JP6153440B2 - 位相差フィルムおよびその製造方法、ならびに該位相差フィルムを含む円偏光板 - Google Patents

位相差フィルムおよびその製造方法、ならびに該位相差フィルムを含む円偏光板 Download PDF

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Description

本発明は、位相差フィルムおよびその製造方法、ならびに該位相差フィルムを含む円偏光板に関する。
携帯電話やタブレット端末のようないわゆるモバイル機器には、液晶表示装置や有機エレクトロルミネセンス(EL)パネルが画像表示装置として使用されている。液晶表示装置や有機ELパネルの画像形成方式に起因して、モバイル機器には偏光板が配置されている。このようなモバイル機器は、その商品特性上、屋外で表示画面を視認する場合が多い。ところが、偏光サングラスをかけてモバイル機器を見ようとする場合に、偏光板の影響により、角度によっては偏光板のサングラスにより光が吸収されてしまい、画像が視認できない場合がある。
このような問題を解決するために、非常に大きい面内位相差を有する位相差フィルムを画像表示装置の最表面に配置する技術が提案されている。この技術によれば、視認角度によって位相差の変化が生じても、位相差フィルム全体の位相差が非常に大きいので、視認性に与える影響を小さくすることができるとされている。このような非常に大きい面内位相差を有する位相差フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)の延伸フィルムが用いられている。このような位相差フィルムは、偏光板の吸収軸に対して45°の角度をなすように配置する必要がある。しかし、位相差フィルムにおいて、軸精度を精密に制御して遅相軸を斜め方向に発現させるのはきわめて困難である。結果として、このような位相差フィルムは、多くの場合、長尺方向に遅相軸を有するロール状のフィルムから斜め方向に打ち抜いて、偏光板に貼り合わせられている。このような場合には、偏光板と位相差フィルムの貼り合わせの製造効率が低いという問題がある。あるいは、横延伸により位相差フィルムを作製する際に、横延伸時に生じるボーイングを利用して、フィルムの斜め方向に遅相軸を有する部分(横方向の端部)のみを使用する場合がある。この場合、フィルムの端部しか使用できないので、工業的には許容不可能であり、実用的ではない。
以上のように、優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有し、かつ、非常に大きい面内位相差を有する長尺状の位相差フィルムが強く望まれている。
特許第3105374号
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有し、かつ、非常に大きい複屈折(結果として面内位相差)を有する長尺状の位相差フィルムを提供することにある。本発明の別の目的は、そのような位相差フィルムを高い製造効率で製造し得る方法を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、そのような位相差フィルムを含む長尺状の円偏光板を提供することにある。
本発明の位相差フィルムは長尺状である。この位相差フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、およびそれらのブレンドから選択されるポリエステル系樹脂で構成されており、該変性ポリエチレンテレフタレートは、シクロヘキサンジメタノール由来の繰り返し単位、ジエチレングリコール由来の繰り返し単位、およびイソフタル酸由来の繰り返し単位のいずれかを含む。この位相差フィルムは、遅相軸の方向が幅方向の全域にわたって長尺方向に対して30°〜60°の範囲にあり、複屈折Δnxyが0.085以上である。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、80℃で240時間加熱後の寸法収縮率が2.0%以下である。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、X線回折法(XR)で測定される結晶化度が25%以上である。
1つの実施形態においては、上記位相差フィルムは、面内位相差Re(590)が3000nm以上である。
本発明の別の局面によれば、上記の位相差フィルムの製造方法が提供される。この方法は、フィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること;該フィルムを予熱すること;該左右のクリップのクリップピッチをそれぞれ独立して変化させて、該フィルムを斜め延伸すること;該斜め延伸の後、該左右のクリップのクリップピッチを一定とした状態で、該フィルムを熱処理して結晶化させること;および、該フィルムを把持するクリップを解放すること;を含む。
1つの実施形態においては、上記熱処理は100℃〜280℃の温度で行われる。
1つの実施形態においては、上記斜め延伸は、(i)前記左右のクリップのうちの一方のクリップのクリップピッチを増大させ、かつ、他方のクリップのクリップピッチを減少させること、および、(ii)該減少したクリップピッチを該拡大したクリップピッチと同じピッチまで増大させ、それぞれのクリップのクリップピッチを所定のピッチとすること、を含む。
本発明のさらに別の局面によれば、長尺状の円偏光板が提供される。この円偏光板は、上記の長尺状の位相差フィルムと、該位相差フィルムの一方の側に配置された長尺状の偏光子とを含む。
本発明によれば、従来は作製困難であった、優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有し、かつ、非常に大きい複屈折(結果として面内位相差)を有する長尺状の位相差フィルムを実際に得ることができる。このような位相差フィルムは、ポリエステル系樹脂の種類と斜め延伸処理とを適切に組み合わせることにより得ることができる。
