JP6143643B2 - 樹脂成形品及び樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

樹脂成形品及び樹脂成形品の成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、インサート成形により溶融樹脂を下地部の表裏両面に被覆した樹脂成形品及び樹脂成形品の成形方法に関する。
従来から、下地部の全周に樹脂を流してインサート成形を行う場合では、下地部の基材がインサート成形時の射出圧に負けてしまい、下地部が金型内における正規の位置から動いてしまうことがある。即ち、下地部が射出圧によって金型内のゲート部とは反対側に傾いてしまうことがある。そして、インサート成形時に下地部が正規の位置から動いてしまうと、インサート時の樹脂の厚みも一定にならず、商品としての性能を満足させることができなくなってしまう。
そのため、下地部の表裏両面に樹脂を流してインサート成形を行う際には、下地部が動かないように下地部を表裏両側から支持しておく構成が採用されている。下地部の表裏を両側から支持する構成としては、インサート成形用金型(特許文献1参照)などが提案されている。
特許文献1に記載されたインサート成形用金型では、図12に示すように、固定型板52aと可動型板52bとの間には、一対のおす型53a、53bが互いに突き合わせ可能に突設されており、一対のおす型53a、53bを突き合わせることによって形成される隙間によって、キーホルダ取付孔を形成している。また、両型板52a、52bには、エンブレムパネル埋め込み用の凹部を形成するためのおす型54a、54bが突設されている。
一対の型板52a、52bに突設したおす型54a、54bの内面と、下地部となるキープレートの柄部50との間には、固定ピン55a、55bを介在させている。固定ピン55a、55bによって柄部50aを両面から所要の締め付け力で挟み込むように保持しており、柄部50aとおす型54a、54bの内面との間が、所定距離離間した状態を維持している。
また、特許文献1の発明では、樹脂を注入するゲート部に工夫が凝らされており、第1ゲート56a、第2ゲート56bの二つのゲートがランナ59を共用した態様で、キープレート50の軸線方向に並んで開設されている。第1ゲート56aは、キープレート50の柄部50aに予め開設された貫通孔57に対応する位置に設けられている。そして、貫通孔57の開口周縁部に密接するようにおす型54bの端面から突部58が突出した状態に形成されており、突部58の中心に第1ゲート56aが開口している。第2ゲート56bは、おす型54bの端面に開口している。
第1ゲート56aから射出された溶融樹脂は、キープレート50の貫通孔57を通り、固定型板52aとキープレート50との間のキャビティAに流入し、ここを放射状に広がる。同時に、第2ゲート56bから射出された溶融樹脂は、可動型板52bとキープレート50との間のキャビティBに流入し、ここを放射状に広がる。
そして、キープレート50の表裏の各面全域に広がった樹脂は、両型板52a、52bの突き合わせ面で会合する。そのため、ウエルドラインは、両型板52a、52bの突き合わせ面のところに形成される。
図12に示すように、キープレート50は、両型板52a、52bと固定ピン55a、55bとの上下二か所において、支持された構成になっており、ランナ59を通って注入された溶融樹脂によって、キープレート50が正規の位置から動いてしまうのを防止している。
次に、片持ち支持された下地部の基端部側に、ゲート部に対向した貫通孔が形成されていない構成について、図13を用いて説明する。図13には、下地部3の基端部に貫通孔が形成されていない場合であって、キャビティ内に注入された溶融樹脂20の流れを示している。図13では、後述する本発明との相違について説明するため、ゲート部を示す符号以外は、本発明の構成を示した図5〜図7で用いた部材符号と同じ部材符号を用いている。
図13は、本発明に係る貫通孔5が形成されていない場合での比較例を示しており、キャビティ内に溶融樹脂20を注入し始めた初期の段階を示している。尚、金型6a、6bの下端面側にも、芯材部2を載置するとともに、溶融樹脂20の供給路を金型6bとの間で形成する金型が存在するが、図示例では、金型6a、6bの下端側に配される金型についての図示は、省略している。
図13に示すように、本発明に係る貫通孔5が形成されていない場合には、ゲート部48から注入された溶融樹脂20によって、下地部3の基端部10には大きな射出圧が作用することになる。そして、この射出圧によって、下地部3の基端部10には、図13に矢印で示すように曲げモーメントが作用することになる。
