JP6151228B2 - オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法 - Google Patents

オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6151228B2
JP6151228B2 JP2014172367A JP2014172367A JP6151228B2 JP 6151228 B2 JP6151228 B2 JP 6151228B2 JP 2014172367 A JP2014172367 A JP 2014172367A JP 2014172367 A JP2014172367 A JP 2014172367A JP 6151228 B2 JP6151228 B2 JP 6151228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
billet
heat transfer
sacrificial
sacrificial anticorrosive
transfer tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014172367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016048121A (ja
Inventor
潤一郎 衣笠
潤一郎 衣笠
吉田 龍生
龍生 吉田
正高 東
正高 東
岡 貴志
貴志 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014172367A priority Critical patent/JP6151228B2/ja
Publication of JP2016048121A publication Critical patent/JP2016048121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6151228B2 publication Critical patent/JP6151228B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、オープンラック型気化器用伝熱管に係り、特に伝熱管の基材の耐食性向上のために基材表面に犠牲防食皮膜を押出成形によってクラッドしたオープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法に関する。
液化天然ガス(以下、適宜LNGという)は、通常、低温高圧の液体である低温液化燃料として移送または貯蔵され、燃料として使用される前に気化される。そして、大量のLNGを効率的に気化させるために、海水の熱を利用したオープンラック型気化器(以下、適宜ORVという)が用いられる。ORV10は、例えば、図7、図8に示すように、熱交換パネル1を備えるものである。
熱交換パネル1には、熱伝導性や加工性等の観点から、通常、JIS3000系、JIS50000系、JIS60000系等のアルミニウム合金材が使用されている。しかしながら、熱交換パネル1は、その外表面が海水に曝されるため、腐食し易いアルミニウム合金材では、一旦、外表面の侵食が始まるとその部分が集中的に侵されて孔食に至る虞がある。そのため、熱交換パネル1を構成するアルミニウム合金材には、その表面に防食処理を施す必要がある。特に、熱交換パネル1の下部では、内部の極低温(約―160℃)のLNGにより外側の海水が約0℃まで冷却されているため溶存酸素濃度が高く、より厳しい腐食環境となっている。
このため、従来から前記用途に用いられるアルミニウム合金材を対象として、種々の防食方法がさかんに研究されており、現在では犠牲防食作用を利用した方法がその主流を占めている。この犠牲防食は、アルミニウム合金からなる基材合金の表面を、基材合金よりも腐食しやすい金属、すなわち基材合金よりも海水中の腐食電位が卑なイオン化傾向の高い合金で被覆することである。このことにより、当初は被覆合金の被覆作用により基材合金が海水と直接接触せずに耐食性が保たれ、また、被覆合金の一部が剥がれて基材合金が露出し海水と直接接触するようになっても、残った被覆合金の犠牲防食作用により、基材合金の長期耐食性を保証するものである。この犠牲防食作用を有する被覆合金として、Al−Zn合金やAl−Mg合金が公知である。
例えば、特許文献1には、伝熱管の外表面に5〜30重量%のZnが含まれたアルミニウム合金の皮膜が形成されたLNG気化器用伝熱管が開示されている。そして、特許文献1では、伝熱管の外表面に、伝熱管の母材合金(アルミニウム合金)より電位の卑なAl−Zn合金を溶射により被覆して犠牲防食皮膜とし、優先的にこの層のZnをイオン化して海水中に溶解させることで、母材合金を保護している。
また、特許文献2には、フィンチューブを形成するアルミニウム母材の表面に犠牲陽極皮膜がクラッドされたオープンラック型気化器用フィンチューブが開示されている。
また、特許文献3には、円筒状の本体部と、本体部の外表面から外方に向かって突出した複数のフィンとを備えた基材と、基材の外周面を覆う犠牲陽極用の皮膜とからなるオープンラック型気化装置用フィンチューブが開示されている。そして、特許文献3のフィンチューブでは、基材と皮膜とは、二重構造のビレットを塑性加工することによりクラッド成形されており、隣接するフィン同士の間の谷部はフィンの側面同士を滑らかに繋ぐ円弧形状であって、本体部の中心に向かって凸状となる形状を呈し、谷部の曲率半径Rと本体部外形Dとが所定の関係を有する。
