JP6153911B2 - 内視鏡及び内視鏡に用いる硬度調整装置 - Google Patents

内視鏡及び内視鏡に用いる硬度調整装置 Download PDF

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Description

本発明は内視鏡及び内視鏡に用いる硬度調整装置に係り、特に、硬度調整装置の硬度調整操作機構に関する。
従来から、医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が広く行われている。特に、体腔内に挿入される内視鏡の挿入先端部にCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を内蔵して体腔内の画像を撮影し、プロセッサ装置で信号処理を施してモニタに表示し、これを医者が観察して診断に用いたり、あるいは、処置具挿通用のチャンネルから処置具を挿入して、例えば試料の採取やポリープの切除等の処置を行ったりしている。
内視鏡は、一般に、施術者が把持して操作する手元操作部(本体操作部)と、この手元操作部に対して体腔内等へ挿入される挿入部とを連接し、手元操作部からコネクタ部等に接続するためのユニバーサルケーブルを引き出すことにより大略構成される。そして、ユニバーサルケーブルは手元操作部から延在させて、その他端部は光源装置やプロセッサ装置に着脱可能に接続される。
内視鏡の挿入部は、複雑に屈曲した挿入経路内にも挿入できるように、可撓性を有する軟性部を有している。しかし、この可撓性のために挿入部の先端側の方向が定まらず、目標とする方向に挿入することが難しいという問題がある。また、体腔内に挿入している際、何らかの処置や観察を行うために、挿入部がそのときの形状で固定されていることが望ましい場合がある。
そこで、挿入部の内部にコイルとワイヤとからなる硬度調整手段を設け、手元操作部に設けられた硬度調整操作手段を施術者が操作して内視鏡挿入部の可撓性を調整することにより軟性部の硬度を増すようにしている(例えば特許文献1)。
この硬度調整操作手段は、カムリングを回転させて、該カムリングに形成されたカム溝とカムピンとによるカム機構でワイヤを牽引することでコイルを圧縮し、これにより挿入部の硬度を増すようにしている。
しかし、硬度調整手段を繰り返し使用していると、コイルの素線が力を受けることにより、その断面形状が潰れて元に戻らなくなったり、きちんと積み重なっていた各素線が横にずれて全体的に短くなって元に戻らなくなったりする塑性変形(いわゆる「コイルのヘタリ」)が生じる。このコイルのヘタリによりコイルの長さが短くなり、ワイヤを牽引しても、コイルが短くなった分だけ牽引量が減少してしまい、硬度調整操作手段の操作性が悪くなる。
この対策として、特許文献1では、コイルにヘタリが生じたら、スペーサを硬度調整操作手段に別途装着することによって、コイルが短くなった分だけカムリングの軸方向の位置を調整するようにしている。
特開2001−321326号公報
しかしながら、特許文献1のように、コイルのヘタリをスペーサで調整する方法は、スペーサを硬度調整操作手段に装着できる程度まで手元操作部を分解した後、スペーサを装着し、再び手元操作部を組立てる必要がある。したがって、コイルのヘタリの大きさに応じてその都度、手元操作部の分解・装着・組立を行って適切な厚みのスペーサに交換しなくてはならず、煩雑であるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、コイルの硬度調整の操作性を向上でき、しかもコイルのヘタリを簡単に調整できるようにした内視鏡及び内視鏡に用いる硬度調整装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る内視鏡は、軟性部を有する挿入部と、軟性部の硬度を変化させるコイル及びワイヤで構成された硬度調整手段と、硬度調整手段を操作する硬度調整操作機構と、を備え、硬度調整操作機構は、長手軸を有し、長手軸に沿って直線溝が形成された固定枠と、固定枠に長手軸に沿って移動可能に設けられ、長手軸に沿った方向の移動することでコイルの圧縮状態を変化させる可動リングと、第1のカム溝が形成された第1のリング部材と、第2のカム溝が形成された第2のリング部材とを有し、第1のリング部材及び第2のリング部材は一体的に連結されて長手軸を中心に回転するカムリングと、可動リングに取り付けられ、かつ直線溝及び第1のカム溝に係合され、カムリングの回転に従動して可動リングを長手軸に沿って移動させる第1のカムピンと、固定枠に取り付けられ、かつ第2のカム溝に係合され、カムリングの回転に従動してカムリングを長手軸に沿って移動させる第2のカムピンと、第1のリング部材と第2のリング部材との相対的位置を変化させることで、第1のカムピンが第1のカム溝に係合する第1の係合位置と第2のカムピンが第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の長手軸に沿った方向の距離を調整する距離調整機構と、を備える。
本発明の内視鏡によれば、カムリングを、第1のカム溝が形成された第1のリング部材と、第2のカム溝が形成された第2のリング部材との2つのリング部材を一体的に連結できるように構成し、それぞれのカム溝に係合するカムピンを介してカムリング及び可動リングを長手軸方向に移動させてコイルの圧縮状態を変化させることにより、軟性部の硬度を調整するようにした。
このように、一体的に連結された2つのカムリングにそれぞれカム溝を形成することによって、コイルのヘタリを簡単に調整するための以下に説明する構成の距離調整機構の構築が可能となる。
そして、カムリングを2つのリング部材で構成したことで、距離調整機構によって、第1のリング部材と第2のリング部材との相対的位置を変化させ、第1のカムピンが第1のカム溝に係合する第1の係合位置と第2のカムピンが第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の長手軸に沿った方向の距離を調整できるようにした。このように、2つの係合位置の長手軸に沿った方向の距離を変えることで、可動リングの長手軸に沿った方向の位置も変わる。すなわち、短くなったコイルに対する可動リングの距離を調整(例えば、コイルに近づける)することができる。
したがって、硬度調整手段を繰り返し使用して、コイルが塑性変形(いわゆる「ヘタリ」)を生じて短くなっても、距離調整機構により2つの係合位置の長手軸に沿った方向の距離を調整するという簡単な調整でヘタリを調整することができる。
