JP6146945B2 - 高ヘタ離れ性イチゴの作出方法および選抜方法 - Google Patents

高ヘタ離れ性イチゴの作出方法および選抜方法 Download PDF

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Description

本発明は、イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性を高めたイチゴの作出方法、および、高ヘタ離れ性イチゴの選抜方法に関する。
イチゴは、生食あるいはジャム用原料として広く栽培されている。イチゴ品種「ベニヒバリ」(品種登録 第4474号(1995年))は、加工用品種「アメリカ」を母、生食用品種「宝交早生」を父として交配・選抜された品種である。
イチゴを収穫する際には、例えばイチゴ果実(以下、単に果実と称する場合がある)に触れずに果梗付きで収穫する方法、および、果実を持って引張り果実のみを収穫する方法が行なわれている。後者の場合、例えば果実の赤道部付近を持って引張ると、果実と萼(がく)との境界付近で、果実および果実の一部が残り付いた萼に分離する。果実の一部が残り付いた萼のことは、一般に「ヘタ」と呼ばれる。
ベニヒバリは、果実を持って引張るだけで果実のみを収穫できる「ヘタ離れ形質」を有する(非特許文献1)。当該ヘタ離れ形質を有することで、例えば片手で容易に収穫することが可能となるため収穫作業の省力化および迅速化を図ることができ、収穫の迅速化によって果実の劣化を抑制でき、さらにヘタが異物として混入することを防止できるといったメリットにつながる。このようにヘタ離れ形質は、加工用イチゴでは有用な形質である。
また、ベニヒバリを用いた交配実験ではヘタ離れ形質の遺伝率は高いことが確認されており、ヘタ離れ形質は遺伝子によって制御されていると推測されている(非特許文献2)。
Masanori Miyazaki, Hiroshi Sato, Masakazu Oku, and Takako Goto 著、"Characteristics of a New Processing Strawberry Cultivar, 'Benihibari'"、東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,21,1−9(1996) Toru Takahashi, Daizo Mori, Masakazu Oku, and Takako Goto 著、"Heritability of Capping Trait in Strawberry"、 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,24,9−17(2002)
イチゴは8倍体の染色体を持ち、遺伝様式が複雑である。さらに、ヘタ離れ形質は複数の遺伝子が関与する量的形質である。以上の理由から、従来の交配を主軸とした遺伝学的なアプローチではヘタ離れ関与遺伝子の特定が困難であるため、ヘタ離れ形質に関与する遺伝子は特定されていない。
従って、本発明の目的は、ヘタ離れ形質関連遺伝子を使用したヘタ離れ性を高めたイチゴの作出方法、および、ヘタ離れ形質関連の遺伝子或いはタンパク質を使用した高ヘタ離れ性イチゴの選抜方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、ヘタ離れ形質を有するベニヒバリを中心としたプロテオーム解析を行い、イチゴのヘタ離れに関与する遺伝子およびタンパク質を推定した。
即ち、上記目的を達成するため、以下の[1]〜[]に示す発明を提供する。
[1]イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性を高めるべく、
エチレン関連遺伝子であるエチレン受容体遺伝子ETR2、および、当該エチレン受容体遺伝子ETR2の発現を制御可能なプロモーター配列の少なくとも一部を有するDNA配列を使用してイチゴの植物体を形質転換するヘタ離れ性を高めたイチゴの作出方法。
[2]前記プロモーター配列が、配列番号17に記載のDNA配列を有する上記[1]に記載のヘタ離れ性を高めたイチゴの作出方法。
]エチレン関連遺伝子であるエチレン受容体遺伝子ETR2の発現量、或いは、前記エチレン受容体遺伝子ETR2を基に合成されたエチレン関連タンパク質の蓄積量を指標とした、イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性を高めた高ヘタ離れ性イチゴの選抜方法
