JP6150123B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に現像ユニットの位置決め構造に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置であって、トナーによって画像を形成するものが知られている。この種の画像形成装置は、感光体である感光ドラムと、当該感光ドラムに対してトナーを供給するための現像ローラを備えている。
従来から、感光ドラムと現像ローラの間隔(現像ギャップ)を調整するための構成が各種提案されている。このような構成は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1は、現像ローラと感光体の間のギャップを調整するためのカムを備えた構成を開示している。このカムは偏心してシャフトに固定されており、シャフトを回転させることによりカムを偏位させて現像装置の高さを調整することにより、現像ギャップを調整できる。
特開平3−59688号公報
現像ローラを保持しているユニット(現像ユニット)には、当該現像ローラを回転駆動するための駆動力が入力されている。この駆動力は比較的強力であるため、当該駆動力の影響により、現像ユニットが歪んだり、当該現像ユニットが移動したりする場合がある。
特許文献1の構成において、現像ユニット(現像装置)が歪んだり移動したりした場合、偏心カムの周面と、スライドブロックと、のあいだに隙間が生じうる。そこで、特許文献1の構成において現像ギャップの調整を適切に行うためには、偏心カムの周面がスライドブロックに確実に押し当てられた状態を維持できるように、現像ユニット(現像装置)を下向きに付勢しておく必要がある。しかしながら特許文献1には、現像ユニットを付勢するための構成は特に記載されていない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、現像ユニットが歪んだり移動したりした場合であっても、現像ギャップを適切に規定できる画像形成装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本願発明の観点によれば、以下の画像形成装置が提供される。即ち、この画像形成装置は、感光ドラムを有するドラムユニットと、現像ユニットと、装置本体と、を備える。前記装置本体は、前記ドラムユニットを第1規定位置に位置決めするドラムユニット位置決め部と、前記現像ユニットを第2規定位置に位置決めする本体側位置決め部と、前記現像ユニットへの駆動力を出力する駆動出力部と、を備える。前記現像ユニットは、現像ローラと、前記駆動出力部が出力した駆動力が入力される駆動入力部と、前記駆動入力部に入力された駆動力を前記現像ローラまで伝達する駆動伝達部と、前記本体側位置決め部に接触することにより当該現像ユニットを前記第2規定位置に位置決めするユニット側位置決め部と、を備える。前記駆動入力部に前記駆動力が入力されることにより前記現像ユニットが所定方向に移動し、当該移動によって前記ユニット側位置決め部が前記本体側位置決め部に押し当てられる。そして、前記本体側位置決め部及び前記ユニット側位置決め部の少なくとも何れか一方は、前記第2規定位置を変更可能に構成されている。前記ユニット側位置決め部は、前記現像ユニットに対して偏心回転可能な偏心カムを有する。前記本体側位置決め部は、前記偏心カムに接触する接触部を有する。
このように、入力された駆動力によって現像ユニットが移動するので、これを利用して、ユニット側位置決め部を本体側位置決め部に押し当てることができる。これにより、ユニット側位置決め部と本体側位置決め部が確実に接触した状態とすることができるので、現像ユニットを第2規定位置に確実に位置決めできる。そして、第2規定位置を変更できるように構成したことにより、感光ドラムと現像ユニットとの距離を調整できる。従って、現像ユニットが歪んだり変形したりしている場合であっても、適切な現像ギャップとなるように現像ユニットの位置を調整可能であるため、形成される画像の品質を良好に保つことができる。そして、偏心カムを偏心回転させることにより、現像ユニットにおける偏心カムの位置を簡単に調整できる。これより、第2規定位置を簡単に変更できる。
