JP6144529B2 - 人工関節摩擦摩耗試験機、人工関節摩擦摩耗試験機の制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、制御し易く、かつ耐久性に優れる人工関節擦摩耗試験機を提供することを目的とする。
・前記直線変位機構は、Y軸方向に延びるガイド軸と、前記ガイド軸に沿って往復移動することにより、前記両ピースを前記Y軸方向に相対的に直線変位させるスライダと、前記スライダに対して取り付けられた取付プレートと、前記スライダを前記ガイド軸に沿って往復移動させる駆動部とを備え、前記第2角変位機構は、前記取付プレートに対して軸線を前記X軸方向に向けた状態で取り付けられ、かつ前記第2ピースを支持する支持軸と、前記取付プレートに対して取り付けられ、前記支持軸を前記X軸周りに回転させる駆動部を備える。この構成では、スライダのY軸方向への直線変位により、第2ピースを第1ピースに対してY軸方向に直線変位させることが出来る。また、支持軸の角変位により、第2ピースを第1ピースに対して前記X軸方向に角変位させることが可能となる。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
1.構造説明
図1には、本実施形態の人工関節摩耗摩擦試験機10の概略構成が示されている。人工関節摩耗摩擦試験機10は、試験機構本体部30と、当該試験機構本体部30に搭載された各駆動部(アクチュエータ)の制御及び各種設定や演算、測定等を行う制御部14、試験機構本体部30の動作状態やその設定、センサによる検出値やその値から算出された情報等の表示を行うモニタ16及び、人工関節の試験に関する条件設定や各駆動部の動作設定等を行う入力部18等で構成されている。もちろん制御部14、モニタ16、入力部18等をパーソナルコンピュータ等で、一体構成にしてもよいし、試験機構本体部30に適宜組み込む構成としてもよい。
(b)第1角変位機構Kb(内外旋)
(c)直線変位機構Kc(前後動)
(d)第2角変位機構Kd(屈曲)
加圧機構Kaは、第1ピース24と第2ピース26が所定の圧力で接触するように、両ピース24、26のうちいずれか一方のピース(この例では、第1ピース24)をZ軸方向に加圧する機構である。具体的に説明すると、加圧機構Kaは、図4〜図6に示すように、シリンダチューブ51とシリンダロッド(本発明の「可動軸」に相当)53とからなる油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)50と、第1ガイドシャフト55と、第2ガイドシャフト65と、回転軸71と、支持部材81と、ピースホルダ85と、軸受け部87等を備える。
第1角変位機構Kaは、第1ピース24と第2ピース26とをZ軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の角変位機構である。具体的に説明すると、第1角変位機構Kaは、回転プレート67、結合リンク105、油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)100等を備える。
直線変位機構Kcは、第1ピース24と第2ピース26とをY軸方向に相対的に直線変位させる1直線自由度の変位機構である。直線変位機構Kcは、図4、図5に示すように、一対のガイド軸113A、113Bと、一対のスライダ115A、115Bと、取付プレート120と、油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)130と、荷重センサ137と、ポテンショメータ138とを備える。
第2角変位機構Kdは第1ピース24と第2ピース26とをX軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の角変位機構(屈曲)である。第2角変位機構Kdは図4、図9に示すように、回転シャフト151と、支持軸153と、第2ピース26と、カップリング163と、ロータリーアクチュエータ(本発明の「駆動部」に相当)160等を備える。支持軸153は、軸線をX軸方向に向けた状態で、取付プレート120の側壁121、122間に取り付けられている。具体的には、側壁121、122に対して回転シャフト151を介して取り付けられている。係る支持軸153は、第2ピース26を支持するものであり、軸方向の中央下部に第2ピース26を取り付けている。
図10は、人工関節摩耗摩擦試験機10の制御系を示すブロック図である。人工関節摩耗摩擦試験機10は、制御部14が4つの機構(加圧機構Ka、第1角変位機構Kb、直線変位機構Kc、第2角変位機構Kd)を独立して個別に制御する構成となっている。具体的に説明すると、4つの機構の各駆動部(油圧シリンダやロータリーアクチュエータ)は、サーボバルブSV、センサ、比較器C、サーボアンプSAと共にフィードバック制御系を構築しており、制御部14から与えられる指令値Vに出力が追従するようにフィードバック制御される構成となっている。