したがって、本発明の内視鏡は、コイルの硬度調整の操作性を向上でき、しかもコイルのヘタリを簡単に調整できる。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、距離調整機構は、第1のリング部材と第2のリング部材との連結位置を、長手軸に沿った方向における第1の軸方向位置から第1の軸方向位置とは異なる第2軸方向位置に変化させることで、第1のカムピンが第1のカム溝に係合する第1の係合位置と第2のカムピンが第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の長手軸に沿った方向の距離を調整する。
これにより、第1のリング部材と第2のリング部材との連結位置を、長手軸に沿った方向で変化させるという簡単な操作で2つの係合位置の長手軸に沿った方向の距離を調整できる。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、距離調整機構は、第1のリング部材と第2のリング部材との連結位置を、長手軸を中心とする周方向における第1の周方向位置から第1の周方向位置とは異なる第2周方向位置に変化させることで、第1のカムピンが第1のカム溝に係合する第1の係合位置と第2のカムピンが第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の長手軸に沿った方向の距離を調整する。
これにより、第1のリング部材と第2のリング部材との連結位置を、長手軸を中心とする周方向で変化させるという簡単な操作で2つの係合位置の長手軸に沿った方向の距離を調整できる。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、第1のカムピンと第2のカムピンは長手軸に沿った方向に並んで配置されている。
コイルを圧縮状態にする硬度調整操作において、コイルからカムリングに大きな反力が加わるが、第1のカムピンと第2のカムピンは長手軸に沿った方向に並んで配置されているので、カムリングが傾きにくくなる。これにより、カムリングをスムーズに回動させることができるので、硬度調整操作機構の操作性を向上できる。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、第1のカム溝及び第2のカム溝のいずれか一方のカム溝は、一端側及び他端側のうち可動リングがコイルを圧縮する方向に移動する向きにカムリングを回転させるときの回転方向上流側の端側のみに長手軸に沿った方向への移動成分を有する。
これにより、コイルの硬度調整の操作初期において、カムリングの小さな回転量でコイルの圧縮量を大きく確保できるので、硬度調整の操作性が向上する。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、第1のカム溝及び第2のカム溝のいずれか一方のカム溝は、長手軸に対して第1の傾斜角度を有する第1の傾斜溝を有し、第1のカム溝及び第2のカム溝の他方のカム溝は、長手軸に対して第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度を有する第2の傾斜溝と、第2の傾斜溝に連続して設けられ、長手軸に対して垂直な垂直溝とを有する。
これは、第1のカム溝に形成するカム溝の形状と、第2のカム溝に形成するカム溝の形状の一例を示したものである。
そして、このように形成された第1のカム溝と第2のカム溝との組み合わせにより、施術者は、硬度調整の操作開始から操作終了まで同じ操作力でカムリングを回動することができ、硬度調整操作機構の操作性を向上することができる。
本発明の内視鏡の好ましい態様として、第1のカム溝は、第1の傾斜溝を有し、第2のカム溝は、第2の傾斜溝と、垂直溝とを有する。
これは、第1のカム溝と第2のカム溝の形状をさらに具体化したものであり、これにより、施術者は、硬度調整の操作開始から操作終了まで同じ操作力でカムリングを回動することができ、硬度調整操作機構の操作性を向上することができる。
上述の目的を達成するために、本発明に係る硬度調整装置は、軟性部を有する挿入部を備える内視鏡に用いる硬度調整装置であって、軟性部の硬度を変化させるコイル及びワイヤで構成された硬度調整手段と、硬度調整手段を操作する硬度調整操作機構と、を備え、硬度調整操作機構は、長手軸を有し、長手軸に沿って直線溝が形成された固定枠と、固定枠に長手軸に沿って移動可能に設けられ、長手軸に沿った方向に移動することでコイルの圧縮状態を変化させる可動リングと、第1のカム溝が形成された第1のリング部材と、第2のカム溝が形成された第2のリング部材とを有し、第1のリング部材及び第2のリング部材は一体的に連結されて長手軸を中心に回転するカムリングと、可動リングに取り付けられ、かつ直線溝及び第1のカム溝に係合され、カムリングの回転に従動して可動リングを長手軸に沿って移動させる第1のカムピンと、固定枠に取り付けられ、かつ第2のカム溝に係合され、カムリングの回転に従動してカムリングを長手軸に沿って移動させる第2のカムピンと、第1のリング部材と第2のリング部材との相対的位置を変化させることで、第1のカムピンが第1のカム溝に係合する第1の係合位置と第2のカムピンが第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の長手軸に沿った方向の距離を調整する距離調整機構と、を備える。
本発明の硬度調整装置は、コイルの硬度調整の操作性を向上でき、しかもコイルのヘタリを簡単に調整できる。
本発明によれば、コイルの硬度調整の操作性を向上でき、しかもコイルのヘタリを簡単に調整できる。
内視鏡の全体構成図 内視鏡の挿入部の断面図であり、硬度調整手段を説明する図 手元操作部に設けられた操作リングの外観図 硬度調整操作機構を説明する部分断面図 硬度調整操作機構の操作リング、さらにカムリングを外した外観図 操作リングとカムリングの連動機構を説明する説明図 カムリングのカム溝を説明する説明図 本発明の硬度調整操作機構の硬度調整に関する作用を説明する説明図 硬度調整操作機構における距離調整機構の第1の実施の形態の構成を説明する説明図 第1の実施の形態の距離調整機構の作用を説明する説明図 硬度調整操作機構における距離調整機構の第2の実施の形態の構成及び作用を説明する説明図 第2の実施の形態の距離調整機構の連結構造の一例を説明する説明図
