JP6144846B2 - 無線通信装置及び無線通信システム - Google Patents
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Description
ターボ等化信号処理は等化器と誤り訂正復号器をデインタリーバとインタリーバを介して接続し、これらの処理の間で外部情報の交換を複数回反復して行うことにより、これら干渉成分の低減を実現することが可能である。その結果として、上記に示すような劣悪な伝搬路環境であっても高い誤り訂正復号特性を得ることができる。
ターボ等化信号処理をMIMOに適用する場合のアルゴリズムとしてSC/MMSE(Soft Canceller followed by Minimum Mean Square Error filter)アルゴリズムが提案されている。これは、復号器に入力される受信ビットの復号対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)と誤り訂正復号処理された符号化ビットのLLRとから得られる復号器の外部のLLRから干渉成分の軟推定値を作成し、SC(Soft Canceller)において受信信号から干渉成分の軟推定値を減算することで復号性能の向上を図っている。
ターボ等化信号処理で用いられる誤り訂正復号には、軟入力軟出力を必要とする最大事後確率復号(MAP: Maximum A Posteriori probability)が必要であり、例えば、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)やBCJR(Bahl-Cocke-Jelinek-Raviv)アルゴリズムに基づいた復号器が用いられる。実際には、BCJRアルゴリズムをそのまま適用すると計算量が膨大となり現実的ではないため、一般的にはMax−Log−MAP復号が用いられることが多い。
特に、BCJRアルゴリズムに基づいた誤り訂正復号器では、状態遷移確率(γ)、前向きメトリック(α)、後向きメトリック(β)を計算して復号を行う必要がある。この中でも、後向きメトリック(β)は未来の時刻のメトリックを基にトレリス線図の後方時刻から逆方向に順次計算を行うため、未来のデータを受信した後にようやく計算が可能となり、処理遅延の発生は不可避である。
非特許文献1ではスライディング窓法を応用したBCJRアルゴリズムのメモリマネジメントについての検討がなされ、復号処理長さをKとするとBCJRアルゴリズムの処理遅延は4Kとなることが報告されている。非特許文献1で報告されている処理遅延の内訳について簡単に説明する。後向きメトリック(β)の初期値を算出するために2K時間の等化器出力のLLRをメモリに蓄え2K時間経過後にトレリス線図を逆順に1K時間トレースすることで後向きメトリック(β)の初期値を算出する。そこから更に1Kの時間をかけてトレリス線図をトレースすることで逆方向のβが得られる。ここまでの処理に4Kの処理遅延が発生する。前向きメトリック(α)は順方向であるため、トレリス線図を逆順にトレースする必要がなくβよりも早いタイミングで正確なαを得ることが可能であるが、βのタイミングに一致させるように待機する必要がある。算出したα、β、γを用いて3K〜4K−1の期間で復号が実施されるが、復号結果はトレリス線図を逆順にトレースしながら実施しているため、4K以降に正順に並び替えることで最終的な復号結果が得られる。このため、BCJRアルゴリズムによる復号の総計で4Kの処理遅延が発生する。
更に、ターボループ内のデインタリーバ及びインタリーバの処理においても、ランダムインタリーブを実現しようとすると、インタリーブ処理単位時間と同様の遅延が生じてしまう。インタリーブの処理単位時間を先程のBCJRアルゴリズムの復号処理長さ(K)と同じ長さとすると、デインタリーバ及びインタリーバの処理で2Kの遅延時間が発生してしまう。
従って、ターボ等化信号処理の一巡ループでは、等化器による処理遅延はほぼ0とすると、4K(BCJRアルゴリズム)+2K(デインタリーバ、インタリーバ)=6Kの処理遅延が発生してしまうという課題がある。また、これら処理遅延の増大は、同時にハードウェア規模の増大にも繋がってしまうという課題も存在する。
本開示の課題は、ターボループの処理遅延を低減する技術を提供することにある。