本発明の位相差フィルムの製造に用いられ得る延伸装置の一例の全体構成を説明する概略平面図である。 図1の延伸装置においてクリップピッチを変化させるリンク機構を説明するための要部概略平面図であり、クリップピッチが最小の状態を示す。 図1の延伸装置においてクリップピッチを変化させるリンク機構を説明するための要部概略平面図であり、クリップピッチが最大の状態を示す。 本発明の位相差フィルムの製造における斜め延伸の1つの実施形態を説明する模式図である。 図4に示す斜め延伸の際の延伸装置の各ゾーンとクリップピッチとの関係を示すグラフである。 本発明の位相差フィルムと偏光板との貼り合わせ方法を説明する概略図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
(I)位相差フィルム
本発明の実施形態による位相差フィルムは、長尺状である。本明細書において「長尺状」とは、幅に対する長さの比が10以上の細長形状をいう。位相差フィルムの幅に対する長さの比は、好ましくは30以上であり、より好ましくは100以上である。1つの実施形態においては、位相差フィルムはロール状に巻回されている。
位相差フィルムは、その遅相軸の方向がフィルムの幅方向の全域にわたって長尺方向に対して30°〜60°の範囲、好ましくは38°〜52°の範囲、より好ましくは43°〜47°の範囲にあり、さらに好ましくは遅相軸方向が長尺方向に対して45°程度の角度をなしている。本発明によれば、長尺状の位相差フィルムにおいて、その遅相軸の方向を長尺方向に対して所定の方向に精密に制御することができる。その結果、偏光板との貼り合わせにおいて1枚ごとに斜め方向に裁断する必要がなく、いわゆるロールトゥロールで貼り合わせを行うことができるので、製造効率を格段に向上させることができる。しかも、遅相軸の方向が精密に制御されているので、最終的に、偏光サングラスを通しても視認性に優れた画像表示装置(例えば、モバイル機器)を実現することができる。このように、非常に優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有する長尺状の位相差フィルムを実際に作製したことが、本発明の成果の1つである。
位相差フィルムの面内位相差Re(590)は3000nm以上であり、好ましくは4000nm以上であり、より好ましくは5000nm以上である。面内位相差Re(590)の上限は、例えば15000nmである。本発明によれば、フィルムを破断させることなく、このように非常に大きい面内位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。このような面内位相差を有する位相差フィルムを画像表示装置の最表面に配置することにより、視認角度によって位相差の変化が生じても、位相差フィルム全体の位相差が非常に大きいので、視認性に与える影響を小さくすることができる。その結果、上記の優れた軸精度との相乗的な効果により、偏光サングラスを通しても視認性に優れた画像表示装置(例えば、モバイル機器)を実現することができる。なお、面内位相差Re(λ)は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。したがって、例えばRe(590)は、波長590nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められる。ここで、nxは面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、nyは面内で遅相軸と直交する方向の屈折率である。
位相差フィルムの複屈折Δnxyは0.085以上であり、好ましくは0.09以上であり、より好ましくは0.10以上である。複屈折Δnxyの上限は、例えば0.15である。本発明によれば、フィルムを破断させることなく、このように非常に大きい複屈折を有する位相差フィルムを得ることができ、結果として、上記のとおり非常に大きい面内位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。複屈折Δnxyは、式:Δnxy=nx−nyによって求められる。
位相差フィルムは、80℃で240時間加熱後の寸法収縮率が好ましくは2.0%以下であり、より好ましくは1.0%以下である。本発明によれば、このように寸法変化が小さく、かつ、上記のとおり軸精度に優れた位相差フィルムを実現することができる
位相差フィルムは、X線回折法(XRD)で測定される結晶化度が好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上である。結晶化度の上限は、例えば70%である。結晶化度がこのような範囲であれば、延伸後のフィルムを加熱した際にフィルムが収縮せず、また、位相差や配向角などの光学特性が変化し難いという利点がある。
位相差フィルムの厚みは、目的や所望の面内位相差等に応じて変化し得る。位相差フィルムの厚みは、代表的には10μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜130μmである。
位相差フィルムは、ポリエステル系樹脂で構成される。ポリエステル系樹脂を用いることにより、非常に大きい面内位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。さらに、後述する斜め延伸を含む製造方法を適用することにより、優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有する位相差フィルムを得ることができる。ポリエステル系樹脂としては、このような効果が得られる限りにおいて任意の適切なポリエステル系樹脂が採用され得る。ポリエステル系樹脂は、カルボン酸成分とポリオール成分との縮合重合により得ることができる。
カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、1,4−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4′−オキシ安息香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタール酸、アゼライン酸、ゼバシン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸が挙げられる。カルボン酸成分は、エステル、塩化物、酸無水物のような誘導体であってもよく、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチルおよびテレフタル酸ジフェニルを含む。カルボン酸成分は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分としては、代表的には二価アルコールが挙げられる。二価アルコールとしては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。脂環族ジオールとしては、例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールが挙げられる。芳香族ジオールとしては、例えば、4,4′−チオジフェノール、4,4′−メチレンジフェノール、4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4′−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,4′−イソプロピリデンフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−シクロロフェノール)2,5−ナフタレンジオールおよびp−キシレンジオールが挙げられる。ポリオール成分は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
好ましいカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。好ましいポリオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。したがって、好ましいポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ならびに、これらの共重合体、ブレンドおよび変性体が挙げられる。このようなポリエステル系樹脂を用い、かつ、後述する斜め延伸を含む製造方法を適用することにより、より好ましい面内位相差を有し、かつ、より優れた軸精度を有する位相差フィルムを得ることができる。1つの実施形態においては、ポリエステル系樹脂は、シクロヘキサンジメタノール由来の繰り返し単位を含む変性PETであり得る。この場合、ポリオール成分におけるシクロヘキサンジメタノールの割合は、好ましくは0モル%を超えて10モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて3モル%以下である。別の実施形態においては、ポリエステル系樹脂は、イソフタル酸由来の繰り返し単位を含む変性PETであり得る。この場合、カルボン酸成分におけるイソフタル酸の割合は、好ましくは0モル%を超えて20モル%以下であり、より好ましくは0モル%を超えて10モル%以下である。なお、これらの実施形態を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは65℃〜80℃であり、より好ましくは70℃〜75℃である。ガラス転移温度が過度に低いと、所望の寸法収縮率が得られない場合がある。ガラス転移温度が過度に高いと、フィルム成形時の成形安定性が悪くなる場合があり、また、フィルムの透明性を損なう場合がある。なお、ガラス転移温度は、JIS K 7121(1987)に準じて求められる。
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10000〜100000であり、より好ましくは15000〜50000である。このような重量平均分子量であれば、成形時の取り扱いが容易であり、かつ、優れた機械的強度を有するフィルムが得られ得る。
ポリエステル系樹脂は、任意の適切な方法によりフィルムに成形され得る。得られたポリエステル系樹脂フィルムを、後述する斜め延伸を含む製造方法に供することにより、本発明の位相差フィルムを得ることができる。
(II)位相差フィルムの製造方法
本発明の実施形態による位相差フィルムの製造方法は、延伸対象のフィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること(工程A:把持工程);該フィルムを予熱すること(工程B:予熱工程);該左右のクリップのクリップピッチをそれぞれ独立して変化させて、該フィルムを斜め延伸すること(工程C:延伸工程);必要に応じて、該左右のクリップのクリップピッチを一定とした状態で、該フィルムを熱処理して結晶化させること(工程D:結晶化工程);および、該フィルムを把持するクリップを解放すること(工程E:解放工程);を含む。以下、上記ポリエステル系樹脂フィルムから上記位相差フィルムを作製する一例について、各工程を詳細に説明する。
A.把持工程
最初に、図1〜図3を参照して、本工程を含む本発明の製造方法に用いられ得る延伸装置について説明する。図1は、本発明の製造方法に用いられ得る延伸装置の一例の全体構成を説明する概略平面図である。図2および図3は、それぞれ、図1の延伸装置においてクリップピッチを変化させるリンク機構を説明するための要部概略平面図であり、図2はクリップピッチが最小の状態を示し、図3はクリップピッチが最大の状態を示す。延伸装置100は、平面視で、左右両側に、フィルム把持用の多数のクリップ20を有する無端ループ10Lと無端ループ10Rとを左右対称に有する。なお、本明細書においては、フィルムの入口側から見て左側の無端ループを左側の無端ループ10L、右側の無端ループを右側の無端ループ10Rと称する。左右の無端ループ10L、10Rのクリップ20は、それぞれ、基準レール70に案内されてループ状に巡回移動する。左側の無端ループ10Rは反時計廻り方向に巡回移動し、右側の無端ループ10Rは時計廻り方向に巡回移動する。延伸装置においては、シートの入口側から出口側へ向けて、把持ゾーンA、予熱ゾーンB、延伸ゾーンC、結晶化ゾーンD、および解放ゾーンEが順に設けられている。なお、これらのそれぞれのゾーンは、延伸対象となるフィルムが実質的に把持、予熱、斜め延伸、結晶化および解放されるゾーンを意味し、機械的、構造的に独立した区画を意味するものではない。また、それぞれのゾーンの長さの比率は、実際の長さの比率と異なることに留意されたい。