上述したプロテオーム解析において、イチゴの収穫時期にどのようなタンパク質が特異的(特徴的)に発現されているかを調べたところ(後述)、エチレン関連遺伝子が「ヘタ離れ形質」に大きく関与していることを見出した。即ち、本発明では、イチゴにおけるヘタ離れ形質関連遺伝子としてエチレン関連遺伝子に着目し、エチレン関連遺伝子および当該エチレン関連遺伝子の発現を制御可能なプロモーター配列の少なくとも一部を有するDNA配列を使用してイチゴの植物体を形質転換する。
当該プロモーター配列は、配列番号17に記載のDNA配列を使用するのがよい。このDNA配列は、高いヘタ離れ性を有するイチゴ品種であるベニヒバリにおけるエチレン関連遺伝子の上流部分に存在するプロモーター含有配列である。当該DNA配列をエチレン関連遺伝子と共に発現ベクターに導入し、当該発現ベクターを、例えばヘタ離れ形質を有さない或いはヘタ離れ性の低いイチゴ品種の植物体に組み込むことで、ヘタ離れ性を高めたイチゴを作出することが可能となる。
エチレン関連遺伝子は、エチレン受容体(ETR2)が挙げられる。エチレン受容体が多く発現されれば、エチレンに対する感受性がより鋭敏となり、その結果、ヘタ離れ性が高くなる。
高いヘタ離れ性を有するイチゴ品種と、ヘタ離れ性を有さない或いはヘタ離れ性の低いイチゴ品種とでは、エチレン関連遺伝子の発現様式が異なるため、発現量が異なっていると考えられる。そのため、エチレン関連遺伝子の発現量、或いは、前記エチレン関連遺伝子を基に合成されたエチレン関連タンパク質の蓄積量を指標として、イチゴ果実とヘタとの分離性を高めた高ヘタ離れ性イチゴを効率よく選抜することができる。
イチゴのヘタ離れの様子を示す概略図である。 プロテオーム解析においてタンパク質を二次元展開した後のゲルをスキャンした画像データを示す写真図である。 タンパク質の機能推定を行なったときの分類図である。 図2で示したスポット2,7,9に該当するタンパク質の機能を推定した図である。 遺伝子発現解析を行なったときに使用したプライマーを示した図である。 各遺伝子の相対発現量を示した図である。 配列番号17(ベニヒバリ)および配列番号18(宝交早生)のシーケンスアライメントを示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性(ヘタ離れ性)を高めるため、エチレン関連遺伝子および当該エチレン関連遺伝子の発現を制御可能なプロモーター配列の少なくとも一部を有するDNA配列を使用してイチゴの植物体を形質転換したイチゴを作出するものである。
(ヘタ離れ性)
図1に示したように、イチゴ果実Xを収穫する際に、例えばヘタ離れ性を有するイチゴ品種である「ベニヒバリ」であれば、果実aの赤道部付近を持って果梗付け根と反対方向に果実を引張ると、果実aと萼(がく)bとの境界付近cで、果実aおよび果実aの一部が残り付いた萼bである「ヘタ」dに分離する。このように、ヘタ離れ性を有するイチゴ品種であれば、収穫の際には片手で果実をつまむと容易にヘタdが分離して果実aのみを収穫できる。
果実とヘタとの分離は、果実全体が軟化したために果実と萼との境界付近で破断が起こったのではなく、果実はある程度の硬さを有して成熟した状態で、果実と萼との境界付近において分離が起こっている。
(ヘタ離れ形質関連遺伝子)
本明細書では、果実を持って引張るだけで容易に果実のみを収穫できる「ヘタ離れ形質」を有する遺伝子群を特定している。ヘタ離れ形質関連遺伝子の推定あるいは特定は、例えばプロテオーム解析を行なうとよい。
プロテオーム解析は、一般には、生体組織などに由来したサンプルから、そのサンプル中に存在する多種類のタンパク質などの成分に分離し、分離したタンパク質の生化学的および物理化学的特性を分析し、ゲノム解析により明らかにされた遺伝子情報を利用して前記タンパク質とそれをコードする遺伝子との対応を明らかにするものである。
プロテオーム解析の具体的な手法の一例を挙げれば、サンプル調整後、2次元電気泳動を行ってタンパク質を分離・抽出し、2次元電気泳動で得られたゲルを染色することによって可視化される各スポット(分離された各タンパク質に相当する)を抜き出し、さらに酵素処理などを行って得た抽出物に対して質量分析(MS)を行うことにより、サンプル中にどのようなタンパク質が含まれていたかを推定する。
タンパク質の機能推定は、得られた質量分析データからアミノ酸配列を決定し、そのアミノ酸配列を持つタンパク質をタンパク質データベースから検索することによって行なう。アミノ酸配列およびタンパク質の検索には、Mascot search データベース、SWISS-PROT、GenBank、EMBL、PROSITE、DDBJ、InterProなどの公知のデータベースを利用すればよい。
