JP6152203B1 - エレクトロスラグ溶接方法、大型構造物の製造方法および四面ボックス柱の製造方法 - Google Patents

エレクトロスラグ溶接方法、大型構造物の製造方法および四面ボックス柱の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶け込み不良が生じにくい複数電極のエレクトロスラグ溶接方法を提供する。【解決手段】第1溶接ワイヤ6と溶接金属22間に第1の直流電圧V1を印加し、かつ、第2溶接ワイヤ8と溶接金属22間に第1の直流電圧V1とは逆の極性の第2の直流電圧V2を印加して、溶接金属形成隙間内のフラックスが溶融したスラグ28に通電することによるスラグ28の発熱によって、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8と母材を溶融させる。好ましくは、第1溶接ワイヤ6は開先のルート側に配置され、第2溶接ワイヤ8は開先の開口側に配置され、第1の直流電圧V1は負の電圧であり、第2の直流電圧V2は正の電圧である。【選択図】図6

Description

この発明は、エレクトロスラグ溶接方法、大型構造物の製造方法および四面ボックス柱の製造方法に関する。
大型構造物を鉄で製造する場合、厚板の溶接が必要となる。大型構造物の一例として、四面ボックス柱がある。四面ボックス柱は、主として高層建築、橋梁等の大きな力を受ける柱部材に使用され、正方形または長方形の断面を有している。一般に、四面ボックス柱は、4か所の角部において4枚の厚板(鋼板)をサブマージアーク溶接して製造される。
近年、建築物の超高層化に伴い、四面ボックス柱にも高い強度が要求され、材料の鋼板の板厚も60mm以上が必要となる場合がある。サブマージアーク溶接は、一回の溶接で盛れる溶接金属の量には限界がある。このため、サブマージアーク溶接を厚板に用いる場合には、多層盛りが必要で複数回溶接線上をサブマージアーク溶接しなければならないため、溶接時間が長くなり製造効率が悪化する。したがって、四面ボックス柱を製造する際にサブマージアーク以外の溶接を用いて製造効率を改善することも検討されている。
特開2014−24092号公報(特許文献1)は、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接を用いて、箱型断面鋼板の角部を同時に溶接する技術を開示する。エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接は、厚板を1パスで自動溶接できる方法として知られている。
特開2014−24092号公報 特開昭57−50293号公報
特開2014−24092号公報には、エレクトロスラグ溶接またはエレクトロガスアーク溶接で溶接することが記載されているが、エレクトロガス溶接は、基本的にはアーク溶接であって、不活性ガスまたは炭酸ガスを溶接部に供給する必要があり、ガス供給設備が複雑であるとともに、耐風性にも問題があった。ガスよりも供給が容易なフラックスを使用し、耐風性が良く、ブローホールの発生を抑止でき、ヒュームも少ないという点からは、エレクトロスラグ溶接を適用できれば望ましい。
特開2014−24092号公報に開示された方法では、溶接する角部一か所あたり電極ワイヤを1本しか使用しておらず、60mm以上の厚板に使用すると溶接時間が非常に長くなるとともに、電極から遠い部分に未溶融部分が生じる可能性が高くなる。そこで、角部一か所あたりの電極ワイヤの数を増やすことが考えられる。
特開昭57−50293号公報(特許文献2)には、2本の電極ワイヤを共に逆極性としてエレクトロスラグ溶接を行ないスラグの流れを安定させ、狭開先の場合の溶接品質を向上させることが開示されている。この場合、逆極性とは、いわゆる棒プラスのことであり、電極ワイヤをプラス、母材をマイナスの極として電流を流すことである。
しかし、本願発明者が行なった実験によると、特開昭57−50293号公報のように2本の電極ワイヤをともに逆極性として大型角柱(四面ビルドボックス柱)の角を溶接して製作すると、後に図10で説明するように、表面部に溶け込み不良が生じやすいという問題があることが分かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、溶け込み不良が生じにくい複数電極のエレクトロスラグ溶接方法と、溶け込み不良が低減される大型構造物の製造方法および四面ボックス柱の製造方法とを提供することである。
