JP6145868B2 - 固体撮像素子および撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の有機層を有する固体撮像素子およびその固体撮像素子を備えた撮像装置に関するものである。
従来、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話用カメラ、内視鏡用カメラ等に利用されているイメージセンサとして、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子が広く知られている。
そして、このような固体撮像素子として、有機化合物からなる有機層を備えた固体撮像素子の開発が本出願人らによって進められている。この有機層を備えた固体撮像素子は、基本的には、下部電極、有機層、上部電極をこの順に積層した構造を有するものである。
たとえば特許文献1および特許文献2などにおいては、有機層を複数の層から構成した固体撮像素子が提案されており、具体的には、光を受光し、その受光した光量に応じて電荷を発生する光電変換層と、下部電極や上部電極からの電荷注入を抑制する電荷ブロッキング層とを積層した有機層を備えた固体撮像素子が提案されている。
特開2007−88033号公報 特開2011−198856号公報 特開2007−59516号公報
ここで、上述したような固体撮像素子を製造する工程においては、固体撮像素子の厚さを薄くするために、基板の裏面を削るバックグラインドが行われる。
このバックグラインドの際、またはバックグラインドを行った後にバックグラインドテープを剥離する際、上述したように有機層が複数の層から形成され、これらの複数の層が基板上の同じ範囲に形成されている場合には、有機層の端部の基板に対する段差の傾斜角度が大きくなり、その結果、バックグラインドテープ側へ引っ張られる力が、有機層と基板との界面に大きく働くため有機層が基板から剥がれ易いという問題がある。
また、固体撮像素子の製造過程においては、200℃以上の温度で加熱する工程がある。具体的には、固体撮像素子におけるカラーフィルタを形成する際には、薬剤の塗布とともに、硬化のために一般には200℃程度の加熱を行う必要がある。また、基板とパッケージを電気接続するためのワイヤーボンディングの際や、パッケージへのチップのダイボンディング、パッケージの基板への接続のための半田リフローなどの際も加熱を伴う。したがって、有機層を備えた固体撮像素子には高い耐熱性が要求される。
しかしながら、たとえば2次元平面上にシャドーマスクを用いて有機層を形成した場合、その形成範囲の端部は相対的に耐熱性が低く、熱変質が起こりやすい。特に、上述したように有機層が複数の層によって構成されている場合には、各層の形成範囲の端部が揃っていると、熱的に不安定な層同士が同じ領域に存在することで、異なる層間の有機材料が混合するといった膜の変質が発生してしまう。
なお、特許文献3には、上述したようにシャドーマスクを用いて有機層を備えた固体撮像素子を製造する方法が提案されているが、上述したような有機層の剥がれや、有機層の変質を抑制するような製造方法については何も開示されていない。
本発明は、上記の事情に鑑み、有機層の基板からの剥がれや、加熱による有機層の変質を抑制することができる固体撮像素子およびその固体撮像素子を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子は、2次元状に配列された複数の画素電極と、画素電極に対向して設けられた対向電極と、画素電極と対向電極との間に設けられ、有機材料から形成された有機層とを備えた固体撮像素子であって、有機層が、一様に形成された複数の層を含むものであり、複数の層に含まれる2つの層が、一方の層の形成範囲が他方の層の形成範囲を含み、かつ上記一方の層の形成範囲が上記他方の層の形成範囲よりも広くなるよう形成されたものであることを特徴とする。
また、上記本発明の固体撮像素子においては、上記一方の層の形成範囲の端部と上記他方の層の形成範囲の端部とを、1μm以上離して形成することができる。
また、上記一方の層の方を上記他方の層よりも熱安定性が高い層とできる。
また、上記2つの層を、電極からの電子の注入を阻止する電子ブロッキング層と、光を受光してその光の光量に応じた電荷を発生する光電変換層とできる。
また、上記光電変換層を、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合したバルクヘテロ層とできる。
また、電子ブロッキング層を画素電極上に形成し、光電変換層を電子ブロッキング層上に形成したものとできる。
また、上記一方の層を光電変換層とし、上記他方の層を電子ブロッキング層とできる。
また、上記一方の層を電子ブロッキング層とし、上記他方の層を光電変換層とできる。
また、上記2つの層を、電極からの電子の注入を阻止する電子ブロッキング層とし、上記一方の層を、対向電極に近い側の電子ブロッキング層とし、上記他方の層を、画素電極に近い側の電子ブロッキング層とできる。
また、対向電極に近い側の電子ブロッキング層を、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む層とできる。
また、対向電極に近い側の電子ブロッキング層上に、光の照射を受けて電荷を発生する光電変換層を設けることができる。
