JP6149486B2 - 掘削チップ及びこれを用いた掘削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削チップ及びこれを用いた掘削工具に関するものである。
一般的な建設工具(掘削工具)において現在主流となっているのは、鋼製のホルダー(工具本体)の先端に超硬合金製の刃先チップ(掘削チップ)を取り付けたものである(例えば下記特許文献1を参照)。掘削工具の使用条件は、例えば切削加工等に用いる他の超硬工具のように「決まった被削材に、決まった切削条件で工具を使用する」といった事はほとんど無く、多様な岩石等(地盤)に対して、多様な掘削条件で用いられるのが常であり、そのため、幅広い使用環境に耐えうるような掘削チップが必要になる。また掘削工具は、破砕(衝撃加重)によって対象物を掘削する事が一般的であり、他の超硬工具よりも耐欠損性・耐摩耗性を高く求められる傾向がある。
掘削チップを構成する超硬合金は、WC(炭化タングステン)とCo(コバルト)の混合体である。この中でもWCが超硬合金たる高硬度を有した物質であり、WC同士のつなぎとなるものが結合相のCoである。CoはWCとのぬれ性に富みWCの結合材として最適なことは広く知られている。尚、Coは軟質な物質の為、WCよりも靭性に優れている。超硬合金の特性はWCの粒径と結合相の含有量によって決定され、一般的には、WCの粒径が小さい場合や結合相の含有量が少ない場合には単位面積当たりの硬度が高められ、耐摩耗性は向上する反面、靭性に関しては低下する。一方、WCの粒径が大きい場合や結合相の含有量が多い場合には靭性が増し、耐欠損性に優れる反面、硬度を高めることは難しくなる。このバランスを調整する事で、必要用途(掘削対象)に応じた超硬合金製の掘削チップを製造している。尚、超硬合金の摩耗の形態としては、前述の結合相が被削体(地盤)との接触によって摩耗し、WC同士の結合が外れることで進んで行く。
特開2012−127062号公報
一般的に、上述した耐摩耗性と耐欠損性とは相反するものであり、掘削チップの硬度を高めていくことで、耐摩耗性はこれに比例して向上するが、耐欠損性については反比例して低下する。また、掘削チップの靱性を高めていくことで、耐欠損性はこれに比例して向上するが、耐摩耗性については反比例して低下する。そのため、この種の掘削チップにおいては、耐摩耗性と耐欠損性とを、共に高めることに改善の余地があった。特に掘削チップでは、上述したように掘削対象が多様であり、また掘削に衝撃を伴うことから、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで両立させることが要求されていた。
ところで、このような超硬合金製の掘削チップは、原料作製工程、プレス成型工程、焼結工程をこの順に経ることで得られる。掘削工具の超硬チップ(掘削チップ)を製造する場合、上記プレス成型工程において、下記の問題が生じていた。
すなわち、ボタンチップ等の掘削チップは、そのチップ本体が円柱状をなしているとともに、該チップ本体の先端部は、先端側へ向けて縮径する半球状等に形成されている。このような掘削チップは、チップ本体の軸方向に沿ってプレス成型されるが、該チップ本体の先端部は上記した形状によりプレス圧が分散されやすく、内部に空隙(ポア)が生じやすかった。このようなポアは、特に打撃工具である掘削工具の掘削チップにとって、チップ破壊の起点となりやすく、該掘削チップの耐欠損性を低下させてしまうことから好ましくない。
そこで、掘削チップの焼結方法としてシンターHIP(S−HIP)処理を用いることで、上記ポアをなくす手法が考えられる。すなわち、Coの液相が発生するような温度下でチップを加圧するS−HIP処理を施すことによって、ポアを消失させることが可能になる。しかしながら、単純にS−HIP処理を施した場合、チップ内部ではWCとCoとが等間隔となるように規則的に配列され、組織が均一化されて、掘削チップのうち特に掘削に寄与する先端部において、高水準の耐摩耗性及び耐欠損性を付与することは難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、掘削チップの先端部に、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで両立させて付与できる掘削チップ及びこれを用いた掘削工具を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の掘削チップは、WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ、前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.45〜0.55の範囲内とされ、前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜200個形成されていることを特徴とする。