上記の画像形成装置において、前記本体側位置決め部は、前記接触部に向けて前記偏心カムを案内する案内部を有することが好ましい。
これにより、偏心カムを案内部によって案内できるので、当該偏心カムを接触部に確実に接触させて、現像ユニットを確実に位置決めできる。
上記の画像形成装置において、前記偏心カムには、操作用の溝が形成されていることが好ましい。
これにより、偏心カムを、マイナスドライバーなどによって容易に回転させることができる。
上記の画像形成装置は、具体的には、以下のように構成することができる。即ち、前記駆動出力部は駆動出力ギアであり、前記駆動入力部は駆動入力ギアである。前記駆動出力ギアと前記駆動入力ギアは、ギア歯が噛み合うように配置される。前記駆動出力ギアから前記駆動入力ギアに駆動力が伝達されることにより、ギア歯同士の接触面の法線方向に沿って前記現像ユニットが移動する。
即ち、現像ユニットへの駆動力の入力をギアの噛み合わせによって実現する場合、ギア歯同士の接触面の法線方向の力が現像ユニットに加わる。従って、この方向に沿って、現像ユニットが移動することになる。
上記の画像形成装置において、前記ユニット側位置決め部は、前記駆動入力ギアの回転軸の延長線上に配置されていることが好ましい。
これにより、駆動入力ギアを基準として現像ユニットが位置決めされるので、前記駆動力によって現像ユニットに加わる負荷を低減し、当該現像ユニットの歪みや変形を最小限に抑えることができる。結果として、現像ローラと感光ドラムの距離(現像ギャップ)を安定させ、画像の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る複合機の正面断面図。 現像ユニット及びドラムユニットを装置本体に取り付ける様子を示す平面図。 現像ユニットを装置本体に取り付ける様子を示す斜視図。 現像ユニットの側面図。 位置決めプレート近傍の斜視図。 位置決めプレート近傍の正面図。 ギアボックス内の様子を示す正面断面図。 図7の符号Aの部分の拡大図。 突出部が接触部に接触した様子を示す正面図。
次に、本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置としてのコピーファクシミリ複合機1の内部の様子を示す正面断面図である。
図1に示すように、複合機1の装置本体78は、画像読取部76と、画像形成部11と、定着部51と、給紙部32と、排紙トレイ80と、を備えている。また、装置本体78の内部には、給紙部32と排紙トレイ80とを結ぶ搬送路24が形成されている。
画像読取部76は、スキャナユニット90を備えている。スキャナユニット90は、光源91と、反射ミラー92,93,94と、集光レンズ95と、電荷結合素子(CCD)96と、を備えた縮小光学系の読取装置として構成されている。
画像読取部76は、いわゆるフラットヘッドスキャナとして機能させることができる。即ち、プラテンガラス82の上面に原稿を載置し、光源91及び反射ミラー92等を一定の速度で移動させることにより、プラテンガラス82上の原稿を走査して読み取る。
また、画像読取部76は、自動原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)84を有しており、いわゆるADFスキャナとして機能させることもできる。ADF84は、原稿トレイ85と排出トレイ86とを繋ぐ湾曲状の原稿搬送経路87を有している。この原稿搬送経路87には、分離ローラ88及び複数の搬送ローラ89が配置されている。この構成で、原稿トレイ85に重ねてセットされた原稿は、1枚ずつ分離されて湾曲状の前記原稿搬送経路87に沿って搬送され、所定の原稿読取位置を通過した後、排出トレイ86へ排出される。画像読取部76をADFスキャナとして機能させる場合、スキャナユニット90は、光源91及び反射ミラー92を、ADF84の原稿読取位置で静止させておき、当該ADF84によって原稿を搬送させて、前記原稿読取位置において読み取る。
画像読取部76で読み取られた原稿の画像のデータは、後述の画像形成部11に送られて印刷され、又は、不図示のファクシミリ送受信部によって他のファクシミリ装置へと通信回線を介して送信される。