また、光電変換層を、対向電極に近い側の電子ブロッキング層よりも狭い範囲に形成することができる。
また、対向電極に近い側の電子ブロッキング層の方を光電変換層よりも熱安定性が高い層とできる。
また、上記光電変換層を、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合したバルクヘテロ層とできる。
本発明の撮像装置は、上記本発明の固体撮像素子を備えたことを特徴とするものである。
本発明の固体撮像素子および撮像装置によれば、2次元状に配列された複数の画素電極と、その画素電極に対向して設けられた対向電極と、画素電極と対向電極との間に設けられ、有機材料から形成された有機層とを備えた固体撮像素子において、有機層を、一様に形成された複数の層を含むものとし、その複数の層に含まれる2つの層を、一方の層の形成範囲が他方の層の形成範囲を含み、かつ上記一方の層の形成範囲が上記他方の形成範囲よりも広くなるよう形成するようにしたので、2つの層の形成範囲を同じにした場合と比較すると、2つの層の端部の段差の傾斜角度を小さくすることができ、バックグラインドテープによる引っ張り力を傾斜面に分散することができるので、有機層の基板からの剥がれを防止することができる。また、形成範囲が広い上記一方の層を熱安定性が高い層とした場合には、加熱による有機層の変質を抑制することができる。
本発明の固体撮像素子の第1の実施形態の断面模式図 図1に示す第1の実施形態の固体撮像素子の平面模式図 第1実施形態の固体撮像素子の電子ブロッキング層の製造工程を示す断面図 第1実施形態の固体撮像素子の光電変換層の製造工程を示す断面図 第1実施形態の固体撮像素子の対向電極の製造工程を示す断面図 第1実施形態の固体撮像素子の対向電極の製造工程を示す断面図 第1実施形態の固体撮像素子のカラーフィルタ、隔壁、遮光膜およびパッド開口の製造工程を説明するための断面図 本発明の固体撮像素子の第2の実施形態の断面模式図 電子ブロッキング層の形成範囲を光電変換層の形成範囲よりも広くした場合の一例を示す模式図 電子ブロッキング層と光電変換層とを異なる範囲に形成した場合の一例を示す模式図
以下、図面を参照して本発明の固体撮像素子の一実施形態について説明する。図1は、本発明の固体撮像素子の第1の実施形態の断面模式図であり、図2は平面模式図である。
本実施形態の固体撮像素子1は、図1に示すように、基板10と、絶縁層11と、複数の画素電極12と、対向電極接続電極13と、パッド電極14と、接続部15と、接続部16と、有機層17と、対向電極20と、封止層24と、カラーフィルタ(CF)25と、隔壁26と、遮光層27と、保護層28と、対向電極電圧供給部9と、信号読出し回路8とを備える。
画素電極12と、これに対向する対向電極20の一部と、これら電極で挟まれる有機層17とにより有機光電変換素子が構成されている。
基板10は、ガラス基板またはSi等の半導体基板である。基板内に、対向電極電圧供給部9と、信号読出し回路8とを備える。基板10上には絶縁層11が形成されており、絶縁層11の表面に複数の画素電極12、対向電極接続電極13および複数のパッド電極14が形成されている。
読出し回路8は、複数の画素電極12の各々に対応して基板10に設けられており、対応する画素電極12で捕集された電荷に応じた信号を読出すものである。読出し回路8は、例えばCCD、MOS回路、またはTFT回路等で構成されており、絶縁層11内に配置された図示しない遮光層によって遮光されている。読出し回路8は、接続部15を介して対応する画素電極12と電気的に接続されている。
対向電極電圧供給部9は、基板10に形成され、対向電極20に所定の電圧を印加するものである。対向電極電圧供給部9は、接続部16および対向電極接続電極13を介して対向電極20に電気的に接続されている。対向電極20に印加すべき電圧が撮像素子の電源電圧よりも高い場合は、チャージポンプなどの昇圧回路によって電源電圧を昇圧して上記所定の電圧を供給する。
接続部15および16は、絶縁層11に埋設されたプラグなどであり、電気的な接続を可能とする導電性部材からなるものである。
画素電極12、対向電極接続電極13およびパッド電極14の材料としては、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属硼化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化チタン等の導電性金属酸化物、窒化チタン(TiN)等の金属窒化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)などの金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性化合物、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。特に好ましいのは、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タンタル、窒化タングステンのいずれかの材料である。
有機層17は、光電変換層18と電子ブロッキング層19とを積層したものであり、画素電極12側に電子ブロッキング層19が設けられ、対向電極20側に光電変換層18が設けられている。
