JP6145173B2 - タバコ材料の処理 - Google Patents

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Description

本発明はタバコ材料の処理方法に関する。
タバコ材料から特定の成分の含量を低減させた後に、そのタバコ材料を紙巻きタバコ等の喫煙品に配合することが望ましい場合がある。
第1の態様によれば、タバコ材料を蒸気加水分解で処理することを含む方法が提供される。
ある実施態様では、前記方法によって、タバコ材料のポリフェノール含量が未処理のタバコ材料に比べて低減する。
ある実施態様では、本発明の方法によって、タバコ材料中のニコチン量が実質的に低減することはない。
ある実施態様では、前記方法によって、タバコ材料のタンパク質含量が未処理のタバコ材料に比べて低減する。
ある実施態様では、タバコ材料を水性媒体に懸濁させ、その水性媒体を加熱して蒸気加水分解用の蒸気を発生させる。ある実施態様では、水性媒体は水、水溶液または水性懸濁液である。
ある実施態様では、水性媒体のタバコ材料に対する重量比は少なくとも1:1である。
ある実施態様では、前記方法はオーム加熱を含む。更なる実施態様では、水溶液には、オーム加熱に必要な導電性を得るのに十分なイオンが含まれている。
ある実施態様では、前記方法を高圧力で行う。ある実施態様では、最大圧力で任意時間経過後に圧力を解放する。
ある実施態様では、蒸気加水分解で処理したタバコ材料を、次にそれが懸濁した水性媒体から分離する。この分離では、例えば、濾過及び/または遠心分離を用いてもよい。
蒸気加水分解に加え、本発明の方法は、タバコ材料を1種以上の酵素で処理すること、タバコ材料を1種以上の界面活性剤で処理すること、タバコ材料を1種以上の吸着剤で処理すること、及び/または、タバコ材料を1種以上の非水性液体で処理することを更に含んでもよい。
第2の態様によれば、第1の側面に係る方法で処理されたタバコ材料またはその派生物が提供される。
第3の態様によれば、第2の側面に係るタバコ材料またはその派生物を含む喫煙品が提供される。
第4の側面によれば、タバコ材料から1種以上のポリフェノールを除去するための蒸気加水分解の使用が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施態様について説明するが、これらは単なる例示に過ぎない。
図1は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた実験で検出及び測定された4種類の参照ポリフェノール化合物、即ち、スコポレチン、コーヒー酸、クロロゲン酸及びルチンの化学構造を示す。 図2は、4種類の参照ポリフェノール化合物を各々100ppmの濃度で含有する試料について得られたHPLCスペクトルを示す。 図3は、1つの蒸気加水分解実験について得られたHPLCスペクトルを示す。 図4は、フォーリン・チオカルト(FC)法において吸光度を没食子酸当量(GAE)の単位に換算するための検量線を示す。 図5は、ポリフェノール化合物の除去量をHPLCで測定した場合とFC法で測定した場合との正の相関関係を示すグラフである。 図6は、吸光度をウシ血清アルブミン濃度に換算するための検量線を示すが、この濃度はブラッドフォード法において全種類のタンパク質の濃度の近似値として用いることができよう。 図7は、本発明の実施態様に係る処理済みタバコ材料を含む喫煙品の概略側面図である。
蒸気加水分解によってタバコ材料を処理することを含む方法を提供する。少なくともある実施態様では、蒸気加水分解によってセルロース系材料が加水分解され、細胞に結合した成分の遊離が促進される。
従来、タンパク質やポリフェノールの除去を試みる方法が提案されているが、これらの方法は複雑で費用が掛かる傾向にある。
タバコ材料を適切に改変する目的のために、蒸気加水分解を用いてタバコ材料を処理してもよい。ある実施態様では、蒸気加水分解によって1種以上の化学物質が除去される。特にある実施態様では、蒸気加水分解によって、タバコ材料中で望ましくないと考えられる場合がある1種以上の化学物質が除去される。ある実施態様では、蒸気加水分解によって1種以上のポリフェノールが除去される。ある実施態様では、蒸気加水分解によって1種以上のタンパク質が除去されることもある。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理には、タバコ材料を蒸気加水分解に付す工程が少なくとも1つ含まれる。ある実施態様では、前記方法には2つ以上の蒸気加水分解工程が含まれるが、各蒸気加水分解工程で用いる条件は同一であってもよく、異なっていてもよい。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、タバコ材料から少なくとも1種の化学物質が除去され得る。ある実施態様では、この処理によって、未処理のタバコ材料に存在するポリフェノール化合物の少なくとも一部が除去され得る。あるいは、またはそれに加えて、この処理によって、未処理のタバコ材料に存在するタンパク質の少なくとも一部が除去され得る。
