JP6152879B2 - 色材分散液、カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタの製造方法、液晶表示装置の製造方法、及び発光表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの液晶表示装置や有機発光表示装置には、カラーフィルタが用いられる。例えばカラー液晶ディスプレイの場合は、バックライトを光源とし、電気的に液晶を駆動させることで光量を制御し、その光がカラーフィルタを通過することで色表現を行っている。よって液晶テレビの色表現にはカラーフィルタは無くてはならず、またディスプレイの性能を左右する大きな役目を担っている。また、有機発光表示装置では、白色発光の有機発光素子にカラーフィルタを用いた場合は液晶表示装置と同様にカラー画像を形成する。
技術進化により電池容量が大きくなったとは言え、モバイルの蓄電量は有限であることは変わらなく、その一方で画面サイズの拡大に伴い消費電力は増加する傾向にある。モバイル端末の使用可能時間や充電頻度に直結するために、カラーフィルタを含む画像表示装置は、モバイル端末の設計や性能を左右する。
このような着色層の形成方法として、色材を分散させた色材分散液に硬化性バインダー成分等を添加した樹脂組成物を基材に塗布し硬化する方法などが知られている。
色材分散液は、高コントラストな着色層を安定して得るために、色材の分散性や分散安定性が求められている。また、カラーフィルタの高コントラスト化や高輝度化の要求に伴って、色材として、微細化した顔料を使用したり、より高透過率な染料やレーキ顔料を使用する検討が行われている。このような色材分散液から得られた着色層は、通常の顔料よりも製造工程における各種耐性が劣る場合があった。特に、その製造工程から、加熱工程における耐熱性、配向膜形成工程における溶剤(N−メチルピロリドン:NMP)に対する耐性などの改善が求められている。
しかしながら、特許文献2に記載の感光性樹脂組成物は、分散性や保存安定性が悪く、長期間保管後に着色層を形成した場合にコントラストが低下する問題があった。さらに、顔料分散剤の側鎖がポリカプロラクトン骨格を主成分とするため、着色硬化膜の耐熱性や耐NMP性が悪いという問題があった。
R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR13で示される1価の基であり、R13は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基であり、R7及びR9は、互いに結合して環構造を形成してもよい。上記環状構造を形成した場合、当該環状構造が更に置換基R14を有していてもよく、R14は、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。一般式(I’)中、X+は有機カチオンを表す。x1は1〜18の整数、y1は1〜5の整数、z1は1〜18の整数を表す。)
本発明に係る色材分散液、及び、本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物においては、前記溶剤(1)と前記溶剤(2)の混合比が質量比で、溶剤(1):溶剤(2)=90:10〜50:50であることが好ましい。
一般式(III)中、R22は、水素原子又はメチル基、R23は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2−R26、−[(CH2)y2−O]z2−R26、−[CO−(CH2)y2−O]z2−R26、−CO−O−R26’又は−O−CO−R26”で示される1価の基、R24及びR25は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基、R26は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR27で示される1価の基であり、R26’は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2’−R26、−[(CH2)y2’−O]z2’−R26、−[CO−(CH2)y2’−O]z2’−R26で示される1価の基であり、R26”は炭素数1〜18のアルキル基、R27は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
x2及びx2’は1〜18の整数、y2及びy2’は1〜5の整数、z2及びz2’は1〜18の整数を示す。)
nは5〜200の整数を示す。x3及びx4は1〜18の整数、y3及びy4は1〜5の整数、z3及びz4は1〜18の整数を示す。)
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。複数あるeは同一であっても異なっていてもよい。)
透明基板上に、前記本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物を硬化させることにより着色層の少なくとも1つを形成する工程を有することを特徴とする。
なお、本発明において光は、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
また、本発明において有機基とは、炭素原子を1個以上有する基のことをいう。
本発明に係る色材分散液は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤とを含有し、前記(B)分散剤が、下記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを含有することを特徴とする。
R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR13で示される1価の基であり、R13は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基であり、R7及びR9は、互いに結合して環構造を形成してもよい。上記環状構造を形成した場合、当該環状構造が更に置換基R14を有していてもよく、R14は、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。一般式(I’)中、X+は有機カチオンを表す。x1は1〜18の整数、y1は1〜5の整数、z1は1〜18の整数を表す。)
本発明の色材分散液は、分散剤として、上記一般式(I)で表される構成単位、及び、上記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体を分散剤として用いることにより、色材、中でも、耐熱性が比較的低かったレーキ色材であっても耐熱性が大幅に向上する。上記分散剤はエチレン性不飽和モノマー重合体であるため、ポリエーテル系やポリエステル系重合体と比較して骨格の耐熱性が高く、且つ、当該重合体中に複数存在する酸性リン化合物基(−P(=O)(−R2)(OH))及びその塩(−P(=O)(−R2)(O−X+))が、微粒子化された色材の表面に対する吸着力が強いものと推定される。着色層形成後、周辺の溶剤含有量が減少した後には、上記酸性リン化合物基と色材との相互作用が特に強くなり、その結果耐熱性が向上するものと推定された。また、色材表面が酸性リン化合物基及びその塩の少なくとも一種で被覆された状態になっていることで、パーオキシラジカルなどの活性酸素によるレーキ顔料の色素骨格への攻撃(水素引き抜きや置換反応など)が抑制され、色材の劣化(酸化劣化)が抑制されていると推測される。更に、本発明に用いられる分散剤は、カラーフィルタ製造時における高温加熱時に昇華することがあった、キサンテン系塩基性染料の金属レーキ色材の昇華を抑制することができる。塩基性染料の金属レーキ色材において特に上記効果が高いのは、塩基性染料が有するカチオン部に対する酸性リン化合物基及びその塩の吸着作用が特に強いことによるものと推測される。
一方、上記分散剤を用いた色材分散液は保存安定性が悪く、得られた着色層のコントラストが経時で低下することがあった。本発明者らは、鋭意検討の結果、比較的極性の高い溶剤を用いた場合には、当該比較的極性の高い溶剤が前記酸性リン構造と相互作用(溶媒和)しやすく、その結果、色材表面への吸着力が低下し、経時で分散性が低下し保存安定性が悪化するとの知見を得た。一方、比較的極性の低い溶剤を用いた場合には、分散剤中の溶剤親和性部位(前記酸性リン構造以外のユニット)と溶剤との相互作用が、分散剤分子内あるいは分子間での相互作用よりも弱くなるために、ポリマー鎖が凝集し、分子間での立体障害や静電反発が不十分となった結果、粒子(色材)同士の凝集が起こるため、分散液がゲル化するなど分散性が悪いとの知見を得た。
本発明の色材分散液は、溶剤として、比較的極性の高いSP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、比較的極性の低いSP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを組み合せた混合溶剤を用いることにより、前記分散剤の酸性リン構造と色材との相互作用を阻害することなく、且つ分散剤の溶剤親和性部位と溶剤の相互作用を有する事から、分散性を向上することができるため、分散性及び保存安定性に優れるものと推定される。
以上のことから、本発明の色材分散液は、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体を分散剤として用い、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを組み合せた混合溶剤中で色材を分散することにより、分散性及び保存安定性に優れ、長期間保管した後で、着色層を製造した場合であってもコントラストの低下が抑制される。また本発明の色材分散液を用いて得られた着色層は、耐熱性に優れている。その結果、所望の色度を実現するために添加する色材の量を減らすことができ、例えば、着色層を薄くする等、カラーフィルタ設計の自由度を高めることができる。
以下、このような本発明の色材分散液の各成分について(B)分散剤、(C)溶剤、(A)色材の順に詳細に説明する。
本発明において(B)分散剤は、下記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体が用いられる。下記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上は、いずれもエチレン性不飽和モノマーを重合した構成単位を有する重合体であり、当該重合体は、他のエチレン性不飽和モノマーと共重合可能なエチレン性不飽和モノマー重合体である。
このようなエチレン性不飽和モノマー重合体を用いることにより、着色層の耐熱性及を向上することができ、後述する(C)溶剤との組み合わせにより、分散性及び保存安定性に優れた色材分散液が得られる。
L1における2価の連結基としては、主鎖骨格の炭素原子と、リン原子とを連結可能であれば、特に制限はない。L1における2価の連結基としては、例えば、直鎖、分岐又は環状のアルキレン基、水酸基を有する、直鎖、分岐又は環状のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、−NHCOO−基、エーテル基(−O−基)、チオエーテル基(−S−基)、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。なお、本発明において、2価の連結基の結合の向きは任意である。すなわち、2価の連結基に−CONH−が含まれる場合、−COが主鎖の炭素原子側で−NHが側鎖のリン原子側であっても良いし、反対に、−NHが主鎖の炭素原子側で−COが側鎖のリン原子側であっても良い。
例えば、L1が−COO−基を含む2価の連結基である場合、一般式(I)で表される構成単位及び一般式(I’)で表される構成単位は各々下記式(I−1)で表される構造及び下記式(I’−1)で表される構造が挙げられる。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。wは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数である。
前記炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
前記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は、6〜24が好ましく、更に6〜12が好ましい。
また、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
前記アルキル基やアルケニル基は置換基を有していても良く、当該置換基としては、F、Cl、Brなどのハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