また、機能推定されたタンパク質の情報を元に、BLASTやFASTAなどのアルゴリズムを用いたシーケンスアライメントによって、上述したデータベースに対して植物の相同遺伝子を検索し、情報が得られたタンパク質の生体内分類を行なうとよい。このような分類を行なうことで、植物のどの生育ステージに顕著に発現しているタンパク質であるか、を推定あるいは特定することができる。
本発明では、「ヘタ離れ形質」を有する遺伝子群を推定あるいは特定するため、ヘタ離れ形質を有するベニヒバリの特に果実の収穫期(成熟期)に特異的(特徴的)に発現する遺伝子群に着目している。即ち、ベニヒバリの果実の収穫期において収穫した果実よりタンパク質を抽出し、プロテオーム解析を行うことで、「ヘタ離れ形質関連遺伝子」を推定あるいは特定することができる。
(エチレン関連遺伝子)
本発明では、ヘタ離れ形質関連遺伝子として、エチレン関連遺伝子に着目している。
エチレンは、植物においては果実の成熟を促進する効果があり、成熟ホルモンの一つであると考えられている。クライマクテリック型の果実では、一般に成熟直後にエチレン生成量のピークを示す。エチレンが合成されるとセルラーゼに関与して細胞壁組織の破壊が誘導され、また、合成されたエチレンは、エチレン受容体、エチレン情報伝達因子などが関与して、果実の成熟が引き起こされると考えられる。
エチレンは、植物においては、メチオニン→S−アデノシルメチオニン(SAM)→1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸(ACC)→エチレンという経路を通して合成される。この過程では、SAMからACCへの合成にACC合成酵素が、ACCからエチレンの合成にACC酸化酵素が関与する。
即ち、エチレン関連遺伝子としては、例えばエチレン合成酵素(ACC合成酵素、ACC酸化酵素、SAM合成酵素)、エチレン受容体(ETR1、ETR2、ERS1)およびエチレン情報伝達因子(CTR)などが挙げられる。
(エチレン関連遺伝子を発現させる発現ベクター)
上述したエチレン関連遺伝子を、ヘタ離れ形質を有さない或いはヘタ離れ性の低いイチゴ品種の植物体に導入して形質転換することで、ヘタ離れ形質を有さない或いはヘタ離れ性の低いイチゴ品種の植物体にヘタ離れ形質を付与する、或いは、ヘタ離れ性を高めることができる。また、エチレン関連遺伝子を、ある程度ヘタ離れ形質を有するイチゴ品種の植物体に導入して形質転換すれば、更にヘタ離れ性を高めることができる。
エチレン関連遺伝子を、前記イチゴ品種の植物体に導入するためには、まず、エチレン関連遺伝子および当該エチレン関連遺伝子の発現を制御可能なプロモーター配列の少なくとも一部を組み込んだ発現ベクターを構築する(発現ベクター構築工程)。「プロモーター配列の少なくとも一部」とは、プロモーター配列の全部あるいは一部であることを指しており、プロモーター配列の一部の塩基が欠失あるいは置換などによって変異した場合であっても、エチレン関連遺伝子の発現を制御可能なプロモーター配列であればよい。
そして、当該発現ベクターを、前記イチゴ品種の植物体に導入して形質転換を行なう(形質転換工程)。形質転換の対象となるイチゴ品種としては、例えば、アイベリー、あかねっ娘、章姫、あすかルビー、あまおう、あまおとめ、越後姫、エラン、おおきみ、尾瀬はるか、おとめごごろ、かおりの、カレンベリー、恋の香、ことか、さがほのか、さちのか、さつまおとめ、さぬきひめ、サマーアミーゴ、サマープリンセス、サマールビー、サンエンジェル、サンチーゴ、スイートマラソン、ダイヤモンドベリー、ダナー、とちおとめ、とちひめ、とよのか、夏ちゃん、なつみ、女峰、濃姫、初恋、初恋の香り、白鳥2号、春の香、はるみ、ひのしずく、福羽、ふさの香、ペチカ、紅ほっぺ、まりひめ、まんぷく2号、密香、美濃娘、明宝、やよいひめ、夢甘果、ゆめのか、雷峰、麗紅、龍宝、レッドパール、ロイヤルクイーン、アルビオン、エルサンタ、オソ・グランデ、カマローザ、ケント、スイート・チャーリー、セルバ、センガ・センガナ、チャンドラ、ディアマンテ、トーテム、パハロ、パロマ、ベンタナ、ベントン、レッドクレストなどがある。しかし、本発明の形質転換の対象となるイチゴ品種は、これらに限定されるものではない。
植物体の形質転換に用いられる組換え発現ベクターは、形質転換の対象となるイチゴの植物体(後述)においてエチレン関連遺伝子を発現させることが可能なベクターであれば特に限定されない。
組換え発現ベクターの母体となるベクターとしては、従来公知の種々のベクターを用いることができる。例えば、プラスミド、ファージまたはコスミド等を用いることができ、導入対象となる植物体や導入方法に応じて適宜選択することができる。例えばpBR322、pBR325、pUC19、pUC119、pBluescript、pBluescriptSK、pBI系のベクター等が使用できる。