また、本発明の掘削チップは、WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ、前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.30〜0.40の範囲内とされ、前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜250個形成されていることを特徴とする。
また、本発明の掘削チップは、WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ、前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.20〜0.30の範囲内とされ、前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに30〜300個形成されていることを特徴とする。
また本発明は、工具軸線回りに回転される工具本体と、前記工具本体の工具先端面に突設された複数の掘削チップと、を備えた掘削工具であって、前記掘削チップとして、上述の掘削チップを用いたことを特徴とする。
この掘削工具の掘削チップは、チップ本体の先端部が、先端側へ向かうに従い縮径するように例えば半球状等に形成されており、原料作製工程、プレス成型工程、焼結工程を経て作製される。掘削チップは、チップ本体の先端部が上記形状とされていることにより、プレス成型工程において前記先端部でプレス圧が分散されやすくなり、該先端部の内部には複数の空隙(ポア)が形成されることになる。これらのポアは、長さが5〜25μm程度とされており、チップ本体の先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で単位面積あたりに含まれる数が少なくなるように形成されている。
そして、本発明の掘削チップでは、チップ本体の先端部における上記ポアを、Coを主成分とする「バインダープール」に置き換えるという特別な構成(手法)を用いたことにより、作製後の掘削チップに、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで付与することが可能となった。
具体的に、このような掘削チップは下記のように作製される。すなわち、原料作製工程及びプレス成型工程を経て、チップ本体の先端部内にポアが複数形成された状態で、一次焼結を行った後、シンターHIP(S−HIP)処理又はHIP処理を施すことにより、結合相である軟質のCoを、液状にし又は塑性変形させて、上記ポアをつぶすように該ポア内に移動(充満)させる。これにより、チップ本体内においてポアは消失し、該ポアに代わって、長さが5〜25μmとされた上記バインダープールが複数形成されることになる。
尚、本明細書でいう「長さが5〜25μm」とは、例えば、光学顕微鏡等による顕微鏡視野(対象物の平面視又は断面視)におけるバインダープール(又はポア)の大きさ(最大長さ)を指している。
このように、ポアを置換して(つぶして)バインダープールが形成されることで、従来、ポアが起点となって生じていたチップ破損が顕著に抑制されることになる。さらに、バインダープールは、軟質の結合相(軟質相)とされていることから、掘削時における打撃の衝撃吸収部、並びにチップ本体の先端部外面に生じたクラックの進展抑止部として作用し、掘削チップの耐欠損性を顕著に向上させる。
そして、例えば光学顕微鏡等の顕微鏡視野における単位面積あたりに含まれるバインダープールの数が、チップ本体の先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされているので(つまり前記外面近傍においてバインダープールの数が最大となっているので)、上述した衝撃吸収部及びクラック進展抑止部としての作用が外面近傍で高められるとともに、衝撃やクラックの進展がチップ内側に伝わることが顕著に抑制されて、掘削チップの耐欠損性が大幅に向上される。
また、バインダープールは、チップ本体の先端部内において不規則に配置されたポアに置き換わって形成されているから、該バインダープール以外の部位ではWCによる硬質相がやはり不規則な配置で形成されていて、これにより、チップ本体の先端部に高いレベルの硬度を付与することが容易となり(つまり硬度の最大値を高めやすくなり)、この掘削チップは耐摩耗性にも優れたものとなっている。
このように、本発明では、チップ本体の先端部にあえてポアを生じさせるとともに、該ポアをバインダープールに置き換えることで消失させ、これに伴いチップ内部ではWCとCoとが不等間隔となるように不規則に配置され、組織も不均一化されて、チップ組織中の各部で耐摩耗性及び耐欠損性の両特性が変化するような構成を有することになり、チップ全体として前記両特性を高い水準で維持することが可能になる。これにより、掘削チップのうち特に掘削に寄与する先端部において、所望の耐摩耗性及び耐欠損性を付与することが容易となった。