下地部3の基端部10が射出圧によって変形した状態のまま、溶融樹脂20が下地部3と金型6bの内面との隙間14に沿って上昇を行うと、下地部3の自由端部11側は矢印で示すように図13において反時計回り方向に回動、即ち、下地部3の裏面12a側に湾曲した形状に変形してしまうことになる。
しかも、隙間14を上昇した溶融樹脂20は下地部3の基端部側10から硬化を始めていくことになるので、下地部3の自由端部11側は図13の時計回り方向に回動復帰することなく、反時計回り方向に回動した状態が維持されてしまうことになる。
その結果、下地部3の裏面12a側における表皮部の肉厚が薄く成形されてしまうことになる。下地部3の裏面12a側における表皮部の肉厚が薄く成形されると、樹脂成形品としては、裏面側における表皮部に接触した指先等において、違和感が感じてしまうことになる。
特開平10−286830号公報
特許文献1のように、下地部を上下二か所で支持する構成だと、固定ピン55a、55bによって下地部を強制的に押え込む構造を採用しなければならず、そのためには、両型板52a、52bには固定ピン55a、55bを挿通させるための孔を形成しておかなければならなかった。その結果、両型板52a、52bの構造が複雑になるうえ、コストの上昇を招いていた。
また、固定ピン55a、55bで支持された箇所には、樹脂が流れ込まないので、樹脂成形品には固定ピン55a、55bによる穴が形成されてしまうことになる。更に、ゲート部として、第1ゲート56aと第2ゲート56bとの二つのゲートを構成しておかなければならず、ゲート部の構成が複雑になっている。
また、片持ち支持した下地部の基端部側に、ゲート部に対向して貫通孔を形成しておかない構成にしたときには、図13を用いて上述説明したように、下地部の表裏両面に成形した樹脂層の肉厚がバラついてしまい、樹脂成形品としては満足するものが得られない。
本発明では、片持ち支持された下地部の表裏両面に溶融樹脂を被覆しても、被覆した樹脂面に固定ピン跡の穴が形成されることがなく、しかも、金型を複雑な構造にしなくても、インサート成形時に下地部が正規の位置から動いてしまうのを防止することができる、樹脂成形品及び樹脂成形品の成形方法の提供を目的にしている。
本発明の課題は、請求項1、2に記載された各発明によって達成することができる。
即ち、本発明に係る樹脂成形品は、表裏両面を有する下地部の基端部を片持ち状態で支持した芯材部と、前記下地部の基端部から自由端部までの前記表裏両面無穴状態で成形された表皮部と、を有し、前記下地部の基端部に形成され前記下地部の表裏両面間を貫通した貫通孔と、前記表皮部の成形時におけるゲート跡とが、前記下地部の表面視において少なくとも一部重なり合った配置関係になっていることを最も主要な特徴としている。
また、本発明に係る樹脂成形品の成形方法は、溶融樹脂を注入するゲート部と、前記ゲート部に連通するキャビティと、を備えた金型内に、表裏両面間を貫通する貫通孔が形成された下地部の基端部を片持ち状態で支持した芯材部を配設し、表裏両面を有する前記下地部の基端部から自由端部までの表裏両面の表皮部を無穴状態で成形する溶融樹脂の注入方向に沿って前記ゲート部から前記貫通孔を直線状に配する芯材部置き工程と、
前記ゲート部から前記キャビティ内に溶融樹脂を注入し、前記下地部によって仕切られる前記キャビティ内面との隙間及び前記貫通孔を介して、前記下地部の表裏両面に対して前記下地部の基端部側から溶融樹脂を流動させる充填工程と、を備えることを他の最も主要な特徴としている。
本発明に係る樹脂成形品では、下地部を片持ち状態で支持している芯材部をキャビティ内に設置するだけで、下地部の自由端側に対して固定ピン等を用いた支持構成にしなくても、下地部の表裏両面に樹脂を被覆できる。そのため、インサート成形時に射出圧が一番大きくかかるゲート直近となる下地部の部位を、最も撓み量が小さな下地部の基端部にしている。そして、ゲート部に対向した部位に貫通孔を形成しておき、しかも、貫通孔における孔の方向を、ゲート部からの溶融樹脂の注入方向に沿って配設しておくことができる。
このように、構成しておくことにより、下地部に作用する射出圧からの撓み力を小さくさせておくことができる。ゲートから注入された溶融樹脂は貫通孔を通って、ゲート部とは反対側の金型内面に直接当たることができる。そして、ゲート部とは反対側のキャビティ内に溶融樹脂を注入しながらゲート部側のキャビティ内にも溶融樹脂を注入することができる。
貫通孔としては、下地部に少なくとも一つ形成しておくことができ、そのうち一つの貫通孔をゲート部に対向して配設しておくことができる。貫通孔を複数形成した場合には、ゲート部に対向して一つの貫通孔を配設し、この貫通孔の両側等の部位に残りの貫通孔を配設しておくことができる。
