JP6144637B2 - 自動緊張装置及びそれを用いた汚泥掻寄機 - Google Patents

自動緊張装置及びそれを用いた汚泥掻寄機 Download PDF

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Description

本発明は、下水道あるいは上水道などの沈殿池で使用される汚泥掻寄機に係り、特に、汚泥掻寄機のチェーンの緊張度を自動的に調整し得る自動緊張装置及びそれを用いた汚泥掻寄機に関する。
下水又は上水の処理において、沈殿池内に導入される原水に含まれる砂等の無機物や有機物等の不純物を除去するため、沈殿池内に汚泥掻寄機が設置されている。この汚泥掻寄機として特開2013−52332号公報(特許文献1)が知られている。
特許文献1では、沈殿池の水上部に配設した駆動装置によりエンドレス状のノッチチェーンを循環駆動し、このノッチチェーンを張架し水平方向に移動可能としたテール軸と沈殿池の水上部に設置した自動緊張装置をワイヤーロープまたはチェーン等の屈曲可能な連結体で連結するものである。そして、沈殿池の下流側底面付近に配されるテール軸の下流側にシーブを配設し、この自動緊張装置内のばねにより引張力が付与された連結体を、シーブを介してテール軸に接続することで、ノッチチェーンに常に所定の緊張力を与える構成としている。
特開2013−52332号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、テール軸より下流側にシーブを配置すると共に水上部にばね式の自動緊張装置を配設しなければならず、テール軸を下流側へ配置することが困難となる。
本発明は、テール軸をより下流側に配置でき、チェーンの緊張度を自動的に調整し得る自動緊張装置及びそれを用いた汚泥掻寄機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、沈殿池の水上部に設置された駆動装置により、複数のフライトが取り付けられたチェーンを循環駆動する汚泥掻寄機のテール軸に接続される自動緊張装置において、前記テール軸は、前記沈殿池の最下流側に配置されスプロケットホイールを介して前記チェーンを張架するものであって、自重により前記沈殿池の底面側へ回動するウエイトアームを備え、前記ウエイトアームの回動支点が前記テール軸のスプロケットホイールの回りを循環する前記フライトが最下流側に位置するときの当該フライトの先端部よりも上流側に位置し、前記チェーンの伸びに追従して前記ウエイトアームが回動することにより下流側へ前記テール軸を水平移動することを特徴とする。
また、本発明は、沈殿池の水上部に設置された駆動装置により、複数のフライトが取り付けられたチェーンを循環駆動する汚泥掻寄機において、前記チェーンをスプロケットホイールにより張架し水平移動可能なテール軸と、前記テール軸に接続され、前記チェーンの伸びに追従して前記テール軸を下流側へ水平移動する自動緊張装置を備え、前記自動緊張装置は、自重により前記沈殿池の底面側へ回動するウエイトアームを有し、前記ウエイトアームの回動支点が、前記テール軸のスプロケットホイールの回りを循環する前記フライトが最下流側に位置するときの当該フライトの先端部よりも上流側に位置することを特徴とする。
本発明によれば、テール軸をより下流側に配置でき、チェーンの緊張度を自動的に調整し得る自動緊張装置及びそれを用いた汚泥掻寄機を提供できる。
例えば、汚泥掻寄機を構成するテール軸を、沈殿池内の底部においてより下流側に配置できることから、チェーンに所定の間隔にて取り付けられた汚泥掻き寄せ具(以下、フライト)により汚泥を効率的に掻き寄せることが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る汚泥掻寄機を沈殿池に配設した縦断面図である。 図1に示す重錘式自動緊張装置の構成図である。 図1に示す沈殿池の横断面であって、重錘式自動緊張装置とフライトとの位置関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る汚泥掻寄機を沈殿池に配設した縦断面図である。 図4に示す重錘式自動緊張装置の構成図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1に本発明の重錘式自動緊張装置を備えた汚泥掻寄機を沈殿池に配設した縦断面図を示す。図1に示すように、本発明の汚泥掻寄機1は、所定の間隔でチェーン2に取り付けられた複数のフライト3、沈殿池Pの水上部に設置された駆動装置5により回転力が伝達される駆動軸の両端に設けられた駆動スプロケットホイール4a、駆動スプロケットホイール4aの下流側に配置された中間軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール4b、従動スプロケットホイール4bの下流側であって沈殿池Pの底面付近に配置されたテール軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール4c、沈殿池Pの底面付近であって従動スプロケットホイール4cの上流側に配置されたヘッド軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール4d、テール軸を下流側へ水平移動(スライド)可能とする重錘式自動緊張装置6からなる。