JP6147072B2 - 建具閉め装置および建具閉め装置の制御方法 - Google Patents

建具閉め装置および建具閉め装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、窓や扉等の開閉可能な建具を自動で閉めるための建具閉め装置に関する。また、本発明は、かかる建具閉め装置の制御方法に関する。
従来、引き違い窓を自動で開閉するための自動開閉装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の自動開閉装置は、一方の引き窓の縦框にブラケットを介して固定されるモータと、他方の引き窓の下框に固定されるラックギアとを備えている。モータの出力軸には、ピニオンギアが固定されており、このピニオンギアは、他方の引き窓に固定されるラックギアと噛み合っている。この自動開閉装置では、リモートコントローラからの操作によって、モータが起動し、引き違い窓が開いたり、閉じたりする。
特開平6−173528号公報
特許文献1に記載の自動開閉装置では、一方の引き窓の框にモータが固定され、他方の引き窓の框にラックギアが固定されている。そのため、この自動開閉装置を既存の引き違い窓に取り付ける場合には、モータおよびラックギアの取付が煩雑になる。すなわち、特許文献1に記載の自動開閉装置では、装置を既存の引き違い窓に取り付ける場合の作業が煩雑になる。
そこで、本発明の課題は、開閉可能な建具を自動で閉めるための建具閉め装置において、引き違い窓等の既存の設備に取り付ける場合であっても、その取付作業を容易に行うことが可能な建具閉め装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の建具閉め装置は、開閉可能な建具が内側に配置される建具枠に沿って配置されるレールと、レールに固定されるステーションユニットと、レールに係合するとともにレールに沿って移動する可動ユニットとを備え、可動ユニットは、可動ユニットをレールに沿って移動させるユニット駆動機構と、建具に接触して建具を閉めるアームとを備え、レールは、鉛直方向に直交する上壁部と、可動ユニットの移動方向に直交する方向における上壁部の両端のそれぞれにその上端が繋がる2個の側壁部とを有する略角溝状に形成され、ステーションユニットと可動ユニットとの間でレールの内側で光を用いた光無線通信が行われることを特徴とする。
本発明の建具閉め装置は、建具枠に沿って配置されるレールと、レールに固定されるステーションユニットと、レールに沿って移動する可動ユニットとを備えており、可動ユニットは、ユニット駆動機構と、建具に接触して建具を閉めるアームとを備えている。そのため、本発明では、建具枠に沿ってレールを設置し、ステーションユニットをレールに固定するとともに、可動ユニットをレールに係合させれば、引き違い窓等の既存の設備に建具閉め装置を取り付けることが可能になる。すなわち、本発明では、引き違い窓等の既存の設備を改造しなくても、引き違い窓等の既存の設備に建具閉め装置を取り付けることが可能になる。したがって、本発明では、引き違い窓等の既存の設備に建具閉め装置を取り付ける場合であっても、その取付作業を容易に行うことが可能になる。
また、本発明では、ステーションユニットと可動ユニットとの間で光無線通信が行われるため、ステーションユニットからの信号によって、可動ユニットを動作させる場合であっても、ステーションユニットと可動ユニットとを通信用の配線で接続する必要がない。したがって、本発明では、建具閉め装置の取付作業をより容易に行うことが可能になる。また、本発明では、ステーションユニットと可動ユニットとを通信用の配線で接続する必要がないため、通信用の配線が断線して可動ユニットが動作しなくなるといった問題も生じない。
また、本発明では、レールは、鉛直方向に直交する上壁部と、可動ユニットの移動方向に直交する方向における上壁部の両端のそれぞれにその上端が繋がる2個の側壁部とを有する略角溝状に形成され、ステーションユニットと可動ユニットとの間では、レールの内側で光無線通信が行われている。そのため、略角溝状に形成されるレールによって、ステーションユニットと可動ユニットとの間の光無線通信が行われる箇所へ外乱光が入り込むのを抑制することが可能になる。したがって、外乱光に起因する可動ユニットの誤動作を防止することが可能になる。
本発明において、可動ユニットは、アームを駆動するアーム駆動機構を備え、アーム駆動機構は、建具にアームが接触可能な接触位置と、可動ユニットの移動時に建具に接触しないようにアームが退避する退避位置とにアームを移動させることが好ましい。このように構成すると、建具閉め装置が取り付けられる既存の設備の種類にかかわらず、可動ユニットが移動する際のアームと建具との干渉を防止することが可能になる。
本発明において、建具閉め装置は、建具が開かないように建具を固定する錠を備え、可動ユニットは、錠を閉める錠用アームを備え、アーム駆動機構は、錠用アームを移動させて錠を閉めることが好ましい。このように構成すると、錠用アームによって錠を自動で閉めることが可能になり、建具閉め装置が取り付けられる家屋等の防犯効果を高めることが可能になる。また、このように構成すると、建具を閉めるために必要とされる形状にアームを形成し、錠を閉めるために必要とされる形状に錠用アームを形成すれば良いため、アームおよび錠用アームの形状を簡素化することが可能になる。
本発明において、建具閉め装置は、建具が開かないように建具を固定する錠を備え、アーム駆動機構は、アームを移動させて錠を閉めても良い。この場合には、アームによって錠を自動で閉めることが可能になり、建具閉め装置が取り付けられる家屋等の防犯効果を高めることが可能になる。また、この場合には、アームに加えて、錠を閉めるための錠用アームを別途設ける必要がないため、可動ユニットの部品点数を削減することが可能になる。
本発明において、たとえば、ステーションユニットから可動ユニットへ可動ユニットを動作させるための信号が送信され、可動ユニットからステーションユニットへ錠の施錠の成否を知らせるための信号が送信される。この場合には、ステーションユニット側で、施錠の成否を把握することが可能になる。
本発明において、ステーションユニットは、リモートコントローラまたは携帯端末機器と電波を用いた無線通信を行うことが好ましい。このように構成すると、遠隔操作によって可動ユニットを動作させて建具を閉めることが可能になる。たとえば、外出先からの携帯端末機器を用いた遠隔操作によって可動ユニットを動作させて、留守中の家屋の建具を閉めることが可能になる。
本発明において、可動ユニットは、アームを駆動するアーム駆動機構と、ユニット駆動機構およびアーム駆動機構に電力を供給する蓄電池とを備えることが好ましい。このように構成すると、可動ユニットに電力供給用の配線を接続しなくても良いため、建具閉め装置の取付作業をより容易に行うことが可能になる。
本発明において、ステーションユニットは、蓄電池を非接触充電するための送電コイルを備え、可動ユニットは、蓄電池を非接触充電するための受電コイルを備えることが好ましい。蓄電池を自動で接触充電させる場合には、ステーションユニットと可動ユニットとを連結し、かつ、この連結状態を維持する必要があるため、ステーションユニットと可動ユニットとを連結するための構成や連結状態を維持するための構成が必要となる。これに対して、このように構成すると、蓄電池を充電する際にステーションユニットと可動ユニットとを連結する必要がなくなり、ステーションユニットと可動ユニットとを連結するための構成や連結状態を維持するための構成が不要になる。したがって、建具閉め装置の構成を簡素化することが可能になる。
本発明において、建具は、引き違い窓を構成する第1窓および第2窓であり、第1窓は、室外側に配置され、第2窓は、室内側に配置され、可動ユニットは、第1窓の開閉状態を非接触で検知するための第1センサと、第1窓の開閉状態を検知する際の可動ユニットの位置である第1検知位置、および、錠を閉める際の可動ユニットの位置である第2検知位置を非接触で検知するための第2センサとを備えることが好ましい。このように構成すると、可動ユニット側の第1センサと第1窓とを接触させる必要がなく、また、レールや建具等の固定側の部材と可動ユニット側の第2センサとを接触させる必要がない。したがって、建具閉め装置の取付精度がそれほど高くなくても、第1窓の開閉状態を検知すること、および、第1検知位置と第2検知位置とを検知することが可能になる。したがって、建具閉め装置の取付作業をより容易に行うことが可能になる。
本発明において、たとえば、第1センサは、第1窓に向かって光を射出する発光素子と、第1窓で反射された光を受光可能な受光素子とを有する光学センサである。また、本発明において、たとえば、第2センサは、磁気センサであり、レールには、第1検知位置を検知するための第1磁石と、第2検知位置を検知するための第2磁石とが固定されている。
本発明において、レールは、第1窓および第2窓の開閉方向に可動ユニットが移動するように、かつ、第1窓の閉方向における建具枠の外側まで可動ユニットが移動可能となるように配置され、アーム駆動機構は、第1窓にアームが接触可能な接触位置としての第1接触位置と、第2窓にアームが接触可能な接触位置としての第2接触位置とにアームを移動させることが好ましい。このように構成すると、建具閉め装置が使用されていないときに、第1窓の閉方向における建具枠の外側で可動ユニットを待機させることが可能になる。したがって、可動ユニットの影響で引き違い窓の採光性が低下するのを防止することが可能になる。また、このように構成すると、共通のアームを用いて、第1窓と第2窓とを閉めることができるため、可動ユニットの部品点数を削減することが可能になる。
また、この場合の建具閉め装置は、たとえば、第1窓の閉方向における建具枠の外側にある可動ユニットを第1検知位置まで移動させて第1窓の開閉状態を検知する開閉状態検知ステップと、開閉状態検知ステップ後、第2接触位置までアームを移動させた状態で第2窓の閉方向へ、かつ、第2検知位置まで可動ユニットを移動させる第1可動ユニット移動ステップと、開閉状態検知ステップで第1窓が開いていることが検知された場合、第1可動ユニット移動ステップ後に、第1接触位置までアームを移動させた状態で第1窓の閉方向へ、かつ、第1窓が閉まるまで可動ユニットを移動させる第2可動ユニット移動ステップと、第2可動ユニット移動ステップ後、第2検知位置まで可動ユニットを移動させる第3可動ユニット移動ステップと、第3可動ユニット移動ステップ後、錠を閉める第1施錠ステップと、開閉状態検知ステップで第1窓が閉じていることが検知された場合、第1可動ユニット移動ステップ後に、錠を閉める第2施錠ステップとを備える建具閉め装置の制御方法によって制御される。この制御方法によれば、第2窓を閉めることが可能でありながら、第2窓の開閉状態が検知されない。したがって、この制御方法によれば、第2窓の開閉状態を検知する場合と比較して、建具閉め装置の制御を簡素化しつつ、第2窓を閉めることが可能になる。また、この制御方法によれば、第2窓の開閉状態を検知する場合と比較して、第1窓および第2窓の窓閉め動作と施錠動作とを短時間で行うことが可能になる。