図1に示すように、装置本体78の下部には、給紙部32が配置されている。給紙部32は、給紙カセット79と、給紙ローラ21と、を有している。
給紙カセット79は、複数枚の記録紙99を積層してセット可能に構成されている。給紙ローラ21は、給紙カセット79にセットされた記録紙99の搬送方向下流側端部上方に配置されている。給紙ローラ21を駆動することにより、給紙カセット79内に積層された記録紙99のうち、最上層の記録紙99を1枚だけ分離して、搬送路24に送り出すことができる。
搬送路24は、給紙ローラ21の近傍から上方に向かって延びた後、一部湾曲しながら画像形成部11、定着部51を通過して、排紙トレイ80に至るように形成されている。
画像形成部11は、現像ユニット15と、ドラムユニット17と、を備えている。現像ユニット15とドラムユニット17はカートリッジ状に形成されており、それぞれ装置本体78に対して着脱可能に構成されている。画像形成部11は、現像ユニット15及びドラムユニット17を装置本体78に取り付けた状態(図1の状態)において、感光ドラム12の周囲に、クリーニング装置18と、帯電器13と、LEDヘッド14と、現像ローラ29と、転写ローラ16と、が配置される構成である。
ドラムユニット17は、上記の感光ドラム12、クリーニング装置18、及び帯電器13をまとめて樹脂製の筐体に収容して、ユニット状に構成したものである。感光ドラム12は、表面に有機感光体による光導電膜が形成されるとともに、電動モータ35(図2)の駆動力によって回転駆動されるように構成されている。クリーニング装置18は、感光ドラム12の表面に残った余分なトナーを削ぎ落として回収するクリーニングブレードと、回収したトナーを搬送する搬送スクリューを備えている。帯電器13は、例えばスコロトロン型放電器からなり、コロナ放電によって感光ドラム12の表面を均一に帯電させる。
露光器としてのLEDヘッド14は、前記帯電器13より下流側(感光ドラム12の回転方向の下流側をいう。以下、現像ユニット15、及び転写ローラ16の説明において同じ。)に配置されており、発光ダイオード(LED)を用紙幅方向に多数並べて備えた構成となっている。そしてLEDヘッド14は、電話回線を介して受信したファクシミリ原稿の画像データ、又は、画像読取部76で読み取った画像データに対応して選択的に発光する。この結果、感光ドラム12の表面が選択的に露光され、露光部分の電荷エネルギーが消失することで静電潜像が形成される。
現像ユニット15は、非磁性一成分トナーを収容する樹脂製のトナー容器26を備える。更に、現像ユニット15は、トナー容器26の内部に、供給ローラ28と、この供給ローラ28に接触して配置される現像ローラ29と、この現像ローラ29の外周面に接触するように配置される規制ブレード30とを備えている。供給ローラ28及び現像ローラ29は、電動モータ35(図2)によって回転駆動されるように構成されている。現像ローラ29は、前記LEDヘッド14の下流側に配置されている。
トナー容器26内のトナーは、回転する現像ローラ29の表面に付着し、規制ブレード30によって付着厚さが均一になるよう調整されるとともに、現像ローラ29の回転によって感光ドラム12側へ送られる。感光ドラム12と現像ローラ29との近接部分において、感光ドラム12表面の前記静電潜像に応じて前記トナーが感光ドラム12の表面へ移動し、感光ドラム12の表面上にトナー像が形成される。
なお、本実施形態の画像形成部11は、接触現像方式に構成されている。即ち、トナーが付着した状態の現像ローラ29と、感光ドラム12と、が接触した状態で現像を行うように構成されている。現像ローラ29と感光ドラム12の距離(現像ギャップ)は、上記の接触現像を適切に行える距離となるように規定されている。
転写ローラ16は、前記現像ローラ29の下流側に配置されるとともに、感光ドラム12から搬送路24を挟んで反対側に配置されている。また、この転写ローラ16には電源からの所定の電圧が印加されている。感光ドラム12の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ16の電界吸引力によって記録紙99に転写される。トナー像が転写された記録紙99は、感光ドラム12の回転によって、搬送路24の下流側の定着部51へ送られる。