複数のフライト3が所定間隔にて取り付けられたチェーン2が、これら、駆動スプロケットホイール4a及び従動スプロケットホイール4b〜4dに2条平行に張架され、駆動装置5により循環駆動される。フライト3は、この2条平行に張架されたチェーン2を渡るように所定間隔にて取り付けられた平板形状を有する。なお、本明細書において、汚泥ピットP1及び駆動スプロケットホイール4aが設けられる側(図1において左側)を上流、テール軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール4cが設けられる側(図1において右側)を下流とする。
そして、矢印F1の方向(下流側から上流側へ向かう方向)に沿ってチェーン2が移動する際、チェーン2に取り付けられたフライト3により、沈殿池Pの底面に沈殿する汚泥分は汚泥ピットP1側に掻き寄せられる。また、沈殿池Pの水面位置付近で矢印F2方向(上流側から下流側へ向かう方向)にチェーン2が移動する際、チェーン2に取り付けられたフライト3により水面に浮上するスカムはスカムスキマ7側に掻き寄せられ排出される。ここでチェーン2は、例えば、ステンレス製(SUS製)または合成樹脂製のチェーン、あるいは合成樹脂製のノッチチェーンが用いられる。ここで、ノッチチェーンは、チェーンの側部の下方に凹部が形成されており、この凹部と駆動スプロケットホイール4aとピン(図示せず)とが噛み合い、従動スプロケットホイール4b〜4d上を摺動し、ノッチチェーンが循環駆動される。
図2は、図1に示す重錘式自動緊張装置6の構成図である。重錘式自動緊張装置6は、沈殿池Pの底面に設置されたテール軸軸受基礎8上のテール軸軸受9と連結されるテール軸カップリング61、テール軸カップリング61に第1のリンクピン62aにより一端が結合され水平方向に移動可能でありテール軸より上流側へと延在する第1のリンクアーム63a、一端が第2のリンクピン62bにより第1のリンクアーム63aと接続され、他端がアーム接続軸64及びブッシュ66を介してウエイトアーム67に接続される第2のリンクアーム63b、ウエイトアーム67のアーム接続軸64と反対側の端部に所定の重さのウエイト69を収容するウエイトボックス68から構成される。なお、テール軸カップリング61は、テール軸軸受9と同軸上でテール軸を介して連結されている。
ウエイトアーム67の先端部に設けられたウエイトボックス68内のウエイト69は、ウエイト固定ボルト70及びウエイト固定ナット71によりウエイトボックス68内に固定され、図2に示すように、初期状態でウエイトアーム67は上流側に傾斜している。ここでウエイト69の重量は、例えば、初期状態でのチェーン2の張りを維持できる重量よりも多少重く設定される。これにより、ウエイトアーム67が上流側へ多少傾斜することでチェーン2の緊張度が適正となり、図2において実線で示すテール軸カップリング61及びテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cの位置で安定する。
また、ウエイトアーム67は、ウエイトボックス68内のウエイト69の自重によりアーム接続軸64を回動支点として、下方(沈殿池Pの底面方向)に円弧状に回動可能にアーム接続軸軸受65により軸支されている。ここで、重錘式自動緊張装置6を構成する各部材、すなわち、テール軸カップリング61、第1のリンクピン62a、第1のリンクアーム63a、第2のリンクピン62b、第2のリンクアーム63b、アーム接続軸64、アーム接続軸軸受65、ブッシュ66、ウエイトアーム67、ウエイトボックス68及びウエイト69等は、例えば、鉄に耐食性の塗装を施したもの、SUS製あるいはSS製(一般構造用圧延鋼材製)のものが用いられる。また、平板形状を有するフライト3は、SUS製、合成木材製、または軽量化のためアルミ製あるいは合成樹脂製のもの等が用いられる。
