図1(A),(B)を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smart phone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、PDAなど任意の携帯通信端末に適用可能であることを予め指摘しておく。
ハウジング12の一方主面(表面)には、表示部として機能する、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられる。したがって、この実施例の携帯電話機10では、後述のハードキーの操作によるものを除く大部分の入力操作は、このタッチパネル16を介して行われる。
ハウジング12の縦方向一端の主面側にスピーカ18が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク20が内蔵される。
ハウジング12の一方主面には、タッチパネル16と共に入力操作手段を構成するハードキー22として、この実施例では、メニューキー22a、ホームキー22bおよび戻るキー22cが設けられる。
メニューキー22bが操作されると、アプリケーションまたは機能を使用しているときに利用可能なメニューがディスプレイ14に表示される。ユーザは、表示されたメニューに対してタッチ操作を行うことで、任意のメニューに対応する処理を実行することが出来る。ホームキー22bが操作されると、ホーム画面(図3参照)がディスプレイ14に表示される。ユーザは、その状態でディスプレイ14に表示されている機能アイコンに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによって、機能アイコンに関連する処理を実行することが出来る。戻るキー22cが操作されると、現在表示されている画面よりも前に表示されていた画面がディスプレイ14に表示される。なお、本実施例における、「機能アイコンに関連する処理」には、アプリケーションの処理、メニュー画面などに遷移する処理などが含まれる。
また、ハウジング12の他面(裏面)には、カメラモジュール50(図2参照)に通じるレンズ開口26が設けられる。さらに、ハウジング12の一方主面において、スピーカ18の隣には、LED24が設けられている。
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルキーに対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、ディスプレイ14に表示されている通話キーに対してタッチ操作を行うことで音声通話を開始することが出来る。そして、ディスプレイ14に表示されている終話キーに対してタッチ操作を行うことで音声通話を終了することが出来る。
また、着信した場合は、ディスプレイ14の表示、LED24による発光およびバイブレータ52(図2参照)の振動、スピーカ18からの着信音等によって、着信がユーザに通知される。ユーザは、このような着信状態で、通話キーに対してタッチ操作を行うことで音声通話を開始することが出来る。
なお、携帯電話機10の上部に設けられる電源キーを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることが出来る。
カメラ機能が実行されると、カメラモジュール50の電源がオンにされ、ディスプレイ14に被写界と対応するプレビュー画像(スルー画像)が表示される。そして、ユーザは、レンズ開口26が設けられている他面を被写体に向けて撮影操作を行うことで、被写体を撮影することが出来る。
また、携帯電話機10は、電話帳機能を有しており、ユーザによって登録されたアドレスデータを任意に表示および編集することが出来る。たとえば、アドレスデータには、相手の名前、電話番号、メールアドレスなどが記録されている。なお、本実施例では、複数のアドレスデータは、電話帳データとして記憶される。
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、LED24、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46、タッチパネル制御回路48、カメラモジュール50およびバイブレータ52などが接続される。
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。RAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。また、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。なお、フラッシュメモリ44およびRAM46は、まとめて記憶部と呼ばれることもある。
入力装置40は、図1に示すハードキー22を含むものである。そのため、ハードキー22に対するユーザからのキー操作を受け付ける操作受付部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
無線通信回路32は、検出部として機能し、アンテナ34を通して音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザが入力装置40を操作して電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ34を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、プロセッサ30は通話処理を実行する。