以上より、本発明の掘削チップ及びこれを用いた掘削工具によれば、掘削チップの先端部に、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで両立させて付与することができる。
また上記したように、掘削チップの各形状(比R/D)に応じて、該掘削チップ先端部の顕微鏡視野における単位面積あたりのバインダープール数が適宜設定されることにより、上述した効果がより顕著に得られることとなる。
具体的に、バインダープール数が上記範囲に満たない場合、掘削チップ全体が均質な組織となる為、破壊靱性値(通称:K1C)のバラつきは少なくなる。つまり局所的にみても均質な硬度を得る事ができ、耐摩耗性については安定化する。しかしながら、打撃工具である掘削工具の掘削チップにおいては、上記範囲に満たない場合は十分な耐欠損性を得る事が難しく、上記範囲に達していることによって、不均一な組織が掘削チップの耐欠損性を向上させるのに有利にはたらくようになっている。
一方、バインダープール数が上記範囲を超える場合、掘削チップの外面(表面)に析出するバインダープールが多くなり、掘削時に該バインダープールが剥離(脱落)する量が増え、WCを保持する力も衰えて結果的に耐摩耗性が低下するおそれがある。
従って、バインダープール数の上記範囲が、このバランスを両立させられる好ましい範囲である。
また、本発明の掘削チップにおいて、前記チップ本体には、Cr、Ni、V、Ta、Nb、Ti、Zr、炭化物、複合炭化物から選択される少なくとも1種以上の添加材が含まれることが好ましい。
この場合、原料作製工程でチップ本体の成分として添加元素や添加炭化物(添加材)が加えられることで、作製後の掘削チップを構成する超硬合金の結合相はCo基合金となり、その強度、耐食性等を向上させることが可能になる。このような添加材として、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、炭化物、複合炭化物のいずれか1種以上が用いられている。尚、前記炭化物としては、例えばCr(二炭化三クロム)、TiC(炭化チタン)、ZrC(炭化ジルコニウム)等が挙げられる。また、前記複合炭化物としては、例えばTaNbC(炭化タンタル−ニオブ)等が挙げられる。
具体的に、結合相の主元素(主成分)であるCoに、上記添加材から選択される少なくとも1種以上が添加されることでCo基合金が形成され、結合相を強化することが可能である。このように結合相が強化されることで、上記バインダープールを含む結合相の摩耗による脱落が抑制され、ひいては結合相に保持されるWC(硬質相)の脱落も抑制されることとなって、チップ寿命が延長される。
また上記添加材には、チップ製造時においてWCの粒子成長を抑制する作用があり、また結合相の合金組織を種々の目的に応じ強化させ得る作用もあって、チップ硬度をさらに高めることが可能になるとともに、耐摩耗性が顕著に向上される。
特に、添加材としてCrを用いた場合には、WCの粒子成長を抑制する作用や、Coとともに合金を形成することで結合相の強度を向上させる作用がより顕著に得られることから、好ましい。
このように、添加材を加えた超硬合金を用いることで、結合相量が多い掘削チップにおいても摩耗の進行が顕著に抑制されて、チップ寿命が延長される。
特に、岩石等の地盤に対して打撃力、推力及び回転力により掘削孔を削孔するような建設工具(掘削工具)においては、耐摩耗性と耐欠損性を高い水準で維持できる上記構成の掘削チップが有効である。
本発明の掘削チップ及びこれを用いた掘削工具によれば、掘削チップの先端部に、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで両立させて付与することができる。
本発明の一実施形態に係る掘削チップを示す側面図である。 掘削チップの製造に用いるプレス成型機及びプレス成型工程を説明する図である。 掘削チップの内部組織を模式的に表したイメージ図であり、(a)組織が均一化された状態、(b)組織内部にポアが形成された状態、(c)組織内部にバインダープールが形成された状態、をそれぞれ示している。 掘削チップの内部組織を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係る掘削チップ1及びこれを用いた掘削工具について、図面を参照して説明する。
本実施形態の掘削工具は、工具軸線回りに回転される柱状の工具本体(不図示)と、該工具本体の工具先端面に突設された複数の掘削チップ1と、を有しており、前記掘削チップ1に特別な構成を備えている。