図3は、図1に示す沈殿池Pの横断面であって、テール軸の下流側より見たときの重錘式自動緊張装置6とフライト3との位置関係を示す図である。図3では、テール軸の一方端側に設置された重錘式自動緊張装置6のみを示すが、テール軸の他方端側にも同様に重錘式自動緊張装置6が設置されている。図3に示すように、テール軸軸受基礎8は、沈殿池Pの側壁P2に固定され、テール軸軸受基礎8上にテール軸軸受9と共に重錘式自動緊張装置6が設置される。重錘式自動緊張装置6は、沈殿池Pの側壁P2側より、アーム接続軸軸受65、アーム接続軸受65に回転可能に軸支されたウエイトアーム67及びウエイトアーム67の先端部に設けられたウエイトボックス68が、アーム接続軸軸受65の上方に位置する。アーム接続軸軸受65より側壁P2の反対側(図3において左側)にアーム接続軸64が延在し、その端部で第2のリンクアーム63bの上端が接続され、第2のリンクアーム63bの下端は第1のリンクアーム62aと接続され、第1のリンクアーム62aはテール軸カップリング61に接続されている。図3では、第1のリンクアーム62aはテール軸カップリング61より奥行き方向に位置するため、テール軸カップリング61に隠れている。なお、テール軸軸受基礎8の上面には、例えば、レール等が敷設されており、このレール等を介してテール軸軸受9が、図3の奥行方向に奥より手前側へとスライド可能な構成となっている。
また、図3に示すように、テール軸カップリング61より沈殿池Pの内部側に、テール軸の一方端に設けられた従動スプロケットホイール4c、従動スプロケットホイール4cの上下にチェーン2に取り付けられたフライト3が位置する。図3より明らかなように、フライト3の沈殿池Pの側壁P2側の端部は、重錘式自動緊張装置6を構成するテール軸カップリング61の側面と干渉しない(衝突しない)よう配置されている。
次に、重錘式自動緊張装置6の動作について説明する。上述のとおり、初期状態では、ウエイトアーム67は上流側に傾斜している。このとき、ウエイトアーム67の傾斜角にてアーム接続軸64を回動支点とする第2のリンクアーム63bの位置、第2のリンクアーム63bと第2のリンクピン62bにより接続された第1のリンクアーム63aの位置が規定され、図1に示した実線で示すテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cの位置で、チェーン2の緊張度が適正に保たれた状態となっている。
ここで、仮に何らかの要因により、中間軸に設けられた従動スプロケットホイール4bとテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cに張架されたチェーン2に伸びが生じた場合を想定する。このとき、チェーン2の伸び量に応じて、図2に示す重錘式自動緊張装置6を構成する先端部にウエイトボックス68を有するウエイトアーム67は、アーム接続軸64を回動支点として自重により円弧状に下方(沈殿池Pの底面P3)側へと回動する。ウエイトアーム67の回動に伴い第2のリンクアーム63bは、アーム接続軸64を回動支点として沈殿池Pの下流側(図2において右側)へ円弧状に回動する。これにより、一端が第2のリンクピン62bにより第2のリンクアーム63bと接続される第1のリンクアーム63aは、水平方向に沈殿池Pの下流側(図2において右側)へ押し出される。これにより、第1のリンクアーム63aの他端と第1のリンクピン62aにより結合されるテール軸カップリング61及びテール軸軸受9が下流側へと矢印にて示されるように押し出される。その結果、図2において実線で示す従動スプロケットホイール4cは、点線で示す従動スプロケットホイール4cの位置まで水平方向に距離t(図1に示す下流側への水平移動量t)だけスライドする。これによりチェーン2の緊張度が自動的に調整される。水平方向にスライド後の従動スプロケットホイール4c(点線で示す)の回りを回転するチェーン2に取り付けられたフライト3の先端部の移動軌跡3G、すなわち、従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3の最外周部の移動軌跡は一点鎖線3Gに示されるようになる。本実施例の重錘式自動緊張装置6を構成するウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64は、従動スプロケットホイール4cが如何なる位置にあるときでも、従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3が最下流側に位置する場合におけるフライト3の先端部よりも常に上流側に位置する。なお、本実施例では、アーム接続軸64のみならず、重錘式自動緊張装置6は常にテール軸より上流側に位置するものである。
本実施例によれば、重錘式自動緊張装置6をテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cの上流側に配置し、重錘式自動緊張装置6を構成するウエイトアーム67の自重によりチェーン2の伸び量に応じて自動的にテール軸が下流側へ押し出される構成であるため、チェーン2の緊張度を自動的に調整することが可能となる。また、テール軸を沈殿池Pの下流側の躯体側に近づけることが可能となり、フライト3による汚泥の掻き寄せをより効率的に行うことが可能となる。
また、本実施例では、重錘式自動緊張装置6を構成するウエイトアーム67の自重による回動を利用するものであるため、特許文献1におけるようなワイヤーロープ、シーブ等の部品を不要とでき、シーブ不良やワイヤーロープの伸びによる不具合を防止することも可能となる。
