JP6137829B2 - 管設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管を地中に形成された発進坑から地中に形成された到達坑に跨るように地中に設置する管設置方法であって、特に、管の先端を到達坑に到達させる際の止水処理に関する。
従来、管を地中に形成された発進坑から地中に形成された到達坑に跨るように推進させて地中に管による支保工を構築する方法が知られている(例えば特許文献1等参照)。発進坑、及び、到達坑は、例えば、シールド工法により形成されたシールドトンネルによって構築される。
管を地中に形成された発進坑から発進させて管の先端を地中に形成された到達坑内に到達させる際の到達坑口を形成する場合の止水処理としては、例えば以下の(1);(2)に示すような方法がある。
(1)到達坑を構築するセグメントのセグメントピースとして例えば木質系等の切削可能な材料により形成されたセグメントピースを用いる。そして、管に取付けられた計測システムにより管の先端の到達予想位置を推測し、到達坑に対する管の到達予想位置に予め止水設備を設置した後、管の先端が到達坑のセグメントの外面に到達したならば管の先端が到達した箇所のセグメントピースを切削することによって当該セグメントピースに到達坑口を形成し、管の先端側を当該到達坑口に通して到達坑内に到達させる。
(2)到達坑を構築するセグメントのセグメントピースとして取り外し可能なセグメントピースを用いる。そして、管に取付けられた計測システムにより管の先端の到達予想位置を推測し、到達坑に対する管の到達予想位置に予め止水設備を設置した後、管の先端が到達坑のセグメントの外面に到達したならば、管の先端が到達した位置の近傍の地盤を凍結させて地盤改良した後にセグメントの一部を除去することによってセグメントに到達予想位置に基づいた坑口を形成し、管の先端を坑口に通して到達坑内に到達させる。
このように、従来の止水方法においては、管に取付けられた計測システムにより管の先端の到達予想位置を推測し、到達坑に対する管の到達予想位置に予め止水設備を設置する必要がある。
即ち、どちらの方法においても、管を坑口に通して到達坑内に入れる際に管の外面と地盤との間に地下水の流路が形成されてしまうため、到達坑内に止水設備を設置することが必要になる。
尚、上記止水設備は、到達坑内への地下水の流入を防止する設備であって、例えば特許文献1の補強体116に相当する構成である。
特開2012−117275号公報
従来の管設置方法における、管の先端を到達坑に到達させる際の止水方法では、止水設備が必要となり、また、止水設備が設置された位置に管の先端を正確に到達させる施工精度が必要となるので、止水方法のコスト、及び、施工性の面で問題があった。
本発明は、管の先端を到達坑に到達させる際の止水方法のコスト低減、及び、施工性の向上を図ることができる管設置方法を提供する。
本発明に係る管設置方法によれば、管の先端側に設けられて地中を掘削する掘削装置と管を地中に推進させる推進装置とを備えた管設置装置を用い、推進装置により管を地中に推進させるとともに掘削装置で地中を掘削することで、管を地中に形成された発進坑から地中に形成された到達坑に跨るように地中に設置する管設置方法において、管の先端を到達坑の空洞部を囲むセグメントの外面に到達させる管推進ステップと、掘削装置を管内経由で発進坑側に後退させる掘削装置退避ステップと、管の先端近傍の地盤を凍結させて地山を安定させる地盤改良ステップと、到達坑内と管内とを連通させるための連通孔をセグメントに形成する連通孔形成ステップと、到達坑内から連通孔を経由して管内に搬入された閉塞材を用いて管の先端とセグメントの外面との間の間隙を塞ぐ間隙閉塞ステップとを備え、セグメントが金属性であるとともに閉塞材が複数の金属板であり、間隙閉塞ステップにおいては、到達坑内から連通孔を経由して管の先端側の管内の泥水凍土を除去した後、到達坑内から連通孔を経由して管内に金属板を搬入し、複数の金属板を管の先端側の周方向に沿って互いに隣接するように配置して互いに隣り合う金属板同士を溶接により接合するとともに、各金属板の一端と管の先頭側の内面とを溶接により接合し、各金属板の他端とセグメントの外面とを溶接により接合することによって、管の先端とセグメントの外面との間の間隙を塞いだので、管の先端とセグメントの外面との間の間隙を簡単かつ確実に塞ぐことができて、管の先端を到達坑に到達させる際の止水処理を簡単かつ安価に行え、当該止水処理のコスト低減、及び、施工性の向上を図ることができる管設置方法を提供できる
先頭管の先端を到達坑に到達させる際の止水手順を示す図(実施形態1)。 (a)は先頭管の先端側に閉塞材が接続された状態を示す斜視図、(b)はセグメントに形成された連通孔を先頭管の内側から見た図(実施形態1)。 管設置装置の断面図(実施形態1)。 先頭管の先頭部分を示した斜視図(実施形態1)。 案内刃管の刃先側から管の内部の掘削機械を見た図(実施形態1)。 地中への管の設置方法を示す図(実施形態1)。 連続管を示す斜視図(実施形態1)。 支保工の例を示す断面図(実施形態1)。 支保工の例を示す断面図(実施形態1)。 側壁台形直管を示す斜視図(実施形態2)。 側壁台形直管の設置方法を示す図(実施形態2)。 支保工の例を示す断面図(実施形態1)。 支保工の例を示す断面図(実施形態1)。 掘削機械揺動駆動装置を備えた管設置装置を示す断面図(実施形態2)。 (a)は先頭管の先頭部分を示した斜視図、(b)一対の第2の掘削ビット群の関係を示す断面図(実施形態3)。 (a)は回転掘削体の掘削時の状態を示す図、(b)は回転掘削体の回収時の姿勢状態を示す図(実施形態3)。 先頭管の先端を到達坑に到達させる際の止水手順を示す図(実施形態2;3;4)。
実施形態1
実施形態1では、例えば図3に示すような、管2の先端側に設けられて地中10を掘削する掘削装置3と管2を地中に推進させる推進装置4とを備えた管設置装置1を用い、推進装置4により管2を地中10に推進させるとともに掘削装置3で地中10を掘削することで、地中10に管2を進行させて管2を地中10に設置する。
図7に示すように、管設置装置1及び管設置方法によって地中10に構築される支保工11は、先頭に位置される管2(以下、先頭管という)と後続の複数の管2(以下、後続管という)とにより形成される。即ち、支保工11は、先頭に位置される先頭管6と先頭管6の後に続くように設けられる後続の複数の後続管7とにより形成された構成、即ち、複数の管2が連続するように接続された連続管67によって構築される。
管2は、例えば、図7;図8に示すような、円弧を描くように曲がって延長するように形成された管(管の中心軸線(中心線)が曲線である管(以下、曲管という))、あるいは、図9に示すような、真っ直ぐに延長する管(管の中心軸線(中心線)が直線である管(以下、直管という))、あるいは、図10に示すような、管の互いに平行に対向する一方の一対の側壁2a;2aが合同な台形に形成され、当該側壁2aの台形の互いに平行な辺縁2s;2sが管2の中心軸線(中心線)2Cと平行である側壁台形状に形成された管(管の中心軸線2C(中心線)が直線である管(以下、側壁台形直管という))であって、管の中心軸線と直交する面で管を切断した場合の断面形状が例えば四角形状(又は円形形状)の管により形成される。
管2としては例えば鋼製の管が用いられる。
管2の大きさは、例えば、管2が断面形状長方形の管である場合、管の長さ(管の中心軸線に沿った方向の長さ)が1500mm、管の左右幅(断面長方形の長辺の長さ)が1240mm、管の上下幅(断面長方形の短辺の長さ)が690mm、管の肉厚が16mmである。
図11に示すように、管2として側壁台形直管を使用する場合、地中10に設置される管2;2…の地中10での進行軌跡2Zが、前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部で折れ曲がる線状(湾曲に近似した線状)になるように複数の管2;2…を地中10に設置する。つまり、後述する管設置装置1により管2を地中10に設置する際、前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2tである辺縁で開口する後端開口縁2xと後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tである辺縁で開口する前端開口縁2yとを溶接で連結していくことで、管2;2…の地中10での進行軌跡2Zが前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部で折れ曲がる線状になる。言い換えれば、2つ以上の管2が連結されることで、管2の中心軸線2Cが連結部で折れ曲がる折曲線を描くように延長する図11(b);図11(c)に示すような折曲管200が形成され、当該折曲管200が地中10に設置されていくことになる。尚、連結部で連結される前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2t及び後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tの長さは同じである。