蒸気加水分解でタバコ材料を処理することによって、セルロース系材料が加水分解し、細胞に結合した成分の遊離が促進され得る。オーム加熱は、非常に効率の良い容積電気加熱(volumetric electrical heating)方法である。ある実施態様では、タバコの水性懸濁液を加圧下で(即ち、大気圧よりも高い圧力の下で)加熱した後、その高い圧力を迅速に解放する。この圧力の解放によって細胞構造が破壊され、細胞内成分が水相に抽出され得ると考えられる。
タバコ材料は植物死細胞を含んでおり、植物死細胞は、好ましい条件下で水と反応する多くの官能基を有する。従って、好ましい条件下でタバコ材料を水に曝露すると、種々の細胞構造が破壊され、その結果、様々な化学物質が遊離する可能性が高い。最も重要なのは、植物細胞壁中のセルロースがO−グリコシド結合で連結されたグルコース分子を含んでおり、この結合が好ましい条件下での加水分解によって切断し得ることである。これによって細胞壁が破壊され、細胞壁が水の正の圧力ポテンシャル(Ψ)と平衡しなくなり、細胞内物質が遊離する。
タバコ材料の処理における蒸気加水分解工程は有利となり得るが、その理由として、この工程では加水分解を高温及び/または高圧力で行う可能性が高く、高温及び/または高圧力では加水分解速度が高まり、その結果、ポリフェノール及び/またはタンパク質等の特定の成分をタバコ材料から効率良く除去できる可能性が高くなり好都合であるためである。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理は、如何なる適切なタバコ材料に応用してもよい。タバコ材料は、タバコ属の任意の適切なタバコ植物の如何なる適切な部分に由来してもよい。タバコ材料は適切に処理してもよく、任意の適切な保存方法で保存した後に蒸気加水分解で処理してもよい。しかし、ある実施態様では、蒸気加水分解で処理するタバコ材料は既に保存されており、保存切断片及び/または保存全葉タバコであってもよい。蒸気加水分解によるタバコ材料の処理に使用可能なタバコの例としては、バージニアやバーレー、メリーランド、オリエンタル、ルスティカが挙げられるが、これらに限定されない。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、タバコ材料から1種以上の化学物質が除去され得る。ある実施態様では、タバコ材料から除去される1種以上の化学物質はポリフェノールである。蒸気加水分解によって除去され得るポリフェノールとしては、クロロゲン酸やコーヒー酸、ルチン、スコポレチン、ケルセチンが挙げられるが、これらに限定されない。
タバコ材料のポリフェノール含量を低減させるために、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理は、如何なる適切な工程を含んでもよく、如何なる適切な工程数であってもよい。また、この処理ではタバコ材料を任意の適切な方法で更に改変してもよく、例えば、燃焼時に発生する風味の改変、及び/または他の種類の化学物質の除去を行う。
ある実施態様では、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、1種以上のポリフェノールの含量が、未処理のタバコ材料のポリフェノール含量に対し、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または少なくとも95%低減する。
ある実施態様では、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、1種以上のポリフェノールの抽出量が、未処理のタバコ材料のポリフェノール含量に対し、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%または少なくとも95%となる。
あるいは、またはそれに加えて、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、タンパク質含量が、未処理のタバコ材料のタンパク質含量に対し、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または少なくとも50%低減する。
ある実施態様では、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、タンパク質の抽出量が、未処理のタバコ材料のタンパク質含量に対し、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または少なくとも50%となる。