人工関節摩耗摩擦試験機10では、第1角変位機構Kb、直線変位機構Kc、第2角変位機構Kdが、両ピース24、26に対して1自由度の相対変位を行わせる(いわゆる直列構造)。そのため、従来の6自由度モーション機構のように1つの機構で両ピースに対して6自由度の相対変位を行わせる場合(いわゆる並列構造)に比べて、各機構が制御しやすい。加えて、各機構の自由度は「1」であることから、各機構の構造自体も単純であり耐久性が高い。
本発明の実施形態2を図12、図13によって説明する。
実施形態2は、実施形態1の人工関節摩耗摩擦試験機10に対してゼロ点補正機能(ゼロ点補正制御)を追加している。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
14...制御部
24...第1ピース
26...第2ピース
50...油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)
53...シリンダロッド(本発明の「可動軸」に相当)
71...回転軸
75...スライド機構
81...支持部材
85...ピースホルダ
100...油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)
107...防振ゴム(本発明の「結合要素」に相当)
113...ガイド軸
115...スライダ
120...取付プレート
130...油圧シリンダ(本発明の「駆動部」に相当)
153...支持軸
160...ロータリーアクチュエータ(本発明の「駆動部」に相当)
Ka...加圧機構
Kb...第1角変位機構
Kc...直線変位機構
Kd...第2角変位機構
Claims (10)
- カップ状をした第1ピースと、前記第1ピースと係合するボール状をした第2ピースとからなる人工関節の摩擦及び摩耗状態の試験を行う人工関節摩擦摩耗試験機であって、
直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸と定義した場合に、
前記第1ピースと前記第2ピースが所定の圧力で接触するように、両ピースのうちいずれか一方のピースをZ軸方向に加圧する加圧機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをZ軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の第1角変位機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをY軸方向に相対的に直線変位させる1直線自由度の直線変位機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをX軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の第2角変位機構と、を備え、
前記直線変位機構は、
Y軸方向に延びるガイド軸と、
前記ガイド軸に沿って往復移動することにより、前記両ピースを前記Y軸方向に相対的に直線変位させるスライダと、
前記スライダに対して取り付けられた取付プレートと、
前記スライダを前記ガイド軸に沿って往復移動させる駆動部とを備え、
前記第2角変位機構は、
前記取付プレートに対して軸線を前記X軸方向に向けた状態で取り付けられ、かつ前記第2ピースを支持する支持軸と、
前記取付プレートに対して取り付けられ、前記支持軸を前記X軸周りに回転させる駆動部を備える、人工関節摩擦摩耗試験機。 - 前記加圧機構は、
前記Z軸方向に直線変位する可動軸と、
前記可動軸に対して軸受けを介して回転可能に連結され、かつ前記可動軸の変位に伴って前記可動軸と前記Z軸方向に一体的に直線移動する回転軸と、
前記回転軸の軸端に取り付けられ、前記第1ピースを保持するピースホルダと、
前記可動軸を駆動する駆動部とを備え、
前記第1角変位機構は、
前記回転軸を前記Z軸周りに角変位させる駆動部を備える請求項1に記載の人工関節摩擦摩耗試験機。 - 前記第1角変位機構は、前記回転軸に対して前記Z軸方向に対して自由度を持って結合する結合要素を介して結合されていることを特徴とする請求項2に記載の人工関節摩擦摩耗試験機。
- 前記ピースホルダは、前記回転軸の軸端に取り付けられた支持部材に対して、前記Y軸周りの回転自由度を持って支持されていることを特徴とする請求項3に記載の人工関節摩擦摩耗試験機。
- 前記支持部材は、前記回転軸の軸端に対して、前記X軸方向に自由度を持ったスライド機構を介して連結されていることを特徴とする請求項4に記載の人工関節摩擦摩耗試験機。
- カップ状をした第1ピースと、前記第1ピースと係合するボール状をした第2ピースとからなる人工関節の摩擦及び摩耗状態の試験を行う人工関節摩擦摩耗試験機であって、