また、図1および図2に示すように、光電変換層18と電子ブロッキング層19とを有する有機層17は、複数の画素電極12の上にこれらを覆うように一様に形成された層であり、全ての有機光電変換素子に共通の層である。
電子ブロッキング層19は、画素電極12から光電変換層18に電子が注入されてしまうのを防ぐための層であり、単層または複数層で構成されている。電子ブロッキング層19は、有機材料単独膜で構成されてもよいし、複数の異なる有機材料の混合膜で構成されていてもよい。電子ブロッキング層19は、隣接する画素電極12からの電子注入障壁が高くかつ正孔輸送性が高い材料で構成することが好ましい。電子注入障壁としては、隣接する画素電極12の仕事関数よりも、電子ブロッキング層19の電子親和力が1eV以上小さいことが好ましい、より好ましくは1.3eV以上、特に好ましいのは1.5eV以上である。
電子ブロッキング層19は、画素電極12と光電変換層18の接触を十分に抑制し、また画素電極12表面に存在する欠陥やゴミの影響を避けるために、20nm以上であることが好ましい、より好ましくは40nm以上、特に好ましいのは60nm以上である。
電子ブロッキング層19を厚くしすぎると、光電変換層18に適切な電界強度を印加するために必要な、供給電圧が高くなってしまう問題や、電子ブロッキング層19中のキャリア輸送過程が、光電変換素子の性能に悪影響を与えてしまう問題が生じる。電子ブロッキング層19の総膜厚は、300nm以下であることが好ましい、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。
電子ブロッキング層19には、電子供与性有機材料を用いることができる。具体的には、低分子材料では、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物、トリアゾール誘導体、オキサジザゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、フルオレン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体などを用いることができ、高分子材料では、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体や、その誘導体を用いることができる。電子供与性化合物でなくとも、充分な正孔輸送性を有する化合物であれば用いることは可能である。具体的には、例えば、特開2008−72090号公報に記載された化合物等を好ましく用いることができる。
また、電子ブロッキング層19としては無機材料を用いることもできる。一般的に、無機材料は有機材料よりも誘電率が大きいため、電子ブロッキング層19として用いた場合に、光電変換層18に電圧が多くかかるようになり、光電変換効率(感度)を高くすることができる。電子ブロッキング層19となりうる材料としては、酸化カルシウム、酸化クロム、酸化クロム銅、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ガリウム銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化インジウム銅、酸化インジウム銀、酸化イリジウム等がある。
光電変換層18は、光を受光し、その光量に応じた電荷を発生するものであり、有機の光電変換材料を含んで構成されている。
光電変換層18は、p型有機半導体またはn型有機半導体を含有した層であることが好ましく、p型有機化合物半導体と、n型有機化合物半導体とを混合したバルクへテロ層(混合層)を少なくとも一部に含むことがより好ましい。光電変換層としてバルクへテロ層を用いることにより、光電変換効率(感度)を向上させることができる。最適な混合比率でバルクへテロ層を作製することにより、光電変換層の電子移動度、正孔移動度を高くすることができ、光電変換素子の光応答速度を高速にすることができる。
さらに、光電変換層18は、フラーレンまたはフラーレン誘導体をn型有機半導体として含むことが好ましい。すなわち、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体と混合したバルクヘテロ層であることが好ましい。
フラーレンまたはフラーレン誘導体を含むことにより、フラーレン分子またはフラーレン誘導体分子が連なった状態になって電子の経路が形成されるため、電子輸送性が向上して、有機光電変換素子の高速応答性が実現可能となる。
光電変換層18において、フラーレンまたはフラーレン誘導体が多すぎるとp型有機半導体が少なくなって入射光の吸収量が低下する。また、PN接合界面が小さくなり励起子解離効率が低下する。フラーレンまたはフラーレン誘導体の光電変換層18における総含量は、40体積%以上85体積%以下であることが好ましい。
p型有機化合物半導体としては、たとえば、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができ、トリアリールアミン化合物、ピラン化合物、キナクリドン化合物、ピロール化合物、フタロシアニン化合物、メロシアニン化合物、縮合芳香族炭素環化合物が好ましい。