尚、進行軌跡2Zの折れ曲がり角度(折曲管200の管の中心線2Cの折曲線の折れ曲がり角度)は、前の管2の後端開口縁2xと後の管2の前端開口縁2yとの連結部における管2の台形状の側壁2aの脚2tと台形の互いに平行な上底及び下底である辺縁2s;2sとのなす角αが直角に近付くほど緩やかになり、前記なす角αが直角から遠くなるほど急になる。言い換えれば、なす角αが直角に近付くほど連結部で折れ曲がる中心線2Cと中心線2Cとのなす角度が180度に近くなり、なす角αが直角から遠くなるほど連結部で折れ曲がる中心線2Cと中心線2Cとのなす角度が90度に近くなる。したがって、管2の予定進行軌跡に応じて管2に台形状の側壁2aの前記なす角αを決めればよい。
管が真っ直ぐに延長する直管の両端開口縁をそれぞれ斜めに切断することにより簡単かつ安価に製作できる側壁台形直管を管2として使用することで、地中10において曲がって延長するような支保工を安価に構築できるようになる。即ち、前の管2の一対の台形状の側壁2aの他方の脚2tである辺縁で開口する後端開口縁2xと後の管2の一対の台形状の側壁2aの一方の脚2tである辺縁で開口する前端開口縁2yとを溶接で連結していくことで、管2の中心線2Cが連結部で折れ曲がる折曲線を描くように延長する折曲管200を形成でき、当該折曲管200が地中10に設置されることによって、地中10において折れ曲がって延長するような支保工を安価に構築できる。また、同一の側壁台形状の管2を用いて支保工を構築するので、複数の管2の製作コストを安価にできる。
そして、図8等に示すように、管2を地中10に形成された発進坑210から地中10に形成された到達坑220に跨るように地中10に設置することにより、支保工11が地中10に構築される。100は発進坑210及び到達坑220の空洞部である。
例えば、図7;図8に示すように、複数の曲管が順次連結されて地中10に設置されることによって円弧を描くように曲がって延長する支保工11が地中10に構築されたり、図9に示すように、複数の直管が順次連結されて地中10に設置されることによって真っ直ぐに延長する支保工11が地中10に構築されたり、あるいは、複数の側壁台形直管が順次連結されて地中10に設置されることによってほぼ円弧を描くように曲がって延長する支保工11が地中10に構築される。
支保工11としては、図8;図9に示すように、発進坑210から地中10に形成された到達坑220に跨るように地中10に構築される支保工11や、図12に示すように、地中10に形成された発進坑210及び到達坑220として機能する兼用の坑から出発して当該兼用の坑に戻るように設置して構築される支保工11などがある。
また、図13に示すように、地上から地中10に向けて形成された立坑により形成された発進坑210とセグメント221で囲まれたシールドトンネルにより形成された到達坑220とを連通させる地下空間としての連通路143を形成する場合の支保工として機能する円筒状の壁144を構築する場合もある。
そして、支保工で囲まれた内側を掘削することで、地下鉄ホームを形成する空間、トンネルの道路や線路における往路空間及び復路空間、トンネルの道路や線路における合流部又は分岐部、トンネルの道路や線路における拡幅部、上述した連通路143等の地下空間を形成できる。
図3乃至図6に基づいて、管設置装置1の一例を説明する。
図3に示すように、管設置装置1は、管2と、掘削装置3と、推進装置4と、推進力伝達装置70とを備える。尚、以下、図3における上側を管2や管設置装置1の先頭あるいは前側と定義し、図3における下側を管2や管設置装置1の後側と定義し、図3における左右側を管2や管設置装置1の左右側と定義し、図3の紙面と直交する方向の上下側を管2や管設置装置1の上下側と定義して説明する。図4に管2や管設置装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側を明記した。
以下、図3及び図4を参照して管設置装置1の構成について説明する。
先頭管6は、管の先端側に案内刃部を備えた構成であり、例えば、図3に示すように、管6xと、管6xの先端に設けられた案内刃部として機能する案内刃管9とで形成される。案内刃管9は、管の一方の開口端縁13が鋭利に形成された刃部14を備えた管である。
先頭管6は、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続されて形成される。この場合、例えば、案内刃管9の管の外径寸法が管6xの管の外径寸法よりも大きく、案内刃管9の他方の開口端面15側には、開口端面15における管の内周面側が削られて、段差が設けられることで、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成とする。そして、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込み、かつ、これら両者が、ボルト接合,溶接などの図外の接続手段によって接続されることで、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続された構成とする。このように、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込んで、案内刃管9が管6xの先端開口端面18を覆うように取付けられた構成としたことで、管6xの推進の際に、管6xの先端開口端面18が地中10の抵抗を受けず、推進抵抗を少なくできる。また、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成としたことで、管6xの先端に容易に案内刃管9を設置でき、先頭管6を形成するための管6xと案内刃管9との組み立てを容易とすることができる。この場合、先頭管6の矩形外周面において管6xと案内刃管9との間で段差が生じるが、この段差は、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材により止水性能を維持できるように小さく(例えば、1cm程度)形成される。
尚、案内刃管9と管6xとの外径寸法を同径とし、案内刃管9の他方の開口端面と管6xの先端開口端面18とを突き合わせた状態でこれらの境界部分を全周溶接、又は、点溶接することで先頭管6を形成してもよい。
また、管の先端側が案内刃管9として機能する案内刃部に形成された管を先頭管6として用いてもよい。
このようにすれば、先頭管6の矩形外周面の段差を小さくできるか、段差が生じないので、管2の矩形外周面と出発口の内周面とに設けられる水密性能維持部材による止水性能を良好に維持できる。
先頭管6の管の内面20において、管の延長方向(管の中心線に沿った方向)の中央部よりも先頭側の位置には、管側推進力受け部21が設けられる。管側推進力受け部21は、後述する掘削装置3に設けられた基板25を介して推進装置4からの推進力を受けて先頭管6を推進させる。管側推進力受け部21は、先頭管6の断面(先頭管の中心線と直交する面で先頭管を切断した場合の断面)の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法に形成された矩形枠体22により形成され、矩形枠体22の外周面23と先頭管6の管の内周面20aとが対応するように設置された状態で矩形枠体22が先頭管6の管の内周面20aに溶接、ボルト・ナットなどの図外の接続手段により固定される。
掘削装置3は、基板25と、掘削機械26と、駆動源27と、水供給機構75と、排泥機構76とを備える。
基板25は、先頭管6の中心線と基板25の中心線とが一致するように配置されて先頭管6内を前後方向に移動可能に設けられる。基板25は、先頭管6の断面の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板30により形成される。当該矩形板30の大きさは、先頭管6の断面の内面を一周した矩形の寸法よりも小さく、かつ、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の矩形枠内周寸法よりも大きい。即ち、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32とが対向するように形成される。尚、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32との間には例えば弾性体により形成された水密性能維持部材(パッキン)35が設けられる。水密性能維持部材35は、例えば、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33、又は、管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に取付けられる矩形枠体36により形成される。したがって、基板25に伝達された推進力が水密性能維持部材35を介して管側推進力受け部21に伝達されることにより、管2と掘削機械26とが一緒に推進する。