この発明は要約すると、第1溶融電極と第2溶融電極とを使用して第1母材と第2母材とを溶接するエレクトロスラグ溶接方法であって、上向きの溶接進行方向に交差する断面において、第1母材と第2母材との間に溶接金属形成隙間を形成するように第1母材と第2母材と配置する工程と、溶接金属形成隙間にフラックスを供給する工程と、第1溶融電極と第1母材および第2母材間に第1の直流電圧を印加し、かつ、第2溶融電極と第1母材および第2母材間に第1の直流電圧とは逆の極性の第2の直流電圧を印加して、溶接金属形成隙間内のフラックスが溶融したスラグに通電することによるスラグの発熱によって、第1溶融電極と第2溶融電極と第1母材と第2母材とを溶融させる工程とを備える。
好ましくは、溶融させる工程において、第1溶融電極および第2溶融電極の水平位置を固定した状態とする。
好ましくは、溶融させる工程において、第1溶融電極の水平位置を固定し、第2溶融電極の水平位置を揺動させる。
好ましくは、溶接金属形成隙間には、第1母材と第2母材とによってルート側と前記ルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成される。配置する工程では、裏当金が開先のルート側に配置され、移動式冷却当金が裏当金に溶接金属形成隙間を挟んで対向するように開先の表面側に配置される。溶接金属形成隙間において、第1溶融電極は裏当金側に配置され、第2溶融電極は前記移動式冷却当金側に配置される。
好ましくは、溶接金属形成隙間には、第1母材と第2母材とによってルート側と前記ルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成される。第1溶融電極は開先のルート側に配置され、第2溶融電極は開先の表面側に配置され、第1の直流電圧は負の電圧であり、第2の直流電圧は正の電圧である。
この発明は、他の局面では、第1溶融電極と第2溶融電極とを使用して第1母材と第2母材とを溶接するエレクトロスラグ溶接方法であって、上向きの溶接進行方向に交差する断面において、第1母材と第2母材との間に溶接金属形成隙間を形成するように第1母材と第2母材と配置する工程と、溶接金属形成隙間にフラックスを供給する工程と、第1溶融電極と第1母材および第2母材間に第1の直流電圧を印加し、かつ、第2溶融電極と第1母材および第2母材間に第1の直流電圧と同じ極性の第2の直流電圧を印加して、溶接金属形成隙間内のフラックスが溶融したスラグに通電することによるスラグの発熱によって、第1溶融電極と第2溶融電極と第1母材と第2母材とを溶融させる工程とを備える。溶融させる工程において、第1溶融電極と第2溶融電極との間の極間距離を磁界が相互に干渉しない距離以上とする。
好ましくは、溶融させる工程において、第1溶融電極と第2溶融電極との間の極間距離を45mm以上とする。
この発明は、さらに他の局面では、上記いずれかのエレクトロスラグ溶接方法によって、複数の鋼材を溶接して大型構造物を製造する、大型構造物の製造方法である。
この発明は、さらに他の局面では、第1〜第4側面を有する四面ボックス柱の製造方法である。第1側面は、第3側面と対向し、第2側面は、第4側面と対向している。大型四面ボックス柱の製造方法は、組み立て溶接する工程と、エレクトロスラグ溶接方法によって溶接する工程とを備える。組み立て溶接する工程では、第1フランジ、第2フランジを第1側面、第3側面にそれぞれ配置し、ルート側とルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成されるように加工された第1ウエブ、第2ウエブを開先のルート側が四面ボックス柱の内側になるように第2側面、第4側面にそれぞれ配置する。組み立て溶接する工程では、四面ボックス柱の4か所の角部の内側に4つの裏当金を組み立て溶接する。エレクトロスラグ溶接方法によって溶接する工程では、第1フランジと第1ウエブとの間の第1溶接金属形成隙間、第1フランジと第2ウエブとの間の第2溶接金属形成隙間、第2フランジと第1ウエブとの間の第3溶接金属形成隙間、および第2フランジと第2ウエブとの間の第4溶接金属形成隙間を、上記のいずれかのエレクトロスラグ溶接方法によって溶接する。
本発明によれば、厚板を溶接する場合に、溶け込み不良が生じにくくなり、また、電極の位置の制御も容易となる。
本発明の実施の形態に係るエレクトロスラグ溶接方法の溶接状態を説明するための模式図である。 エレクトロスラグ溶接法で溶接する大型構造物の一例である四面ボックス柱の溶接前の外観を示した斜視図である。 図2に示した四面ボックス柱の角溶接部の開先形状の一例を示す図である。 電極ワイヤを配置する狙い位置の例を示す図である。 エレクトロスラグ溶接を行なうための溶接装置の外観を示す図である。 電極ワイヤに印加する電源の極性とスラグ浴深さとを示す図である。 溶接条件の一例を示す図である。 溶接中の溶接部を撮影した画像である。 開先の形状を検討例と比較した図である。 ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をプラス、表面側電極をマイナスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をマイナス、表面側電極をマイナスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 図10〜図13の溶接部の評価結果を示す図である。 ルート側電極の極性と表面側電極の極性を同じ極性に設定した場合のスラグの対流を説明するための模式図である。 ルート側電極の極性と表面側電極の極性を異なる極性に設定した場合のスラグの対流を説明するための模式図である。 ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の奥側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の表面側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を揺動させた場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の奥側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の表面側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を中間位置に固定させた場合の溶接部の断面を撮影した写真である。 本実施の形態のエレクトロスラグ溶接を用いて四面ボックス柱を製造する工程を示したフロー図である。 開先加工されたウエブ22の断面形状を示す図である。 裏当金30が組み立て溶接されたウエブ22を示す図である。 フランジに2枚のウエブが組み立て溶接された状態を示す図である。 組立体が溶接完了した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
[エレクトロスラグ溶接法]
図1は、本発明の実施の形態に係るエレクトロスラグ溶接方法の溶接状態を説明するための模式図である。エレクトロスラグ溶接法とは、溶融スラグの抵抗発熱を利用してワイヤおよび母材を溶融する立向溶接法であり、自動溶接に適した方法である。図2は、エレクトロスラグ溶接法で溶接する大型構造物の一例である四面ボックス柱の溶接前の外観を示した斜視図である。
四面ボックス柱は、フランジ32と、ウエブ22と、裏当金30によって構成される。一対の対向するフランジ32の間に、開先加工された一対の対向するウエブ22が配置され、内側に裏当金30が配置されて図2の状態に組み立て溶接によって組立体とされる。組み立て溶接された組立体は、立向きに配置され、角溶接部34がエレクトロスラグ溶接法によって溶接される。
エレクトロスラグ溶接法は、水冷銅当金10を摺動させながら上方向に移動し、溶接金属24を盛り上げて行う溶接法である。水冷銅当金10には、冷却水パイプ12,14によって冷却水が循環している。溶融スラグ28と溶融金属26は、水冷銅当金10および裏当金30によって、溶接部から流れ出ないように囲まれている。溶融したスラグ浴の中に溶接ワイヤ6,8をノズル2,4から連続的に供給し、主として溶融スラグ28の抵抗熱によって溶接ワイヤ6,8と母材を溶融する。水冷銅当金10を摺動させながら上方向に移動させると、溶融金属26が順次凝固して溶接金属24が上方向に盛り上げられフランジ32とウエブ22とが溶接される。
溶接開始時には、母材であるフランジ32およびウエブ22の端面と裏当金30と水冷された銅当金10とで囲まれた部分に電極となる溶接ワイヤ6,8を設置しフラックスを充填する。溶接開始直後は溶接ワイヤ6,8と母材との間でアークが発生する。しかし、周囲のフラックスがそのアーク熱により加熱溶融され溶融スラグ28を形成し,通電方式がアーク通電からスラグ通電へとすぐに変わる。
溶融スラグ28の導電性は高温になるほど高くなり、溶接ワイヤ6,8からスラグ浴中に流れる電流による抵抗発熱によって、充填されたフラックスは全て溶融され、溶融金属26の表面は溶融スラグ28によるスラグ浴で覆われる。
図3は、図2に示した四面ボックス柱の角溶接部の開先形状の一例を示す図である。図3を参照して、フランジ32とウエブ22は、ともに板厚が80mmであり、角溶接部34の開先はウエブ22を斜め5°〜20°の範囲で切り落としたレ型開先であり、ルートギャップは10〜14mmである。四面ボックス柱の内面側に鋼製の裏当金30が組み立て溶接されており、裏当金30の断面の寸法は、32mm×50mmである。
図4は、電極ワイヤを配置する狙い位置の例を示す図である。図4を参照して、位置Prは開先のルートに近い電極位置(以下、ルート側の位置という)であり、位置Psは、組立後のボックス柱の外周表面に近い電極位置(以下、表面側の位置という)である。溶接ワイヤ6はルート側の位置Prに配置され、溶接ワイヤ8は表面側の位置Psに配置される。位置Prは、ウエブ22の内側面から15〜25mmの位置である。位置Psは、位置Psよりも表面側寄りの位置であって、揺動幅は25〜45mmの範囲である。