以上のように、本発明の建具閉め装置では、引き違い窓等の既存の設備に建具閉め装置を取り付ける場合であっても、その取付作業を容易に行うことが可能になる。また、本発明の建具閉め装置の制御方法によれば、建具閉め装置の制御を簡素化しつつ、第2窓を閉めることが可能になるとともに、窓閉め動作と施錠動作とを短時間で行うことが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる建具閉め装置が引き違い窓に取り付けられた状態を示す斜視図である。 図1に示す建具閉め装置を用いた窓閉めシステムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示すレールおよび可動ユニットの上端側部分を示す側面図である。 図1に示すステーションユニットの内部構造を説明するための正面図である。 図1に示す可動ユニットの内部構造を説明するための正面図である。 図3のE−E断面の断面図である。 図3のF−F断面の断面図である。 図5に示すアーム、錠用アーム、アーム駆動機構およびクランプ機構の正面図である。 図8のG−G方向からアーム、錠用アーム、アーム駆動機構およびクランプ機構を示す側面図である。 (A)は、図8のH−H断面の断面図であり、(B)は、図8のJ−J断面の断面図である。 (A)は、図8のK−K断面の断面図であり、(B)は、図8のL−L断面の断面図である。 図5に示すアームが退避位置にあるときの状態を示す図である。 図5に示すアームが内窓に接触可能な第2接触位置にあるときの状態を示す図である。 図5に示すクランプ機構を説明するための図である。 図14に示すクランプ機構が可動ユニットを固定しているときの状態を示す図である。 図1に示す錠の内部構造を説明するための側面図である。 図16に示す錠の動作を説明するための側面図である。 図16に示す錠の動作を説明するための側面図である。 図16に示す錠の動作を説明するための側面図である。 図1に示す可動ユニットの動作フローの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(建具閉め装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる建具閉め装置1が引き違い窓2に取り付けられた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す建具閉め装置1を用いた窓閉めシステム15の概略構成を示すブロック図である。
本形態の建具閉め装置1は、開閉可能な建具である窓を自動で閉めるための装置である。したがって、以下では、本形態の建具閉め装置1を「窓閉め装置1」とする。この窓閉め装置1は、図1に示すように、水平方向に開閉する引き違い窓2に取り付けられている。引き違い窓2は、室外側に配置される第1窓としての外窓3と、室内側に配置される第2窓としての内窓4と、開閉可能な外窓3および内窓4が内側に配置される建具枠としての窓枠5とを備えている。窓閉め装置1は、外窓3および内窓4を自動で閉める。
外窓3および内窓4は、長方形状の窓ガラスと、この窓ガラスの周囲を囲む框とから構成されている。外窓3および内窓4の框は、たとえば、アルミニウム合金製であり、光を反射する。窓枠5は、たとえば、外窓3および内窓4をその開閉方向へ案内するガイドを有する長方形状の内枠6と、内枠6の外側に配置される長方形状の外枠7とから構成されている。また、たとえば、内枠6はアルミニウム合金製であり、外枠7は木製である。
以下の説明では、外窓3および内窓4の移動方向(図1等のX方向)を左右方向とし、外窓3および内窓4の厚さ方向(図1等のY方向)を前後方向とする。また、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「手前(前)」側、Y2方向側を「奥(後ろ)」側とする。本形態では、引き違い窓2が閉まっているときに、外窓3は左側に配置され、内窓4は右側に配置されている。すなわち、本形態では、左方向は、外窓3が閉じる方向(外窓3の閉方向)であるとともに内窓4が開く方向(内窓4の開方向)である。また、右方向は、外窓3が開く方向(外窓3の開方向)であるとともに内窓4が閉じる方向(内窓4の閉方向)である。また、本形態では、手前側は室内側であり、奥側は室外側である。また、以下の説明では、左側から見たときの時計回りの方向を「時計方向」とし、左側から見たときの反時計回りの方向を「反時計方向」とする。
窓閉め装置1は、窓枠5に沿って配置されるレール10と、レール10に固定されるステーションユニット11と、外窓3および内窓4が開かないように外窓3および内窓4を固定する錠12と、レール10に係合するとともにレール10に沿って移動する可動ユニット13とを備えている。ステーションユニット11と可動ユニット13との間では、光または電波を用いた情報の通信を行うことが可能となっている。すなわち、ステーションユニット11と可動ユニット13との間では、光無線通信または無線通信を行うことが可能となっている。本形態では、ステーションユニット11と可動ユニット13との間で赤外線(赤外光)を用いた光無線通信を行うことが可能となっている。なお、ステーションユニット11と可動ユニット13との間で可視光線を用いた光無線通信を行うことが可能となっていても良い。
また、窓閉め装置1は、たとえば、図2に示す窓閉めシステム15に用いられる。窓閉めシステム15は、室内に配置される窓閉め装置1、室内に配置される無線LANルータ16、および、スマートフォン等の携帯端末機器17等によって構成されている。ステーションユニット11と携帯端末機器17との間では、無線LANルータ16を介して、電波を用いた情報の通信を行うことが可能となっている。すなわち、ステーションユニット11と携帯端末機器17との間では、無線LANルータ16を介して、無線通信を行うことが可能となっている。なお、窓閉めシステム15では、携帯端末機器17に代えて、リモートコントローラが使用されても良い。
(レールの構成)
図3は、図1に示すレール10および可動ユニット13の上端側部分を示す側面図である。
レール10は、下端側の一部および左右の両端が開口する左右に細長い略角溝状に形成されており、可動ユニット13は左右方向へ移動可能となっている。すなわち、本形態では、左右方向は、可動ユニット13の移動方向となっている。また、図1に示すように、レール10は、複数のブラケット18を介して外枠7の上端部に固定されている。このレール10は、外枠7の上端部の手前側に配置されている。
左右方向におけるレール10の長さは、左右方向における外枠7の長さよりも長くなっており、レール10の左右の両端のそれぞれは、外枠7の左右の両端のそれぞれよりも左右方向の外側へ突出している。本形態では、左右方向における外枠7の外側まで可動ユニット13の全体が移動可能となるように、レール10の左右の両端のそれぞれは、外枠7の左右の両端のそれぞれよりも左右方向の外側へ突出している。
レール10は、上壁部10aと2個の側壁部10bと2個の下壁部10cと2個のガイド壁部10dとから構成されている。上壁部10aは、上下方向(鉛直方向)に直交するとともに左右方向に細長い長方形の平板状に形成されている。側壁部10bは、前後方向に直交するとともに左右方向に細長い長方形の平板状に形成されており、側壁部10bの上端は、上壁部10aの前後両端に繋がっている。下壁部10cは、上下方向に直交するとともに左右方向に細長い長方形の平板状に形成されており、前後方向における下壁部10cの外側端は、側壁部10bの下端に繋がっている。ガイド壁部10dは、前後方向に直交するとともに左右方向に細長い長方形の平板状に形成されており、ガイド壁部10dの下端は、前後方向における下壁部10cの内側端に繋がっている。前後方向における2個のガイド壁部10dの間には、可動ユニット13の上端側の一部が配置される隙間が形成されている。また、ガイド壁部10dの高さは、側壁部10bの高さよりも低くなっている。
下壁部10cの上面は、可動ユニット13を構成する後述の駆動ローラ50の下端および従動ローラ51の下端が接触するローラ接触面10eとなっている。上述のように、ガイド壁部10dは、前後方向に直交する平板状に形成され、ガイド壁部10dの下端は、前後方向における下壁部10cの内側端に繋がっている。すなわち、ガイド壁部10dは、上下方向と左右方向とから構成される平面に平行に形成されるとともに、ローラ接触面10eから垂直に立ち上っている。
(ステーションユニットの構成)
図4は、図1に示すステーションユニット11の内部構造を説明するための正面図である。
ステーションユニット11は、可動ユニット13と光無線通信を行うための赤外線通信モジュール20と、携帯端末機器17と無線通信を行うための無線通信モジュール21と、可動ユニット13が有する後述の蓄電池35を非接触充電するための送電コイル22と、送電コイル22に電流を供給する給電モジュール23(図2参照)と、これらの構成が収容されるケース体24とを備えている。図2に示すように、赤外線通信モジュール20、無線通信モジュール21および給電モジュール23は、ステーションユニット11のコントローラ25に接続されている。
赤外線通信モジュール20は、赤外線を射出する発光素子と、赤外線を受光する受光素子と、この発光素子および受光素子が実装される基板とを備えている。この赤外線通信モジュール20は、ステーションユニット11の上端側に配置されている。また、赤外線通信モジュール20は、発光素子が右側に向かって赤外線を射出し、かつ、受光素子が右側から入射する赤外線を受光するように配置されている。無線通信モジュール21は、赤外線通信モジュール20の下側に配置されている。
送電コイル22は、ステーションユニット11の下端側に配置されている。また、送電コイル22は、ステーションユニット11の右端側に配置されている。給電モジュール23は、送電コイル22の左側に配置されている。給電モジュール23には、送電コイル22の両端部が接続されている。また、図2に示すように、給電モジュール23には、所定のケーブルを介して、外部電源(より具体的には交流電源)26が接続されている。
ケース体24は、直方体の箱状に形成されている。このケース体24は、レール10の左端に固定されている。具体的には、ケース体24は、ケース体24の上端とレール10の上端(すなわち、上壁部10aの上面)とが略一致するように、レール10の左端に固定されている。
(可動ユニットの全体構成)