基板25の前面39fの中央部には、掘削機械26の支持部40の一端が固定される。
また、基板25の中央部には後述する耐圧ホース56を貫通させる貫通孔38aが形成される。
掘削機械26は、支持部40と、回転部41とを備える。
支持部40は、1つの支柱42と2つの分岐支柱43とが組合されたT字状の中空支柱により形成される。支柱42の一端部には例えば図外の取付フランジが設けられ、この取付フランジがボルト及びナットのような固定具などによって基板25の前面39fの中央に着脱可能に固定されることによって支柱42の一端が基板25の前面39fの中央に固定され、支柱42が基板25の前面39fに対して直交する方向に延長する。2つの分岐支柱43は、支柱42の先端部(他端部)より支柱42の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。即ち、支持部40のT字状の中空路と貫通孔38aとが連通するように支柱42の一端が基板25に固定される。分岐支柱43の先端には、それぞれモータマウント44を備える。
回転部41は、回転機構部45と、回転掘削体46とを備える。
回転機構部45は、例えばモータ47により構成される。各モータマウント44;44には、モータ47のケーシング48が固定される。
2つのモータ47;47の回転軸49;49は、支柱42の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。
回転掘削体46は、一端開口他端閉塞の筐体50と、筐体50の外周面51に設けられた複数の掘削ビット(掘削刃)52とを備える。
モータ47は、例えば、流体圧により作動するモータ、あるいは、電気で作動するモータを用いる。例えば油圧モータ(以下、油圧モータ47とする)を用いる場合、駆動源27としての油圧源55と油圧モータ47のケーシング48内とが圧油供給路56a及び油帰還路56bを形成する耐圧ホース56で繋がれる。即ち、耐圧ホース56は貫通孔38a及び支持部40のT字状の中空路を介して油圧モータ47のケーシング48に接続される。油圧モータ47は、耐圧ホース56を介してケーシング48内に供給される圧油によって回転軸49が回転するように構成される。
例えば、回転掘削体46の筐体50の他端閉塞内面(筐体の内底面)53の中心と回転軸49の回転中心とが一致するように、筐体50の他端閉塞内面53と油圧モータ47により回転する回転軸49の先端に設けられた連結板54とがねじ等の連結具57により連結される。
即ち、2つの回転掘削体46が2つの回転軸49;49に共通の1つの回転中心線Lを回転中心として回転するように構成される。つまり、先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備える。このような2つの回転掘削体46;46を備えた構成は、ツインヘッダと呼ばれる。先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備えた所謂ツインヘッダを用いた場合、推進方向と直交する面内における回転掘削体46の掘削幅を大きくできるので、掘削幅に応じた矩形幅の管2を容易に地中10に設置できるようになる。尚、管設置装置1としては、管2の推進方向と交差する回転中心線Lを回転中心として回転する回転掘削体46;46を有した掘削機械26を備えた構成であればよい。
尚、回転掘削体46;46の前後位置は、管側推進力受け部21の設置位置を前後に変えることにより適宜調整すればよい。
例えば、図3に示すように、掘削ビット52の先端80と案内刃管9の刃先81とが案内刃管9の中心線と直交する1つの平面上に位置するように回転掘削体46;46を設置したり、図示しないが、掘削ビット52の先端80が案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出するように回転掘削体46;46を設置したり、掘削ビット52の先端80が先頭管6内に位置するように回転掘削体46;46を設置する。
掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46;46の掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地盤を掘削ビット52により確実に掘削できるので、案内刃管9の刃先81が硬質の地盤に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を少なくできる。例えば、回転中心線Lと案内刃管9の刃先81とが同一平面上に位置するように、掘削ビット52の先端80を案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出させて回転掘削体46;46による掘削動作を行えば、案内刃管9の刃先よりも前方に位置する地盤を掘削ビット52によりさらに確実に掘削できるようになり、管2をより推進させやすくなるので、管2の設置作業をよりスムーズに行える。
また、掘削ビット52の先端80を先頭管6内に位置させた状態で先頭管6の推進動作及び回転掘削体46;46の掘削動作を行えば、地中10に突刺された案内刃管9の刃先の内側に入り込んだ地中部分のみが掘削ビット52により掘削されるので、地中10の余掘り部分が少なくなり、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。
回転掘削体46;46の間には固定掘削体77を備える。
固定掘削体77は、分岐支柱43よりも前方に突出するように2つの分岐支柱43;43の境界部分の前方外周面に溶接又はボルト、ナット等の固定手段によって固定状態に取付けられる。
固定掘削体77は、例えば、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成され、この湾曲面の左右幅間の中心が湾曲面の周方向に沿って連続する鋭利な刃形状となるように形成された構成である。
このように、固定掘削体77は、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成された構成としたので、先頭管6が推進する際の地盤の抵抗を減らすことができ、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
上記固定掘削体77が設けられていない場合には、掘削された土砂が回転掘削体46;46の間に詰まってしまう可能性があるが、回転掘削体46;46の間に固定掘削体77を設けた場合には、固定掘削体77が、先頭管6の推進により地盤に衝突することによって、地盤を削ったり、衝突した地盤部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46;46に仕向けたりするといった役割を果たすので、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
例えば、図3に示すように、固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心線と直交する同一平面上に位置するように構成される。
このように固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心線と直交する同一平面上に位置するように構成した場合は、上述したような、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果が得られるとともに、固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことも防止できる。
尚、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方又は前方に位置するように構成してもよい。
固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも前方に位置するように構成された場合、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果も得られる。