図4に本発明の他の実施例に係る重錘式自動緊張装置を備えた汚泥掻寄機を沈殿池に配設した縦断面図を示し、図5に図4に示す重錘式自動緊張装置の構成図を示す。実施例1と同一の構成要素に同一の符号を付している。実施例1では重錘式自動緊張装置6を構成するウエイトアーム67の回動によりテール軸を下流側へ押し出す構成であるのに対し、本実施例では、重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の回動により、テール軸を下流側に引き寄せるよう構成した点が異なる。
本実施例の重錘式自動緊張装置6’とフライト3との位置関係は、図3に示す実施例1と同様であるためここでは説明を省略する。
図4及び図5に示されるように本実施例の重錘式自動緊張装置6’は、沈殿池Pの底面に設置されたテール軸軸受基礎8上のテール軸軸受9と連結されるテール軸カップリング61、テール軸カップリング61に第1のリンクピン62aにより一端が結合され水平方向に移動可能でありテール軸より下流側へと延在する第1のリンクアーム63a、一端が第2のリンクピン62bにより第1のリンクアーム63aと接続され、他端がアーム接続軸64及びブッシュ66を介してウエイトアーム67に接続される第2のリンクアーム63b、ウエイトアーム67のアーム接続軸64と反対側の端部に所定の重さのウエイト69を収容するウエイトボックス68から構成される。なお、テール軸カップリング61は、テール軸軸受9と同軸上でテール軸を介して連結されている。
ウエイトアーム67の先端部に設けられたウエイトボックス68内のウエイト69は、ウエイト固定ボルト70及びウエイト固定ナット71によりウエイトボックス68内に固定され、図5に示すように、初期状態でウエイトアーム67は上流側に傾斜している。ここでウエイト69の重量は、例えば、初期状態でのチェーン2の張りを維持できる重量よりも多少重く設定される。これにより、ウエイトアーム67が上流側へ多少傾斜することでチェーン2の緊張度が適正となり、図5において実線で示すテール軸カップリング61及びテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cの位置で安定する。このときの従動スプロケットホイール4cの沈殿池P内における位置は、図4において実線で示す従動スプロケットホイール4cの位置となる。
また、ウエイトアーム67は、ウエイトボックス68内のウエイト69の自重によりアーム接続軸64を回動支点として、下方(沈殿池Pの底面方向)に円弧状に回動可能にアーム接続軸軸受65により軸支されている。ここで、重錘式自動緊張装置6’を構成する各部材、すなわち、テール軸カップリング61、第1のリンクピン62a、第1のリンクアーム63a、第2のリンクピン62b、第2のリンクアーム63b、アーム接続軸64、アーム接続軸軸受65、ブッシュ66、ウエイトアーム67、ウエイトボックス68及びウエイト69等は、例えば、鉄に耐食性の塗装を施したもの、SUS製あるいはSS製(一般構造用圧延鋼材製)のものが用いられる。また、平板形状を有するフライト3は、SUS製、合成木材製、または軽量化のためアルミ製あるいは合成樹脂製のもの等が用いられる。
次に、重錘式自動緊張装置6’の動作について説明する。上述のとおり、初期状態では、ウエイトアーム67は上流側に傾斜している。このとき、ウエイトアーム67の傾斜角にてアーム接続軸64を回動支点とする第2のリンクアーム63bの位置、第2のリンクアーム63bと第2のリンクピン62bにより接続された第1のリンクアーム63aの位置が規定され、図4に示した実線で示すテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cの位置で、チェーン2の緊張度が適正に保たれた状態となっている。
ここで、仮に何らかの要因により、中間軸に設けられた従動スプロケットホイール4bとテール軸に設けられた従動スプロケットホイール4cに張架されたチェーン2に伸びが生じた場合を想定する。このとき、チェーン2の伸び量に応じて、図5に示す重錘式自動緊張装置6’を構成する先端部にウエイトボックス68を有するウエイトアーム67は、アーム接続軸64を回動支点として自重により円弧状に下方(沈殿池Pの底面)側へと回動する。ウエイトアーム67の回動に伴い第2のリンクアーム63bは、アーム接続軸64を回動支点として沈殿池Pの下流側(図5において右側)へ円弧状に回動する。これにより、一端が第2のリンクピン62bにより第2のリンクアーム63bと接続される第1のリンクアーム63aは、水平方向に沈殿池Pの下流側(図5において右側)へ引き寄せられる。これにより、第1のリンクアーム63aの他端と第1のリンクピン62aにより結合されるテール軸カップリング61及びテール軸軸受9が下流側へと矢印にて示されるように引き寄せられる。その結果、図5において実線で示す従動スプロケットホイール4cは、点線で示す従動スプロケットホイール4cの位置まで水平方向に距離t(図4に示す下流側への水平移動量t)だけスライドする。これによりチェーン2の緊張度が自動的に調整される。