また、前記アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、前記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
前記R2において、x1は前記xと、y1は前記yと、z1は前記zと同様である。
R5〜R12における炭化水素基としては、例えば、前記R2における炭化水素基と同様のものが挙げられる。
置換基R14における、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基は、前記R7、R8、R9、R10、R11及びR12におけるものと同様のものとすることができる。
中でも、有機カチオンがエチレン性不飽和二重結合を有する場合には、硬化性を付与することができる点から好ましい。
前記塩形成剤としては、導入したい有機カチオンに応じて適宜選択すれば良い。例えば有機カチオンとしてプロトン化された含窒素有機カチオンを導入する場合、対応する各種3級アミン化合物やイミダゾール化合物を用いることができる。塩形成剤の添加量は、良好な分散性、及び分散安定性が発揮すればよく、導入する構成単位の割合に応じて適宜調整されれば良いが、一般に前記一般式(I)で表される構成単位に含まれるリン部位に対して、0.05〜1.00モル当量程度、好ましくは0.3〜0.5モル当量である。必要に応じて更にその他のモノマーも用い、公知の重合手段を用いて共重合体を製造することができる。
一般式(III)中、R22は、水素原子又はメチル基、R23は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2−R26、−[(CH2)y2−O]z2−R26、−[CO−(CH2)y2−O]z2−R26、−CO−O−R26’又は−O−CO−R26”で示される1価の基、R24及びR25は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基、R26は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR27で示される1価の基であり、R26’は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2’−R26、−[(CH2)y2’−O]z2’−R26、−[CO−(CH2)y2’−O]z2’−R26で示される1価の基であり、R26”は炭素数1〜18のアルキル基、R27は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
x2及びx2’は1〜18の整数、y2及びy2’は1〜5の整数、z2及びz2’は1〜18の整数を示す。)
nは5〜200の整数を示す。x3及びx4は1〜18の整数、y3及びy4は1〜5の整数、z3及びz4は1〜18の整数を示す。)
本発明の(B)分散剤として好ましいグラフト共重合体は、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、前記一般式(II)で表される構成単位とを有する。以下当該グラフト共重合体について説明するが、一般式(I)で表される構成単位、及び、一般式(I’)で表される構成単位は上述の通りであるため、ここでの説明は省略する。
式(IV)中、R31は水素原子又はメチル基であり、R32は炭化水素基、−[CH(R33)−CH(R34)−O]x3−R35、−[(CH2)y3−O]z3−R35、−[CO−(CH2)y3−O]z3−R35、−CO−O−R36又は−O−CO−R37で示される1価の基である。
R32における炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、又はアリール基であることが好ましい。これらは、例えば、前記のR2と同様のものが挙げられる。
前記R35及びR36のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のR2と同様のものが挙げられる。
前記R37及びR38のうちのアルキル基は、前記のR2と同様のものが挙げられる。
前記R35、R36、R37及びR38が、芳香環を有する基である場合、当該芳香環はさらに置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、F、Cl、Br等のハロゲン原子などが挙げられる。
なお、前記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
前記R32及びR36において、x3及びx4は前記xと、y3及びy4は前記yと、z3及びz4は前記zと同様である。
ここで、前記R32及びR36をこのように設定する理由は、前記R32及びR36を含む構成単位が、前記有機溶剤に対して溶解性を有し、前記モノマーの酸性リン化合物基及びその塩の部位が色材等の粒子に対して高い吸着性を有するものであることにより、色材等の粒子の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
当該ポリマー鎖の溶解性は、グラフト共重合体を調製する際のポリマー鎖を導入する原料が前記溶解度を有することを目安にすることができる。例えば、グラフト共重合体にポリマー鎖を導入するために、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含む重合性オリゴマーを用いた場合、当該重合性オリゴマーが前記溶解度を有すれば良い。また、エチレン性不飽和二重結合を有する基を含むモノマーにより共重合体が形成された後に、共重合体中に含まれる反応性基と反応可能な反応性基を含むポリマー鎖を用いて、ポリマー鎖を導入する場合、当該反応性基を含むポリマー鎖が前記溶解度を有すれば良い。
一方、前記グラフト共重合体において、前記一般式(II)で表される構成単位は、20〜97質量%の割合で含まれていることが好ましく、50〜95質量%がより好ましく、60〜90質量%がさらに好ましい。
なお、前記構成単位の含有割合は、一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種、及び一般式(II)で表される構成単位を有するグラフト共重合体を合成する際の仕込み量から算出される。
なお、本発明において質量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。測定は、東ソー製のHLC−8220GPCを用い、溶出溶剤を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN−メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw:8×105(F−80)、Mw:4×105(F−40)、Mw:2×105(F−20)、Mw:1×105(F−10)、Mw:4×104(F−4)、Mw:2×104(F−2)、Mw:5×103(A−5000)、Mw:2.5×103(A−2500)、Mw:1×103(A−1000)、Mw:5×102(A−500)(以上、東ソー製)とし、測定カラムをTSK−GEL ALPHA−M×2本(東ソー製)として行われたものである。
本発明において、前記グラフト共重合体の製造方法としては、前記一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種と、前記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体を製造することができる方法であればよく、特に限定されない。前記一般式(I)で表される構成単位と前記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体を製造する場合、例えば、前記一般式(Ia)で表されるモノマーと、前記一般式(IV)又は前記一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなる重合性オリゴマーとを共重合成分として含有して共重合し、グラフト共重合体を製造する方法や、前記一般式(II)で表される構成単位を誘導するモノマーと、エポキシ基や環状エーテル基などの反応性基を有するモノマーを重合した後、所望の構造を有する酸性リン化合物(R2P(=O)(OH)2)を、反応性基を有するモノマー由来の構成単位に付加することにより、前記一般式(I)で表される構成単位とする方法が挙げられる。また、前記一般式(I’)で表される構成単位と前記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体を製造する場合、前記一般式(I)で表される構成単位と前記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体を製造後に、更に有機カチオンを包含する塩形成剤を添加して、必要に応じて加熱し、撹拌することにより、前記一般式(I)で表される構成単位が有する上記酸性リン化合物基と有機カチオンとの間で塩を形成させて、前記一般式(I’)で表される構成単位とする方法が挙げられる。前記塩形成剤としては、導入したい有機カチオンに応じて適宜選択すれば良い。例えば有機カチオンとしてプロトン化された含窒素有機カチオンを導入する場合、対応する各種3級アミン化合物やイミダゾール化合物を用いることができる。塩形成剤の添加量は、良好な分散性、及び分散安定性が発揮すればよく、導入する構成単位の割合に応じて適宜調整されれば良いが、一般に前記一般式(I)で表される構成単位に含まれるリン部位に対して、0.05〜1.00モル当量程度、好ましくは0.3〜0.5モル当量である。
必要に応じて更にその他のモノマーも用い、公知の重合手段を用いてグラフト共重合体を製造することができる。
例えば、側鎖にグリシジル基を有する共重合体に、末端にカルボキシル基を有するポリマー鎖を反応させたり、側鎖にイソシアネート基を有する共重合体に、末端にヒドロキシ基を有するポリマー鎖を反応させたりして、ポリマー鎖を導入することができる。
なお、前記重合においては、重合に一般的に用いられる添加剤、例えば重合開始剤、分散安定剤、連鎖移動剤などを用いてもよい。
本発明の(B)分散剤として好ましいブロック共重合体は、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、前記一般式(III)で表される構成単位とを有する。以下当該ブロック共重合体について説明するが、一般式(I)で表される構成単位、及び、一般式(I’)で表される構成単位は上述の通りであるため、ここでの説明は省略する。
一般式(I)で表される構成単位及び一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種は、色材親和性部位として機能すれば良く、1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。2種以上の構成単位を含む場合には、一般式(I)で表される構成単位及び一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種を含むブロック部内は2種以上の構成単位がランダムに配列していてもよい。
前記範囲内にあれば、ブロック共重合体中の粒子との親和性部位の割合が適切となり、かつ有機溶剤に対する溶解性の低下を抑制できるので、色材等の粒子に対する吸着性が良好となり、優れた分散性、及び分散安定性が得られる。また、前記ブロック共重合体の酸性リン化合物基が色材周辺に安定的に局在化することができるため、耐熱性やコントラストに優れたカラーフィルタが得られる。
なお、前記構成単位の含有割合は、前記ブロック共重合体を合成する際の仕込み量から算出される。
R23における炭化水素基としては、前記R2で示したものと同様のものとすることができる。
前記R26における炭化水素基は、前記R2で示したものと同様のものとすることができる。
前記R23及びR26’において、x2及びx2’は前記xと、y2及びy2’は前記yと、z2及びz2’は前記zと同様である。
また、前記一般式(III)で表される構成単位中のR23は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
また、前記R23、R26、R26’、R26’’及びR27は、前記ブロック共重合体の分散性能等を妨げない範囲で、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、水素結合形成基等の置換基によって置換されたものとしてもよく、また、前記ブロック共重合体の合成後に、前記置換基を有する化合物と反応させて、前記置換基を付加させてもよい。また、これらの置換基を有するブロック共重合体を合成した後に、当該置換基と反応する官能基と重合性基とを有する化合物を反応させて、重合性基を付加したものとしてもよい。例えば、グリシジル基を有するブロック共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させたり、イソシアネート基を有するブロック共重合体にヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたりして、重合性基を付加することができる。