すなわち、無線通信装置は、前向きメトリック(α)、後向きメトリック(β)、及び状態遷移確率(γ)をトレリス時間に対して順方向と逆方向の順序で同時に算出し、順方向と逆方向の誤り訂正復号を同時並行して実施する。また、誤り訂正復号処理をその前後に搭載されるデインタリーブとインタリーブのメモリアクセスと協調して処理する。
[参考文献1]特許庁:技術資料集[分類]2−4−1 周辺要素技術/誤り制御技術/誤り訂正技術、[2014年7月14日検索]、インターネット〈URL: http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mimo/2-4-1.pdf〉
畳み込み符号器に対応するトレリス線図において、状態遷移確率をγ、前向きメトリックをα、後向きメトリックをβ、復号ビット系列長をK、復号ビット系列番号をl(小文字のエル)、トレリス線図における遷移元内部状態をS’、遷移先内部状態をS、受信ビットのLLRをLD α、内部状態の畳み込み符号器出力をνとすると、各計算は以下の式(1)から式(3)のように表される。式(2)、式(3)では、前向きメトリック(α)は1サンプル時刻前のαから再帰的に算出され、後向きメトリック(β)は1サンプル時刻後のβから再帰的に算出される。そのため、これらメトリックを導出する際には、その初期値となるトレリス線図の始点と終点を予め算出しておく必要がある。
無線通信システムは送信装置と受信装置とを備える。無線通信装置である送信装置は、誤り訂正符号器と、インタリーバと、インタリーブ結果をデジタル変調するデジタル変調器と、デジタル変調器によって変調された変調信号を送信する送信部と、を備える。
無線通信装置である受信装置は、変調信号を受信する受信部と、受信部で受信した受信信号と後述する等化器の事前情報(LE u)とから受信ビットのLLRを計算する等化器(デマッパ101)と、受信ビットのLLR(LE e)を所定の順序に並び替える第一と第二のデインタリーバと、を備える。
また、受信装置は、第一のデインタリーバ(デインタリーバ102,108、デインタリーバ200)の出力から順方向前向きメトリック(αfor)と順方向状態遷移確率(γfor)を計算する計算器(順方向前向きメトリック計算器103、順方向状態遷移確率計算器109)と、復号ビット長をLとするとき0からL/2番目の順方向前向きメトリックを逆順に並び替え逆方向前向きメトリック(αbak)を算出する計算器(αメモリ112)と、を備える。
また、受信装置は、順方向前向きメトリック(αfor)と順方向状態遷移確率(γfor)と順方向後向きメトリック(βfor)とに基づいた最大事後確率復号を行う順方向最大事後確率復号手段により符号化ビットのLLR(LD ν−for)と情報ビットの尤度比(LD u−for)を算出する計算器(順方向復号LLR計算器113)と、順方向の符号化ビットの尤度比を所定の順序で並び替える第一のインタリーバ(インタリーバ115、インタリーバ201)と、を備える。
また、受信装置は、逆方向前向きメトリック(αbak)と逆方向状態遷移確率(γbak)と逆方向後向きメトリック(βbak)とに基づいた最大事後確率復号を行う逆方向最大事後確率復号器により符号化ビットのLLR(LD ν−bak)と情報ビットのLLR(LD u−bak)を算出する計算器(逆方向復号LLR計算器114)と、逆方向の符号化ビットのLLRを所定の順序で並び替える第二のインタリーバ(インタリーバ116、インタリーバ201)と、を備える。
さらに、受信装置は、第一のインタリーバと第二のインタリーバから得られる符号化ビットのLLRを所定の正規の順序に並び替えてパラレル/シリアル変換する変換器(データ選択器117)と、最大事後確率復号器によって得られた情報ビットのLLR(LD u)から硬判定結果(u)を算出する計算器(硬判定器118)と、を備える。
パラレル/シリアル変換器からの情報を等化器の事前情報(LE u)として入力し、事前情報に基づいて等化処理する。上記一連の処理を実施する一巡のターボ等化信号処理をN回(Nは1以上の整数)反復して演算する。N回(所定回数)の反復演算を行った後、硬判定する。
デマッパ101には、受信アンテナで受信され、FFT(Fast Fourie Transform)にて周波数領域に変換された受信信号(Yi)が入力される。ここで、MIMO方式の場合にはiは受信アンテナ番号を示しており、i≧2の整数である。デマッパ101では後述する事前のLLR(LE α)を用いて復調を行うが、ターボループの一巡目では事前のLLR(LE α)が得られていないため、MIMO信号処理でよく用いられるMMSEなどの空間分離フィルタやMLD(Maximum Likelihood Detection)等の同時推定処理を用いて等化される。これらのアルゴリズムに関しての詳細については参考文献2に記載される(その内容は参照によってこの明細書に取り込まれる)。