図5は、図1に示す可動ユニット13の内部構造を説明するための正面図である。
可動ユニット13は、引き違い窓2の手前側に配置されており、外窓3および内窓4を閉めるとともに、錠12を閉める。この可動ユニット13は、可動ユニット13をレール10に沿って移動させるユニット駆動機構30と、外窓3および内窓4に接触して外窓3および内窓4を閉めるアーム31と、錠12を閉める錠用アームとしてのアーム32と、アーム31、32を駆動するアーム駆動機構33とを備えている。また、可動ユニット13は、錠12を閉めるときにレール10に対して可動ユニット13を固定するためのクランプ機構34と、ユニット駆動機構30およびアーム駆動機構33に電力を供給する蓄電池35と、蓄電池35を非接触充電するための受電コイル36と、ステーションユニット11と光無線通信を行うための赤外線通信モジュール37とを備えている。
さらに、可動ユニット13は、外窓3の開閉状態を非接触で検知するための第1センサ38と、外窓3の開閉状態を検知する際の可動ユニット13の位置および錠12を閉める際の可動ユニット13の位置を非接触で検知するための第2センサ39とを備えている。また、可動ユニット13は、アーム31、32、アーム駆動機構33、蓄電池35および受電コイル36等が収容されるケース体40を備えている。ケース体40は、直方体の箱状に形成されている。図2に示すように、蓄電池35、赤外線通信モジュール37、第1センサ38および第2センサ39は、可動ユニット13のコントローラ41に接続されている。
ユニット駆動機構30は、可動ユニット13の上端側に配置されており、可動ユニット13の上端側部分を構成している。このユニット駆動機構30は、略角溝状に形成されるレール10の内側(すなわち、上壁部10aと2個の側壁部10bとに囲まれた空間の中)に配置されている。蓄電池35および受電コイル36は、ユニット駆動機構30の下側に配置されている。また、受電コイル36は、可動ユニット13の左端側に配置され、蓄電池35は、受電コイル36の右側に配置されており、受電コイル36および蓄電池35は、可動ユニット13の左下側部分を構成している。受電コイル36の両端部は、受電モジュールに接続され、受電モジュールは、蓄電池35に接続されている。蓄電池35は、たとえば、リチウムイオン電池である。
アーム31、32およびアーム駆動機構33は、ユニット駆動機構30の下側に配置されている。また、アーム31、32およびアーム駆動機構33は、蓄電池35の右側に配置されており、可動ユニット13の右下側部分を構成している。クランプ機構34を構成する後述のクランプ部材68およびカム部材69等は、上下方向において、アーム31、32、アーム駆動機構33および蓄電池35と、ユニット駆動機構30との間に配置されている。
赤外線通信モジュール37は、赤外線を射出する発光素子と、赤外線を受光する受光素子と、この発光素子および受光素子が実装される基板とを備えている。この赤外線通信モジュール37は、可動ユニット13の上端側に配置されている。また、赤外線通信モジュール37は、発光素子が左側に向かって赤外線を射出し、かつ、受光素子が左側から入射する赤外線を受光するように、可動ユニット13の左端側に配置されている。具体的には、赤外線通信モジュール37は、その発光素子が赤外線通信モジュール20の受光素子に向かって赤外線を射出し、かつ、その受光素子が赤外線通信モジュール20の発光素子から射出された赤外線を受光するように配置されている。本形態では、略角溝状に形成されるレール10の内側で、赤外線通信モジュール20と赤外線通信モジュール37との間の光無線通信が行われるように、赤外線通信モジュール37がレール10の内側に配置されている。すなわち、赤外線通信モジュール20と赤外線通信モジュール37との間では、略角溝状に形成されるレール10の内側で光無線通信が行われる。
第1センサ38は、外窓3に向かって(すなわち、奥側に向かって)光を射出する発光素子と、外窓3で反射された光を受光可能な受光素子とを有する光学センサである。本形態では、第1センサ38の発光素子は赤外線を射出し、第1センサ38の受光素子は赤外線を受光可能となっている。この第1センサ38は、受電コイル36の上側に配置されている。また、第1センサ38は、外窓3の框の上端部分に向かって赤外線を射出するように配置されている。なお、第1センサ38の発光素子が可視光線を射出し、第1センサ38の受光素子が可視光線を受光可能となっていても良い。
第2センサ39は、ホール素子や磁気抵抗効果素子等を有する磁気センサである。この第2センサ39は、可動ユニット13の左上端側に配置されている。また、第2センサ39は、レール10の内側に配置されている。本形態では、図3に示すように、前後方向に所定の間隔をあけた状態で2個の第2センサ39が配置されている。図1に示すように、レール10の上壁部10aの上面には、外窓3の開閉状態を検知する際の可動ユニット13の位置を第2センサ39とともに検知するための第1磁石を保持する磁石ホルダ45と、錠12を閉める際の可動ユニット13の位置を第2センサ39とともに検知するための第2磁石を保持する磁石ホルダ46とが固定されている。また、レール10の上壁部10aの上面には、可動ユニット13が待機位置にあることを第2センサ39とともに検知するための第3磁石を保持する磁石ホルダ47が固定されている。
磁石ホルダ45には、2個の第2センサ39に対応するように、2個の第1磁石が前後方向に所定の間隔をあけた状態で固定され、磁石ホルダ46には、2個の第2センサ39に対応するように、前後方向に所定の間隔をあけた状態で2個の第2磁石が固定されている。また、磁石ホルダ47には、2個の第2センサ39に対応するように、前後方向に所定の間隔をあけた状態で2個の第3磁石が固定されている。
磁石ホルダ45に固定される第1磁石は、第2センサ39が第1磁石を検知したときに、第1センサ38の発光素子が内枠6の左端部分よりもわずかに右側に配置されるように設置されている。また、本形態では、後述のように、第2センサ39が第1磁石を検知すると、可動ユニット13が停止して、第1センサ38の発光素子から赤外線が射出される。第2センサ39が第1磁石を検知して可動ユニット13が停止したときに、外窓3が完全に閉まっていれば、第1センサ38から射出された赤外線は、外窓3の框の左上端部分で反射されて第1センサ38の受光素子で受光される。一方で、このときに、外窓3が少しでも開いていると、第1センサ38から射出された赤外線は、反射されず、第1センサ38の受光素子で受光されない。このように、第1センサ38の発光素子から射出された赤外線が第1センサ38の受光素子で受光されるか否かによって、外窓3の開閉状態が検知される。本形態では、第1センサ38の発光素子が内枠6の左端部分よりもわずかに右側に配置されるときの可動ユニット13の位置が、外窓3の開閉状態を検知する際の可動ユニット13の位置である第1検知位置となっている。
後述のように、アーム31は開いている内窓4に接触し、内窓4を移動させて閉める。磁石ホルダ46に固定される第2磁石は、第2センサ39が第2磁石を検知したときに、アーム31が接触して移動させる内窓4が完全に閉まる位置に設置されている。また、本形態では、後述のように、外窓3が閉まっている状態で、第2センサ39が第2磁石を検知しているときに、アーム32によって錠12が閉められる。本形態では、アーム31が移動させる内窓4が完全に閉まったときの可動ユニット13の位置が、錠12を閉める際の可動ユニット13の位置である第2検知位置となっている。
磁石ホルダ47に固定される第3磁石は、第2センサ39が第3磁石を検知したときに、可動ユニット13がステーションユニット11の右横に隣接配置されるように設置されている。本形態では、可動ユニット13がステーションユニット11の右横に隣接するときの可動ユニット13の位置が可動ユニット13の待機位置となっている。すなわち、待機状態にある可動ユニット13は、レール10の左端側で停止している。可動ユニット13が待機位置にあるときには、可動ユニット13の全体が外枠7の左端よりも左側に配置されている。また、このときには、ステーションユニット11の送電コイル22と可動ユニット13の受電コイル36とが左右方向で対向しており、蓄電池35の非接触充電が可能となっている。蓄電池35の蓄電量が少なくなっている場合には、可動ユニット13が待機位置にあるときに、蓄電池35の充電が行われる。
(ユニット駆動機構の構成)
図6は、図3のE−E断面の断面図である。図7は、図3のF−F断面の断面図である。
ユニット駆動機構30は、モータ48と、複数の歯車によって構成される歯車列49と、歯車列49を介してモータ48に連結される2個の駆動ローラ50と、モータ48と切り離されている2個の従動ローラ51と、可動ユニット13のがたつきを防止するための4個のガイドローラ52と、可動ユニット13の浮き上がりを防止するためのローラ65とを備えている。モータ48は、ユニット駆動機構30の右端側に配置されている。また、モータ48は、図2に示すように、モータドライバ53に接続され、モータドライバ53は、コントローラ41に接続されている。
駆動ローラ50および従動ローラ51は、ユニット駆動機構30のフレームに回転可能に保持されており、前後方向を回転の軸方向として回転する。2個の駆動ローラ50は、ユニット駆動機構30の左端側に配置され、2個の従動ローラ51は、ユニット駆動機構30の右端側に配置されている。すなわち、駆動ローラ50と従動ローラ51とは、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、2個の駆動ローラ50のそれぞれは、ユニット駆動機構30の前後方向の両側のそれぞれに配置され、2個の従動ローラ51のそれぞれは、ユニット駆動機構30の前後方向の両側のそれぞれに配置されている。また、駆動ローラ50および従動ローラ51は、前後方向において、側壁部10bとガイド壁部10dの間に配置されており、駆動ローラ50の下端および従動ローラ51の下端は、レール10のローラ接触面10eに接触している(図3参照)。
駆動ローラ50は、モータ48からの駆動力によって回転する。一方、従動ローラ51は、駆動ローラ50の回転によって可動ユニット13が移動すると、この可動ユニット13の移動に伴って回転する。なお、上述のように、蓄電池35は、可動ユニット13の左下側部分を構成しており、図5に示すように、左右方向において、従動ローラ51よりも駆動ローラ50に近い位置に配置されている。本形態では、蓄電池35は、前後方向から見たときに、駆動ローラ50の下側に配置されている。