把持ゾーンAおよび予熱ゾーンBでは、左右の無端ループ10R、10Lは、上記ポリエステル系樹脂フィルムの初期幅に対応する離間距離で互いに略平行となるよう構成されている。延伸ゾーンCでは、予熱ゾーンBの側から結晶化ゾーンDに向かうに従って左右の無端ループ10R、10Lの離間距離が上記フィルムの延伸後の幅に対応するまで徐々に拡大する構成とされている。図示例においては、結晶化ゾーンDでは、左右の無端ループ10R、10Lは、上記フィルムの延伸後の幅に対応する離間距離で互いに略平行となるよう構成されている。結晶化ゾーンDでは、左右の無端ループ10R、10Lは、上記フィルムの延伸後の幅から徐々に拡大または縮小するよう構成されていてもよい(図示せず)。
左側の無端ループ10Lのクリップ(左側のクリップ)20および右側の無端ループ10Rのクリップ(右側のクリップ)20は、それぞれ独立して巡回移動し得る。例えば、左側の無端ループ10Lの駆動用スプロケット11、12が電動モータ13、14によって反時計廻り方向に回転駆動され、右側の無端ループ10Rの駆動用スプロケット11、12が電動モータ13、14によって時計廻り方向に回転駆動される。その結果、これら駆動用スプロケット11、12に係合している駆動ローラ(図示せず)のクリップ担持部材30に走行力が与えられる。これにより、左側の無端ループ10Lは反時計廻り方向に巡回移動し、右側の無端ループ10Rは時計廻り方向に巡回移動する。左側の電動モータおよび右側の電動モータを、それぞれ独立して駆動させることにより、左側の無端ループ10Lおよび右側の無端ループ10Rをそれぞれ独立して巡回移動させることができる。
さらに、左側の無端ループ10Lのクリップ(左側のクリップ)20および右側の無端ループ10Rのクリップ(右側のクリップ)20は、それぞれ可変ピッチ型である。すなわち、左右のクリップ20、20は、それぞれ独立して、移動に伴って縦方向(MD)のクリップピッチ(クリップ間距離)が変化し得る。可変ピッチ型は、任意の適切な構成により実現され得る。以下、一例として、リンク機構(パンタグラフ機構)について説明する。
図2および図3に示すように、クリップ20を個々に担持する平面視横方向に細長矩形状のクリップ担持部材30が設けられている。図示しないが、クリップ担持部材30は、上梁、下梁、前壁(クリップ側の壁)、および後壁(クリップと反対側の壁)により閉じ断面の強固なフレーム構造に形成されている。クリップ担持部材30は、その両端の走行輪38により走行路面81、82上を転動するよう設けられている。なお、図2および図3では、前壁側の走行輪(走行路面81上を転動する走行輪)は図示されない。走行路面81、82は、全域に亘って基準レール70に並行している。クリップ担持部材30の上梁と下梁の後側(クリップと反対側)には、クリップ担持部材の長手方向に沿って長孔31が形成され、スライダ32が長孔31の長手方向にスライド可能に係合している。クリップ担持部材30のクリップ20側端部の近傍には、上梁および下梁を貫通して一本の第1の軸部材33が垂直に設けられている。一方、クリップ担持部材30のスライダ32には一本の第2の軸部材34が垂直に貫通して設けられている。各クリップ担持部材30の第1の軸部材33には主リンク部材35の一端が枢動連結されている。主リンク部材35は、他端を隣接するクリップ担持部材30の第2の軸部材34に枢動連結されている。各クリップ担持部材30の第1の軸部材33には、主リンク部材35に加えて、副リンク部材36の一端が枢動連結されている。副リンク部材36は、他端を主リンク部材35の中間部に枢軸37によって枢動連結されている。主リンク部材35、副リンク部材36によるリンク機構により、図2に示すように、スライダ32がクリップ担持部材30の後側(クリップ側の反対側)に移動しているほど、クリップ担持部材30同士の縦方向のピッチ(以下、単にクリップピッチと称する)が小さくなり、図3に示すように、スライダ32がクリップ担持部材30の前側(クリップ側)に移動しているほど、クリップピッチが大きくなる。スライダ32の位置決めは、ピッチ設定レール90により行われる。図2および図3に示すように、クリップピッチが大きいほど、基準レール70とピッチ設定レール90との離間距離が小さくなる。なお、リンク機構は当業界において周知であるので、より詳細な説明は省略する。
上記のような延伸装置を用いてポリエステル系樹脂フィルムの斜め延伸を行うことにより、斜め方向(例えば、縦方向に対して45°の方向)に遅相軸を有する本発明の位相差フィルムが作製され得る。まず、把持ゾーンA(延伸装置100のフィルム取り込みの入り口)において、左右の無端ループ10R、10Lのクリップ20によって、ポリエステル系樹脂フィルムの両側縁が互いに等しい一定のクリップピッチで把持され、左右の無端ループ10R、10Lの移動(実質的には、基準レール70に案内された各クリップ担持部材30の移動)により、当該フィルムが予熱ゾーンBに送られる。
B.予熱工程
予熱ゾーン(予熱工程)Bにおいては、左右の無端ループ10R、10Lは、上記のとおりポリエステル系樹脂フィルムの初期幅に対応する離間距離で互いに略平行となるよう構成されているので、基本的には横延伸も縦延伸も行わず、フィルムが加熱される。ただし、予熱によりフィルムのたわみが起こり、オーブン内のノズルに接触するなどの不具合を回避するために、わずかに左右クリップ間の距離(幅方向の距離)を広げてもよい。
予熱工程においては、フィルムを温度T1(℃)まで加熱する。温度T1は、フィルムのガラス転移温度(Tg)以上であることが好ましく、より好ましくはTg+2℃以上、さらに好ましくはTg+5℃以上である。一方、加熱温度T1は、好ましくはTg+40℃以下、より好ましくはTg+30℃以下である。ポリエステル系樹脂の種類により異なるが、温度T1は、例えば70℃〜150℃であり、好ましくは80℃〜130℃である。
上記温度T1までの昇温時間および温度T1での保持時間は、ポリエステル系樹脂の種類や製造条件(例えば、フィルムの搬送速度)に応じて適切に設定され得る。これらの昇温時間および保持時間は、クリップ20の移動速度、予熱ゾーンの長さ、予熱ゾーンの温度等を調整することにより制御され得る。
C.延伸工程