逆に、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方に位置するように構成された場合は、地盤が硬質の場合において掘削ビット52や案内刃管9の刃先81よりも先に固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことを防止できる。
また、固定掘削体77の先端形状は、先頭管6の推進により地盤に衝突することによって、地盤を削ったり、衝突した地盤部分にある土砂や岩を左右に振り分けて左右の回転掘削体46;46に仕向けたり、掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させて掘削しやすいようにするという役割を達成できる形状に形成されていればよい。例えば、上述したように前方先端が鋭利な刃先状に形成されたものでもよいし、前方先端が面状に形成されたものでもよく、地盤の地質によって、地盤を掘削して崩しやすい形状のものを選択すればよい。
また、回転掘削体46の筐体50は案内刃管9の左右の内面と接触しないように案内刃管9の左右の内面から離れて設置されるので、筐体50と案内刃管9の左右の内面との間の地盤が掘削されにくい可能性がある。
そこで、先頭管6の中央側に位置される掘削ビット52を筐体50の中心線(中心線L)と直交する方向に延長するように設け、かつ、図3乃至図5に示すように、先頭管6の左側に位置される掘削ビット52a(52)をできるだけ案内刃管9の左の内面に近付く位置まで先頭管6の左側に延長させて設け、さらに、先頭管6の右側に位置される掘削ビット52b(52)をできるだけ案内刃管9の右の内面に近付く位置まで先頭管6の右側に延長させて設けることによって、先頭管6の左右側に位置される掘削ビット52a;52bで先頭管6の左右の角部に位置する地盤をより効果的に掘削できるようにした。
水供給機構75は、水貯留タンク75aと、基板25の前面39fと後面39とに貫通する水供給孔75bと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された水供給管75cと、送水用のポンプ75d、連結管75eとを備える。
基板25の前面39fと先頭管6の内面20とで囲まれた空間69内に水供給管75cの一端開口が連通するように、例えば、水供給孔75bの内側に水供給管75cの一端がねじ嵌合されることによって水供給孔75bと水供給管75cの一端とが結合される。そして、水供給管75cの他端開口と送水用のポンプ75dの吐出口とが連通可能に連結され、送水用のポンプ75dの吸込口と水貯留タンク75aとが連結管75eにより連通可能に連結される。
排泥機構76は、基板25の前面39fと後面39とに貫通する排泥孔76aと、例えば蛇腹管や鋼管等により構成された排泥管76bと、排泥用のポンプ76cと、排泥タンク76dと、連結管76eとを備える。
空間69内に排泥管76bの一端開口が連通するように、例えば、排泥孔76aの内側に排泥管76bの一端がねじ嵌合されることによって排泥孔76aと排泥管76bの一端とが結合される。そして、排泥管76bの他端開口と排泥用のポンプ76cの吸込口とが連通可能に連結され、排泥用のポンプ76cの吐出口と排泥タンク76dとが連結管76eにより連通可能に連結される。
尚、水貯留タンク75a及び排泥タンク76dは、水貯留タンク75aと排泥タンク76dとが一体となった集合タンク75Xにより構成される。即ち、集合タンク75Xの内部に仕切体75wを設けて集合タンク75Xの内部を2つの領域に区切り、一方の領域を水貯留タンク75aとして使用し、他方の領域を排泥タンク76dとして使用する。
つまり、最初に一定量の水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に水を圧送すると、空間69内に圧送された水と掘削機械26により掘削された土砂とが混ざって泥水となる。そして、排泥用のポンプ76cを駆動することにより、空間69内の泥水が排泥タンク76dに排出される。排泥タンク76dに排出された泥水中の泥が排泥タンク76dの底に沈殿するとともに、仕切体75wを越えて水貯留タンク75aに入り込んだ泥水が再び送水用のポンプ75dによって空間69内に圧送される。即ち、泥水を循環させて空間69内に供給できるようになるので、水の使用量を減らすことができる。また、水よりも比重が大きい泥水を空間69内に供給できるので、地盤及び地下水の圧力に抵抗できて、地盤及び地下水の圧力と空間69内の圧力とを均等にしやすくなるので、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。また、空間69内が泥水化するので、排泥をスムーズに行えるようになり、掘削しやすくなる。
また、水供給孔75bと水供給管75cの一端との結合構造、排泥孔76aと排泥管76bの一端との結合構造は、次のような結合構造であってもよい。基板の後面39に孔(水供給孔75b、排泥孔76a)に連通する図外の管部を形成しておいて、当該管部の開口端面と管(水供給管75c、排泥管76b)の一端開口端面とを互いに突き合わせた状態で環状ジョイント部材を当該突合せ部分に被せることにより管部と管とを結合したり、管の一端開口を介して管内に管部を嵌め込んだ状態で管の一端開口部の外周面を環状クリップ部材で締め付けることにより管部と管とを結合する。
尚、最初から泥水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるようにしてもよい。
推進装置4は、例えば、油圧ジャッキ62により構成される。油圧ジャッキ62のピストンロッド63の先端には押圧板64が設けられる。
推進力伝達装置70は、推進力伝達棒状体71と、推進力伝達用の当て材72と、上述の基板25と、上述の水密性能維持部材35と、上述の管側推進力受け部21とを備える。
推進力伝達棒状体71は、一端71aから他端71bまでの長さが基板25の後面39と先頭管6の後端面102eとの間の最短距離よりも長い寸法の棒状体71xと、棒状体71xの他端71b側より突出させた傾き防止部71cとを備える。棒状体71xは例えばH形鋼を用い、傾き防止部71cは例えば棒状体71xを形成するH形鋼に溶接又はボルトなどの接続手段で結合された鋼材を用いる。尚、傾き防止部71cは、先頭管6の左内側面6aや右内側面6bに面接触する面を有した面体71dを備える。
推進力伝達棒状体71は、棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、面体71dの面と先頭管6の左内側面6aや右内側面6bとが面接触するように、一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
即ち、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、左の推進力伝達棒状体71Aの面体71dの面と先頭管6の左内側面6aとが面接触するように、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。また、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの中心線が先頭管6の中心線と同一方向を向くように設置され、かつ、右の推進力伝達棒状体71Bの面体71dの面と先頭管6の右内側面6bとが面接触するように、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの一端71a;71aは、基板25の上下縁間の中央部に結合される。
そして、当て材72を、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置して他端71b;71bに図外のボルトや万力装置などで連結し、当て材72における先頭管6の中心線が位置する部分を油圧ジャッキ62の押圧板64で押圧することにより、油圧ジャッキ62による押圧力が、当て材72、左右の推進力伝達棒状体71A;71B、基板25、管側推進力受け部21を介して先頭管6及び回転掘削体46;46に伝達されるので、案内刃管9及び先頭管6が前方に推進するとともに回転掘削体46;46が前方に推進する。
即ち、一方の推進力伝達棒状体である左の推進力伝達棒状体71Aを基板25の後面39の左側縁側における上下縁間の中央部に結合するとともに、他方の推進力伝達棒状体である右の推進力伝達棒状体71Bを基板25の後面39の右側縁側における上下縁間の中央部に結合し、これら左右の推進力伝達棒状体71A;71Bを油圧ジャッキ62で押圧して管2を推進させる構成としたので、管2の左右に均等に押圧力を加えることができるようになる。
