厚さ、その幅、その本数を所要に設定して行うことができる。
このように構成する結果、接合されるブロック(例えば、吊り下ろした上のブロック)の納まりが悪かった場合は、これを吊り上げて再度位置調整を行った後に吊り下ろすことになるが、該バネ部材26は、前記傾斜バネ片35の弾性変形が無理なく行われるために良好に弾性復元できる。
以下、該連結孔ジョイント装置1を、エレベータシャフト50の構築に応用した場合について、より具体的に説明する。
図7は該エレベータシャフト50の全体構成を示し、例えば地上4階建ての既存の集合住宅に増設されるもので、現場打ちコンクリートによって形成された基礎部ブロック1B上にプレキャストコンクリート製のブロック2Bを順次積重して構築されている。
該エレベータシャフト50はより詳しくは、図7〜8に示すように、前記基礎部ブロック1B上に、プレキャストコンクリート製の中間ブロック2B1の複数個が、上下のブロック間に目地部51(例えば図2(A)に示す目地部51)を設けながら設置状態とされ、最上段の中間ブロック2B1a上に、プレキャストコンクリート製の屋根ブロック2B2が設置状態とされ、前記基礎部ブロック1Bと、前記中間ブロック2B1の複数個と、前記屋根ブロック2B2の全体が、上下方向に延長する連結材2を用いて緊結一体化されることによって構築されている。そして各目地部51は、前記連結孔ジョイント装置1を用いて構成されており、前記連結材2は、本実施例においては図7、図11に示すように、カップラ53(図11)で相互が適宜連結されるPC鋼棒2aを用いてなる。
そして該エレベータシャフト50の内部には、内面55(図7)が上下方向で面一状態の昇降路56(図7)が形成されており、該昇降路56内で、図示しないエレベータかごが昇降可能である。本実施例においては図7〜8に示すように、エレベータかごの乗降口に連なるエレベータ出入口57が、1階部93、2階部95、3階部96、4階部97の夫々に連なるように4箇所設けられている。
前記基礎部ブロック1Bは図9に示すように、前記昇降路56の下端部分を構成する凹部59を有する、上端開放の有底筒状を呈する。より詳しくは、平面視で、建物から離れる方向に稍長い有底の筒状を呈し、その外周で見て、長辺長さは例えば3240mm程度でその短辺長さは例えば2890mm程度に設定されている。そして、前記凹部59の長辺長さは2500mm程度に、その短辺長さは2150mm程度に、その深さは1500mm程度に設定されている。又該基礎部ブロック1Bには、前記エレベータ出入口57が設けられる側を除く部分に、所要間隔を置いて、内径が38mm程度の連結孔3の15本が、上下方向に延長して設けられている。該連結孔3は、本実施例においては図10に示すように、円筒状を呈する管体60を前記基礎部ブロック1Bに埋設して構成されており、各連結孔3には、例えば直径が26mm程度のPC鋼棒2aが、その軸線を該連結孔3の孔心に合致させて立設状態に挿通されている。該PC鋼棒2aの上端部分61は、前記基礎部ブロック1Bの上端面62(連結面6)から86mm程度突出している。そして該突出した上端部分61には、図11に示すように、例えば長ナット53aとしてのカップラ53を介して、別のPC鋼棒2aの下端部分64が連結され、PC鋼棒2aが上方に長く突出した状態とされる。
前記エレベータシャフト50を構築する前記中間ブロック2B1は、本実施例においては、第1のブロックB−1と第2のブロックB−2と第3のブロックB−3と第4のブロックB−4の4種類からなる。
該第1のブロックB−1は図8〜9に示すように、前記基礎部ブロック1Bの上端面62(連結面6)に目地部51(図17)を介して設置状態とされる、平面視で略コ字状を呈する筒体として構成されている。より具体的には、左右の側壁部63,63の後端相互が後壁部66で連結されると共に該左右の側壁部63,63の前端には内方に向けて屈曲する屈曲前壁部69,69が連設されており、該屈曲前壁部69,69の先端間に開放部70が設けられている。該第1のブロックB−1の上下高さは比較的大きく設定され、前記凹部59と連通し得る鉛直方向の連通孔71が設けられている。又、該第1のブロックB−1の前記左右の側壁部63,63と前記後壁部66と前記屈曲前壁部69,69には、図9、図11に示すように、前記基礎部ブロック1Bの連結孔3(図9、図10)の配置に合わせて、前記PC鋼棒2aを挿通させるための連結孔3が上下方向に貫通状態に設けられ、該連結孔3の下の端部分は、稍拡大した拡大孔部20とされている。即ち該連結孔3は、図11に示すように、ストレート孔部72の下の端部に拡大孔部20が連設されてなる。
該第1のブロックB−1の前記連通孔71(図9)の長辺長さは2500mm程度でその短辺長さは2150mm程度に、左右の側壁部63,63と後壁部66と屈曲前壁部69,69の肉厚は共に180mm程度に、ブロック高さは1910mm程度に設定されている。又、前記連結孔3の径は38mm程度で前記PC鋼棒の直径は26mm程度に設定されている。そして前記拡大孔部20(図11(B))は、本実施例においては、前記カップラ53を余裕を以て収容できるように比較的深く形成され、その基端部分73は円錐状に形成され、その開放端74の径は60mm程度に設定されると共に、その深さは175mm程度に設定されている。
又前記第2のブロックB−2は、図7〜8、図9に示すように、前記第1のブロックB−1の上端面78(連結面6)に目地部51を介して設置状態とされるものであり、平面視で略コ字状を呈する直方体状の筒体として構成され、前記第1のブロックB−1に設けられている連通孔71と連通し得る連通孔71が鉛直方向に設けられている。そして、その前壁部75の中央部の下部には、前記開放部70の上端と連通し得る下端開放の欠切開口部76が設けられており、該開放部70と該欠切開口部76との合致によって前記エレベータ出入口57を構成できる。又、該第2のブロックB−2の周壁部77には、前記第1のブロックB−1に設けられた各連結孔3と位置合わせして、PC鋼棒2aを挿通させるための連結孔3が上下方向に貫通状態に設けられている。そして該連結孔3の下端部分は、前記第2のブロックB−2と同様にして、稍拡大した拡大孔部20(図17)とされている。即ち該連結孔3は、ストレート孔部72の下の端部に拡大孔部20が連設されてなる。該拡大孔部20は、前記のカップラ53が収容されるものではないため比較的浅く形成されている。該第2のブロックB−2において、前記連通孔71の辺長さと前記連結孔3の径は前記第1のブロックB−1におけると同様に設定されると共に、その上下高さは比較的小さく、例えば750mm程度に設定されている。
前記第3のブロックB−3は図9に示すように、前記第2のブロックB−2と略同様の構成を有しているが、その上下高さが比較的高く構成されている点でこれとは異なり、その前壁部79の中央部分の下部には、前記と同様にして、前記開放部70の上端と連通し得る下端開放の欠切開口部76が設けられている。
又前記第4のブロックB−4は、前記第2のブロックB−2上に目地部51を介して設置状態とされるものであり、図9に示すように、前記第2のブロックB−2に設けられている連通孔71と連通し得る連通孔71が鉛直方向に設けられた直方体状の角筒部80を有する。該角筒部80は、前記第2のブロックB−2の上下高さ程度の高さを有し、その一側に、前記集合住宅の前記各階部の床部81(図7)に接続される連絡通路部82が突設されている。そして該角筒部80の周壁部83には、前記第2のブロックB−2に設けられている連結孔3と連通し得る連結孔3が上下方向に貫通状態で設けられ、該連結孔3の下端部分は、図17に示すと同様にして稍拡大した拡大孔部20とされている。該拡大孔部20は、前記カップラ53が収容されるものではないため、比較的浅く形成されている。該第4のブロックB−4の主要部の寸法を例示すれば、前記連通孔71の辺長さは前記第1のブロックB−1におけると同様に設定されると共に、その上下高さは、例えば750mm程度に設定されている。又、前記連絡通路部82の突出長さは2000mm程度に設定されている。
前記屋根ブロック2B2は、図7〜9に示すように、前記昇降路56の上端85を塞ぐ閉蓋部86に庇部87を突設してなり、そのコ字状の縁部89で囲まれた内側は窪んでいる。そして、該コ字状の縁部89に、前記第3のブロックB−3に設けられている連結孔3と連通し得る連結孔3(図19)が上下方向に貫通状態に設けられると共に、該連結孔3の上端部分は、図19に示すように、前記PC鋼棒2aの上端部90を止着する止着具91を収容するために稍拡大した止着孔部92とされている。
