<第1実施例>
図1(A),(B)を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smart phone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、PDAなど任意の携帯通信端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
ハウジング12の一方主面(表面)には、表示部として機能する、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。したがって、この実施例の携帯電話機10では、後述のハードキーの操作によるものを除く大部分の入力操作は、このタッチパネル16を介して行われる。
ハウジング12の縦方向一端の主面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク20が内蔵される。
ハウジング12の一方主面には、タッチパネル16と共に入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー22a、終話キー22bおよびホームキー22cが設けられる。
また、ハウジング12の他面(裏面)には、カメラモジュール50(図2参照)に通じるレンズ開口24およびIR(Infrared:赤外線)通信用のIRポート26が設けられる。また、ハウジング12の他面の略中央には、Felica(登録商標)など非接触型ICカードなどで利用されるNFC(Near Field Communication)方式の近距離無線通信(近接無線通信または非接触通信)を行うための面であることを示す、NFCマーク28が設けられている。
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルキーに対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、通話キー22aを操作して音声通話を開始することが出来る。終話キー22bを操作すれば、音声通話を終了することが出来る。なお、この終話キー22bを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることが出来る。
ユーザがホームキー22cを操作すれば、ディスプレイ14にデフォルトのホーム画面(図3参照)が表示される。ユーザは、その状態でディスプレイ14に表示されている機能アイコン(第1アイコン)に対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによって、機能アイコンに関連する処理を実行することが出来る。なお、本実施例における、「機能アイコンに関連する処理」には、アプリケーションの処理、メニュー画面などに遷移する処理などが含まれる。
カメラアプリケーションが実行されると、カメラモジュール50の電源がオンにされ、ディスプレイ14に被写界と対応するプレビュー画像(スルー画像)が表示される。そして、携帯電話機10は、ユーザからの撮影操作を受け付けると、被写体を撮影する。
IR通信が有効にされ、かつIRポート26が他端末のIRポートに向けられると、携帯電話機10と他端末との間で、IrDA(Infrared Data Association)方式の近距離無線通信(IR通信)が確立される。
そして、ユーザは、NFCマーク28が設けられている携帯通信端末10の他面を、他端末に設けられているNFCマークと近接状態にすることで、携帯電話機10と他端末との間で、NFC方式の近接無線通信(以下、NFC通信と言う。)が確立される。
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、IRポート26、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46、タッチパネル制御回路48、カメラモジュール50、BT通信回路52およびNFC回路56などが接続される。
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。RAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。また、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。なお、フラッシュメモリ44およびRAM46は、まとめて記憶部と呼ばれることもある。
入力装置40は、図1に示すハードキー22を含むものである。そのため、ハードキー22に対するユーザからのキー操作を受け付ける操作受付部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザが入力装置40を操作して電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ34を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
A/D変換器36には図1に示すマイク20が接続され、マイク20からの音声信号はA/D変換器36を通してディジタルの音声データとしてプロセッサ30に入力される。D/A変換器38にはスピーカ18が接続される。D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ18から出力される。そして、通話処理が実行されている状態では、マイク20によって集音された音声が相手の電話機に送信され、相手の電話機で集音された音声が、スピーカ18から出力される。
なお、プロセッサ30は、たとえばボリュームを調整するための操作を受け付けると、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ18から出力される音声の音量を調整することが出来る。
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。また、表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含む。ディスプレイ14には、たとえばLEDなどを光源とするバックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