なお、前記構成単位の含有割合は、前記ブロック共重合体を合成する際の仕込み量から算出される。
本発明において、前記ブロック共重合体の製造方法としては、前記一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる少なくとも一種を含むブロック部と、前記一般式(III)で表される構成単位を含むブロック部とを有するブロック共重合体を製造することができる方法であればよく、特に限定されない。前記一般式(I)で表される構成単位と前記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体を製造する場合、例えば、前記一般式(Ia)で表されるモノマーと、前記一般式(III)で表される構成単位を誘導するモノマーとをリビング重合等の公知の重合方法で共重合してブロック共重合体とする方法や、或いは、例えば、グリシジル基、脂環エポキシ基、オキセタン基、又は水酸基等の反応性基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーと、前記一般式(III)で表される構成単位を誘導するモノマーとをリビング重合等の公知の重合方法で共重合してブロック共重合体を合成した後、所望の構造を有する酸性リン化合物(R2P(=O)(OH)2)を、前記反応性基を有するモノマー由来の構成単位に付加することにより、前記一般式(I)で表される構成単位とする方法が挙げられる。
また、前記一般式(I’)で表される構成単位と前記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体を製造する場合、前記一般式(I)で表される構成単位と前記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体を製造後に、更に有機カチオンを包含する塩形成剤を添加して、必要に応じて加熱し、撹拌することにより、前記一般式(I)で表される構成単位が有する上記酸性リン化合物基と有機カチオンとの間で塩を形成させて、前記一般式(I’)で表される構成単位とする方法が挙げられる。前記塩形成剤としては、前記グラフト共重合体の製造に用いられるものと同様のものを用いることができ、前記塩形成剤の含有割合も、前記グラフト共重合体の製造の際と同様にすることができる。
本発明に係る色材分散液は、(C)溶剤として、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)との混合溶剤を用いる。前記(B)分散剤を、当該(C)混合溶剤と組み合わせて用いることにより分散性及び保存安定性に優れた色材分散液が得られる。
式(1):溶解度パラメータ(δ)=(ΔEv/V)1/2
(式(1)中、ΔEvは、溶剤の凝集エネルギーを、Vは溶剤のモル体積を表す。)
なお、SP値が既知の溶剤については、例えば、「”Polymer Handbook(Third Edition)”,J.BRANDRUP ら編(JOHN WILEY & SONS)」等の文献値を参照して用いることができる。
また、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤としては、例えば、ジイソブチルケトン(7.8)、酢酸イソアミル(7.8)、1,2−ジエトキシエタン(8.5)、酢酸ブチル(8.5)、酢酸アミル(8.5)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(7.9)、メチルイソブチルケトン(8.4)、酢酸イソブチル(8.3)、酢酸イソプロピル(8.5)、プロピオン酸nペンチル(8.4)、エチレングリコールジエチルエーテル(8.3)、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(8.0)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(8.5)、ジヘキシルエーテル(8.0)、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン(8.3)、メチルシクロヘキサン(7.8)等が挙げられる。
なお上記の例示中、括弧内の数値はSP値(単位は(cal/cm3)1/2)である。
本発明において上記溶剤(1)と上記溶剤(2)の混合比は特に限定されないが、分散性及び保存安定性に優れる点から、溶剤(1)と溶剤(2)の混合比が質量比で、溶剤(1):溶剤(2)=95:5〜40:60であることが好ましく、90:10〜50:50であることがより好ましい。
また、色材分散液の分散性及び保存安定性の点から、上記溶剤(1)と上記溶剤(2)の合計の含有量が溶剤全量に対して95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましく、99.9質量%以上であることが更に好ましい。
色材分散液の保存安定性の点から、SP値が9.4(cal/cm3)1/2超過の溶剤は、溶剤全量に対して5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更により好ましい。
また、色材の分散性の点から、SP値が7.8(cal/cm3)1/2未満の溶剤は、溶剤全量に対して5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更により好ましい。
本発明において(A)色材は、所望の色調が得られるものの中から適宜選択して用いることができ、公知の染料、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。本発明において色材として染料を用いる場合は、溶剤に不溶化させたレーキ色材として用いられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、15、16、17、20、24、49、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、120、123、124、125、126、127、128、129、130、133、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、166、167、168、169、170、172、173、175、176、179、180、181、182、183、185、191、193、194、199、213、214、215、219;C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48、49、52、53、57、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、83、88、89、97、112、122、123、144、146、147、149、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、184、185、187、190192、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、238、240、242、245、247、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、272、279;C.I.ピグメントオレンジ1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、24、31、3436、38、43、46、48、51、55、59、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81;C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、3:1、3:3、5、13、19、23、25、27、29、30、31、32、36、37、38、40、42、50;C.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:3、15:4、15:6、16、17:1、22、24、24:1、25、26、56、60、61、62、63、64、75、79、80;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、36、58;C.I.ピグメントブラウン5、23、25、26、41等が挙げられる。
本発明においてレーキ色材とは、溶剤に可溶性の色材が、カウンターイオンと塩形成して不溶化した色材をいう。レーキ色材は、通常、後述する染料と、後述するレーキ化剤とを溶剤中で混合することにより得ることができる。当該染料は、所望の色調に応じて適宜選択すればよく、アゾ系染料、アントラキノン系染料、トリアリールメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、インジゴ系染料等、いずれの基本骨格(発色部位)を有する染料であってもよい。また、上記染料は、アニオン性置換基を有する酸性染料や、カチオン性置換基を有する塩基性染料等、いずれに分類される染料であってもよい。
本発明において(A)色材は、発色性、光透過性、耐熱性等の点から、トリアリールメタン系色材、及び、キサンテン系色材からなる群より選択される1種以上の色材を用いることが好ましい。
8、12、C.I.ベーシックイエロー14等のアジン系染料;
C.I.ベーシックブルー3、6、10、12、74、122等のオキサジン系染料;
C.I.ベーシックブルー9、17、24、C.I.ベーシックグリーン5等のチアジン系染料;
C.I.ベーシックレッド18、22、23、24、29、30、31、32、34、38、39、46、51、53、54、55、62、64、76、94、111、118、C.I.ベーシックブルー41、53、54、55、64、65、66、67、162、C.I.ベーシックバイオレット15、16、18、21、22、36、C.I.ベーシックイエロー15、19、24、25、28、29、38、39、49、51、52、53、57、62、73、C.I.ベーシックオレンジ1、2、24、25、29、30、33、54、69等のアゾ系染料;
C.I.ベーシックブルー22、44、47、72等のアントラキノン系染料;
C.I.ベーシックレッド1、1:1、3、4、8、11、C.I.ベーシックバイオレット10、11、11:1等のキサンテン系染料;
C.I.ベーシックレッド9、C.I.ベーシックブルー1、2、5、7、8、11、15、18、20、23、26、35、81、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、4、14、23、C.I.ベーシックグリーン1、4等のトリアリールメタン系染料;
C.I.ベーシックブルー140等のフタロシアニン系染料;
C.I.ベーシックイエロー2、3、37等のオーラミン系染料;
C.I.ベーシックイエロー5、6、7、9、C.I.ベーシックオレンジ4、5、14、15、16、17、18、19、2等のアクリジン系染料;
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、27、28、37、52、90、C.I.ベーシックブルー62、63、C.I.ベーシックイエロー11、13、21、22、28、29、49、51、52、53、C.I.ベーシックバイオレット7、15、16、20、21、22等のメチン系染料。
また、本発明においてトリアリールメタン系塩基性染料としては、後述する一般式(VI)で表される色材のカチオンを有する染料も好適なものとして挙げられる。
これらの染料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アンモニウムイオンを発生するレーキ化剤としては、例えば、1級アミン化合物、2級アミン化合物、3級アミン化合物等が好適なものとして挙げられ、中でも、耐熱性及び耐光性に優れる点から、2級アミン化合物又は3級アミン化合物を用いることが好ましい。
一方、無機アニオンとしては、例えば、オキソ酸のアニオン(リン酸イオン、硫酸イオン、クロム酸イオン、タングステン酸イオン(WO4 2−)、モリブデン酸イオン(MoO4 2−)等)や、複数のオキソ酸が縮合したポリ酸アニオン等の無機アニオンやその混合物を挙げることができる。