特に植物体へのベクターの導入法がアグロバクテリウムを用いる方法である場合には、pBI系等のバイナリーベクターを用いることが好ましい。バイナリーベクターとしては、例えばpBIG、pBIN19、pBI101、pBI121、pBI221等を使用するのがよい。
また、組換え発現ベクターは、植物体内で遺伝子を発現させることが可能なプロモーターを有するベクターであることが好ましい。プロモーターとしては、植物体内で遺伝子を発現させることが可能なプロモーターであればよい。本発明に使用できるプロモーターとしては、例えばベニヒバリより取得したエチレン関連遺伝子の上流領域に存在するプロモーター配列(配列番号17)を使用するのがよい。その他に、物体内で遺伝子を発現させることが可能な公知のプロモーター、例えばカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーター(CaMV35S)、アクチンプロモーター、ユビキチンプロモーター、ノパリン合成酵素のプロモーター、タバコのPR1a遺伝子プロモーター等も使用することができる。これらのプロモーターを用いれば、得られる組換え発現ベクターでは、植物細胞内に導入されたときに、エチレン関連遺伝子の発現量を高めることが可能となる。
上記プロモーターは、換え発現ベクター内に導入されたエチレン関連遺伝子を発現し得るように当該組換え発現ベクター内に導入されていればよく、組換え発現ベクターとしての具体的な構造は特に限定されるものではない。
組換え発現ベクターは、エチレン関連遺伝子および上記プロモーターに加えて、他のDNAセグメントを含んでいてもよい。当該他のDNAセグメントは、例えばターミネーター、選別マーカー、エンハンサー、T−DNA領域および翻訳効率を高めるための塩基配列等を挙げることができる。T−DNA領域は、特にアグロバクテリウムを用いて上記組換え発現ベクターを植物体に導入する場合に、遺伝子導入の効率を高めることができる。
上述した組換え発現ベクターは、従来公知の方法を用いて増殖させることができ、特に限定されるものではない。一般的には大腸菌をホストとして当該大腸菌内で増殖させる。
(形質転換)
形質転換の対象となるイチゴの植物体は、植物体全体、植物器官(例えば葉・花弁・茎・根・種子など)、植物培養細胞、懸濁培養細胞、プロトプラスト、カルスなどのいずれであってもよい。
植物体への遺伝子の導入には、当業者に公知の形質転換方法、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、マイクロインジェクション法、ポリエチレングリコール法(PEG法)、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)、プロトプラスト融合法およびリン酸カルシウム法等などが用いられる。
アグロバクテリウム法の場合は、上述した組換え発現ベクターをアグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入し、この株をリーフディスク法などに従って無菌培養葉片に感染させ、形質転換植物を得ることができる。
パーティクルガン法の場合は、植物体をそのまま使用してもよく、切片を調製した後に使用してもよく、プロトプラストを調製して使用してもよい。このように調製した試料を遺伝子導入装置(例えばPDS−1000(BIO−RAD社)など)を用いて処理することができる。
形質転換の結果得られた形質転換体は、そのまま組織培養に用いることが可能であり、適当な濃度の植物ホルモン(オーキシン、ジベレリンなど)の投与などによって植物体に再生させることができる。
エチレン関連遺伝子が導入された植物体は、例えば組換え発現ベクターに選別マーカーを導入した場合には、ハイグロマイシン耐性などの薬剤耐性で選択することができる。
また、エチレン関連遺伝子が植物に導入されたか否かの確認は、PCR法やハイブリダイゼーション法などによって行うことができる。例えば形質転換した植物体からDNAを調製し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行い、増幅産物について電気泳動などを行って臭化エチジウムなどによって染色し、目的のエチレン関連遺伝子の増幅産物をバンドとして検出することによって、形質転換されたことを確認することができる。
エチレン関連遺伝子を組み込んだ組換え発現ベクターを目的のイチゴ品種の植物体に導入する形質転換を行い、当該植物体にエチレン関連遺伝子が組み込まれたイチゴの植物体は、高いヘタ離れ性を有する。エチレン関連遺伝子がゲノム内に組み込まれた形質転換植物体が一旦取得されれば、当該植物体の有性生殖または無性生殖によって子孫を得ることができる。