さらに、特許文献4には、母材金属表面に犠牲陽極としてクラッド層が形成されたオープンラック式気化器において、クラッド層が存在する部位と存在しない部位の表面粗さが均一でかつ粗くなるようにブラスト処理等を施した後、腐食電位がクラッド層より低いアルミニウム亜鉛合金を溶射して溶射層を形成し、クラッド層が存在する部位や存在しない部位を補修するオープンラック式気化器の表面保護方法が開示されている。
特許第3041159号公報 特開平5−164496号公報 特開2011−237152号公報 特許第5206964号公報
前記したように、ORVに関する防食技術としては、犠牲防食金属を溶射やクラッドなどの方法によって付与するもの、またクラッドで犠牲陽極皮膜を形成した場合においては、犠牲陽極皮膜への海水の侵入を抑制するために溶射層を形成させて補修することなどが挙げられる。近年、ORVは、ますます高効率化が図られており、装置的に大型かつ長時間連続運転する傾向にある。このため、ORVには、ORVを構成する部材の大型化による落下海水の流速増大や連続長時間運転に耐えるようなより高い耐食性、耐久性、信頼性が求められている。
しかしながら、特許文献1のような溶射皮膜では、犠牲防食皮膜である溶射皮膜の主成分であるAlの作用で表面が不働態化しやすい。従って、溶射皮膜中に不可避的に存在する孔欠陥(気孔)を経由してORVの基材との界面の気孔に海水が侵入し、溶存酸素が不足して電位が低くなる界面欠陥部の活性面と、犠牲防食皮膜最表面の電位が高くなる不働態部との間で電池(酸素濃淡電池)が形成され、界面部で優先的に腐食してしまう。この腐食に伴い発生した腐食生成物(Al酸化物やAl水酸化物など)が絶えず生成することで体積膨張が起こる。その結果、犠牲防食皮膜が押し上げられることで膨れや剥離に至ってしまい、かえって短寿命となるという問題がある。
また、特許文献2、3では、溶射による犠牲防食皮膜の付与に代わって、より長期間にわたってフィンチューブのアルミニウム合金母材(基材)の保護が可能な手法として、押出成形を利用したクラッド成形によって犠牲陽極皮膜(犠牲防食皮膜)を付与している。この方法によれば、溶射による犠牲防食皮膜の付与において皮膜の膨れや剥離の原因となる孔欠陥(気孔)を有さない犠牲防食皮膜を形成することができるため、耐久性を向上させることができるとされている。
しかしながら、単純にクラッド成形を採用するだけでは、例えば押出工程においてメタルフローの関係からフィンチューブのフィン同士を繋ぐ谷部に皮膜が残りにくい(皮膜厚さが薄くなってしまう)ため、部分によっては犠牲防食皮膜が形成されず、アルミニウム合金母材(基材)が露出してしまうという問題が発生する。この部分では、犠牲防食皮膜による保護効果が期待できないため、耐食性が低下してしまうという問題がある。
そして、特許文献2では、犠牲防食皮膜の厚さは圧延率を適宜選択することで、犠牲防食皮膜を1mm以上の厚膜としている。また、特許文献3では、フィン同士を繋ぐ谷部(谷中央部)での犠牲防食皮膜の最低厚さを20μm程度としている。しかしながら、この程度の犠牲防食皮膜の厚さでは、厳しい腐食環境であるORVにおいては数年程度でアルミニウム合金母材(基材)が露出してしまうという問題がある。
さらに、特許文献4で開示されたクラッド層(犠牲防食皮膜)の補修方法を、例えば特許文献2、3に適用する場合には、以下のような問題がある。すなわち、特許文献2のフィンチューブは、フィン同士の間の谷部が非常に複雑なヒダ形状を有している。具体的には、谷部は、本体部の中心を中心とする円弧状となって中心から離れる方向に凸状となり、谷部の両端と中央部分とにおいて円弧形状の曲率の方向が逆転した略S字形状を有している。そして、特許文献3のフィンチューブは、フィン同士の間の谷部が、本体部の中心に向かって凸状となる形状を有している。このような形状を有するフィンチューブにおいて特許文献4で開示された補修方法を適用した場合には、補修部分でのブラスト処理による粗度調整や溶射による犠牲防食皮膜の形成を行うことが難しく、溶射により補修した犠牲防食皮膜が早期に剥離してしまい、アルミニウム合金母材(基材)を保護できないという問題がある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、複雑な形状を有する伝熱管であっても、ORVの運転環境下で長期にわたって犠牲防食性が維持されると共に、腐食により犠牲防食皮膜の薄肉部が消失してしまった際に実施する溶射による補修性にも優れたオープンラック型気化器用伝熱管を提供することを課題とする。
本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管は、オープンラック型気化器の熱交換パネルを構成する伝熱管であって、前記伝熱管は、管状の本体部と本体部の外周面から外方に向かって突出した複数のフィンとを備えた基材と、押出成形によって前記基材の外周面にクラッドされた犠牲防食皮膜とを備え、前記伝熱管の管軸直交断面において、隣接する前記フィン同士を繋ぐ谷部が直線部分を有し、前記谷部の中央点から前記フィンの側辺を形成する直線部分の始点までの距離(A)と、前記基材と前記犠牲防食皮膜との間で規定される犠牲防食距離との関係がA<(犠牲防食距離)であり、前記谷部にクラッドされた前記犠牲防食皮膜の膜厚の最小厚(a)が100μm以上であって、前記最小厚(a)と、前記フィンの先端部にクラッドされた前記犠牲防食皮膜の膜厚の最大厚(b)との関係が、b≦10aであり、かつ、前記最大厚(b)が、前記フィンの中心線から前記中心線と直交する方向に測定した膜厚であることを特徴とする。
また、前記オープンラック型気化器用伝熱管は、前記基材がJIS3000系、JIS5000系のいずれかのアルミニウム合金よりなり、前記犠牲防食皮膜がJIS7000系の系アルミニウム合金からなることが好ましい。