上記ポリ酸としては、イソポリ酸アニオン(MmOn)c−であってもヘテロポリ酸アニオン(XlMmOn)c−であってもよい。上記イオン式中、Mはポリ原子、Xはヘテロ原子、mはポリ原子の組成比、nは酸素原子の組成比を表す。ポリ原子Mとしては、例えば、Mo、W、V、Ti、Nb等が挙げられる。またヘテロ原子Xとしては、例えば、Si、P、As、S、Fe、Co等が挙げられる。
中でも、耐熱性の点から、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のうち少なくとも一方を含むポリ酸アニオンであることが好ましく、少なくともタングステンを含むc価のポリ酸アニオンであることがより好ましい。
レーキ色材における塩基性染料のカウンターアニオンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてレーキ色材は、耐熱性及び耐光性の点から、中でも塩基性染料の金属レーキ色材であることが好ましく、中でも、トリアリールメタン系塩基性染料及びキサンテン系塩基性染料の少なくとも1つの金属レーキ色材であることが好ましい。
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。複数あるeは同一であっても異なっていてもよい。)
Aにおいて、少なくともNと直接結合する末端に飽和脂肪族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基は、Nと直接結合する末端の炭素原子がπ結合を有しなければ、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、末端以外の炭素原子が不飽和結合を有していてもよく、置換基を有していてもよく、炭素鎖中に、O、S、Nが含まれていてもよい。例えば、カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、アミド基等が含まれていてもよく、水素原子が更にハロゲン原子等に置換されていてもよい。
また、Aにおいて上記脂肪族炭化水素基を有する芳香族基は、少なくともNと直接結合する末端に飽和脂肪族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基を有する、単環又は多環芳香族基が挙げられ、置換基を有していてもよく、O、S、Nが含まれる複素環であってもよい。
中でも、骨格の堅牢性の点から、Aは、環状の脂肪族炭化水素基又は芳香族基を含むことが好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基としては、中でも、有橋脂環式炭化水素基が、骨格の堅牢性の点から好ましい。有橋脂環式炭化水素基とは、脂肪族環内に橋かけ構造を有し、多環構造を有する多環状脂肪族炭化水素基をいい、例えば、ノルボルナン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、アダマンタン等が挙げられる。有橋脂環式炭化水素基の中でも、ノルボルナンが好ましい。また、芳香族基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環を含む基が挙げられ、中でも、ベンゼン環を含む基が好ましい。例えば、Aが2価の有機基の場合、炭素数1〜20の直鎖、分岐、又は環状のアルキレン基や、キシリレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基を2個置換した芳香族基等が挙げられる。
Ri〜Rvにおけるアリール基は、特に限定されない。例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えばアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Ar1は炭素数が6〜20の芳香族基であることが好ましく、炭素数が10〜14の縮合多環式炭素環からなる芳香族基がより好ましい。中でも、構造が単純で原料が安価である点からフェニレン基やナフチレン基であることがより好ましい。
中でも、高輝度で耐熱性や耐光性に優れる点から、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)の少なくとも1種を含むポリ酸アニオンであることが好ましく、少なくともタングステンを含み、且つモリブデンを含んでいてもよいポリ酸アニオンであることが、耐熱性の点からより好ましい。
本発明に係る色材分散液には、本発明の効果が損なわれない限り、更に必要に応じて、分散補助樹脂、その他の成分を配合してもよい。
分散補助樹脂としては、例えば後述するカラーフィルタ用着色樹脂組成物で例示されるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって色材粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
なお、本発明において固形分とは、溶剤以外のすべての成分を意味する。
本発明において、色材分散液の製造方法は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤と、所望により用いられる各種添加成分とを含有し、(A)色材が(B)分散剤により(C)溶剤中に均一に分散させ得る方法であればよく、公知の混合手段を用いて混合することにより、均一に分散させることができる。
また、(A)色材と、(B)分散剤と、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)とを、公知の攪拌機または分散機を用いて分散した後、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)と混合調整することで、本発明の色材分散液を作製してもよい。
本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物は、前記本発明に係る色材分散液と、(D)バインダー成分とを含有することを特徴とする。即ち、本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤と、(D)バインダー成分を含有し、前記(B)分散剤が、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを含有することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物は、上記特定の(B)分散剤と上記特定の(C)溶剤を組み合わせて用いるため、分散性、及び保存安定性に優れ、長期間保管後であっても高コントラストで、耐熱性に優れた着色層を形成することができる。
以下、このようなカラーフィルタ用着色樹脂組成物について説明するが、(A)色材、(B)分散剤、及び(C)溶剤については、前記本発明に係るカラーフィルタ用色材分散液と同様のものとすることができるため、ここでの説明は省略する。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するためにバインダー成分を含有する。塗膜に充分な硬度を付与するために、硬化性バインダー成分を含有することが好ましい。硬化性バインダー成分としては、特に限定されず、従来公知のカラーフィルタの着色層を形成するのに用いられる硬化性バインダー成分を適宜用いることができる。
硬化性バインダー成分としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー成分を含むものを用いることができる。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。熱硬化性バインダー成分の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
以下、感光性バインダー成分について説明するが、硬化性バインダー成分はこれらに限定されるものではない。以下に説明する感光性バインダー成分の他に、エポキシ樹脂のような加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分を更に用いてもよい。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物においては、ネガ型感光性バインダー成分であることが、フォトリソグラフィー法によって既存のプロセスを用いて簡便にパターンを形成できる点から好ましい。
以下、ネガ型感光性バインダー成分を構成する、アルカリ可溶性樹脂と、多官能モノマーと、光開始剤について、具体的に説明する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、酸性基としてカルボキシル基を有する樹脂であることが好ましく、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環はカラーフィルタ用着色樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、カラーフィルタ用着色樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、それぞれ1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物において用いられる多官能モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物において用いられる前記多官能モノマーの含有量は、特に制限はないが、前記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常5〜500質量部程度、好ましくは20〜300質量部の範囲である。多官能モノマーの含有量が前記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能モノマーの含有量が前記範囲より多いとアルカリ現像性が低下するおそれがある。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物には、本発明の項を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を含むものであってもよい。他の成分としては、酸化防止剤、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤などが挙げられる。
界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、国際公開第2012/144521号パンフレットに記載のものが挙げられる。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物は、更に酸化防止剤を含有することが、耐熱性及び耐光性の点から好ましい。酸化防止剤は従来公知のものの中から適宜選択すればよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドラジン系酸化防止剤等が挙げられ、耐熱性の点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とは、少なくとも1つのフェノール構造を含有し、当該フェノール構造の水酸基の2位と6位の少なくとも1つに炭素原子数4以上の置換基が置換されている構造を有する酸化防止剤を意味する。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1010、BASF製)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(商品名:イルガノックス3114、BASF製)、2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)メシチレン(商品名:イルガノックス1330、BASF製)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン(商品名:イルガノックス565、BASF製)、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス1035、BASF製)、1,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(商品名:イルガノックスMD1024、BASF製)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロピオン酸オクチル(商品名:イルガノックス1135、BASF製)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名:イルガノックス1520L、BASF製)、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド](商品名:イルガノックス1098、BASF製)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名:イルガノックス259、BASF製)、1−ジメチル−2−[(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:ADK STAB AO−80、アデカ製)、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロピオン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(商品名:イルガノックス245、BASF製)、1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:イルガノックス1790、BASF製)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(商品名:スミライザーMDP−S、住友化学製)、6,6’−チオビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(商品名:イルガノックス1081、BASF製)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル(商品名:イルガモド195、BASF製)、アクリル酸2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル(商品名:スミライザーGM、住友化学製)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール) (商品名:スミライザーWX−R、住友化学製)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物等も使用することが出来る。