[参考文献2]風間宏志著「MIMOワイヤレス通信」、東京電機大学出版
デマッパ101の復調結果のLLR(LE e)はデインタリーバ102とデインタリーバ104とデインタリーバ106とデインタリーバ108へ出力する。デインタリーバ102とデインタリーバ104とデインタリーバ106とデインタリーバ108はメモリを用いて構成され、その書き込み手順はそれぞれ同様の動作となる。
これらのデインタリーブ処理では、入力された復調結果のLLR(LE e)を予め決められたパターンで並び替えを行う。この時、インタリーブの処理単位はKの長さとし、図3に示すように長さKの範囲内で並び替えが行われるものとする。例えば、ARIB STD B-57(標準規格「1.2GHz/2.3GHz帯テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム」)では周波数デインタリーブが規定されており、OFDMシンボル内のサブキャリア順序をランダムに並び替える。ARIB STD B-57のOFDMシンボル内のデータサブキャリア本数は1344であり、K=1344の長さでデインタリーブを行う。
また、シングルキャリアでISIを軽減するようにターボ等化信号処理する際には、時間方向のデインタリーブが適用されることになる。
まずは、前向きメトリック(α)に関して、前向きメトリック(α)を算出するためのメモリマネジメントについて図7を用いて説明する。
デインタリーバ102のメモリに所定の順序でLLR(LE e)を書き込む(図7の(i)行目のN1(Π−1−Mem(ランダムw)))。デインタリーバ102のメモリから3K時間経過した後に順方向に読み出しを行い(図7の(ii)行目のN1(Π−1−Mem(順r)))、並び替えたLLR(LD α−for)をαfor計算器103へ出力する。3K時間の待機することの必要性について、詳細は後述するが、後向きメトリック(β)の算出タイミングと一致させるための処置である。
αfor計算器103における計算イメージについて図4を用いて説明する。図4に示すように、デインタリーバ102のメモリから順方向にLLR(LD α−for)が読み出され、式(1)と式(2)に基づいてトレリス線図を順方向にトレースしながら計算することで順方向前向きメトリック(α1−for)を得る(図7の(iii)行目のα1−for計算)。
順方向前向きメトリック(αfor)は再帰的な算出方法であるため、算出する際には初期値(トレリスの始点)が必要となるが、これは1シンボル前に算出したαforの最終結果(α0(K−1))を利用することで容易に得ることができる(図7の(iii)行目から(iv)行目への初期値二重矢印)。
αfor計算器103にて算出したαforは、αメモリ112に順方向に書き込む(図7の(iv)行目のα1(α−Mem(順w)))。αメモリ112に書き込む期間は3K〜3.5K−1であるが、αfor計算器103の処理は3.5K〜4K−1の期間も継続して実施しており、その期間の順方向前向きメトリック(α1−for)も算出する。
αメモリ112では書き込まれた順方向前向きメトリック(α1−for)を3.5K〜4K−1の期間に逆順に読み出すことで、逆方向前向きメトリック(α1−bak)を得る(図7の(iv)行目のα1(α−Mem(逆r)))。
これら処理(前向きメトリック算出処理)により、3.5K〜4K−1の期間では順方向前向きメトリック(α1−for)と逆方向前向きメトリック(α1−bak)を同時に得ることができる。
次に、後向きメトリック(β)の算出に関する説明を行う。前向きメトリック(α)と同様に後向きメトリック(β)の算出イメージについて図5を用いて説明する。図5に示すように、トレリス線図を逆順にトレースしながら、式(1)と式(3)に基づいて逆順後向きメトリック(βbak)を算出する。この後向きメトリック(β)のメモリマネジメントについては図8を用いて説明する。
逆順後向きメトリック(βbak)の算出方法も再帰的であるので、αと同様に初期値(トレリスの終点)が必要となる。βの初期値は未来時刻の信号を逆順にトレースしながら算出する必要があり、時刻K−1の初期値を確定するためにK〜2K−1の信号(N2)が必要となる。デインタリーバ106とβ初期値算出器107は、このβの初期値を算出するために設けられている。