ある実施態様では、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理、特に、蒸気加水分解工程によって、様々な理由から除去したくない化学物質の少なくとも一部の除去が抑制されるか、または最小限に抑えられる。理由の一つとしては、例えば、このような化学物質が、処理済みタバコ材料を含む喫煙品を吸うことに対し積極的に貢献することが挙げられる。
ニコチンはこのような物質の一例として挙げられ、従って、ある実施態様では、ニコチン分子を除去することは望ましくない。ある実施態様では、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によってタバコ材料から除去されるニコチンの量は、50%、40%、30%、20%、10%または5%未満であり、更なる実施態様では、この処理によってタバコ材料から除去されるニコチンの量は、2%、1%、0.5%または0.1%未満であり、更なる実施態様では、この処理によってタバコ材料からニコチンが除去されることは基本的にない。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によってタバコ材料から1種以上の化学物質が除去される実施態様では、処理後に1種以上の化学物質をタバコ材料に再導入してもよく、1種以上の化学物質は除去したくない物質(例えば、ニコチン)であってもよい。
ある実施態様では、水性媒体の温度を上昇させて蒸気加水分解用の蒸気を発生させてもよい。この水性媒体は水であってもよいが、ある実施態様では、水溶液または水性懸濁液であってもよい。ある実施態様では、水性媒体はイオンを含んでおり、これによって、水性媒体はオーム加熱に十分な導電性を有する。例えば、水性媒体は食塩水(または鹹水)であってもよい。蒸気を発生させる温度は、如何なる適切な手段によって変更してもよく、例えば、圧力の調整及び/または水性媒体の溶質含量の調整によって行う。
ある実施態様では、タバコ材料の水性媒体懸濁液の加熱は、電気加熱法や抵抗加熱法、例えば、オーム加熱(ジュール加熱としても知られる)によって行う。ある実施態様では、オーム加熱の代わりにまたはそれに加えて、他の加熱方法を用いてもよい。代替加熱方法の非限定的な例としては、加熱ジャケットまたは加熱素子を有する容器内で懸濁液を保持することが挙げられる。
ある実施態様では、蒸気加水分解用に発生させた蒸気を過熱させてもよい。これは、蒸気の発生源である水の沸点よりも高い温度まで蒸気を加熱することを意味する。ある実施態様では、この過熱は有益となり得るが、それは温度が高い程、水分子の運動エネルギーが高くなり、その結果、反応性が高くなるためである。本明細書に開示の蒸気加水分解によるタバコ材料の処理では亜臨界水を用いないことは留意されたい。
ある実施態様では、本発明の方法は、タバコ材料を水性媒体、例えば、水溶液や水性懸濁液に懸濁させる蒸気加水分解工程を1つ以上含む。タバコ懸濁液は容器内で保持してもよい。ある実施態様では、蒸気加水分解用の蒸気を水性媒体から発生させる。水性媒体は純水であってもよく、また、例えば、任意の適切な溶質を含んでもよく、懸濁液に任意の適切な物質を含んでもよく、及び/または任意の適切な非混和性液体であってもよい。本明細書において「純水」とは、汚染物質及び/または不純物を除去するために処理を行った水を指す。
タバコ材料を水性媒体に懸濁させる実施態様では、水性媒体は任意の適切な重量を有してもよく、タバコ材料も任意の適切な重量を有してもよい。更に、水性媒体のタバコ材料に対する重量比は任意の適切な値であってもよい。ある実施態様では、タバコ材料の水性媒体に対する比率によって、タバコ材料から大量のポリフェノールが除去される。この比率は、水性媒体やタバコ材料の種類に応じて変わり得るが、蒸気加水分解の条件に応じても変わり得る。
多くの実施態様では、水性媒体の重量がタバコ材料の重量と同等またはそれ以上であると、大量のポリフェノールが除去される可能性が高い。この理由として、水性媒体の重量がタバコ材料の重量よりも大きいと、加水分解に付されるタバコ材料の単位質量に対して加水分解を行う水分子の量が多くなるためである。従って、ある実施態様では、水性媒体の重量はタバコ材料の重量よりも大きく、ある実施態様では、その比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1または任意の適切な高比率としてもよい。
タバコ材料を水性媒体に懸濁させながら、水性媒体の温度を上昇させて蒸気を発生させてもよい。ある実施態様では、懸濁液を保持する容器内の圧力を水の蒸気圧以下となるように変化させてこの操作を行ってもよい。
あるいは、またはそれに加えて、容器内の温度を任意の適切な値に調整してもよい。温度は蒸気加水分解工程を通して一定であってもよく、変化させてもよい。ある実施態様では、容器内の温度を少なくとも100℃に調整するのが好ましいこともある。