通常の通話処理について具体的に説明する。まず、相手の電話機から送られてきた変調音声信号がアンテナ34によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路32によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器38によって音声信号に変換された後、スピーカ18から出力される。一方、マイク20を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器36によって音声データに変換された後、プロセッサ30に与えられる。音声データには、プロセッサ30の指示の下、無線通信回路32によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ34を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ34によって受信されると、無線通信回路32は、電話着信(着呼)をプロセッサ30に通知する。これに応じて、プロセッサ30は、表示ドライバ42を制御して、着信通知に含まれる発信元情報(電話番号など)をディスプレイ14に表示する。また、上記処理に伴い、プロセッサ30は、スピーカ18から着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。さらに、着信音に合わせて、LED24が発光し、バイブレータ52が振動する。ただし、マナーモードが設定されている場合、着信音は出力されないが、LED24およびバイブレータ52は動作する。
そして、ユーザがディスプレイ14に表示される通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、プロセッサ30は上述した通話処理を実行する。
また、通話中にディスプレイ14に表示される終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ30は、無線通信回路32を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ30は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ30は通話処理を終了する。
A/D変換器36には図1に示すマイク20が接続され、上述のようにマイク20からの音声信号はこのA/D変換器36でディジタルの音声データに変換され、プロセッサ30に入力される。一方、D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ18に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ18から出力される。
なお、プロセッサ30は、たとえばユーザによるボリュームを調整するための操作に応答して、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ18から出力される音声の音量を調整することが出来る。
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含んでおり、プロセッサ30から出力されたデータはこのビデオメモリに記憶される。そして、表示ドライバ42は、ビデオメモリの内容に従って、ディスプレイ14に画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。
ディスプレイ14には、バックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
タッチパネル制御回路48には、図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するユーザによるタッチの開始を示すタッチ開始信号、ユーザによるタッチの終了を示す終了信号、およびユーザがタッチしたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、ユーザがディスプレイ14に表示されるどのオブジェクトにタッチしたかを判断することが出来る。
実施例では、タッチパネル16は、その表面と表面に接近した指などの物体との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル16は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル16はポインティングデバイスとも呼ばれる。タッチパネル制御回路48は検出部として機能し、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面に対してタッチ操作を行うことによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作などが含まれる。
タップ操作は、タッチパネル16の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル16の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、所定時間以上、指をタッチパネル16の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル16の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スライド操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル16の表面から指を離す操作である。
