JP6144138B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は洗浄剤組成物に関し、詳しくは、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物に関する。
従来の洗浄剤組成物には、泡立ちが早く、低刺激な界面活性剤としてドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウムに代表されるヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合しているもの(例えば、特許文献1、2参照。)がある。しかしながら、これらの洗浄剤組成物は、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の点では、十分に要望を満たしているとはいえなかった。
ヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合する洗浄剤組成物において、タオルドライ後の滑らかさやしっとりとした肌感触の付与を両立させる目的で、油性成分を配合すること(例えば、特許文献3参照。)や、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルアリルアンモニウム共重合体とヒドロキシアルキル多価アルコール化合物を配合すること(例えば、特許文献4参照。)や、N−アシルアミノ酸塩を配合すること(例えば、特許文献5参照。)が知られている。しかしながら、これら油性成分や、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルアリルアンモニウム共重合体のようなカチオン性高分子は洗浄後も肌に残ることによって良好な感触を与えるが、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の点では満足のいくものではなかった。一方、N−アシルアミノ酸塩を配合した場合には、ぬるつきのなさや、泡質(クリーミィ性)の点で十分でない場合があった。
また、ヒドロキシエーテルカルボン酸型界面活性剤を配合する洗浄剤組成物において、刺激性の低下や、使用性、安定性の向上の目的で多価アルコールを配合するもの(例えば、特許文献6、7参照。)がある。そして、本出願人は、洗浄時における角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果の目的で、アニオン性界面活性剤とN−アセチルグルコサミンを組み合わせること(例えば、特許文献8参照。)を提案している。しかしながら、ジプロピレングリコールとN−アセチルグルコサミンを組み合わせることにより、洗浄時における角質層のアミノ酸溶出抑制効果が高まることについて技術的思想を示唆するものは何ら開示されていなかった。
特公平07−122072号公報 特公平06−096490号公報 特許第5078130号公報 特開2007−254573号公報 特開平07−304652号公報 特許第4442792号公報 特開2006−028096号公報 特開2012−116898号公報
上記従来技術を背景とした本発明の目的は、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶
出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明者等は、本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果,ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、ジプロピレングリコール、及びN−アセチルグルコサミンを組み合わせることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記成分(a)〜(c)を含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。
(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム
洗浄剤組成物全量に対し0.01〜30質量%
(b)ジプロピレングリコール
洗浄剤組成物全量に対し0.1〜40質量%
(c)N−アセチルグルコサミン
洗浄剤組成物全量に対し0.001〜1質量%






本発明によれば、洗浄時に角質層のアミノ酸を洗い流さない溶出抑制効果によって肌のうるおいを保ち、泡立ち、泡質(クリーミィ性)も良好な洗浄剤組成物を提供することができる。
以下、本発明の洗浄剤組成物について詳細に説明する。
本発明で用いられる(a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウムの配合量は特に限定されないが、泡立ち、泡質の点から0.01〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。また(a)成分は市販品を用いることができ、例えば三洋化成工業株式会社製のビューライトSHAAなどがこれに該当する。
本発明で用いられる(b)ジプロピレングリコールの配合量は特に限定されないが、0.001〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜40質量%、更に好ましくは0.1〜40質量%である。
本発明で用いられる(c)N−アセチルグルコサミンは、通常化粧料原料として用いられるものであればよい。例えば、カニやエビなどの甲殻類の外殻を由来とする天然多糖類キチンを公知の方法、例えば酸及び酵素により加水分解して得られる、製法など特に限定されるものではない。例えば焼津水産化学工業株式会社製のマリンスウィートYSKなどがこれに該当する。ドデカン−1,2‐ジオール酢酸エーテルナトリウムと、N−アセチルグルコサミン、ジプロピレングリコールを組み合わせて用いることによって、洗浄時における角質層のアミノ酸溶出効果が従来よりも高まり、泡質も向上する。N−アセチルグルコサミンの配合量は、特に限定されないが、0.0001〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.0005〜5質量%、更に好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン化高分子、非イオン性高分子、粉体(顔料、色素、樹脂等)、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、パール化剤、中和剤、pH調整剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、パルチミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
上記カチオン化高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グァーガム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及びアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
上記非イオン性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
次に本発明の洗浄剤組成物について実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
a)ヒト洗浄試験
ヒト前腕内側部を用い、ガラス製カップを装着し、実施例及び比較例の各処方の洗浄剤組成物溶液を適用し洗浄液状態を再現した。評価は角質層のバリア機能を示す経表皮水分蒸散量(TEWL)と、回収した洗浄液からアミノ酸量を測定した。それぞれの測定条件を以下に示す。
1)TEWL測定
洗浄液を回収後に十分にすすぎ洗いし、残った水分を拭き取った後、TewameterTM300(CK社製)を用いて定められた方法に従い測定した。尚、測定は22℃50
%RHの環境下、20分間順化させた後に行った。
2)アミノ酸溶出量
回収した洗浄液中のアミノ酸量を市販のHPLCシステムにて分析した。システムは島津製作所のHPLCを使用し、カラムはWakosil−PTCaアミノ酸分析用カラムを用い、検出はUV(254nm)を用いた。
アミノ酸溶出量及びTEWL値は、実施例及び比較例の各処方において、ジプロピレングリコール、及びN−アセチルグルコサミンを配合しない場合の値(比較例3)を基準とし、実施例及び比較例の各処方の変化量を下記基準の評価指標とした。従って、ジプロピレングリコール、及びN−アセチルグルコサミンを配合しない比較例3の処方では評価指標は“0”となる。
2・・・有意に減少した(P>0.05)
1・・・有意差はないが、減少傾向がある
0・・・変化なし、または増加
b)使用感
専門の評価者により、使用試験を実施し、1)泡立ち、2)泡質(クリーミィ性)を官能評価した。また評価の基準を次のように設定した。
◎・・・極めて良好 評価者の85%以上が良好と回答
○・・・良好 評価者の70%以上85%未満が良好と回答
△・・・やや悪い 評価者の55%以上70%未満が良好と回答
×・・・悪い 評価者の55%未満が良好と回答
実施例1〜5、比較例1〜9
表1及び表2に示す組成のボディシャンプーを調製し、これらを使用した時のアミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)について調べた。結果を併せて表1に示す。
Figure 0006144138
Figure 0006144138
表1及び表2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1〜5のボディシャンプー組成物は比較例1〜9の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
以下、本発明の洗顔料組成物のその他の処方例を実施例6として挙げる。なお、これらの実施例の洗顔料組成物についても、アミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)について調べた。
実施例6 洗顔料
(1)ドデカン‐1,2‐ジオール酢酸エーテルナトリウム 15.0
(2)ジプロピレングリコール 5.0
(3)N−アセチルグルコサミン 1.0
(4)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.0
(5)ラウラミドプロピルベタイン 5.0
(6)L−メントール 0.01
(7)カミツレエキス 0.1
(8)安息香酸ナトリウム 0.3
(9)色素 適 量
(10)香料 適 量
(11)精製水 残 余
常法により上記組成の洗顔料を調製し、アミノ酸溶出量、TEWL、泡立ち、泡質(クリーミィ性)、を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。

Claims (1)

  1. 下記成分(a)〜(c)を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
    (a)ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム
    洗浄剤組成物全量に対し0.01〜30質量%
    (b)ジプロピレングリコール
    洗浄剤組成物全量に対し0.1〜40質量%
    (c)N−アセチルグルコサミン
    洗浄剤組成物全量に対し0.001〜1質量%
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