図1(a)〜(c)において、掘削チップ1は、柱状をなしWC(炭化タングステン)及びCo(コバルト)を含んで作製された超硬合金製のチップ本体2を有しており、チップ本体2の軸O方向に沿う先端部(刃先部4)は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成されている。本実施形態のチップ本体2には、上記WC及びCo以外の成分として、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、V(バナジウム)、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、炭化物、複合炭化物から選択される少なくとも1種以上の添加材が含まれている。尚、前記炭化物としては、例えばCr(二炭化三クロム)、TiC(炭化チタン)、ZrC(炭化ジルコニウム)等が挙げられる。また、前記複合炭化物としては、例えばTaNbC(炭化タンタル−ニオブ)等が挙げられる。
ここで、本明細書においては、掘削チップ1において、チップ本体2の軸O方向に沿う刃先部4側(図1(a)〜(c)における上側)を先端側、軸O方向に沿う刃先部4とは反対側(図1(a)〜(c)における下側)を基端側という。また、軸O方向に直交する方向を径方向といい、軸O回りに周回する方向を周方向という。
チップ本体2は、全体として概略円柱状をなしており、工具本体に埋め込まれる円柱状の胴部3と、該工具本体の工具先端面から突出されて岩石等の地盤を掘り込む刃先部4と、これら胴部3と刃先部4との連結部分に形成される稜線部5と、を備えており、前記刃先部4がチップ本体2の先端部となっている。
図1(a)〜(c)に示される各チップ本体2の刃先部4の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面4aが、それぞれ形成されている。
具体的に、図1(a)における刃先部4は、先端側へ向けて凸となる半球状をなしており、該刃先部4の外面には、半球面状の刃先面4aが形成されている。
また、図1(b)における刃先部4は、その縦断面が先端側へ向けて凸となる放物線状又は半楕円形状をなしており、該刃先部4の外面には、凸曲面状の刃先面4aが形成されている。
また、図1(c)における刃先部4は、概略円錐状又は切頭円錐状をなすように形成されており、該刃先部4の外面には、稜線部5から先端側へ向かうに従い漸次径方向の内側へ向けて傾斜するテーパ面4bと、該テーパ面4bの先端側に配置されるとともに先端側へ向けて凸となる半球面状の刃先面4aと、が形成されている。
図1(a)〜(c)に示される各掘削チップ1において、稜線部5から刃先部4が先端側へ向けて突出する突出量(稜線部5と刃先面4aの先端との間の軸O方向に沿う距離)は、図1(a)、(b)、(c)の順に大きくされている。
一方、刃先部4の刃先面4aの曲率半径Rについては、図1(a)、(b)、(c)の順に小さくされている。
図1(a)の掘削チップ1における刃先部4の刃先面4aの曲率半径Rの中心は、稜線部5の基端側に位置している。また図1(a)において、刃先面4aの曲率半径Rの、チップ本体2の外径Dに対する比R/Dは、0.45〜0.55の範囲内とされている。
図1(b)の掘削チップ1における刃先部4の刃先面4aの曲率半径Rの中心は、稜線部5の先端側に位置している。また図1(b)において、刃先面4aの曲率半径Rの、チップ本体2の外径Dに対する比R/Dは、0.30〜0.40の範囲内とされている。
図1(c)の掘削チップ1における刃先部4の刃先面4aの曲率半径Rの中心は、稜線部5の先端側に位置している。また図1(c)において、刃先面4aの曲率半径Rの、チップ本体2の外径Dに対する比R/Dは、0.20〜0.30の範囲内とされている。
また、図1(a)〜(c)において、チップ本体2の稜線部5は、その縦断面が刃先部4の外面と胴部3の外周面との間で鈍角をなす概略凸V字状とされている。
次に、掘削チップ1の製造方法について説明する。
本実施形態の掘削チップ1は、原料作製工程、プレス成型工程、焼結工程を経て作製されている。また、前記焼結工程には、一次焼結工程及びシンターHIP(S−HIP)処理工程又はHIP処理工程が含まれる。
まず、原料作製工程では、上述したWC、Co及び添加材の各粉状体が混合・混練されて、混合物とされる。尚、本実施形態では、焼結後の掘削チップ1における硬質相がWC、結合相がCo基合金からなる超硬合金のうち、Co基合金の含有量が3〜25質量%、そのうちCr含有量が0〜2.5質量%となるように、上記混合物を作製した。
次いで、プレス成型工程では、上記混合物をプレス加工して、上述したチップ本体2の形状を有する圧粉体が成形される。
図2に示されるように、プレス成型工程に用いられるプレス成型機10は、円柱孔状の貫通孔が形成されたダイ11と、ダイ11の前記貫通孔に上方から挿入される上パンチ12と、下方から挿入される下パンチ13と、を備えている。これら上パンチ12及び下パンチ13は、プレス成型で得られる圧粉体(チップ本体2)の軸Oに同軸とされた前記貫通孔の中心軸方向に沿って、互いに進退移動(接近離間)可能とされている。