また、上記のスライド操作には、ディスプレイ14の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル16の表面から指を離す操作をドロップ操作と呼ぶ。
なお、以下の説明では、タッチ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述されることがある。
また、タッチパネル16の検出方式には、上述した静電容量方式に代えて、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などが採用されてもよい。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
カメラモジュール50は制御回路、レンズおよびイメージセンサなどを含む。プロセッサ30は、カメラ機能を実行する操作がされると、制御回路およびイメージセンサを起動する。そして、イメージセンサから出力された信号に基づく画像データがプロセッサ30に入力されると、被写体に対応するプレビュー画像がディスプレイ14に表示される。
LED24は、プロセッサ30からの制御信号に基づいて、オン/オフ(点灯/消灯)、輝度、発光色などが制御される。
バイブレータ52は、偏心重が回転軸に取り付けられたモータであり、プロセッサ30によってオン/オフが制御される。そして、バイブレータ52がオンにされると、バイブレータ52の振動によって携帯電話機10が振動する。
図3はディスプレイ14に表示されるホーム画面の一例を示す図解図である。ディスプレイ14の表示範囲は、状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すピクト、二次電池の残電池容量を示すピクトおよび時刻が表示される。また、機能表示領域62には、複数の機能アイコンを含むホーム画面が表示されている。
また、ディスプレイ14に表示される画像は複数のレイヤを利用して表示されている。たとえば、ホーム画面は、2つのレイヤ(第1レイヤ、第2レイヤ)を重ねることで表示されており、ユーザが携帯電話機10を保持した状態において、ユーザに近い側に第1レイヤが設けられ、ユーザから離れる方向に第2レイヤが配置される。第1レイヤには、機能表示領域62、つまりホーム画面に表示される機能アイコンが描画される。一方、第2レイヤには、状態表示領域60、つまり電波受信状態を示すアイコン、二次電池の電池残量を示すアイコンおよび時刻が描画される。そして、プロセッサ30は、第1レイヤおよび第2レイヤに描画された画像を合成し、合成画像データを表示ドライバ42に出力する。これにより、図3に示すホーム画面が表示される。
図4(A),(B)はホーム画面からカメラ機能を実行する操作の一例を示す図解図である。たとえば、図4(A)に示すように、ユーザがカメラ機能に関連する機能アイコンに対してタッチ操作を行うとカメラ機能が実行され、図4(B)に示すようにプレビュー画像(スルー画像)が表示される。また、プレビュー画像の下側には、撮影操作を受け付けるシャッターキーSKが表示されている。このシャッターキーSKにタッチ操作がされると、撮影処理が実行される。撮影処理が実行されると、シャッターキーSKが操作されたときに表示されていたプレビュー画像に対応する撮影画像が保存される。
ここで、本実施例では、プレビュー画像が表示されているときに着信した場合、着信してから所定時間はプレビュー画像を表示し続け、撮影操作を受け付けることが出来るようにしている。そして、着信してから所定時間が経過すると、着信画面に遷移する。
図5(A)を参照して、プレビュー画像が表示されているときに着信があると、機能表示領域62には、プレビュー画像に重ねて、通知ポップアップP1およびタイマ通知Tが機能表示領域62に表示される。通知ポップアップP1は、着信している状態であることを示す文字列と、発信元情報に基づく文字列を含む。
また、本実施例では、通知ポップアップP1を表示する前に、発信元情報に含まれる相手の電話番号が電話帳データから検索される。このとき、発信元情報に含まれる相手の電話番号が発見されると、そのアドレスデータに登録されている名前(AAA)が通知ポップアップP1に書かれる。また、相手の電話番号が発見されない場合は、発信元情報に含まれる相手の電話番号が通知ポップアップP1に書かれる。このように、ユーザは、通知ポップアップP1によって発信者を把握することが出来る。
また、タイマ通知Tには、着信してから経過した時間(数字)が書かれている。たとえば、所定時間が5秒である場合、初期状態のタイマ通知Tには「5」の数字が書かれている。そして、タイマ通知Tに書かれている数字は、時間が経過するにつれて小さくなる。つまり、ユーザは、時間の経過を容易に把握することが出来る。
なお、カメラ機能が実行されているときに着信した場合、マナーモードが設定されていなければ着信音は出力されるが、LED24の発光およびバイブレータ52の振動は撮影に悪影響を与えるため、プロセッサ30はLED24およびバイブレータ52を動作させない。