定着部51は、回転駆動されるヒートローラ52と、このヒートローラ52に対向して配置されるプレスローラ53と、を備えている。このプレスローラ53は付勢バネによってヒートローラ52に対して押し付けられている。ヒートローラ52は例えばハロゲンランプ等の発熱体を有しており、当該発熱体に通電することによって当該ヒートローラ52の表面を均一に加熱する。
この構成で、記録紙99がヒートローラ52とプレスローラ53との間を通過することにより、高温のヒートローラ52の熱及びプレスローラ53による圧力によって、トナー像のトナーが融解して用紙に定着する。なお、定着部51には、記録紙99がヒートローラ52に貼り付いたまま周囲に巻き付くことを防止するための分離爪54が設けられている。
図1に示すように、定着部51より下流側には排紙ローラ25が設けられる。この構成で、定着部51から送られてきた記録紙99は、回転駆動される排紙ローラ25とそれに対向配置される従動ローラによって搬送され、排紙トレイ80上に排出される。
次に、図2を参照して、装置本体に対してドラムユニット17を取り付けるための構造について説明する。
図2に示すように、装置本体78は、ドラム駆動軸33を有している。ドラム駆動軸33は、ドラムユニット17が備える感光ドラム12の軸中心に対して、軸線を一致させて挿入可能に構成されている。ドラム駆動軸33を感光ドラム12の軸中心に挿入することで、ドラムユニット17が装置本体78に対して位置決めされる。このときドラムユニット17が位置決めされる位置を、「第1規定位置」と呼ぶ。ドラム駆動軸33は、ドラムユニット17を装置本体78の第1規定位置に位置決めするものであるから、「ドラムユニット位置決め部」と呼ぶことができる。
図2に示すように、ドラム駆動軸33には、カップリング部材34が、相対回転不能に取り付けられている。一方、感光ドラム12には、前記カップリング部材34に対して嵌合可能な嵌合部が形成されている(図略)。そして、ドラム駆動軸33を感光ドラム12の軸中心に挿入したときに、前記カップリング部材34が、感光ドラム12の前記嵌合部に対して嵌合するように構成されている。これにより、当該感光ドラム12及びドラム駆動軸33が、相対回転不能に連結される。
ドラム駆動軸33は、駆動源である電動モータ35が出力する駆動力により、一定速度で回転駆動されるように構成されている。
以上の構成で、ドラムユニット17を装置本体78に取り付ける際には、当該ドラムユニット17が備える感光ドラム12の軸中心に、装置本体78側のドラム駆動軸33を挿入する。これにより、ドラムユニット17が装置本体78の第1規定位置に位置決めされるとともに、感光ドラム12とドラム駆動軸33が相対回転不能に連結される。このようにドラムユニット17を取り付けた状態で、電動モータ35によってドラム駆動軸33を回転駆動することにより、感光ドラム12を回転駆動できる。
次に、装置本体78に対して現像ユニット15を取り付けるための構造について説明する。
図2等に示すように、装置本体78は、駆動出力ギア(駆動出力部)41を備えている。駆動出力ギア41は、駆動源である電動モータ35が出力する駆動力により、一定速度で回転駆動されるように構成されている。
図2及び図3に示すように、現像ユニット15は、現像ローラ29の両端部にそれぞれ配置されたギャップローラ56を有している。ギャップローラ56は、現像ローラ29の回転駆動軸(現像ローラ軸55)に軸線を一致させて取り付けられたローラ状の部材である。ギャップローラ56は、現像ユニット15及びドラムユニット17を装置本体78に取り付けた状態において、感光ドラム12の外周面に接触できるように構成されている。