(高ヘタ離れ性イチゴの選抜方法)
高ヘタ離れ性イチゴ品種が有する特異的なDNA配列を利用して、高ヘタ離れ性イチゴを選抜することができる。
当該特異的なDNA配列は、例えば配列番号17において、ベニヒバリより取得したエチレン関連遺伝子の上流領域に存在するプロモーター配列を使用するのがよい。即ち、配列番号17に記載のDNA配列を利用して、対象となるイチゴ品種がヘタ離れ形質を有するか否かを調べることができる。
具体的には、配列番号17に記載のDNA配列に中に存在する制限酵素認識部位を利用して、高ヘタ離れ性イチゴを選抜することができる。
例えば、図7にて示したベニヒバリ(配列番号17)および宝交早生(配列番号18)の塩基配列のシーケンスアライメントより、当該プロモーター配列においてベニヒバリと宝交早生の間で15箇所の塩基置換が認められる。この塩基置換が特定の制限酵素の認識部位に存在すれば、当該制限酵素で処理して得られたDNA断片の長さは、ベニヒバリおよび宝交早生において異なることとなる。よって、対象となるイチゴ品種より抽出したゲノムDNAを制限酵素処理し、切断された特定のDNA断片の長さを検討することでヘタ離れ形質の有無を判断することができる。
また、例えば配列番号17に記載のDNA配列の全てあるいはその一部のフラグメントをハイブリダイゼーション用プローブとして用い、対象となるイチゴ品種より抽出したゲノムDNAとハイブリダイゼーションを行ない、高ヘタ離れ性イチゴを選抜することができる。当該ハイブリダイゼーションは、例えばサザンハイブリダイゼーションを行なえばよい。
ハイブリダイゼーションは、配列番号17に記載のDNA配列の全てあるいはその一部のフラグメントと、対象となるイチゴ品種より抽出したゲノムDNAとがストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る条件で行なうとよい。「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、0.1×SSC、0.5%SDSの溶液中で68℃にて洗浄する条件でも依然として陽性のハイブリダイズのシグナルが観察されることを表す。
また、配列番号17に記載のDNA配列の全てあるいはその一部のフラグメントをPCRによって特異的に増幅可能なプライマーを設計し、対象となるイチゴ品種より抽出したゲノムDNAを鋳型にし、当該プライマーを用いてPCRを行なうことにより、高ヘタ離れ性イチゴを選抜することができる。
当該プライマーの設計は、例えばプライマー設計ソフトであるOligo(Molecular Biology Insights社)を用いて設計すればよい。PCR条件は、設計されたプライマーの塩基配列に応じて、適宜設定するとよい。
さらに、エチレン関連遺伝子の発現量、或いは、エチレン関連遺伝子を基に合成されたエチレン関連タンパク質の蓄積量を指標として、高ヘタ離れ性を有するイチゴを選抜することができる。
エチレン関連遺伝子の発現量は、例えば発現されるエチレン関連遺伝子のコピー数を調べる方法や、エチレン関連遺伝子のmRNAの発現量を検出する方法によって確認することができる。
エチレン関連遺伝子のコピー数は、例えば染色体DNAの制限酵素処理を行い、エチレン関連遺伝子配列に基づくプローブを用いたサザンブロッティングを行う方法で確認できる。また、エチレン関連遺伝子のmRNAが発現している組織を調べるには、in situハイブリダイゼーションや蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)等を行なうとよい。
また、エチレン関連遺伝子のmRNAの発現量は、ノーザンブロッティング、ドットブロット法、定量的RT−PCR、リアルタイムPCR法、マイクロアレイ法等を含む各種方法により測定することができる。
エチレン関連タンパク質の蓄積量は、発現タンパク質を抽出し、例えばエチレン関連タンパク質の特異抗体を用いてその発現量を検出する方法を行なえばよく、ウエスタンブロット法、ELISA法、ドットブロット法等が適用可能である。
〔実施例1〕
ベニヒバリ成熟果(ヘタ離れ性有り)、ベニヒバリ未成熟果および宝交早生成熟果(ヘタ離れ性無し)からタンパク質を抽出してプロテオーム解析を行ない、ヘタ離れ形質に関与するタンパク質を推定した。
ベニヒバリおよび宝交早生は農場にて公知の手法によって露地栽培して果実を収穫した。果実全体が赤くなっているものを成熟果実、それ以外を未成熟果実とした。ベニヒバリ成熟果実をヘタ離れ性の高い試料とし、ベニヒバリ未成熟果実および宝交早生成熟果実をヘタ離れ性の無い試料とした。収穫した果実はヘタ部と果実部に分け、液体窒素で急速冷凍した後、−80℃で保存した。