次に、図6を参照して管設置装置1による地中10への管2の設置方法を説明する。
掘削機械26と推進力伝達棒状体71と水供給管75cと排泥管76bとが取付けられた基板25を先頭管6の内側に設置する。つまり、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33が、先頭管6の内側に管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に水密性能維持部材35を介して突き付けられた状態となるように設置する。これにより、管2を、地中10に形成された空洞部100から地中10に設置する場合に、先に地中10に入れる先頭管6の先端開口6t側の内側に掘削機械26が設置される。
そして、先頭管6の先端6t側を発進坑210(図8等参照)の空洞部100からセグメント211(図8等参照)に形成された図外のエントランス口経由で地中10に挿入し、当て材72を、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置する。また、掘削機械26の耐圧ホース56の他端を油圧源55に接続する。そして、先頭管6の先端の案内刃管9の刃先81を地中面101に押し付けた状態で油圧ジャッキ62を設置し、縮退したピストンロッド63の先端に設けられた押圧板64を当て材72における先頭管6の中心線が位置する部分に位置させる。
そして、送水用のポンプ75dを駆動して空間69内に泥水を供給し、空間69内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるとともに、制御装置65による制御によって、油圧源55から油圧モータ47に圧油を供給して回転掘削体46を回転させながら、油圧ジャッキ62のピストンロッド63を伸ばして当て材72における後続管7の中心線が位置する部分を押圧すると、推進力伝達装置70を介して先頭管6に伝達される推進力と回転掘削体46の回転に伴う地盤掘削とによって先頭管6が前方に推進し、先頭管6が地中10に設置される。
先頭管6の後端面102eを残して先頭管6が地中10に設置された後、図6(b)に示すように、先頭管6の後端面102eに後続管7を溶接、又は、ボルト等の固定具により接続し、さらに、図6(c)に示すように、先頭の推進力伝達棒状体71の他端71bと後続の推進力伝達棒状体71の一端71aとをボルト、又は、溶接により結合することにより、先頭の推進力伝達棒状体71の後ろに後続の推進力伝達棒状体71を継ぎ足すとともに、また、耐圧ホース56の他端に図外の延長耐圧ホースを継ぎ足し、水供給管75cの他端に図外の延長水供給管を継ぎ足し、排泥管76bの他端に図外の延長排泥管を継ぎ足していく。
そして、図6(d)に示すように、当て材72を、後続管7の後端縁より後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置して、当て材72における後続管7の中心線が位置する部分を油圧ジャッキ62のピストンロッド63で押圧しながら、掘回転掘削体46;46を回転駆動することにより、回転掘削体46が掘削を行いながら先頭管6が推進し、後続管7が地中に設置される。
尚、回転掘削体46;46が地中10を掘削した土砂は空間69内で水と混ざって泥水となって排泥タンク76dに排出される。
以後、同様に、前の後続管7の後端縁に後の後続管7を順次連結して地中10に設置していくことで、図外の支保工を構築できる。
支保工11(図8等参照)を構築した後は、掘削始点となった発進坑210内に掘削装置3を引き戻して回収する。実施形態1によれば、推進力伝達棒状体71を継ぎ足していくことから、掘削装置3を回収する際には、最後尾の推進力伝達棒状体71側から推進力伝達棒状体71の1個長さ分ずつ発進坑210内に引き戻して、最後尾側から先頭まで順番に推進力伝達棒状体71を取り外していくことにより、掘削機械26を容易に回収できるようになる。この場合、推進装置4の一例である油圧ジャッキ62を掘削始点となる発進坑210内にのみ設置すればよいので、装置コストを低減できる。
先頭管6の先端6t側に設けられて地中10を掘削する掘削装置3と管2(先頭管6、後続管7)を地中10に推進させる推進装置4とを備えた管設置装置1(図3参照)を用い、推進装置4により管2を地中10に推進させるとともに掘削装置3で地中10を掘削することで、管2を地中10に形成された発進坑210から地中10に形成された到達坑220に跨るように地中10に設置する実施形態1の管設置方法は、図1に示すように、先頭管6の先端6tを到達坑220の空洞部100を囲む鋼製のセグメント221の外面222に到達させる管推進ステップ(図1(a)参照)と、掘削装置3を先頭管6及び後続管7(管2)内経由で発進坑210側に後退させる掘削装置退避ステップ(図1(b)参照)と、セグメント221の外面222に到達した先頭管6の先端6t近傍の地盤を改良して地山を安定させる地盤改良ステップ(図1(b)参照)と、到達坑220内と先頭管6内とを連通させるための連通孔230をセグメント221に形成する連通孔形成ステップ(図1(c)参照)と、到達坑220内から連通孔230を経由して先頭管6内に搬入された閉塞材231を用いて先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間の間隙240を塞ぐ間隙閉塞ステップ(図1(c)参照)とを備える。
管推進ステップでは、管設置装置1により先頭管6を発進坑210から推進装置4を用いて地中10に推進させるとともに掘削装置3で地中10を掘削し、先頭管6の後側に後続管7を順次繋げていって管6;7;7…を推進装置4を用いて順次地中10に推進させるとともに掘削装置3で地中10を掘削することによって、掘削装置3による掘削を先頭管6の先端6tの到達目標地点である到達坑220のセグメント221の外面222の位置の直前まで行い、先頭管6の先端6tを到達目標地点であるセグメント221の外面222の位置の直前まで到達させる。尚、到達目標地点は、先頭管6に取付けられた図外の計測システムを用いて推測する。
掘削装置退避ステップでは、到達目標地点であるセグメント221の外面222の位置の直前まで到達した先頭管6の先端6t近傍位置の地盤部分225を地盤改良ステップにおいて例えば凍結処理により地盤改良する前に、先頭管6の先端6tの到達目標地点であるセグメント221の外面222の位置の直前に位置されている掘削装置3を地盤改良ステップでの凍結処理の影響の無い場所まで先頭管6及び後続管7内経由で発進坑210側に後退させる。即ち、掘削装置3が凍結しないように掘削装置3を退避させる。この際、退避させた掘削装置3から先頭管6の先端6tまでの管内には泥水が充満している。
地盤改良ステップでは、到達目標地点であるセグメント221の外面222の位置の直前まで到達した先頭管6の先端6t近傍位置の地盤部分225を例えば凍結処理によって地盤改良する。凍結処理は、冷媒を流通させる図外の凍結管をセグメント221の内周面(空洞部100に面した面)に貼り付けて地盤部分225を凍結させたり、あるいは、セグメント221に凍結管を通す貫通孔を形成して凍結管を地盤部分225に位置させて地盤部分225を凍結させる。この際、先頭管6の先端6t側に充満している泥水が凍結して先頭管6の先端6t側の管内に泥水凍土が形成される。
連通孔形成ステップでは、到達目標地点であるセグメント221の外面222の位置の直前まで到達した先頭管6の管内と到達坑220内とを連通させる連通孔230をセグメント221に開口して形成する。連通孔230は、セグメント221のセグメントピースに予め形成しておいたり、現場でセグメントピースに形成すればよい。この際、先頭管6の先端6t側の管内に泥水凍土が形成されているので、連通孔230を形成する場合に管内の泥水が連通孔230を介して到達坑220内に流入することを防止できる。
間隙閉塞ステップでは、例えば作業員が到達坑220内から連通孔230を経由して先頭管6の先端6t側の管内の泥水凍土を除去した後、到達坑220内から連通孔230を経由して先頭管6内に閉塞材231としての金属板を搬入し、先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間から地下水が先頭管6内及び到達坑220内に流入しないように、先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間の間隙240を複数の金属板で塞ぐ。例えば、図2に示すように、複数の金属板を先頭管6の先端6t側の周方向に沿って互いに隣接するように配置して互いに隣り合う金属板同士を溶接により接合し、かつ、各金属板の一端と先頭管6の先端6t側の内面とを溶接により接合するとともに、各金属板の他端とセグメント221の外面222とを溶接により接合することによって、先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間の間隙240を塞ぐようにすればよい。