図5は、エレクトロスラグ溶接を行なうための溶接装置の外観を示す図である。図1、図5を参照して、ウエブ22とフランジ32との間の開先部の開口から、ノズル4が手前側に挿入され、ノズル2がノズル4の上側から開先部の奥側に挿入される。フランジ32の角に接触する倣い装置16によってノズル2,4および水冷銅当金10の水平位置が決定される。図示しないアーム部にノズル2,4および水冷銅当金10は固定されている。アームを上方向に移動させることによって、ノズル2,4および水冷銅当金10がともに上方向に移動し、溶接位置が移動する。
[電極ワイヤの極性]
図6は、電極ワイヤに印加する電源の極性とスラグ浴深さとを示す図である。図7は、溶接条件の一例を示す図である。母材(溶接金属24)は、接地されている。この接地電位を基準として、ノズル2の電極チップには、電源41によって直流電圧V1が印加される。また接地電位を基準として、ノズル4の電極チップには、電源42によってノズル2とは逆の極性の直流電圧V2が印加される。
板厚80mmの場合の溶接条件の一例を説明する。ルート側の電極に相当するノズル2の電極チップには、電圧V1=+38V〜+42Vが印加され、電流は380〜420Aである。また表面側の電極に相当するノズル4の電極チップには、電圧V2=−38V〜−42Vが印加され、電流は380〜420Aである。なお、ルート側および表面側ともに、ワイヤ径は1.6mmφのものを使用し、ワイヤ送給速度は11〜14m/minである。
本実施の形態では、電圧V1と電圧V2を逆の極性に設定する点が特徴である。図7の例では、V1をプラス、V2をマイナスに設定したが、V1をマイナス、V2をプラスに設定しても良い。
このように、2つの電極に互いに逆の極性の直流電圧を印加し、スラグ浴を15〜35mmの深さとして通電することによって安定した溶接を行なうことができる。
図8は、溶接中の溶接部を撮影した画像である。図8を撮影した条件ではルート側電極(図8の奥側)の電圧V1をプラスに設定し、表面側電極(図8の手前側)の電圧V2をマイナスに設定している。図8には、表面側電極を中心とした同心円状に溶融スラグの表面にスラグ流が発生している様子が見える。このスラグ流について以下検討する。
スラグ流には開先の形状が影響していると考えられる。図9は、開先の形状を検討例と比較した図である。従来、エレクトロスラグ溶接は、本実施の形態のようにフランジとウエブの溶接ではなく、四面ボックス柱のダイアフラムの溶接に広く用いられている。ダイアフラムは、四面ボックス柱の強度を強化するために、竹の節のように四面ボックス柱の内部に配置される平板状部材である。
この場合四面ボックス柱の側面に溶接用孔を開け、溶接金属形成隙間にワイヤを挿入できるようにする。そして、開先内で揺動・停止する水冷式の非消耗ノズルに細径のソリッドワイヤを送給し、常にワイヤの突出し長さを一定に保つようにしつつ溶接の進行に伴って非消耗ノズルを自動上昇させる。
このようなダイアフラムの溶接の場合を比較例として図9(A)に示し、本実施の形態の例を図9(B)に示した。図9(A)に示すように、ダイアフラムの溶接に用いる場合には、スキンプレートと裏当金(もしくは水冷銅板)とダイアフラムで囲まれる溶接金属形成隙間は、長方形状である。したがって、2電極を使用するダイアフラム溶接の場合には、溶接金属形成隙間は2電極の間のダイアフラムの中心面に対して対象な形状である。
一方、図9(B)に示すように、本実施の形態のようにフランジとウエブを溶接する場合には、開先が2つの電極に対して非対称となる。このような開先の違いが溶融スラグの流れにどのような影響を与えるのかを検討するために、本願発明者は電極の極性の組み合わせを変えて実験を行なった。
図10は、ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図11は、ルート側電極をプラス、表面側電極をマイナスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図12は、ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図13は、ルート側電極をマイナス、表面側電極をマイナスにした場合の溶接部の断面を撮影した写真である。
図10〜図13において、電流及び電圧は、いずれも図7に示す範囲で設定されている。
図14は、図10〜図13の溶接部の評価結果を示す図である。図10および図13に示した条件(ルート側,表面側)=(+,+),(−,−)の組み合わせでは、いずれも表面側に溶け込み不良が発生している。これに対して図11および図12に示した条件(ルート側,表面側)=(+,−),(−,+)の組み合わせでは、いずれも表面側まで良好な溶け込みがみられる。したがって、ルート側電極の極性と表面側電極の極性を異なるように設定することによって、2電極のエレクトロスラグ溶接を80mmの厚板に適用できることが分かった。