タッチパネル制御回路48には、図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するタッチの開始を示すタッチ開始信号、タッチの終了を示す終了信号、およびタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、ディスプレイ14に表示されるどのオブジェクトにタッチされたかを判断することが出来る。
実施例では、タッチパネル16は、その表面と表面に接近した指などの物体との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式でタッチパネルである。タッチパネル16は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル16はポインティングデバイスとも呼ばれる。タッチパネル制御回路48は検出部として機能し、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面に対してタッチ操作を行うことによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作などが含まれる。
タップ操作は、タッチパネル16の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル16の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、所定時間以上、指をタッチパネル16の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル16の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スライド操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル16の表面から指を離す操作である。
また、上記のスライド操作には、ディスプレイ14の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるスライド操作、いわゆるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル16の表面から指を離す操作をドロップ操作と呼ぶ。
なお、以下の説明では、タッチ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述することがある。
また、タッチパネル16の検出方式には、上述した静電容量方式に代えて、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などが採用されてもよい。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
カメラモジュール50は制御回路、レンズおよびイメージセンサなどを含む。プロセッサ30は、カメラアプリケーションを実行する操作がされると、制御回路およびイメージセンサを起動する。そして、イメージセンサから出力された信号に基づく画像データがプロセッサ30に入力されると、被写体に対応するプレビュー画像がディスプレイ14に表示される。
IRポート26は、IRLED、IR受信器および制御回路などを含む。制御回路はIRLEDを所定の周期で点滅させることでデータを送信し、IR受信器で他端末から送信された赤外線を受信する。たとえば、IR通信が有効にされると、制御回路の電源がオンにされIR通信が可能な状態となる。また、IR通信には、受信モードまたは送信モードがあり、制御回路は設定に応じてそれぞれのモードでIRLEDおよびIR受信器を動作させる。
たとえば、受信モードが設定されている場合、制御回路はIR受信器によって他端末から送信される赤外線を受信可能な状態にする。この状態で、赤外線を送信する他端末のIRポートとIRポート26とが向き合った状態になれば、制御回路は受信した赤外線に基づくデータをプロセッサ30に出力する。一方、送信モードが設定されている場合、制御回路はIRLEDによって他端末に対して赤外線を送信可能な状態にする。この状態で、受信モードに設定されている他端末のIRポートとIRポート26とが向き合った状態になれば、プロセッサ30から出力されたデータに基づく赤外線を、IRLEDの点滅によって他端末に送信する。
BT通信回路52には、BTアンテナ54が接続されている。また、BT通信回路52は、たとえばヘッドセットや他端末などの通信機器との間に、Bluetooth方式の近距離無線通信(BT通信)を確立する。また、BT通信には、マスタおよびスレーブの関係がある。
たとえば、携帯電話機10でBT通信が有効にされ、マスタとして動作するように設定されると、携帯電話機10は、スレーブとして動作する通信機器を検索する。このとき、他端末がスレーブとして動作するように設定され、マスタ端末の接続要求に応答する「接続待機状態」に遷移していれば、マスタとして動作する携帯電話機10は、スレーブとして動作する他端末を発見することが出来る。携帯電話機10が他端末を発見すると、他端末に設定されたパスコード(PIN)の入力が、ユーザに求められる。携帯電話機10が正しいPINの入力を受け付けた場合、携帯電話機10と他端末との間でBT通信が確立される。そして、BT通信が確立されると、データの送受信を行うことが出来る。
NFC回路56は、NFC方式の近接無線通信を行うための回路であり、NFCアンテナ58と接続される。NFC通信では、NFC回路を有する機器またはリーダ/ライタとの間で無線通信を確立することが出来る。ただし、NFC通信では、通信確立情報は必要ない。
本実施例の携帯電話機10は、電話機能のほかに、カメラ、メールおよびアラームなどのアプリケーションを実行することが可能である。
図3はディスプレイ14に表示されるホーム画面の一例を示す図解図である。ディスプレイ14の表示範囲は、状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すピクト、二次電池の残電池容量を示すピクトおよび日時が表示される。また、機能表示領域62には、複数の機能アイコンを含むホーム画面が表示されている。