上パンチ12において下パンチ13側を向く下面は、チップ本体2の基端面の形状に対応して平面状に形成されている。また、下パンチ13において上パンチ12側を向く上面は、チップ本体2の先端部(刃先部4)の外面形状に対応して凹曲面状に形成されている。尚、これら下面及び上面の形状が、互いに反対であっても構わない。
また図2の例では、下パンチ13の上面形状が、図1(a)に示される掘削チップ1の刃先部4形状に対応しているが、図1(b)(c)に示される他の掘削チップ1をプレス成型する場合には、各刃先部4形状に対応した下パンチ13の上面形状とされる。
ここで、図2に示される矢印は、上パンチ12と下パンチ13とを接近移動させる向きの外力(圧力)が、下パンチ13の上面近傍で分散(拡散)されている状態を表している。すなわち、チップ本体2の先端部(刃先部4)が、先端側へ向けて縮径する半球状等の形状とされていることにより、プレス成型される圧粉体内の前記先端部でプレス圧が分散されやすくなり、そのため該先端部の内部には複数の空隙(ポア)が形成されることになる。これらのポアは、長さが5〜25μm程度とされており、チップ本体2の先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で単位面積あたりに含まれる数が少なくなるように形成されている。
次いで、焼結工程では、一次焼結工程及びS−HIP処理工程又はHIP処理工程が行われる。
具体的には、チップ本体2の先端部内に上記ポアが残るように一次焼結を行ったものに対して、S−HIP処理又はHIP処理(1250〜1400℃、1〜100MPa)を施すことで、該チップ本体2内において軟質のCoを主成分とする結合相が、液状となり又は塑性変形により、ポアをつぶすように該ポア内に移動(充満)させられる。
ここで、図3(a)〜(c)に示されるものは、掘削チップ1の内部組織を模式的に表すイメージ図である。本実施形態とは異なり従来のS−HIPのみにより焼結された掘削チップにおいては、チップ内部の組織全体が、図3(a)のようにWC(硬質相)とCoを主成分とする結合相とが規則的に配列され、組織が均一化されている。尚、本実施形態においても、チップ本体2の胴部3については、プレス成型時の圧力の分散が少なくポアが形成されにくいことから、焼結工程後においては図3(a)のように、硬質相と結合相とが規則的に配列され、組織が均一化されている。
一方、本実施形態におけるチップ本体2の先端部(刃先部4)については、一次焼結後は図3(b)のように組織中にポアが形成された状態となっている。この状態から、上記S−HIP処理又はHIP処理を施すことにより、ポア内に結合相が入り込むとともに該ポアがつぶされることで、図3(c)に2点鎖線(枠内)で示すバインダープール20が形成されることになる。
このように作製された掘削チップ1において、チップ本体2の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープール20が複数設けられ、前記先端部の単位面積あたりに含まれるバインダープール20の数は、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされている。
また、図3(c)に示されるバインダープール20からなる結合相部分は、図3(a)〜(c)に示されるポアを置換していない一般的なCo結合相部分に比べて、その形成領域(スペース)が広くなっている。バインダープール20はWCを含んでおらず、他の結合相と略同等の硬度・靱性(組成)を有している。
詳しくは、上記焼結工程を経て作製された掘削チップ1においては、WC(硬質相)とバインダープール20を含む結合相とが局所的に存在しているとともに、場所によって「硬度が高い部分(耐摩耗性が大)」と「靭性が高い部分(耐欠損性が大)」とが存在しており、この構造は特にプレス圧のかかりにくいチップ先端部(刃先部4)に生じやすくなっている。このWCとバインダープール20の比率をチップの中で場所ごとに調整する事で、建設工具(掘削工具)に適切な超硬チップを実現する事が可能となる。ここで前述のように、Coを強化する添加材を加えると、Coと添加材の合金プールとなりバインダープール20が強化されて、掘削時に結合が断たれ難くなる。上記組織構造と添加材の効果をあわせもつことによって、建設工具用の超硬合金として理想的な掘削チップ1を実現する事ができる。
そして、図4(a)に示される掘削チップ1(上記比R/Dが0.45〜0.55のもの)において、バインダープール20は、チップ本体2の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D(Dはチップ外径、以下同様)〜0.15Dmm以下の範囲(つまり図4(a)に符号T1で示す範囲であり、チップ先端部の外面(表面)から深さ0.1D〜0.15Dmmまでの範囲内)では、例えば光学顕微鏡等の顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜200個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T1は外面から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は150個である。