有機層17は、真空蒸着法で成膜することが好ましい。成膜時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにすることが好ましい。かかる成膜方法としては真空蒸着法が挙げられる。真空蒸着法においては、水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することが好ましい。また、2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法を用いることができ、共蒸着法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着等を用いて実施することが好ましい。
また、本実施形態においては、基板10上において、電子ブロッキング層19と光電変換層18とは異なる範囲で形成されており、光電変換層18と電子ブロッキング層19の端部の位置が異なるように形成されている。より具体的には、電子ブロッキング層19よりも光電変換層18の方が広い範囲で形成されており、光電変換層18が電子ブロッキング層19の端部を覆うように形成されている。このように光電変換層18を形成することによって、2つの層の形成範囲を同じにした場合と比較すると、有機層17の端部の段差の傾斜角度を小さくすることができる。したがって、バックグラインドテープによる引っ張り力を傾斜面に分散することができるので、有機層17の基板10からの剥がれの発生を抑制することができる。
また、本実施形態のように、有機層17を複数の層で形成する場合、上述した耐熱性の観点から、複数の有機層のうち、より熱安定性が高い有機層の形成範囲の方が、熱安定性が低い有機層の形成範囲よりも広いことが望ましい。複数の有機層の熱安定を比較する方法としては、たとえば有機層が単一の有機材料で形成されている場合は、有機材料のガラス転移温度がより高い材料を用いた層が、熱安定性が高くなる。また、有機層が複数の材料を混合した層である場合は、形成された各層を加熱した場合に、観測される膜の変質が起こる温度がより高い層が、熱安定性の高い層である。膜の変質を観測する手段としては、例えば、ラマン分光、IR分光、可視光吸収といった、光学特性の変化を観測したり、光学顕微鏡を用いて膜面の変化を観測したりすることができる。
本実施形態における有機層17は、上述したように基板10上に、電子ブロッキング層19、光電変換層18の順に積層されている。
したがって、上述したような耐熱性の観点から、光電変換層18を、p型有機化合物半導体とフラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合したバルクへテロ層から形成し、基板10上における光電変換層18の形成範囲を電子ブロッキング層19の形成範囲よりも広くすることが望ましい。光電変換層18は、フラーレンまたはフラーレン誘導体を混合したバルクへテロ層を用いることで熱安定性が高くすることができる。相対的に熱安定性の低い電子ブロッキング層19よりも広い範囲に熱安定性の高いバルクへテロ層を形成することで、電子ブロッキング層19の熱変質を抑制することができる。
対向電極20は、有機層17上に全ての有機光電変換素子に共通に設けられた電極である。対向電極20は、有機層17よりも外側に配置された対向電極接続電極13の上にまで延伸形成されており、対向電極接続電極13と電気的に接続されている。
対向電極20は、光電変換層18に入射する光の絶対量を増加させ、外部量子効率を高くするために、透明導電性酸化物を用いることが好ましい。対向電極20の材料として好ましいのは、ITO、IZO、SnO2、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO2、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料である。
対向電極20の光透過率は、可視光波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
通常、導電性薄膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本実施形態においては、シート抵抗は、好ましくは100Ω/□以上10000Ω/□以下でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、透明導電性薄膜は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換層18での光吸収を増大させ、光電変換能を増大させるため、非常に好ましい。薄膜化に伴う、リーク電流の抑制、薄膜の抵抗値の増大、透過率の増加を考慮すると、透明導電性薄膜の膜厚は、5nm以上30nm以下であること、好ましくは5nm以上20nm以下である事が望ましい。対向電極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、スパッタリング法で成膜することが望ましい。
封止層24としては次の条件が求められる。第一に、封止層24の成膜工程において、光電変換素子の性能を劣化させないことが挙げられる。第二に、光電変換素子または固体撮像素子の作製後に、水分子などの光電変換材料を劣化させる因子の侵入を阻止して、長期間の保存/使用にわたって、光電変換層の劣化を防止することが挙げられる。第三に、封止層24の成膜後の固体撮像素子の作製工程において溶液、プラズマなどに含まれる光電変換材料を劣化させる因子の侵入を阻止して光電変換層18を保護することが挙げられる。第四に、入射光は封止層24を通じて光電変換層18に到達するので、光電変換層18によって検出される波長の光に対して封止層24は透明でなくてはならない。