また、カラーフィルタ用着色樹脂組成物調製時において、(D)バインダー成分や、上記その他の成分を溶液として添加する場合や、カラーフィルタ用着色樹脂組成物を希釈することなどを目的として、前記本発明に係る色材分散液に更に溶剤を添加してもよい。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物調製時に添加される溶剤は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して用いることができる。中でも着色樹脂組成物の保存安定性や分散性の点から、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)及び、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)のうち少なくとも1種であることが好ましい。
また、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の分散性及び保存安定性の点から、上記溶剤(1)と上記溶剤(2)の合計の含有量が溶剤全量に対して95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましく、99.9質量%以上であることが更に好ましい。
また、本発明のカラーフィルタ用着色樹脂組成物において、色材の分散性の点から、SP値が7.8(cal/cm3)1/2未満の溶剤は、溶剤全量に対して、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更により好ましい。
(A)色材の合計の含有量は、着色樹脂組成物の固形分全量に対して、3〜65質量%、より好ましくは4〜55質量%の割合で配合することが好ましい。前記下限値以上であれば、着色樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜5.0μm)に塗布した際の着色層が充分な色濃度を有する。また、前記上限値以下であれば、分散性及び分散安定性に優れると共に、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる。尚、本発明において固形分は、上述した溶剤以外のもの全てであり、液状の多官能モノマー等も含まれる。
また、(B)分散剤の含有量としては、(A)色材を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、着色樹脂組成物の固形分全量に対して3〜40質量%用いることができる。更に、着色樹脂組成物の固形分全量に対して5〜35質量%の割合で配合するのが好ましく、特に5〜25質量%の割合で配合するのが好ましい。前記下限値以上であれば、(A)色材の分散性及び分散安定性に優れ、保存安定性に優れている。また、前記上限値以下であれば、現像性が良好なものとなる。
(D)バインダー成分は、これらの合計量が、着色樹脂組成物の固形分全量に対して10〜92質量%、好ましくは15〜87質量%の割合で配合するのが好ましい。前記下限値以上であれば、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる。また前記上限値以下であれば、現像性に優れたり、熱収縮による微小なシワの発生も抑制される。
また、(C)溶剤の含有量は、着色層を精度良く形成することができる範囲で適宜設定すればよい。該溶剤を含む前記着色樹脂組成物の全量に対して、通常、55〜95質量%の範囲内であることが好ましく、中でも、65〜88質量%の範囲内であることがより好ましい。前記溶剤の含有量が、前記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
カラーフィルタ用着色樹脂組成物の製造方法は、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤と、(D)バインダー成分と所望により用いられる各種添加成分とを含有し、(A)色材が(B)分散剤より(C)溶剤中に均一に分散させ得る方法であればよく、特に制限されず、公知の混合手段を用いて混合することにより、調製することができる。
当該樹脂組成物の調製方法としては、例えば、(1)前記本発明に係るカラーフィルタ用色材分散液に、(D)バインダー成分と所望により用いられる各種添加成分を混合する方法;(2)(C)溶剤中に、(A)色材と、(B)分散剤と、(D)バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを同時に投入し、混合する方法;(3)(C)溶剤中に、(B)分散剤と、(D)バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合したのち、(A)色材を加えて混合する方法;などを挙げることができる。
これらの方法の中で、前記(1)の方法が、色材の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタの製造方法であって、
透明基板上に、前記本発明に係るカラーフィルタ用着色樹脂組成物を硬化させることにより着色層の少なくとも1つを形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の製造方法により得られたカラーフィルタは、高コントラストで耐熱性に優れている。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、(A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤と、(D)バインダー成分を含有し、前記(B)分散剤が、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを含有するカラーフィルタ用着色樹脂組成物の硬化物であるため、高コントラストで、耐熱性に優れた着色層を形成することができる。カラーフィルタ用着色樹脂組成物中の各成分の詳細は上述の通りであるため、ここでの説明は省略する。
なお、硬化後の着色層は、少なくとも前記(A)色材と、前記(B)分散剤とを含有する。着色層は、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、カラーフィルタ用着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、スリットコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能モノマー等を光重合反応させて、感光性の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用する着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
カラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色色材をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用着色樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
カラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板、フレキシブルガラス等の可撓性やフレキシブル性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、前記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには液晶材料を配向させるための配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。本発明のカラーフィルタは、前記例示された構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタに用いられている公知の構成を適宜選択して用いることができる。
本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、前記本発明に係るカラーフィルタの製造方法により、カラーフィルタを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルタと、液晶の駆動用基板とを対向させて組み立てる工程とを有することを特徴とする。
このような液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の製造方法により得られた液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層15とを有している。図2においては、カラーフィルタ10の着色層3側に配向膜13aと対向基板20側に配向膜13bが形成され、当該2つの配向膜13a及び13bの間に液晶層15が形成されている例について示している。さらに、図2においては、液晶表示装置40が、カラーフィルタ10の外側に配置された偏光板25a、及び、対向基板20の外側に配置された偏光板25bと、液晶表示装置40の対向基板20側に配置された偏光板25bよりも外側に配置されたバックライト30とを有する例を示している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封止することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
白色LEDとしては、例えば、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDを組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色LEDと緑色蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED、青色LEDとYAG系蛍光体の混色により白色光を得る白色LED、紫外線LEDと赤色発光蛍光体と緑色発光蛍光体と青色発光蛍光体を組み合わせて混色により白色光を得る白色LED等を挙げることができる。前記蛍光体としては、量子ドットを用いても良い。
本発明においてカラーフィルタは、高輝度すなわち高透過率の青色着色層を備えることから、青色LED−YAG蛍光体系のバックライトと比較して、緑色と赤色の強度が強く青色の強度が相対的に弱くなっているバックライト、例えば、赤色と緑色と青色を組み合わせて混色により白色光を得る白色LEDとの組合せ、に対しても好適に用いられる。
本発明に係る有機発光表示装置の製造方法は、前記本発明に係るカラーフィルタの製造方法により、カラーフィルタを製造する工程と、発光層を有する基板の、前記発光層を有する側の面に、前記製造されたカラーフィルタを配置する工程を有することを特徴とする。
なお、有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
国際公開第2012/144521号に記載の中間体3及び中間体4の製造方法を参照して、下記化学式(1)で示される中間体1を15.9g(収率70%)得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI) (m/z):511(+)、2価
・元素分析値:CHN実測値 (78.13%、7.48%、7.78%);理論値(7
8.06%、7.75%、7.69%)
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI) (m/z):510(+)、2価
・元素分析値:CHN実測値 (41.55%、5.34%、4.32%);理論値(4
1.66%、5.17%、4.11%)
ローダミン6G(東京化成製)5.0gを水300mlに加え、90℃で溶解させ、染料溶液を調製した。リンタングステン酸・n水和物 H3[PW12O40]・nH2O(n=30)11.90gを水100mlに入れ、90℃で攪拌し、リンタングステン酸水溶液を調製した。先の染料溶液にリンタングステン酸水溶液を90℃で混合し、生成した沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られたケーキを乾燥してC.I.ピグメントレッド81に相当するキサンテン系レーキ色材Bを13.45g(収率91.9%)を得た。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMEA)80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸−n−ブチル30.0質量部、メタクリル酸ベンジル20.0質量部、2−メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI(昭和電工製)8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125質量部、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−1の49.5質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−1を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4010、数平均分子量(Mn)1910、分子量分布(Mw/Mn)は2.10であった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。合成例3のマクロモノマーMM−1溶液67.34質量部(固形分33.33質量部)、メタクリル酸グリシジル(略称GMA)16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA25.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体Aの25.0質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体Aは、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)10570、数平均分子量(Mn)4370、分子量分布(Mw/Mn)は2.42であった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA27.80質量部、フェニルホスホン酸(製品名「PPA」日産化学製)9.27質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。
合成例4のグラフト共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、リン系グラフト共重合体A(分散剤A)溶液(固形分25.0質量%)を得た。得られたグラフト共重合体AのGMAとPPAのエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した(エポキシ由来のピークが消失していることを確認)。得られたリン系グラフト共重合体Aの酸価は98mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA19.00質量部、ビニルホスホン酸(東京化成製)6.33質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。合成例4のグラフト共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、リン系グラフト共重合体B(分散剤B)溶液(固形分25質量%)を得た。グラフト共重合体AのGMAとビニルホスホン酸のエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した。得られたリン系グラフト共重合体Bの酸価は106mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA20.93質量部、リン酸メチル(製品名「AP−1」大八化学工業製)6.98質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。合成例4のグラフト共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、リン系グラフト共重合体C(分散剤C)溶液(固形分25質量%)を得た。グラフト共重合体AのGMAとリン酸メチルのエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した。得られたリン系グラフト共重合体Cの酸価は104mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA20.28質量部、リン酸(関東化学製)6.76質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度110℃に加温した。合成例4のグラフト共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、リン系グラフト共重合体D(分散剤D)溶液(固形分25質量%)を得た。グラフト共重合体AのGMAとリン酸のエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した。得られたリン系グラフト共重合体Dの酸価は162mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA33.45質量部、パラトルエンスルホン酸(純正化学製)11.15質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度110℃に加温した。合成例4のグラフト共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、、酸性グラフト共重合体X1(比較分散剤X1)溶液(固形分25質量%)を得た。グラフト共重合体AのGMAとパラトルエンスルホン酸のエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した。得られた酸性グラフト共重合体X1の酸価は10mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、脱水テトラヒドロフラン100質量部およびジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール3.00質量部を仕込み、充分に窒素置換を行った。テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1Mアセトニトリル溶液0.25質量部をシリンジで注入した後、メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸−n−ブチル30.0質量部、メタクリル酸ベンジル20.0質量部の混合液を60分かけて滴下した。反応器を氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、メタクリル酸グリシジル50.0質量部を30分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体AのTHF溶液にPGMEA450.0質量部を加えてエバポレーションにより溶媒置換を行うことで、ブロック共重合体Aの25.0質量%PGMEA溶液を得た。
得られたブロック共重合体Aは、質量平均分子量(Mw)11320、数平均分子量(Mn)8950、分子量分布(Mw/Mn)は1.26であった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA27.80質量部、PPA9.27質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。合成例5のブロック共重合体A100.0質量部を30分かけて滴下し、2時間加熱攪拌することで、リン系ブロック共重合体E(分散剤E)溶液(固形分25質量%)を得た。ブロック共重合体AのGMAとPPAのエステル化反応の進行は、酸価測定と1H−NMR測定によって確認した。得られたリン系ブロック共重合体Eの酸価は100mgKOH/gであった。
反応器に、PGMEA3.69質量部と製造例1のリン系グラフト共重合体A100.00質量部(酸価98mgKOH/g)を仕込み、1−ビニルイミダゾール(東京化成製)1.23質量部(リン系グラフト共重合体Aの酸性基に対して0.3モル当量)を加え、40℃で30分攪拌することで塩型リン系グラフト共重合体F(分散剤F)溶液(固形分25質量%)を調製した。
反応器に、PGMEA51.13質量部と3級アミノ基を含むブロック共重合体(商品名:BYK−LPN6919、ビックケミー製)(アミン価120mgKOH/g、固形分60質量%)30.00質量部(固形分18.00質量部)を仕込み、PPAを3.04質量部(ブロック共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、40℃で30分攪拌することで塩型アミン系ブロック共重合体(比較分散剤X6)溶液(固形分25質量%)を調製した。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶剤としてPGMEA120質量部を仕込み、窒素雰囲気下で90℃に昇温した後、メタクリル酸メチル32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル22質量部、メタクリル酸24質量部、開始剤としてAIBN 2.0質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、
p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分45質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aは、質量平均分子量(Mw)8850、数平均分子量(Mn)4200、分子量分布(Mw/Mn)は2.11、酸価78mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(略称PGME)85.0質量部を仕込み、窒素雰囲気下で90℃に昇温した後、メタクリル酸メチル90質量部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(製品名「ライトエステルP−1M」共栄社化学製)10質量部、PGME159.0質量部、開始剤としてAIBN 4.6質量部を含む混合物を1.5時間かけて連続的に滴下した。2時間加熱攪拌させ、バインダー樹脂B(固形分30質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Bは、質量平均分子量(Mw)4950、数平均分子量(Mn)2240、分子量分布(Mw/Mn)は2.21、酸価64mgKOH/gであった。
PGMEA20.22質量部、合成例6のバインダー樹脂A(固形分45質量%)17.78質量部、5〜6官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM403、東亞合成製)8.00質量部、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF製)3.00質量部、2,4ジエチルチオキサントン(商品名:カヤキュアーDETX−S、日本化薬製)1.00質量部を混合することでバインダー組成物A(固形分40質量%)を調製した。