ガイドローラ52は、ユニット駆動機構30のフレームに回転可能に保持されており、上下方向(鉛直方向)を回転の軸方向として回転する。図3に示すように、4個のガイドローラ52は、ユニット駆動機構30の前端側に配置されている。また、4個のガイドローラ52は、ユニット駆動機構30の下端側に配置されている。4個のガイドローラ52のうちの2個のガイドローラ52は、駆動ローラ50よりも左側に配置され、残りの2個のガイドローラ52は、従動ローラ51よりも右側に配置されている。駆動ローラ50よりも左側に配置される2個のガイドローラ52は、図3に示すように、前側に配置されるガイド壁部10dを前後方向で挟むように配置されており、ガイド壁部10dの前後の側面のそれぞれに接触している。同様に、従動ローラ51よりも右側に配置される2個のガイドローラ52も、前側に配置されるガイド壁部10dを前後方向で挟むように配置されており、ガイド壁部10dの前後の側面のそれぞれに接触している。
ローラ65は、ユニット駆動機構30のフレームに回転可能に保持されており、前後方向を軸方向として回転する。このローラ65は、ユニット駆動機構30の右上端側に配置されている。また、図3に示すように、ローラ65は、前後方向における可動ユニット13の略中心に配置されている。ローラ65の上端は、上壁部10aの下面に接触している。なお、本形態では、歯車列49または駆動ローラ50にトルクリミッタが設けられており、移動時の可動ユニット13に過負荷がかかると、駆動ローラ50が空転する。
(アームおよびアーム駆動機構の構成)
図8は、図5に示すアーム31、32、アーム駆動機構33およびクランプ機構34の正面図である。図9は、図8のG−G方向からアーム31、32、アーム駆動機構33およびクランプ機構34を示す側面図である。図10(A)は、図8のH−H断面の断面図であり、図10(B)は、図8のJ−J断面の断面図である。図11(A)は、図8のK−K断面の断面図であり、図11(B)は、図8のL−L断面の断面図である。図12は、図5に示すアーム31が退避位置31Aにあるときの状態を示す図である。図13は、図5に示すアーム31が内窓4に接触可能な第2接触位置31Cにあるときの状態を示す図である。
アーム31は、略円板状に形成される基部31aと、基部31aから径方向の外側へ突出する接触部31bおよび磁石保持部31cとを備えている。基部31aは、アーム駆動機構33を構成する後述の出力歯車59の左端面に固定されており、左右方向を回動の軸方向とする回動が可能となっている。また、基部31aは、ケース体40の中に配置されている。
図10(A)に示すように、接触部31bと磁石保持部31cとは、互いに略直交する方向へ突出している。接触部31bの長さは、磁石保持部31cの長さよりも長くなっている。接触部31bは、ケース体40の奥側へ突出可能となっており、この接触部31bが外窓3および内窓4に接触して外窓3および内窓4を閉める。磁石保持部31cは、ケース体40の中に配置されており、ケース体40の外側へ突出することはない。磁石保持部31cの先端側には、磁石54が固定されている。
基部31aの左端面には、略1/4円弧状に形成された2個の磁石55が固定されている。2個の磁石55は、基部31aの周方向においてわずかな隙間をあけた状態で、基部31aの左端面に固定されている。また、2個の磁石55は、基部31aの周方向における2個の磁石55の間の隙間の中心と、基部31aの周方向における接触部31bの中心とが、基部31aの周方向で略一致するように固定されている。2個の磁石55は、その右面の磁極と左面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。また、図10(A)に示すように、一方の磁石55の左面の磁極と他方の磁石55の左面の磁極とが異なる磁極となるように(すなわち、一方の磁石55の右面の磁極と他方の磁石55の右面の磁極とが異なる磁極となるように)着磁されている。
アーム32は、略円板状に形成される基部32aと、基部32aから外周側へ突出する施錠部32bとを備えている。基部32aは、アーム駆動機構33を構成する後述の出力歯車60の左端面に固定されており、左右方向を回動の軸方向とする回動が可能となっている。また、基部32aは、ケース体40の中に配置されている。施錠部32bの長さは、アーム31の接触部31bの長さよりも短くなっている。施錠部32bは、ケース体40の奥側へ突出可能となっており、この施錠部32bが錠12を構成する後述のスライド部材80に接触して錠12を閉める。
アーム駆動機構33は、モータ56と、複数の歯車によって構成されモータ56の動力を伝達する歯車列57とを備えている。モータ56は、アーム駆動機構33の右端側に配置されている。また、モータ56は、図2に示すように、モータドライバ58に接続され、モータドライバ58は、コントローラ41に接続されている。歯車列57は、モータ56からの動力伝達方向の出力端に配置される出力歯車59および出力歯車60を備えている。出力歯車59は、左右方向を回転の軸方向として回転するように、アーム駆動機構33のフレームに固定される固定軸61に回転可能に保持され、出力歯車60は、左右方向を回転の軸方向として回転するように、アーム駆動機構33のフレームに固定される固定軸62に回転可能に保持されている。
出力歯車59および出力歯車60は、アーム駆動機構33の左端側に配置されている。図10(B)に示すように、出力歯車59と出力歯車60とは、左右方向から見たときに上下方向で重なっている。すなわち、左右方向から見たときに、固定軸61と固定軸62とは上下方向で重なっている。本形態では、左右方向から見たときに、出力歯車59が上側に配置され、出力歯車60が下側に配置されている。出力歯車59の左端面には、アーム31の基部31aが固定されている。出力歯車60の左端面には、アーム32の基部32aが固定されている。すなわち、アーム31とアーム32とは、歯車列57を介して共通のモータ56に連結されている。本形態では、アーム31の回動方向とアーム32の回動方向とが逆方向になるように、歯車列57が構成されている。
また、歯車列57は、モータ56からの動力伝達方向の中間位置に配置される中間歯車63を備えている(図11(A)参照)。中間歯車63は、左右方向を回転の軸方向として回転するように、アーム駆動機構33のフレームに固定される固定軸64に回転可能に保持されている。中間歯車63には、クランプ機構34を構成する後述のスライド部材71のラック部71aが噛み合っている。
アーム駆動機構33は、アーム31の接触部31bがケース体40の中に収容されて可動ユニット13の移動時に外窓3および内窓4に接触しないように退避する退避位置31A(図12に示す位置)と、接触部31bがケース体40の奥側へ突出して外窓3に接触可能となる第1接触位置31B(図8、図9、図10(A)に示す位置)と、接触部31bがケース体40の奥側へ突出して内窓4に接触可能となる第2接触位置31C(図13に示す位置)との間で、アーム31を回動させる。すなわち、アーム駆動機構33は、外窓3や内窓4にアーム31が接触可能な接触位置31B、31Cと、可動ユニット13の移動時に外窓3および内窓4に接触しないようにアーム31が退避する退避位置31Aとにアーム31を移動させる。
本形態では、退避位置31Aにあるアーム31は、時計方向へ回動して、第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cへ移動する。上述のように、歯車列57は、アーム31の回動方向とアーム32の回動方向とが逆方向になるように構成されているため、アーム31が時計方向へ回動すると、アーム32は反時計方向へ回動する。また、本形態では、アーム31が、退避位置31Aにあるとき、第1接触位置31Bにあるとき、および、第2接触位置31Cにあるときのいずれの場合でも、アーム32の施錠部32bは、ケース体40の中に収容されている。
なお、アーム駆動機構33は、退避位置31A、第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cのそれぞれを検知するための磁気センサ(図示省略)を備えている。退避位置31Aを検知する磁気センサは、基部31aの周方向において隣り合う2個の磁石55の磁極の切り替わりをこの磁気センサが検知したときにアーム31が退避位置31Aに配置されるように設置されている。第1接触位置31Bを検知する磁気センサは、この磁気センサが磁石54を検知したときにアーム31が第1接触位置31Bに配置されるように設置されている。第2接触位置31Cを検知する磁気センサは、この磁気センサが磁石54を検知したときにアーム31が第2接触位置31Cに配置されるように設置されている。これらの磁気センサは、コントローラ41に接続されている。また、これらの磁気センサは、センサ基板42(図5参照)に実装されており、アーム31の左側に配置されている。
(クランプ機構の構成)
図14は、図5に示すクランプ機構34を説明するための図である。図15は、図14に示すクランプ機構34が可動ユニット13を固定しているときの状態を示す図である。
クランプ機構34は、レール10の下壁部10cの下面に接触して可動ユニット13を固定する2個のクランプ部材68と、クランプ部材68を昇降させるカム部材69と、カム部材69を移動させる歯車70と、歯車70を回転させるスライド部材71とを備えている。歯車70は、前後方向を回転の軸方向として回転するように、アーム駆動機構33のフレームに回転可能に保持されている。また、歯車70は、中間歯車63よりも上側に配置されている。
スライド部材71は、中間歯車63と噛み合う複数のラック歯が形成されたラック部71aと、歯車70と噛み合う複数のラック歯が形成されたラック部71bとを備えている。ラック部71aは、そのラック歯が前側へ突出するように、スライド部材71の基部71cの前端に形成されている。ラック部71aのラック歯は、中間歯車63の奥側から中間歯車63と噛み合っている。ラック部71bは、そのラック歯が右側へ突出するように、基部71cの後端側に形成されている。ラック部71bのラック歯は、歯車70の左側から歯車70と噛み合っている。基部71cには、左右方向に貫通する2個の貫通孔71dが形成されている。一方の貫通孔71dには、固定軸61が挿通され、他方の貫通孔71dには、固定軸62が挿通されている。貫通孔71dは、上下方向に長い長孔状に形成されている。
カム部材69は、上下方向に直交する平板状の基部69aと、カム孔69bが形成される4個のカム部69cと、歯車70と噛み合う複数のラック歯が形成されたラック部69dとを備えている。基部69aの中心部分には、上下方向に貫通する貫通孔69f(図10、図11参照)が形成されており、貫通孔69fには、ユニット駆動機構30の歯車列49を構成する歯車が配置されている。