上述したように前記残りの貫通孔を形成しておくことにより、ゲート部に対向して配設した貫通孔を通過して、ゲート部とは下地部を挟んで反対側のキャビティ内に流入した溶融樹脂を、再度、前記残りの貫通孔を通ってゲート部側のキャビティ内に流入させることがより確実にできる。
貫通孔を一つだけ形成した場合でも、ゲート部とは下地部を挟んで反対側のキャビティ内に流入した溶融樹脂の高さが、貫通孔の高さまで上昇すると、溶融樹脂はゲート部側のキャビティ内にも注入される。そして、ゲート部から注入されている溶融樹脂はそのまま下地部の表裏両面側に沿って上昇し、下地部の表裏両面に対して溶融樹脂をインサート成形することができる。
貫通孔を通った溶融樹脂は、金型の内面に衝突して射出圧が低減させられている。また、ゲート部とは下地部を挟んで反対側のキャビティ内で貫通孔を通った溶融樹脂が注入されることによって生じる押圧力は、即ち、下地部をゲート部側に動かす押圧力は、下地部を片持ち支持している芯材部によって受け止められることになる。
このようにして、下地部を間に挟んだ二つのキャビティ内に溶融樹脂を注入していくことができる。そして、下地部とキャビティ内面との間の隙間を通って、下地部の基端部の表裏両面側に沿って溶融樹脂が注入されていくことになる。注入された溶融樹脂によって、下地部は基端部側から固定されていくことになるので、下地部の自由端側における動きを防止しながら、下地部の表裏両面に樹脂を自由端まで被覆させることができる。
また、貫通孔とゲートとは上述した配置関係になっているので、樹脂製品を表面側から見たときには、ゲート跡が貫通孔と一部重なり合った配置関係になっている。しかし、ゲート跡は、樹脂製品を装着した装置によって、外部から視認できない部位に配しておくことができるので、意匠面から問題になることはない。
このように、片持ち状態に支持している芯材部をキャビティ内に設置するだけで、しかも、下地部の自由端側を固定ピン等によって支持しておかなくても、下地部を正規の位置に維持した状態のまま、下地部の表裏両面に対して樹脂を被覆させることができる。即ち、ゲート部から注入された溶融樹脂の射出圧が、直接下地部に作用しないようにして、下地部の表裏両面に対して樹脂を被覆させることができる。
また、溶融樹脂を下地部の自由端まで被覆しても、下地部は基端部において芯材部に片持ち支持されているだけなので、従来の固定ピン等を用いたインサート成形では、固定ピン等の跡となる穴が被覆した樹脂面に形成されることになるが、本発明ではこのような穴が形成されることはない。そのため、意匠性にも優れた樹脂製品を製造することができる。
樹脂成形品を裏面側から見た斜視図である。(実施例1) 樹脂成形品を表面側から見た斜視図である。(実施例1) 下地部を片持ち支持した芯材部を裏面側から見た斜視図である。(実施例1) 芯材部を表面側から見た斜視図である。(実施例1) 図2のA−A断面を成形時のキャビティ内に溶融樹脂を注入した初期の段階を示す断面図である。(実施例1) 図2のA−A断面を成形時のキャビティ内に溶融樹脂を注入した途中の段階を示す断面図である。(実施例1) 図2のA−A断面を成形時のキャビティ内に溶融樹脂を注入し終わった段階を示す断面図である。(実施例1) 樹脂成形品の使用例を示す斜視図である。(実施例1) 図8のB−B断面図を示す断面図である。(実施例1) 下地部を片持ち支持した芯材部を裏面側から見た斜視図である。(実施例2) 芯材部を表面側から見た斜視図である。(実施例2) インサート成形用金型の断面図である。(従来例) 図2のA−A断面を成形時のキャビティ内を示す断面図であって、キャビティ内に溶融樹脂を注入した初期の段階で、貫通孔が形成されていないときの断面図である。(比較例)
本発明の実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本発明に係る樹脂成形品としては、以下では、自動車用のセンターコンソールに装着される内装装置の引き出し部におけるハンド部を例に挙げて説明を行う。本発明に係る樹脂成形品としては、引き出し部におけるハンド部の構成に限定されるものではなく、片持ち支持された下地部の表裏両面に対して溶融樹脂をインサート成形するものであれば、各種樹脂製品に対して本発明を適用することができる。そのため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1には、自動車用に用いられる内装装置40(図8参照)の引き出し部33(図8参照)におけるハンド部35(図8、図9参照)の斜視図を示している。図8、図9に示すように、内装装置40には、車室内に温度調整された空気を供給する空調装置30や、小物等を収納する引き出し部33、音響機器38等を備えておくことができる。