デインタリーバ104,106のメモリに所定の順序でLLR(LE e)を書き込む(図8の(i)行目のN1(Π−1−Mem(ランダムw)))。デインタリーバ106のメモリから2K時間経過後にLLR(LD α−bak)を逆順に読み出し(図8の(ii)行目のN2(Π−1−Mem(逆r)))、β初期値計算器107では、式(1)と式(3)に基づいて後向きメトリック(β2−bak)を算出する(図8の(iii)行目のβ2−bak初期値計算)。この時の後向きメトリック計算時の初期値は任意の値で良く、0を用いることが多い。
その後、K期間のトレリス逆順トレース(2K〜3K−1)により後向きメトリック(β)が確定し、β初期値算出器107の最終的な出力結果(β2(0))(時刻3K−1)は逆方向後向きメトリック算出器105に入力され、逆方向後向きメトリック(β1−bak)を算出する際の初期値として用いられる(図8の(iii)行目から(v)行目への初期値二重矢印)。
デインタリーバ104のメモリから3K時間経過後にLLR(LD α−bak)を逆順に読み出し(図8の(iv)行目のN1(Π−1−Mem(逆r)))、βbak計算器105に入力する。βbak計算器105ではβ初期値算出器107からの初期値と式(1)と式(3)に基づき逆方向後向きメトリック(β1−bak)を算出する(図8の(v)行目のβ1−bak計算)。
βbak計算器105にて算出した(β1−bak)は、βメモリ111に逆順に書き込む(図8の(vi)行目のβ1(β−Mem(逆w)))。このβメモリ111に書き込む期間はαメモリ112と同様に3K〜3.5K−1の期間である。
3.5K〜4K−1の期間ではβメモリ111に書き込んだ結果を正順に読み出すことで順方向後向きメトリック(β1−for)を得る(図8の(vi)行目のβ1(β−Mem(順r)))と同時に、βbak計算器105の処理も3.5K〜4K−1の期間で継続して実施されている(図8の(v)行目のβ1−bak計算)。3K〜3.5K−1の期間におけるβメモリ111のデータをβ1と表記している。
以上の処理により、3.5K〜4K−1の期間では順方向後向きメトリック(β1−for)と逆方向後向きメトリック(β1−bak)を同時に得ることができる。
最後に、状態遷移確率(γ)の算出に関する説明を行う。状態遷移確率(γ)のメモリマネジメントについては図9を用いて説明する。
デインタリーバ108のメモリに所定の順序でLLR(LE e)を書き込む(図8の(i)行目のN1(Π−1−Mem(ランダムw)))。デインタリーバ108のメモリから3.5K時間経過後にLLR(LD α−for)を正順に読み出し(図9の(ii)行目のN1(Π−1−Mem(順r)))、LLR(LD α−bak)を逆順に読み出す(図9(iv)行目のN1(Π−1−Mem(逆r)))。これら読み出しタイミングは3.5K〜4K−1の期間で同時とする。3.5K〜4K−1の期間で読み出す理由は、前述した前向きメトリック(α1−for、α1−bak)と後向きメトリック(β1−for、β1−bak)がこの期間に算出されるため、これらのタイミングに合わせてメモリから読み出す状態遷移確率(γ)は式(1)に基づいてγfor計算器109及びγbak計算器110で算出され、3.5K〜4K−1の期間で順状態遷移確率(γ1−for)(図9の(iii)行目のγ1−for計算)と逆状態遷移確率(γ1−bak)(図9の(v)行目のγ1−bak計算)を同期間に得ることができる。
以上の処理により、3.5K〜4K−1の期間に順方向と逆方向の前向きメトリック(α1−for、α1−bak)、後向きメトリック(β1−for、β1−bak)、及び状態遷移確率(γ1−for、γ1−bak)が同時(同期間)に得られることになる。順方向と逆方向の前向きメトリック(α)、後向きメトリック(β)、及び状態遷移確率(γ)の変数を用いた順方向と逆方向の復号器とインタリーバによる並べ替え処理について図10を用いて説明する。
順方向復号LLR計算器113では、αfor計算器103からの順方向前向きメトリック(α1−for)と、βメモリ111からの順方向後向きメトリック(β1−for)、及びγfor計算器109からの順方向状態遷移確率(γ1−for)を用いて誤り訂正復号を行い、誤り訂正復号された情報ビットのLLR(LD u−for(Lu1−for))と誤り訂正された符号化ビットのLLR(LD ν−for(Lv1−for))を得る(図10の(iii)行目の順復号&LLR計算)。これらの復号器は式(4)〜式(6)に従うものとする。