カム部69cは、基部69aの上面から上側へ突出するとともに前後方向に直交する平板状に形成されている。また、4個のカム部69cのうちの2個のカム部69cは、基部69aの左端側に、かつ、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成され、残りの2個のカム部69cは、基部69aの右端側に、かつ、前後方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。カム孔69bは、前後方向でカム部69cを貫通している。
ラック部69dは、基部69aの下面から下側へ突出するとともに前後方向に直交する平板状に形成されている。また、ラック部69dは、そのラック歯が下側へ突出するように、基部69aの左端側に形成されている。ラック部69dのラック歯は、歯車70の上側から歯車70と噛み合っている。ラック部69dには、前後方向に貫通する貫通孔69eが形成されている。貫通孔69eは、左右方向に長い長孔状に形成されている。貫通孔69eには、アーム駆動機構33のフレームに固定される固定軸72が挿通されている。
クランプ部材68は、図8に示すように、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置される2個の接触部68aと、2個の接触部68aを繋ぐ連結部68bとから構成されている。図5に示すように、2個の接触部68aのうちの左側に配置される接触部68aは、駆動ローラ50の下側に配置されている。この接触部68aと駆動ローラ50との間には、レール10の下壁部10cが配置されている。2個の接触部68aのうちの右側に配置される接触部68aは、従動ローラ51の下側に配置されている。この接触部68aと従動ローラ51との間には、下壁部10cが配置されている。2個のクランプ部材68のうちの一方のクランプ部材68は、前側に配置されるカム部69cの前側に配置され、他方のクランプ部材68は、奥側に配置されるカム部69cの奥側に配置されている。また、2個のクランプ部材68は、基部69aの上側に配置されている。
2個のクランプ部材68は、前後方向を軸方向として配置される2本の連結軸73によって連結されている。2本の連結軸73のうちの一方の連結軸73は、前側に配置されるクランプ部材68の左側の接触部68aと、奥側に配置されるクランプ部材68の左側の接触部68aとを繋いでいる。この連結軸73は、左側に配置される2個のカム部69cのカム孔69bに挿通されている。2本の連結軸73のうちの他方の連結軸73は、前側に配置されるクランプ部材68の右側の接触部68aと、奥側に配置されるクランプ部材68の右側の接触部68aとを繋いでいる。この連結軸73は、右側に配置される2個のカム部69cのカム孔69bに挿通されている。
左側に配置される接触部68aの下には、圧縮コイルバネ74が配置されている。クランプ部材68は、圧縮コイルバネ74の付勢力で上方向へ付勢されている。なお、基部69aには、圧縮コイルバネ74が挿通される貫通孔が上下方向に貫通するように形成されている。この貫通孔は、左右方向に長い長孔状に形成されている。
モータ56の動力によって中間歯車63が回転すると、スライド部材71は、固定軸61、62にガイドされながら上下動する。スライド部材71が上下動すると、歯車70が回転し、カム部材69は、固定軸72にガイドされながら左右方向へ移動する。カム部材69が左右方向へ移動すると、カム孔69bに挿通される連結軸73と一緒にクランプ部材68が上下方向へ移動する。
本形態では、接触部68aが下壁部10cの下面から離れている位置(図14に示す位置)と、接触部68aが下壁部10cの下面に接触する位置(図15に示す位置)との間でクランプ部材68が上下方向へ移動する。接触部68aが下壁部10cの下面に接触しているときには、駆動ローラ50および従動ローラ51と、接触部68aとの間に下壁部10cが挟まれており、レール10に対して可動ユニット13が固定される。
また、本形態では、アーム32によって錠12が閉められるときに、レール10に対して可動ユニット13が固定されるように、カム孔69bが形成されている。具体的には、まず、アーム31が退避位置31Aにあるときに、接触部68aが下壁部10cの下面から離れているように、カム孔69bが形成されている。また、錠12を閉めるときには、後述のように、アーム32は時計方向へ回動するようになっており、アーム31が退避位置31Aにある状態からアーム32が時計方向へ回動すると(すなわち、アーム31が反時計方向へ回動すると)、接触部68aが下壁部10cの下面に接触して、この接触状態が維持されるように、カム孔69bが形成されている。また、アーム31が退避位置31Aにある状態からアーム31が時計方向へ回動すると(すなわち、アーム32が反時計方向へ回動すると)、接触部68aが下壁部10cの下面から離れている状態が維持されるように、カム孔69bが形成されている。
(錠の構成)
図16は、図1に示す錠12の内部構造を説明するための側面図である。図17〜図19は、図16に示す錠12の動作を説明するための側面図である。
錠12は、内窓4の框の左端部分の左側面に固定される本体部77と、外窓3の框の右端部分の左側面に固定されるロックプレート78とを備えている。本体部77は、前後方向にスライド可能なロック部材79と、ロック部材79をスライドさせるスライド部材80と、これらの構成が収容されるケース体81とを備えている。ケース体81は、左右方向の厚さが薄い直方体の箱状に形成されている。
ロックプレート78は、左右方向に直交する平板状に形成され外窓3の框に固定される固定部78aと、前後方向に直交する平板状に形成され固定部78aの前端に繋がる係合部78bとから構成されており、上下方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されている。係合部78bには、ロック部材79が係合する係合孔が形成されている。この係合孔は、前後方向で係合部78bを貫通するように形成されている。
ロック部材79は、全体として左右方向に扁平な略直方体状に形成される基部79aと、基部79aの上端面から上側へ突出するバネ保持部79bとから構成されている。このロック部材79は、ロックプレート78の係合孔に係合して錠12を施錠状態にする機能を果たしている。基部79aの前下端側には、下側に向かうにしたがって奥側へ傾斜する傾斜面79cが形成されている。
基部79aの上端側には、左右方向に貫通する貫通孔79dが形成されている。貫通孔79dは、前後方向に長い長孔状に形成されている。貫通孔79dには、ケース体81に形成または固定される2本のガイドピン82が挿通されている。2本のガイドピン82は、前後方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。貫通孔79dの下側には、錠12の施錠状態を手動で解除するための解除ピン83が固定されている。解除ピン83は、ロック部材79の左側面から左側へ突出している。ケース体81には、解除ピン83が挿通される貫通孔が形成されており、解除ピン83の先端側は、ケース体81の左側面よりも左側へ突出している。
バネ保持部79bは、基部79aの前端側に形成されている。バネ保持部79bの前端は、基部79aの前端よりも奥側に配置されている。バネ保持部79bの後端面には、圧縮コイルバネ84の前端側を保持する凹部が形成されている。圧縮コイルバネ84の後端側は、ケース体81に形成されるバネ保持部に保持されており、ロック部材79は、圧縮コイルバネ84の付勢力によって前側へ付勢されている。
ケース体81の奥側面には、ロック部材79が通過可能な貫通孔81aが形成されている。ロック部材79は、図18、図19に示すように、ケース体81の奥側面よりも奥側に突出してロックプレート78に係合する位置と、図16、図17に示すように、その全体がケース体81の中に収容される位置との間で、ガイドピン82にガイドされながら、前後方向へスライド可能となっている。
スライド部材80は、上下方向に直交する厚い平板状に形成されるロック部材接触部80aと、前後方向に直交する厚い平板状に形成されロック部材接触部80aの前端から上側に向かって垂直に立ち上る磁石保持部80bとから構成されており、左右方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されている。ロック部材接触部80aの上面の奥端は、ロック部材79の傾斜面79cに接触可能となっており、曲率半径の小さな曲面状に形成されている。磁石保持部80bの上端側には、錠12が施錠状態となったことを検知するための磁石が固定されている。
ロック部材接触部80aの奥端側の下面には、下側へ伸びるガイド軸86が固定されている。ガイド軸86は、軸受ホルダ87の内部に配置される摺動軸受に上下動可能に支持されている。軸受ホルダ87は、ケース体81に固定されている。ガイド軸86の下端には、その径方向の外側へ広がる鍔部86aが形成されている。ガイド軸86は、圧縮コイルバネ88に挿通されており、圧縮コイルバネ88の下端は、鍔部86aの上面に当接している。圧縮コイルバネ88の上端は、軸受ホルダ87に保持されており、スライド部材80およびガイド軸86は、圧縮コイルバネ88の付勢力で下側へ付勢されている。
ケース体81の前側面には、上下方向に細長い開口部81bが形成されている。開口部81bには、スライド部材80の前端側が配置されている。本形態では、スライド部材80の前端とケース体81の前端とが略一致している。
錠12を閉めるときには、まず、アーム32を時計方向へ回動させる。すなわち、図16に示すようにケース体40の中に収容されているアーム32をモータ56の動力によって時計方向へ回動させる。すると、図17に示すように、アーム32の施錠部32bの先端側が開口部81bからケース体81の内部へ入り込み、ロック部材接触部80aと磁石保持部80bとの境界部分に接触して、下側へ付勢されたスライド部材80を持ち上げる。アーム32が時計方向へさらに回動すると、ロック部材接触部80aがロック部材79の傾斜面79cに接触しながら上昇する。すると、前側へ付勢されたロック部材79が奥側へスライドして、ロック部材79がロックプレート78の係合孔に係合する。
図18に示すように、ロック部材接触部80aの下面が基部79aの上端面を越える位置までロック部材接触部80aが上昇すると、圧縮コイルバネ84の付勢力によって、ロック部材接触部80aの後端にバネ保持部79bの前端面が接触する。このときには、ロックプレート78の係合孔にロック部材79が係合している。また、ロック部材接触部80aの下面が基部79aの上端面を越える位置までロック部材接触部80aが上昇すると、アーム32が停止する。