このように、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管は、押出成形によりクラッドされた犠牲防食皮膜を備えるため、犠牲防食皮膜中に気孔が形成されず、気孔に起因した皮膜の膨れや剥離を抑制できる。また、谷部にクラッドされた犠牲防食皮膜の膜厚の最小厚(a)が規定されているため、ORV運転環境下においても皮膜が消失することを抑制でき、犠牲防食性が確保できる。
また、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管は、距離(A)と犠牲防食距離の関係が規定されているため、押出成形によって膜厚が薄くなりやすい谷部の犠牲防食皮膜が腐食により消失した場合でも、距離(A)に相当する領域に残存する犠牲防食皮膜によって、基材が腐食から確実に保護される。そして、谷部にクラッドされた犠牲防食皮膜の最小厚(a)およびフィン先端部にクラッドされた犠牲防食皮膜の最大厚(b)が所定範囲に制御できる。
また、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管は、谷部の犠牲防食皮膜の最小厚(a)とフィン先端部の犠牲防食皮膜の最大厚(b)との関係が規定されているため、犠牲防食皮膜が厚肉化しやすいフィン先端部においても、犠牲防食皮膜が厚肉化することがない。そのため、常温−極低温の温度差に起因した線膨張係数の違いによる犠牲防食皮膜の剥離を抑制できる。
さらに、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管は、ORV運転環境下において腐食によって犠牲防食皮膜が消失しやすい谷部に直線部分を有するため、犠牲防食皮膜が消失した場合でも、消失部の粗面化が容易であるため、溶射によって容易に犠牲防食皮膜を補修でき、また、補修した部分が早期に剥離することがない。
本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法は、基材用ビレットとその外周面に接合された管状の犠牲防食皮膜用第1ビレットとからなる二重構造を有する側材ビレットと、犠牲防食皮膜用第2ビレットとなる板状の蓋材とからなる伝熱管用ビレットを準備する準備工程と、前記谷部が直線部分を有し、かつ、前記距離(A)と犠牲防食距離との関係がA<(犠牲防食距離)を満足する押出形状を有する押出金型を用いて、前記蓋材が押出方向の前方に配置されるようにして前記伝熱管用ビレットを押出速度1〜6m/minで押出成形することによって、前記基材の外周面に前記犠牲防食皮膜がクラッドされた伝熱管を作製する押出工程と、を含むことを特徴とする。
このように、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法では、犠牲防食皮膜用第2ビレットとなる蓋材を備える伝熱管用ビレットを用いて、蓋材が押出方向の前方に配置するようにして、所定速度で押出成形するため、基材の谷部にクラッドされる犠牲防食皮膜の最小厚(a)が100μm以上になると共に、基材のフィン先端部にクラッドされる犠牲防食皮膜の最大厚(b)が最小厚(a)の10倍以下(b≦10a)となる。
本発明のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法は、前記伝熱管用ビレットが、前記基材用ビレットの一方の端面と前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面とが同一面となるように接合された前記側材ビレットと、前記側材ビレットの一方の端面と接合する前記蓋材とからなることが好ましい。
また、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法は、前記伝熱管用ビレットが、前記基材用ビレットの一方の端面が前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面よりも押出方向で後方に配置するように接合された前記側材ビレットと、前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの内周面に接合する前記蓋材とからなり、前記蓋材の一方の端面と前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面とが同一面となるように接合されることが好ましい。
このように、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法では、伝熱管用ビレットにおける蓋材の接合形態が、側材ビレットの一方の端面と接合する形態、または、犠牲防食皮膜用第1ビレットの内周面に接合して、一方の端面が犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面と同一面となる形態であるため、押出成形時のメタルフローが適正化される。その結果、谷部にクラッドされた犠牲防食皮膜の最小厚(a)、および、フィン先端部にクラッドされた犠牲防食皮膜の最大厚(b)が所定範囲に制御しやすくなる。
本発明のオープンラック型気化器用伝熱管によれば、複雑な形状を有する伝熱管であっても、ORVの運転環境下で長期にわたって犠牲防食性が維持されると共に、腐食により犠牲防食皮膜の薄肉部が消失してしまった際に実施する溶射による補修性にも優れたものとなる。
また、本発明のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法によれば、複雑な形状を有する伝熱管であっても、犠牲防食性および補修性に優れた伝熱管を製造できる。