PGMEA11.33質量部、合成例7のバインダー樹脂B(固形分30質量%)26.67質量部、アロニックスM403 8.00質量部、イルガキュア907 3.00質量部、カヤキュアーDETX−S 1.00質量部を混合することでバインダー組成物B(固形分40質量%)を調製した。
(1)色材分散液の調製
合成例1の青色色材A 10.00質量部と、製造例1の分散剤A溶液20.00質量部(固形分5.00質量部)、合成例6のバインダー樹脂A 6.67質量部(固形分3.00質量部)、PGMEA(SP値が8.7の溶剤)51.03質量部と、ジイソブチルケトン(DIBK:SP値が7.8の溶剤)12.30質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工製)にて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで6時間分散し、色材分散液1を得た。
前記(1)で得られた色材分散液1 43.64質量部、製造例7で調製したバインダー組成物A 25.11質量部、PGMEA30.70質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.05質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.5質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、実施例1の青色着色樹脂組成物1を得た。
(1)色材分散液の調製
実施例1の(1)において、色材、分散剤、及び溶剤をそれぞれ下記表1−1の組成となるように変更した以外は、実施例1の(1)と同様にして、それぞれ色材分散液2〜14を得た。
(2)着色樹脂組成物の調製
実施例1の(2)において、色材分散液1をそれぞれ色材分散液2〜14に変更し、混合溶剤の組成を下記表1−1の組成となるように変更した以外は、実施例1の(2)と同様にして、実施例2〜14の青色着色樹脂組成物2〜14を得た。
(1)色材分散液の調製
合成例1の青色色材A 9.2質量部と合成例2の紫色色材B 0.8質量部と、製造例1の分散剤A溶液20.00質量部(固形分5.00質量部)、合成例6のバインダー樹脂A 6.67質量部(固形分3.00質量部)、PGMEA(SP値が8.7の溶剤)38.73質量部と、ジイソブチルケトン(DIBK:SP値が7.8の溶剤)24.60質量部を混合し、ペイントシェーカーにて予備分散として2mmジルコニアビーズで1時間、さらに本分散として0.1mmジルコニアビーズで6時間分散し、色材分散液15を得た。
(2)着色樹脂組成物の調製
前記(1)で得られた色材分散液15 43.64質量部、製造例7で調製したバインダー組成物A 25.11質量部、PGMEA30.70質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.05質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.5質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、実施例15の青色着色樹脂組成物15を得た。
(1)色材分散液の調製
実施例15の(1)において、色材を合成例1の青色色材A 9.00質量部とピグメントバイオレット23(PV23) 1.00質量部及び合成例1の青色色材A 9.00質量部とピグメントブルー15:6(PB15:6) 1.00質量部に変更した以外は、実施例15の(1)と同様にして、色材分散液16及び色材分散液17を得た。
(2)着色樹脂組成物の調製
実施例15の(2)において、色材分散液15をそれぞれ色材分散液16〜17に変更し、混合溶剤の組成を下記表1−1の組成となるように変更した以外は、実施例15の(2)と同様にして、実施例16〜17の青色着色樹脂組成物16〜17を得た。
(1)比較色材分散液の調製
実施例1の(1)において、色材、分散剤、及び溶剤をそれぞれ下記表1−1の組成となるように変更した以外は、実施例1の(1)と同様にして、それぞれ比較色材分散液1〜18を調製した。
これらのうち比較例4と比較例5の色材分散液は分散液がゲル化した。
(2)比較着色樹脂組成物の調製
実施例1の(2)において、色材分散液1をそれぞれ比較色材分散液1〜3及び6〜18に変更した以外は、実施例1の(2)と同様にして、比較例1〜3及び6〜18の比較着色樹脂組成物を得た。
(2)比較着色樹脂組成物の調製
実施例1の(2)において、色材分散液1をそれぞれ比較色材分散液17〜18に変更し、バインダー組成物Aを製造例8のバインダー組成物Bに変更した以外は、実施例1の(2)と同様にして、比較例19〜20の比較着色樹脂組成物を得た。
(1)比較色材分散液の調製
実施例15の(1)において、色材、分散剤及び溶剤をそれぞ下記表1−2の組成となるようにに変更した以外は、実施例15の(1)と同様にして、それぞれ比較色材分散液21〜26を得た。
(2)着色樹脂組成物の調製
実施例15の(2)において、色材分散液15の代わりに、色材分散液21〜26を用いた以外は、実施例15の(2)と同様にして、比較例21〜26の比較青色着色樹脂組成物21〜26を得た。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DIBK:ジイソブチルケトン
EMDG:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
DMM:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
また、表1−1及び表1−2中の溶剤の名称又は略称の後の数値は、全溶剤に対する各溶剤の含有割合(質量%)を表し、表1−2中の色材の欄の括弧内の数値は、色材全量を100質量部としたときの各色材の含有割合を表す。
<光学性能及び耐熱性評価>
比較例4及び5を除く各実施例及び比較例で得られた着色樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。超高圧水銀灯を用いて40mJ/cm2の紫外線を照射することによって硬化膜(青色着色層)を得た。硬化後の色度がy=0.080になるようにし、得られた着色基板の色度(x、y)、輝度(Y)、L、a、b(L0、a0,b0)をオリンパス製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。上記の着色膜が形成された基板を230℃のクリーンオーブンで60分間ポストベーク処理し、得られた着色膜の色度(x、y)、輝度(Y)及びL、a、b(L1、a1,b1)及びコントラストを測定した。コントラストは壺坂電気製「コントラスト計CT−1」を用いて測定した。
ΔEab={(L1−L0)2+(a1−a0)2+(b1−b0)2}1/2
ポストベーク後の着色膜の色度(x、y)及び輝度(Y)、並びにポストベーク前後の色差(ΔEab)を表2−1及び表2−2に示す。
◎:輝度Yが9.2以上であった。
○:輝度Yが8.8以上9.2未満であった。
×:輝度Y8.0以上8.8未満であった。
××:輝度Y8.0未満であった。
◎:コントラストが5000以上であった。
○:コントラストが4500以上5000未満であった。
×:コントラストが3500以上4500未満であった。
××:コントラストが3500未満であった。
◎:ΔEabが6.0未満であった。
○:ΔEabが6.0以上8.0未満であった。
△:ΔEabが8.0以上10.0未満であった。
×:ΔEabが10.0以上20.0未満であった。
××:ΔEabが20.0以上であった。
比較例4及び5を除く各実施例及び比較例で得られた色材分散液を、安定性試験として40℃で1週間保管した。保管後の色材分散液を用いて各実施例及び比較例と同様にして作製した着色組成物を、上記光学性能及び耐熱性評価と同様の方法により評価した。結果を表2に示す。
また、1週間保管後の色材分散液を用いて作製した着色樹脂組成物により得られた着色層のコントラスト(C1)と、分散直後の着色樹脂組成物により得られた着色層のコントラスト(C0)との比(C1/C0×100(%))を算出し、結果を表2−1及び表2−2に示す。
◎:コントラスト保持率が98%以上であった。
○:コントラスト保持率が95%以上〜98%未満であった。
△:コントラスト保持率が90%以上〜95%未満であった。
×:コントラスト保持率が90%未満であった。
××:分散液がゲル化した。
上記光学性能及び耐熱性評価により得られた着色樹脂組成物の着色層を有する基板を、80℃に加熱したN−メチルピロリドン(NMP)に10分間浸漬させ、NMPへの色素の染み出しを目視にて確認した。
結果を表2−1及び表2−2に示す。
○:NMPが着色していなかった。
×:NMPが薄く着色していた。
××:NMPが濃く着色していた。
実施例15及び比較例20〜21で得られた青色着色樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。この着色層に80μmのライン&スペースのストライプパターンが画かれたフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて40mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、前記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒間シャワー現像したのち、さらに60秒間超純水で洗浄した。
得られた着色パターンが形成されたガラス基板の0.7mm上面にガラス基板を配置し、230℃のホットプレート上で30分間加熱した。上面のガラス基板の昇華物の有無を目視で確認することで、昇華性の評価をした。
結果を表2−1及び表2−2に示す。
なお、表2−1及び表2−2中の「−」は、該当する評価試験を行っていないことを示す。
実施例1〜9及び比較例1〜3等の結果から、分散剤として、一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体を用いた着色樹脂組成物は、40℃で1週間保管してから着色層を形成した場合であっても、分散直後と同様の高コントラストを保ち、分散性及び保存安定性に優れていることが明らかとなった。また、実施例1〜9の着色層は耐熱性に優れていることも明らかとなった。しかしながら、例えばSP値が8.6(cal/cm3)1/2以上の溶剤(1)のみを用いた比較例1は、1週間保管後の着色樹脂組成物を用いて形成した着色層のコントラストが、分散直後のものと比較して85%に低下した。比較例15〜18の結果から明らかなように、このような経時保管後のコントラスト低下は、分散剤として、一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体を用いた時に生じる課題であった。SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤を混合した混合溶剤と、一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体とを組み合わせて用いた実施例1〜17の着色樹脂組成物は、このようなコントラストの低下が発生せず、保管安定性に優れていることが明らかとなった。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
13a、13b 配向膜
15 液晶層
20 対向基板
25a、25b 偏光板
30 バックライト
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 発光体
100 発光表示装置
Claims (20)
- (A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤とを含有し、前記(B)分散剤が、下記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm3)1/2以上9.4(cal/cm3)1/2以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm3)1/2以上8.6(cal/cm3)1/2未満の溶剤(2)とを含有し、
前記(B)分散剤が、エポキシ基及び環状エーテル基の少なくとも一方を側鎖に有する重合体と、酸性リン化合物との反応生成物であって、酸性リン化合物基の少なくとも一部が塩を形成していてもよい、色材分散液。