(タンパク質の抽出)
これら3種類の試料よりタンパク質を抽出した。タンパク質の抽出は、酢酸アンモニウム含有メタノール沈殿法(Qifa Zheng, et al. "Qualitative and Quantitative Evaluation of Protein Extraction Protocols for Apple and Strawberry Fruit Suitable for Two-Dimensional Electrophoresis and Mass Spectrometry Analysis." J. Agric. Food Chem. 2007, 55, 1663-1673)を用いた。
冷凍保存した試料を液体窒素中で粉末状にまで乳鉢および乳棒を使用して粉砕した後、粉砕試料1gを4mLの抽出緩衝液(0.5M Tris-HCl pH8.5,50mM EDTA, 0.1M KCl, 0.7M スクロース, 1% PVPP, 1mM フェニルメチルスルフォニルフロリド, 2.5mM ジチオトレイトール(DTT))に懸濁後、同量のTE飽和フェノールを添加して混和し、4℃にて30分間の遠心分離(10,000×g)を行い、上清を回収しタンパク質抽出液を調製した。
タンパク質抽出液に5倍量の0.1M酢酸アンモニウム含有メタノールを添加し、−20℃で一晩静置してタンパク質を沈殿させた。4℃にて15分間の遠心分離(10,000×g)を行い、タンパク質を完全に沈殿させて回収し、アセトンで2回洗浄した後、残渣中のアセトンを揮発させてからタンパク質溶解緩衝液(7M尿素,2Mチオ尿素,4%CHAPS,10mM DTT)に溶解させた。
抽出したタンパク質の定量には2D-Quant Kit(GEヘルスケア社製)を用いた。また、定量時の標準タンパク質としてウシ血清アルブミンを用いた
(電気泳動)
二次元電気泳動には,Multiphor II電気泳動装置(GEヘルスケア社製)を用いた。等電点電気泳動(1次元目電気泳動)用ゲルにはプレキャストゲルであるImmobiline DryStrip IPGゲル(GEヘルスケア社)を使用した。等電点電気泳動終了後のゲルを1%DTTまたは2.5%ヨードアセトアミドを含む平衡化緩衝液(1.5M Tris-HCl pH8.0, 6M尿素,30%グリセロール,2%ドデシル硫酸ナトリウム)で、それぞれ30分間穏やかに浸透しゲルの平衡化を行った。平衡化したゲルをExcelGel(GEヘルスケア社製)上に載せ、二次元目電気泳動を行った。分解能を向上させるため,一次元目電気泳動にはpH4〜7,6〜10の2種類のIPGゲルを用いた。二次元目電気泳動後に0.25%Coomassie Brilliant Blue R-250 (CBB)染色液で一晩ゲルを染色後、脱染色液(25%メタノール,7.5%酢酸)でバックグラウンドの染色を除いた。二次元電気泳動の操作は全て25℃で行った。
(タンパク質発現解析)
タンパク質を二次元展開した後のゲルをGT-X900(EPSON社製)を用いてスキャンし、画像データを取得した。得られた画像データからImageMaster 2D Platinum(GEヘルスケア社製)を用いてタンパク質スポットの解析を行った(図2)。同一試料タンパク質から3枚の独立した泳動ゲルを取得し、それらの画像データを統合して各種試料のデータとした。各試料間におけるスポットを解析し、染色面積・濃度に応じた数値を比較し、2倍以上の差があるものを発現パターンに差があるスポットとして選択した。また、ベニヒバリ成熟果のみで発現がみられたタンパク質スポットを「ヘタ離れ促進候補タンパク質」、ベニヒバリ未成熟果および宝交早生成熟果で共通に検出され、ベニヒバリ成熟果では検出されなかったスポットを「ヘタ離れ抑制候補タンパク質」として扱った。
(タンパク質の質量分析)
発現差異のあるスポット(複数のタンパク質が含まれている:図2に付した番号1〜13)を切り出し、トリプシン(プロテアーゼ:MP Biomedicals社製)を用いたin gel digestion法(ゲル内消化法)によってタンパク質をペプチド(50以下のアミノ酸から構成)に断片化し、質量分析の試料とした。質量分析はLTQ Orbitrap XL(Thermo Scientific社製)を用いESI-MS/MS法で行った。得られた質量分析データからアミノ酸配列を決定し、そのアミノ酸配列を持つタンパク質をタンパク質データベースから検索した。従って、そのアミノ酸配列を持つイチゴ由来タンパク質がデータベースに登録されていない場合には、配列が類似した他の植物種のタンパク質が検出される。