図8に示した内装装置40の構成では、空調装置30として、一対の空気吹き出し口31と、空気吹き出し口31の開口部に配設したルーバーの方向を調整する風向調整操作部32が設けられている。引き出し部33には、摺動自在の引き出し部本体34と、引き出し部本体34を引き出したり、格納位置に収納したりする操作を行うハンド部35とが設けられている。
図1、図3、図9に示すように、ハンド部35は、引き出し部本体34の外表面に取り付けられる芯材部2と、芯材部2に片持ち支持された下地部3と、下地部3の表裏両面に溶融樹脂20(図6参照)をインサート成形した表皮部4と、を備えた構成になっている。
図3に示すように、芯材部2には、引き出し部本体34の外表面に図示せぬ固着手段を用いて取り付けるための取付孔16や、芯材部2と引き出し部本体34との位置決めを行う位置決め用凹部17や脚部15等が形成されている。また、下地部3の自由端部11には、凹条部9が、下地部3の長手方向に沿って長手方向とは直交する方向に複数形成されている。凹条部9を形成しておくことにより、インサート成形した樹脂層の厚みを下地部3の長手方向に沿って変化させることができ、樹脂層で形成された表皮部4の頂部側、即ち、下地部3の自由端部11側での感触を良好に構成することができる。
図9に示すように、ハンド部35を、引き出し部本体34の外表面に取り付けた後に、芯材部2の裏面側を表皮材39で覆っておくことができる。表皮材39で覆うことにより、芯材部2が外部に露呈することが防止できる。
図3、図4に示すように、下地部3の基端部10側、即ち、芯材部2によって片持ち支持された下地部3の根元側には、下地部3の裏面12aと表面12bの間を貫通する貫通孔5が形成されている。貫通孔5は、後述するように金型6a、6bのキャビティ内に溶融樹脂を注入するゲート部8に対向した位置に形成されている。
そして、図5、図6に示すように、貫通孔5の断面形状は、ゲート部8における断面形状と略同じ断面形状か、多少大きめの断面形状に形成されている。ゲート部8から注入された溶融樹脂20による射出圧が、下地部3に直接作用しないように構成されている。即ち、ゲート部8から注入された溶融樹脂が、貫通孔5を通ってゲート部8とは反対側におけるキャビティの内面に衝突できるように構成されている。
図2に示すように、表皮部4の表面側には、ゲート跡21が残されることになる。しかし、ゲート跡21は、図9に示すように、引き出し部本体34に装着した状態で、外部から視認できない状態にしておくことができるので、意匠上の問題となることはない。
金型6a、6bとしては、一方の金型、例えば金型6bを固定金型とし、他方の金型6aを可動金型として構成しておくことができる。また、金型6a、6bの下端面側にも、芯材部2を載置するとともに、溶融樹脂20の供給路を金型6bとの間で形成する金型が存在するが、図示例では、金型6a、6bの下端側に配される金型についての図示は、省略している。
次に、図5〜図7を用いて、ランナ7からゲート部8を通ってキャビティ内に注入された溶融樹脂20の流れについて説明する。図5〜図7には、図2におけるA−A断面を成形するときの金型内における溶融樹脂の流れを断面図で示している。図5は溶融樹脂20をキャビティ内に注入した初期の段階を示し、図6は、一対の金型6a、6bの内面と下地部3との間に形成されている隙間14内に溶融樹脂20が流入している状態を示している。図7は、溶融樹脂20が注入し終わった段階を示している。
図5、図6に示すように、貫通孔5の貫通方向は、ゲート部8からの溶融樹脂20の注入方向に沿って配されており、貫通孔5の断面形状は、ゲート部8における断面形状と略同じ断面形状か、多少大きめの断面形状に形成されている。このため、表面視において、貫通孔5はゲート部8とは、少なくとも一部重なり合った配置関係になっている。
背景技術の欄において、図13を用いて説明したように、貫通孔5が形成されていない場合には、ゲート部48から注入された溶融樹脂20によって、下地部3の基端部10には大きな射出圧が作用することになり、この射出圧によって、下地部3には曲げモーメントが作用することになる。
しかし、本発明では貫通孔5をゲート部8に対向して配するとともに、略同じ断面形状か多少大きめの断面形状に形成されているので、ゲート部8から注入された溶融樹脂20は、貫通孔5を通って下地部3の裏面12側に直接導入されることになる。