封止層24は、単一材料からなる薄膜で構成することもできるが、多層構成にして各層に別々の機能を付与することもできる。例えば、封止層24は水分子などの光電変換材料の劣化因子の浸透を阻止する第一封止層の上に、その層で達成することが難しい機能を有する封止補助層を積層した二層構成を形成することができる。ただし、製造コストを勘案するとなるべく層数は少ない方が好ましい。
有機光電変換材料は、水分子などの劣化因子の存在で顕著に性能が劣化してしまう。そのために水分子などを浸透させない緻密な金属酸化物、金属窒化酸化物などで光電変換層18全体を被覆して封止することが必要である。したがって、封止層24としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素やそれらの積層構成、それらと有機高分子の積層構成などを用いることができる。
また、封止層24は、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差において平坦部と比べて膜厚が顕著に薄くなってしまう。これは段差によって影が生じ、これにより薄膜の成長が困難となるからである。この段差部分は、劣化因子の浸透する経路になってしまう。この段差を封止層で完全に被覆するには、平坦部において1μm以上の膜厚になるように成膜して、封止層全体を厚くする必要がある。
しかしながら、画素寸法が2μm未満、特に1μm程度の固体撮像素子において、カラーフィルタと光電変換層18との距離、すなわち、封止層24の膜厚が大きいと、封止層24内で入射光が回折または発散してしまい、混色が発生する。このために、画素寸法が1μm程度の固体撮像素子は、封止層全体の膜厚を減少させても素子性能が劣化しないような封止層材料およびその製造方法が必要になる。このような製造方法として、たとえば原子層堆積(ALD)法がある。
原子層堆積(ALD)法は、CVD法の一種で、薄膜材料となる有機金属化合物分子、金属ハロゲン化物分子、金属水素化物分子の基板表面への吸着/反応と、それらに含まれる未反応基の分解を、交互に繰返して薄膜を形成する技術である。基板表面へ薄膜材料が到達する際は低分子の状態なので、低分子が入り込めるごくわずかな空間さえあれば薄膜が成長可能である。そのために、従来の薄膜形成法では困難であった段差部分を完全に被覆し(段差部分に成長した薄膜の厚さが平坦部分に成長した薄膜の厚さと同じ)、すなわち段差被覆性が非常に優れる。そのため、基板表面の構造物、基板表面の微小欠陥、基板表面に付着したパーティクルなどによる段差を完全に被覆できるので、そのような段差部分が光電変換材料の劣化因子の浸入経路にならないようにすることができる。
原子層堆積法で封止層24を形成する場合は、上述の好ましい封止層24に対応した材料を適宜選択できる。しかしながら、有機光電変換材料が劣化しないような、比較的に低温で薄膜成長が可能な材料に制限される。アルキルアルミニウムやハロゲン化アルミニウムを材料とした原子層堆積法によると、有機光電変換材料が劣化しない200℃未満で緻密な酸化アルミニウム薄膜を形成することができる。特にトリメチルアルミニウムを使用した場合は100℃程度でも酸化アルミニウム薄膜を形成することができるため好ましい。
封止層24は、水分子などの光電変換材料を劣化させる因子の侵入を十分阻止するためには、10nm以上の膜厚であることが好ましい。また、上述したような封止層24内での入射光の回折や発散よる混色を防止するためには、封止層の膜厚としては、200nm以下であることがより好ましい。
上述したように原子層堆積法により形成した薄膜は、段差被覆性、緻密性という観点からは比類なく良質な薄膜形成を低温で達成できる。しかし、薄膜がフォトリソグラフィ工程で使用する薬品で劣化してしまうことがある。例えば、原子層堆積法で成膜した酸化アルミニウム薄膜は非晶質なので、現像液や剥離液のようなアルカリ溶液で表面が侵食されてしまう。このような場合には、原子層堆積法で形成した酸化アルミニウム薄膜上に、耐薬品性に優れる薄膜が必要である。すなわち、封止層を保護する機能層となる、上述した封止補助層を設けることが望ましい。例えばCVD法で成膜した耐薬品性に優れる金属酸化物、金属窒化物、金属窒化酸化物などのいずれか一つを含む層を封止補助層として設けることが好ましい。また、封止補助層としては、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素のいずれか一つを含む層であることが好ましい。
カラーフィルタ25は、封止層24上の各画素電極12と対向する位置に形成されている。隔壁26は、カラーフィルタ25同士の間に設けられており、カラーフィルタ25の光透過効率を向上させるためのものである。
遮光層27は、封止層24上のカラーフィルタ25および隔壁26を設けた領域以外に形成されており、有効画素領域以外に形成された有機層17に光が入射する事を防止する。保護層28は、カラーフィルタ25、隔壁26、及び遮光層27上に形成されており、撮像素子1全体を保護する。