本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管の斜視図である。 図1に示された伝熱管の一部を拡大した断面図である。 本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法で用いられる伝熱管用ビレットの管軸に平行な正面断面図である。 図3に示された伝熱管用ビレットの押出方向の前方側からみた側面図である。 本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法で用いられる他の形態の伝熱管用ビレットの管軸に平行な正面断面図である。 図5に示された伝熱管用ビレットの押出方向の前方側からみた側面図である。 オープンラック型気化器の一例を概略的に説明する正面図である。 図7に示されたオープンラック型気化器の側面断面図である。
以下、本発明に係るオープンラック型気化器用伝熱管(以下、適宜伝熱管という)の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、オープンラック型気化器とは、例えば、以下に示すような構成からなるものである。
図7、図8に示すように、オープンラック型気化器(以下、適宜ORVという)10は、多数配列された伝熱管2と、これらの伝熱管2を上下端で並列に接合する上部ヘッダー管4および下部ヘッダー管3からなる熱交換パネル1と、熱交換パネル1の間の上部に配されて各伝熱管2の外表面に供給される海水を貯めるトラフ(堰)7と、熱交換パネル1のそれぞれの下部ヘッダー管3および上部ヘッダー管4を並列に接合する下部マニホールド5および上部マニホールド6と、を備える。LNGは、下部マニホールド5から下部ヘッダー管3を介して伝熱管2内に下端から導入される。一方、図示しない供給手段によりトラフ7に貯められた海水は、トラフ7の側縁部から溢流して各伝熱管2の外表面を濡らしながら垂下する。伝熱管2内に導入されたLNGは、当該伝熱管2の外部を流通する海水により加熱されて(熱交換して)気化し、伝熱管2内を上昇する。この気化したLNGは、伝熱管2の上端から上部ヘッダー管4を介して上部マニホールド6へ導出される。すなわち、ORV10は、熱交換器の一種であり、海水との熱交換によってLNGを加熱して気化するものである。
図1に示すように、本発明の伝熱管2は、基材20と、押出成形によって基材20の外周面にクラッドされた犠牲防食皮膜24とを備える。そして、基材20は、管状の本体部21と、本体部21の外周面から外方、好ましくは本体部21の半径方向の外方に向かって突出した複数のフィン22を備える。また、基材20には隣接するフィン22同士の底部を繋ぐ谷部23が形成され、フィン22と谷部23とは本体部21(基材20)の外周面全体に連続して形成されている。そして、フィン22の底部と谷部23との境界部においては、面取り等を行うことによって、フィン22と谷部23とが曲線で滑らかに繋がれていることが好ましい。
基材20は、熱伝導性、強度および加工性の観点から、アルミニウム合金から構成されていることが好ましく、JIS3000系合金またはJIS5000系合金がさらに好ましい。また、基材20を構成する本体部21の大きさは、ORVに通常使用される大きさであれば特に限定されない。
基材20を構成するフィン22の高さおよび数は、ORVに使用できるものであれば特に限定されない。また、フィン22の形状は、谷部23に繋がって直線的に立ち上がって側辺を形成する直線部分22a(図2参照)を有する形状であれば特に限定されず、例えば、熱伝導性、強度および加工性の観点から直線部22aに繋がったフィン先端部が略三角形状、略矩形状等であることが好ましい。また、直線部分22aは、谷部23から直線的に立ち上がる始点P2で始まり、略三角形状等のフィン先端部に繋がる終点P3で終わる部分である。さらに、隣接するフィン22同士を繋ぐ谷部23の幅についても、ORVに使用できるものであれば特に限定されない。
犠牲防食皮膜24は、基材20よりも優先的に腐食して基材20を保護する犠牲防食性を奏するために、基材20よりも電気化学的に腐食電位が卑な材料からなる。そして、犠牲防食皮膜24は、基材20をJIS3000系、JIS5000系などのアルミニウム合金で構成した場合には、JIS3000系やJIS5000系アルミニウム合金よりも腐食電位が卑であるJIS7000系のアルミニウム合金で構成することが好ましい。
次に、伝熱管2の腐食メカニズムについて説明する。伝熱管2において、局所的な減肉(例えば孔食等)が生じず全面腐食(腐食により材料が均一に減肉する)で腐食が進展する場合には、まず基材20の外表面に存在する犠牲防食皮膜24が減肉していく。そして、押出成形によって犠牲防食皮膜24をクラッドした伝熱管2においては、押出成形時のメタルフローの関係により、フィン22とフィン22を繋ぐ谷部23にクラッドされた犠牲防食皮膜24の厚さが薄くなってしまう傾向にある。そのため、伝熱管2の外表面においては、谷部23の犠牲防食皮膜24が腐食により消失してしまうと、基材20と犠牲防食皮膜24が海水中で接触した状態となり、犠牲防食皮膜24により基材20が保護されない状態となる。
したがって、本発明の伝熱管2においては、以下のような特徴を有することが、犠牲防食性の向上と、犠牲防食皮膜24が消失した部分の補修性を向上させために必要である。
(基材の形状)
図2に示すように、基材20は、伝熱管2の管軸直交断面において、隣接するフィン22同士を繋ぐ谷部23が直線部分23aを有する必要がある。この直線部分23aは、押出成形時に使用する金型の押出形状の設計時に設定する。
谷部23が直線部分23aを有することにより、腐食に伴いクラッドされた犠牲防食皮膜24が消失してしまった場合の補修性が向上する。谷部23が直線部分23aを有することにより、犠牲防食皮膜24の補修時に、アルミナ等を用いたブラスト処理によって基材20を粗面化することが容易となる。その結果、基材20の粗面のアンカー効果によって補修された犠牲防食皮膜24の剥離強度が向上するため、溶射皮膜で犠牲防食皮膜24の補修を行っても、ORVの様な厳しい腐食環境下であっても剥離することがなく、基材20の保護に寄与できる。