そして、溶融樹脂20は、貫通孔5を通って下地部3の裏面12a側と表面12b側にそれぞれ流入することができる。また、ゲート部8から注入された溶融樹脂20は、貫通孔5を通ることによって下地部3との衝突を防止することができるので、下地部3に作用する射出圧が抑えられ、下地部3の基端部10が金型6a側に傾くことを防止できる。
また、溶融樹脂20は下地部3の基端部10側から表裏両面に沿って自由端部11側に流入することになるので、下地部3の基端部10側から硬化を始めることができ、溶融樹脂20は下地部10を基端部10側から固定しながら、下地部10を変形させることなく自由端部11まで充填されることになる。
これにより、表皮部4としては、表裏両面において不均一な肉厚として成形されることがなく、所望の肉厚を有した表皮部4を成形することができる。
上述した実施例1では、貫通孔5を一つ下地部3の基端部10側に形成した構成を示したが、貫通孔5の構成としては、図10、図11に示すように、複数形成しておくこともできる。図10、図11では、ゲート部8に対向した下地部3の部位に形成した貫通孔5と貫通孔5の両側に形成した貫通孔25とを区別するため、部材符号としては別の部材符号を用いている。
他の構成は、実施例1における構成と同様に構成されているので、同様の構成については、同一の部材符号を用いることで重複した説明を省略する。図5の構成を用いて、実施例2の構成を補足すると、一対の貫通孔25(図5における貫通孔5を貫通孔25として読み直す。)を形成しておくことにより、ゲート部8から貫通孔25を通って下地部3の裏面12a側に注入された溶融樹脂20は、図10、図11に示す貫通孔25を通って、下地部3の表面12b側に回り込むことができる。
このように構成しておくことにより、下地部3と金型6a、6bとの間のキャビティ内に溶融樹脂20を注入することができる。即ち、下地部3の表裏両面に溶融樹脂20を成形することができる。
下地部3の表裏両面に溶融樹脂20が注入されることにより、下地部3の表裏両面側に所望の肉厚を有する表皮部4(図1参照)を成形することができる。貫通孔25としては、貫通孔5の両側に一つずつ形成した構成に限定されるものではなく、下地部3の必要箇所に適宜数形成しておくことができる。また、貫通孔25は、ゲート部8に対向して設けられていないので、貫通孔25の部位にゲート跡が形成されることもない。
また、本発明は、ゲート部8が複数に及ぶ樹脂成形品の製造においても適用が可能であり、例えば、複数のゲート部のうちの少なくとも一つのゲート部が、少なくとも一つ以上設けられた貫通孔のうち何れかの貫通孔と重なるように配置しても、前述の本発明の実施例についての説明で開示した作用効果が得られるものである。
本発明は、片持ち支持された下地部の表裏両面にインサート成形を施す樹脂成形品の成形方法、及びこのようにして成形された樹脂成形品に適用することができる。
1…樹脂成形品、2…芯材部、3…下地部、4…表皮部、5…貫通孔、8、48…ゲート部、10…基端部、11…自由端部、20…溶融樹脂、21…ゲート跡、25…貫通孔、33…引き出し部、35…ハンド部、40…内装装置、48…ゲート部、50…キープレート、52a…固定型板、52b…可動型板、55a、55b…固定ピン、56a…第1ゲート、56b…第2ゲート、57…貫通孔、58…突部。

Claims (2)

  1. 表裏両面を有する下地部の基端部を片持ち状態で支持した芯材部と、前記下地部の基端部から自由端部までの前記表裏両面無穴状態で成形された表皮部と、を有し、
    前記下地部の基端部に形成され前記下地部の表裏両面間を貫通した貫通孔と、前記表皮部の成形時におけるゲート跡とが、前記下地部の表面視において少なくとも一部重なり合った配置関係になっていることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 溶融樹脂を注入するゲート部と、前記ゲート部に連通するキャビティと、を備えた金型内に、表裏両面間を貫通する貫通孔が形成された下地部の基端部を片持ち状態で支持した芯材部を配設し、表裏両面を有する前記下地部の基端部から自由端部までの表裏両面の表皮部を無穴状態で成形する溶融樹脂の注入方向に沿って前記ゲート部から前記貫通孔を直線状に配する芯材部置き工程と、
    前記ゲート部から前記キャビティ内に溶融樹脂を注入し、前記下地部によって仕切られる前記キャビティ内面との隙間及び前記貫通孔を介して、前記下地部の表裏両面に対して前記下地部の基端部側から溶融樹脂を流動させる充填工程と、
    を備えることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
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