以下、添付図面を参照して、本発明に係る内視鏡及び内視鏡に用いる硬度調整装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る内視鏡の実施形態を示す全体構成図である。
〔内視鏡10の全体構成〕
図1の如く、実施形態の内視鏡10は、手元操作部12と、この手元操作部12に連接される挿入部14とを備えて構成される。施術者は、手元操作部12を左手で把持して操作しつつ、右手で挿入部14を把持して挿入部14を被検者の体腔内に挿入することにより検査部位の観察を行う。
手元操作部12には、ユニバーサルケーブル16が接続され、ユニバーサルケーブル16の先端には、光源用コネクタ(不図示)が設けられ、光源用コネクタを光源装置(不図示)に接続することによって、挿入部14の先端部に配設された照明光学系に照明光が送られる。また、光源用コネクタには、電気コネクタ(不図示)が接続されており、電気コネクタを内視鏡プロセッサ(不図示)に接続することによって、内視鏡10で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサに出力され、内視鏡プロセッサに接続されたモニタ装置に画像が表示される。
挿入部14の基端部は、手元操作部12の先端部に接続される。挿入部14は、挿入部14の基端部から先端部に向けて、軟性部18、湾曲部20、及び先端硬質部22の各部によって構成される。湾曲部20は、手元操作部12に設けられたアングルノブ24を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端硬質部22の先端面を所望の方向に向けることができる。
また、手元操作部12には、挿入部14に挿通された送気・送水チャンネル(不図示)を介して先端硬質部22の送気/送水口(不図示)から検査部位等に送気及び送水を行うための送気・送水ボタン26、挿入部14に挿通された鉗子チャンネル(不図示)を介して先端硬質部22の鉗子口(不図示)から吸引を行うための吸引ボタン28、鉗子チャンネル(不図示)と連通し、施術者が鉗子を挿入するための開口である鉗子挿入口30等が設けられている。
さらに、内視鏡10には、軟性部18の硬度を調整する硬度調整手段36(図2で説明)と、硬度調整手段36を操作する硬度調整操作機構39(図3〜図8で説明)と、を備えた硬度調整装置が設けられる。図1の符号38は、硬度調整操作機構39の操作リングである。
〈硬度調整手段36〉
図2は、挿入部14の断面図であるが、図面の煩雑さを避けるため、コイル32とワイヤ34とを備える硬度調整手段36を主として示している。
図2に示すように、軟性部18の硬度を調整する硬度調整手段36は、主として、コイル32とワイヤ34とで構成される。コイル32は軟性部18に挿通される。また、ワイヤ34は、コイル32の中空部に挿通され、ワイヤ34とコイル32の各々の先端部が中継金具40に、ろう付け等の固定方法によって固定される。また、中継金具40には、接続ワイヤ35の基端部が固定され、接続ワイヤ35の先端部にはフック形状の固定部37が固定されている。
また、ワイヤ34の基端部は、図1の手元操作部12のワイヤスリーブ66(図4参照)に固定される。一方、コイル32の基端部は、後記する硬度調整操作機構39の可動リング44に固定されない状態で保持されている。そして、硬度調整操作機構39を操作することによって、可動リング44を介してコイル32を軸方向に圧縮したり、また、圧縮状態から自然長の長さに戻したりすることができる。すなわち、軟性部18は、硬度調整手段36のコイル32の圧縮状態を変化させることによって、その硬度が調整される。
次に、硬度調整操作機構39について説明する。
〈硬度調整操作機構39〉
図3は、手元操作部12の先端部側に設けられた硬度調整操作機構39の操作リング38(ダイヤルリングともいう)を示す外観図である。また、図4は、図3のa−a線に沿った部分断面図であり、硬度調整操作機構39の内部構造を説明する図である。また、図5(A)は図3から操作リング38を外した外観図であり、図5(B)は図5(A)から更にカムリング42を外した外観図である。
なお、硬度調整手段36のコイル32の圧縮状態を変化させる硬度調整操作機構39の態様には、ワイヤ34を牽引する牽引方式と、コイル32の基端部を先端部側に向かって長手軸方向に押し込む押込み方式の2つの方式があるが、本実施の形態では押込み方式で説明する。
なお、「長手軸方向」とは、後記する支持フレーム48とワイヤ固定リング64とで構成された固定枠51の軸方向を意味する。
硬度調整操作機構39は、主として、円筒状の操作リング38と、ヘタリ調整のための距離調整機構67を備えた円筒状のカムリング42と、操作リング38の回動操作によりカムリング42のカム機構を介して長手軸に沿った方向に移動することでコイル32の圧縮状態を変化させる可動リング44(プッシャリングともいう)と、で構成される。
なお、距離調整機構67については、後で詳しく説明する。
図4及び図5(B)に示すように、手元操作部12の円筒状の手元フレーム46が2つに分かれ、2つの手元フレーム46の間が円筒状の支持フレーム48を介して連結される。図4では、支持フレーム48は左半分のみを示している。支持フレーム48には、長手軸方向に沿って長孔形状の直線溝50が形成される。そして、支持フレーム48の内側面に、円筒状の可動リング44が摺接配置される。ここで、「摺接配置」とは、可動リング44が長手軸方向にスムーズにスライドできる程度に、可動リング44の外側面と支持フレーム48の内側面とが接触した状態で配置されていることを言う。
また、支持フレーム48の直線溝50には、後記するカム機構の第1のカムピン60が係合するとともに可動リング44には第1のカムピン60の基端部を挿入固定するピン孔52が形成される。これにより、可動リング44は支持フレーム48の長手軸X方向(図4参照)に沿って移動可能に設けられる。そして、図4及び図5(A)に示すように、支持フレーム48の外側面に、カム溝を有するカムリング42が摺接配置される。
カムリング42の外側面には、操作リング38が配置され、操作リング38の回動操作に連動してカムリング42が回動する。図4及び図5に示すように、操作リング38と手元フレーム46と間の水密は、2つの手元フレーム46と固定枠51との境界部分に設けられた一対のパッキンリング54によって確保される。