図5(B)を参照して、着信してから所定時間が経過する前にシャッターキーSKが操作されると、撮影処理が実行され撮影画像が保存される。また、撮影処理が終了すると、通話可能な状態に遷移する。通話可能な状態とは、着信への応答操作が可能な画面がディスプレイ14に表示されている状態である。たとえば、ここでは、通話可能な状態に遷移すると、ディスプレイ14には図5(C)に示す着信画面が表示される。
着信画面には、発信元情報に基づく電話番号および特定されたアドレスデータに基づく名前、通話キー70および拒否キー72が表示される。また、アドレスデータに画像データが関連付けられている場合、その画像データに基づく画像がディスプレイ14に表示される。
着信画面が表示されている状態で、通話キー70が操作されると、上述したように通話処理が実行され、相手との通話が可能になる。また、拒否キー72が操作されると、上述したように通話処理が実行されるが、その後は、保留応答用の音声メッセージが相手に伝えられる。
このように、ユーザは、撮影操作を行えば、所定時間が経過する前に、着信に応答出来るようになる。また、着信画面が表示されている状態であれば、ユーザは着信に対して任意の応答操作を行うことが出来る。
図5(D)を参照して、相手との通話が終了するか、着信が終了すると、ディスプレイ14には保存された撮影画像がディスプレイ14に表示される。このとき、表示されている画像が撮影画像であることを通知する通知ポップアップP2が表示される。そして、撮影画像が表示されてから一定時間(たとえば、2秒)が経過すると、ディスプレイ14には、再びプレビュー画像が表示される。このように、ユーザは、着信中に撮影した結果を確認することが出来る。
ここで、着信してから所定時間が経過し、タイマ通知Tの数字が「0」となると、通話可能な状態に遷移し、着信画面が表示される。このとき、ユーザの操作に関係なく、撮影操作が実行される。つまり、本実施例では、通話可能な状態に遷移する前に、被写体を撮影して撮影画像を保存することが出来る。
また、着信してから所定時間が経過するまえに通知ポップアップP1にタッチする操作(以下、遷移操作と言う。)がされると、通話可能な状態に遷移する。つまり、ユーザは、遷移操作を行うことで、任意に通話可能な状態に遷移させることが出来る。なお、この場合、撮影操作は自動的に実行されない。
さらに、通知ポップアップP1が表示されている状態でホームキー22bが操作された場合、カメラ機能が終了され、カメラモジュール50の電源がオフにされる。そして、カメラモジュール50の電源がオフにされた後、通話可能な状態に遷移する。そして、カメラモジュール50が停止してから通話可能な状態に遷移するため、通話可能な状態に遷移してからの消費電力が抑えられる。
このように、カメラ機能が実行されているときに着信があったとしても、ユーザは、所定時間が経過するまでは任意に撮影を行うことが出来る。すなわち、撮影しようとしているときに着信があったとしても、ユーザは撮影を行うことが出来るため、着信中の利便性が向上する。
なお、プレビュー画像は第1レイヤに描画されており、通知ポップアップP1およびタイマ通知Tは、第1レイヤよりも上のレイヤに描画されている。そのため、通知ポップアップP1およびタイマ通知Tは、撮影操作が行われたときに保存される撮影画像には含まれない。
また、図6を参照して、撮影中にメールを受信した場合は、状態表示領域60にメールアイコンMIが表示される。つまり、メールの受信は、メールアイコンMIの表示によって通知される。また、メールの受信の他に、SMSや、MMS(Multimedia Messaging Service)またはアラーム機能による通知などが、撮影しているときに発生した場合も、メールの受信と同様、状態表示領域60に通知アイコンが表示される。
また、他の実施例では、撮影操作や、所定時間の経過や、遷移操作により通話可能な状態に遷移したときに、着信画面を操作することなく、着信に応答するようにしてもよい。この場合、ユーザは、少ない手順で着信に応答することが出来る。
上述では本実施例の特徴を概説した。以下では、図7に示すメモリマップおよび図8−図11に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
図7を参照して、RAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域302には、着信制御処理310および撮影制御処理312などが記憶される。着信制御処理310は、着信したときの携帯電話機10の動作を制御するためのプログラムである。撮影制御処理312は、カメラ機能が実行されたときに実行されるプログラムである。
なお、プログラム記憶領域302には、メールアプリケーションおよびアラームアプリケーションなどを実行するためのプログラムも記憶される。
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、着信通知バッファ330、着信画面バッファ332、タッチバッファ334、プレビュー画像バッファ336および撮影画像バッファ338などが設けられる。また、データ記憶領域304には、タッチ座標マップ340、GUIデータ342、GUI座標データ344および電話帳データ346などが記憶される共に、着信フラグ348、タッチフラグ350、マナーフラグ352および待機カウンタ354も設けられる。