また図4(a)の掘削チップ1において、上記範囲T1よりもチップ内側に位置する範囲T2は、その範囲T1との境界(つまり範囲T1のチップ内側の端縁)からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲であり、当該範囲T2においてバインダープール20は、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに10〜150個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T2は、上記範囲T1との境界から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は100個である。
また、図4(b)に示される掘削チップ1(上記比R/Dが0.30〜0.40のもの)においては、バインダープール20は、チップ本体2の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲(図4(b)に符号T1で示す範囲)では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜250個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T1は外面から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は200個である。
また図4(b)の掘削チップ1において、上記範囲T1よりもチップ内側に位置する範囲T2は、その範囲T1との境界からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲であり、当該範囲T2においてバインダープール20は、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに10〜200個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T2は、上記範囲T1との境界から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は100個である。
また、図4(c)に示される掘削チップ1(上記比R/Dが0.20〜0.30のもの)においては、バインダープール20は、チップ本体2の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲(図4(c)に符号T1で示す範囲)では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに30〜300個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T1は外面から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は250個である。
また図4(c)の掘削チップ1において、上記範囲T1よりもチップ内側に位置する範囲T2は、その範囲T1との境界からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲であり、当該範囲T2においてバインダープール20は、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜250個形成されている。尚、望ましくは、上記範囲T2は、上記範囲T1との境界から深さ0.125Dmmまでの範囲内であり、この場合のバインダープール20の数は150個である。
尚、チップ本体2の先端部において単位面積あたりに含まれるバインダープール20の数は、該先端部の外面近傍からそのチップ内側へ向かって少なくされていることから、上述した図4(a)〜(c)の各掘削チップ1においては、範囲T1に含まれる単位面積あたりのバインダープール20の数が、そのチップ内側に位置する範囲T2に含まれる単位面積あたりのバインダープール20の数よりも、多くなっている。
以上説明した本実施形態に係る掘削チップ1及びこれを用いた掘削工具によれば、掘削チップ1の製造時に、チップ本体2の先端部にあえてポアを生じさせた上で、該ポアをCoを主成分とする「バインダープール20」に置き換えるという特別な構成(手法)を用いたことにより、作製後の掘削チップ1に、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで付与することが可能となった。