図2から図4に示すように、現像ユニット15は、現像ローラ29の軸方向の一側の端部に、ギアボックス36を備えている。ギアボックス36には、駆動入力ギア(駆動入力部)37と、中間ギア38と、現像ローラ駆動ギア39と、供給ローラ駆動ギア40と、が配置されている。図2に示すように、現像ローラ駆動ギア39は、現像ローラ29の回転駆動軸(現像ローラ軸55)の端部に固定されている。また、図示は省略するが、供給ローラ駆動ギア40は、供給ローラ28の回転駆動軸の端部に固定されている。図4に示すように、中間ギア38は、前記駆動入力ギア37に噛み合っている。また、現像ローラ駆動ギア39及び供給ローラ駆動ギア40は、それぞれ中間ギア38と噛み合っている。
以上の構成で、駆動入力ギア37に駆動力が入力されると、当該駆動力は、中間ギア38を介して、現像ローラ駆動ギア39及び供給ローラ駆動ギア40に伝達され、現像ローラ29及び供給ローラ28を回転駆動させる。このように、現像ユニット15には、駆動入力ギア37から、現像ローラ29及び供給ローラ28までの駆動力の伝達機構(駆動伝達部)が形成されている。なお、ギア37,38,39,40の回転軸は、互いに平行に配置されている。
図2、図3、及び図5等に示すように、装置本体78は、駆動出力ギア41の近傍に、位置決めプレート(本体側位置決め部)42を備えている。図2及び図5に示すように、位置決めプレート42には、溝状の案内部43が形成されている。(なお、本実施形態の案内部は43、位置決めプレート42を貫通して形成されている。従って、より具体的には、案内部43は「スリット状」に形成されているとも言える。)
図2に示すように、現像ユニット15において、位置決めプレート42側を向く面には、位置決め部材(ユニット側位置決め部)45が配置されている。なお、本実施形態において、位置決め部材45は、ギアボックス36の側面に配置されている。より具体的には、図2及び図4に示すように、位置決め部材45は、駆動入力ギア37の回転軸47の延長線上に配置されている。
図2に示すように、位置決め部材45は、駆動入力ギア37の回転軸47と平行な方向に突出する円柱状の突出部46を備えている。この突出部46の直径は、位置決めプレート42に溝状に形成されている案内部43の幅とほぼ同じ、又は案内部43の幅よりも若干小さいように形成されている。従って、図6に示すように、当該突出部46を、溝状の案内部43の内部に挿入することが可能である。そして、突出部46は、案内部43の内部に挿入された状態で、当該案内部43の長手方向に沿って移動することができる。
位置決め部材45の突出部46を位置決めプレート42の案内部43に挿入することにより(図6の状態)、装置本体78側の駆動出力ギア41と、現像ユニット15側の駆動入力ギア37と、が噛み合うように構成されている。このときの様子を、図7に示す。
駆動出力ギア41のギア歯と、駆動入力ギア37のギア歯と、が噛み合っている部分(図7の符号Aで示す部分)を、拡大して図8に示す。駆動出力ギア41のギア歯の表面のうち、駆動入力ギア37のギア歯に接触している面の法線の方向を、「ギア押圧方向」と呼ぶ。駆動力が入力されている状態の駆動入力ギア37のギア歯には、ギア押圧方向の力が加わっている。なお、本実施形態においては、図8に示すように、ギア押圧方向は、斜め上向きとなっている。
このように、駆動力が入力されている状態の駆動入力ギア37には、ギア押圧方向(本実施形態では斜め上向き)の力が加わっている。このため、駆動入力ギア37の回転軸47の延長線上に配置されている位置決め部材45は、ギア押圧方向(斜め上向き)に移動しようとする。ところで図6に示すように、案内部43の長手方向は、ギア押圧方向と略平行に形成されている。従って、位置決め部材45の突出部46は、案内部43の内部において、ギア押圧方向に沿って移動可能である。以上の構成により、現像ユニット15に駆動力が入力されると、位置決め部材45がギア押圧方向に移動し、この結果、現像ユニット15の全体がギア押圧方向(斜め上向き)に移動する。
現像ユニット15がギア押圧方向に移動するので、当該現像ユニット15が備える現像ローラ29もギア押圧方向(斜め上方)に移動することになる。図7に示すように、現像ローラ軸55から見て、ギア押圧方向(斜め上方)には、感光ドラム12が位置している。即ち、現像ユニット15に駆動力が入力されたとき、現像ローラ29は、感光ドラム12に対して近づく方向に移動するように構成されている。