尚、アミノ酸配列およびタンパク質の検索には、Mascot search データベース(http://www.matrixscience.com/)を用いた。二つ以上のアミノ酸配列数が一致したタンパク質を同定タンパク質とした。
(タンパク質の機能推定)
質量分析より得られたタンパク質情報から、BLAST search(Basic Local Alignment Search Tool; http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)によりシロイヌナズナの相同遺伝子を検索した。得られたホモログの情報を基にGOデータベース(Gene Ontology;文献情報に基づきタンパク質などの遺伝子産物に対して機能情報を付加しているデータベース)により生体内機能を推定し分類した。
結果を図3,4に示した。
ヘタ離れ性の高い試料(ベニヒバリ成熟果実)と、ヘタ離れ性の無い試料(ベニヒバリ未成熟果実および宝交早生成熟果)とにおいて、84種類のタンパク質に発現差異が認められた。
ヘタ離れ性の高いベニヒバリ成熟果では、環境応答関連タンパク質(熱、低温、塩ストレス応答など)や、エネルギー代謝、アミノ酸・有機酸合成に関与されると推定されるタンパク質が多く含まれていた(図3)。
また、ヘタ離れ性の高いベニヒバリ成熟果では、エチレン生合成関連酵素であるSAM合成酵素、リンゴ酸脱水素酵素およびピルビン酸脱炭酸酵素(PDC)といったエチレンにより誘導されるタンパク質の蓄積量が増加していることが推測された(図4)。
〔実施例2〕
ヘタ離れとエチレンの関連性を明らかにするために、ヘタ離れ性を持たない宝交早生に、エチレン発生剤であるエテホンを処理した。
農場にて公知の手法によって露地栽培した宝交早生の果実果梗部に、エチレン発生剤であるエテホン(2−クロロエチルホスホン酸;農薬名エスレル10(石原バイオサイエンス株式会社製))を100倍希釈した溶液を塗布した。エテホンを塗布した植物体17個を密封容器に入れ、24時間生育させた(明期:16時間、室温25℃)。その後、果実の赤道部付近をつまんで引張り、ヘタ離れ性を調査した。比較対照として、エテホンに替えて水を宝交早生の果実果梗部に塗布した植物体11個についても同様にヘタ離れ性を調査した。
その結果、ヘタ離れ性を持たない宝交早生へのエテホン処理により、9個の植物体についてヘタ離れ率の向上(53%:9/17)が認められた。一方、比較対照の植物体については、ヘタ離れ率の向上は全く確認できなかった。従って、ヘタ離れはエチレンの存在によって有意に誘発されるものと認められた。
〔実施例3〕
ヘタ離れ性が異なる品種/熟度の果実から抽出したRNAを用いて、エチレン合成関連酵素遺伝子およびエチレン受容体遺伝子の発現解析を行った。
(RNA抽出)
−80℃で保存している果実ヘタ部を液体窒素中で粉末状になるまで乳鉢および乳棒を使用して破砕した。粉砕試料1gに対して65℃に加温したExtraction Buffer(100mM Tris-HCl (pH8.2), 1.4M NaCl, 20mM EDTA (pH8.0), 2% CTAB)を10mL添加し、ボルテックスを使用して激しく撹拌した。試料懸濁液を65℃で1時間静置後、室温まで冷却し、等量のCIA(Chloroform:Isoamylalchol=24:1)を添加し、転倒混和により均一なエマルジョンにした。室温にて15分間の遠心分離(12,000×g)を行い、上清を回収した。再度等量のCIAを添加し転倒混和した。室温にて15分間の遠心分離(12,000×g)を行い、上精を回収後、1/3倍量の12M LiClを添加し、4℃で一晩静置した。4℃にて15分間の遠心分離(12,000×g)を行い、上清を除去し5mLの二重蒸留水と5mLのフェノールを添加し、4℃にて10分間の遠心分離(12,000×g)を行い、水相を回収した。回収した水相と等量のフェノール/クロロホルムを添加し、4℃にて10分間の遠心分離(12,000×g)を行い、水相を回収した。回収した水相と等量のクロロホルムを添加し、4℃にて10分間の遠心分離(12,000×g)を行い、水相を回収した。回収した水相の1/30倍量の3M酢酸ナトリウムと1/10倍量の100%エタノールを添加し、よく撹拌した後、氷上で30分間静置した。室温にて25分間の遠心分離(12,000×g)を行い、上清を回収した後1/30倍量の3M酢酸ナトリウムと3倍量の100%エタノールを添加し、−70℃で3時間以上静置した。4℃にて20分間の遠心分離(12,000×g)を行い、上清を除去した後70%エタノールで洗浄し30mmの0.1%ジエチルピロカーボネート(DEPC)水溶液に溶解させた(Mehar H. Asif, et al., "A Simple Procedure for the Isolation of High Quality RNA from Ripening Banana Fruit" Plant Molecular Biology Reporter 18: 109-115, 2000)。