図15は、ルート側電極の極性と表面側電極の極性を同じ極性に設定した場合のスラグの対流を説明するための模式図である。図16は、ルート側電極の極性と表面側電極の極性を異なる極性に設定した場合のスラグの対流を説明するための模式図である。
図15に示すように、ルート側電極(R極)をプラスとし、表面側電極(F極)をプラスとすると、F極を揺動させた場合にF極がR極に近づいた瞬間には磁界Mが強めあい2電極を囲むような大きなスラグ流Sが生じる。一方、F極がR極から離れた瞬間には、スラグ流Sが弱まる。このため、F極を揺動させるとスラグ流Sに強弱が生じると考えられる。
一方、図16に示すように、ルート側電極(R極)をマイナスとし、表面側電極(F極)をプラスとすると、電極同士が反発するように磁界Mが生じるのでスラグ流Sはあまり影響を受けずスラグ流は安定すると考えられる。
さらに、電極の揺動が必要か否かについて検討するために、追試験を実行した。まず、ルート側電極と表面側電極の極性が同じ場合について3種類の試験を行なった例について説明する。この場合は、ウエブは厚さ75mmのものを使用した。
図17は、ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の奥側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図17(B)では、2電極周辺の溶け込み量が大きくなっており、表面側では溶け込み不良が発生している。これは、図17(A)に示すように、2電極の間隔が15mmと狭いので磁界Mが2電極で強めあい強いスラグ流Sを発生させ、熱がルート側に寄って発生した結果、表面側で熱量が不足し母材を溶かすに至らなかったと考えられる。
図18は、ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の表面側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図18(B)では、図17(B)と比較して、ルート側の溶け込み量は適量に減少する一方、表面側は良好な溶け込みとなっている。これは、図18(B)に示すように、2電極の距離が45mmまで離れた結果、それぞれの電極でスラグ流が発生し、熱がルート側に集中することなく表面側にも均一な入熱が行なわれたためと考えられる。したがって、ルート側電極をプラスと表面側電極とを同じ極性に設定した場合でも、2電極の距離を磁界が相互に干渉しない距離(図18では45mm)以上に広げることによって、良好な厚板の溶接が可能である。
図19は、ルート側電極をプラス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を揺動させた場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図19(B)では、図17(B)ほどではないが、やはり2電極周辺の溶け込み量が大きくなっており、表面側では溶け込み不良が発生している。図19(A)に示すように、2電極の間隔が15mmまで狭くなる瞬間もある。このため、図17(A)に示したスラグ流Sと図18(A)に示したスラグ流Sとが交互に現れるので、結果として表面側で熱量が不足したと考えられる。図18の結果を考慮すると、表面側電極を揺動させる場合でも、少なくとも2電極間の距離を磁界が相互に干渉しない距離(図18では45mm)以上に保つことが必要である。
続いて、ルート側電極と表面側電極の極性が異なる場合について3種類の試験を行なった例について説明する。
図20は、ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の奥側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図20(B)では、2電極周辺の溶け込み量が大きくなっているものの、表面側では溶け込み不良は発生していない。これは、図20(A)に示すように、2電極の間隔が15mmに近づいても、極性が異なっており、2電極の回りをそれぞれ別のスラグ流Sが流れるために、図17に示すほどには表面側への入熱が不足しなかったからであると考えられる。
図21は、ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を開先の表面側で固定した場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図21(A)に示すようにこの場合の電極間距離は、45mmであった。図21(B)でも表面側では溶け込み不良は発生していない。エレクトロスラグ溶接では、ワイヤの極性はプラスとするほうが溶接速度を大きくすることができ、能率が良い。このため、入熱が多く必要とされる表面側の電極をプラスに設定することによって、図18(B)に示すよりも表面側で溶け込み量が多くなっており、裏当金30への侵食は少なくなっている。