前記エレベータシャフト50は、かかる構成を有する基礎部ブロック1Bと、中間ブロック2B1としての第1〜第4のブロックB−1,B−2,B−3,B−4と、屋根ブロック2B2とを用いて前記のように構築される。その構造をより具体的に説明すれば図7〜8に示すように、前記基礎部ブロック1B(1段目のブロックB1)上に前記第1のブロックB−1(2段目のブロックB2)が、前記連結孔ジョイント装置1を用いて構成された目地部51を介して設置状態とされている。その際、開放部70が1階部93の床部81側に向けられると共に、上下の連結孔3,3が連通状態とされる。
その上に前記第2のブロックB−2(3段目のブロックB3)が、前記欠切開口部76を前記開放部70の上端に連通させると共に上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。該開放部70と該欠切開口部76の合致によって、1階部93のエレベータ出入口57が形成されている。
更にその上に前記第4のブロックB−4(4段目のブロックB4)が、前記連絡通路部82を前記2階部95の床部81に連なるように、且つ、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。そして、その上に前記第1のブロックB−1(5段目のブロックB5)が、上下の連結孔3,3を連通状態とし、且つ、その開放部70を2階部95の床部81側に向け、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。
又、該5段目のブロックB5上に前記第2のブロックB−2(6段目のブロックB6)が、前記欠切開口部76を前記開放部70の上端に連通させ、且つ、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態されている。そして、その上に前記第4のブロックB−4(7段目のブロックB7)が、前記連絡通路部82が3階部96の床部81に連なるようにし、且つ、上下の連結孔3,3を連通状態とし、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。
そして、該7段目のブロックB7上に前記第1のブロックB−1(8段目のブロックB8)が、その開放部70を3階部96の床部81側に向け、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。
又、該8段目のブロックB8上に前記第2のブロックB−2(9段目のブロックB9)が、前記欠切開口部76を前記開放部70の上端に連通させ、且つ、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。そして、その上に前記第4のブロックB−4(10段目のブロックB10)が、前記連絡通路部82が4階部97の床部81側に連なるように、且つ、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。又、前記第1のブロックB−1(11段目のブロックB11)が、その開放部70を4階部97の床部81側に向け、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。
又、該第1のブロックB−1上に、前記第3のブロックB−3(12段目のブロックB12)が、前記欠切開口部76を前記開放部70の上端に連通させ、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされている。
これにより、鉛直方向に連続し且つ内周面55が上下方向で面一状態の昇降路56が形成されると共に、1階部93、2階部95、3階部96、4階部97の夫々においてエレベータ出入口57が形成されている。そして、該昇降路56の上端85を塞ぐように前記屋根ブロック2B2(13段目のブロックB13)が載置される。該屋根ブロック2B2は、上下の連結孔3,3を連通状態として、前記と同様構成の目地部51を介して設置状態とされる。
次に、前記基礎部ブロック1B(1段目のブロックB1)と前記第1のブロックB−1(2段目のブロックB2)との連結面6,6間に前記連結孔ジョイント装置1を用いて前記目地部51を構成する施工方法の一例を説明する。なお本実施例においては、構築される前記エレベータシャフト50の上下のブロック間に形成される前記目地部51の厚さを9mmに設定している。
先ず図11〜12に示すように、前記基礎部ブロック1Bの上端面62(下の連結面6a)の縁部に沿って環状に、クロロプレンゴムやEPDM等の定形シール材100の下面を貼着状態としておく。該定形シール材100は例えば横断面台形状に形成されており、その高さは、本実施例においては25mm程度に設定され、該定形シール材100が最終的には9mm高さにまで圧縮状態とされる。
このようにして定形シール材100で囲まれた目地空間102(図11〜13)には、前記連結孔3が所要間隔で配設されており、該連結孔3の周辺には、例えば図12に示すように、9mm厚さの例えば鉄板製のライナープレート103が前記上端面62(下の連結面6a)に載置されている。夫々の連結孔3には、前記連結材2としてのPC鋼棒2aが鉛直方向に挿通されている。図10に示すように、該PC鋼棒2aの下端部105は前記基礎部ブロック1Bの高さ方向で見た下端側に定着されており、その上端部分61は、前記上端面62から86mm程度突出されている。本実施例においては、前記連結孔3の径は38mm程度に設定されると共に前記PC鋼棒2aの径は26mm程度に設定されている。従って、該PC鋼棒2aの外周面と前記連結孔3の内周面との間には6mm程度の充填間隙107が形成されている。
前記ジョイントパイプ9は、本実施例においてはその長さが70mm程度に設定されており、図13、図3(A)に示すように、前記PC鋼棒2aの前記上端部分61を該ジョイントパイプ9に挿通させた状態で、前記割溝12の両縁部分13,13が重ね合わせられた縮径状態とされる。この状態で該ジョイントパイプ9は円筒状を呈し、その基端側(40mm程度の長さ部分)15が前記連結孔3の上の端部側16に挿入され、その後、該ジョイントパイプ9を弾性的に拡径させることによって、該基端側15を、前記連結孔3の内周面17に弾性圧接状態で固定させる。これにより、図13(A)に示すように、前記ジョイントパイプ9の先端側19が、前記上端面62から30mm程度突出した状態となる。この突出した部分を突出部分113という。該突出部分113の突出量は、後述のように、前記2段目のブロックB2を吊り下ろした状態で、前記先端側19が前記拡大孔部20に挿入状態となるように所要に設定されるものであり、本実施例においては30mm程度に設定している。
そしてこの状態で、図13(B)に示すように、前記連結孔3の上端109と前記ジョイントパイプ9の外周面110との間隙111(図3(A)、図2、図13)を、例えばシリコン系やウレタン系等の不定形シール材112の塗布によりシールすると共に、前記突出部分113の外周面110aの下側15mm程度の長さ部分にその全周面に亘って不定形シール材112を、1〜2mm程度の厚さで塗布する。その後、図11に示すように、前記上端部分61に、前記長ナット53aを介して、別のPC鋼棒2aの下端部分64を連結する。
この状態で、図14、図3(C)に示すように、前記突出部分113を前記環状当接板22の前記挿通孔21に挿通させ、前記バネ部材26の先端部(下端部)115を前記下の連結面6aに当接状態とする。この状態で、該突出部分113が前記環状当接板22の上面(前記当接面23)で5mm程度突出するため、該環状当接板22がジョイントパイプ9から脱落する恐れがない。
前記挿通孔21の径は、本実施例においては図14(B)に示すように、縮径状態にある前記突出部分113の外径よりも1mm程度大きく形成されている。従って後述のように、前記第1のブロックB−1の吊り下ろしによって前記バネ部材26を圧縮させながら該環状当接板22を下降させる際、前記連結孔3に弾性圧接状態で固定されている前記ジョイントパイプ9を下方向に移動させることなく下降させることができる。
そして該環状当接板22が下降する際、図17(B)に示すように、前記突出部分113の外周面110aの全周に亘って塗布されている前記不定形シール材112が、前記挿通孔21の孔縁部分116によって順次捲られつつ押し下げられて塊状となり、該塊状部分117が、前記突出部分113と前記挿通孔21の孔縁との間隙119を塞ぐこととなる。このとき、該不定形シール材112の一部分が該間隙119から上側に出てもよい。