前述のように、現像ローラ軸55にはギャップローラ56が配置されているので、現像ローラ29が感光ドラム12に近づいていくと、当該感光ドラム12の外周面にギャップローラ56が接触する。ギャップローラ56を感光ドラム12の外周面に接触させることにより、現像ローラ29が感光ドラム12に近付き過ぎることを規制できる。これにより、現像ギャップ(現像ローラ29が感光ドラム12)を規定することができる。
ただし、現像ユニット15に入力される駆動力は大きいので、ギャップローラ56が感光ドラム12に対して強く押し付けられ過ぎてしまう可能性がある。そこで本実施形態では、現像ユニット15が感光ドラム12に近付き過ぎないように、当該現像ユニット15を装置本体78に対して位置決めするように構成されている。
即ち、図6に示すように、溝状の案内部43は、ギア押圧方向の端部が閉鎖されている(つまり、案内部43の上端は、行き止まりになっている)。従って、突出部46は、案内部43の内部において当該案内部43に案内されつつギア押圧方向(斜め上向き)に移動し、最終的には案内部43の端部(行き止まりの部分)に接触し、それ以上は移動することができなくなる(図9の状態)。そこで、案内部43のギア押圧方向の端部を閉鎖している部分(行き止まりの部分)を、突出部46が接触する部分という意味で、「接触部」48と呼ぶ。
突出部46が接触部48に接触することにより、現像ユニット15はギア押圧方向(斜め上向き)に移動することができなくなる。従って、現像ユニット15は、突出部46が接触部48に接触した位置で、装置本体78に対して位置決めされることになる。現像ユニット15が装置本体78に対して位置決めされた位置を、「第2規定位置」と呼ぶ。
このように、本実施形態においては、駆動力が入力されたときに現像ユニット15が移動することを利用して、突出部46を接触部48に接触させるように構成している。現像ユニット15に駆動力が入力されている限り、突出部46が接触部48に押し当てられた状態となるので、当該突出部46が接触部48から浮いてしまうことを防止できる。このように、突出部46が接触部48から浮いてしまうことを防止できるので、現像ユニット15を第2規定位置に確実に位置決めすることができる。
以上のように、現像ユニット15を第2規定位置に位置決めすることにより、当該現像ユニット15が感光ドラム12に近付き過ぎてしまうことを防止できる。これにより、ギャップローラ56が感光ドラム12に適切に接触できるので、現像ギャップを適切に規定することができる。
なお、前述のように、位置決め部材45は、駆動入力ギア37の回転軸47の延長線上に配置されている。従って、本実施形態の現像ユニット15は、駆動入力ギア37の軸線を基準として位置決めされる、と言うことができる。このように、駆動力が入力される駆動入力ギア37を基準として現像ユニット15を位置決めするので、当該駆動力による現像ユニット15への負担を低減し、現像ユニット15の歪みや変形を最小限に抑えることができる。
しかしながら、現像ユニット15は、使用が進むにつれて歪んだり変形したりする場合がある。また、現像ユニット15の寸法公差や現像ローラ29の外径公差などの影響もある。このように、現像ユニット15の変形や公差の影響は少なからず存在するため、当該現像ユニット15が想定以上に感光ドラム12に近付き過ぎたり、離れ過ぎたりする場合がある。
そこで、本実施形態では、現像ユニット15を位置決めする第2規定位置を、変更できるように構成されている。
具体的には、以下のとおりである。本実施形態の位置決め部材45は、現像ユニット15に対して、突出部46の中心軸と平行な軸を中心に回転させることができるように構成されている。位置決め部材45の回転軸は、突出部46の中心軸とはズレた位置に設けられている。従って、位置決め部材45を回転させることにより、突出部46は、現像ユニット15に対して偏心回転運動する。即ち、突出部46は、偏心カムとして構成されている。
突出部46の先端には、操作溝49が形成されている。作業者は、例えばマイナスドライバーなどを操作溝49に挿し込んで、当該マイナスドライバーを回転させることにより、位置決め部材45を容易に回転させることができる。これにより、偏心カムとして構成された突出部46を、現像ユニット15に対して偏心回転移動させることができる。このように、現像ユニット15における突出部46の位置を調整できるので、現像ユニット15が位置決めされる第2規定位置を変更できる。