順方向復号LLR計算器113からの信号はインタリーバ115のメモリに順方向に書き込まれ、順方向の復号結果はトレリス時刻のK/2〜K−1の情報であるため、その時刻に相当するメモリアドレスに書き込む必要がある(図10の(iv)行目のN1(Π―Mem(順w)))。
逆方向復号LLR計算器114では逆順の復号を行う。具体的には、αメモリ112からの逆方向前向きメトリック(α1−bak)と、βbak計算器105からの逆方向後向きメトリック(β1−bak)、及びγbak計算器110からの逆方向状態遷移確率(γ1−bak)を用いて誤り訂正復号を行い、誤り訂正復号された情報ビットのLLR(LD u−bak(Lu1−bak))と誤り訂正された符号化ビットのLLR(LD ν−bak(Lv1−bak))を得る(図10の(v)行目の逆復号&LLR計算)。これらの復号手段も式(4)〜式(6)に従うものとする。
逆方向復号LLR計算器114からの信号は第二のインタリーバ116に逆方向に書き込まれ、逆方向の復号結果はトレリス時刻のK/2−1〜0の情報であるため、その時刻に相当するメモリアドレスに書き込む(図10の(vi)行目のN1(Π―Mem(逆w)))。
これらの順方向、逆方向復号結果のLLR(Lu1−for、Lv1−for、Lu1−bak、Lv1−bak)を第一のインタリーバ115、インタリーバ116に書き終えた後、インタリーバ115,116ではそれぞれ4K〜5K−1の期間でメモリを予め決まったパターンで読み出すことで、インタリーブ処理を実現する(図10の(vii)行目のN1(Π−Mem(ランダムr)))。
以上の処理により、デインタリーバから復号処理を経て、インタリーブ処理を完了するまでの処理遅延は4Kに短縮することが可能である(図10の(vii)行目)。
インタリーバ115、インタリーバ116からの符号化ビットのLLR(Lv1−for、Lv1−bak)は同時タイミングで出力されるため、データ選択器117では、これらLLR(Lv1−for、Lv1−bak)を所定の順序に並べ替えるパラレル/シリアル変換等の処理を施し、並べ替えたLLR(LE α)をデマッパ101へ出力する。
デマッパ101では前述したようにターボループ一巡目では一般的なMIMO等化処理の一つであるMMSE等が適用されるが、二巡目以降では符号化ビット毎のLLR(LE α)をビット確率に変換し、ビット確率から干渉成分のソフトレプリカを生成する。このソフト干渉レプリカを受信信号(Yi)から減算することで、干渉の影響を軽減できる。また、シングルキャリアのターボ等化信号処理ではISIを軽減するためのソフト干渉レプリカを算出する。このように干渉成分を軽減した信号に対して、MLD(Maximum Likelihood Detection)やMMSE、あるいはMRC(最大比合成)等の等化処理を実施する。
以上の処理がターボループ信号処理の一巡処理であり、この処理を複数回反復演算することで符号誤り率の向上を実現できる。この反復演算回数は所定回数あるいは、復号特性が所定の性能に達するまで反復演算を行った後、硬判定部118にて最終的な結果として復号結果(u)を得る。硬判定器118では入力された情報ビットのLLR(LD u)に対して硬判定処理を行い、復号結果(u)を出力する。硬判定処理は、例えば、式(7)による。
102…デインタリーバ
103…順方向前向きメトリック計算器
104…デインタリーバ
105…逆方向後向きメトリック計算器
106…デインタリーバ
107…後向きメトリック初期値計算器
108…デインタリーバ
109…順方向状態遷移確率計算器
110…逆方向状態遷移確率計算器
111…βメモリ
112…αメモリ
113…順方向復号LLR計算器
114…逆方向復号LLR計算器
115…インタリーバ
116…インタリーバ
117…データ選択器
118…硬判定器
200…デインタリーバ
201…インタリーバ
Claims (5)
- 一連の処理として実施する一巡のターボ等化信号処理をN回(Nは1以上の整数)反復して演算を行う無線通信装置であって、
受信信号と事前情報から受信ビットのLLR(Log Likelihood Ratio)を計算するデマッパと、
前記受信ビットのLLRを所定の順序に並び替える第一及び第二のデインタリーバと、
前記第一のデインタリーバから順方向状態遷移確率と順方向前向きメトリックを計算する計算器と、