図4(A)−(C)はホーム画面から電話帳機能を実行する操作の一例を示す図解図である。たとえば、図4(A)に示すように、ユーザが電話帳機能に関連する機能アイコンに対してタッチ操作を行うと電話帳機能が実行され、図4(B)に示すように電話帳画面が表示される。電話帳画面には、電話帳データに含まれるアドレスデータと対応するアドレスアイコンが表示される。アドレスアイコンに対してタッチ操作がされると、そのアドレスアイコンと対応するアドレスデータの内容がディスプレイ14に表示される。
また、アドレス画面の下側に表示されている新規キーに対してタッチ操作がされると、図4(C)に示すように、新しいアドレスデータを登録するための編集画面がディスプレイ14に表示される。編集画面には、氏名、電話番号、メールアドレスなどが任意に入力可能な領域が表示されている。たとえば、ユーザが氏名に対応する領域にタッチ操作を行えば文字入力可能な状態となり、ユーザは任意の文字列を入力することが出来る。また、編集画面には、シェア送信を行うためのアドレスデータとして設定するためのONキーおよびOFFキーが表示されている。
新しいアドレスデータを登録する場合、シェア送信は無効、つまりOFFキーの色が反転した状態にされている。この状態でONキーに対してタッチ操作がされると、ONキーの色が反転した状態になり、シェア送信が有効にされる。また、シェア送信が有効にされると、OFFキーの色は通常の状態となる。なお、シェア送信については後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、氏名、電話番号、メールアドレスのいずれか1つが入力された状態で登録キーに対してタッチ操作がされると、新しいアドレスデータが電話帳データに登録(追加)される。
なお、登録済みのアドレスデータを編集する操作がされた場合、そのアドレスデータの内容を反映した編集画面が表示される。また、アドレスデータは、端末情報または通信情報と呼ばれることもある。
図5は電話帳データの構成の一例を示す図解図である。電話帳データは、氏名、電話、メールおよびシェアなどの列を含む。また、電話帳データの各行がアドレスデータに対応しているため、電話帳データの各列には、アドレスデータの氏名、電話番号、メールアドレス、シェア送信の設定がそれぞれ記録されている。
たとえば、氏名が「AAA」のアドレスデータでは、電話番号として「0901111XXXX」が記録され、メールアドレスとして「AAA@xx*.com」が記録され、シェア送信の設定として「有効」が記録されている。また、氏名が「BBB」のアドレスデータでは、電話番号として「0902222XXXX」が記録され、メールアドレスとして「BBB@xx*.com」が記録される。ただし、「BBB」のアドレスデータでは、シェア送信の設定は「無効」にされている。なお、「CCC」のアドレスデータは、「BBB」のアドレスデータと略同じであるため、詳細な説明は省略する。
図6(A),(B)はホーム画面から画面管理アプリケーションを実行する操作の一例を示す図解図である。たとえば、図6(A)に示すように、ユーザが画像管理アプリケーションに関連する機能アイコンに対してタッチ操作を行うと、画像管理アプリケーションが実行され、図6(B)に示すように画像管理画面が表示される。画像管理画面には、カメラアプリケーションで撮影された画像データや、他端末から受信した画像データと対応するサムネイルアイコン(データオブジェクト)が表示される。なお、以下の説明では、図6(B)に示す画像管理画面を第1画像管理画面と言う。
図7(A),(B)を参照して、第1画像管理画面が表示されている状態で、左方向にスライドするタッチ操作がされると、第2画像管理画面がディスプレイ14に表示される。第2画像管理画面には、第1画像管理画面とは異なるサムネイルアイコンが表示される。つまり、第1画像管理画面で表示しきれなかったサムネイルアイコンが第2画像管理画面に表示されている。また、図示は省略するが、第2画像管理画面が表示されている状態で、右方向にスライドするタッチ操作がされると、第1画像管理画面が再び表示される。
このように、画像管理画面では、略横方向のスライド操作(フリック操作)が行われると、表示されている画面が切り換えられる。
また、携帯電話機10は任意のサムネイルアイコンに対してユーザからのダブルタップ操作が受け付けられると、そのサムネイルアイコンに対応する画像を機能表示領域62の全体に表示させる。
上述したようにディスプレイ14の表示を切り替える操作を画面切り替え操作と言う。これらの画像管理画面で表示されていないサムネイルアイコンがある場合は、画面切り替え操作によって表示される他の画像管理画面に、サムネイルアイコンが表示される。
ここで、本実施例の携帯電話機10は、任意のデータをタッチ操作で特定の通信情報と対応する端末に送信(シェア送信)することが出来る。
図8(A),(B)を参照して、たとえば画像データのサムネイルアイコンが表示されている状態で、ユーザが任意のサムネイルアイコンに指をタッチした後、サムネイルアイコンの中で指をスライドさせると、サムネイルアイコンの色が変化し、サムネイルアイコンが選択された状態となる。また、サムネイルアイコンが選択されると、画像管理画面の下側には、シェア送信が有効にされたアドレスデータと対応するシェア送信アイコンSHおよび電話帳データと対応する電話帳アイコンADが表示される。なお、シェア送信が有効にされたアドレスデータが複数ある場合は、複数のシェア送信アイコンSHが表示される。
この状態で、図9(A)に示すように、ユーザがシェア送信アイコンSHの方へフリックすると、選択されたサムネイルアイコンに対応する画像データが、シェア送信アイコンSHと対応するアドレスデータ(特定の通信情報)に基づいて送信する処理が開始される。
送信する処理が開始されると、ディスプレイ14には送信する処理が実行中であることを示すポップアップP1が表示される。また、略同時に、相手端末が近距離内にあるかが検索される。具体的には、IrDA方式、Bluetooth方式またはNFC方式のいずれかの近距離無線通信によってデータが送信可能な状態であるかが判断される。そして、相手端末が近距離内にあり、かつ近距離無線通信が可能な状態であれば、IrDA方式、Bluetooth方式またはNFC方式のいずれかの近距離無線通信を利用してデータが送信される。また、送信する処理が終了すれば、ディスプレイ14には、ポップアップP1に代えて、送信が完了したことを伝えるメッセージを含むポップアップP2がディスプレイ14に表示される。なお、ポップアップP2は、タッチ操作がされるまではディスプレイ14に表示され続ける。