タバコ材料と水性媒体から成る懸濁液を保持する容器内の圧力及び/または温度は、任意の適切な方法によって変更・制御してもよい。非限定的な例として、容器に加熱ジャケットまたは加熱素子を設けて容器内の温度を変更・制御してもよい。また、非限定的な例として、容器内の圧力は圧力容器を用いて変更・制御してもよく、必要に応じてバルブ等を設けて容器内の圧力を調整する。
ある実施態様では、水性媒体を加熱する方法としてオーム加熱を利用する。このような実施態様では、タバコ材料をオーム加熱するのに必要な導電性を十分に得る量の塩を水性媒体に含ませてもよい。水性媒体の電荷運搬性を高めるために、如何なる適切な塩を水性媒体に添加してもよい。ある実施態様では、水性媒体に添加する1種以上の塩は使用する条件下で高い解離定数を有してもよく、更なる実施態様では、水性媒体に添加する1種以上の塩は強電解質であってもよい。水性媒体に添加してもよい適切な塩の一例はNaClである。
容器内圧力は、任意の適切な値に調整してもよく、一定でも可変でもよく、任意の適切な方法によって変更してもよい。しかし、ある実施態様では、タバコ材料と水性媒体から成る懸濁液を加熱しながら、容器内圧力を初めに最大圧力またはピーク圧力まで上昇させる。次に圧力を解放して大気圧まで戻す。ある実施態様では、最大圧力またはピーク圧力を所定時間保持した後に解放する。この時間(保持時間と称する)は、例えば、少なくとも約1分間、90秒間、2分間、150秒間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間または少なくとも約20分間であってもよく、これよりも長い任意の適切な時間であってもよい。他の実施態様では、保持時間はゼロであり、一旦最大圧力またはピーク圧力に達したらすぐに圧力を解放する。ある実施態様では、圧力を迅速に解放する。如何なる特定の理論にも制約されないが、圧力の解放、特に迅速な圧力の解放によって細胞構造の破壊が促進され、細胞内成分が水相中に抽出されるという仮説が立てられる。
ある実施態様では、容器内圧力を少なくとも200kPa、300kPa、400kPa、500kPa、600kPa、700kPa、800kPa、900kPaまたは少なくとも100kPa(少なくとも2バール、3バール、4バール、5バール、6バール、7バール、8バール、9バールまたは10バール)まで、またはこれより高い任意の適切な値まで上昇させる。
蒸気加水分解後、タバコ材料を水性媒体(水性抽出物とも称する)から分離してもよい。この分離では、任意の適切な濾過方法を用いてもよく、濾材の細孔径を任意の適切な値としてもよく、濾過工程を任意の適切な回数行ってもよい。例えば、タバコ材料の濾過は、ナノ濾過、精密濾過及び/または限外濾過によって行ってもよい。あるいは、またはそれに加えて、任意の適切な遠心分離装置を用い、任意の適切な角速度で遠心分離工程を任意の適切な回数行ってタバコ材料を水性媒体から分離してもよい。
水性媒体から一旦分離すれば、タバコ材料(タバコ残留物とも称する)を任意の適切な液体(例えば、水)で任意の適切な回数洗浄してもよい。
1つ以上の蒸気加水分解工程に加え、タバコ材料の処理には1つ以上の更なる処理工程及び/または抽出プロセスを含めてもよい。大量のタンパク質を除去する目的のためには、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理において、更なる処理工程または抽出プロセスが特に有用となり得る。この理由としては、蒸気加水分解によってタバコ材料中の植物細胞壁が破壊される可能性が高くなり、これによって、植物細胞の細胞内成分やその内部に存在するタンパク質を容易に取り出せるようになるためである。
更なる適切な処理工程としては、1種以上の適切な非イオン性液体(例えば、水)でタバコ材料を処理することや、ポリフェノールやタンパク質の改変を触媒する1種以上の酵素(例えば、フェノール酸化酵素やタンパク質分解酵素)でタバコ材料を処理すること、任意の適切な溶媒中、1種以上の適切な界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))でタバコ材料を処理すること、必要に応じて任意の適切な溶媒中、1種以上の適切な吸着材(例えば、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)や水酸燐灰石、ベントナイト、活性炭、アタパルジャイト)でタバコ材料を処理すること、1種以上の適切な非水性液体(例えば、イオン性液体)でタバコ材料を処理することが挙げられるが、これらに限定されない。
あるいは、またはそれに加えて、蒸気加水分解に付したタバコ材料を、引き続き更なる抽出プロセスに付してもよい。
蒸気加水分解によるタバコ材料の処理に関して上述の処理工程のいずれかを行った後、タバコ材料を乾燥させ、更に適切に改変した後に喫煙品に配合してもよい。例えば、風味材料(現地の規制により許可される場合)等の特定の化学物質をタバコ材料に添加してもよく、タバコ材料を切断及び/または細断した後に、任意の適切な配合方法によって喫煙品に配合してもよい。