延伸ゾーン(延伸工程)Cにおいては、左右のクリップ20のクリップピッチをそれぞれ独立して変化させて、フィルムを斜め延伸する。斜め延伸は、例えば図示例のように、左右のクリップ間の距離(幅方向の距離)を拡大させながら行われ得る。以下、具体的に説明する。なお、以下の説明では、便宜上、延伸ゾーンCを、入口側延伸ゾーン(第1の斜め延伸ゾーン)C1と出口側延伸ゾーン(第2の斜め延伸ゾーン)C2とに分けて記載する。第1の斜め延伸ゾーンC1および第2の斜め延伸ゾーンC2の長さはおよび互いの長さの比は、目的に応じて適切に設定され得る。
斜め延伸は、代表的には、(i)左右のクリップのうちの一方のクリップのクリップピッチを増大させ、かつ、他方のクリップのクリップピッチを減少させること、および、(ii)該減少したクリップピッチを該拡大したクリップピッチと同じピッチまで増大させ、それぞれのクリップのクリップピッチを所定のピッチとすること、を含む。図4および図5を参照して具体的に説明する。まず、予熱ゾーンBにおいては、左右のクリップピッチはともにPとされている。Pは、フィルムを把持した際のクリップピッチである。次に、フィルムが第1の斜め延伸ゾーンC1に入ると同時に、一方の(図示例では右側)クリップのクリップピッチの増大を開始し、かつ、他方の(図示例では左側)クリップのクリップピッチの減少を開始する。第1の斜め延伸ゾーンC1においては、右側クリップのクリップピッチをPまで増大させ、左側クリップのクリップピッチをPまで減少させる。したがって、第1の斜め延伸ゾーンC1の終端部(第2の斜め延伸ゾーンC2の開始部)において、左側クリップはクリップピッチPで移動し、右側クリップはクリップピッチPで移動することとされている。次に、フィルムが第2の斜め延伸ゾーンC2に入ると同時に、左側クリップのクリップピッチの増大を開始する。第2の斜め延伸ゾーンC2においては、左側クリップのクリップピッチをPまで増大させる。一方、右側クリップのクリップピッチは、第2の斜め延伸ゾーンC2においてPのまま維持される。したがって、第2の斜め延伸ゾーンC2の終端部(延伸ゾーンCの終端部)において、左側クリップおよび右側クリップはともに、クリップピッチPで移動することとされている。なお、図示例では、簡単のため、左側クリップのクリップピッチの減少開始位置および右側クリップのクリップピッチの増大開始位置をともに第1の斜め延伸ゾーンC1の開始部としているが、当該位置は、延伸ゾーンにおける任意の適切な位置に設定され得る。例えば、左側クリップのクリップピッチが減少し始める位置を第1の斜め延伸ゾーンC1の中間部としてもよく、右側クリップのクリップピッチが増大し始める位置を第1の斜め延伸ゾーンC1の中間部としてもよい。また、左側クリップのクリップピッチが増大し始める位置を第1の斜め延伸ゾーンC1の中間部または第2の斜め延伸ゾーンC2の中間部としてもよいことは言うまでもない。なお、クリップピッチの比はクリップの移動速度の比に概ね対応し得る。よって、左右のクリップのクリップピッチの比は、フィルムの右側側縁部と左側側縁部のMD方向の延伸倍率の比に概ね対応し得る。
クリップピッチは、上記のとおり、延伸装置のピッチ設定レールと基準レールとの離間距離を調整してスライダを位置決めすることにより、調整され得る。
クリップピッチ変化率(P/P)は、好ましくは1.2〜1.9であり、より好ましくは1.4〜1.7である。P/Pがこのような範囲であれば、フィルムの破断を防止できるという利点がある。さらに、クリップピッチ変化率(P/P)は、好ましくは0.5〜0.9であり、より好ましくは0.6〜0.8である。P/Pがこのような範囲であれば、フィルムにシワが入りにくいという利点がある。
本発明の位相差フィルムの製造方法における斜め延伸においては、第1の斜め延伸(第1の斜め延伸ゾーンC1における延伸)終了時の一方のクリップのクリップピッチ変化率と他方のクリップのクリップピッチ変化率との積が、好ましくは1.0〜1.7である。変化率の積がこのような範囲内であれば、軸精度に優れ、かつ、寸法変化が小さい位相差フィルムが得られ得る。
斜め延伸は、代表的には、温度T2で行われ得る。温度T2は、ポリエステル系樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)に対し、Tg−20℃〜Tg+30℃であることが好ましく、さらに好ましくはTg−10℃〜Tg+20℃、特に好ましくはTg程度である。ポリエステル系樹脂フィルムの種類により異なるが、温度T2は、例えば70℃〜110℃であり、好ましくは80℃〜100℃である。上記温度T1と温度T2との差(T1−T2)は、好ましくは±2℃以上であり、より好ましくは±5℃以上である。1つの実施形態においては、T1>T2であり、したがって、予熱工程で温度T1まで加熱されたフィルムは温度T2まで冷却され得る。
上記の斜め延伸は、横方向の延伸を含んでいてもよく、横方向の延伸を含んでいなくてもよい。言い換えれば、斜め延伸後のフィルムの幅は、フィルムの初期幅より大きくてもよく、初期幅と実質的に同一であってもよい。言うまでもなく、図示例は、横延伸を含む実施形態を示している。図示例のように斜め延伸が横延伸を含む場合、横方向の延伸倍率(フィルムの初期幅Wと斜め延伸後のフィルムの幅Wとの比W/W)は、好ましくは1.0〜4.0であり、より好ましくは1.3〜3.0である。当該延伸倍率が小さすぎると、得られる位相差フィルムにトタン状のシワが生じる場合がある。当該延伸倍率が大きすぎると、得られる位相差フィルムの二軸性が高くなってしまい、画像表示装置等に適用した場合に視野角特性が低下する場合がある。
D.結晶化工程
結晶化ゾーン(結晶化工程)Dにおいては、左右のクリップ20のクリップピッチを一定とした状態で、斜め延伸したポリエステル系樹脂フィルムを熱処理して結晶化させる。具体的には、左右のクリップ20のクリップピッチをともにPとした状態で、フィルムを搬送しながら加熱する。結晶化工程は、必要に応じて行われ得る。
熱処理は、代表的には、温度T3で行われ得る。温度T3は、ポリエステル系樹脂の種類や所望の結晶化度に応じて変化し得る。T3は、代表的には延伸温度T2よりも高く(すなわち、T2<T3であり)、例えば100℃〜280℃である。T3とT2との差(T3−T2)は好ましくは20℃〜150℃である。熱処理時間は、代表的には10秒〜10分である。熱処理時間は、熱処理ゾーンの長さおよび/またはフィルムの搬送速度を調整することにより制御され得る。