このように構成された固体撮像素子1では、光が入射すると、この光が有機層17の光電変換層18に入射し、ここで電荷が発生する。発生した電荷のうちの正孔は、画素電極12で捕集され、その量に応じた電圧信号が信号読出し回路8によって固体撮像素子1外部に出力される。
以下、本実施形態の固体撮像素子1の製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。図3〜図7はその製造工程を示す断面模式図である。
まず、信号読出し回路8、対向電極電圧供給部9、対向電極接続電極13、パッド電極14、画素電極12を形成したSi基板10を、第1のシャドーマスク30が用意されている第1の真空室に導入して、図3に示すように、第1のシャドーマスク30を基板10上に配置する。なお、画素電極12は、TiNで形成し、画素数は、320×240=76800画素である。
この時、第1のシャドーマスク30と基板10は、直接接触していても、スペーサーを介して固定されていても良い。第1のシャドーマスク30は、複数の画素電極12が二次元配列形成されている有効画素領域(撮像領域)を露出する開口30aを有している。
次いで、下記化学式で示す有機化合物1からなる電子ブロッキング層19を真空蒸着法により100nmの膜厚で成膜する。この時、電子ブロッキング層は、第1のシャドーマスク30を通して、各画素電極12を覆うように形成される。
Figure 0006145868
次に、第1のシャドーマスク30を基板10から取り外し、基板10を第2の真空室に導入して、図4に示すように、第2のシャドーマスク31を基板10上に配置する。この時、第2のシャドーマスク31は、基板表面に直接接触していても、スペーサーを介して基板に固定されていても良い。第2のシャドーマスク31は、基板10上の複数の画素電極12が形成された有効画素領域が露出され、対向電極接続電極13およびパッド電極14の領域を含む有効画素領域以外が非開口とされ、かつ第1のシャドーマスク30の開口30aよりも広い開口31aを有するものである。
そして、下記化学式で示す有機化合物2とC60を共蒸着により400nmの膜厚で光電変換層18を成膜する。この共蒸着膜からなる光電変換層18は、第2のシャドーマスク31を通して、各画素電極の上部を覆い、かつ光電変換層18の成膜範囲が電子ブロッキング層19の成膜範囲よりも広くなるように成膜され、電子ブロッキング層19の端部が光電変換層18によって覆われるように成膜される。
Figure 0006145868
次に、基板10から第2のシャドーマスク31を取り外し、図5に示すように、第3のシャドーマスク32を基板上に配置する。この時、第3のシャドーマスク32は、基板表面に直接接触していても、スペーサーを介して基板に固定されていても良い。第3のシャドーマスク32は、基板10上の複数の画素電極12が形成された有効画素領域と対向電極接続電極13の領域が連続して露出され、パッド電極14の領域が非開口である開口32aを有するものである。
次に、基板10をスパッタ室に導入して、対向電極20としてITOを10nmの膜厚でスパッタ成膜する。これにより、図6に示すように、対向電極20が第3のシャドーマスク32を通して、光電変換層18と対向電極接続電極13を覆うように形成される。
次に、基板を第1の真空室に搬送して、基板から第2のシャドーマスク6を取外す。
次に、基板10から第3のシャドーマスク32を取り外した後、基板10をCVD室に導入し、封止層24として透明窒化珪素をCVD法を用いて300nmの膜厚で成膜する。この時、封止層24は基板全体を覆うように形成される。
そして、さらにカラーフィルタ25、隔壁26および遮光層27を形成した後、パッド開口29を形成する(図7参照)。なお、遮光層27とカラーフィルタ25は、特開2011−228648号に記載されている方法を用いて形成することができる。
次に、バックグラインドテープを基板10の表面に貼り、基板10の厚みを薄くするためにバックグラインドを実施する。
そして、バックグラインドの後、バックグラインドテープを剥離し、基板10をダイシングして個々のチップとする。
最後に、周辺のパッド電極14と回路基板とのワイヤーボンディングを行い、パッケージングをして固体撮像素子を得ることができる。
上述したように電子ブロッキング層19と光電変換層18とを異なる開口のシャドーマスクにより形成することで、有機層17の端部の段差の傾斜角度を小さくすることができ、有機層17の基板10からの剥離を抑制することができる。
また、上述した固体撮像素子の製造過程においては、先に説明したように200℃以上の温度で加熱する工程があるが、本実施形態の固体撮像素子1によれば、複数の有機層、具体的には電子ブロッキング層19と光電変換層18の形成範囲の端部をずらして作製することにより、加熱による膜の変質の発生を抑制することができる。
耐熱性の観点から、電子ブロッキング層19の形成範囲の端部と光電変換層18の形成範囲の端部との距離W1(図1および図2参照)は、最も近い距離で1μm以上離れていることが好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