ここで、犠牲防食皮膜24の犠牲防食性は、犠牲防食皮膜24の犠牲防食がおよぶ距離で定義される犠牲防食距離に依存する。そして、犠牲防食距離は、犠牲防食皮膜24の腐食電位と基材20の電位の関係から規定され、本発明においては両者の電位差が30mVとなる距離とした。そのため、構造的に犠牲防食皮膜24が薄くなってしまう箇所である谷部23の中央点P1からフィン22の側辺を形成する直線部分22aの始点P2までの距離(A)を前記の犠牲防食距離よりも短くする(A<(犠牲防食距離))。このA<(犠牲防食距離)は、押出成形時に使用する金型の押出形状の設計時に設定する。
A<(犠牲防食距離)とすることで、フィン谷部23の犠牲防食皮膜24が消失した場合でも、距離(A)に相当する領域に残存する犠牲防食皮膜24により基材20を確実に保護することができ、犠牲防食性が向上する。また、A<(犠牲防食距離)とすることで、押出成形時のメタルフローが適正化されるため、後記する谷部23にクラッドされた犠牲防食皮膜24の最小厚(a)、および、フィン22の先端部にクラッドされた犠牲防食皮膜24の最大厚(b)を所定範囲に制御できる。
なお、犠牲防食距離は、神戸製鋼技報(Vol.50,No.2(2000),41-)、三井造船技報(No.206(2012),25-)等を参照して実験により別途調査しており、犠牲防食皮膜24にA7072合金を、基材20にA5052合金を用いた場合、海水中では約22mmであった。また、犠牲防食皮膜24にA7072合金を、基材20にA3003合金を用いた場合、海水中では約30mmであった。なお、犠牲防食皮膜24と基材20が接触する場合、基材20において犠牲防食皮膜端に近い部分ほど犠牲防食皮膜24の電位に近くなるため、距離(A)は、犠牲防食距離の50%以下であることが好ましい。
(犠牲防食皮膜の膜厚)
図2に示すように、押出成形によりクラッドされた犠牲防食皮膜24は、メタルフローの関係から谷部23で膜厚が薄くなる傾向にある。したがって、谷部23にクラッドされた犠牲防食皮膜24の最小厚(a)を100μm以上とする。好ましくは、150μm以上とする。このように、犠牲防食皮膜24の最小厚(a)を規定することで、ORV運転環境化で使用されても、犠牲防食皮膜24が消失することがなく、犠牲防食性が向上する。この最小厚(a)は、前記距離(A)と、後記する押出成形時に使用する伝熱管用ビレット30の構成、具体的には蓋材34(図3、図5参照)の有無とで制御する。
図2に示すように、押出成形によりクラッドされた犠牲防食皮膜24は、メタルフローの関係からフィン22の先端部で膜厚が厚くなる傾向にある。したがって、フィン22の先端部にクラッドされた犠牲防食皮膜24の最大厚(b)を、谷部23にクラッドされた犠牲防食皮膜24の最小厚(a)との関係で定義し、b≦10aとする。ただし、最大厚(b)は、フィン22の中心線から中心線と直交する方向に測定した膜厚とする。なお、b≦10aは、前記距離(A)と、後記する押出成形時に使用する伝熱管用ビレット30の構成、具体的には蓋材34(図3、図5参照)の有無および押出速度によって制御する。
b≦10a(ただしa≧100μm)とすることで、構造的に薄くなりやすい谷部23の犠牲防食皮膜24の膜厚を十分に確保した上で、さらに犠牲防食皮膜24が厚肉化しやすいフィン22の先端部における犠牲防食皮膜24の膜厚を制御できる。b>10aであると、フィン22の先端部において、常温−極低温の温度差に起因した基材20と犠牲防食皮膜24の線膨張係数の違いによる材料間の剥離が発生する。材料間の剥離が発生してしまうと、犠牲防食性だけでなく熱伝導性も低下する。なお、犠牲防食皮膜24の最小厚(a)と最大厚(b)との関係は、最小厚(a)と最大厚(b)との差が小さいほど犠牲防食皮膜24の剥離を抑制できる傾向にあるため、犠牲防食性を担保した上での関係として、b≦9.5a(ただしa≧150μm)が好ましい。
次に、本発明に係る伝熱管の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、準備工程と、押出工程とを含むものである。以下、各工程について説明する。なお、伝熱管の構成については、図1、図2を参照して説明する。
(準備工程)
準備工程は、所定の伝熱管用ビレットを準備する工程である。図3、図5に示すように、伝熱管用ビレット30は、管状の基材用ビレット31とその外周面に接合された管状の犠牲防食皮膜用第1ビレット32とからなる二重構造を有する側材ビレット33と、犠牲防食皮膜用第2ビレットとなる板状の蓋材34とからなる。なお、伝熱管用ビレット30を構成する側材ビレット33(基材用ビレット31および犠牲防食皮膜用第1ビレット32)および蓋材34のサイズは、作製する伝熱管2のサイズおよび押出条件等を考慮して適宜設定する。
そして、伝熱管用ビレット30が蓋材34を備えるため、次工程(押出工程)でのメタルフローが適正化され、犠牲防食皮膜24となる皮膜材料が、側材ビレット33の犠牲防食皮膜用第1ビレット32と、犠牲防食皮膜用ビレットとなる蓋材34から供給されるため、局部的に皮膜材料が不足すること、特に、基材20の谷部23に供給される皮膜材料が不足することが回避される。その結果、伝熱管2において、犠牲防食皮膜24の最小厚(a)および最大厚(b)が所定範囲に制御される。
また、伝熱管用ビレット30における蓋材34の接合形態は、押出成形時のメタルフローをさらに適正化して犠牲防食皮膜24の最小厚(a)および最大厚(b)を確保するために、以下のような形態であることが好ましい。