(遺伝子発現解析)
抽出した全RNAを鋳型とし、1st strand cDNA synthesis Kit(TaKaRa社製)を用いた逆転写反応によってcDNAを調製した。調製したcDNAを用いてリアルタイムPCR(TaKaRa社製)によって遺伝子発現解析を行った。各遺伝子のプライマー配列(配列番号1〜16)を図5に示した。PCRの条件は、製造業者の指示に従って行なった。また、アクチン遺伝子の発現量を各RNA試料間の内部標準(アクチン遺伝子の発現量を1とする)として用いた。結果を図6に示した。
この結果、ベニヒバリ果実では、成熟・未成熟に関わらず、エチレン合成酵素遺伝子群(SAMS,ACO,ACS)の発現量が高く、成熟果実では顕著に増加が見られた。例えば、SAMSにおいては、ベニヒバリ果実は宝交早生成熟果の約2.5倍であり、ACOにおいては、ベニヒバリ果実は宝交早生成熟果の約3.6倍であり、ACSにおいては、ベニヒバリ果実は宝交早生成熟果の約6倍であった。
また、エチレンにより遺伝子発現誘導が起こるエチレン受容体(ETR1,ETR2,ERS1)もベニヒバリ成熟果での発現量が高かった(それぞれ約1.4倍、約7倍、約1.7倍)。また、エチレン情報伝達因子CTRにおいても、ベニヒバリ果実での発現量が高かった(約2倍)。これらの結果から、ベニヒバリ(特に成熟果)では、エチレンの生成量が多いことが推測された。
〔実施例4〕
ベニヒバリおよび宝交早生では、エチレン関連遺伝子群の発現量に差異が認められた。この差異の原因として、遺伝子の上流に位置し、遺伝子の発現量を制御しているプロモーター配列に着目し、ベニヒバリおよび宝交早生におけるプロモーター配列の違いおよび遺伝子発現量との関連性を調べた。
(ゲノムDNA抽出)
農場にて公知の手法によって露地栽培したベニヒバリおよび宝交早生の果実を収穫し、本葉0.3gを収穫し、液体窒素で急速冷凍した後、乳鉢および乳棒を使用して破砕して粉末状にした。粉砕試料を自動核酸抽出装置QuickGene-810(FUJIFILM社)に供し、核酸の抽出精製を行った。
(プロモーター領域の増幅および配列解析)
抽出したゲノムDNAを用いて遺伝子(エチレン受容体遺伝子ETR2)の上流1kb程度の領域をDNA walking SpeedUpTM Premix Kit II(Seegene社製)を用いて増幅した。増幅したPCR産物は、pCR8/GW/TOPO TA Cloning Kit(invitrogen社製)を用いて、pCR8/GW/TOPOベクターに導入し、CEQTM8000シーケンサー(ベックマン・コールター社製)で配列情報を取得した。ベニヒバリ(配列番号17)および宝交早生(配列番号18)の塩基配列のシーケンスアライメントを図7に示す。
ETR2の上流配列(プロモーター領域:約900bp)では、ベニヒバリと宝交早生の間で15箇所の塩基置換が見つかった(図7)。当該塩基置換が特定の制限酵素の認識部位に存在すれば、両品種の識別マーカーに利用できるものと認められた。
本発明は、ヘタ離れ性を高めたイチゴの作出、および、高ヘタ離れ性イチゴの選抜に利用できる。
X イチゴ果実
a 果実
b 萼
c 境界付近
d ヘタ

Claims (3)

  1. イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性を高めるべく、
    エチレン関連遺伝子であるエチレン受容体遺伝子ETR2、および、当該エチレン受容体遺伝子ETR2の発現を制御可能なプロモーター配列の少なくとも一部を有するDNA配列を使用してイチゴの植物体を形質転換するヘタ離れ性を高めたイチゴの作出方法。
  2. 前記プロモーター配列が、配列番号17に記載のDNA配列を有する請求項1に記載のヘタ離れ性を高めたイチゴの作出方法。
  3. エチレン関連遺伝子であるエチレン受容体遺伝子ETR2の発現量、或いは、前記エチレン受容体遺伝子ETR2を基に合成されたエチレン関連タンパク質の蓄積量を指標とした、イチゴ果実と当該イチゴ果実の一部が残り付いた萼であるヘタとの分離性を高めた高ヘタ離れ性イチゴの選抜方法
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