ここで、重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64と従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3の位置関係について説明する。
図5に示されるように、初期状態における従動スプロケットホイール4cは実線で示す位置にあり、このとき従動スプロケットホイール4cの回りを回転するチェーン2(図5では省略)に取り付けられたフライト3の先端部の移動軌跡は実線で示す3G’となる。すなわち、従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3の最外周部の移動軌跡は実線3G’に示されるようになる。従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3が移動軌跡3G’中、最下流側に位置するフライト3hの先端部は、図5に示されるようにウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64より下流側に位置する。
また、水平方向に下流側へ距離tだけスライド後の従動スプロケットホイール4c(点線で示す)の回りを回転するチェーン2に取り付けられたフライト3の先端部の移動軌跡は点線3Gに示されるようになる。この移動軌跡3G中、最下流側に位置するフライト3h’の先端部は、図5に示されるようにウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64より下流側に位置する。
本実施例の重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64は、従動スプロケットホイール4cが如何なる位置にあるときでも、従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3が最下流側に位置する場合におけるフライト3の先端部よりも常に上流側に位置する。
本実施例によれば、重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の回動支点であるアーム接続軸64を、従動スプロケットホイール4cの回りを循環するフライト3が最下流側に位置する場合におけるフライト3の先端部よりも常に上流側に位置することにより、テール軸を沈殿池Pの下流側の躯体側に近づけることが可能となり、フライト3による汚泥の掻き寄せをより効率的に行うことが可能となる。
また、重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の自重によりチェーン2の伸び量に応じて自動的にテール軸が下流側へ引き寄せる構成であるため、チェーン2の緊張度を自動的に調整することが可能となる。
また、実施例1と同様に、本実施例では、重錘式自動緊張装置6’を構成するウエイトアーム67の自重による回動を利用するものであるため、特許文献1におけるようなワイヤーロープ、シーブ等の部品を不要とでき、シーブ不良やワイヤーロープの伸びによる不具合を防止することも可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・汚泥掻寄機、2・・・チェーン、3,3h,3h’・・・フライト、3G,3G’・・・フライト先端部の移動軌跡、4a・・・駆動スプロケットホイール、4b〜4d・・・従動スプロケットホイール、5・・・駆動装置、6,6’・・・重錘式自動緊張装置、7・・・スカムスキマ、8・・・テール軸軸受基礎、9・・・テール軸軸受、61・・・テール軸カップリング、62a・・・第1のリンクピン、62b・・・第2のリンクピン、63a・・・第1のリンクアーム、63b・・・第2のリンクアーム、64・・・アーム接続軸、65・・・アーム接続軸軸受、66・・・ブッシュ、67・・・ウエイトアーム、68・・・ウエイトボックス、69・・・ウエイト、70・・・ウエイト固定ボルト、71・・・ウエイト固定ナット

Claims (13)

  1. 沈殿池の水上部に設置された駆動装置により、複数のフライトが取り付けられたチェーンを循環駆動する汚泥掻寄機のテール軸に接続される自動緊張装置において、
    前記テール軸は、前記沈殿池の最下流側に配置されスプロケットホイールを介して前記チェーンを張架するものであって、
    自重により前記沈殿池の底面側へ回動するウエイトアームを備え、
    前記ウエイトアームの回動支点が前記テール軸のスプロケットホイールの回りを循環する前記フライトが最下流側に位置するときの当該フライトの先端部よりも上流側に位置し、
    前記チェーンの伸びに追従して前記ウエイトアームが回動することにより下流側へ前記テール軸を水平移動することを特徴とする自動緊張装置。