その後、図11に示すように、前記上端部分61に、連結材2としての別のPC鋼棒2a1の下端部分64を連結する。この連結状態で、該PC鋼棒2aは、前記下の連結面6aから3490mm程度上方に突出状態となされる。該連結は、本実施例においては図11に示すように、該上端部分61のネジ軸部と、該別のPC鋼棒2a1の下端部分64のネジ軸部とに螺合する長ナット53aとしての前記カップラ53を用いて行われる。前記2段目のブロックB2の前記連結孔3の下の端部分としての前記拡大孔部20は、稍深く形成されている。該2段目のブロックB2の吊り下ろしが完了した状態で、上下のPC鋼棒2a,2aの連結部分が、図17(A)に示すように、前記拡大孔部20に納まる。
前記2段目のブロックB2としての前記第1のブロックB−1に設けられている前記連結孔3の夫々には、該2段目のブロックB2を吊り下ろすに伴い、前記PC鋼棒2aの対応のものが通される。
なお本実施例においてはPC鋼棒2aをこのように通すに先立って、図15に示すように、該2段目のブロックB2の夫々の連結孔3の上の端部側16に、前記と同様の要領によってジョイントパイプ9を取り付けると共に該ジョイントパイプ9の突出部分113に前記付勢圧接部材10を取り付けておく。又、前記と同様にして、前記連結孔3の上端109と前記ジョイントパイプ9の外周面110との間隙111をシールすると共に、前記突出部分113(前記先端側19)の外周面110aの下側15mm程度の長さ部分にその全周面に亘って不定形シール材112を塗布しておく。
前記2段目のブロックB2を、前記PC鋼棒2aを該2段目のブロックB2の連結孔3に通して徐々に吊り下ろす。その過程で、該2段目のブロックB2の下端面123(上の連結面6b)の内の前記連結孔3の周辺部分24に前記環状当接板22の前記当接面23が当接する。該当接面23と該上の連結面6bとの当接部分の、半径方向の距離は、該上の連結面6bに対して前記当接面23が安定幅で当接できるように設定される。本実施例において該安定幅は、前記環状当接板22の半径方向で見て12mm程度と幅広に設定されている。
該2段目のブロックB2が更に下降すると、図16に示すように、前記バネ部材26が、前記1段目のブロックB1の下の連結面6aの内の前記突出部分113の周辺部分25に弾性圧接状態となる。これによって、前記環状当接板22の当接面23が前記上の連結孔3を取り囲んだ状態で、該連結孔3の周辺部分24に弾性圧接状態となる。
該バネ部材26の弾性圧接は、前記4本の傾斜バネ片35の下端部115が前記1段目のブロックB1の前記下の連結面6aに押圧されて行われる。そして該弾性圧接は、前記傾斜バネ片35,35,35,35の全てが同方向に傾斜しているため、前記下端部115が該下の連結面6aをスリップしながら円滑に行われる。
かかるバネ部材26の圧縮は、前記定形シール材100を圧縮させながら下降する前記上の連結面6bが、前記ライナープレート103の前記上面114(図12(B))に当接するまで行われる。図17は、前記上の連結面6bが前記ライナープレート103の上面114に当接して該2段目のブロックB2の吊り下ろしが完了した状態を示している。
本実施例においては、該当接状態において、図17(B)に示すように、前記傾斜バネ片35の前記屈曲片36が前記下の連結面6aに、より安定した面接触状態となる。かかる面接触状態となること、及び、前記上の連結面6bに対する前記当接面23の接触幅(前記環状当接板22の半径方向での接触幅)が大きいことによって、前記バネ部材26の付勢力が、各部分でより均等に発揮され、従って、前記環状当接板22の前記当接面23が前記上の連結面6bに、より良好な弾性圧接状態となる。これによって図17に示すように、上下のブロックB2,B1の上下の連結面6b,6a間に、9mm程度の間隙を有する閉じた前記目地形成空所7が形成されることとなる。そして、該2段目のブロックB2の吊り下ろしが完了した状態で、図17(A)に示すように、前記ジョイントパイプ9の先端側19が前記拡大孔部20内に立設された挿入状態となる。なお、吊り下ろした前記2段目のブロックB2の納まりが悪かった場合は、これを吊り上げて再度位置調整を行った後に吊り下ろすことになる。このように吊り上げたとき、前記バネ部材26は効果的に弾性復元できるので、該2段目のブロックB2を再度吊り下ろした時にも該バネ部材26が良好に弾性圧縮される。
かかる構成を有する目地形成空所7には、図示しない注入孔と空気抜き孔とが設けられ、該注入孔から、図17に示すように、グラウト等としての目地充填材47を注入する。その際、前記空気抜き孔から排気されつつ該目地形成空所7に目地充填材47が円滑に注入され、該空気抜き孔からの目地充填材47の流出によって、該目地形成空所7に目地充填材47が充填されたことを確認できる。
そして、このように目地形成空所7に目地充填材を充填する際、前記環状当接板22が前記2段目のブロックB2の前記上の連結面6bに圧接状態となされているため、該上の連結面6bと前記当接面23との間(図17(B)に示す当接部108)に目地充填材47が浸入しにくい。又前記のように、前記1段目のブロックB1の連結孔3の上端周縁109と前記ジョイントパイプ9の外周面110との間の間隙111(図17(B)、図3(A))、前記ジョイントパイプ9の前記割溝12の両縁部分13,13の重なり部分106(図3(B))、及び、前記ジョイントパイプ9と前記環状当接板22の前記挿通孔21との間の間隙119(図17(B)、図3(C))が、前記のように不定形シール材112でシールされているため、前記1段目のブロックB1の連結孔3内や前記ジョイントパイプ9内や前記拡大孔部20内に目地充填材が浸入するのが抑制される。なお、該不定形シール材112に代えてテープ状等を呈する定形シール材を用いてシールすることもできる。
もしも、前記環状当接板22と前記上の連結面6bとの間に前記目地充填材47が浸入してこれが前記拡大孔部20に入り込んだとしても、前記ジョイントパイプ9の前記先端側19が該拡大孔部20内で立設状態となっているため、この立設筒部125(前記先端側19)が一種の堤防としての機能を発揮する。これによって、該拡大孔部20内に流入した目地充填材47の上端126が該立設筒部125の上端127を越えない限り、該目地充填材47が前記ジョイントパイプ9内に流入するのが防止される。
前記目地形成空所7に充填した目地充填材47が硬化することによって前記目地部51を形成できる。以下、該目地部51を第1タイプの目地部51aともいう。
図18〜19は、前記2段目のブロックB2(B−1)上に前記3段目のブロックB3(前記第2のブロックB−2)を目地部51を介して設置状態とする施工工程を示すものである。
この場合は、前記のような上下のPC鋼棒の連結は行わないため、前記3段目のブロックB3の拡大孔部20は、図18に示すように、前記ジョイントパイプ9の先端側19を挿入状態となし得るだけの深さに設定すればよい。連結孔ジョイント装置1の構成や、2段目のブロックB2の上端面129(連結面6)の縁部に沿って環状に定形シール材100を貼着することによって目地空間102を形成すること、又、前記ジョイントパイプ9の基端側15を前記2段目のブロックB2の連結孔3の上の端部側16に固定することや、該ジョイントパイプ9の、該上端面129から突出した突出部分113に前記付勢圧接部材10の環状当接板22を装着することは前記と同様である。なお、本実施例においては、前記2段目のブロックB2を吊り下ろすに先立って、その上端面129で、ジョイントパイプ9を突出状態に固定することとし、該突出部分113に付勢圧接部材10を装着することとしているが、この点については、図15に基づいて既に説明したところである。
そして、前記3段目のブロックB3を吊り下ろした状態においては、図19に示すように、前記PC鋼棒2aは、前記2段目のブロックB2の上端面129(下の連結面6a)で突出状態にある前記ジョイントパイプ9を挿通した状態で、該上端面129(下の連結面6a)の上方に突出状態となる。そして該3段目のブロックB3の下端面130(上の連結面6b)の内の前記連結孔3の周辺部分24に前記環状当接板22の前記当接面23が当接し、該3段目のブロックB3が更に下降するに伴い、前記バネ部材26が、前記2段目のブロックB2の上端面129(下の連結面6a)の内の前記突出部分113の周辺部分25に、前記と同様にして弾性圧接状態となる。このバネ部材26の圧縮は、前記定形シール材100を圧縮させながら下降する前記上の連結面6bが、前記下の連結面6aに載置した例えば9mm厚さのライナープレート103の上面114(図12)に当接するまで行われる。
そして、バネ部材26が所要の圧縮状態になると、前記当接面23が前記上の連結面6bに良好な圧接状態となる。このとき、前記傾斜バネ片35の下端部115が、図19(B)に示すように、前記下の連結面6aに、より安定した面接触状態となるときは、前記バネ部材26の付勢力がより良好に発揮され、前記当接面23が前記上の連結面6bに、より良好な弾性圧接状態となる。これによって、上下のブロックB3,B2の上下の連結面6b,6a間に、9mm程度の間隙を有する閉じた目地形成空所7が形成されることとなる。そして、該3段目のブロックB3の吊り下ろしが完了した状態で、図19(A)に示すように、前記ジョイントパイプ9の先端側19が前記拡大孔部20に、立設された挿入状態となる。
かかる構成を有する目地形成空所7に前記と同様にして目地充填材47を充填するのであるが、前記と同様にして、ストレート孔部72内への前記目地充填材47の流入が抑制される。そして、該目地充填材47が硬化することによって所要の目地部51を形成できる。以下、該目地部51を第2タイプの目地部51bともいう。
そして図7に示すように、前記4段目と前記5段目のブロックB4,B5間、前記7段目と前記8段目のブロックB7,B8間、前記10段目と前記11段目のブロックB10,B11間には、夫々、前記第1タイプの目地部51aが形成されている。又図7に示すように、前記2段目と前記3段目のブロックB2,B3間、前記3段目と前記4段目のブロックB3,B4間、前記5段目と前記6段目のブロックB5,B6間、前記6段目と前記7段目のブロックB6,B7間、前記8段目と前記9段目のブロックB8,B9間、前記9段目と前記10段目のブロックB9,B10間、前記11段目と前記12段目のブロックB11,B12間、前記12段目と前記13段目のブロックB12,B13間には、夫々、前記第2タイプの目地部51bが形成されている。
ブロック相互の連結部分に形成される目地部51は、強度面や止水面で構造物の弱点になり易い部位である。そこで前記目地充填材47としては、該目地部51が弱点とならないように、相応の強度及び相応のヤング係数を有するもの、例えばグラウトを用いる。
このようにして目地部51を形成しながら全てのブロックBを積重した状態においては、例えば図20に示すように、前記ジョイントパイプ9を介して上下連通状態にある連通連結孔131に上下連結状態にある連結PC鋼棒132が挿通されており、該連通連結孔131の内周面と該連結PC鋼棒132の外周面との間には充填間隙133が形成されている。
該充填間隙133に連結孔充填材135を充填する施工法を、ブロック相互の連結一体化の工程と共に例示する。先ず図20に示すように、前記屋根ブロック2B2の連結孔3の上端部分に設けられている拡大した止着孔部136の底面で突出状態にある前記連結PC鋼棒132の上端部90に、空気抜き孔138を有する支持プレート139を嵌めると共に、該上端部90を上方に引っ張って該連結PC鋼棒132を所定の緊張状態とし、且つ該緊張状態を止着具91で止着し、該止着具91を前記止着孔部136に収容状態とする。これにより、ブロック相互を強固に連結一体化できる。
その後、前記充填間隙133に、グラウトとしての連結孔充填材135を充填する。この充填施工の一例を説明すれば、前記基礎部ブロック1Bに設けられている前記連結孔3の下端に連結されている注入ホース141の上端の注入口142(図10)から前記充填間隙133に、グラウトとしての連結孔充填材135を注入する。
該連結孔充填材135としては、前記狭い充填間隙133に円滑に流入できる流動性を有し、且つ前記PC鋼棒2aを錆から保護するものを用いるのがよく、グラウトを用いるのが好ましい。
この注入は、前記空気抜き孔138(図20)からの排気によって円滑に行われ、該空気抜き孔138からの連結孔充填材135の流出によって、前記充填間隙133に連結孔充填材135が充填されたことを確認できる。そして、前記ストレート孔部72内への前記目地充填材135の浸入が前記連結孔ジョイント装置1によって防止されているため、前記充填間隙133には、目地充填材47の流入による障害物は存在しない。かかることから、前記充填間隙133への前記連結孔充填材135の充填を円滑且つ確実に行うことができるのである。
充填完了後、前記注入口142及び前記空気抜き孔138を栓体で閉じ、該充填されたグラウトを養生硬化させる。該連結孔充填材135が硬化することよって、エレベータ出入口57が所定高さ位置に正しく設けられた前記エレベータシャフト50を構築できることとなる。
このようにして前記エレベータシャフト50を構築できるのであるが、前記構成を有する連結孔ジョイント装置1を用いることの作用効果をまとめれば次の通りである。即ち、前記目地形成空所7に目地充填材47を充填する際、前記連結孔3に該目地充填材47が浸入するのを抑制できる。もしも、前記環状当接板22と前記上の連結面6bとの間に前記目地充填材47が浸入してこれが前記拡大孔部20に入り込んだとしても、前記ジョイントパイプ9の前記先端側19が該拡大孔部20内で立設状態となっているため、この立設筒部125(前記先端側19)が一種の堤防としての機能を発揮し、該拡大孔部20内に流入した目地充填材47の上端126が該立設筒部125の上端127(図17、図19)を越えない限り、該目地充填材47が前記ストレート孔部72(図17(A))内に流入するのが防止される。かかることから、前記連通連結孔131への連結孔充填材135の円滑な注入を行うことができ、これによって前記PC鋼棒2aを防錆できる。
又、前記目地部51において上下のブロックの連結孔3,3を連絡するために、該連結孔3の径と略同径の外径を有するジョイントパイプ9を用いている。従って、特許文献1が開示する二重筒を用いる場合に比し、上下のブロックの連結面6,6と当接し得る目地部端面143,143(図17、図19、図20等)の面積を極力大きく確保できることとなる。上下のブロック間に形成される目地部51は構造上の弱点となる部分であるが、このように目地部51の断面欠損を極力小さくでき、又、該目地部51の強度を高く確保できるため、エレベータシャフト50の構築施工時に、該目地部51が、前記PC鋼棒2aを緊張させた際の緊張荷重を安定的に支持できる。
又該目地部51は、ヤング係数が相応のものであり、変形しにくい安定構造のものであるため、地震荷重や暴風時の風荷重等の大きな外力の作用によるエレベータシャフト50の横揺れを抑制できる。
更に、前記のように目地部51は強度的に安定しているため、長期に亘り良好な止水効果が持続される。加えて、該目地部51を通すPC鋼棒2aはジョイントパイプ9を挿通する如くなされ且つ該PC鋼棒2aが該ジョイントパイプ9内に充填された連結孔充填材135で被覆された状態にある。従って、地震荷重等が加わって目地部にクラックが入り該クラックを通して水分や塩分が目地部51に浸入したとしても、前記ジョイントパイプ9がこれを遮断するため、該ジョイントパイプ9は、目地部におけるPC鋼棒等の連結材の腐食防止に寄与できる。この面からも、該目地部51を具えるブロック相互の連結部は、長期間に亘って安定的な止水効果を持続できる。
図21〜36は、前記連結孔ジョイント装置1を用いてブロックB,B相互を横方向に連結する場合を示すものである。
図21〜23は、プレキャストコンクリート製の柱ブロック3Bと、プレキャストコンクリート製の梁ブロック4Bとを、例えばPC鋼より線2bとしての連結材2を用いて連結するに際し、両ブロック3B,4Bの対向する連結面6,6間に形成された目地形成空所7に目地充填材47を充填して目地部51を形成する場合を示すものである。前記梁ブロック4Bの両端部分145,145は、前記柱ブロック3Bの側面で突設された受部146で下方から支持されている。そして前記梁ブロック4Bには、前記PC鋼より線2bを通すための連結孔3bが、例えば図22に示すように該梁ブロック4Bの長さ方向に延長する如く、所要間隔を置いて複数本設けられている。又前記柱ブロック3Bには、前記受部146で所要に支持された状態にある前記端部分145に設けられている前記の各連結孔3bと孔心を合致させて、PC鋼より線2bを通すための連結孔3aが該柱ブロック3Bを水平方向に貫通して設けられている。
そして、前記両ブロック3B,4Bの対向する連結面6a,6b間に、目地充填材47を充填するための目地形成空所7が形成される。本実施例においては、前記梁ブロック4Bの連結孔3bは、前記連結面6b側の端部分が拡大孔部20として形成されている。
然して、前記目地部51を構成する施工工程を例示すれば、先ず図23(B)に示すように、前記柱ブロック3Bに設けられている連結孔3aの端部側16に、前記ジョイントパイプ9を縮径状態にしてその基端側15を挿入した後に、これを弾性的に拡径させることによって、該基端側15を該連結孔3aに固定する。次に、該連結孔3aの端部で突出状態にある前記ジョイントパイプ9の突出部分113を、前記付勢圧接部材10の前記環状当接板22に設けられている挿通孔21に挿通させ、前記バネ部材26の先端部115を前記連結面6aに当接させる。この状態で、該ジョイントパイプ9の先端側19が、対応の前記拡大孔部20に嵌め入るように位置合わせし、この状態で前記梁ブロック4Bを前記柱ブロック3Bに向けて移動させ、目地幅を所要に設定する。
この移動量は、例えば図24に示すように、前記受部146の上面147に設けられた墨出し線149を規準にして行うことができ、又図25〜26に示すように、両連結面6a,6b間の間隔を所要に規制するためのライナープレート150を介して行うことができ、又図27に示すように、両連結面6a,6b間の間隔を所要に規制するための楔片151を介して行うことができる。
このようにして、梁ブロック4Bを柱ブロック3Bに向けて所要量接近移動させる。この移動は、前記環状当接板22の前記当接面23を前記連結面6bの内の前記連結孔3bの周辺部分24に当接させて行われ、これによって前記バネ部材26が所要量圧縮される。このようにして環状当接板22が移動するに伴い、前記と同様にして(図17(B)参照)、前記ジョイントパイプ9の外周面110aに塗布されている前記不定形シール材112が捲れて塊状となって、これが、前記突出部分113と前記挿通孔21の孔縁との間隙119をシールすることとなる。
そしてこの状態で、前記ジョイントパイプ9の先端側19が前記拡大孔部20に挿入状態となり、これによって、両ブロックに設けられている対応の連結孔3a,3bが前記ジョイントパイプ9を介して一直線状の連通状態となる。
なお、前記梁ブロック4Bを移動させる際、前記先端側19が前記拡大孔部20に挿入されるように該梁ブロック4Bの位置合わせを行うことにより、該梁ブロック4Bの連結孔3bを、前記ジョイントパイプ9を介して前記柱ブロック3Bの連結孔3aに連通させる作業を容易且つ確実に行い得ることとなる。
その後、対向する連結面6a,6b間の空間部152をその両側から塞ぐ。その要領の一例を説明すれば、例えば図22に一点鎖線で示し、又図28に示すように、前記柱ブロック3Bの側面153と前記梁ブロック4Bの側面155とに亘る状態で例えば合板製の型枠156,156を当接させ、該型枠156を、該側面153,155にコンクリート釘等を用いて固定する。なお図28(B)においては、便宜上、梁ブロック4Bをその外形線のみで表している。これによって、図28(B)に示すように、前記空間部152の下端159が前記受部146で塞がれ且つその左右端160,161が前記型枠156,156で塞がれてなる目地形成空所7を構成できる。
その後、両ブロックの一体化のために、図29に示すように、該目地形成空所7に目地充填材47を充填する。この充填の際、前記環状当接板22の前記当接面23が前記梁ブロック4Bの前記連結面6bに圧接状態となされているため、前記と同様にして、該連結面6bと該当接面23との当接部108に目地充填材47が浸入しにくい。又、図29に示すように、前記柱ブロック3Bの連結孔3aの端部162と前記ジョイントパイプ9の外周面110との間の間隙111、前記ジョイントパイプ9の前記割溝12の両縁部分13,13の重なり部分106(図3(B))、及び、前記ジョイントパイプ9と前記環状当接板22の前記挿通孔21との間の間隙119が、不定形シール材112でシールされているため、前記梁ブロック4Bの連結孔3b内や前記ジョイントパイプ9内、前記拡大孔部20内に目地充填材47が浸入するのが抑制される。
もしも、前記当接部108に前記目地充填材47が浸入して前記拡大孔部20に入り込んだ場合は、前記ジョイントパイプ9の先端側19が前記拡大孔部20内で横方向に突出するので、前記梁ブロック4Bの前記ストレート孔部72内への目地充填材47の流入を抑制できる。その理由は、目地充填材47が、前記当接部108に浸入して前記ジョイントパイプ9の外周面110に到達しても、これが前記先端側19の先端部163に達するまでには長い距離の移動を要するため、該浸入した目地充填材47が、前記拡大孔部20の基端165を通して前記ストレート孔部72内に達しにくいからである。
このようにして前記目地形成空所7に目地充填材47を充填した後に該目地充填材47が硬化することにより、前記両ブロックの対向する連結面6a,6b間に前記目地部51が形成される。
その後、図29に一点鎖線で示すように、前記ジョイントパイプ9を介して連通状態にある連通連結孔131に前記PC鋼より線2bを通す。この通し作業は、前記目地充填材47がこれらの内部に流入していないために障害なく行うことができる。そして、該PC鋼より線2bの端部165を、例えば図22に示すように、柱ブロック3Bの前記連結孔3aの外端部に設けた凹部底において、止着具167で止着する。その後、該連通連結孔131の内周面と該連PC鋼より線2b外周面との間の充填間隙168に連結孔充填材135を充填する。なお、このように両ブロックを横方向に連結する場合、実施例1における場合と同様にして、前記目地部51が形成された状態で、PC鋼より線等の連結材2が既に通された状態とされることもある。
図22は、隣り合う柱ブロック3B,3B間に架設された梁ブロック4Bが前記PC鋼より線2bで連結された状態を示している。なお図22において一点鎖線で示すものは、前記梁ブロック4Bのプレストレスを増大させるために配置されたPC鋼より線169であり、その端部が該梁ブロック4Bの両端部に止着具164で止着されている。
該目地部51は、実施例1で説明したところと同様に強度が高いため、ブロック相互を連結させるために前記PC鋼より線2bを緊張させた際の緊張荷重を安定的に支持できる。又施工後にあっては、該目地部51は、ヤング係数が相応のものであり、変形しにくい安定構造のものであるため、地震荷重や暴風時の風荷重等の大きな外力の作用による構造物の横揺れに対して良好な抵抗作用を発揮できる。
又、前記目地部51は強度的に安定しており、長期に亘り良好な止水効果が持続される。加えて、前記目地部51を通すPC鋼より線2bは、ジョイントパイプ9を挿通する如くなされ且つ該PC鋼より線2bが該ジョイントパイプ9内に充填された連結孔充填材135で被覆された状態にある。従って、例えば地震荷重等が加わって目地部にクラックが入り、該クラックを通して水分や塩分が目地部51に浸入したとしても、前記ジョイントパイプ9がこれを遮断するため、該ジョイントパイプ9は、目地部におけるPC鋼より線等の連結材2の腐食防止に寄与できる。かかることから、該目地部51を具えるブロック相互の連結部は、長期間に亘って安定的な止水効果を持続できる。
なお本実施例においては、型枠156を用いて目地形成空所7を構成するため、実施例1で説明したように、連結面6の縁部に沿って環状に定形シール材100を貼着することによって目地形成空所7を構成する場合に比し、該定形シール材100の容積に相当する分だけ、該目地形成空所7の容積をより大きく確保できる。従って、強度的により安定した目地部51を形成できることとなって好ましい。
なお図22においては、前記基礎部ブロック1B上に設置された前記柱ブロック3Bが、プレキャストコンクリート製の所定長さの柱部材171を積重して構成されているが、上下のブロックの対向する連結面6,6間には、実施例1で説明したところと同様にして目地部51が構成されており、該目地部51は、前記と同様に機能し得る。かかる目地部51を形成するために設ける目地形成空所7には、実施例1におけると同様にしてライナープレートが載置される。そして、前記と同様の目地形成空所は、下の連結面の縁部に沿って環状に定形シール材を貼着して構成されることの他、例えば図22に一点鎖線で示すように、上下対向する連結面6,6間の空間部を型枠156で周方向で塞いで構成されてもよい。
図30は、前記柱ブロック3Bと前記梁ブロック4Bの端部分とを連結する他の構成を示し、図31は、基礎部ブロック1Bとその上に積重されたプレキャストコンクリート製の所定長さの柱部材171とを、前記連結孔ジョイント装置1を用いて連結するその他の構成を示す。
図32は、連結孔3の一方の端部分が拡大孔部20として構成されたボックスカルバート172を例示し、図33は、そのように構成されたU型水路ブロック173を例示し、又図34は、そのように構成された門型側溝ブロック175を例示し、更に図35は、そのように構成されたL型擁壁ブロック176を例示している。そして図36は、これらのブロック相互を横方向で連結するに際し、前記連結孔ジョイント装置1を用いて構成された目地部51を示しており、前記連結孔3及び前記ジョイントパイプ9に連結孔充填材135が充填されている。このように構成された目地部51も、前記したと同様に機能し得る。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記ジョイントパイプ9は要は、図2に示すように、円筒状を呈し、その基端側15が一方のブロックBaの連結孔3aの端部側16に連通状態で固定される如くなされており、その先端側19が、他方のブロックBbの連結孔の拡大孔部20に挿入状態とされる如くなされていればよい。
その一例としては、前記実施例で示したような、延長方向に割溝12が設けられたものとして構成され、該割溝12の両縁部分13,13が重ね合わせられた縮径状態で弾性的に拡径できるものを挙げることができる。
前記ジョイントパイプ9を、このように割溝12が設けられたものとして構成する場合、例えば図37に示すように、該割溝12の一方の縁部分13aに、他方の縁部分13bの肉厚に相当する嵌合溝177を形成することとし、該嵌合溝177に該他方の縁部分13bを図37(A)に示すように所要幅部分嵌め入れることによって、内周面179と外周面180が夫々円形状を呈するものとして構成することもできる。
又該ジョイントパイプ9が、前記割溝12を有する円筒状に構成されている場合は、その基端側15を前記一方のブロックBaの連結孔3aの端部側16に縮径状態で挿入して後、これを弾性的に拡径させることにより、該基端側15を該連結孔3aの内周面17に弾性圧接状態となし得るため、該基端側15を該連結孔3aに固定できる。
この場合、例えば図2(A)(C)において、前記環状当接板22が前記他方のブロックBbの前記連結面6に押されたときに前記ジョイントパイプ9が前記連結孔3aに更に押し込まれてしまう恐れがあるときは、例えば図38〜44に示すように、前記連結孔3aの周辺部分25と当接し得る規制突部181を設けておくのがよい。このように構成するときは、該規制突部181と該周辺部分25との当接によって、前記ジョイントパイプ9の前記連結孔3aへの挿入量を一定に規制できると共に、前記環状当接板22の移動の際に更に押し込まれてしまうといった不具合を防止できて好ましい。
これをより具体的に説明すれば、図38〜44は、該規制突部181と該周辺部分25との当接によって、前記ジョイントパイプ9が、その基端側15が前記連結孔3の端部側16に挿入状態で固定される場合の一例を示すものである。
図38、図39、図40は、前記割溝12を設けてジョイントパイプ9を構成した場合に関するものであり、図38は、前記ジョイントパイプ9の外周面158にプレス加工を施すことによって該外周面158を外方に向けて膨らみ変形させて前記規制突部181を設けた場合を示し、図39は、前記外周面158に、両面粘着テープ等を用いる接着手段や溶接等によって規制突部181を設けた場合を示し、又図40は、前記ジョイントパイプ9の外周面158に、例えば上向きの切り起こしによって規制突部181を設けた場合を示している。このように上向きに切り起こす場合は、該ジョイントパイプ9の基端側15を前記連結孔3の端部側16に挿入状態に固定した状態では、ジョイントパイプ9内に目地充填材47が流入しにくい。
図41、図42、図43、図44は、該ジョイントパイプ9を、前記のような割溝12を有さない円筒状に構成した場合に関するものであり、図41は、前記ジョイントパイプ9の外周面158にプレス加工を施すことによって該外周面158を外方に向けて膨らみ変形させて前記規制突部181を形成した場合を示し、図42は、前記ジョイントパイプ9の外周面158を周方向に囲むように鍔状の規制突部181を設けた場合を示し、図43は、前記外周面158に、両面粘着テープ等を用いる接着手段や溶接等によって規制突部181を設けた場合を示し、図44は、前記ジョイントパイプ9の外周面158に、切り起こしによって規制突部181を設けた場合の一例を示している。図44では、図40について説明したところと同様にして、この切り起こしによって生じた開口部184に目地充填材47が流入しにくくするために、上向きに切り起こしている。
(2) ブロックBに設ける連結孔の孔径は種々であるため、基端側15がブロックBの連結孔3の端部側16に挿入状態にある前記ジョイントパイプ9の外径は種々である。そのため、前記環状当接板22と前記バネ部材26とを一体物として前記付勢圧接部材10を構成する場合は、該ジョイントパイプ9の外径に合わせて設定された挿通孔21が設けられてなる付勢圧接部材10を個別に設計、製作する必要があり、付勢圧接部材10の製造コストの上昇を招く問題がある。
そこで、前記環状部28の孔部(前記挿通孔21を内側に含む孔部であり、外径の異なる前記ジョイントパイプ9を挿通させ得る孔部)29の径が比較的大きく設定されてなる1種類のバネ部材26を、所要の挿通孔(例えば29〜46mmの挿通孔)21を有する環状当接板22と組合わせ、両面粘着テープ等を用いて両者を一体化して前記付勢圧接部材10を構成することとすれば、多種類の付勢圧接部材10を安価に製造できる利点がある。図45は、該バネ部材26と該環状当接板22との組合わせの一例を示すものであり、符号bで示されている環状当接板22との組合わせからなる付勢圧接部材10は図4(A)に示されている。又、符号aで示されている環状当接板22との組合わせからなる付勢圧接部材10は図46(A)に示され、符号cで示されている環状当接板22との組合わせからなる付勢圧接部材10は図46(B)に示されている。
(3) 前記バネ部材26は、前記連結面6と前記当接面23との間の当接部108に目地充填材47が浸入するのを抑制できるように前記環状当接板22を前記連結面6の連結孔3の周辺部分24に弾性圧接状態となし得るバネ力を有するものであれば、各種に構成できる。例えば図47(A)(B)(C)(D)に示すように、コイルバネ182を用いて構成できる。これらの場合、該コイルバネ182が最大に圧縮された状態で、そのコイルバネの捲線の間を通して内部に目地充填材47が流入可能に構成するのがよい。又前記バネ部材26は、図47(E)に示すように、複数枚の皿バネ183を用いて構成することもできる。又、前記傾斜バネ片35を、図4に示すような板状ではなく線状に構成することもできる。
(4) 前記環状当接板22は、図48に示すように、それに設けた開口(必ずしも円形とは限らない)184に、ゴム質素材からなるパッキン材185を装着し、該パッキン材185に設けられている円形状の孔(前記挿通孔21を構成する)186に前記ジョイントパイプ9を密接に挿通可能としたものとして構成することもできる。該パッキン材15の横断面形態は、前記開口184を嵌着させ得る横断面コ字状を呈するものとして構成するのがよい。又、該環状当接板22の外形は、円形状を呈するものには限られず正方形状等の円形状以外の形態を呈するものであってもよい。
(5) 前記連結材2は、ブロック相互を所要に連結できるものであれば、それ程大きな緊張力が付与されない場合もあり、棒状又は線状を呈する一般の連結材を用いることもできる。前記したPC鋼棒やPC鋼より線の他、例えば鉄筋棒、その他、棒状や線状を呈する各種の連結材を用いることができる。
(6) 前記連結孔3は、前記した管体60をブロックに埋設して構成することの他、該管体を埋設することなく、その全長に亘ってコンクリートの内周面からなるものとして構成してもよい。
(7) 前記連結孔3は、ブロックを貫通する如く設けられる場合の他、ブロックを貫通しない状態で設けられることもある。その一例としては、前記実施例1に係る基礎部ブロック1Bにおける連結孔3を挙げることができる。その他の例として挙げる、例えば図49の両端に配設されているブロックBtの連結孔3tは、該ブロックを貫通していない。そして図49においては、該両端のブロックBtの側面部187に設けた連結凹部189,189で、ブロックの連結孔3に通される連結材2の両端部分190,190が定着されており、ブロック間に、前記連結孔ジョイント装置1を用いた目地部51が構成されている。
(8) 前記拡大孔部20の平面形状は、円形状の他、正方形状、長方形状、六角形状、八角形状等、前記挿通孔3よりも拡大した各種形態のものとして構成できる。
(9) 図50はジョイントパイプ9の他の態様を示すものであり、前記連結孔3が、円筒状を呈する所要長さの管体60をブロックBに埋設して構成する場合において、該管体60の一方の端部分を前記一方のブロックBの連結面6で所要長さ突出させることによって構成されている。本実施例においては、図50(B)における長さL部分がジョイントパイプ9を構成する。この状態は、円筒状を呈するジョイントパイプ9の基端側15が、前記一方のブロックBの連結孔3の端部側16に連通状態で固定される如くなされると共に前記拡大孔部20に挿入状態とされる先端側19を具えている状態である。図50(B)においては、前記ジョイントパイプ9の前記連結孔3の端部からの突出部分113(例えば上方向への突出部分)に前記付勢圧接部材10が装着された状態が示されている。
(10)前記ジョイントパイプ9及び前記付勢圧接部材10の素材は、前記したステンレス等の金属製であることの他、樹脂製であってもよい。或いは、環状当接板22を樹脂製とする一方、前記バネ部材26を金属製とする等、樹脂と金属との組合わせからなるものであってもよい。
(11)前記目地形成空所7の幅が、例えば30〜50mm程度と大きい場合は、例えば図51に示すように、前記付勢圧接部材10を複数段に積み重ねる場合がある。この場合は、最外側に位置する付勢圧接部材10Aの前記環状当接板22aが本発明に係る連結孔ジョイント装置1を構成する環状当接板22となり、その裏側に存するものの全体190が前記バネ部材26として機能し得る。図51においては、該バネ部材(全体190)26の圧縮によって、環状当接板22がL4からL5に移動している。
(12)前記目地充填材47としては、前記目地部51が構造上の弱点とならないように、相応の強度及び相応のヤング係数を有する材料を用いる。又前記連結孔充填材135としては、前記狭い充填間隙に円滑に流入できる流動性を有し、且つ前記連結材2を錆から保護するものを用いる。特に前記目地充填材47としては、目地幅が10mm以下の場合は前記のグラウトを用いるのがよく、目地幅が10〜30mmの場合は、グラウトの他、モルタルを用いることもできる。更に、目地幅がそれ以上に大きい場合はコンクリートを用いることもできる。そして、該目地充填材47と該連結孔充填材135は、異質のこともあれば同質のこともある。
(13)前記柱ブロック3Bと前記梁ブロック4Bとを横方向に連結する場合、前記ジョイントパイプ9を該梁ブロック4Bに設ける一方、前記拡大孔部20を該柱ブロック3Bに設けることとしてもよい。
(14)実施例1で示した場合においても、実施例2で示したと同様にして、例えば図52に示すように、上下対向する連結面6,6間の空間部152を、内外から型枠156,156で塞ぐこととしてもよい。
(15)上下のブロック相互を連結する場合において、所要の目地部51を形成した後に前記連結材2を連通連結孔に通す構成を採用する場合は、上のブロックを吊り下ろす際に、前記ジョイントパイプ9の先端側19を前記拡大孔部20内に挿入させることとすれば、上下の連結孔3,3を連通させる作業を、該ジョイントパイプ9を介して容易且つ確実に行うことができる。
(16)必要に応じ、前記環状当接板22の当接面23に、前記不定形シール材112を塗布することにより、前記当接部分108におけるシール作用を一層向上させ得る。
(17)本発明を応用し得るブロックとしては、前記したエレベータシャフト用のブロックであることの他、雨水貯留槽や防火水槽、地下室、水路、擁壁等の、建築用や土木用の各種分野におけるブロックを挙げることができる。そして、本発明におけるブロック相互の連結とは、プレキャストコンクリート製のブロック相互の連結であることの他、現場打ちによって形成したブロックとプレキャストコンクリート製ブロック相互の連結であってもよい。
(18)本発明は、ブロック相互を上下方向や横方向、傾斜方向等の各種方向に連結する場合に応用できる。
1 連結孔ジョイント装置
2 連結材
3 連結孔
6 連結面
7 目地形成空所
9 ジョイントパイプ
10 付勢圧接部材
12 割溝
13 縁部分
15 基端側
16 端部側
17 内周面
19 先端側
20 拡大孔部
21 挿通孔
22 環状当接板
23 当接面
24 周辺部分
25 周辺部分
26 バネ部材
28 環状部
29 孔部
30 突出片
35 傾斜バネ片
36 屈曲片
47 目地充填材
50 エレベータシャフト
51 目地部
107 充填間隙
113 突出部分

Claims (14)

  1. 連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置であって、
    一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定された状態で前記連結材を挿通可能となされたジョイントパイプと、該ジョイントパイプに装着される付勢圧接部材とを具えており、
    該ジョイントパイプは円筒状を呈し、その基端側が、前記一方のブロックの連結孔の端部側に連通状態で固定されるものであり、その先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態とされる如くなされており、
    前記付勢圧接部材は、前記基端側が前記連結孔の端部側に固定されて前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプの該突出部分を挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、前記他方のブロックの前記連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面が表側に設けられる共に、その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられており、
    前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面が、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、該弾性圧接状態で、前記当接面から突出した前記先端側が前記拡大孔部に挿入状態となることを特徴とするブロックの連結孔ジョイント装置。
  2. 連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置であって、
    一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定された状態で前記連結材を挿通可能となされたジョイントパイプと、該ジョイントパイプに装着される付勢圧接部材とを具えており、
    該ジョイントパイプは円筒状を呈し、その基端側が、前記一方のブロックの連結孔の端部側に挿入状態で固定されるものであり、その先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態とされる如くなされており、
    前記付勢圧接部材は、前記基端側が前記連結孔の端部側に挿入状態で固定されて前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプの該突出部分を挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、前記他方のブロックの前記連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面が表側に設けられる共に、その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられており、
    前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面が、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、該弾性圧接状態で、前記当接面から突出した前記先端側が前記拡大孔部に挿入状態となることを特徴とするブロックの連結孔ジョイント装置。