例えば、現像ユニット15に歪みや変形が生じて、現像ユニット15が感光ドラム12に近付き過ぎている場合、作業者は、位置決め部材45を調整することにより、現像ユニット15が感光ドラム12から離れるように第2規定位置を変更する。第2規定位置を変更できるので、感光ドラム12と現像ユニット15の距離を適切に調整できる。これにより、ギャップローラ56を、感光ドラム12に対して適切に接触させることができる。このように、本実施形態の構成によれば、現像ユニット15に歪みや変形が生じている場合であっても、ギャップローラ56を感光ドラム12に対して適切に接触させるように現像ユニット15の位置を調整できるので、現像ギャップを適切に規定することができる。
以上で説明したように、本実施形態の複合機1は、感光ドラム12を有するドラムユニット17と、現像ユニット15と、装置本体78と、を備えている。装置本体78は、ドラムユニット17を第1規定位置に位置決めするドラム駆動軸33と、現像ユニット15を第2規定位置に位置決めする位置決めプレート42と、現像ユニット15への駆動力を出力する駆動出力ギア41と、を備えている。現像ユニット15は、現像ローラ29と、駆動出力ギア41が出力した駆動力が入力される駆動入力ギア37と、駆動入力ギア37に入力された駆動力を現像ローラ29まで伝達する駆動伝達部と、位置決めプレート42の接触部48に接触することにより当該現像ユニット15を第2規定位置に位置決めする位置決め部材45と、を備えている。駆動入力ギア37に前記駆動力が入力されることにより現像ユニット15がギア押圧向に移動し、当該移動によって位置決め部材45が接触部48に押し当てられる。そして、位置決め部材45は、第2規定位置を変更可能に構成されている。
このように、入力された駆動力によって現像ユニット15が移動するので、これを利用して、位置決め部材45を、位置決めプレート42の接触部48に押し当てることができる。これにより、位置決め部材45と接触部48が確実に接触した状態とすることができるので、現像ユニット15を第2規定位置に確実に位置決めできる。そして、第2規定位置を変更できるように構成したことにより、感光ドラム12と現像ユニット15との距離を調整できる。従って、現像ユニット15が歪んだり変形したりしている場合であっても、適切な現像ギャップとなるように現像ユニット15の位置を調整可能であるため、形成される画像の品質を良好に保つことができる。
また上記のように、本実施形態の複合機1において、位置決め部材45は、現像ユニット15に対して偏心回転可能な突出部(偏心カム)46を有する。位置決めプレート42は、突出部46に接触する接触部48を有する。
偏心カムとして構成された突出部46を偏心回転させることにより、現像ユニットにおける突出部46の位置を簡単に調整できる。これより、第2規定位置を簡単に変更できる。
また上記のように、本実施形態の複合機1において、位置決めプレート42は、接触部48に向けて突出部46を案内する案内部43を有している。
これにより、突出部46を案内部43によって案内できるので、当該突出部46を接触部48に確実に接触させて、現像ユニット15を確実に位置決めできる。
また上記のように、本実施形態の複合機1において、突出部46には、操作溝49が形成されている。
これにより、突出部46を、マイナスドライバーなどによって容易に回転させることができる。
また上記のように、本実施形態の複合機1において、駆動出力ギア41と駆動入力ギア37は、ギア歯が噛み合うように配置される。駆動出力ギア41から駆動入力ギア37に駆動力が伝達されることにより、ギア歯同士の接触面の法線方向(ギア押圧方向)に沿って現像ユニット15が移動する。
このように、現像ユニット15への駆動力の入力をギアの噛み合わせによって実現する場合、ギア歯同士の接触面の法線方向(ギア押圧方向)の力が現像ユニット15に加わる。従って、この方向に沿って、現像ユニット15が移動することになる。