図22は、ルート側電極をマイナス、表面側電極をプラスに設定し、表面側電極を中間位置に固定させた場合の溶接部の断面を撮影した写真である。図22(A)に示すようにこの場合の電極間距離は、35mmであった。図22(B)でも表面側では溶け込み不良は発生していない。
以上の実験結果より、ルート側電極の極性と表面側電極の極性を互いに異なる極性にすると、スラグ流が一か所に集中することが避けられるので、表面側電極を揺動させない場合でも、良好な溶接部が形成される。したがって、2つの電極を互いに異なる極性とした場合には、2つの電極を揺動させずに静止させておいても良いことが分かった。なお、表面側電極をマイナスとし、ルート側電極をプラスとしても良いが、表面側電極をプラスとし、ルート側電極をマイナスとすると、表面側の溶け込み不良の発生が一層起こりにくくなるのでより好ましい。また、電極を揺動させる場合には、より板厚が厚い母材を溶接する場合に効果が期待できると考えられる。図4、図9では、表面側電極を揺動させる例を示したが、表面側電極を表面付近に固定し、ルート側電極を揺動させても良い。
以上説明した本実施の形態のエレクトロスラグ溶接方法について、再び図面を参照して総括する。なお、以下において、ウエブ22を第1母材22とも表記し、フランジ32を第2母材32とも表記する。
図1を参照して、本実施の形態のエレクトロスラグ溶接方法は、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8とを使用して第1母材22と第2母材32とを溶接するエレクトロスラグ溶接方法である。このエレクトロスラグ溶接方法は、母材を配置する工程と、溶接金属形成隙間にフラックスを供給する工程と、溶融電極と母材とを溶融させる工程とを備える。
母材を配置する工程では、上向きの溶接進行方向に交差する断面において、第1母材22と第2母材32と当金10,30との間に溶接金属形成隙間を形成するように第1母材22と第2母材32と当金10,30とを配置する。
溶融電極と母材とを溶融させる工程では、第1溶接ワイヤ6と第1母材22および第2母材32間に第1の直流電圧V1を印加し、かつ、第2溶接ワイヤ8と第1母材22および第2母材32間に第1の直流電圧V1とは逆の極性の第2の直流電圧V2を印加して、溶接金属形成隙間内のフラックスが溶融したスラグ28に通電することによるスラグ28の発熱によって、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8と第1母材22と第2母材32とを溶融させる。
上記のように、2つの溶融電極の極性を異なる極性とすることによって、表面側の溶け込み不良が発生しなくなるので、55mm以上の厚板の溶接を2電極のエレクトロスラグ溶接によって行うことが可能となる。
図20〜図22に示した結果が得られたように、溶融させる工程において、第1溶接ワイヤ6および第2溶接ワイヤ8の水平位置を固定した状態としても良く、また、図11〜図12に示した結果が得られたように、溶融させる工程において、第1溶接ワイヤ6の水平位置を固定し、第2溶接ワイヤ8の水平位置を揺動させても良い。
なお、2つの電極の極性を同じにした場合には、図17に示したように電極間距離が近いと表面側に溶け込み不良が発生するため、電極間距離を正確に制御しなければいけない。これに対し、本実施の形態のように2つの電極の極性を異なる極性とすれば、電極間距離が近くなっても図20に示したように表面側の溶け込み不良は発生しにくい。したがって、電極を揺動させる場合でも電極の位置の制御が容易となるとともに、表面側電極を揺動させなくても良好に溶接できる。これにより、溶接装置の電極支持機構の構成を簡単にすることができる。
好ましくは、溶接金属形成隙間には、第1母材22と第2母材32によって開先が形成される。当金は、開先のルート側に配置される裏当金30と、開先の表面側に配置される移動式の水冷銅当金10とによって構成される。水冷銅当金10は、裏当金30に溶接金属形成隙間を挟んで対向するように配置される。溶接金属形成隙間において、第1溶接ワイヤ6は裏当金30側に配置され、第2溶接ワイヤ8は水冷銅当金10側に配置される。
好ましくは、図20〜図22で結果を示したように、第1溶接ワイヤ6は開先のルート側に配置され、第2溶接ワイヤ8は開先の開口側(表面側)に配置され、第1の直流電圧V1は負の電圧であり、第2の直流電圧V2は正の電圧である。エレクトロスラグ溶接では電極をプラスにした方が溶接能率が高くなるため、このように電圧を与えれば、表面側の方がルート側よりも溶接能率が高くなり、表面側に溶け込み不良が発生しにくくなり、またルート側において裏当金30への侵食量を適切な量に抑えることができる。