以上により、先頭管6の先端6t側を到達坑220に到達させて到達坑220のセグメント221に接続でき、管2を地中10に形成された発進坑210から地中10に形成された到達坑220に跨るように地中10に設置でき、支保工11を構築できる。
実施形態1によれば、先頭管6の先端6t側が到達坑220に到達して凍結処理による地盤改良が行われた後は管2を推進移動させないので、連通孔形成ステップ及び間隙閉塞ステップにおいて、管2の外面と地盤との間の凍結状態が維持されて管2の外面と地盤との間の止水性能が保たれ、かつ、先頭管6の先端6t側の管内に泥水凍土が形成されているので、先頭管6の先端6t側を到達坑220に到達させて到達坑220のセグメント221に接続する際、従来の止水設備、及び、止水設備の設置作業を不要とできる。
また、従来のように予め設置された止水設備の位置に先頭管6の先端6tを正確に到達させる必要がなくなり、先頭管6の到達精度は支保構造に見合ったもので良くなるので、施工性が向上する。
即ち、実施形態1による管設置方法によれば、先頭管6の先端6tを到達坑220に到達させる際の止水方法のコスト低減、及び、施工性の向上を図ることができる。
また、セグメント221が金属性であるとともに閉塞材231が複数の金属板であり、間隙閉塞ステップにおいては、複数の金属板が先頭管6の先端6t側の周方向に沿って互いに隣接するように配置して互いに隣り合う金属板同士を溶接により接合するとともに、各金属板の一端と先頭管6の先頭6t側の内面とを溶接により接合し、かつ、各金属板の他端とセグメント221の外面222とを溶接により接合することによって、先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間の間隙240を塞いだので、当該間隙240を簡単かつ確実に塞ぐことができ、止水処理のコスト低減、及び、施工性の向上を図ることができる。
尚、掘削ビット52の先端80が案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出するように回転掘削体46;46を設置した構成の管設置装置1を用いる場合には、先頭管6の前方の地中10を先行して掘削できるので、この場合、後述する実施形態2と同様、図17に示すように、掘削装置3による掘削後に掘削装置3を先頭管6の内側に後退させて先頭管6の先端6tをセグメント221の外面222に到達させるために推進装置4で連続管67を押し切るようにする。
実施形態2
図14に示すように、回転掘削体46の回転中心線Lを、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する状態に設定する掘削機械揺動駆動装置250を備えたことによって、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削でき、先頭管6の前方での余堀が可能な管設置装置1Xを用いてもよい。例えば、図14(a);(b)に示すように、回転掘削体46が掘削進行方向の左右に揺動可能な構成を備える。
以下、管設置装置1Xの一例について説明するが、実施形態1の管設置装置1で説明した構成と同一構成部分については同一符号を付し、詳説を省略する。
実施形態5の管設置装置1Xは、実施形態1で説明した管設置装置1の掘削装置3の構成である基板25、管側推進力受け部21の代わりに掘削機械揺動駆動装置250を備えた構成である。
掘削機械揺動駆動装置250は、揺動基板300と、揺動基板300の案内部材310と、揺動基板駆動手段320とを備える。
管設置装置1Xは、筒状の案内部材310の筒の中心線と先頭管6の管の中心線とが一致するように案内部材310が先頭管6の先端開口6t側の内側に設置されて案内部材310の筒の外周面330と先頭管6の内周面6sとの間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材340によって保たれ、かつ、揺動基板300は先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面間の中心を回転中心としての左右の側壁301;302側が前後に揺動可能なように案内部材310に取付けられて揺動基板300の外周面390と案内部材310の筒の内周面350との間の水密性がゴムパッキン等の水密性能維持部材120によって保たれた構成とされる。先頭管6の先端開口6t側の内側における案内部材310の前方には推進力受け部630が設けられ、当該推進力受け部630は、先頭管6の先端開口6t側の内側に設置された案内部材310の筒の前端面311に接触して案内部材310の前方への移動を規制するとともに推進力伝達装置70を介して案内部材310に伝達された推進力を先頭管6に伝達することができるように、先頭管6の先端開口6t側の内周面6sに溶接、ボルト・ナット等の固定手段で固定されている。また、揺動基板300には、揺動基板300の平板を前後に貫通する支柱保持貫通孔130、排泥管保持貫通孔140、水供給管保持貫通孔150が形成され、支柱保持貫通孔130には、掘削機械26の支持部40の支柱42が貫通した状態で固定状態に保持され、排泥管保持貫通孔140には、排泥管76cの先端部が貫通した状態で固定状態に保持され、水供給管保持貫通孔150には、水供給管75cの先端部が貫通した状態で固定状態に保持される。そして、複数の掘削ビット(掘削刃)52を備えた掘削機械26の回転掘削体46が先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置されて回転掘削体46を支持する支柱42が揺動基板300に支持されている。
実施形態2の管設置装置1Xによれば、先頭管6の前方の地中10を回転掘削体46で掘削する際に、油圧ジャッキのような揺動基板駆動手段320が揺動基板300における一対の側壁301;302側の後面を押圧及び引き戻して前後に移動させることで、回転掘削体46の回転中心線Lが、先頭管6の推進方向と直交する面及び先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行な第1の状態、及び、先頭管6の互いに平行に対向する一対の外側面(例えば先頭管6の上下の外側面)と平行で、かつ、先頭管6の推進方向と直交する面と直交以外の状態で交差する第2の状態(図14(a);(b)参照)に設定される。
即ち、管設置装置1Xは、先頭管6の前方において回転掘削体46を先頭管6の左右方向に揺動させるための掘削機械揺動駆動装置250を備えるので、先頭管6の前方の地中10を回転掘削体46で掘削する際に揺動基板駆動手段320により揺動基板300を駆動して回転掘削体46を例えば左右方向に揺動させることができ、回転掘削体46が左右方向に揺動しない場合と比べて、掘削可能な左右幅を大きくできる。つまり、管設置装置1Xを用いれば、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の例えば左右幅間隔よりも幅の広い左右幅間隔で地中10を掘削でき、先頭管6の前方において先頭管6の左右幅方向での余堀が可能となるので、先頭管6の前方の硬質地盤層を掘削でき、地中10が硬質地盤層である場合でも管2を地中10においてスムーズに推進させることができる。
実施形態2の掘削機械揺動駆動装置250を備えた管設置装置1Xを用いて管2を地中10に設置する場合においては、先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削できる。即ち、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の例えば左右側の地中10の余堀が可能となるので、管2を地中10においてスムーズに推進させることができる。
実施形態2の掘削機械揺動駆動装置250を備えた管設置装置1Xを用いる場合、先頭管6の左右側の地中10の余堀、即ち、先頭管6の前方の左右側の地中10を先行して掘削できるので、この場合の管設置方法は、図17に示すように、掘削装置3で先頭管6の先端6tの到達目標地点である到達坑220のセグメント221の外面222の位置の直前まで掘削を行う管推進ステップ(図17(a)参照)と、掘削装置3を先頭管6の内側に後退させる掘削装置退避ステップ(図17(b)参照)と、推進装置4で連続管67の最後端の後続管7を押して先頭管6の先端6tをセグメント221の外面222に到達させる管押し切り推進ステップ(図17(c)参照)と、掘削装置3を先頭管6及び後続管7(管2)内経由で発進坑210側に後退させる掘削装置退避ステップ(図17(d)参照)と、セグメント221の外面222に到達した先頭管6の先端6t近傍の地盤を改良して地山を安定させる地盤改良ステップ(図17(d)参照)と、到達坑220内と先頭管6内とを連通させるための連通孔230をセグメント221に形成する連通孔形成ステップ(図17(e)参照)と、到達坑220内から連通孔230を経由して先頭管6内に搬入された閉塞材231を用いて先頭管6の先端6tとセグメント221の外面222との間の間隙240を塞ぐ間隙閉塞ステップ(図17(e)参照)とを備える。
即ち、実施形態2では、先頭管6の前方の地中の左右側を先行して掘削できるので、先頭管6の先端6t側を到達坑220に到達させて到達坑220のセグメント221に接続する際、掘削装置3による掘削後に掘削装置3を先頭管6の内側に後退させて先頭管6の先端6tをセグメント221の外面222に到達させるために推進装置4で連続管67を押し切るようにすることが、実施形態1と異なる。
実施形態3
図15及び図16に示すように、回転掘削体は、筐体50の外周面51より突出するように設けられた掘削刃としての第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fとを備えた構成の回転掘削体46Aを用いてもよい。
複数個の第2の掘削ビット8fが筐体50の回転中心線Lに沿った方向に並べられて第2の掘削ビット群810が構成される。
筐体50の外周面51には複数のビット取付部83が点在するように設けられる。第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51に設けられた個々のビット取付部83に1つ1つ個別に着脱可能に取り付けられる。第2の掘削ビット8fは、筐体50の外周面に設けられた複数のビット取付部83に着脱可能に取り付けられるビット設置板84に設けられる。即ち、第2の掘削ビット群810は、ビット取付部83に取り付けられて筐体50の回転中心線Lに沿って筐体50の外周面51の周面幅(回転中心線Lに沿った方向の幅、即ち、筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面)に渡って延長するビット設置板84のビット設置面84aに、複数の第2の掘削ビット8fが回転中心線Lに沿った方向に並ぶように着脱可能又は固定的に設けられた構成である。
1つ1つの回転掘削体46Aにおいて、第1の掘削ビット8eは、筐体50の外周面51の周方向に互いに180°離れた位置にそれぞれ設けられる。第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51上において第1の掘削ビット8eが設けられていない部分に設けられる。
図15(b)に示すように、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810;810の各掘削ビット8fの先端は、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、一方の第2の掘削ビット群810において互いに隣り合う各掘削ビット8f間で掘削されない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810の各掘削ビット8fで掘削できるように構成されている。要するに、1つ1つの回転掘削体46Aは、一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるようにした相補的な一対の第2の掘削ビット群810;810を備えた構成である。
そして、図16(a)に示すように、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビットによる掘削半径)とが異なる。
つまり、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間(先頭管6の一方の一対の壁面の内壁面間)の寸法9xよりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成されている。
即ち、第1距離80xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転可能な回転半径寸法に設定されたことによって、回転掘削体46Aが管2内を通過可能となり、掘削機械26を出発側の空洞部100に引き戻して回収できる。
また、第2距離81xは、回転掘削体46Aが先頭管6の内側で回転中心線Lを回転中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転可能な回転半径に設定される。
即ち、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された状態で回転駆動されることによって第1の掘削ビット8e及び第2の掘削ビット8fが先頭管6の先端開口6tの前方位置の地盤を掘削可能であり、かつ、回転掘削体46Aが管2(先頭管6及び後続管7)内を通過して管2を出発させた空洞部100に回収可能に構成される。
以上のような回転掘削体46Aを備えたことにより、先頭管6の先端開口6tの前方において先端開口6tの断面よりも例えば上下幅の大きい断面積の孔を掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が地盤に衝突する前に地盤を掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、掘削機械26の回収時には、図16(b)に示すように、第2の掘削ビット群810の第2の掘削ビット8fの先端が、先頭管6の上下の内壁面6c;6dと同一平面を示す位置より上方に位置しない状態にしてから、回転掘削体46Aを管2内に引き戻して掘削機械26を出発側の空洞部100に回収する。
即ち、実施形態3によれば、筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80x(即ち、第1の掘削ビット8eによる掘削半径)と筐体50の回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81x(即ち、第2の掘削ビットによる掘削半径)とが異なるように設定され、第1距離80xを掘削半径とした第1の掘削ビット8eによる掘削径が、先頭管6の案内刃管9(図4参照)の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも小さく、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定された回転掘削体46Aを備えた。このため、先頭管6の先端開口6tより前方に位置する回転掘削体46Aを回転させて掘削ビット8e;8fが地盤を掘削することにより、先頭管6の先端開口6tの前方において、先頭管6の管の中心を中心とした四角断面であって先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法(回転掘削体46Aの径方向に対応する幅寸法、例えば、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9x)より幅寸法の大きい四角断面の孔を掘削できる。よって、先頭管6の先端開口縁が地盤に衝突する前に、先頭管6の先端開口6tよりも前方に位置する地盤を掘削ビット8e;8fにより確実に掘削できるので、先頭管6の先端開口縁が硬質の地盤に衝突して先頭管6を推進できなくなるような事態を防止でき、地山が硬質地盤である場合でも、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた各第2の掘削ビット群810;810の各掘削ビット8fの先端位置が、筐体50の回転中心線Lと直交する同一の面85e上に位置しないように設定されている。つまり、筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられた一対の第2の掘削ビット群810;810は、回転掘削体46Aの回転により一方の第2の掘削ビット群810で掘削できない地盤部分を他方の第2の掘削ビット群810で掘削できるように構成されているので、先頭管6の先端開口6tの四角断面の幅寸法より幅寸法の大きい四角断面の孔を効率的に掘削でき、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、各第2の掘削ビット群810を、回転中心線Lを中心として筐体50の外周面51上で例えば等間隔に配置することで、回転掘削体46Aの回転重心を一定に保てるようになり、回転掘削体46Aの回転がスムーズになって効率的に掘削できて、管2をよりスムーズに推進させることができる。