本明細書で用いる「喫煙品」という用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替物を元にしているかどうかに関わらず、紙巻きタバコや葉巻、シガリロ等の喫煙可能な製品を包含し、更には加熱・非燃焼方式(heat-not-burn)製品も包含する。喫煙品には喫煙者が吸い込む気体流用のフィルタを設けてもよい。
本明細書で用いる「香料」や「風味材料」という用語は、現地の規制によって許可される場合において、成人消費者向けの製品に所望の味や芳香をつけるのに用いることが可能な材料を意味する。このような香料や風味材料としては、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、オオガシワ(Japanese white bark magnolia leaf)、カモミール、コロハ、クローブ、メンソール、ハッカ、アニス果実、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、ピーチ、アップル、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、フェンネル、ピメント、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、またはハッカ属の任意の種由来のミント油)、香料増強剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤または感覚受容体部位刺激剤、砂糖及び/または砂糖代替品(例えば、スクラロースやアセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトール)、炭やクロロフィル、ミネラル類、植物類、口臭防止剤等の他の添加剤が挙げられる。これらは、模倣成分、合成成分または天然成分であってもよく、その混合物であってもよい。これらは、任意の好適な形態、例えば、油、液体または粉体であってもよい。
本発明の例示的実施態様では、塩を溶解させた水に保存全葉タバコの試料を添加し、得られた懸濁液を容器内に保持する。タバコ材料の水溶液に対する重量比は1:20である。水溶液に電流を流して水の温度を100℃まで上昇させた後、容器内圧力を300kPa(3バール)まで上昇させ、その後、保持時間0分で圧力を迅速に解放する。蒸気加水分解をこのような条件下で行って、ポリフェノール化合物等の化学物質をタバコ材料から抽出することができる。蒸気加水分解後、濾過によってタバコ材料を水溶液から分離し、乾燥させ、任意の適切な方法で改変した後、喫煙品に配合する。
図7に示す(限定ではなく例示の目的のために示す)ように、本発明の例示的実施態様に係る喫煙品1は、フィルタ2と円柱棒状の喫煙可能材料3(例えば、本明細書に記載の本発明によって処理されたタバコ)とを含み、棒状喫煙可能材料3はその一端がフィルタ2の端部に当接するようにフィルタ2と一直線になっている。フィルタ2はプラグラップ(図示せず)に包まれており、棒状喫煙可能材料3は、従来通りにチッピング紙(図示せず)によってフィルタ2と連結されている。
ある実施態様では、本明細書に記載の方法は、タバコ材料を適切に改変するための更なる工程を1つ以上含んでもよい。例えば、タバコ材料を改変して、タバコ材料に望ましい1種以上の特性を付与してもよい。例えば、処理済みのタバコ材料を紙巻きタバコ等の喫煙品に配合する場合、燃焼時に発生する風味を改変するためにタバコ材料を処理してもよく、及び/または1種以上の化学物質を除去するためにタバコ材料を処理してもよい。
実施例
一連の実験を行い、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理がタバコ材料のタンパク質含量、ポリフェノール含量及びニコチン含量に対してどのように影響を及ぼし得るか検討した。開示された実験研究によって本発明の範囲が限定されるものではない。
実験
計14種類の実験を行ったが、その内の2種類は対照実験であった。
対照実験では、タバコ材料をアセトン:水(7:3)混合溶媒に添加した後、残留タバコ材料を溶媒から濾過して、2種の分析用画分、即ち、ろ液と残留タバコ材料を得た。
2種の対照実験の目的は、タバコ材料中の易溶性ポリフェノールの量の指標を得ることであった。アセトン:水混合溶媒は、ポリフェノールに対して非常に良い溶媒であるため、濾過後にろ液中で測定されるポリフェノール化合物の量は、タバコ材料中の易溶性ポリフェノールの量の指標と見なすことができよう。多くのポリフェノールは、様々な細胞構造に結合及び/または捕捉されているため易溶性ではない。
非対照実験では、タバコ材料を水に懸濁させ(その比率は後述の表1に示す)、そこに少量の塩を添加し、タバコ材料をオーム加熱によって加熱するのに十分な導電性を得た。オーム加熱は蒸気加水分解を行うのに十分であった。蒸気加水分解後、懸濁液を濾過して残留タバコ材料と水性抽出物を回収した。解析はこの両方に対して行った。