なお、アーム駆動機構33は、図18に示す位置までアーム32が回動したことを検知するための磁気センサ(図示省略)を備えている。すなわち、アーム駆動機構33は、ロック部材接触部80aの下面が基部79aの上端面を越える位置にスライド部材80が上昇するまでアーム32が回動したことを検知するための磁気センサを備えている。この磁気センサは、アーム31の磁石保持部31cに固定された磁石54をこの磁気センサが検知したときに、図18に示す位置までアーム32が回動しているように設置されており、この磁気センサが磁石54を検知すると、アーム32が停止する。この磁気センサは、コントローラ41に接続されている。また、この磁気センサは、センサ基板42に実装されており、アーム31の左側に配置されている。
その後、アーム32を反時計方向へ回動させる。アーム32が反時計方向へ回動すると、図19に示すように、圧縮コイルバネ88の付勢力によって、ロック部材接触部80aの後端側の下面が、基部79aの前端とバネ保持部79bの前端との間の、基部79aの上端面(以下、「前端側上端面79e」とする)に接触する。このように、圧縮コイルバネ84、88の付勢力によって、ロック部材接触部80aの後端にバネ保持部79bの前端面が接触し、かつ、ロック部材接触部80aの後端側の下面が前端側上端面79eに接触するため、施錠部32bがケース体40に収容されるまでアーム32が反時計方向へ回動しても、ロックプレート78の係合孔へのロック部材79の係合状態が維持される。すなわち、錠12の施錠状態が維持される。
上述のように、歯車列57は、アーム31の回動方向とアーム32の回動方向とが逆方向になるように構成されているため、アーム32が時計方向へ回動すると、アーム31は反時計方向へ回動し、アーム32が反時計方向へ回動すると、アーム31は時計方向へ回動する。すなわち、本形態では、モータ56が一方向へ回転すると、アーム31が退避位置31Aから第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cへ向かう方向へアーム31、32が回動し、モータ56が他方向へ回転すると、アーム32が錠12を閉める方向へアーム31、32が回動する。また、本形態では、アーム32が錠12を閉める際に、アーム31の接触部31bは、ケース体40の中に収容されている。
また、錠12を開けるときには、手動で解除ピン83を奥側へ押す。解除ピン83が奥側へ押されると、ロック部材79が奥側へ移動し、前端側上端面79eからロック部材接触部80aが外れて、前端側上端面79eとロック部材接触部80aとの接触状態が解除される。すると、圧縮コイルバネ88の付勢力によって、図16に示す位置までスライド部材80が降下する。その後、解除ピン83を離すと、圧縮コイルバネ84の付勢力によって、ロック部材79が前側へ移動し、ロック部材79がロックプレート78の係合孔から外れて、錠12が開く。
なお、可動ユニット13は、ロック部材接触部80aの後端にバネ保持部79bの前端面が接触し、かつ、ロック部材接触部80aの後端側の下面が前端側上端面79eに接触しているときに、磁石保持部80bの上端側に固定される磁石を検知するための磁気センサ90を備えている。この磁気センサ90は、基板を介してケース体40に固定されている。また、磁気センサ90は、コントローラに接続されている。本形態では、ロック部材接触部80aの後端にバネ保持部79bの前端面が接触し、かつ、ロック部材接触部80aの後端側の下面が前端側上端面79eに接触していることを検知するための検知機構として、磁気センサ90を用いているため、組立時におけるこの検知機構の位置調整が容易であり、また、この検知機構の寿命は、半永久的である。
(窓閉め装置の動作)
図20は、図1に示す可動ユニット13の動作フローの一例を示すフローチャートである。
以上のように構成された窓閉め装置1では、待機状態の可動ユニット13は、上述のように、レール10の左端側で停止している。このときには、アーム31は、退避位置31Aに配置されている。この状態で、たとえば、携帯端末機器17から、外窓3、内窓4の閉鎖指示および錠12の施錠指示が入力されると、無線LANルータ16を介して、外窓3、内窓4の閉鎖信号および錠12の施錠信号がステーションユニット11に入力される。すると、ステーションユニット11の赤外線通信モジュール20から可動ユニット13の赤外線通信モジュール37へ外窓3、内窓4の閉鎖信号および錠12の施錠信号が送られて、可動ユニット13が動作を開始する。すなわち、ステーションユニット11から可動ユニット13へ可動ユニット13を動作させるための信号が送信される。
ステーションユニット11から外窓3、内窓4の閉鎖信号および錠12の施錠信号を受信した可動ユニット13のコントローラ41は、外枠7の左端よりも左側にある可動ユニット13を第1検知位置まで移動させて、外窓3の開閉状態を検知する(開閉状態検知ステップ、ステップS1)。ステップS1では、待機位置から右方向へ移動する可動ユニット13は、第2センサ39が磁石ホルダ45に固定される第1磁石を検知すると停止する。また、可動ユニット13が停止すると、第1センサ38の発光素子から赤外線が射出されて、外窓3の開閉状態が検知される。
その後、コントローラ41は、退避位置31Aにあるアーム31を第2接触位置31Cへ移動させてから、その状態で、可動ユニット13を第2検知位置まで移動させる(第1可動ユニット移動ステップ、ステップS2)。ステップS2では、退避位置31Aにあるアーム31は、第2接触位置31Cまで時計方向へ回動し、アーム32は、反時計方向へ回動する。また、ステップS2では、第2接触位置31Cにアーム31がある状態で可動ユニット13が右方向へ移動するため、内窓4が開いている場合には、アーム31の接触部31bが内窓4の框の左端部分の左側面に接触して内窓4を閉める。また、ステップS2では、第1検知位置から右方向へ移動する可動ユニット13は、第2センサ39が磁石ホルダ46に固定される第2磁石を検知すると停止する。内窓4が開いていた場合には、可動ユニット13が第2検知位置まで移動すると、内窓4は完全に閉まる。
その後、ステップS1において、外窓3が閉まっていることが検知された場合(ステップS3で“Yes”の場合)には、コントローラ41は、錠12を閉める(第2施錠ステップ、ステップS4)。ステップS4では、まず、アーム32が時計方向へ回動して錠12を閉める。このとき、第2接触位置31Cにあるアーム31が退避位置31Aを通過するまでアーム32が時計方向へ回動すると、クランプ部材68の接触部68aがレール10の下壁部10cの下面に接触して、レール10に対して可動ユニット13が固定される。また、ステップS4では、その後、アーム31が退避位置31Aに配置されるまで、アーム32が反時計方向へ回動する。
その後、コントローラ41は、錠12の施錠に成功したか否かを判断する(ステップS5)。ステップS5では、ロック部材接触部80aの後端にバネ保持部79bの前端面が接触し、かつ、ロック部材接触部80aの後端側の下面が前端側上端面79eに接触していることが磁気センサ90によって検知されている場合に、コントローラ41は、錠12の施錠に成功したと判断し、磁気センサ90によってこの検知がされていない場合に、コントローラ41は、錠12の施錠に失敗したと判断する。なお、ステップS5では、施錠の成否を知らせる信号が、可動ユニット13の赤外線通信モジュール37からステーションユニット11の赤外線通信モジュール20へ送信される。すなわち、可動ユニット13からステーションユニット11へ施錠の成否を知らせる信号が送信される。また、ステーションユニット11から携帯端末機器17へ施錠の成否を知らせる信号が送信される。
ステップS5で、錠12の施錠が成功したと判断された場合には、コントローラ41は、可動ユニット13を待機位置まで移動させて(ステップS6)、窓閉め装置1による外窓3、内窓4の閉鎖動作および錠12の施錠動作が完了する。ステップS6では、第2検知位置から左方向へ移動する可動ユニット13は、第2センサ39が磁石ホルダ47に固定される第3磁石を検知すると停止する。一方、ステップS5で、錠12の施錠に失敗したと判断された場合には、所定の異常処理が実行されてから(ステップS7)、窓閉め装置1による外窓3、内窓4の閉鎖動作および錠12の施錠動作が完了する。
また、ステップS1において、外窓3が開いていることが検知された場合(ステップS3で“No”の場合)には、ステップS2の後に、コントローラ41は、第2接触位置31Cにあるアーム31を第1接触位置31Bへ移動させてから、その状態で、可動ユニット13を左方向へ、かつ、外窓3が閉まるまで移動させる(第2可動ユニット移動ステップ、ステップS8)。ステップS8では、第1接触位置31Bにアーム31がある状態で可動ユニット13が左方向へ移動するため、アーム31の接触部31bが外窓3の框の左端部分の右側面に接触して外窓3を閉める。
その後、コントローラ41は、可動ユニット13を再び、第2検知位置まで移動させる(第3可動ユニット移動ステップ、ステップS9)。ステップS9では、第1接触位置31Bにあるアーム31が第2接触位置31Cまたは退避位置31Aに移動した後に、可動ユニット13が第2検知位置まで移動する。その後、ステップS4と同様に、錠12を閉め(第1施錠ステップ、ステップS10)、ステップS5へ進む。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の窓閉め装置1は、窓枠5に沿って配置されるレール10と、レール10に固定されるステーションユニット11と、レール10に係合するとともにレール10に沿って移動する可動ユニット13とを備えている。また、本形態では、可動ユニット13は、可動ユニット13をレール10に沿って移動させるユニット駆動機構30と、外窓3および内窓4に接触して外窓3および内窓4を閉めるアーム31とを備えている。そのため、本形態では、窓枠5に沿ってレール10を設置し、ステーションユニット11をレール10に固定するとともに、可動ユニット13をレール10に係合させれば、既存の引き違い窓2に窓閉め装置1を取り付けることができる。すなわち、本形態では、既存の引き違い窓2を改造しなくても、既存の引き違い窓2に窓閉め装置1を取り付けることができる。したがって、本形態では、既存の引き違い窓2に窓閉め装置1を取り付ける場合であっても、その取付作業を容易に行うことが可能になる。
特に本形態では、ステーションユニット11と可動ユニット13との間で光無線通信を行うことが可能になっているため、ステーションユニット11からの信号で可動ユニット13が動作するようになっていても、ステーションユニット11と可動ユニット13とを通信用の配線で接続する必要がない。また、本形態では、可動ユニット13が、ユニット駆動機構30およびアーム駆動機構33に電力を供給する蓄電池35を備えているため、可動ユニット13に電力供給用の配線を接続しなくても良い。したがって、本形態では、窓閉め装置1の取付作業をより容易に行うことが可能になる。また、本形態では、ステーションユニット11と可動ユニット13とを通信用の配線で接続する必要がないため、通信用の配線が断線して可動ユニット13が動作しなくなるといった問題も生じない。