図6は、操作リング38とカムリング42との連動機構を示したものであり、操作リング38の内側面に突出されたキー38A,38Aが、カムリング42の外側面に形成されたキー溝42A、42Aに係合する。これにより、操作リング38の回動操作に連動してカムリング42が回動する。図5(A)、(B)では、操作リング38及びカムリング42の周方向に180°間隔で2個のキー38A及びキー溝42Aを設けるようにしたが、この数に限定されない。ただし、キー38A及びキー溝42Aは、周方向に等間隔で配置されることが好ましい。
図6(B)に示すように、可動リング44は円筒状に形成される。また、円筒状に形成された可動リング44の一方端部に、後で説明するコイル32の基端部の収納孔44Aが形成された肉厚部44Bを有するとともに、肉厚部44Bにはコイル32の回転止め用の溝44Cが形成される。すなわち、コイル32の端部にヒゲ状の突起(図示せず)が出ており、その突起が溝44Cに収納されることにより、コイル32の回転が防止される。
また、本実施の形態では、円筒状の可動リング44で示したが、径方向断面がC字形状になるように形成してもよい。
図4に戻って、コイル32の基端部は、可動リング44の先端部側の端面から軸方向に穿設された円柱状の収納孔44Aに収納される。収納孔44Aの直径はコイル32と略同径に形成され、コイル32の基端部を押し込み自在に保持する。なお、収納孔44Aは、図6(B)に示した可動リング44の肉厚部44Bに形成される。
また、ワイヤ34の基端部は、収納孔44Aから可動リング44の基端部側まで貫通した連結孔を通過し、更にワイヤ固定リング64の軸方向に形成された連結孔を通過した後、ワイヤスリーブ66に固定される。ワイヤスリーブ66の径は、ワイヤ固定リング64の連結孔の径よりも大きく形成されるとともに、ワイヤスリーブ66は何処にも支持されていない。これにより、ワイヤ34が先端部側に引っ張られると、ワイヤスリーブ66がワイヤ固定リング64に当接する。
また、上記収納孔44Aに収納されたコイル32の基端部は、収納孔44Aの底に当接せずに僅かに隙間(例えば2〜3mm)を有することが好ましい。同様に、ワイヤ固定リング64とワイヤスリーブ66との間には僅かな隙間(例えば2〜3mm)を有することが好ましい。このように、隙間(遊び)を設けることにより、軟性部18をストレート状態からループ状態にしたときに、施術者の意図に反して軟性部18が硬質化するのを防止することができる。
次に、図7により、カムリング42のカム機構であるカム溝とカム溝に係合されるカムピンについて説明する。図7は、カム溝を分かり易くするために、円筒状のカムリング42の軸方向に沿って一か所を切断し、板状に延ばした図である。
図7に示すように、カムリング42には、第1のカム溝56と第2のカム溝58とが、カムリング42の長手軸Xの方向に並列して形成される。ここで、周方向とは、図7に2点鎖線で示す支持フレーム48の長手軸Xの方向に対して垂直な方向である。
第1のカム溝56はカムリング42の先端部側(挿入部側)に形成され、第2のカム溝58は基端部側に形成される。また、第1のカム溝56は長孔形状に形成されているが、第2のカム溝58は長孔形状ではなく、カムリング42の基端周縁を切り欠き加工して形成されている。
第1のカム溝56は、長手軸Xに対して第1の傾斜角度θ1を有する第1の傾斜溝56Aとして形成される。一方、第2のカム溝58は、長手軸Xに対して第1の傾斜角度θ1とは異なる第2の傾斜角度θ2を有する第2の傾斜溝58Aと、第2の傾斜溝58Aに連続して設けられ、長手軸Xに対して垂直な角度θ3を有する垂直溝58Bとを備えて形成される。
したがって、第1のカム溝56及び第2のカム溝58は、周方向の成分と長手軸X方向の成分との両方を有する。なお、垂直溝58Bは、多少傾斜がある場合も含むものとする。
第1の傾斜角度θ1、第2の傾斜角度θ2、及び垂直角度θ3の関係は、θ1<θ3<θ2になるように形成される。なお、本実施の形態では、θ3が90°の場合で説明する。
そして、第1のカム溝56に第1のカムピン60が係合する。図4及び図5に示されるように、第1のカムピン60の基端部は、支持フレーム48に形成された直線溝50を貫通して可動リング44のピン孔52に挿入固定される。すなわち、第1のカムピン60は、直線溝50と第1のカム溝56との両方に係合する。
したがって、カムリング42が回動すると、第1のカム溝56は第1のカムピン60に対して係合しながら移動し、第1のカムピン60を支持フレーム48の直線溝50に沿って従動移動させる。これにより、第1のカムピン60を固定する可動リング44も支持フレーム48の長手軸X方向にスライド移動する。すなわち、第1のカムピン60は、カムリング42の回転に従動して、可動リング44を長手軸Xに沿って移動させる可動ピンとして形成される。
一方、第2のカム溝58に第2のカムピン62が係合する。図4に示したように、第2のカムピン62の基端部は、支持フレーム48とワイヤ固定リング64とで構成された固定枠に固定される。これにより、第2のカムピン62は固定位置から動かない固定ピンとして形成される。
また、上記したように、第2のカム溝58はカムリング42の基端周縁を切り欠き加工して形成されている。したがって、カムリング42が回動して第2のカム溝58の第2の傾斜溝58Aが固定された第2のカムピン62に対して係合しながら移動することにより、カムリング42を長手軸Xに沿って前進移動(挿入部14の方向へ移動)させる。カムリング42を回転させたときに長手軸Xに沿って前進移動するカムリング42の第1の移動量が、第1のカム溝56によって長手軸Xに沿って前進移動する可動リング44の第2の移動量よりも大きくなるように、第2の傾斜溝58Aの形状を設定することが好ましい。
また、カムリング42がさらに回動して、垂直溝58Bが第2のカムピン62に対して係合しながら移動するときには、カムリング42を長手軸Xに沿って前進移動させない。したがって、第2のカムピン62が垂直溝58Bに係合しているときには、第1のカム溝56に第1のカムピン60が係合することによる可動リング44の前進移動のみとなる。
図7では、第1のカム溝56及び第2のカム溝58をカムリング42の周方向に180°間隔で2個形成したが、この数に限定されない。ただし、周方向に等間隔で形成することが好ましい。
図8は、コイル32の圧縮状態を変化させる硬度調整操作機構39の動作原理を説明するものである。図8のX軸は固定枠の長手軸方向を示し、Y軸はカムリング42の周方向を示す。
図8(A)に示すように、硬度調整操作機構39を操作する前は、第1のカムピン60及び第2のカムピン62は、第1のカム溝56及び第2のカム溝58の上端位置である硬度調整開始位置Pに位置している。