結晶化工程においては、左右のクリップのクリップピッチを減少させてフィルムを縦方向(MD)に収縮させるMD収縮処理を行ってもよい。結晶化工程においてMD収縮処理を行うことにより、さらに優れた軸精度を有する位相差フィルムを得ることができる。MD収縮処理においては、左側クリップおよび右側クリップのクリップピッチをともにPまで減少させる。クリップピッチ変化率(P/P)は、好ましくは0.7〜0.999であり、より好ましくは0.7〜0.995であり、さらに好ましくは0.8〜0.99である。MD収縮処理における収縮率は、好ましくは0.1%〜30%であり、より好ましくは0.5%〜30%であり、さらに好ましくは1%〜20%である。
E.解放工程
最後に、フィルムを把持するクリップを解放して、位相差フィルムが得られる。なお、斜め延伸後のフィルムの幅Wが、得られる位相差フィルムの幅に対応する(図4)。斜め延伸が横延伸を含まない場合には、得られる位相差フィルムの幅はフィルムの初期幅に実質的に等しい。
(III)偏光板との貼り合わせ
A.概略
本発明の位相差フィルムは、非常に高い製造効率で偏光板と貼り合わせることができる。詳細は以下のとおりである。本発明の位相差フィルムは、長尺状であり、かつ、斜め方向(上記のとおり、長尺方向に対して例えば45°の方向)に遅相軸を有する。多くの場合、長尺状の偏光子は長尺方向または幅方向に吸収軸を有するので、本発明の位相差フィルムを用いれば、遅相軸が偏光板の吸収軸に対して例えば45°の角度となるよう貼り合わせる場合に(例えば、円偏光板を作製する場合に)、いわゆるロールトゥロールを利用することができ、きわめて優れた製造効率を実現できる。なお、ロールトゥロールとは、長尺のフィルム同士をロール搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせる方法をいう。
図6を参照して、位相差フィルムと偏光板との貼り合わせ方法を簡単に説明する。図6において、符号811および812は、それぞれ、偏光板および位相差フィルムを巻回するロールであり、符号822は搬送ロールである。図示例では、偏光板(第1の保護フィルム320/偏光子310/第2の保護フィルム330)と、位相差フィルム340とを矢印方向に送り出し、それぞれの長手方向を揃えた状態で貼り合わせる。その際、偏光板の第2の保護フィルム330と位相差フィルム340とが隣接するように貼り合わせる。このようにして、位相差フィルムと偏光板とを貼り合わせ、位相差フィルム付偏光板を得ることができる。図示しないが、例えば、偏光板(第1の保護フィルム320/偏光子310)と位相差フィルム340とを、偏光子310と位相差フィルム340とが隣接するように貼り合わせ、位相差フィルム340が保護フィルムとして機能するようにすることもできる。
B.円偏光板の製造方法
B−1.長尺状の偏光子の作製
上記のとおり、長尺状の本発明の位相差フィルムと長尺状の偏光子とを(好ましくはロールトゥロールにより)貼り合わせることにより、長尺状の円偏光板を作製することができる。長尺状の偏光子としては、長尺方向または幅方向のいずれかに吸収軸を有する偏光フィルムを採用することができる。具体的には、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した長尺偏光フィルムが、偏光二色比が高く特に好ましい。これら長尺偏光フィルムの厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した長尺状の偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール計フィルムをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
B−2.円偏光板の作製
上記(I)および(II)に記載の本発明の長尺状の位相差フィルムと上記B−1に記載の長尺状の偏光子とを、上記図6を参照して説明したようにして連続的に送り出し、次いで、それぞれの長手方向を揃えた状態で連続的に貼り合わせ、長尺状の円偏光板が得られる。このようにして得られた長尺状の円偏光板は、所望の寸法に切断して用いられ得る。なお、長尺状の位相差フィルムと長尺状の偏光子とは、代表的には、粘着剤または接着剤を介して貼り合わせられ得る。粘着剤または接着剤としては、得られる円偏光板の光学特性を損なわないかぎり、任意の適切な粘着剤または接着剤を使用することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における測定および評価方法は下記のとおりである。
(1)配向角(遅相軸の発現方向)
実施例および比較例で得られた位相差フィルムの中央部を、一辺が当該フィルムの幅方向と平行となるようにして幅50mm、長さ50mmの正方形状に切り出して試料を作成した。この試料を、ミュラーマトリクス・ポラリメーター(Axometrics社製 製品名「Axoscan」)を用いて測定し、波長550nm、23℃における配向角θを測定した。なお、配向角θは測定台に試料を平行に置いた状態で測定した。
(2)面内位相差Re
上記(1)と同様にして、Axometrics社製 製品名「Axoscan」を用いて、波長590nm、23℃で測定した。
(3)厚み
マイクロゲージ式厚み計(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
(4)寸法変化
実施例および比較例で得られた位相差フィルムを100mm×100mmに裁断した。当該裁断したフィルムをミツトヨ社製:CNC画像測定機 QuickVision(QV606)を用いて正確に寸法を測定した。その後、80℃の加熱オーブンに240時間入れた後、フィルムを取り出し、再度正確に寸法を測定し、寸法の変化を求めた。
(5)結晶化度
実施例および比較例で得られた位相差フィルムについて、二次元検出器搭載X線回折装置(Bruker AXS社製、D8 DISCOVER with GADDS)を用いてX線回折測定を行い、散乱プロファイルを得た。得られた散乱プロファイルをフィッティングにより結晶性回折線と非晶ハローピークに分離した。得られた各ピークの積分強度より結晶化度Xcを下記式(1)より求めた。