R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R5は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2又は−CH2COOR13で示される1価の基であり、R13は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基であり、R7及びR9は、互いに結合して環構造を形成してもよい。上記環状構造を形成した場合、当該環状構造が更に置換基R14を有していてもよく、R14は、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。一般式(I’)中、X+は有機カチオンを表す。x1は1〜18の整数、y1は1〜5の整数、z1は1〜18の整数を表す。) - 前記溶剤(1)と前記溶剤(2)の混合比が質量比で、溶剤(1):溶剤(2)=90:10〜50:50である、請求項1に記載の色材分散液。
- 前記(B)分散剤が、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体であるか、又は、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の色材分散液。
一般式(III)中、R22は、水素原子又はメチル基、R23は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2−R26、−[(CH2)y2−O]z2−R26、−[CO−(CH2)y2−O]z2−R26、−CO−O−R26’又は−O−CO−R26”で示される1価の基、R24及びR25は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基、R26は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR27で示される1価の基であり、R26’は、炭化水素基、−[CH(R24)−CH(R25)−O]x2’−R26、−[(CH2)y2’−O]z2’−R26、−[CO−(CH2)y2’−O]z2’−R26で示される1価の基であり、R26”は炭素数1〜18のアルキル基、R27は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
x2及びx2’は1〜18の整数、y2及びy2’は1〜5の整数、z2及びz2’は1〜18の整数を示す。)
nは5〜200の整数を示す。x3及びx4は1〜18の整数、y3及びy4は1〜5の整数、z3及びz4は1〜18の整数を示す。) - 前記(B)分散剤において、前記一般式(I)、及び前記一般式(I’)におけるR2が、炭化水素基、−[CH(R3)−CH(R4)−O]x1−R5、又は、−[(CH2)y1−O]z1−R5で示される1価の基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色材分散液。
- 前記(A)色材が、トリアリールメタン系色材、及び、キサンテン系色材からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色材分散液。
- 前記(A)色材が、塩基性染料の金属レーキ色材を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の色材分散液。
- 前記(A)色材が、下記一般式(VI)で表される色材(A−1)を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の色材分散液。
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。複数あるeは同一であっても異なっていてもよい。) - (A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤とを含有し、前記(B)分散剤が、下記一般式(I”)で表される構成単位、及び、下記一般式(I”’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm 3 ) 1/2 以上9.4(cal/cm 3 ) 1/2 以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm 3 ) 1/2 以上8.6(cal/cm 3 ) 1/2 未満の溶剤(2)とを含有する、色材分散液。
R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R 5 は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 又は−CH 2 COOR 13 で示される1価の基であり、R 13 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。一般式(I”’)中、X + は有機カチオンを表す。x1は1〜18の整数、y1は1〜5の整数、z1は1〜18の整数を表す。) - 前記溶剤(1)と前記溶剤(2)の混合比が質量比で、溶剤(1):溶剤(2)=90:10〜50:50である、請求項8に記載の色材分散液。
- 前記(B)分散剤が、前記一般式(I”)で表される構成単位、及び、前記一般式(I”’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体であるか、又は、前記一般式(I”)で表される構成単位、及び、前記一般式(I”’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体である、請求項8又は9に記載の色材分散液。
一般式(III)中、R 22 は、水素原子又はメチル基、R 23 は、炭化水素基、−[CH(R 24 )−CH(R 25 )−O] x2 −R 26 、−[(CH 2 ) y2 −O] z2 −R 26 、−[CO−(CH 2 ) y2 −O] z2 −R 26 、−CO−O−R 26’ 又は−O−CO−R 26” で示される1価の基、R 24 及びR 25 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基、R 26 は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH 2 CHO又は−CH 2 COOR 27 で示される1価の基であり、R 26’ は、炭化水素基、−[CH(R 24 )−CH(R 25 )−O] x2’ −R 26 、−[(CH 2 ) y2’ −O] z2’ −R 26 、−[CO−(CH 2 ) y2’ −O] z2’ −R 26 で示される1価の基であり、R 26” は炭素数1〜18のアルキル基、R 27 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
x2及びx2’は1〜18の整数、y2及びy2’は1〜5の整数、z2及びz2’は1〜18の整数を示す。)
nは5〜200の整数を示す。x3及びx4は1〜18の整数、y3及びy4は1〜5の整数、z3及びz4は1〜18の整数を示す。) - 前記(A)色材が、トリアリールメタン系色材、及び、キサンテン系色材からなる群より選択される1種以上を含む、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の色材分散液。
- 前記(A)色材が、塩基性染料の金属レーキ色材を含む、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の色材分散液。
- 前記(A)色材が、下記一般式(VI)で表される色材(A−1)を含む、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の色材分散液。
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。複数あるeは同一であっても異なっていてもよい。) - (A)色材と、(B)分散剤と、(C)溶剤とを含有し、前記(B)分散剤が、下記一般式(I)で表される構成単位、及び、下記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上を有する重合体であり、前記(C)溶剤が、SP値が8.6(cal/cm 3 ) 1/2 以上9.4(cal/cm 3 ) 1/2 以下の溶剤(1)と、SP値が7.8(cal/cm 3 ) 1/2 以上8.6(cal/cm 3 ) 1/2 未満の溶剤(2)とを含有し、
前記(A)色材が、下記一般式(VI)で表される色材(A−1)を含む、色材分散液。
R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R 5 は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH 2 CHO、−CO−CH=CH 2 、−CO−C(CH 3 )=CH 2 又は−CH 2 COOR 13 で示される1価の基であり、R 13 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基であり、R 7 及びR 9 は、互いに結合して環構造を形成してもよい。上記環状構造を形成した場合、当該環状構造が更に置換基R 14 を有していてもよく、R 14 は、炭化水素基、又は、エーテル結合及びエステル結合から選択される1種以上を有する炭化水素基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。一般式(I’)中、X + は有機カチオンを表す。x1は1〜18の整数、y1は1〜5の整数、z1は1〜18の整数を表す。)
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。複数あるeは同一であっても異なっていてもよい。) - 前記溶剤(1)と前記溶剤(2)の混合比が質量比で、溶剤(1):溶剤(2)=90:10〜50:50である、請求項14に記載の色材分散液。
- 前記(B)分散剤が、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(II)で表される構成単位とを有するグラフト共重合体であるか、又は、前記一般式(I)で表される構成単位、及び、前記一般式(I’)で表される構成単位から選ばれる1種以上と、下記一般式(III)で表される構成単位とを有するブロック共重合体である、請求項14又は15に記載の色材分散液。
一般式(III)中、R 22 は、水素原子又はメチル基、R 23 は、炭化水素基、−[CH(R 24 )−CH(R 25 )−O] x2 −R 26 、−[(CH 2 ) y2 −O] z2 −R 26 、−[CO−(CH 2 ) y2 −O] z2 −R 26 、−CO−O−R 26’ 又は−O−CO−R 26” で示される1価の基、R 24 及びR 25 は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基、R 26 は、水素原子、炭化水素基、−CHO、−CH 2 CHO又は−CH 2 COOR 27 で示される1価の基であり、R 26’ は、炭化水素基、−[CH(R 24 )−CH(R 25 )−O] x2’ −R 26 、−[(CH 2 ) y2’ −O] z2’ −R 26 、−[CO−(CH 2 ) y2’ −O] z2’ −R 26 で示される1価の基であり、R 26” は炭素数1〜18のアルキル基、R 27 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。前記炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
x2及びx2’は1〜18の整数、y2及びy2’は1〜5の整数、z2及びz2’は1〜18の整数を示す。)
nは5〜200の整数を示す。x3及びx4は1〜18の整数、y3及びy4は1〜5の整数、z3及びz4は1〜18の整数を示す。) - 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の色材分散液と、(D)バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタの製造方法であって、
透明基板上に、前記請求項17に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を硬化させることにより着色層の少なくとも1つを形成する工程を有する、カラーフィルタの製造方法。 - 請求項18に記載のカラーフィルタの製造方法により、カラーフィルタを製造する工程と、当該製造されたカラーフィルタと、液晶の駆動用基板とを対向させて組み立てる工程とを有する、液晶表示装置の製造方法。
- 請求項18に記載のカラーフィルタの製造方法により、カラーフィルタを製造する工程と、発光層を有する基板の、前記発光層を有する側の面に、前記製造されたカラーフィルタを配置する工程を有する、発光表示装置の製造方法。
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