次に、図8(B)に示すように、操作リング38を回動させて、カムリング42を周方向(Y軸方向)の矢印の向きに回動させる。これにより、第2の傾斜角度θ2を有する第2の傾斜溝58Aが、固定ピンである第2のカムピン62に係合して移動し、カムリング42を長手軸X方向に沿って固定枠の先端部側にΔL1だけ前進移動させる。
さらに、カムリング42の回動により、第1のカム溝56が可動ピンである第1のカムピン60に係合して移動し、第1のカムピン60を固定枠51の構成要素である支持フレーム48に形成された直線溝50に沿って長手軸Xの方向に沿って支持フレーム48の先端部側に移動させる。この第1のカムピン60の移動に伴って可動リング44も支持フレーム48の先端部側にΔL2だけ前進移動する。
即ち、第1のカムピン60及び第2のカムピン62が、図8(A)のP位置から図8(B)のQ位置になるようにカムリング42を回動させることにより、可動リング44は、ΔL1+ΔL2の距離だけ大きく前進移動する。
この可動リング44の前進移動により、可動リング44の収納孔44A(図4参照)の底がコイル32の基端部に当接し、さらに自然長状態のコイル32を長手軸X方向に沿って支持フレーム48の先端部側に押し込む。
ところで、硬度調整操作機構39の硬度調整の操作初期においては、コイル32は自然長の状態であり、コイル32を圧縮する際に大きな力を必要としない。
このため、本実施の形態の硬度調整操作機構39では、カムリング42の第2のカム溝58の第2の傾斜溝58Aにおける第2の傾斜角度θ2を、第1のカム溝56の第1の傾斜角度θ1よりも大きくした。これにより、カムリング42を長手軸方向に大きく前進移動させることで、カムリング42のP位置からQ位置までの小さな回動量でコイル32の圧縮量を大きく確保することができる。
さらに操作リング38を回動させて、第1のカムピン60及び第2のカムピン62が、図8(B)のQ位置から図8(E)の硬度調整終了位置Mになるようにカムリング42を回動させる。
なお、図8(A)のP位置から図8(B)のQ位置の操作初期に対して、図8(B)のQ位置から図8(E)のM位置までを操作定常期と言うことにする。
この操作定常期のカムリング42の回動において、第2のカム溝58の垂直角度θ3を有する垂直溝58Bが第2のカムピン62に係合するので、カムリング42が前進移動することはない。一方、第1のカム溝56が第1のカムピン60に係合するので、カムリング42の回動量に応じて可動リング44は第1のカム溝56の傾斜角度θ1の角度分だけ支持フレーム48の先端部側に前進移動する。
この可動リング44の前進移動により、可動リング44はコイル32を長手軸X方向に沿って支持フレーム48の先端部側にさらに押し込んでいく。これにより、コイル32が強く圧縮されるので、軟性部18が硬化する。
ところで、上記の操作初期の操作によってコイル32をある程度圧縮し、コイル32が次第に圧密化された操作定常期においては、コイル32を圧縮するには大きな力(例えば数十kgf)を必要とする。
このため、本実施の形態の硬度調整操作機構39では、図8(B)のQ位置から図8(E)のM位置までのカムリング42の大きな回転量に対してコイル32が徐々に圧縮されるようにした。すなわち、操作定常期については、カムリング42の第1のカム溝56及び第2のカム溝58の形状を上記の通り形成し、各カム溝56,58の傾斜角度が上記の通りθ1<θ3<θ2になるようにすることで、カムリング42の単位回転量当たりのコイル32の圧縮量が小さくなるようにした。
したがって、施術者は、硬度調整の操作開始から操作終了まで同じ操作力で操作リング38を回動操作することができ、硬度調整操作機構39の操作性を向上することができる。
なお、上記説明では、第2のリング部材70に形成した第2のカム溝58に操作初期の役目を主として割り当て、第1のリング部材68に形成した第1のカム溝56に操作定常期の役目を割り当てたが、これに限定されない。すなわち、第1のリング部材68に操作初期のカム溝を形成し、第2のリング部材70に操作定常期のカム溝を形成してもよい。
また、上記の通り、コイル32を圧縮するには大きな力を必要とするため、コイル32の基端部を押し込む際にカムリング42には大きな反力が加わる。
しかし、図8から分かるように、本実施の形態の硬度調整操作機構39は、第1のカムピン60及び第2のカムピン62の2つのカムピンが長手軸Xの方向に常に並んだ状態を維持する。したがって、カムリング42に大きな反力が加わってもカムリング42が傾きにくくなる。これにより、カムリング42をスムーズに回動させることができるので、硬度調整操作機構39の操作性を一層向上できる。
特に、図8では、第1のカム溝56及び第2のカム溝58を、カムリング42の周方向に対向するように(周方向に180°の間隔で)2個形成したので、2つのカムピン60,62は対向した位置で並んだ状態になる。これにより、硬度調整操作機構39の操作性を一層向上できる。
なお、図4、図7、図8では、第1のカムピン60及び第2のカムピン62は、円柱状のピンとして図示したが、雄ネジ構造に形成してもよい。そして、硬度を上げるようにカムリング42を回転した際に、第1のカム溝56及び第2のカム溝58に対して第1のカムピン60及び第2のカムピン62が締まる方向であるようにすることが好ましい。
これにより、第1のカムピン60及び第2のカムピン62が、第1のカム溝56及び第2のカム溝58に強固に係合するので、カムピン60,62のネジが緩んで外れる心配が軽減される。
ところで、硬度調整手段36を繰り返し使用していると、コイル32が塑性変形(いわゆる「ヘタリ」)し、コイル32のヘタリによりコイル32の長さが短くなる。これにより、図4で説明した収納孔44Aの底とコイル32の基端部との間の隙間が大きくなる。この結果、コイル32の基端部を可動リング44で押し込んでも、コイル32が短くなった分だけ押し込み量が減少してしまい、硬度調整操作機構39の操作性が悪くなる。
そこで、本発明の実施の形態では、第1のカム溝56と第2のカム溝58との2つの形状の異なるカム溝を有するカムリング42の構成を利用することで、以下説明するように、カムリング42にヘタリ調整のための機構である距離調整機構67を具備するようにした。
〈カムリング42に具備した距離調整機構67〉
次に、カムリング42に具備した距離調整機構67について説明するとともに、この機構によりコイル32のヘタリをどのように調整するかを説明する。