直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸と定義した場合に、
前記第1ピースと前記第2ピースが所定の圧力で接触するように、両ピースのうちいずれか一方のピースをZ軸方向に加圧する加圧機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをZ軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の第1角変位機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをY軸方向に相対的に直線変位させる1直線自由度の直線変位機構と、
前記第1ピースと前記第2ピースとをX軸周りに相対的に角変位させる1回転自由度の第2角変位機構と、を備え、
前記加圧機構は、
前記Z軸方向に直線変位する可動軸と、
前記可動軸に対して軸受けを介して回転可能に連結され、かつ前記可動軸の変位に伴って前記可動軸と前記Z軸方向に一体的に直線移動する回転軸と、
前記回転軸の軸端に取り付けられ、前記第1ピースを保持するピースホルダと、
前記可動軸を駆動する駆動部とを備え、
前記第1角変位機構は、
前記回転軸を前記Z軸周りに角変位させる駆動部を備え、
前記第1角変位機構は、前記回転軸に対して前記Z軸方向に対して自由度を持って結合する結合要素を介して結合されている人工関節摩擦摩耗試験機。 - 駆動部への操作量を、指令値に対する出力の偏差に基づいて調整することにより、前記駆動部の出力を前記指令値に追従させる制御を、フィードバック制御と定義した時に、
前記加圧機構、前記第1角変位機構、前記直線変位機構、前記第2角変位機構のうち、いずれか一の機構に対して前記フィードバック制御用の指令値を出力する処理と、
前記加圧機構、前記第1角変位機構、前記直線変位機構、前記第2角変位機構のうち、いずれか一の機構に対して、前記指令値に対する前記出力の偏差に基づいて前記指令値を補正する補正制御と、を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記補正制御では、前記偏差がプラスの場合、前記指令値をマイナス方向に補正し、前記偏差がマイナスの場合、前記指令値をプラス方向に補正する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の人工関節摩擦摩耗試験機。 - 前記第1ピースと前記第2ピースに予め決められたサイクルの動作を繰り返し行わせることにより人工関節の摩擦摩耗試験を行うものにおいて、
駆動部への操作量を、指令値に対する出力の偏差に基づいて調整することにより、前記駆動部の出力を前記指令値に追従させる制御を、フィードバック制御と定義した時に、
前記第1角変位機構に対して、前記フィードバック制御用の前記指令値として、前記Z軸回りのトルクの指令値を出力する処理と、
前記第1角変位機構に対して、前記両ピースに対して1サイクルの動作を行わせた時に、前記Z軸回りの角変位量が原点を通過するように前記駆動部への操作量を補正するゼロ点補正制御と、を行う制御部を備える請求項1ないし請求項6のいずれか一項に人工関節摩擦摩耗試験機。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の人工関節摩擦摩耗試験機を制御する制御方法であって、
前記加圧機構、前記第1角変位機構、前記直線変位機構、第2角変位機構のうち、少なくとも一の機構に対して、
前記駆動部への操作量を、制御部から与えられる指令値に対する出力の偏差に基づいて調整することにより、前記駆動部の出力を前記指令値に追従させるフィードバック制御と、
前記指令値に対する前記出力の偏差に基づいて前記指令値を補正する補正制御と、を行い、
前記補正制御では、前記偏差がプラスの場合、前記指令値をマイナス方向に補正し、前記偏差がマイナスの場合、前記指令値をプラス方向に補正する人工関節摩擦摩耗試験機の制御方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の人工関節摩擦摩耗試験機を制御する制御方法であって、
前記第1ピースと前記第2ピースに予め決められたサイクルの動作を繰り返し行わせることにより人工関節の摩擦摩耗試験を行うものにおいて、
前記第1角変位機構に対して、
前記駆動部への操作量を、制御部から与えられる指令値に対する出力の偏差に基づいて調整することにより、前記駆動部の出力としてZ軸回りのトルクを前記指令値に追従させるフィードバック制御と、
前記両ピースに対して1サイクルの動作を行わせた時に、前記Z軸回りの角変位量が原点を通過するように、前記駆動部への操作量を補正するゼロ点補正制御と、を行う人工関節摩擦摩耗試験機の制御方法。
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