本実施の形態の他の局面におけるエレクトロスラグ溶接方法では、溶融電極と母材とを溶融させる工程において、第1溶接ワイヤ6と第1母材22および第2母材32間に第1の直流電圧V1を印加し、かつ、第2溶接ワイヤ8と第1母材22および第2母材32間に第1の直流電圧V1と同じ極性の第2の直流電圧V2を印加して、溶接金属形成隙間内のフラックスが溶融したスラグ28に通電することによるスラグ28の発熱によって、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8と第1母材22と第2母材32とを溶融させる。溶融させる工程において、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8との間の極間距離を磁界が相互に干渉しない距離以上とする。好ましくは、溶融させる工程において、第1溶接ワイヤ6と第2溶接ワイヤ8との間の極間距離を45mm以上とする。
本実施の形態のエレクトロスラグ溶接方法によって、複数の鋼材を溶接して大型構造物を製造することができる。大型構造物は種々考えられるが、一例として四面ボックス柱の製造方法の詳細を以下に説明する。
[四面ボックス柱の製造方法]
図23は、本実施の形態のエレクトロスラグ溶接を用いて四面ボックス柱を製造する工程を示したフロー図である。まず工程S1において、ウエブ22の両端を斜めに切り落として開先加工を行なう。開先は、例えば図3に示すように15°の角度にする。図24は、開先加工されたウエブ22の断面形状を示す図である。
次に工程S2において、ウエブ22の裏面(ボックス柱の内側になる面)に裏当金30を組み立て溶接する。図25は、裏当金30が組み立て溶接されたウエブ22を示す図である。
続いて、工程S3において、一方のフランジ32に2枚のウエブ22を組み立て溶接する。図26は、フランジに2枚のウエブが組み立て溶接された状態を示す図である。
そして、工程S4において他方のフランジでボックス柱の開口側面に蓋をして、組み立て溶接して組立体を形成する。工程S5で仮組され箱型となった組立体を工程S5において縦向きにする(ボックス柱を立てる)。
最後に、工程S6において、組立体の4か所の角部の各々を本実施の形態の2電極エレクトロスラグ溶接によって溶接し、四面ボックス柱が完成する。図27は、組立体が溶接完了した状態を示す断面図である。溶接金属形成隙間G1〜G4にエレクトロスラグ溶接によって溶接金属が形成される。
なお、以上の工程S1〜S4は、組立体を仮組する工程であり、他の手順で組立体を形成しても構わない。
四面ボックス柱において、第1側面は、第3側面と対向し、第2側面は、第4側面と対向しているとする。組立体を仮組する工程(S1〜S4)では、第1フランジ32−1、第2フランジ32−2を第1側面、第3側面にそれぞれ配置し、開先が形成された第1ウエブ22−1、第2ウエブ22−2を開先のルート側が四面ボックス柱の内側になるように第2側面、第4側面にそれぞれ配置し、四面ボックス柱の4か所の角部の内側に4つの裏当金30を組み立て溶接する。
組立体をエレクトロスラグ溶接で溶接する工程(S6)では、第1フランジ32−1と第1ウエブ22−1との間の第1溶接金属形成隙間G1、第1フランジ32−1と第2ウエブ22−2との間の第2溶接金属形成隙間G2、第2フランジ32−2と第1ウエブ22−1との間の第3溶接金属形成隙間G3、および第2フランジ32−2と第2ウエブ22−2との間の第4溶接金属形成隙間G4を本実施の形態のエレクトロスラグ溶接方法によって溶接する。
このようにして、本実施の形態のエレクトロスラグ溶接方法を、四面ボックス柱の製造に適用することによって、55mm以上の板厚の四面ボックス柱を能率よく製造することが可能となる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2,4 ノズル、6,8 溶接ワイヤ、10 水冷銅当金、30 裏当金、12,14 冷却水パイプ、16 倣い装置、22 ウエブ、24 溶接金属、26 溶融金属、28 溶融スラグ、32 フランジ、34 角溶接部、41,42 電源。

Claims (9)

  1. 第1溶融電極と第2溶融電極とを使用して第1母材と第2母材とを溶接するエレクトロスラグ溶接方法であって、
    上向きの溶接進行方向に交差する断面において、前記第1母材と前記第2母材との間に溶接金属形成隙間を形成するように前記第1母材と前記第2母材と配置する工程と、
    前記溶接金属形成隙間にフラックスを供給する工程と、