<距離調整機構67の第1の実施の形態>
図9は、カムリング42に具備した距離調整機構67の第1の実施の形態を示すものであり、図9(A)と図9(B)とはカムリング42の周方向において見る角度を変えた図である。
第1の実施の形態の距離調整機構67は、第1のリング部材68と第2のリング部材70との連結位置(嵌合位置)を、長手軸Xに沿った方向における第1の軸方向位置から第1の軸方向位置とは異なる第2軸方向位置に変化させることで、第1のカムピン60が第1のカム溝56に係合する第1の係合位置と第2のカムピン62が第2のカム溝58に係合する第2の係合位置との間の長手軸Xに沿った方向の距離を調整することができるように構成したものである。
図9に示すように、距離調整機構67は、第1のカム溝56が形成され、且つ周方向に複数の連結孔68Aが形成された第1のリング部材68と、第2のカム溝58が形成され、且つ斜め周方向に複数の連結孔72Aが形成された第2のリング部材70とが嵌合可能に構成されたカムリング42と、第1のリング部材68と第2のリング部材70とを一体的に連結する連結手段と、で構成される。
第1のカム溝56を有する第1のリング部材68は、長手軸X方向の先端部側に配置され、第2のカム溝58を有する第2のリング部材70は基端部側に配置される。
図9(A)、(B)により距離調整機構67を更に詳しく説明すると、第2のリング部材70には第1のリング部材68の外周に嵌合する大径部72と第1のリング部材68と同径の小径部74とを有する。
図9(A)に示すように、第2のリング部材70の大径部72には、斜め周方向に複数の連結孔72Aが形成される。本実施の形態では、6個の連結孔72Aを形成したが、この数に限定されるものではない。
一方、第1のリング部材68であって、第2のリング部材70の大径部72が嵌合する嵌合部分には、第1のリング部材68の周方向に沿って複数の連結孔68Aが形成される。ここでは、第2のリング部材70の連結孔72Aと同数の6個の連結孔68Aを形成した。第1のリング部材68に形成される孔は貫通孔でも貫通しない孔でもよい。
なお、「周方向」と言った場合には、上記の「斜め周方向」とは異なり傾斜していないことを意味する。すなわち、「周方向」は図7のY軸方向を意味し、「斜め周方向」はY軸に対して傾斜していることを意味する。また、図9では、第1のリング部材68の連結孔68Aを周方向に配置し、第2のリング部材70の連結孔72Aを斜め周方向に配置したが、この配置に限定されるものではない。要は、第1のリング部材68と第2のリング部材70とに、長手軸Xの方向において孔同士の間隔が異なる連結孔68A,72Aを複数形成すればよい。
第1のリング部材68の周方向の複数の連結孔68Aと第2のリング部材の斜め周方向の複数の連結孔72Aは、図9(A)に点線で示すように、周方向で見た場合には連結孔同士のピッチP1(距離)は同じに形成される。また、第2のリング部材の斜め周方向の複数の連結孔72A同士の軸方向のピッチP2(距離)は、0.3〜0.7mm程度が好ましい。
これにより、第2のリング部材70の大径部72を第1のリング部材68に嵌合していくにしたがって、連結孔68A、72A同士が順番に重なるように形成される。すなわち、図9(A)で説明すると、第2のリング部材70の大径部72を第1のリング部材68に嵌合していくと、先ず一番下の連結孔68A、72A同士が重なり、次に下から2番目の連結孔68A、72A同士が重なり、最後に一番上の連結孔68A、72A同士が重なる。
そして、重なった連結孔68A、72A同士をねじで結合することで第1のリング部材68と第2のリング部材70とを一体的に連結する。
この場合、ねじの頭が第2のリング部材70の表面から突出しないように、連結孔72Aの入口部分にテーパを形成して拡径し、ねじとして皿ねじ75を使用することが好ましい。
なお、本実施の形態では、図9に示すように、第1のリング部材68の第1のカム溝56及び第2のリング部材70の第2のカム溝58を、カムリング42の周方向180°の位置に対向して一対の形成した場合で示している。
カムリング42に上記した構成の距離調整機構67を具備することにより、第1のリング部材68と第2のリング部材70との相対的位置を変化させることで、第1のカムピン60が第1のカム溝56に係合する第1の係合位置と第2のカムピン62が第2のカム溝58に係合する第2の係合位置との間の長手軸Xに沿った方向の距離を調整することができる。
図10は、距離調整機構67により、コイル32のヘタリをどのように調整するかを具体的に説明する図である。
なお、以下の説明で、第1のリング部材68に形成された6個の連結孔68Aと、第2のリング部材70に形成された6個の連結孔72Aについて、一番上の連結孔、一番下の連結孔との表現を使用するが、これは図9(A)での一番上、一番下の意味である。
図10(A)に示すように、第1のリング部材68の一番上の連結孔68Aと、第2のリング部材70の一番上の連結孔72Aとが重なるように嵌合され、孔同士が皿ねじ75で連結される。これにより、図10(B)のカムリング42が形成され、このカムリング42は、コイル32にヘタリが生じていないヘタリ調整前の状態とする。そして、このときの第1のカム溝56に係合される第1のカムピン60と、第2のカム溝58に係合される第2のカムピン62との長手軸X方向の距離をW1とする。距離W1はカムピンの中心位置からの距離とする。また、図10(B)におけるカム溝56,58に対するカムピン60,62の位置は、図8(A)の硬度調整開始位置Pの位置である。
そして、硬度調整手段36を繰り返し使用してコイル32にヘタリが生じた場合には図10(B)のカムリング42に具備された距離調整機構67を次のようにしてヘタリを調整する。
先ず、図10(B)のカムリング42から皿ねじ75を外して、図10(C)に示すように、第1のリング部材68を長手軸X方向に沿って矢印の向きに引っ張って、嵌合されている第2のリング部材70から外す。この場合、第2のカムピン62はワイヤ固定リング64に固定されており動かない。しかし、第1のカムピン60は固定枠51の構成要素である支持フレーム48の長手軸X方向に移動することのできる可動リング44に固定されており、動くことができる。したがって、第1のカムピン60を外さなくても、第2のリング部材70から第1のリング部材68を外すことができる。