復号ビット長をLとするとき0からL/2番目の前記順方向前向きメトリックを逆順に並び替え逆方向前向きメトリックを算出する計算器と、
前記第二のデインタリーバから逆方向状態遷移確率と逆方向後向きメトリックを計算する計算器と、
復号ビット長をLとするとき0からL/2番目の前記逆方向後向きメトリックを逆順に並び替え順方向後向きメトリックを算出する計算器と、
前記順方向前向きメトリックと前記順方向状態遷移確率と前記順方向後向きメトリックとに基づいた最大事後確率復号を行う順方向最大事後確率復号器により順方向の符号化ビットのLLRと情報ビットのLLRとを算出する計算器と、
前記順方向の符号化ビットのLLRを所定の順序で並び替える第一のインタリーバと、
前記逆方向前向きメトリックと前記逆方向状態遷移確率と前記逆方向後向きメトリックとに基づいた最大事後確率復号を行う逆方向最大事後確率復号器により逆方向の符号化ビットのLLRと情報ビットのLLRとを算出する計算器と、
前記逆方向の符号化ビットのLLRを所定の順序で並び替える第二のインタリーバと、
前記第一及び第二のインタリーバから得られる順方向及び逆方向の符号化ビットのLLRを所定の正規の順序に並び替えてシリアル/パラレル変換する変換器と、
を有し、
前記シリアル/パラレル変換器からの情報を前記事前情報として入力し、
前記N回反復演算後、前記順方向及び逆方向最大事後確率復号器によって得られた情報ビットのLLRに基づいて硬判定結果を算出するようにされる無線通信装置。 - 請求項1において、
前記第一のデインタリーバは前記順方向前向きメトリックを計算する計算器用と前記順方向状態遷移確率を計算する計算器用の2つから構成されている無線通信装置。 - 請求項1において、さらに、
後向きメトリックの初期値を計算する計算器を有し、
前記第二のデインタリーバは前記逆方向後向きメトリックを計算する計算器用と前記逆方向状態遷移確率を計算する計算器用と前記後向きメトリックの初期値を計算する計算器用の3つから構成されている無線通信装置。 - 請求項1において、
前記順方向前向きメトリックを逆順に並び替え逆方向前向きメトリックを算出する計算器および前記逆方向後向きメトリックを逆順に並び替え順方向後向きメトリックを算出する計算器はそれぞれメモリから構成されている無線通信装置。 - 訂正符号器とインタリーバと前記インタリーバからの情報に対してデジタル変調する変調器とを有する送信装置と、
前記変調器からの変調信号を受信する受信装置と、
を備え、
前記受信装置は、
(a)前記受信した信号と事前情報から受信ビットの尤度比を計算するデマッパと、
(b)前記受信ビットの尤度比を所定の順序に並び替えるデインタリーバと、
(c)前記デインタリーバから順方向状態遷移確率と順方向前向きメトリックを計算する計算器と、
(d)復号ビット長をLとするとき0からL/2番目の前記順方向前向きメトリックを逆順に並び替え逆方向前向きメトリックを算出する計算器と、
(e)前記デインタリーバから逆方向状態遷移確率と逆方向後向きメトリックを計算する計算器と、
(f)復号ビット長をLとするとき0からL/2番目の前記逆方向後向きメトリックを逆順に並び替え順方向後向きメトリックを算出する計算器と、
(g)前記順方向前向きメトリックと前記順方向状態遷移確率と前記順方向後向きメトリックとに基づいた最大事後確率復号を行う順方向最大事後確率復号器により順方向の符号化ビットの尤度比と情報ビットの尤度比とを算出する計算器と、
(h)前記逆方向前向きメトリックと前記逆方向状態遷移確率と前記逆方向後向きメトリックとに基づいた最大事後確率復号を行う逆方向最大事後確率復号器により逆方向の符号化ビットの尤度比と情報ビットの尤度比とを算出する計算器と、
(i)前記順方向の符号化ビットの尤度比および前記逆方向の符号化ビットの尤度比をそれぞれ所定の順序で並び替えるインタリーバと、
(j)前記インタリーバから得られる順方向及び逆方向の符号化ビットの尤度比を所定の正規の順序に並び替えてシリアル/パラレル変換する変換器と、
を有し、
前記シリアル/パラレル変換器からの情報を前記事前情報として入力し、
前記(a)から(j)を用いて一連の処理として実施する一巡のターボ等化信号処理をN回(Nは1以上の整数)反復して演算を行い、
前記N回反復演算後、前記順方向及び逆方向最大事後確率復号器によって得られた情報ビットの尤度比に基づいて硬判定結果を算出するようにされる無線通信システム。
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