また、本形態では、外窓3の開閉状態を検知するための第1センサ38と、可動ユニット13の待機位置、第1検知位置および第2検知位置を検知するための第2センサ39とが非接触式のセンサであるため、可動ユニット13側の第1センサ38と外窓3とを接触させる必要がなく、また、固定側の部材であるレール10や引き違い窓2と可動ユニット13側の第2センサ39とを接触させる必要がない。したがって、本形態では、窓閉め装置1の取付精度がそれほど高くなくても、外窓3の開閉状態を検知すること、および、待機位置と第1検知位置と第2検知位置とを検知することが可能になる。したがって、本形態では、窓閉め装置1の取付作業をより容易に行うことが可能になる。
本形態では、上壁部10aと2個の側壁部10bとを有する略角溝状のレール10の内側で、ステーションユニット11の赤外線通信モジュール20と可動ユニット13の赤外線通信モジュール37との間の光無線通信が行われている。そのため、本形態では、略角溝状に形成されるレール10によって、ステーションユニット11と可動ユニット13との間の光無線通信が行われる箇所へ外乱光が入り込むのを抑制することが可能になる。したがって、本形態では、外乱光に起因する可動ユニット13の誤動作を防止することが可能になる。
本形態では、可動ユニット13は、アーム31を駆動するアーム駆動機構33を備えており、アーム駆動機構33は、退避位置31Aと第1接触位置31Bと第2接触位置31Cとの間でアーム31を回動させている。そのため、本形態では、引き違い窓2に窓閉め装置1が取り付けられている場合であっても、内窓3および外窓4とアーム31とを接触させて内窓3および外窓4を閉めることができるとともに、内窓3および外窓4とアーム31とを接触させる必要がない場合には、可動ユニット13が移動する際のアーム31と内窓3および外窓4との干渉を防止することが可能になる。また、本形態では、アーム駆動機構33が第1接触位置31Bと第2接触位置31Cとにアーム31を回動させることができるため、共通のアーム31を用いて、内窓3および外窓4を閉めることができる。したがって、本形態では、可動ユニット13の部品点数を削減することが可能になる。
本形態では、可動ユニット13は、錠12を閉めるアーム32を備えており、アーム32は、アーム駆動機構33を構成するモータ56の動力で動作する。そのため、本形態では、アーム32によって錠12を自動で閉めることができる。したがって、本形態では、引き違い窓2が取り付けられる家屋等の防犯効果を高めることが可能になる。また、本形態の可動ユニット13は、内窓3および外窓4を閉めるためのアーム31に加えて、錠12を閉めるアーム32を備えているため、内窓3および外窓4を閉めるために必要とされる形状にアーム31を形成し、錠12を閉めるために必要とされる形状にアーム32を形成すれば良い。したがって、アーム31およびアーム32の形状を簡素化することが可能になる。
本形態では、ステーションユニット11の送電コイル22と可動ユニット13の受電コイル36とによって蓄電池35の非接触充電が可能となっている。そのため、本形態では、蓄電池35を接触充電させる場合と比較して、窓閉め装置1の構成を簡素化することが可能になる。すなわち、蓄電池35を接触充電させる場合には、ステーションユニット11と可動ユニット13とを連結し、かつ、この連結状態を維持する必要があるため、ステーションユニット11と可動ユニット13とを連結するための構成や連結状態を維持するための構成が必要となるが、本形態では、これらの構成を設ける必要がない。したがって、本形態では、窓閉め装置1の構成を簡素化することが可能になる。
本形態では、待機状態にあるときの可動ユニット13は、その全体が外枠7の左端よりも左側に配置されるように、レール10の左端側で停止している。そのため、本形態では、窓閉め装置1が使用されていないときに、可動ユニット13の影響で引き違い窓2の採光性が低下するのを防止することが可能になる。
本形態では、内窓4の開閉状態を検知することなく、ステップS2において、アーム31を第2接触位置31Cへ移動させてから、その状態で、可動ユニット13を第2検知位置まで移動させている。すなわち、本形態では、内窓4を閉めることが可能でありながら、内窓4の開閉状態は検知されていない。そのため、本形態では、内窓4の開閉状態を検知する場合と比較して、窓閉め装置1の制御を簡素化しつつ、内窓4を確実に閉めることが可能になる。また、本形態では、内窓4の開閉状態を検知する場合と比較して、外窓3および内窓4の窓閉め動作と錠12の施錠動作とを短時間で行うことが可能になる。
本形態では、携帯端末機器17からの遠隔操作によって、外窓3および内窓4を閉めることができるとともに、錠12を閉めることができる。たとえば、外出先からの携帯端末機器17を用いた遠隔操作によって可動ユニット13を動作させて、留守中の家屋の外窓3および内窓4を閉め、かつ、錠12を閉めることができる。そのため、本形態では、窓閉め装置1が設置される家屋等の防犯性を高めることが可能になる。また、本形態では、可動ユニット13からステーションユニット11へ錠12の施錠の成否を知らせる信号が送信されるとともに、ステーションユニット11から携帯端末機器17へ錠12の施錠の成否を知らせる信号が送信されるため、たとえば、外出先でも、錠12が施錠されたか否かを確認することが可能になる。
本形態では、2個の磁石55は、図10(A)に示すように、一方の磁石55の左面の磁極と他方の磁石55の左面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。すなわち、本形態では、2個の磁石55は、一方の磁石55の右面の磁極と他方の磁石55の右面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。そのため、本形態では、上述のように、退避位置31Aを検知する磁気センサが2個の磁石55の磁極の切り替わりを検知することで、退避位置31Aを検知することが可能になる。また、本形態では、モータ56が一方向へ回転すると、アーム31が退避位置31Aから第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cへ向かう方向へアーム31、32が回動し、モータ56が他方向へ回転すると、アーム32が錠12を閉める方向へアーム31、32が回動するため、退避位置31Aを検知する磁気センサがN極を検知しているのかS極を検知しているのかによって、アーム31、32のどちらがケース体40から突出しているのかを把握することが可能になる。また、窓閉め装置1の電源が切れ、その後、電源が復帰した場合においても、退避位置31Aを検知する磁気センサがN極を検知しているのかS極を検知しているのかによって、アーム31、32のどちらがケース体40から突出しているのかを把握することが可能になり、その結果、電源復帰後にアーム31、32を確実にケース体40の中へ収容することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、可動ユニット13は、錠12を閉めるアーム32を備えている。この他にもたとえば、外窓3および内窓4を閉めることができるように、かつ、錠12を閉めることができるようにアーム31およびアーム駆動機構33を構成するとともに、アーム31によって錠12を閉めても良い。この場合には、アーム32が不要となるため、可動ユニット13の部品点数を削減することが可能になる。ただし、この場合には、アーム31の形状等が複雑になる。また、上述した形態では、可動ユニット13は、外窓3および内窓4を閉めるためのアーム31を備えているが、可動ユニット13は、外窓3を閉めるためのアームと内窓4を閉めるためのアームとを個別に備えていても良い。
上述した形態では、アーム駆動機構33によってアーム31とアーム32とが回動するが、アーム31を回動させるためのアーム駆動機構と、アーム32を回動させるためのアーム駆動機構とが個別に設けられても良い。また、上述した形態では、アーム駆動機構33のモータ56を用いてクランプ機構34を動作させているが、クランプ機構34を動作させるためのモータが別途設けられても良い。
上述した形態では、蓄電池35は、ステーションユニット11の送電コイル22と可動ユニット13の受電コイル36とによる非接触充電によって充電される。この他にもたとえば、ステーションユニット11側の充電用端子と可動ユニット13側の充電用端子とを接触させて蓄電池35を充電する接触充電によって、蓄電池35が充電されても良い。また、上述した形態では、第1センサ38および第2センサ39は、非接触式のセンサであるが、第1センサ38や第2センサ39は、接触式のセンサであっても良い。
上述した形態では、ステーションユニット11と可動ユニット13との間で光を用いた光無線通信を行うことが可能となっている。この他にもたとえば、ステーションユニット11と可動ユニット13との間で電波を用いた無線通信を行うことが可能となっていても良い。また、上述した形態では、窓閉めシステム15は、無線LANルータ16を備えているが、無線LANルータ16に代えて、有線LANルータが設けられるとともに、この有線LANルータとステーションユニット11とがLANケーブルによって接続されても良い。また、上述した形態では、無線LANルータ16を介して、ステーションユニット11と携帯端末機器17との間で、情報の通信を行うことが可能となっているが、ステーションユニット11と携帯端末機器17との間で、直接、情報の通信を行うことが可能になっていても良い。
上述した形態では、内窓4の開閉状態を検知することなく、アーム31を第2接触位置31Cへ移動させた状態で、可動ユニット13を第2検知位置まで移動させている。この他にもたとえば、内窓4の開閉状態を検知するとともに、内窓4が開いている場合には、第2接触位置31Cにアーム31が配置されている状態の可動ユニット13を右方向に向かって第2検知位置まで移動させ、内窓4が閉まっている場合には、退避位置31Aにアーム31が配置されている状態の可動ユニット13を右方向に向かって第2検知位置まで移動させても良い。また、上述した形態では、外窓3および内窓4が開いている場合に、内窓4が先に閉められてから、外窓3が閉められているが、外窓3および内窓4が開いている場合に、まず、外窓3が閉められ、その後、内窓4が閉められても良い。