次に、図10(C)に示すように、第1のリング部材68の一番下の連結孔68Aと、第2のリング部材70の一番下の連結孔72Aとが重なるように嵌合し、連結孔68A,72A同士を皿ねじ75で連結する。図10(D)に示すように、このときの第1のカム溝56に係合される第1のカムピン60と、第2のカム溝58に係合される第2のカムピン62との長手軸X方向の距離をW2とすると、W2はW1よりも大きくなる。
すなわち、第1のリング部材68の一番下の連結孔68Aと、第2のリング部材70の一番下の連結孔72Aとが重なるように嵌合すると、第1のリング部材68の一番上の連結孔68Aと、第2のリング部材70の一番上の連結孔72Aとが重なるように嵌合する場合に比べて嵌合幅が小さくなる。ここで「嵌合幅」とは、第1のリング部材68と、第2のリング部材70の大径部72とが嵌合により重なり合う幅を意味する。
したがって、第1のカム溝56と第2のカム溝58との間の長手軸X方向に沿った距離が図10(D)は図10(B)の場合よりも大きくなる。また、第2のカムピン62は固定され、図10(B)の場合と同じ位置にある。したがって、W2−W1=ΔW分だけ、第1のカムピン60が長手軸X方向の先端部側に移動する。即ち、可動リング44の位置がΔW分だけ、長手軸X方向の先端部側に前進移動し、コイル32の基端部に近づく。
これにより、ヘタリによってコイル32が短くなっても、可動リング44がコイル32の基端部に近づくので、ヘタリを調整することができる。
なお、図10では、ヘタリを調整するために、第1のリング部材68の一番下の連結孔68Aと、第2のリング部材70の一番下の連結孔72Aとが重なるように嵌合するようにしたが、これは一例であり、ヘタリの度合に応じて使用する連結孔68A,72Aを選択する。
また、上記説明したように、第1のカムピン60及び第2のカムピン62の何れをも外さなくてもヘタリを調整することができるので、ヘタリ調整を容易に行うことができる。
<距離調整機構67の第2の実施の形態>
第2の実施の形態の距離調整機構67は、第1のリング部材68と第2のリング部材70との連結位置を、長手軸Xを中心とする周方向における第1の周方向位置から第1の周方向位置とは異なる第2周方向位置に変化させることで、第1のカム溝56と第2のカム溝58との間の長手軸Xに沿った方向の距離を調整するように構成したものである。
図11は、図7と同様に円筒状のカムリング42の軸方向に沿って一か所を切断し、板状に延ばした図である。
図11に示すように、第1のリング部材68と第2のリング部材70とは、波線部分Nにおいて、第1のリング部材68が第2のリング部材70に対する周方向位置を任意に位置決め可能に連結される。このような連結方向としては、例えば図12(A)に示すように、波線部分Nを歯車形状にして、歯車78,80同士を歯合させる歯車方式、あるいは図12(B)に示すように、波線部分Nをねじ形状にして、雌ねじ82と雄ネジ84とを螺号するねじ方式等がある。そして、連結された第1のリング部材68と第2のリング部材70とは連結部分が外れないように、図9の場合と同様に皿ねじ75で一体的に連結される。
なお、第1のリング部材68と第2のリング部材70とが、長手軸Xを中心とする周方向における互いの位置を可変可能なように連結される連結方式であれば、歯車方式、ねじ方式に限らない。
次に、第2の実施の形態の距離調整機構67でコイル32のヘタリを調整する方法を説明する。
図11(A)のカムリング42は、コイル32にヘタリが生じていないヘタリ調整前の状態とする。そして、このときの第1のカム溝56に係合される第1のカムピン60と、第2のカム溝58に係合される第2のカムピン62との長手軸X方向の距離をW1とする。距離W1はカムピンの中心位置からの距離とする。
そして、硬度調整手段36を繰り返し使用してコイル32にヘタリが生じた場合には図11(A)のカムリング42に具備された距離調整機構67を次のようにしてヘタリを調整する。
先ず、図11(A)のカムリング42から皿ねじ75を外して、第1のリング部材68と第2のリング部材70との連結関係を解除する。そして、第1のリング部材68を図11(B)のように長手軸Xを中心として矢印の向きに回転する。
なお、図11(B)では、長手軸Xを中心とした矢印の向きへの回転によって、第1のリング部材68と第2のリング部材70と位置が周方向でずれたことを示すために、第1のリング部材68と第2のリング部材70とに段差をつけて図示している。
第1のリング部材68の回転に伴って第1のカム溝56も矢印の向きに移動するので、第1のカム溝56に係合する可動ピンである第1のカムピン60は、支持フレーム48の直線溝50に沿って長手軸X方向の先端部側に前進移動する。この第1のカムピン60の前進移動により可動リング44も前進移動する。
この状態で、第1のリング部材68と第2のリング部材70とを再び皿ねじ75で連結し一体化する。このときの第1のカム溝56に係合される第1のカムピン60と、第2のカム溝58に係合される第2のカムピン62との長手軸X方向の距離をW2とする。
すなわち、長手軸Xを中心として第1のリング部材68を回転することで、硬度調整開始位置Pをシフトし、第1のカムピン60の長手軸X方向の位置をW2−W1=ΔW分だけ前進移動する。この第1のカムピン60の前進移動に伴って可動リング44もΔW分だけ前進移動し、コイル32の基端部との距離が近づく。
これにより、ヘタリによってコイル32が短くなっても、可動リング44がコイル32の基端部に近づくので、ヘタリを調整することができる。
第1のリング部材68をどの程度回転させるかは、コイル32のヘタリによってコイルが短くなった分と、W2−W1=ΔWとが見合うように回転させればよい。
また、図11(B)から分かるように、シフトした位置が、図7の硬度調整開始位置Pになる。したがって、第2の実施の形態の場合には、シフトした長さ分だけ第1のカム溝56の長さを第1の実施の形態の第1のカム溝の長さよりも長くする必要がある。
なお、本実施の形態では、コイル32を圧縮状態に変化させる方式として、コイル32の基端部を先端部側に向かって長手軸方向に押し込む押込み方式で説明したが、硬度調整操作機構39を少し変えるだけでワイヤ34を牽引する牽引方式にも適用できる。
牽引方式の場合には、コイル32の基端部を固定し、ワイヤ34の基端部を可動リング44に固定し、可動リング44の長手軸X方向の移動によりワイヤ34が牽引されるように、第1のカム溝56及び第2のカム溝58を形成すればよい。この場合にも、距離調整機構67によりヘタリを調整できる。