第1の形態は、図3、図4に示すように、蓋材(犠牲防食皮膜用第2ビレット)34が側材ビレット33の押出方向の前方側に接合した形態である。具体的には、伝熱管用ビレット30が、基材用ビレット31の一方の端面と犠牲防食皮膜用第1ビレット32の一方の端面とが同一面となるように、基材用ビレット31の外周面に犠牲防食皮膜用第1ビレット32が接合された側材ビレット33と、側材ビレット33の一方の端面と接合した蓋材34とからなる。また、基材用ビレット31と犠牲防食皮膜用第1ビレット32との接合は、焼きばめ等の手法で行うことが好ましい。
第2の形態は、図5、図6に示すように、蓋材(犠牲防食皮膜用第2ビレット)34が犠牲防食皮膜用第1ビレット32の押出方向の前方側の内周面側に接合した形態である。具体的には、伝熱管用ビレット30が、基材用ビレット31の一方の端面が犠牲防食皮膜用第1ビレット32の一方の端面よりも押出方向で後方に配置されるように、基材用ビレット31の外周面に犠牲防食皮膜用第1ビレット32が接合された側材ビレット33と、犠牲防食皮膜用第1ビレット32の内周面に接合した蓋材34とからなり、蓋材34の一方の端面と犠牲防食皮膜用第1ビレット32の一方の端面とが同一面となるように接合される。また、基材用ビレット31と犠牲防食皮膜用第1ビレット32との接合、および、犠牲防食皮膜用第1ビレット32と蓋材34との接合は、焼きばめ等の手法で行うことが好ましい。
(押出工程)
押出工程は、所定の押出金型を用いて、伝熱管用ビレット30の蓋材34が押出方向の前方に配置されるようにして、所定の押出速度で伝熱管用ビレット30を押出成形することによって、基材20の外周面に犠牲防食皮膜24がクラッドされた伝熱管2を作製する工程である。このように、蓋材34が押出方向の前方に配置されるようにして押出成形することによって、基材20の谷部23への皮膜材料の供給が補充され、局部的な皮膜材料の不足が回避され、犠牲防食皮膜24の最小厚(a)および最大厚(b)が所定範囲に制御される。なお、蓋材34が押出方向の後方に配置されるようにして押出成形してもよいが、谷部23への皮膜材料の補充量は前方配置よりも少ないものとなる。
押出金型については、従来公知の金型を使用できるが、押出形状は谷部23が直線部分を有し、かつ、距離(A)と犠牲防食距離との関係がA<(犠牲防食距離)を満足するものを使用する。また、押出速度については、1〜6m/minで押出成形する。これにより、局部的な皮膜材料の不足が回避され、犠牲防食皮膜24の最小厚(a)および最大厚(b)が所定範囲に制御される。
押出速度が6m/minを超えると、谷部23への皮膜材料の補充がなされなくなるため、基材20と犠牲防食皮膜24とが剥離してしまうことも発生する。また、押出速度が1m/min未満であると、生産性が低下する。そして、押出速度については、犠牲防食皮膜24の剥離を抑制する観点から5.5m/min以下が好ましく、生産性の低下を抑制する観点から2m/min以上が好ましい。また、他の押出条件については、従来公知の条件を使用できる。
次に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と対比して具体的に説明する。
[試験材の作製]
外径250mmのA5052合金またはA3003合金製の基材用ビレットと、外径280mm、ビレット厚15mmのA7072合金製の犠牲防食皮膜用第1ビレットと、外径280mm、ビレット厚30mmのA7072合金製の蓋材(犠牲防食皮膜用第2ビレット)とを用いて、焼きばめ等の手法で、図3または図5に示すような構造の伝熱管用ビレットを作製した。これらの伝熱管用ビレットを表1に示す押出速度で押出成形して、図1に示すような伝熱管(試験材No.1〜16)を作製した。また、試験材No.2の伝熱管においては基材の谷部を曲線とし、それ以外の試験材においては基材の谷部に直線部分を設けた。
作製された伝熱管において、基材における距離(A)、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)の測定結果は表1に示すとおりであった。また、表1における犠牲防食距離は別途調査したもので、基材がA5052合金の場合に22mm、基材がA3003合金の場合には30mmであった。さらに、表1において、bは、b≦10aを満足するとき「○」、b≦10aを満足しないときに「×」とした。なお、表1において、本発明の要件を満足しないものについては下線を付し、蓋材が有るものを「○」、蓋材が無いものを「−」とした。
Figure 0006151228
表1に示すように、試験材No.1〜3、5、6、9、11〜13については、ビレットの構造、基材における距離(A)、押出速度がいずれも所望の条件を満たしているため、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たしていた。なお、試験材No.2についても、基材の谷部が曲線形状である以外は所望の条件を満たしているため、犠牲防食皮膜の最小厚(a)およびと最大厚(b)が本発明の要件を満たしていた。
それに対し、試験材No.4および14は、ビレットの構造が不適切(蓋材が無い)ため、皮膜材料のメタルフローが不適当になり、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たさなかった。試験材No.7および10は、基材における距離(A)が不適切であったため、皮膜材料のメタルフローが不適当になり、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たさなかった。試験材No.8、15および16は、押出速度が早すぎて不適切であったため、皮膜材料のメタルフローが不適当になり、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たさなかった。