このように、相手端末が近くにある場合は、通信料金が発生しない近距離無線通信で、任意のデータを送信することが出来る。
また、相手端末との近距離無線通信が確立できなければ、相手端末のメールアドレスを宛先とするメールによってデータが送信される。このとき、メールのタイトルおよび本文には定型文が入力されており、送信者(ユーザ)がメールの宛先や本文を入力せずとも、図10に示すようなメールが相手端末に届く。そして、携帯電話機10は、メールの送信が完了すると、図9に示すポップアップP2がディスプレイ14に表示される。つまり、相手端末の位置に関係なく、任意のデータを送信することが出来る。
このように、ユーザは、直感的な操作を利用して、任意のデータを容易に送信することが出来る。また、本実施例では、ユーザは送信する相手を送信可能情報によって確認することが出来る。さらに、ユーザは、アドレスデータを編集することで、特定のアドレスデータを任意に設定することが出来る。
ここで、図11(A),(B)を参照して、ユーザが任意のデータを選択した後に、電話帳アイコンADの方向にフリックした場合、図11(B)に示すポップアップP3がディスプレイ14に表示される。このポップアップP3には、電話帳データに含まれるアドレスデータと対応するアドレスアイコンが含まれる。ユーザが任意のアドレスアイコンを指定(選択)してから確定キーを操作すると、指定された端末に対して、任意のデータが送信される。
また、ポップアップP3において複数のアドレスデータが指定することが出来る。そして、複数のアドレスデータが指定されている場合、任意のデータは、メールの一斉送信を利用して送信される。
このように、ユーザは、シェア送信を有効にしていない相手に対しても、任意のデータを容易に送信することが出来る。
なお、フリック操作の方向は略縦方向であり、略横方向の画面切り替え操作の方向とは、異なる方向であるため、シェア送信のためのフリック操作が、他の操作に影響を及ぼすことはない。ただし、他の実施例において、画面切り替え操作が略縦方向に設定されている場合は、シェア送信のためのフリック操作は略横方向となるように、シェア送信アイコンSHおよび電話帳アイコンADが表示される。つまり、携帯電話機10では、シェア送信のための操作と、画面切り替え操作などを含むその他の操作とは、異なる操作となるよう予め設定されている。
また、フリック操作に代えてドラッグ操作およびドロップ操作によって、アイコンが指定(選択)されてもよい。また、フリック操作によってアイコンが指定された場合は、指定されたアイコンが正しいかを確認するポップアップが表示されてもよい。また、フリック操作を行うだけで特定の端末に対して、任意のデータが送信されるようにしてもよい。
また、画像管理アプリケーションだけに限らず、音楽データを表示する音楽プレーヤアプリケーション、テキストデータを表示するテキスト管理アプリケーション、フラッシュメモリ44などに保存されているファイルを管理するファイル管理アプリケーションなどが実行されている場合でも、ユーザは任意のデータを選択して、そのデータを任意の相手に送信することが出来る。また、本実施例では、サムネイルアイコン、音楽データに対応するアイコン、ファイルアイコンなどは、まとめてデータオブジェクトと言う。
上述では第1実施例の特徴を概説した。以下では、図12に示すメモリマップおよび図13−図16に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
図12を参照して、RAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域302には、編集プログラム310、送信制御プログラム312および近距離検索プログラム314などが記憶される。編集プログラム310は、アドレスデータの編集を行うためのプログラムである。送信制御プログラム312は、任意のデータを送信するためのプログラムである。近距離検索プログラム314は、相手端末が近距離内にあるかを検索するためのプログラムである。
なお、プログラム記憶領域302には、メールアプリケーションおよびアラームアプリケーションなどを実行するためのプログラムも含まれる。
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、タッチバッファ330、送信バッファ332および検索結果バッファ334などが設けられる。また、データ記憶領域304には、タッチ座標マップ336および電話帳データ338などが記憶されると共に、タッチフラグ340、IR通信フラグ342、BT通信フラグ344および近距離フラグ346などが設けられる。
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータが記憶される。送信バッファ332には、送信されるデータが一時的に記憶される。検索結果バッファ334には、近距離検索プログラム314によって検索された結果が一時的に記憶される。
タッチ座標マップ336は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ14の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、タッチ座標マップ336に基づいて、タッチパネル16に対して行われたタッチ操作の結果が、ディスプレイ14の表示に反映される。電話帳データ338は、図5に示す構成のデータであり、1つまたは複数のアドレスデータを含む。
タッチフラグ340は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ340は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ340がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ340がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。なお、タッチフラグ340は、タッチパネル制御回路48が出力する信号に基づいてオン/オフが切り換えられる。