10…内視鏡、12…手元操作部、14…挿入部、16…ユニバーサルケーブル、18…軟性部、20…湾曲部、22…先端硬質部、24…アングルノブ、26…送気・送水ボタン、28…吸引ボタン、32…コイル、34…ワイヤ、36…硬度調整手段、38…操作リング、39…硬度調整操作機構、42…カムリング、44…可動リング、46…手元フレーム、48…支持フレーム、50…直線溝、51…固定枠、52…ピン孔、54…パッキンリング、56…第1のカム溝、58…第2のカム溝、60…第1のカムピン、62…第2のカムピン、64…ワイヤ固定リング、66…ワイヤスリーブ、67…距離調整機構、68…第1のリング部材、68A…連結孔、70…第2のリング部材、72…大径部、72A…連結孔、74…小径部、75…皿ねじ、78,80…歯車、82…雌ねじ、84…雄ねじ

Claims (8)

  1. 軟性部を有する挿入部と、
    前記軟性部の硬度を変化させるコイル及びワイヤで構成された硬度調整手段と、
    前記硬度調整手段を操作する硬度調整操作機構と、を備え、
    前記硬度調整操作機構は、
    長手軸を有し、前記長手軸に沿って直線溝が形成された固定枠と、
    前記固定枠に前記長手軸に沿って移動可能に設けられ、前記長手軸に沿った方向の移動することで前記コイルの圧縮状態を変化させる可動リングと、
    第1のカム溝が形成された第1のリング部材と、第2のカム溝が形成された第2のリング部材とを有し、前記第1のリング部材及び前記第2のリング部材は一体的に連結されて前記長手軸を中心に回転するカムリングと、
    前記可動リングに取り付けられ、かつ前記直線溝及び前記第1のカム溝に係合され、前記カムリングの回転に従動して前記可動リングを前記長手軸に沿って移動させる第1のカムピンと、
    前記固定枠に取り付けられ、かつ前記第2のカム溝に係合され、前記カムリングの回転に従動して前記カムリングを前記長手軸に沿って移動させる第2のカムピンと、
    前記第1のリング部材と前記第2のリング部材との相対的位置を変化させることで、前記第1のカムピンが前記第1のカム溝に係合する第1の係合位置と前記第2のカムピンが前記第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の前記長手軸に沿った方向の距離を調整する距離調整機構と、
    を備える内視鏡。
  2. 前記距離調整機構は、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材との連結位置を、前記長手軸に沿った方向における第1の軸方向位置から前記第1の軸方向位置とは異なる第2軸方向位置に変化させることで、前記第1のカムピンが前記第1のカム溝に係合する第1の係合位置と前記第2のカムピンが前記第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の前記長手軸に沿った方向の距離を調整する請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記距離調整機構は、前記第1のリング部材と前記第2のリング部材との連結位置を、前記長手軸を中心とする周方向における第1の周方向位置から前記第1の周方向位置とは異なる第2周方向位置に変化させることで、前記第1のカムピンが前記第1のカム溝に係合する第1の係合位置と前記第2のカムピンが前記第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の前記長手軸に沿った方向の距離を調整する請求項1に記載の内視鏡。
  4. 前記第1のカムピンと前記第2のカムピンは前記長手軸に沿った方向に並んで配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡。
  5. 前記第1のカム溝及び前記第2のカム溝のいずれか一方のカム溝は、一端側及び他端側のうち前記可動リングが前記コイルを圧縮する方向に移動する向きに前記カムリングを回転させるときの回転方向上流側の端側のみに前記長手軸に沿った方向への移動成分を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡。
  6. 前記第1のカム溝及び前記第2のカム溝のいずれか一方のカム溝は、前記長手軸に対して第1の傾斜角度を有する第1の傾斜溝を有し、
    前記第1のカム溝及び前記第2のカム溝の他方のカム溝は、前記長手軸に対して前記第1の傾斜角度とは異なる第2の傾斜角度を有する第2の傾斜溝と、前記第2の傾斜溝に連続して設けられ、前記長手軸に対して垂直な垂直溝とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡。
  7. 前記第1のカム溝は、前記第1の傾斜溝を有し、
    前記第2のカム溝は、前記第2の傾斜溝と、前記垂直溝とを有する請求項6に記載の内視鏡。
  8. 軟性部を有する挿入部を備える内視鏡に用いる硬度調整装置であって、
    前記軟性部の硬度を変化させるコイル及びワイヤで構成された硬度調整手段と、
    前記硬度調整手段を操作する硬度調整操作機構と、を備え、
    前記硬度調整操作機構は、
    長手軸を有し、前記長手軸に沿って直線溝が形成された固定枠と、
    前記固定枠に前記長手軸に沿って移動可能に設けられ、前記長手軸に沿った方向に移動することで前記コイルの圧縮状態を変化させる可動リングと、
    第1のカム溝が形成された第1のリング部材と、第2のカム溝が形成された第2のリング部材とを有し、前記第1のリング部材及び前記第2のリング部材は一体的に連結されて前記長手軸を中心に回転するカムリングと、
    前記可動リングに取り付けられ、かつ前記直線溝及び前記第1のカム溝に係合され、前記カムリングの回転に従動して前記可動リングを前記長手軸に沿って移動させる第1のカムピンと、
    前記固定枠に取り付けられ、かつ前記第2のカム溝に係合され、前記カムリングの回転に従動して前記カムリングを前記長手軸に沿って移動させる第2のカムピンと、
    前記第1のリング部材と前記第2のリング部材との相対的位置を変化させることで、前記第1のカムピンが前記第1のカム溝に係合する第1の係合位置と前記第2のカムピンが前記第2のカム溝に係合する第2の係合位置との間の前記長手軸に沿った方向の距離を調整する距離調整機構と、
    を備える内視鏡に用いる硬度調整装置。
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