Xc=Ic/(Ic+Ia)×100 ・・・式(1)
Ic:結晶性散乱強度
Ia:非晶性散乱強度
(6)ロールトゥロールによる円偏光板の作製
実施例および比較例で得られた位相差フィルムと長尺状の偏光子と斜め延伸された長尺状のシクロオレフィン系フィルム(日本ゼオン社製、製品名「ZD12−141158−E1330」)とをロールトゥロールにより貼り合わせ、位相差フィルム/偏光子/シクロオレフィン系フィルムの3層構造を有する長尺状の円偏光板を作製した。ロールトゥロールによる円偏光板の作製が可能なものを○、不可能なものを×とした。なお、長尺状の偏光子は、ポリビニルアルコール樹脂からなる長尺状のフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸して作製した。
(7)偏光サングラスによる視認性
上記(6)で得られた円偏光板を所定のサイズに切り出し、市販の有機ELテレビ(LG Display社製、製品名「15EL9500」)にあらかじめ貼り合わされていた偏光板を剥がした後、当該切り出した円偏光板を貼り合わせた。貼り合わせは、円偏光板のシクロオレフィン系フィルム面に塗布されたアクリル系粘着剤を介して行った。円偏光板が貼られた有機ELテレビに画像を出力させ、市販の偏光サングラスをかけて画像の見栄えを目視確認した。判断基準は以下のとおりである。
○・・・色付きや干渉縞がなく、正常に視認できる
△・・・テレビを見る角度によっては干渉縞が見える
×・・・角度によらず干渉縞が見える、または画像が色づいて見える
<実施例1>
(ポリエステル系樹脂フィルム)
ポリエステル系樹脂フィルムとして、変性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ノバクリアSI−026」、厚み200μm)を用いた。変性PETは、シクロヘキサンジメタノール由来の繰り返し単位を含む共重合体である。
(斜め延伸)
上記のポリエステル系樹脂フィルムを、図1〜図4に示すような装置を用い、図5に示すようなクリップピッチのプロファイルで、予熱処理、斜め延伸および結晶化処理に供し、位相差フィルムを得た。具体的には、以下のとおりである:ポリエステル系樹脂フィルム(厚み200μm、幅550mm)を延伸装置の予熱ゾーンで87℃に予熱した。予熱ゾーンにおいては、左右のクリップのクリップピッチは125mmであった。次に、フィルムが第1の斜め延伸ゾーンC1に入ると同時に、右側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから187.5mmまで増大させた。クリップピッチ変化率は1.5であった。第1の斜め延伸ゾーンC1において、左側クリップのクリップピッチについてはクリップピッチの減少を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから90mmまで減少させた。クリップピッチ変化率は0.72であった。次に、フィルムが第2の斜め延伸ゾーンC2に入ると同時に、左側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第2の斜め延伸ゾーンC2において90mmから187.5mmまで増大させた。一方、右側クリップのクリップピッチは、第2の斜め延伸ゾーンC2において187.5mmのまま維持した。また、上記斜め延伸と同時に、幅方向にも2.83倍の延伸を行った。なお、斜め延伸は87℃で行った。
(結晶化処理)
次いで、結晶化ゾーンにおいて、結晶化処理を行った。具体的には、左側クリップおよび右側クリップのクリップピッチをともに187.5mmに維持したまま、190℃で1分間熱処理した。
以上のようにして、位相差フィルム(厚み53μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例2>
ポリエステル系樹脂フィルムとして非晶質PETフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ノバクリアSG−007」、厚み200μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム(厚み52μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3>
ポリエステル系樹脂フィルムとして厚みの異なる非晶質PETフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ノバクリアSI−026」、厚み125μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム(厚み33μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
結晶化処理を行わなかったことおよび延伸温度を92℃としたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム(厚み57μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2>
結晶化処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム(厚み57μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例3>
ポリエステル系樹脂フィルムの代わりにシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ZF14−100」、厚み100μm、幅420mm)を用いた。