なお、上述した第1のシャドーマスクと第2のシャドーマスクは、開口の形状、もしくは開口の大きさが異なるものを用いても良いし、開口の形状および開口の大きさが同じものを用いても良い。開口の形状および大きさが同じ場合は、基板10とシャドーマスクの合わせ位置を変えることで、異なる領域に成膜することができる。
また、電子ブロッキング層19、光電変換層18のいずれか、もしくは両方が複数の層により形成されている場合は、それぞれの層の形成領域を変えることが望ましい。
次に、本発明の固体撮像素子の第2の実施形態を説明する。図8は、本発明の固体撮像素子の第2の実施形態の断面模式図である。
本実施形態の固体撮像素子2は、電子ブロッキング層19を2層から構成したものであり、画素電極12側から第1の電子ブロッキング層19a、第2の電子ブロッキング層19b、光電変換層18の順で形成される。また、本実施形態の固体撮像素子2は、光電変換層18の形成範囲が、第1の実施形態の固体撮像素子1とは異なるものである。以下、第1の実施形態の固体撮像素子1とは異なる構成を中心に説明する。
本実施形態の固体撮像素子2における光電変換層18は、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体と混合したバルクヘテロ層から構成されるものである。
また、第1の電子ブロッキング層19aは、光電変換層18に用いられているp型有機化合物半導体よりもガラス転移温度が高い有機化合物から形成されるものである。具体的には、たとえば、上記化学式で示す有機化合物1から形成されるが、これに限らず、光電変換層18に用いられているp型有機化合物半導体よりもガラス転移温度が高い有機化合物であれば、その他の有機化合物を用いるようにしてもよい。
また、第2の電子ブロッキング層19bは、第1の電子ブロッキング層19aに用いられた有機化合物と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合した材料から形成されるものである。
ここで、フラーレンのガラス転移温度をTg1、第1の電子ブロッキング層19aを形成する有機化合物のガラス転移温度をTg2、光電変換層18に用いられているp型有機化合物半導体のガラス転移温度をTg3とするとTg1>Tg2>Tg3の関係となるので、有機層17の各層の熱安定性は、高い順から第2の電子ブロッキング層19b、光電変換層18、第1の電子ブロッキング層19aの順となる。なお、光電変換層18と第2の電子ブロッキング層19bにそれぞれ混合されるフラーレンの量は、体積比で、光電変換層のフラーレン量:第2の電子ブロッキング層のフラーレン量=1:1〜1:2であることが望ましい。
したがって、上述した耐熱性の観点から、第2の実施形態の固体撮像素子2においては、図8に示すように、第1の電子ブロッキング層19a、光電変換層18、第2の電子ブロッキング層19bの順でその形成範囲が広くなるように形成される。また、第1の電子ブロッキング層19aの端部が、第2の電子ブロッキング層19bの端部によって覆われるように形成されており、第1の電子ブロッキング層19aの形成範囲の端部と第2の電子ブロッキング層19bの形成範囲の端部との距離W2(図8参照)は、最も近い距離で1μm以上離れていることが好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、第2の電子ブロッキング層19bの形成範囲の端部と光電変換層18の形成範囲の端部との距離W3も、最も近い距離で1μm以上離れていることが好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
第2の実施形態の固体撮像素子2のように、熱安定性が相対的に低い第1の電子ブロッキング層19aを熱安定性が相対的に高い第2の電子ブロッキング層19bによって覆うことによって、第1の電子ブロッキング層19aの熱による変質を防止することができる。また、熱安定性が相対的に低い光電変換層18を熱安定性が相対的に高い第2の電子ブロッキング層19bによりも内側(狭い範囲)に形成することによって、光電変換層18の熱による変質を防止することができる。したがって、第2の実施形態の固体撮像素子2は、より高い耐熱性を実現することができる。
また、上記第1の実施形態と同様に、有機層17の端部の段差の傾斜角度を小さくすることができるので、有機層17の基板10からの剥がれの発生を抑制することができる。
なお、第2の実施形態の固体撮像素子2の製造方法については、第1の電子ブロッキング層19a、第2の電子ブロッキング層19bおよび光電変換層の各層について、それぞれその形成範囲に応じた開口を有するシャドーマスクを用いるようにすればよい。
また、上記第1の実施形態においては、光電変換層18の形成範囲を電子ブロッキング層19の形成範囲よりも広くするようにしたが、これとは逆に、電子ブロッキング層19の形成範囲を光電変換層18の形成範囲よりも広くするようにしてもよい。図9は、このような構成の場合の一例を示す模式図である。なお、図9は、光電変換層18の形成範囲と電子ブロッキング層19の形成範囲との関係を説明するものであるため、その説明のために必要な構成のみを示している。図9の上図は、光電変換層18の形成範囲と電子ブロッキング層19の上面図であり、図9の下図は、図9の上図のA−A線断面図である。また、図9における斜線の範囲は、画素電極12が2次元状に配列された範囲を示している。