    前記第1溶融電極と前記第1母材および前記第2母材間に第1の直流電圧を印加し、かつ、前記第2溶融電極と前記第1母材および前記第2母材間に前記第1の直流電圧とは逆の極性の第2の直流電圧を印加して、前記溶接金属形成隙間内の前記フラックスが溶融したスラグに通電することによる前記スラグの発熱によって、前記第1溶融電極と前記第2溶融電極と前記第1母材と前記第2母材とを溶融させる工程とを備える、エレクトロスラグ溶接方法。
  2. 前記溶融させる工程において、前記第1溶融電極および前記第2溶融電極の水平位置を固定した状態とする、請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
  3. 前記溶融させる工程において、前記第1溶融電極の水平位置を固定し、前記第2溶融電極の水平位置を揺動させる、請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
  4. 前記溶接金属形成隙間には、前記第1母材と前記第2母材とによってルート側と前記ルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成され、
    前記配置する工程では、裏当金が前記開先の前記ルート側に配置され、移動式冷却当金が前記裏当金に前記溶接金属形成隙間を挟んで対向するように前記開先の前記表面側に配置され、
    前記溶接金属形成隙間において、前記第1溶融電極は前記裏当金側に配置され、前記第2溶融電極は前記移動式冷却当金側に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
  5. 前記溶接金属形成隙間には、前記第1母材と前記第2母材とによってルート側と前記ルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成され、
    前記第1溶融電極は前記開先のルート側に配置され、前記第2溶融電極は前記開先の表面側に配置され、前記第1の直流電圧は負の電圧であり、前記第2の直流電圧は正の電圧である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
  6. 第1溶融電極と第2溶融電極とを使用して第1母材と第2母材とを溶接するエレクトロスラグ溶接方法であって、
    上向きの溶接進行方向に交差する断面において、前記第1母材と前記第2母材との間に溶接金属形成隙間を形成するように前記第1母材と前記第2母材と配置する工程と、
    前記溶接金属形成隙間にフラックスを供給する工程と、
    前記第1溶融電極と前記第1母材および前記第2母材間に第1の直流電圧を印加し、かつ、前記第2溶融電極と前記第1母材および前記第2母材間に前記第1の直流電圧と同じ極性の第2の直流電圧を印加して、前記溶接金属形成隙間内の前記フラックスが溶融したスラグに通電することによる前記スラグの発熱によって、前記第1溶融電極と前記第2溶融電極と前記第1母材と前記第2母材とを溶融させる工程とを備え、
    前記溶融させる工程において、前記第1溶融電極と前記第2溶融電極との間の極間距離を磁界が相互に干渉しない距離以上とする、エレクトロスラグ溶接方法。
  7. 前記溶融させる工程において、前記第1溶融電極と前記第2溶融電極との間の極間距離を45mm以上とする、請求項6に記載のエレクトロスラグ溶接方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエレクトロスラグ溶接方法によって、複数の鋼材を溶接して大型構造物を製造する、大型構造物の製造方法。
  9. 第1〜第4側面を有する四面ボックス柱の製造方法であって、
    前記第1側面は、前記第3側面と対向し、前記第2側面は、前記第4側面と対向し、
    第1フランジ、第2フランジを前記第1側面、前記第3側面にそれぞれ配置し、ルート側と前記ルート側よりも間隔の広い表面側とを有する開先が形成されるように加工された第1ウエブ、第2ウエブを開先のルート側が前記大型四面ボックス柱の内側になるように前記第2側面、前記第4側面にそれぞれ配置し、前記大型四面ボックス柱の4か所の角部の内側に4つの裏当金を組み立て溶接する工程と、
    前記第1フランジと前記第1ウエブとの間の第1溶接金属形成隙間、前記第1フランジと前記第2ウエブとの間の第2溶接金属形成隙間、前記第2フランジと前記第1ウエブとの間の第3溶接金属形成隙間、および前記第2フランジと前記第2ウエブとの間の第4溶接金属形成隙間を、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエレクトロスラグ溶接方法によって溶接する工程とを備える、四面ボックス柱の製造方法。
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