上記のシクロオレフィン系樹脂フィルムを、図1〜図4に示すような装置を用い、図5に示すようなクリップピッチのプロファイルで、予熱処理および斜め延伸に供し、位相差フィルムを得た。具体的には、予熱ゾーンで150℃に予熱した。予熱ゾーンにおいては、左右のクリップのクリップピッチは125mmであった。次に、フィルムが第1の斜め延伸ゾーンC1に入ると同時に、右側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから165mmまで増大させた。クリップピッチ変化率は1.32であった。第1の斜め延伸ゾーンC1において、左側クリップのクリップピッチについてはクリップピッチの減少を開始し、第1の斜め延伸ゾーンC1において125mmから108.75mmまで減少させた。クリップピッチ変化率は0.87であった。次に、フィルムが第2の斜め延伸ゾーンC2に入ると同時に、左側クリップのクリップピッチの増大を開始し、第2の斜め延伸ゾーンC2において90mmから165mmまで増大させた。一方、右側クリップのクリップピッチは、第2の斜め延伸ゾーンC2において165mmのまま維持した。また、上記斜め延伸と同時に、幅方向にも2倍の延伸を行った。なお、延伸後に結晶化処理は行わなかった。
上記のようにして位相差フィルム(厚み41μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例4>
斜め延伸の代わりにテンター延伸機を用いて横延伸(延伸倍率:4.0倍)を行ったこと以外は実施例2と同様にして位相差フィルム(厚み50μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例5>
斜め延伸の代わりに熱ロールを用いて縦一軸延伸(延伸倍率:4.0倍)を行ったこと、および、延伸前の厚みが100μmのフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして位相差フィルム(厚み50μm)を得た。得られた位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例6>
ポリエステル系樹脂フィルムとして結晶化処理がなされた逐次二軸延伸PETフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「T602E25N」、厚み23μm)を用い、位相差フィルムとして使用した。この位相差フィルムを上記(1)〜(7)の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 0006153440
<評価>
表1から明らかなように、本発明の実施例によれば、特定のポリエステル系樹脂フィルムを用い、かつ、特定の斜め延伸と結晶化処理とを組み合わせることにより、優れた軸精度で斜め方向に遅相軸を有し、かつ、非常に大きい複屈折を有する長尺状の位相差フィルムを実際に作製することができた。一方、結晶化処理を行わずに得られた比較例1および2の位相差フィルムは、複屈折が実施例のフィルムに比べて顕著に小さかった。シクロオレフィンフィルムを用いて得られた比較例3の位相差フィルムは、複屈折が実施例のフィルムに比べて段違いに小さかった。縦延伸、横延伸または二軸延伸で得られた比較例4〜6の位相差フィルムは、ロールトゥロールによる円偏光板の作製が不可能であった。さらに、比較例の位相差フィルムは、全体として、偏光サングラスによる視認性が実施例の位相差フィルムに比べて劣っていた。
本発明の製造方法により得られる位相差フィルムは、液晶表示装置(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(OLED)等の画像表示装置およびそのような画像表示装置を用いたモバイル機器に好適に用いられる。
10L 無端ループ
10R 無端ループ
20 クリップ
30 クリップ担持部材
70 基準レール
90 ピッチ設定レール
100 延伸装置

Claims (6)

  1. ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、およびそれらのブレンドから選択されるポリエステル系樹脂で構成されており、
    該変性ポリエチレンテレフタレートが、シクロヘキサンジメタノール由来の繰り返し単位、ジエチレングリコール由来の繰り返し単位、およびイソフタル酸由来の繰り返し単位のいずれかを含み、
    遅相軸の方向が幅方向の全域にわたって長尺方向に対して30°〜60°の範囲にあり、複屈折Δnxyが0.085以上であり、
    80℃で240時間加熱後の寸法収縮率が2.0%以下である、
    長尺状の位相差フィルム。
  2. X線回折法(XRD)で測定される結晶化度が25%以上である、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 面内位相差Re(590)が3000nm以上である、請求項1または2に記載の位相差フィルム。
  4. フィルムの左右端部を、それぞれ、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型の左右のクリップによって把持すること;該フィルムを予熱すること;該左右のクリップのクリップピッチをそれぞれ独立して変化させて、該フィルムを斜め延伸すること;該斜め延伸の後、該左右のクリップのクリップピッチを一定とした状態で、該フィルムを熱処理して結晶化させること;および、該フィルムを把持するクリップを解放すること;を含み、
    該斜め延伸が、
    (i)該左右のクリップのうちの一方のクリップのクリップピッチを増大させ、かつ、他方のクリップのクリップピッチを減少させること、および
    (ii)該減少したクリップピッチを該増大したクリップピッチと同じピッチまで増大させ、それぞれのクリップのクリップピッチを所定のピッチとすること
    を含む、請求項1から3のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記熱処理が100℃〜280℃の温度で行われる、請求項4に記載の位相差フィルムの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の位相差フィルムの製造方法によって長尺状の位相差フィルムを得ること、および
    該長尺状の位相差フィルムと長尺状の偏光板とを搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせることを含む、円偏光板の製造方法。
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