着信通知バッファ330には、発信元情報を含む着信通知が一時的に記憶される。着信画面バッファ332には、着信通知などに基づいて生成された着信画面が一時的に記憶される。タッチバッファ334には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータが記憶される。プレビュー画像バッファ336には、カメラ機能が実行されているときに表示されるプレビュー画像のデータが一時的に記憶される。撮影画像バッファ338には、撮影処理が実行されることで得られた撮影画像データが一時的に記憶される。たとえば、撮影画像バッファ338のデータを利用して、図5(D)に示す撮影画像の確認画面が表示される。
タッチ座標マップ340は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ14の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、タッチ座標マップ340に基づいて、タッチパネル16に対して行われたタッチ操作の結果が、ディスプレイ14の表示に反映される。
GUIデータ342は、キーやアイコンなどを表示するための画像データや文字列データを含む。GUI座標データ344は、ディスプレイ14に表示されるGUIの表示座標データを含む。したがって、タッチが検出されると、タッチバッファ334に記録されているタッチ座標と、GUI座標データ344とに基づいて、キーなどのGUIに対してタッチ操作が行われたかが判断される。電話帳データ346は、1つまたは複数のアドレスデータを含むデータである。
着信フラグ348は、着信中であるかを判断するためのフラグである。たとえば、着信フラグ348は、1ビットのレジスタで構成される。着信フラグ348がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、着信フラグ348がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
タッチフラグ350は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。また、タッチフラグ350は、タッチパネル制御回路48が出力する信号に基づいてオン/オフが切り換えられる。
マナーフラグ352は、マナーモードが設定されているかを判断するためのフラグである。なお、タッチフラグ350およびマナーフラグ352の構成は、着信フラグ348と略同じであるため、構成についての詳細な説明は省略する。
待機カウンタ354は、所定時間を計測するためのカウンタである。待機カウンタ354は初期化されると、カウントを開始し所定時間が経過すると満了する。そのため、待機カウンタ354は待機タイマと呼ばれることもある。
なお、データ記録領域304には、携帯電話機10の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、制御プログラムの実行に必要な他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
プロセッサ30は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図8,9に示す着信制御処理および図10,11に示す撮影制御処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
着信制御処理は、電話発信信号がアンテナ34によって受信され、無線通信回路32からプロセッサ30に電話着信(着呼)が通知されると開始される。ステップS1でプロセッサ30は、着信フラグ348をオンにする。つまり、着信中であることを示すために、着信フラグ348がオンにされる。続いて、ステップS3でマナーモードか否かを判断する。つまり、マナーモードが設定されており、マナーフラグ352がオンであるかが判断される。ステップS3で“YES”であれば、つまりマナーモードが設定されている場合、プロセッサ30はステップS7に進む。一方、ステップS3で“NO”であれば、つまりマナーモードが設定されていなければ、ステップS5でプロセッサ30は、着信音を出力する。つまり、スピーカ18から着信音が出力される。
続いて、図9のステップS7でプロセッサ30は、発信元情報を取得する。つまり、着信通知バッファ330に記憶されている着信通知から、発信元情報が取得される。続いて、ステップS9でプロセッサ30は、発信元情報と対応するアドレスデータがあるかを判断する。つまり、プロセッサ30は、電話帳データ346から、発信元情報に含まれる電話番号が登録されたアドレスデータを検索する。ステップS9で“YES”であれば、つまり発信元情報と対応するアドレスデータがあれば、ステップS11でプロセッサ30は、そのアドレスデータに基づいて着信画面を生成する。たとえば、「AAA」のアドレスデータが発見された場合、図5(C)に示すような着信画面が生成される。そして、ステップS11の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS15に進む。
また、ステップS9で“NO”であれば、つまり発信元情報と対応するアドレスデータが発見できなければ、ステップS13でプロセッサ30は、発信元情報に基づいて着信画面を生成する。つまり、着信元情報に含まれる電話番号と所定の画像が表示される着信画面が生成される。
なお、ステップS11またはステップS13で生成された着信画面は、着信画面バッファ332に記憶される。
続いて、ステップS15でプロセッサ30は、カメラモジュール50が動作しているか否かが判断される。つまり、カメラ機能が実行され、カメラモジュール50から画像が出力されているかを判断する。ステップS15で“YES”であれば、つまりカメラモジュール50から画像が出力されており、プレビュー画像がディスプレイ14に表示されていれば、ステップS17でプロセッサ30は、着信が終了したか否かを判断する。つまり、無線通信回路32がアンテナ34を介して着信中断信号を受信したかを判断する。ステップS17で“YES”であれば、たとえば相手が発信操作を中断して着信が終了すれば、プロセッサ30はステップS29に進む。
また、ステップS17で“NO”であれば、つまり着信が継続していれば、プロセッサ30はステップS15に戻る。ここで、ステップS15で“NO”であれば、たとえばユーザが撮影操作を行い、カメラモジュール50が停止すると、ステップS19でプロセッサ30は、着信画面を表示する。つまり、着信画面バッファ332に記憶されている着信画面のデータに基づいて、たとえば図5(C)に示すような着信画面がディスプレイ14に表示される。
なお、ステップS15の処理が実行された時点でカメラ機能が実行されていなくても、ステップS15では“NO”と判断され、ステップS19の処理が実行される。また、ステップS19の処理を実行するプロセッサ30は着信画面表示処理部として機能する。
続いて、ステップS21でプロセッサ30は、LED24およびバイブレータ52の電源をオンにする。たとえば、着信音が出力されている場合、プロセッサ30は、出力中の着信音に合わせて、LED24を点滅させ、バイブレータ52を振動させる。
続いて、ステップS23でプロセッサ30は、応答操作か否かを判断する。たとえば、着信画面が表示されている状態で、通話キー70が操作されたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり応答操作がされなければ、ステップS25でプロセッサ30は、ステップS17と同様、着信が終了したか否かを判断する。ステップS25で“YES”であれば、つまり着信が終了すると、プロセッサ30はステップS29に進む。一方、ステップS25で“NO”であれば、着信が継続していれば、プロセッサ30はステップS23に戻る。
ステップS23で“YES”であれば、たとえば通話キー70が操作されると、ステップS27でプロセッサ30は、通話処理を実行する。なお、ステップS27の処理を実行するプロセッサ30は実行部として機能する。また、ステップS19およびステップS27の処理を実行するプロセッサ30は遷移部として機能する。
続いて、ステップS29でプロセッサ30は、着信フラグ348をオフにする。つまり、着信中ではなくなったため、着信フラグ348がオフにされる。そして、ステップS29の処理が終了すれば、プロセッサ30は着信制御処理を終了する。
また、他の実施例で、通話可能な状態に遷移したときに着信に応答するようにした場合、着信制御処理では、ステップS15で“YES”と判断された後に、カメラモジュール50が停止したか否かを判断するステップが追加される。追加ステップで“NO”と判断された場合、つまりカメラモジュール50が停止していなければ、ステップS17に進む。また、ステップS17で“NO”と判断された場合は、ステップS15ではなく追加ステップに戻る。一方、追加ステップで“YES”と判断された場合、カメラモジュール50が停止すると、プロセッサ30はステップS27で、通話処理を実行する。これにより、ユーザは、たとえば撮影操作を行えば、着信に応答することが出来る。
図10および図11を参照して、撮影制御処理は、カメラ機能を実行する操作がされると開始される。撮影制御処理が実行されると、プロセッサ30はステップS41で、カメラモジュール50を起動する。つまり、カメラモジュール50の電源がオンにされる。また、カメラモジュール50が起動すると、カメラモジュール50から出力された画像がプレビュー画像バッファ336に記憶される。続いて、ステップS43でプロセッサ30は、プレビュー画像を表示する。つまり、プレビュー画像バッファ336に記憶されているプレビュー画像がディスプレイ14に表示される。
続いて、ステップS45でプロセッサ30は、着信か否かを判断する。つまり、カメラモジュール50が起動し、プレビュー画像が表示されている状態で着信したかが判断される。具体的には、プロセッサ30は、着信フラグ348がオンであるかを判断する。ステップS45で“NO”であれば、つまり着信していなければ、ステップS47でプロセッサ30は、撮影操作か否かを判断する。つまり、シャッターキーSKが操作されたかが判断される。ステップS47で“YES”であれば、つまり撮影操作がされると、プロセッサ30は、ステップS49で撮影処理を実行して、ステップS45に戻る。つまり、表示されているプレビュー画像に対応する撮影画像が保存される。また、撮影画像のデータは、撮影画像バッファ338に記憶される。
ステップS47で“NO”であれば、撮影操作がされなければ、ステップS51でプロセッサ30は、終了操作か否かを判断する。たとえば、終了操作として、終話キーが操作されたかが判断される。ステップS51で“YES”であれば、たとえば終話キーが操作されると、プロセッサ30はステップS53で、カメラモジュール50の電源をオフにし、撮影制御処理を終了する。
一方、ステップS51で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、プロセッサ30はステップS45に戻る。そして、ステップS45で“YES”であれば、つまり着信があると、プロセッサ30はステップS55に進む。
続いて、図11のステップS55でプロセッサ30は、着信を通知する。たとえば、プロセッサ30は、着信通知バッファ330に記憶されている発信元情報に基づいて、図5(A)に示すような通知ポップアップP1を、プレビュー画像に重ねて表示する。なお、ステップS55の処理を実行するプロセッサ30は発信元情報通知部として機能する。
続いて、ステップS57でプロセッサ30は、待機タイマを実行する。つまり、待機カウンタ354を初期化して、所定時間の計測を開始する。続いて、ステップS59でプロセッサ30は、タイマ時間を通知する。たとえば、図5(A)に示すように、待機カウンタ354によって計測された時間に基づいて、タイマ時間がタイマ通知Tによって通知される。なお、ステップS57の処理を実行するプロセッサ30は計測部として機能し、ステップS59の処理を実行するプロセッサ30は時間通知部として機能する。
続いて、ステップS61でプロセッサ30は、遷移操作か否かを判断する。つまり、プロセッサ30は、通知ポップアップP1に対してタッチされたかを判断する。なお、ステップS61の処理を実行するプロセッサ30は遷移操作受付部として機能する。
ステップS61で“NO”であれば、つまり遷移操作がされていなければ、ステップS63でプロセッサ30は、ステップS47と同様、撮影操作か否かを判断する。ステップS63で“YES”であれば、つまり撮影操作がされると、プロセッサ30は、ステップS49と同様、ステップS65で撮影処理を実行して、ステップS71に進む。つまり、ステップS65では、着信中に撮影された画像が保存される。なお、ステップS65の処理を実行するプロセッサ30は、保存部として機能する。
一方、ステップS63で“NO”であれば、つまり撮影操作がされていなければ、ステップS67でプロセッサ30は、タイマ満了か否かを判断する。つまり、待機タイマが実行されてから所定時間が経過し、待機タイマが満了したかが判断される。ステップS67で“YES”であれば、つまり着信してから所定時間が経過すれば、プロセッサ30はステップS65の処理を実行して、ステップS71に進む。
一方、ステップS67で“NO”であれば、つまり着信してから所定時間が経過していなければ、ステップS69でプロセッサ30は、終了操作か否かを判断する。たとえば、カメラ機能を終了するために、ホームキー22bが操作されたかが判断される。ステップS69で“YES”であれば、つまり終了操作がされると、プロセッサ30は、ステップS53でカメラモジュール50の電源をオフにして、撮影制御処理を終了する。つまり、着信中にカメラモジュール50の電源がオフ、つまりカメラモジュール50が動作していない状態となる。この処理に応じて、着信制御処理のステップS15では“NO”と判断され、ステップS19で着信画面が表示される。
また、ステップS69で“NO”であれば、つまり終了操作がされなければ、プロセッサ30はステップS59に戻る。このとき、待機カウンタ354の値に基づいて、タイマ通知Tに表示される値が更新されることがある。
ステップS61で“YES”であれば、たとえば通知ポップアップP1に対してタッチされると、ステップS71でプロセッサ30は、カメラモジュール50を停止する。つまり、着信中にカメラモジュール50が動作していない状態となる。そのため、着信制御処理のステップS15では“NO”と判断され、ステップS19で着信画面が表示される。また、ステップS65で撮影処理が実行された後にも、ステップS71が実行されカメラモジュール50は停止する。なお、カメラモジュール50が停止している状態は、休止状態とも呼ばれる。そして、休止状態のカメラモジュール50は、カメラ機能が再開すると復旧し、画像の出力を再開する。
続いて、ステップS73でプロセッサ30は、着信または通話が終了したか否かを判断する。つまり、着信が終了するか、通話処理が終了したかが判断される。ステップS73で“NO”であれば、たとえば通話中であれば、プロセッサ30はステップS73の処理を繰り返す。
ステップS73で“YES”であれば、たとえば通話処理が終了されると、ステップS75でプロセッサ30は、撮影したか否かを判断する。たとえば、着信中に撮影操作が行われ、撮影画像が撮影画像バッファ338に記憶されているかが判断される。ステップS75で“NO”であれば、つまり着信中に撮影されていなければ、プロセッサ30はステップS43に戻る。つまり、プレビュー画像が再びディスプレイ14に表示される。
一方、ステップS75で“YES”であれば、つまり着信中に撮影された場合、ステップS77でプロセッサ30は、撮影画像を表示する。たとえば、プロセッサ30は、図5(D)に示すように、撮影画像の確認画面を表示する。そして、ステップ77の処理が実行されてから一定時間が経過すると、プロセッサ30はステップS43に戻る。つまり、撮影画像が消去されて、プレビュー画像が新たに表示される。
なお、ステップS77の処理を実行するプロセッサ30は撮影画像表示処理部として機能する。
また、他の実施例では、カメラ機能が実行されているときに着信した場合、所定時間が経過するまでは、一定周期で撮影処理が実行されてもよい。また、遷移操作が行われた後にも、撮影処理が自動的に実行されてもよい。さらに、着信してから所定時間が経過した後に、撮影処理を実行することなく通話可能な状態に遷移してもよい。
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。