図9に示すような構成においても、電子ブロッキング層19と光電変換層18とからなる有機層17の端部の段差の傾斜角度を小さくすることができるので、有機層17の基板10からの剥がれの発生を抑制することができる。
また、図9に示す構成においては、電子ブロッキング層19の形成範囲の端部と光電変換層18の形成範囲の端部との距離W4を、最も近い距離で1μm以上離して形成することが好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。第2の実施形態のように光電変換層18よりも電子ブロッキング層19の方を、熱安定性が高い層とした場合には、有機層17の熱変質を防止することができる。
また、図10は、電子ブロッキング層19と光電変換層18とを異なる範囲に形成した場合の一例を示すものである。なお、図10も、光電変換層18の形成範囲と電子ブロッキング層19の形成範囲との関係を説明するものであるため、そのために必要な構成のみを示している。図10の上図は、光電変換層18の形成範囲と電子ブロッキング層19の上面図であり、図10の下図は、図10の上図のB−B線断面図である。また、図10における斜線の範囲は、画素電極12が2次元状に配列された範囲を示している。
また、上記実施形態の固体撮像素子は、種々の撮像装置に用いることができる。撮像装置としては、たとえばデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子内視鏡、カメラ付携帯電話などがある。
1,2 固体撮像素子
10 基板
12 画素電極
17 有機層
18 光電変換層
19 電子ブロッキング層
19a 第1の電子ブロッキング層
19b 第2の電子ブロッキング層
20 対向電極

Claims (14)

  1. 2次元状に配列された複数の画素電極と、該画素電極に対向して設けられた対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に設けられ、有機材料から形成された有機層とを備えた固体撮像素子であって、
    前記有機層が、一様に形成された複数の層を含むものであり、
    前記複数の層に含まれる2つの層が、一方の層の形成範囲が他方の層の形成範囲を含み、かつ前記一方の層の形成範囲が前記他方の層の形成範囲よりも広くなるよう形成されたものであり、
    前記一方の層の形成範囲の端部と前記他方の層の形成範囲の端部とが、1μm以上離れていることを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記一方の層の方が前記他方の層よりも熱安定性が高い層であることを特徴とする請求項記載の固体撮像素子。
  3. 前記2つの層が、電極からの電子の注入を阻止する電子ブロッキング層と、光を受光して該光の光量に応じた電荷を発生する光電変換層とであることを特徴とする請求項1または2記載の固体撮像素子。
  4. 前記光電変換層が、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合したバルクヘテロ層であることを特徴とする請求項記載の固体撮像素子。
  5. 前記電子ブロッキング層が前記画素電極上に形成され、前記光電変換層が前記電子ブロッキング層上に形成されていることを特徴とする請求項または記載の固体撮像素子。
  6. 前記一方の層が前記光電変換層であり、前記他方の層が前記電子ブロッキング層であることを特徴とする請求項記載の固体撮像素子。
  7. 前記一方の層が前記電子ブロッキング層であり、前記他方の層が前記光電変換層であることを特徴とする請求項記載の固体撮像素子。
  8. 前記2つの層が、電極からの電子の注入を阻止する電子ブロッキング層であり、
    前記一方の層が、前記対向電極に近い側の電子ブロッキング層であり、
    前記他方の層が、前記画素電極に近い側の電子ブロッキング層であることを特徴とする請求項1または2記載の固体撮像素子。
  9. 前記対向電極に近い側の電子ブロッキング層が、フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む層であることを特徴とする請求項記載の固体撮像素子。
  10. 前記対向電極に近い側の電子ブロッキング層上に、光の照射を受けて電荷を発生する光電変換層が設けられていることを特徴とする請求項または記載の固体撮像素子。
  11. 前記光電変換層が、前記対向電極に近い側の電子ブロッキング層よりも狭い範囲に形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  12. 前記対向電極に近い側の電子ブロッキング層の方が前記光電変換層よりも熱安定性が高い層であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  13. 前記光電変換層が、p型有機化合物半導体と、フラーレンまたはフラーレン誘導体とを混合したバルクヘテロ層であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  14. 請求項1から1いずれか1項記載の固体撮像素子を備えたことを特徴とする撮像装置。
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