実験では5種類の変数、即ち、タバコ材料/水比率(タバコ材料の水に対する重量比)、最大圧力(蒸気加水分解時に達した最大圧力)、保持時間(圧力を最大に保持した時間の長さ)及び解放速度(圧力が最大に達した後に圧力を解放する相対速度)を様々に組み合わせて用いた。各実験で用いた条件を下の表1に詳述する。
Figure 0006145173
解析:ポリフェノール含量
2種類の解析技法、即ち、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びフォーリン・チオカルト(FC)法を用い、各実験でタバコ材料から除去されたポリフェノール化合物の量の指標を得た。
濾過後の水性ろ液中の4種類の参照ポリフェノール化合物、即ち、スコポレチン、コーヒー酸、クロロゲン酸及びルチンの濃度をHPLCによって測定した。この4種類の参照ポリフェノール化合物の化学構造を図1に示す。
4種類の参照ポリフェノール化合物の濃度を測定するのに用いることができたのはHPLCのみであったため、この解析方法を用いてこれらの濃度を定量した。各ポリフェノール化合物はHPLCスペクトルの特定の位置にピークを示すが、重要なのは、このピーク位置が4種類の参照ポリフェノール化合物に対してのみ既知であることであった。従って、HPLCによって4種類の参照ポリフェノールの濃度を求めることができたのは、得られたHPLCスペクトル中のピークを、既知濃度の4種類の参照ポリフェノール化合物を含む試料のHPLCスペクトル中のピークと比較した場合のみであった。
4種類の参照ポリフェノールを各々100ppmの濃度で含有する試料について得られたHPLCスペクトルを図2に示す。この図には4個のピークの相対位置と積分値が示されているが、これらを用いて実験試料中の4種類の参照ポリフェノールを定性的且つ定量的に測定した。
実験6について得られたHPLCスペクトルを一例として図3に示す。このスペクトルにはポリフェノールに相当する2個のピークが存在するが、その内の1個はクロロゲン酸を示し、もう1個はルチンを示す。
4種類の参照ポリフェノール化合物の濃度をHPLCで測定した後、これを質量に換算し、その後、元のタバコ材料の質量に対する割合を乾燥重量基準で算出した(%DWB)。
ろ液中で測定される4種類の参照ポリフェノールの総量は、タバコ材料から除去された4種類の参照ポリフェノールの総量の指標と見なすことができよう。更には、タバコ材料から除去された4種類の参照ポリフェノールの総量は、タバコ材料から除去された全種類のポリフェノールの量の指標と見なすことができよう。従って、この4種類のポリフェノールは参照化合物としての役割を果たす。
各実験においてろ液中で測定された4種類のポリフェノール化合物の量(%DWB)を下の表2に詳述する。
Figure 0006145173
表2に示す結果から、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって、実際にポリフェノール化合物が除去されることが分かる。
フォーリン・チオカルト(FC)法を用い、各実験において蒸気加水分解でタバコ材料から除去された全種類のポリフェノール化合物量の相対的指標を得た。
FC法は、溶液中の全ポリフェノール含量の指標を得るのに用いる比色分析法である。FC法では、ポリフェノールが吸収する特定の放射光周波数での吸光度を各試料について測定する。この後、測定した吸光度を、ポリフェノールの1種である没食子酸の溶液について同一の放射光周波数で測定した吸光度と比較する。測定した吸光度を没食子酸当量(GAE)の単位で表してもよい。
留意すべき点は、FC法ではポリフェノール含量の定性的指標が得られるだけであること、また、GAE単位で表されるポリフェノール含量はポリフェノール化合物の濃度とのみ相関することである。これは次の2つの理由による。第1には、各ポリフェノール化合物は異なる吸収係数を有するため、第2には、検出放射光周波数で光を吸収するポリフェノール以外に様々な化合物が存在するためである。従って、比較する試料が同様の組成を有する場合には定性的結果がより正確になる。
測定した吸光度をGAE単位のポリフェノール含量に換算するための検量線を作成したが、それを図4に示す。
全種類のポリフェノール化合物の濃度をGAE単位で求めた後、これを質量に換算し、その後、元のタバコ材料の質量に対する割合を乾燥重量基準で算出した(GAE換算%DWB)。
FC法によって各ろ液中で測定されたポリフェノール化合物の量(GAE換算%DWB)を下の表3に詳述する。
Figure 0006145173
表3に示す結果から、蒸気加水分解でタバコ材料を処理することによって、実際にポリフェノール化合物が除去されることが分かる。予想通り、除去されたポリフェノール化合物の測定量は、HPLCによって測定した場合に比べて多かった。更に、この2種類の解析方法によって得られた結果は良好な相関を示すことも明らかになったが、この相関関係を表すグラフを図5に示す。