また上記のように、本実施形態の複合機1において、位置決め部材45は、駆動入力ギア37の回転軸47の延長線上に配置されている。
これにより、駆動入力ギア37の軸線を基準として現像ユニット15が位置決めされるので、前記駆動力によって現像ユニット15に加わる負荷を低減し、当該現像ユニット15の歪みや変形を最小限に抑えることができる。結果として、現像ローラ29と感光ドラム12の距離(現像ギャップ)を安定させ、画像の品質を向上させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
本願発明は、コピーファクシミリ複合機に限らず、単機能のファクシミリ、コピー機、プリンタなど、様々なタイプの画像形成装置に適用することができる。
上記実施形態では、画像形成部は接触現像方式であるとしたが、非接触現像方式の画像形成部にも本願発明を適用できる。
上記実施形態では、偏心カム(突出部46)を現像ユニット15側に設け、当該偏心カムに接触する接触部48を装置本体78側に設けているが、これとは反対に、装置本体78側に偏心カムを設けても良い。
1 複合機(画像形成装置)
12 感光ドラム
15 現像ユニット
17 ドラムユニット
29 現像ローラ
37 駆動入力ギア(駆動入力部)
41 駆動出力ギア(駆動出力部)
42 位置決めプレート(本体側位置決め部)
45 位置決め部材(ユニット側位置決め部)

Claims (5)

  1. 感光ドラムを有するドラムユニットと、
    現像ユニットと、
    装置本体と、
    を備え、
    前記装置本体は、
    前記ドラムユニットを第1規定位置に位置決めするドラムユニット位置決め部と、
    前記現像ユニットを第2規定位置に位置決めする本体側位置決め部と、
    前記現像ユニットへの駆動力を出力する駆動出力部と、
    を備え、
    前記現像ユニットは、
    現像ローラと、
    前記駆動出力部が出力した駆動力が入力される駆動入力部と、
    前記駆動入力部に入力された駆動力を、前記現像ローラまで伝達する駆動伝達部と、
    前記本体側位置決め部に接触することにより当該現像ユニットを前記第2規定位置に位置決めするユニット側位置決め部と、
    を備え、
    前記駆動入力部に前記駆動力が入力されることにより前記現像ユニットが所定方向に移動し、当該移動によって前記ユニット側位置決め部が前記本体側位置決め部に押し当てられ、
    前記本体側位置決め部及び前記ユニット側位置決め部の少なくとも何れか一方は、前記第2規定位置を変更可能に構成され
    前記ユニット側位置決め部は、前記現像ユニットに対して偏心回転可能な偏心カムを有し、
    前記本体側位置決め部は、前記偏心カムに接触する接触部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記本体側位置決め部は、前記接触部に向けて前記偏心カムを案内する案内部を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項又はに記載の画像形成装置であって、
    前記偏心カムには、操作用の溝が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1からまでの何れか一項に記載の画像形成装置であって、
    前記駆動出力部は駆動出力ギアであり、
    前記駆動入力部は駆動入力ギアであり、
    前記駆動出力ギアと前記駆動入力ギアは、ギア歯が噛み合うように配置され、
    前記駆動出力ギアから前記駆動入力ギアに駆動力が伝達されることにより、ギア歯同士の接触面の法線方向に沿って前記現像ユニットが移動することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項に記載の画像形成装置であって、
    前記ユニット側位置決め部は、前記駆動入力ギアの回転軸の延長線上に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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