このように、ポアを置換して(つぶして)バインダープール20が形成されることで、従来、ポアが起点となって生じていたチップ破損が顕著に抑制されることになる。さらに、バインダープール20は、軟質の結合相(軟質相)とされていることから、掘削時における打撃の衝撃吸収部、並びにチップ本体2の先端部(刃先部4)外面に生じたクラックの進展抑止部として作用し、掘削チップ1の耐欠損性を顕著に向上させる。
そして、顕微鏡視野における単位面積あたりに含まれるバインダープール20の数が、チップ本体2の先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされているので(つまり前記外面近傍においてバインダープール20の数が最大となっているので)、上述した衝撃吸収部及びクラック進展抑止部としての作用が外面近傍で高められるとともに、衝撃やクラックの進展がチップ内側に伝わることが顕著に抑制されて、掘削チップ1の耐欠損性が大幅に向上される。
また、バインダープール20は、チップ本体2の先端部内において不規則に配置されたポアに置き換わって形成されているから、該バインダープール20以外の部位ではWCによる硬質相がやはり不規則な配置で形成されていて、これにより、チップ本体2の先端部に高いレベルの硬度を付与することが容易となり(つまり硬度の最大値を高めやすくなり)、この掘削チップ1は耐摩耗性にも優れたものとなっている。
このように、本実施形態では、チップ本体2の先端部にあえてポアを生じさせるとともに、該ポアをバインダープール20に置き換えることで消失させ、これに伴いチップ内部ではWCとCoとが不等間隔となるように不規則に配置され、組織も不均一化されて、チップ組織中の各部で耐摩耗性及び耐欠損性の両特性が変化するような構成を有することになり、チップ全体として前記両特性を高い水準で維持することが可能になる。これにより、掘削チップ1のうち特に掘削に寄与する先端部(刃先部4)において、所望の耐摩耗性及び耐欠損性を付与することが容易となった。
以上より、本実施形態の掘削チップ1及びこれを用いた掘削工具によれば、掘削チップ1の先端部に、耐摩耗性及び耐欠損性を高いレベルで両立させて付与することができる。
また、チップ本体2には、Cr、Ni、V、Ta、Nb、Ti、Zr、炭化物、複合炭化物から選択される少なくとも1種以上の添加材が含まれることから、下記の効果を奏する。
すなわち、原料作製工程でチップ本体2の成分として添加元素や添加炭化物(添加材)が加えられることで、作製後の掘削チップ1を構成する超硬合金の結合相はCo基合金となり、その強度、耐食性等を向上させることが可能になる。
具体的に、結合相の主元素(主成分)であるCoに、上記添加材から選択される少なくとも1種以上が添加されることでCo基合金が形成され、結合相を強化することが可能である。このように結合相が強化されることで、上記バインダープール20を含む結合相の摩耗による脱落が抑制され、ひいては結合相に保持されるWC(硬質相)の脱落も抑制されることとなって、チップ寿命が延長される。
また上記添加材には、チップ製造時においてWCの粒子成長を抑制する作用があり、また結合相の合金組織を種々の目的に応じ強化させ得る作用もあって、チップ硬度をさらに高めることが可能になるとともに、耐摩耗性が顕著に向上される。
特に、添加材としてCrを用いた場合には、WCの粒子成長を抑制する作用や、Coとともに合金を形成することで結合相の強度を向上させる作用がより顕著に得られることから、好ましい。
このように、添加材を加えた超硬合金を用いることで、結合相量が多い掘削チップ1においても摩耗の進行が顕著に抑制されて、チップ寿命が延長される。
特に、岩石等の地盤に対して打撃力、推力及び回転力により掘削孔を削孔するような建設工具(掘削工具)においては、耐摩耗性と耐欠損性を高い水準で維持できる上記構成の掘削チップ1が有効である。
また、図4(a)〜(c)に示される各掘削チップ1の形状(比R/D)に応じて、該掘削チップ1先端部の顕微鏡視野における単位面積あたりのバインダープール20の数が、本実施形態で説明した上記範囲に適宜設定されることにより、上述した効果がより顕著に得られることとなる。
具体的に、バインダープール20の数が上記範囲に満たない場合、掘削チップ1全体が均質な組織となる為、破壊靱性値(通称:K1C)のバラつきは少なくなる。つまり局所的にみても均質な硬度を得る事ができ、耐摩耗性については安定化する。しかしながら、打撃工具である掘削工具の掘削チップ1においては、上記範囲に満たない場合は十分な耐欠損性を得る事が難しく、上記範囲に達していることによって、不均一な組織が掘削チップ1の耐欠損性を向上させるのに有利にはたらくようになっている。
一方、バインダープール20の数が上記範囲を超える場合、掘削チップ1の外面(表面)に析出するバインダープール20が多くなり、掘削時に該バインダープール20が剥離(脱落)する量が増え、WCを保持する力も衰えて結果的に耐摩耗性が低下するおそれがある。