また、第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eを備えたので、第2距離81xを掘削半径とした掘削径の孔を第2の掘削ビット8f及び第1の掘削ビット8eによってより効率的に掘削できるようになる。
尚、第2の掘削ビット群810は、筐体50の外周面51に設けられた個々の取付部83に個々に取付けられた第2の掘削ビット8fの集合体により構成されてもよい。
また、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に個々の第2の掘削ビット8fが個々に並ぶように配置されていたり、筐体50の外周面51上において筐体50の回転中心線Lに沿った方向の両方の端面に跨って回転中心線Lに沿った方向に直線状又は非直線状に延長する1つの掘削刃を有した第2の掘削ビットを備えた構成の回転掘削体46Aであって、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、先頭管6の先端開口6tの前方位置で回転可能なように構成されていればよい。
また、第2の掘削ビット群810;810が筐体50の外周面51上で周方向に互いに180°離れた位置に設けられていなくてもよい。
要するに、回転掘削体46Aは、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第1の掘削ビット8eの先端までの第1距離80xが、回転掘削体46Aが管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8fの先端までの第2距離81xが、回転掘削体46Aが管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
また、回転掘削体は、第1の掘削ビット8eを備えない構成としてもよい。即ち、掘削ビットとして第2の掘削ビット8fのみを有した回転掘削体を用いてもよい。
要するに、回転掘削体が第1の掘削ビット8eを備えない構成の場合において、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した回転掘削体の筐体50の外周面51までの最短距離である第1距離が、回転掘削体が管6の内側で回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定され、回転中心線Lから回転中心線Lと直交する線上を経由した第2の掘削ビット8f(掘削ビット)の先端までの第2距離81xが、回転掘削体が管2の内側で回転中心線Lを中心として回転不可能で、かつ、回転掘削体が先頭管6の先端開口6tの前方に位置された場合に回転中心線Lを中心として回転可能な回転半径に設定されればよい。
つまり、第1距離を半径とした筐体50の直径が、先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法よりも小さく設定され、かつ、第2距離81xを掘削半径とした第2の掘削ビット8fによる掘削径が、先頭管6の先頭管6の上下の内壁面6c;6d間の寸法9xよりも大きく設定されていることにより、回転掘削体46Aが先頭管6の先端開口6tを介して先頭管6の前方及び先頭管6の内側に移動可能に構成される。
実施形態3によれば、第2の掘削ビット8fによる掘削によって、先頭管6の前方において先頭管6の例えば上下の内壁面6c;6d(先頭管6の一方の一対の壁面)と直交する方向である先頭管6の上下幅間隔よりも広い上下幅間隔で地中10を掘削できるようになり、先頭管6の前方において先頭管6の上下幅方向での余堀が可能となるので、地山が硬質地盤である場合でも管2をよりスムーズに推進させることが可能となる。
上述した折曲管の所定角度で折れ曲がる連結部の外周部には角部が生じるため、当該折曲管を実施形態1の管設置装置1を用いて管を地中10に設置する場合、当該折曲管の連結部の外周部の角部が地盤と衝突して折曲管が地中10に進行しにくくなる。特に、地中10が硬質地盤層である場合には、折曲管が地中10に進行しにくくなる。そこで、上述した折曲管を地中10に設置する場合においては、上述した実施形態6の回転掘削体46Aを備えた管設置装置を用いれば、先頭管6の進行に先立って先頭管6の前方において先頭管6の断面積よりも幅の広い断面積を掘削する余堀(例えば先頭管6の前方の地中10において先頭管6の上下側の地中10の余堀)を行うことが可能となるので、地中10が硬質地盤層である場合であっても、折曲管を地中10においてスムーズに推進させることができ、効果的である。
即ち、実施形態3では、先頭管6の前方の地中10の上下側を先行して掘削できるので、実施形態2と同様、図17に示すように、先頭管6の先端6t側を到達坑220に到達させて到達坑220のセグメント221に接続する際、掘削装置3による掘削後に掘削装置3を先頭管6の内側に後退させて先頭管6の先端6tをセグメント221の外面222に到達させるために推進装置4で連続管67を押し切るようにすることが、実施形態1と異なる。
実施形態4
実施形態2の回転掘削体46Aと実施形態3の掘削機械揺動駆動装置250とを備えた管設置装置を用いれば、先頭管6の前方の地中10において先頭管6の上下左右側の地中10の余堀が可能となることから、折曲管を地中10においてスムーズに推進させることができ、効果的である。
実施形態4の場合、先頭管6の前方の地中の上下側及び左右側を先行して掘削できるので、実施形態2と同様、図17に示すように、先頭管6の先端6t側を到達坑220に到達させて到達坑220のセグメント221に接続する際、掘削装置3による掘削後に掘削装置3を先頭管6の内側に後退させて先頭管6の先端6tをセグメント221の外面222に到達させるために推進装置4で連続管67を押し切るようにすることが、実施形態1と異なる。
尚、閉塞材231として金属板以外の材料を用いてもよい。
セグメント211,221としては金属製以外のセグメント、例えば、コンクリートセグメントを用いてもよい。
管2及びセグメント221と閉塞材231との接合に関しては、接合手段として溶接以外の手段、例えば、ボルト及びナット等を用いてもよい。
地盤改良ステップにおいては、地盤への薬液注入による地盤改良を行うことで管2の外面と地盤との間の止水性能を保つようにしてもよい。
管2は、管の中心軸線と直交する面で管を切断した場合の断面形状が円形形状の管であってもよい。
また、上記では、管2の推進方向と交差する回転中心線Lを回転中心として回転する回転掘削体46;46を有した掘削機械26を備えた構成の管設置装置1を例示したが、管2の中心軸線と同じ又は平行な回転中心線を回転中心として回転する回転掘削体を有した掘削機械を備えた構成の管設置装置を用いてもよい。また、所謂ウォータジェット噴射により地中10を掘削する掘削機械を備えた構成の管設置装置を用いてもよい。
2 管、3 掘削装置、4 推進装置、6 先頭管(管)、7 後続管(管)、
10 地中、100 空洞部、210 発進坑、220 到達坑、221 セグメント、
222 セグメントの外面、230 連通孔、231 閉塞材、240 間隙。

Claims (1)

  1. 管の先端側に設けられて地中を掘削する掘削装置と管を地中に推進させる推進装置とを備えた管設置装置を用い、推進装置により管を地中に推進させるとともに掘削装置で地中を掘削することで、管を地中に形成された発進坑から地中に形成された到達坑に跨るように地中に設置する管設置方法において、
    管の先端を到達坑の空洞部を囲むセグメントの外面に到達させる管推進ステップと、
    掘削装置を管内経由で発進坑側に後退させる掘削装置退避ステップと、
    管の先端近傍の地盤を凍結させて地山を安定させる地盤改良ステップと、
    到達坑内と管内とを連通させるための連通孔をセグメントに形成する連通孔形成ステップと、
    到達坑内から連通孔を経由して管内に搬入された閉塞材を用いて管の先端とセグメントの外面との間の間隙を塞ぐ間隙閉塞ステップとを備え
    セグメントが金属性であるとともに閉塞材が複数の金属板であり、
    間隙閉塞ステップにおいては、到達坑内から連通孔を経由して管の先端側の管内の泥水凍土を除去した後、到達坑内から連通孔を経由して管内に金属板を搬入し、複数の金属板を管の先端側の周方向に沿って互いに隣接するように配置して互いに隣り合う金属板同士を溶接により接合するとともに、各金属板の一端と管の先頭側の内面とを溶接により接合し、各金属板の他端とセグメントの外面とを溶接により接合することによって、管の先端とセグメントの外面との間の間隙を塞いだことを特徴とする管設置方法
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