  2. 請求項1に記載の自動緊張装置において、
    前記ウエイトアームの回動支点が、前記テール軸よりも上流側に位置することを特徴とする自動緊張装置。
  3. 請求項1に記載の自動緊張装置において、
    前記ウエイトアームの回動支点が、前記テール軸よりも下流側に位置することを特徴とする自動緊張装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の自動緊張装置において、
    前記テール軸の軸受と同軸上に配置され前記テール軸と連結されるテール軸カップリングと、
    一端が前記テール軸カップリングに結合され、水平方向に移動可能な第1のリンクアームと、
    一端が前記第1のリンクアームの他端に接続され、他端がアーム接続軸を介して前記ウエイトアームに接続される第2のリンクアームを備え、
    前記ウエイトアームは、前記アーム接続軸を回動支点として前記沈殿池の底面側へ回動することを特徴とする自動緊張装置。
  5. 請求項4に記載の自動緊張装置において、
    前記ウエイトアームは、前記チェーンの伸び量に応じて前記アーム接続軸を回動支点として自重により円弧状に前記沈殿池の底面側へ回動し、
    前記ウエイトアームの回動により、前記第2のリンクアームは前記アーム接続軸を回動支点として下流側へ円弧状に回動すると共に、前記第2のリンクアームの回動により、前記第1のリンクアームが下流側へ水平移動することにより、前記テール軸カップリングを介して前記テール軸が下流側へ水平移動することを特徴とする自動緊張装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の自動緊張装置において、
    前記テール軸カップリングと前記第1、第2のリンクアーム及び前記アーム接続軸並びに前記ウエイトアームは、耐食性の塗装が施された鉄製またはSUS製若しくはSS製であることを特徴とする自動緊張装置。
  7. 沈殿池の水上部に設置された駆動装置により、複数のフライトが取り付けられたチェーンを循環駆動する汚泥掻寄機において、
    前記チェーンをスプロケットホイールにより張架し水平移動可能なテール軸と、
    前記テール軸に接続され、前記チェーンの伸びに追従して前記テール軸を下流側へ水平移動する自動緊張装置を備え、
    前記自動緊張装置は、自重により前記沈殿池の底面側へ回動するウエイトアームを有し、
    前記ウエイトアームの回動支点が、前記テール軸のスプロケットホイールの回りを循環する前記フライトが最下流側に位置するときの当該フライトの先端部よりも上流側に位置することを特徴とする汚泥掻寄機。
  8. 請求項7に記載の汚泥掻寄機において、
    前記自動緊張装置のウエイトアームの回動支点が、前記テール軸よりも上流側に位置することを特徴とする汚泥掻寄機。
  9. 請求項7に記載の汚泥掻寄機において、
    前記自動緊張装置のウエイトアームの回動支点が、前記テール軸よりも下流側に位置することを特徴とする汚泥掻寄機。
  10. 請求項8または請求項9に記載の汚泥掻寄機において、
    前記テール軸は前記沈殿池の最下流側に配され、前記スプロケットホイールは前記テール軸の両端側に配されると共に、
    2条平行に前記スプロケットホイールを回動するチェーンを渡るよう取り付けられた前記フライトの両端部と前記沈殿池の側壁との間に前記自動緊張装置を配置することを特徴とする汚泥掻寄機。
  11. 請求項10に記載の汚泥掻寄機において、
    前記チェーンは、合成樹脂製のノッチチェーンであることを特徴とする汚泥掻寄機。
  12. 請求項8または請求項9に記載の汚泥掻寄機において、
    前記自動緊張装置は、前記テール軸の軸受と同軸上に配置され前記テール軸と連結されるテール軸カップリングと、一端が前記テール軸カップリングに結合され水平方向に移動可能な第1のリンクアームと、一端が前記第1のリンクアームの他端に接続され、他端がアーム接続軸を介して前記ウエイトアームに接続される第2のリンクアームを備え、前記ウエイトアームは、前記アーム接続軸を回動支点として前記沈殿池の底面側へ回動することを特徴とする汚泥掻寄機。
  13. 請求項12に記載の汚泥掻寄機において、
    前記ウエイトアームは、前記チェーンの伸び量に応じて前記アーム接続軸を回動支点として自重により円弧状に前記沈殿池の底面側へ回動し、
    前記ウエイトアームの回動により、前記第2のリンクアームは前記アーム接続軸を回動支点として下流側へ円弧状に回動すると共に、前記第2のリンクアームの回動により、前記第1のリンクアームが下流側へ水平移動することにより、前記テール軸カップリングを介して前記テール軸が下流側へ水平移動することを特徴とする汚泥掻寄機。
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