  3. 連結材を通すための連結孔が設けられてなるブロック相互を該連結材で連結するに際し、両ブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるブロックの連結孔ジョイント装置であって、
    一方のブロックに設けられている前記連結孔に固定された状態で前記連結材を挿通可能となされたジョイントパイプと、該ジョイントパイプに装着される付勢圧接部材とを具えており、
    該ジョイントパイプは、その延長方向に割溝が設けられた円筒状を呈し、該割溝の両縁部分が重ね合わせられた縮径状態で弾性的に拡径できるものであり、該ジョイントパイプは、その基端側が前記一方のブロックの連結孔の端部側に縮径状態で挿入されて後に弾性的に拡径することにより、該基端側が該連結孔の内周面に弾性圧接状態で固定される如くなされており、その先端側が、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入状態とされる如くなされており、
    前記付勢圧接部材は、前記基端側が前記連結孔の端部側に挿入状態で固定されて前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプの該突出部分を挿通させ得る挿通孔が設けられてなる環状当接板を具え、該環状当接板は、前記他方のブロックの前記連結面の内の前記連結孔の周辺部分と当接し得る当接面が表側に設けられる共に、その裏側には、前記一方のブロックの連結面の内の前記ジョイントパイプの周辺部分に弾性圧接状態となり得るバネ部材が設けられており、
    前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面が、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となり得、該弾性圧接状態で、前記当接面から突出した前記先端側が前記拡大孔部に挿入状態となることを特徴とするブロックの連結孔ジョイント装置。
  4. 前記ジョイントパイプの外周面には、前記一方のブロックに設けられている前記連結孔の端部の周辺部分と当接して前記端部側への前記基端側の挿入量を規制する規制突部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  5. 前記規制突部は、前記ジョイントパイプの外周面が外方に向けて膨らみ変形されて設けられていることを特徴とする請求項4記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  6. 前記連結孔が、円筒状を呈する所要長さの管体をブロックに埋設して構成される場合、前記ジョイントパイプは、該管体の一方の端部分を前記一方のブロックの連結面で突出させて設けられていることを特徴とする請求項1記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  7. 前記バネ部材は、前記環状当接板を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片の複数が該周方向に所要間隔を置いて設けられており、該傾斜バネ片の先端部は、前記一方のブロックの前記連結面に当接し得ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  8. 前記傾斜バネ片の先端部は、前記連結面に当接し得る屈曲片を有しており、前記両ブロックを相対的に所要量接近させて前記目地形成空所が形成された状態で、該屈曲片が前記連結面に面接触状態となり得ることを特徴とする請求項7記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  9. 前記傾斜バネ片は、前記環状当接板の半径方向に幅広の板バネからなり、夫々の傾斜バネ片の先端部は、前記連結面に当接し得る屈曲片を有しており、前記両ブロックを相対的に所要量接近させて前記目地形成空所が形成された状態で、該屈曲片が前記連結面に面接触状態となり得ることを特徴とする請求項7記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  10. 前記付勢圧接部材は、前記環状当接板と前記バネ部材とが別体に形成され、該バネ部材を該環状当接板の裏面に固定して構成されており、
    該バネ部材は、前記環状当接板に設けられている前記挿通孔を内側に含むように前記挿通孔と連通し得る孔部を有し且つ該環状当接板の裏面に当接される環状部を具え、該環状部の外周縁には、周方向に所要角度ピッチで突出片が突設され、該突出片の表面は、前記環状部の表面と面一を呈しており、夫々の突出片の、周方向で見た同一側縁には、前記環状部を水平にした状態で、その周方向で見た同一方向に向けて斜め下方に突出する傾斜バネ片が屈曲形成されており、該傾斜バネ片の先端部が前記一方のブロックの前記連結面に当接し得ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のブロックの連結孔ジョイント装置。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のブロックの連結孔ジョイント装置は、上下のブロック相互を連結するに際し、該上下のブロックの対向する連結面間に形成される目地形成空所に介在されるものであり、前記ジョイントパイプの先端側が、前記上のブロックの前記連結孔の下の端部分としての前記拡大孔部に、立設された挿入状態とされることを特徴とするブロックの連結孔ジョイント装置。
  12. 別体に形成された環状当接板とバネ部材を用いて請求項1、2又は3記載の付勢圧接部材を製造する付勢圧接部材の製造方法であって、該バネ部材は、前記環状当接板の裏面に当接される環状部を具え、該環状部は、前記環状当接板に設けられている前記挿通孔を内側に含むように該挿通孔と連通し得る孔部を有しており、該孔部は、想定される前記挿通孔の径よりも大きく設定されており、該孔部を、これが前記挿通孔を内側に含むように該挿通孔と位置合わせして、前記環状部を前記環状当接板の裏面に固定することを特徴とする付勢圧接部材の製造方法。
  13. 請求項1〜10の何れかに記載のブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロックの目地施工方法であって、
    前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプを、前記付勢圧接部材の前記環状当接板の前記挿通孔に挿通させると共に、
    前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面を、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となし且つ、前記ジョイントパイプの先端側を、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入させ、
    前記ジョイントパイプと前記挿通孔の孔縁との間隙をシールして目地部充填材の漏出を防止した状態で、前記目地形成空所に目地充填材を充填することを特徴とするブロックの目地部施工方法。
  14. 請求項1〜10の何れかに記載のブロックの連結孔ジョイント装置を用いるブロックの連結方法であって、
    前記一方のブロックの連結孔の端部で突出状態にある前記ジョイントパイプを前記環状当接板の前記挿通孔に挿通させると共に、
    前記両ブロックを相対的に接近させることにより、前記環状当接板の前記当接面を、前記バネ部材の圧縮によって前記他方のブロックの前記連結面に弾性圧接状態となし且つ、前記ジョイントパイプの先端側を、前記他方のブロックの連結孔の端部分としての拡大孔部に挿入させ、
    前記ジョイントパイプと前記挿通孔の内周面との間隙をシールして目地部充填材の漏出を防止した状態で、前記目地形成空所に目地充填材を充填し、該目地充填材の硬化によって、前記両ブロックの対向する連結面間に目地部を形成し、
    その後、前記ブロックの前記連結孔に通され且つ前記ジョイントパイプに挿通状態とされている連結材を用いて前記ブロック相互を連結した後に、前記連結孔及び前記ジョイントパイプに連結孔充填材を充填することを特徴とするブロックの連結方法。
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