上述した形態において、アーム31は、外窓3および/または内窓4を開いても良い。すなわち、窓閉め装置1は、外窓3や内窓4を開いても良い。また、上述した形態では、アーム32は、錠12を閉めているが、施錠および開錠が可能となるように形成されたアーム32が錠12を開けても良い。この場合には、温度を検知するセンサ(温度センサ)、湿度を検知するセンサ(湿度センサ)および/または明るさを検知するセンサ(明度センサ)等を窓閉め装置1に設けて、あるいは、室内等に配置される温度センサ、湿度センサおよび/または明度センサ等を窓閉め装置1に接続して、これらのセンサの検知結果に基づいて、可動ユニット13を動作させ、外窓3および/または内窓4の開閉や錠12の開閉を自動で行っても良い。また、上述した形態において、アーム31の接触部31bがケース体40の前側へ突出するようにして、窓枠5等に取り付けられるカーテンをアーム31で開閉しても良い。
上述した形態では、窓閉め装置1は、1本のレール10を備えているが、窓閉め装置1は、互いに接触するように隣り合う、あるいは、わずかな隙間を介して隣り合う複数のレール10を備えていても良い。この場合には、複数のレール10のそれぞれが複数の引き違い窓2のそれぞれを構成する外枠7に取り付けられる。そのため、この場合には、1台の可動ユニット13を用いて、複数の引き違い窓2の外窓3および内窓4を閉めることが可能になるとともに、複数の引き違い窓2の錠12を閉めることが可能になる。また、複数の引き違い窓2に跨るように1本のレール10が取り付けられても良い。この場合であっても、1台の可動ユニット13を用いて、複数の引き違い窓2の外窓3および内窓4を閉めることが可能になるとともに、複数の引き違い窓2の錠12を閉めることが可能になる。
上述した形態では、外窓3および内窓4の両方が開閉可能な引き違い窓2に窓閉め装置1が取り付けられている。この他にもたとえば、外窓3または内窓4の一方のみが開閉可能な引き違い窓に窓閉め装置1が取り付けられても良い。この場合には、アーム31は固定されていても良い。また、上述した形態では、水平方向に開閉する引き違い窓2に窓閉め装置1が取り付けられているが、上下方向に開閉する上げ下げ窓に窓閉め装置1が取り付けられても良い。この場合には、レール10は、複数のブラケットを介して上げ下げ窓の外枠の右端部または左端部に固定される。
上述した形態では、引き違い窓2に取り付けられる窓閉め装置1を例に本発明にかかる窓閉め装置の実施例を説明しているが、本発明が適用される窓閉め装置は、縦滑り窓や横滑り窓に取り付けられても良い。また、本発明が適用される窓閉め装置は、外倒し窓や内倒し窓に取り付けられても良い。この場合には、アームの形状を所定の形状とすることで、および/または、レール10の形状を所定の形状とすることで、縦滑り窓、横滑り窓、外倒し窓あるいは内倒し窓を閉めることが可能になる。また、この場合には、アームの形状を所定の形状とすることで、および/または、レール10の形状を所定の形状とすることで、縦滑り窓、横滑り窓、外倒し窓あるいは内倒し窓を開くことも可能になる。
また、上述した形態では、窓閉め装置1を例に、本発明にかかる建具閉め装置の実施例を説明しているが、本発明が適用される建具閉め装置は、扉、網戸あるいは雨戸等の窓以外の建具を閉めるものであっても良い。また、上述した形態において、ステーションユニット11および/または可動ユニット13にカメラを搭載しても良い。この場合には、たとえば、このカメラで取得された画像が無線LANルータ16を介して携帯端末機器17に送信される。また、上述した形態において、引き違い窓2が取り付けられる家屋等へ侵入する外部侵入者を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づいて警報を発する警報手段とが、ステーションユニット11および/または可動ユニット13に取り付けられても良い。
上述した形態では、磁気センサを用いて、退避位置31A、第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cのそれぞれを検知するとともに、図18に示す位置までアーム32が回動したことを検知している。この他にもたとえば、モータ56の回転量等を検知するエンコーダを用いて、退避位置31A、第1接触位置31Bおよび第2接触位置31Cのそれぞれを検知するとともに、図18に示す位置までアーム32が回動したことを検知しても良い。この場合には、アーム31、32の停止位置を任意の位置に設定することが可能になる。したがって、様々な窓等を閉めたり、様々な錠を閉めたりすることが可能になる。
1 窓閉め装置(建具閉め装置)
2 引き違い窓
3 外窓(建具、第1窓)
4 内窓(建具、第2窓)
5 窓枠(建具枠)
10 レール
10a 上壁部
10b 側壁部
11 ステーションユニット
12 錠
13 可動ユニット
17 携帯端末機器
22 送電コイル
30 ユニット駆動機構
31 アーム
31A 退避位置
31B 第1接触位置(接触位置)
31C 第2接触位置(接触位置)
32 アーム(錠用アーム)
33 アーム駆動機構
35 蓄電池
36 受電コイル
38 第1センサ
39 第2センサ
S1 開閉状態検知ステップ
S2 第1可動ユニット移動ステップ
S4 第2施錠ステップ
S8 第2可動ユニット移動ステップ
S9 第3可動ユニット移動ステップ
S10 第1施錠ステップ
X 可動ユニットの移動方向、第1窓および第2窓の開閉方向
X1 第2窓の閉方向
X2 第1窓の閉方向

Claims (13)

  1. 開閉可能な建具が内側に配置される建具枠に沿って配置されるレールと、前記レールに固定されるステーションユニットと、前記レールに係合するとともに前記レールに沿って移動する可動ユニットとを備え、
    前記可動ユニットは、前記可動ユニットを前記レールに沿って移動させるユニット駆動機構と、前記建具に接触して前記建具を閉めるアームとを備え、
    前記レールは、鉛直方向に直交する上壁部と、前記可動ユニットの移動方向に直交する方向における前記上壁部の両端のそれぞれにその上端が繋がる2個の側壁部とを有する略角溝状に形成され、
    前記ステーションユニットと前記可動ユニットとの間で前記レールの内側で光を用いた光無線通信が行われることを特徴とする建具閉め装置。
  2. 前記可動ユニットは、前記アームを駆動するアーム駆動機構を備え、
    前記アーム駆動機構は、前記建具に前記アームが接触可能な接触位置と、前記可動ユニットの移動時に前記建具に接触しないように前記アームが退避する退避位置とに前記アームを移動させることを特徴とする請求項記載の建具閉め装置。
  3. 前記建具が開かないように前記建具を固定する錠を備え、
    前記可動ユニットは、前記錠を閉める錠用アームを備え、
    前記アーム駆動機構は、前記錠用アームを移動させて前記錠を閉めることを特徴とする請求項記載の建具閉め装置。
  4. 前記建具が開かないように前記建具を固定する錠を備え、
    前記アーム駆動機構は、前記アームを移動させて前記錠を閉めることを特徴とする請求項記載の建具閉め装置。
  5. 前記ステーションユニットから前記可動ユニットへ前記可動ユニットを動作させるための信号が送信され、
    前記可動ユニットから前記ステーションユニットへ前記錠の施錠の成否を知らせるための信号が送信されることを特徴とする請求項または記載の建具閉め装置。
  6. 前記ステーションユニットは、リモートコントローラまたは携帯端末機器と電波を用いた無線通信を行うことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の建具閉め装置。
  7. 前記可動ユニットは、前記アームを駆動するアーム駆動機構と、前記ユニット駆動機構および前記アーム駆動機構に電力を供給する蓄電池とを備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の建具閉め装置。
  8. 前記ステーションユニットは、前記蓄電池を非接触充電するための送電コイルを備え、
    前記可動ユニットは、前記蓄電池を非接触充電するための受電コイルを備えることを特徴とする請求項記載の建具閉め装置。
  9. 前記建具は、引き違い窓を構成する第1窓および第2窓であり、
    前記第1窓は、室外側に配置され、前記第2窓は、室内側に配置され、
    前記可動ユニットは、前記第1窓の開閉状態を非接触で検知するための第1センサと、前記第1窓の開閉状態を検知する際の前記可動ユニットの位置である第1検知位置、および、前記錠を閉める際の前記可動ユニットの位置である第2検知位置を非接触で検知するための第2センサとを備えることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の建具閉め装置。
  10. 前記第1センサは、前記第1窓に向かって光を射出する発光素子と、前記第1窓で反射された光を受光可能な受光素子とを有する光学センサであることを特徴とする請求項記載の建具閉め装置。
  11. 前記第2センサは、磁気センサであり、
    前記レールには、前記第1検知位置を検知するための第1磁石と、前記第2検知位置を検知するための第2磁石とが固定されていることを特徴とする請求項または10記載の建具閉め装置。
  12. 前記レールは、前記第1窓および前記第2窓の開閉方向に前記可動ユニットが移動するように、かつ、前記第1窓の閉方向における前記建具枠の外側まで前記可動ユニットが移動するように配置され、
    前記アーム駆動機構は、前記第1窓に前記アームが接触可能な前記接触位置としての第1接触位置と、前記第2窓に前記アームが接触可能な前記接触位置としての第2接触位置とに前記アームを移動させることを特徴とする請求項から11のいずれかに記載の建具閉め装置。
  13. 請求項12記載の建具閉め装置の制御方法であって、
    前記第1窓の閉方向における前記建具枠の外側にある前記可動ユニットを前記第1検知位置まで移動させて前記第1窓の開閉状態を検知する開閉状態検知ステップと、
    前記開閉状態検知ステップ後、前記第2接触位置まで前記アームを移動させた状態で前記第2窓の閉方向へ、かつ、前記第2検知位置まで前記可動ユニットを移動させる第1可動ユニット移動ステップと、
    前記開閉状態検知ステップで前記第1窓が開いていることが検知された場合、前記第1可動ユニット移動ステップ後に、前記第1接触位置まで前記アームを移動させた状態で前記第1窓の閉方向へ、かつ、前記第1窓が閉まるまで前記可動ユニットを移動させる第2可動ユニット移動ステップと、
    前記第2可動ユニット移動ステップ後、前記第2検知位置まで前記可動ユニットを移動させる第3可動ユニット移動ステップと、
    前記第3可動ユニット移動ステップ後、前記錠を閉める第1施錠ステップと、
    前記開閉状態検知ステップで前記第1窓が閉じていることが検知された場合、前記第1可動ユニット移動ステップ後に、前記錠を閉める第2施錠ステップとを備えることを特徴とする建具閉め装置の制御方法。
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