従って、本実施形態で説明したバインダープール20数の上記範囲が、このバランスを両立させられる好ましい範囲である。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、チップ本体2にCr、Ni、V、Ta、Nb、Ti、Zr、炭化物、複合炭化物から選択される少なくとも1種以上の添加材が含まれるとしたが、添加材が含まれていなくてもよい。この場合、掘削チップ1には、Coのみ(不可避不純物を除く)からなる結合相が形成されることになる。
また、前述の実施形態では、光学顕微鏡視野における単位面積あたりのバインダープール20の数を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば電子顕微鏡等、光学顕微鏡以外の顕微鏡視野における単位面積あたりのバインダープール20の数であってもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 掘削チップ
2 チップ本体
4 刃先部(先端部)
4a 刃先面(先端部の外面)
4b テーパ面(先端部の外面)
20 バインダープール
D 掘削チップの外径
O 軸方向
R 刃先面の曲率半径

Claims (5)

  1. WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、
    前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、
    前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、
    前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ
    前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、
    前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.45〜0.55の範囲内とされ、
    前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜200個形成されていることを特徴とする掘削チップ。
  2. WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、
    前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、
    前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、
    前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ、
    前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、
    前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.30〜0.40の範囲内とされ、
    前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに20〜250個形成されていることを特徴とする掘削チップ。
  3. WC及びCoを含んで作製された柱状のチップ本体を有し、
    前記チップ本体の軸方向に沿う先端部は、先端側へ向かうに従い縮径するように形成され、
    前記チップ本体の先端部には、Coを主成分とし、長さが5〜25μmとされたバインダープールが複数設けられ、
    前記先端部の単位面積あたりに含まれる前記バインダープールの数が、該先端部における外面近傍よりもそのチップ内側で少なくされ、
    前記チップ本体の先端部の外面には、先端側へ向けて凸となる断面凸曲線状の刃先面が形成され、
    前記刃先面の曲率半径Rの、前記チップ本体の外径Dに対する比R/Dが、0.20〜0.30の範囲内とされ、
    前記バインダープールは、前記チップ本体の先端部の外面からチップ内側へ向けた0.1D〜0.15Dmm以下の範囲では、顕微鏡視野における単位面積800μm×1000μmあたりに30〜300個形成されていることを特徴とする掘削チップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の掘削チップであって、
    前記チップ本体には、Cr、Ni、V、Ta、Nb、Ti、Zr、炭化物、複合炭化物から選択される少なくとも1種以上の添加材が含まれることを特徴とする掘削チップ。
  5. 工具軸線回りに回転される工具本体と、前記工具本体の工具先端面に突設された複数の掘削チップと、を備えた掘削工具であって、
    前記掘削チップとして、請求項1〜のいずれか一項に記載の掘削チップを用いたことを特徴とする掘削工具。
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