この2種類の解析方法によって得られた結果から、試験に用いた変数の各々がタバコ材料からのポリフェノール化合物の除去に影響を及ぼすことが示される。この結果から導き出され得る結論を以下に記載するが、これらに限定されない。先ず、タバコ材料に対する水の比率が高いと、比率が低い場合に比べてタバコ材料のポリフェノール含量が低減するように思われる。また、圧力を相対的に速く低下させると、圧力を相対的に遅く低下させた場合に比べて、タバコ材料のポリフェノール含量が低減するように思われる。保持時間が短いと、保持時間が長い場合に比べてポリフェノール含量が低減するが、如何なる特定の理論にも制約されないとはいえ、この理由として最も考えられるのは、温度や圧力を長い時間に亘って高くすると、除去されたポリフェノール同士が反応し、その結果、除去されたにも関わらず検出されなくなるためである。最後に、用いた最大圧力の影響を確認するにはより多くの実験が必要である。
解析:タンパク質含量
2種類の解析技法、即ち、窒素含量に基づく算出及びブラッドフォード法を用い、各実験においてタバコ材料から除去されたタンパク質化合物量の指標を得た。
得られた試料の全窒素含量を測定し、簡易換算手順を用いて、タバコ材料から除去された全タンパク質量の指標を得た。
タンパク質はアミノ酸から成る分子であり、その各々は一般構造中に1個の窒素原子を含んでいるが、R基に1個以上の窒素原子を含んでいる場合もある。従って、試料の全窒素含量を測定し、適切な換算係数(ジョーンズ係数として知られる)を用いて全窒素含量を全タンパク質含量に換算して全タンパク質含量を見積もることができよう。
実験ではジョーンズ係数として6.25を用いたが、この値は、測定対象が特定種類のタンパク質であることを考慮せずにタンパク質試料に用いられる標準値である。しかし、この換算係数を単独で用いた場合、各試料中のタンパク質含量をかなり過剰に見積もることになろうが、それは、各測定試料にはタンパク質の他に多くの窒素含有化合物が存在するためである。このような窒素含有化合物の1つがニコチンであるため、タンパク質含量のより正確な指標を得るに当たっては、算出時にニコチンに起因する窒素含量を考慮した。
各実験について残留タバコ材料中で算出されたタンパク質量(%DWB)、ろ液中で算出されたタンパク質量(%DWB)、及びタバコ材料から除去されたタンパク質量の推定値(ニコチン含量を考慮)を下の表4に詳述する。
Figure 0006145173
表5に示す結果から、蒸気加水分解によるタバコ材料の処理によって一部のタンパク質が実際に除去されることが示唆されるが、加水分解後にタバコ材料中に残存するタンパク質量はタバコ材料から除去されたタンパク質量よりも遥かに多いことも示唆される。
実験12でタバコ材料から除去されたタンパク質量は、他の実験で除去されたタンパク質量と比べて遥かに多かったが、これは、タバコ材料に対する水の比率が高いと、より多くのタンパク質が除去されることを示唆しているように思われる。
ブラッドフォード法を用いて、蒸気加水分解によってタバコ材料から除去されたタンパク質量の指標を得た。この方法を用い、ブラッドフォード試薬に結合したタンパク質が吸収する波長での吸光度を測定して、濾過後のろ液に溶解したタンパク質の量を検出してもよい。
ブラッドフォード法によって得られた結果から、タバコ材料から除去されたタンパク質量の正確な指標が得られるが、それは、ブラッドフォード試薬がタンパク質以外の化合物とは殆ど複合体を形成しないためである。
測定した吸光度をタンパク質濃度に換算するための検量線を作成したが、それを図6に示す。この検量線はウシ血清アルブミンの水溶液を用いて作成したが、試験した濃度範囲において直線であった。
全ての実験において、ブラッドフォード法では、元のタバコ材料の約0.1%のタンパク質(%DWB)が蒸気加水分解で除去されたことが示唆された。予想通り、この割合はニコチン含量に基づいて得られた結果よりも低いが、それは、ブラッドフォード法では基本的に試験したろ液中のタンパク質分子のみが検出されたためである。
ブラッドフォード法によって得られた結果から、タバコ材料から除去されたタンパク質量を窒素含量によって求めた場合との差は、タンパク質以外の窒素含有化合物の除去に大きく起因することが示唆される。従って、蒸気加水分解によるタバコ材料からのタンパク質の除去に個々の変数が及ぼす影響について結論を導き出すことは困難である。
解析:ニコチン含量
HPLCを用い、全葉タバコ材料から除去されたニコチン量の指標を得た。
4種類の参照ポリフェノール化合物と同様に、ニコチン分子はHPLCによって得られるHPLCスペクトルの既知の位置にピークを示すため、各解析試料のニコチン量は、得られたHPLCスペクトルのピークサイズを、既知濃度のニコチンを含有する試料のスペクトルにおけるピークサイズと比較して測定することができよう。
抽出物中で測定されたニコチンの総量は、タバコ材料から除去されたニコチン量の指標と見なすことができよう。
各実験においてろ液中で測定されたニコチン量(%DWB)を下の表5に詳述する。
Figure 0006145173
表5に示す結果から、蒸気加水分解によってタバコ材料を処理してもタバコ材料のニコチン含量は大幅に低減しないことが示されるが、タバコ材料に対する水の比率が高いと、大量のニコチンが除去され得ることも示唆される。
解析:タバコ材料の回収
各実験において、処理後に残った残留全葉タバコ材料を計量し、処理後に残った材料の割合を求めた(%DWB)。
2種類の実験の各々で回収された残留タバコの量を下の表6に詳述する。
Figure 0006145173
表6に示す結果から、タンパク質やポリフェノール化合物の他に、多くの化学物質が蒸気加水分解によってタバコ材料から除去されているに違いないことが分かる。このような化学物質には、セルロースや特定の糖類等の様々な多糖類、更にはDNA及びRNAのいずれの核酸も含まれる可能性が高い。結果から更に示唆されるのは、タバコ材料に対する水の比率が高い程、タバコ材料から除去される化合物の量が多くなるということである。
本明細書に記載の一連の実験及びその結果から、処理プロセスによって処理品に所望の特性(例えば、ポリフェノール含量、タンパク質含量または他の化合物含量の低減の程度)が確実に付与されるように出発原料及び/または処理パラメータを選択する方法の指針が当業者にもたらされる。
種々の問題に対処し本技術を促進するため、本開示の全体は、種々の実施態様を一例として示す。その実施態様の中で特許請求の範囲に記載の1つ以上の発明が実践され、優れたタバコ処理、タバコ材料及びタバコ材料を組み込んだ製品が提供される。本開示の利点及び特徴は、単に実施態様の代表的事例であって、これらに限定されるものではない。これらは単に特許請求された特徴の理解を助け、教示するために提示される。本開示の利点、実施態様、実施例、機能、特徴、構造、及び/または他の態様は、特許請求の範囲で規定される本開示またはその均等物を限定するものではなく、本開示の範囲及び/または概念から逸脱することなく他の実施態様を利用し、改変してもよいことを理解されたい。種々の実施態様は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段等の種々の組み合わせを適切に含んでいても、それらで構成されていても、または本質的にそれらで構成されていてもよい。更に本開示には、現在特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明も含まれる。

Claims (8)

  1. オーム加熱に必要な導電性を得るのに十分なイオンが含まれている水溶液にタバコ材料を懸濁させ、その水溶液をオーム加熱によって加熱して蒸気加水分解用の蒸気を発生させることでタバコ材料を処理することを含み、タバコ材料のポリフェノール含量及び/又はタンパク質含量を未処理のタバコ材料に比べて低減させるタバコ材料の処理方法。
  2. タバコ材料のポリフェノール含量を未処理のタバコ材料に比べて低減させる際に、タバコ材料中のニコチン量を実質的に低減させないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 水溶液のタバコ材料に対する重量比は少なくとも1:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 高圧力で行うことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項に記載の方法。
  5. タバコ材料を100kPa以上の所定の最大圧力まで加圧し、この最大圧力を所定時間保持した後に圧力を大気圧まで解放することを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 蒸気加水分解で処理したタバコ材料を、次にそれが懸濁した水溶液から分離させることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の方法。
  7. タバコ材料を1種以上の酵素で処理すること、タバコ材料を1種以上の界面活性剤で処理すること、タバコ材料を1種以上の吸着剤で処理すること、及び/又は、タバコ材料を1種以上の非水性液体で処理することを更に含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
  8. タバコ材料から1種以上のポリフェノールを除去するための、オーム加熱に必要な導電性を得るのに十分なイオンが含まれている水溶液にタバコ材料を懸濁させた状態におけるオーム加熱および蒸気加水分解の使用。
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