IR通信フラグ342は、IR通信が有効にされているかを判断するためのフラグである。BT通信フラグ344は、BT通信が有効にされているかを判断するためのフラグである。近距離フラグ346は、近距離無線通信が可能な端末が発見されたかを判断するためのフラグである。また、IR通信フラグ342、BT通信フラグ344および近距離フラグ346の構成は、タッチフラグ340と略同じであるため、構成についての詳細な説明は省略する。
なお、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
プロセッサ30は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図13に示す編集処理、図14,15に示す送信制御処理、図16に示す近距離検索処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
編集処理は、アドレスデータの編集操作、または新しいメールアドレスの登録を開始する操作が行われると開始される。ステップS1でプロセッサ30は、アドレスデータを表示する。たとえば、新しいアドレスデータの登録操作がされると、図4(C)に示すように、新しいアドレスデータを編集可能な編集画面が表示される。なお、登録済みのアドレスデータに対する変更操作がされた場合は、そのアドレスデータを編集可能な編集画面が表示される。
続いて、ステップS3でプロセッサ30は、シェア送信が有効されたか否かを判断する。つまり、編集画面において、ONキーに対してタッチ操作がされたかが判断される。ステップS3で“YES”であれば、つまりONキーに対してタッチ操作がされると、ステップS5でプロセッサ30は、シェア送信を有効にする。つまり、ONキーの色が反転された状態にされる。なお、ステップS5の処理を実行するプロセッサ30は設定部として機能する。
続いて、ステップS7でプロセッサ30は、メールアドレスが入力されているか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、メールアドレスを表示する領域にメールアドレスが入力されているかを判断する。ステップS7で“YES”であれば、つまりメールアドレスが入力されていれば、プロセッサ30はステップS15に進む。一方、ステップS7で“NO”であれば、メールアドレスが入力されていなければ、ステップS9でプロセッサ30は、メールアドレスの入力を促すポップアップを表示する。つまり、メールアドレスが入力されていない場合、シェア送信によってデータが送信出来ない可能性があるため、メールアドレスの入力が促される。なお、ステップS9の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS15に進む。
また、ステップS3で“NO”であれば、つまりONキーに対して操作がされていなければ、ステップS11でプロセッサ30は、入力操作がされたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、氏名、電話番号、メールアドレスなどの入力操作がされたかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり入力操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS15に進む。一方、ステップS11で“YES”であれば、たとえばメールアドレスの入力操作がされると、ステップS13でプロセッサ30は、入力処理を実行する。
続いて、ステップS15でプロセッサ30は、アドレスデータの編集を終了するか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、編集したアドレスデータを登録操作がされたかを判断する。ステップS15で“NO”であれば、たとえば登録操作がされなければ、プロセッサ30はステップS3に戻る。一方、ステップS15で“YES”であれば、たとえば登録操作がされると、ステップS17でプロセッサ30は、アドレスデータを登録する。つまり、入力された内容を反映したアドレスデータを、電話帳データに登録する。このとき、ONキーの色が反転した状態で登録操作がされた場合は、登録されるアドレスデータのシェアの欄には「有効」が記録される。
図14は送信制御処理のフロー図である。送信制御処理は、データオブジェクトを表示するアプリケーション(たとえば、画像管理アプリケーション)を実行する操作がされると開始される。ステップS31でプロセッサ30は、データオブジェクトを表示する。たとえば、図6(A)に示すように、データオブジェクトを表示する。なお、ステップS31の処理を実行するプロセッサ30は表示処理部として機能する。
続いて、ステップS33でプロセッサ30は、選択操作か否かを判断する。たとえば、図8(A),(B)に示すようにサムネイルアイコンを選択する操作がされたか否かを判断する。ステップS33で“NO”であれば、つまり選択操作がされていなければ、ステップS35で終了操作か否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、ホームキー22cが操作されたかを判断する。ステップS35で“YES”であれば、つまり終了操作がされると、プロセッサ30は送信制御処理を終了する。一方、ステップS35で“NO”であれば、つまり終了操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS33に戻る。
ステップS33で“YES”であれば、つまり選択操作がされると、ステップS37でプロセッサ30は、シェア送信可能情報を検索する。つまり、電話帳データ338からシェア送信が有効に設定されたアドレスデータが検索される。なお、選択されたデータは、送信バッファ332に記録される。
続いて、ステップS39でプロセッサ30は、シェア送信可能情報を表示する。つまり、ステップS37の検索によって発見されたアドレスデータと対応するシェア送信アイコンSHと、電話帳アイコンADとがディスプレイ14に表示される。なお、ステップS39の処理を実行するプロセッサ30は送信可能情報表示処理部として機能する。
続いて、ステップS41でプロセッサ30は、シェア送信アイコンSHが指定されたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、図9(A)に示すようにシェア送信アイコンSHに向けてフリック操作がされたかを判断する。ステップS41で“YES”であれば、つまりシェア送信アイコンSHが指定されると、プロセッサ30は図15のステップS55に進む。一方、ステップS41で“NO”であれば、つまりシェア送信アイコンSHが指定されなければ、ステップS43でプロセッサ30は、電話帳アイコンADが指定されたか否かを判断する。たとえば、図11(A)に示すように電話帳アイコンADに向けてフリック操作がされたか否かを判断する。
ステップS43で“NO”であれば、つまり電話帳アイコンADが指定されていなければ、ステップS45でプロセッサ30は、リリースされたか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、シェア送信の操作を中断したかを判断する。ステップS45で“YES”であれば、つまり指がリリースされると、ステップS47でプロセッサ30は、シェア送信可能情報を消去する。つまり、シェア送信アイコンSHと、電話帳アイコンADとの表示が消去される。そして、ステップS47の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS33に戻る。
また、ステップS45で“NO”であれば、つまり指がリリースされなければ、プロセッサ30はステップS41に戻る。そして、ユーザが新たに操作をしなければ、ステップS41−S45の処理が繰り返される。この状態で、電話帳アイコンが指定されると、つまりステップS43で“YES”と判断され、ステップS49でプロセッサ30は、アドレスアイコンを表示する。たとえば、プロセッサ30は、電話帳データ338を読み出し、図11(B)に示すように、アドレスデータと対応するアドレスアイコンを含むポップアップP3を表示する。続いて、ステップS51でプロセッサ30は、アドレスアイコンが指定されたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、アドレスアイコンが指定されてから確定キーが操作されたかを判断する。
ステップS51で“NO”であれば、つまりアドレスアイコンが指定されていなければ、プロセッサ30はステップS51の処理を繰り返す。ステップS51で“YES”であれば、たとえばアドレスアイコンが指定されると、ステップS53でプロセッサ30は、複数か否かを判断する。つまり、複数のアドレスアイコンが指定されたか否かを判断する。ステップS53で“YES”であれば、つまり複数のアドレスアイコンが指定されていれば、図15のステップS61に進む。
一方、ステップS53で“NO”であれば、つまり指定されたアドレスアイコンが1つであれば、図15のステップS55で近距離検索処理を実行する。つまり、プロセッサ3は、指定されたアドレスデータによって示される端末が近距離に存在しているかを検索する。なお、近距離検索処理については、図16に示すフロー図を用いて説明するため、ここでの詳細な説明は省略する。また、ステップS55の処理を実行するプロセッサ30は検索部として機能する。
続いて、ステップS57でプロセッサ30は、近距離無線通信が可能か否かを判断する。つまり、近距離フラグ346がオンであるかが判断される。ステップS57で“YES”であれば、つまり近距離無線通信を確立することが可能であれば、ステップS59でプロセッサ30は、検索結果に基づいて、データを近接無線通信によって送信する。たとえば、「AAA」のアドレスデータが指定され、IrDA方式の近距離無線通信が可能な状態であれば、送信バッファ332に記憶されたデータはIrDA方式の近距離無線通信によって、「AAA」の端末に対して送信される。そして、ステップS59の処理が終了すれば、プロセッサ30は図14のステップS33に戻る。
ステップS57で“NO”であれば、つまり近距離無線通信を確立することが可能でなければ、ステップS61でプロセッサ30は、メールの送信が可能であるかが判断される。つまり、指定されたアドレスアイコンと対応するアドレスデータにメールアドレスが登録されているかが判断される。ステップS61で“YES”であれば、つまりメールが送信可能であれば、ステップS63でプロセッサ30は、データをメールによって送信する。つまり、指定されたアドレスデータに含まれるメールアドレスを宛先とする新規メールが作成され、その新規メールに送信バッファ332に記録されるデータが添付される。また、新規メールの題名および本文に定型文が設定された後に、新規メールが相手端末に送信される。そして、ステップS63の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS33に戻る。
一方、ステップS61で“NO”であれば、たとえばメールアドレスが登録されておらず、メールの送信が出来なければ、プロセッサ30は、ステップS65で送信不可能を通知して、ステップS33に戻る。たとえば、プロセッサ30は、任意のデータを指定された端末に送信することが出来ないこと伝えるメッセージが書かれたポップアップPをディスプレイ14に表示する。
なお、ステップS53で“YES”と判断された場合、つまり複数のアドレスアイコンが指定された場合、ステップS61でプロセッサ30は、各アドレスアイコンと対応するアドレスデータにメールアドレスが含まれているか否かを判断する。そして、メールアドレスが含まれていないアドレスデータが1つでもあれば、ステップS61では“NO”と判断される。
また、ステップS41,S51の処理を実行するプロセッサ30は受付部として機能する。また、ステップS59およびステップS63の処理を実行するプロセッサ30は送信部として機能する。特に、ステップS63の処理を実行するプロセッサ30は第1送信部として機能し、ステップS59の処理を実行するプロセッサ30は第2送信部として機能する。
図16は近距離検索処処理のフロー図である。送信制御処理のステップS55が実行されると、プロセッサ30はステップS81でIR通信が可能か否かを判断する。つまり、IR通信フラグ342がオンであるかが判断される。ステップS81で“NO”であれば、たとえばIR通信が有効にされていなければ、ステップS91に進む。
一方、ステップS81で“YES”であれば、たとえばIR通信が有効にされていれば、ステップS83でプロセッサ30は、IR通信の相手を検索する。つまり、指定されたアドレスデータと同じ情報(電話番号またはメールドレス)を持つ端末が検索される。続いて、ステップS85でプロセッサ30は、通信可能な相手端末を発見したか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、IR通信の受信モードが設定されている相手端末を発見したかを判断する。ステップS85で“YES”であれば、つまり相手端末を発見すれば、ステップS87でプロセッサ30は、検索結果を記録する。たとえば、IR通信によって近距離無線通信の確立が可能であることと、送信先の相手端末の情報とが検索結果バッファ332に記録される。続いて、ステップS89でプロセッサ30は、近距離フラグ346をオンにする。つまり、近距離無線通信が可能であることを示すために、近距離フラグ346がオンにされる。そして、ステップS89の処理が終了すれば、プロセッサ30は、距離検索処理を終了して、送信制御処理に戻る。
また、ステップS85で“NO”であれば、つまりIR通信が可能な相手端末を発見できなければ、ステップS91でプロセッサ30は、BT通信が可能か否かを判断する。つまりBT通信フラグ344がオンであるかが判断される。ステップS91で“NO”であれば、たとえばBT通信が有効にされていなければ、ステップS97に進む。
一方、ステップS91で“YES”であれば、たとえばBT通信が有効にされていれば、ステップS93でプロセッサ30は、BT通信の相手を検索する。つまり、プロセッサ30は、BT通信が可能であり、かつ指定されたアドレスデータと同じ情報を持つ相手端末を検索する。続いて、ステップS95でプロセッサ30は、通信可能な相手端末を発見したかを判断する。つまり、プロセッサ30は、BT通信が可能な相手端末を発見された否かを判断する。ステップS95で“YES”であれば、つまり指定された相手端末が発見されると、プロセッサ30はステップS87以降の処理を実行する。
一方、ステップ95で“NO”であれば、つまりBT通信が可能な相手端末を発見できなければ、ステップS97でプロセッサ30は、NFC通信が可能か否かを判断する。たとえば、NFC回路56を起動可能な状態であるかが判断される。ステップS97で“NO”であれば、つまりNFC通信が可能でなければ、プロセッサ30はステップS103に進む。一方、ステップS97で“YES”であれば、つまりNFC通信が可能であれば、ステップS99でプロセッサ30は、NFC通信の相手を検索する。つまり、NFC通信を行うことが可能な相手端末を検索する。続いて、ステップS101でプロセッサ30は、通信可能な相手端末を発見したか否かを判断する。つまり、NFC通信を行うことが可能な相手端末が発見された場合、プロセッサ30は、その相手端末が指定されたアドレスデータが示す相手端末であるかを判断する。ステップS101で“YES”であれば、つまり、通信が確立された相手端末が指定されたアドレスデータが示す相手端末であれば、プロセッサ30はステップS87に進む。
一方、ステップS101で“NO”であれば、つまり近距離無線通信の相手を発見することが出来なければ、ステップS103でプロセッサ30は、近距離フラグ346をオフにする。つまり、近距離無線通信が出来ないことを示すために、近距離フラグ346がオフにされる。そして、ステップS103の処理が終了すれば、プロセッサ30は、近距離検索処理を終了して、送信制御処理に戻る。
<第2実施例>
第2実施例では、任意のデータと対応するデータオブジェクトに対して、画面外に向けてフリック操作がされると、シェア送信可能情報が表示される。また、シェア送信可能情報を表示する前には、近距離無線通信を確立できる端末が検索され、検索結果もシェア送信可能情報として表示される。これにより、ユーザは、電話帳データに登録していない相手に対しても、任意のデータを容易に送信することが出来る。
なお、第2実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、外観および電気的な構成などの説明は省略する。
図17(A)−(C)を参照して、ユーザが任意のサムネイルアイコンを選択した後、画面切り替え操作の方向とは異なる方向、たとえば略縦方向にフリック操作を行うと、シェア送信可能情報を含むポップアップP4が表示される。ここで、第2実施例の送信可能情報には、第1実施例と同じシェア送信アイコンSHおよび電話帳アイコンADに加え、検索結果アイコンRが含まれる。
このとき、検索結果アイコンRに対してタッチ操作がされると、ポップアップP4に代えて、検索結果を含むポップアップP5が表示される。ポップアップP5に含まれる検索結果は、検索によって発見された端末と対応する端末アイコンである。また、端末アイコンには、端末の型番(たとえば、「X-**」)が書かれており、ユーザはその型番を見ることで、複数の端末アイコンを識別することが出来る。
そして、任意の端末アイコンが選択されると、データがその端末アイコンに対応する端末に対して送信される。このとき、発見された端末は近距離に存在していることが判明しているため、近距離無線通信によってデータが送信される。
なお、ポップアップP4において、シェア送信アイコンSHおよび電話帳アイコンADに対してタッチ操作がされると、第1実施例と同様、データが送信される。
また、第2実施例でも、第1実施例と同様、任意のデータが選択されたときにシェア送信可能情報が表示されてもよい。
また、近距離検索処理によって他端末を発見できなかった場合は、ポップアップP4には検索結果アイコンRは表示されない。
以下では、図18に示すフロー図を用いて、第2実施例について詳細に説明する。
図18は、第2実施例の送信制御処理のフロー図である。なお、第2実施例の送信制御処理では、ステップS31−S35,S55−S65は、第1実施例と同じであるため、詳細な説明は省略する。
第2の実施例の送信制御処理が実行されると、プロセッサ30は、ステップS31の処理を実行し、ステップS33で選択操作かを判断する。ステップS33で“YES”であれば、第1実施例と同様、ステップS37以降の処理が実行される。一方、ステップS33で“NO”であれば、ステップS121でプロセッサ30は、フリック操作がされたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、サムネイルアイコンに対してタッチされた後、画面切り替え操作の方向とは異なる方向にフリック操作がされたかを判断する。ステップS121で“NO”であれば、つまりフリック操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS35に進む。
一方、ステップS121で“YES”であれば、たとえば図17(A)に示すように、任意のサムネイルアイコンに対してフリック操作がされると、プロセッサ30は、ステップS123でシェア送信可能情報を検索し、ステップS125で近距離検索処理を実行する。なお、これらの処理は、ステップS37およびステップS55と略同じであるため、これらの処理の説明は省略する。また、ステップS125の処理を実行するプロセッサ30は周囲検索部として機能する。
続いて、ステップS127でプロセッサ30は、シェア送信情報を含むポップアップP4を表示する。たとえば、図17(B)に示すように、シェア送信アイコンSH、電話帳アイコンADおよび検索結果アイコンRを含むポップアップP4が表示される。なお、ステップS127の処理を実行するプロセッサ30は送信可能情報表示処理部として機能する。
続いて、ステップS129でプロセッサ30は、シェア送信アイコンSHが指定されたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ30は、ポップアップP4に含まれるシェア送信アイコンSHに対してタッチ操作がされたかを判断する。ステップS129で“YES”であれば、つまりシェア送信アイコンSHに対してタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS55以降の処理を実行する。
ステップS129で“NO”であれば、つまりシェア送信アイコンSHが指定されていなければ、ステップS131でプロセッサ30は、電話帳アイコンADが指定されたか否かを判断する。つまり、ポップアップP4に含まれる電話帳アイコンADに対してタッチ操作がされたかが判断される。ステップS131で“YES”であれば、つまり電話帳アイコンADに対してタッチ操作がされると、ステップS133−S137の処理が実行される。そして、ステップS137で“NO”であれば、ステップS55以降の処理が実行され、“YES”であればステップS61以降の処理が実行される。
なお、ステップS133−S137の処理は、ステップS49−S53と略同じであるため、詳細な説明は省略する。
また、ステップS131で“NO”であれば、つまり電話帳アイコンADに対してタッチ操作がされていなければ、ステップS139でプロセッサ30は、検索結果アイコンRTが指定されたか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、ポップアップP4に含まれる検索結果アイコンRに対してタッチ操作がされたかを判断する。ステップS139で“NO”であれば、つまり検索結果アイコンRに対してタッチ操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS129に戻る。一方、ステップS139で“YES”であれば、つまり検索結果アイコンRに対してタッチ操作がされると、ステップS141でプロセッサ30は、検索結果を表示する。たとえば、プロセッサ30は検索結果バッファ334に記憶されている内容に基づいて、近距離検索処理によって発見された他端末の情報と対応する端末アイコンを表示する。
続いて、ステップS143でプロセッサ30は、端末アイコンが指定されたか否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、端末アイコンに対してタッチ操作がされたかを判断する。ステップS143で“NO”であれば、つまり端末アイコンに対してタッチ操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS143に戻る。一方、ステップS143で“YES”であれば、つまり端末アイコンに対してタッチ操作がされると、プロセッサ30はステップS59に進む。つまり、任意のデータが近距離無線通信によって他端末に送信される。
なお、ステップS129,S135,S143の処理を実行するプロセッサ30は受付部として機能する。
また、他の実施例ではMMS(Multimedia Messaging Service)またはEMS(Enhanced Messaging Service)などによってデータが送信されてもよい。そのため、本実施例の「メール」と言う言葉には、MMSやEMSなどが含まれる。
また、その他の実施例では、データ送信機能を有するインスタントメッセンジャーのアプリケーションを利用して、選択されたデータが特定のアドレスデータに基づいて送信されてもよい。
また、ブログやSNSのサーバに対してデータをアップロードする専用メールアドレスを含むアドレスデータにおいて、シェア送信を有効にすることで、ユーザは容易な操作でデータをサーバにアップロード出来るようになる。
また、本実施例のオブジェクトには、ピクト、機能を実行するためのアイコン、ショートカットアイコン、ウィジェット(ガジェット)、ファイル、フォルダなどが含まれる。また、シェア送信アイコンSHおよび電話帳アイコンADは、まとめてシェア送信可能情報と呼ばれることもある。
また、メールによってデータを送信する前に、新規メールの編集画面がディスプレイ14に表示されてもよい。
また、ポップアップPが表示されている状態で、ポップアップPの表示領域外にタッチされると、ポップアップPの表示は消去される。
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯通信端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。