作製した試験材No.1〜4、7、11、12、15に対して、以下の手順で犠牲防食性および溶射による補修性の評価を行い、その結果を表2に示す。
[犠牲防食性]
室温の人工海水(株式会社ヤシマ製金属腐食試験用アクアマリン)中に試験材を浸漬し、犠牲防食皮膜(A7072合金)の自然電位に対して120mV(vs.SCE:飽和カロメル電極基準電位)貴な電位を試験材に印加する耐食性試験を実施した。試験材の谷部に基材が露出するまでの時間が半年を超えるものを犠牲防食性が良好「○」、半年以下のものを犠牲防食性が不良「×」と評価した。
[溶射による補修性]
溶射による補修性については、前記耐食性試験で試験材の谷部に基材を露出させた後、基材表面をショットブラストにより粗面化し、その上にフレーム溶射法(熱源:プロパン−酸素)にてAl−2質量%Zn合金の溶射皮膜を形成した。補修性の評価は、溶射後の試験材を切断し、谷部の表面粗度(最大谷深さ:Rv)を画像解析により求めた。なお、事前の検討結果からRvが30μmを超える場合は、溶射による犠牲防食皮膜の耐膨れ剥離性に優れることが判明しているため、溶射補修性が良好「○」と評価した。Rvが30μm以下の場合は、溶射による犠牲防食皮膜の耐膨れ剥離性が劣るため、溶射補修性が不良「×」と評価した。
Figure 0006151228
表2に示すように、試験材No.1、3、11、12については本発明の要件を満たしているため、犠牲防食性および溶射補修性に優れていた。
それに対し、試験材No.2は、谷部に直線部分を有さない形状のため、犠牲防食性には優れるが、溶射補修性が劣っていた。試験材No.4、15については犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たしていないため、犠牲防食性が劣っていた。また、試験材No.7は、基材の距離(A)、犠牲防食皮膜の最小厚(a)および最大厚(b)が本発明の要件を満たしていないため、犠牲防食性が劣っていた。
2 伝熱管
20 基材
21 本体部
22 フィン
22a 直線部分
23 谷部
23a 直線部分
24 犠牲防食皮膜
30 伝熱管用ビレット
31 基材用ビレット
32 犠牲防食皮膜用第1ビレット
33 側材ビレット
34 蓋材
A 距離
a 最小厚
b 最大厚

Claims (5)

  1. オープンラック型気化器の熱交換パネルを構成する伝熱管であって、
    前記伝熱管は、管状の本体部と前記本体部の外周面から外方に向かって突出した複数のフィンとを備えた基材と、押出成形によって前記基材の外周面にクラッドされた犠牲防食皮膜とを備え、
    前記伝熱管の管軸直交断面において、隣接する前記フィン同士を繋ぐ谷部が直線部分を有し、
    前記谷部の中央点から前記フィンの側辺を形成する直線部分の始点までの距離(A)と、前記基材と前記犠牲防食皮膜との間で規定される犠牲防食距離との関係がA<(犠牲防食距離)であり、
    前記谷部にクラッドされた前記犠牲防食皮膜の膜厚の最小厚(a)が100μm以上であって、
    前記最小厚(a)と、前記フィンの先端部にクラッドされた前記犠牲防食皮膜の膜厚の最大厚(b)との関係が、b≦10aであり、かつ、前記最大厚(b)が、前記フィンの中心線から前記中心線と直交する方向に測定した膜厚であることを特徴とするオープンラック型気化器用伝熱管。
  2. 前記基材がJIS3000系、JIS5000系のいずれかのアルミニウム合金よりなり、前記犠牲防食皮膜がJIS7000系の系アルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1に記載のオープンラック型気化器用伝熱管。
  3. 請求項1または2に記載のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法であって、
    基材用ビレットとその外周面に接合された管状の犠牲防食皮膜用第1ビレットとからなる二重構造を有する側材ビレットと、犠牲防食皮膜用第2ビレットとなる板状の蓋材とからなる伝熱管用ビレットを準備する準備工程と、
    前記谷部が直線部分を有し、かつ、前記距離(A)と犠牲防食距離との関係がA<(犠牲防食距離)を満足する押出形状を有する押出金型を用いて、前記蓋材が押出方向の前方に配置されるようにして前記伝熱管用ビレットを押出速度1〜6m/minで押出成形することによって、前記基材の外周面に前記犠牲防食皮膜がクラッドされた伝熱管を作製する押出工程と、を含むことを特徴とするオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法。
  4. 前記伝熱管用ビレットは、
    前記基材用ビレットの一方の端面と前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面とが同一面となるように接合された前記側材ビレットと、
    前記側材ビレットの一方の端面と接合する前記蓋材とからなることを特徴とする請求項3に記載のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法。
  5. 前記伝熱管用ビレットは、
    前記基材用ビレットの一方の端面が前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面よりも押出方向で後方に配置するように接合された前記側材ビレットと、
    前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの内周面に接合する前記蓋材とからなり、
    前記蓋材の一方の端面と前記犠牲防食皮膜用第1ビレットの一方の端面とが同一面となるように接合されることを特徴とする請求項3に記載のオープンラック型気化器用伝熱管の製造方法。
JP2014172367A 2014-08-27 2014-08-27 オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6151228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172367A JP6151228B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014172367A JP6151228B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016048121A JP2016048121A (ja) 2016-04-07
JP6151228B2 true JP6151228B2 (ja) 2017-06-21

Family

ID=55649126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014172367A Expired - Fee Related JP6151228B2 (ja) 2014-08-27 2014-08-27 オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6151228B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6789071B2 (ja) * 2016-11-04 2020-11-25 株式会社Uacj押出加工 オープンラック式気化器用アルミニウム合金伝熱管およびその製造方法並びにオープンラック式気化器
JP6959111B2 (ja) * 2017-11-16 2021-11-02 株式会社Uacj アルミニウム押出管製扁平多流路管及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59158880U (ja) * 1983-04-08 1984-10-24 カルソニックカンセイ株式会社 熱交換器
JP2691069B2 (ja) * 1990-11-29 1997-12-17 住友軽金属工業株式会社 耐食性及び伝熱性にすぐれた熱交換器
JPH05164496A (ja) * 1991-12-17 1993-06-29 Tokyo Gas Co Ltd オープンラック型気化器用フィンチューブ
JP5618616B2 (ja) * 2010-05-13 2014-11-05 株式会社Uacj押出加工 オープンラック型気化装置用フィンチューブ
JP2012007872A (ja) * 2010-05-24 2012-01-12 Kobe Steel Ltd 複層伝熱管、複層伝熱管の製造方法、及びその製造方法に用いられる成形治具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016048121A (ja) 2016-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4796362B2 (ja) Lng気化器用伝熱管およびその製造方法
JP2012007872A (ja) 複層伝熱管、複層伝熱管の製造方法、及びその製造方法に用いられる成形治具
JP6151228B2 (ja) オープンラック型気化器用伝熱管およびその製造方法
JPH05164496A (ja) オープンラック型気化器用フィンチューブ
JP6838864B2 (ja) アルミニウム合金製のlng気化器部材及びlng気化器
JP5144629B2 (ja) オープンラック式気化器の伝熱管およびヘッダー管
JP6075782B2 (ja) Lng気化器用伝熱管の製造方法およびlng気化器用伝熱管
JP6793467B2 (ja) アルミニウム合金製部材及びlng気化器
JP5572128B2 (ja) 耐食性アルミニウム合金部材、および、オープンラック式気化器の伝熱管またはヘッダー管
JP2011237152A (ja) オープンラック型気化装置用フィンチューブ
JP5336797B2 (ja) オープンラック式気化器の伝熱管およびヘッダー管の製造方法
JP5385754B2 (ja) 熱交換部材
JP4773780B2 (ja) Lng気化器用伝熱管とそれを用いたlng気化器
JP5206964B2 (ja) オープンラック式気化器の表面保護方法
JP6039218B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金扁平管の製造方法及び熱交換器コアの製造方法
JP4777119B2 (ja) アルミニウム製熱交換器の製造方法
JP2007002328A (ja) 溶接部耐食性に優れた溶接めっき鋼管及びその製造方法
JP5756414B2 (ja) オープンラック式気化器の伝熱管またはヘッダー管
JP5088748B2 (ja) 耐久性部材、および、これを用いたオープンラック式気化器
JP2008111638A (ja) Lng気化器用伝熱管、その製造方法およびそれを用いたlng気化器
JP2007120878A (ja) オープンラック式気化器用伝熱管及びヘッダー管
JP5088747B2 (ja) 耐久性部材
JP4287798B2 (ja) オープンラック式気化器のAl合金製伝熱管およびそのAl合金製伝熱管の製造方法
JPH048514B2 (ja)
JP4464762B2 (ja) 耐食性に優れた液化ガス気化器用Al合金部材及び液化ガス気化器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6151228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees