JP5718083B2 - 管設置装置及び管設置方法 - Google Patents
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本発明による管設置方法によれば、断面矩形状の管を、地中に形成された空洞部から地中に設置する場合に、先に地中に入れる管の先頭開口側の内側に、管の推進方向と交差する回転中心線を回転中心として回転する回転掘削体を有した掘削機械を設置し、管を押圧するとともに掘削機械で地中を掘削することにより、管を推進させて地中に設置する地中への管設置方法において、管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法の矩形枠体により形成され当該矩形枠体の外周面が管の内周面に固定されて構成された管側推進力受け部と、管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板により形成され前面が管側推進力受け部の後面と対向するように設けられて推進力を管側推進力受け部に伝達する基板と、一端部が基板の前面の中央に取付けられた支柱と、支柱の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する回転軸にそれぞれ連結されて支柱の延長方向と直交する共通の1つの回転中心線を回転中心として回転するように構成された2つの回転掘削体と、当該回転掘削体の駆動源とを有した掘削機械と、一端が基板の後面に接続され、他端が管の後端面より後方に突出するように設けられた左,右の推進力伝達棒状体と、左の推進力伝達棒状体に設けられて管の左内側面と接触する傾き防止部と、右の推進力伝達棒状体に設けられて管の右内側面と接触する傾き防止部と、左の推進力伝達棒状体及び右の推進力伝達棒状体を押圧することにより、基板、管側推進力受け部を介して管及び回転掘削体を推進させる推進装置と、管の位置を検出する位置検出手段とを設け、先に地中に設置された管の後ろに後続の管を順次接続していくとともに、左,右の推進力伝達棒状体の後ろに後続の左,右の推進力伝達棒状体を順次接続していき、位置検出手段により得られた情報によって回転掘削体の回転方向を変えるように制御することにより、管の推進方向を制御するので、管の推進方向を補正することができ、計画した所望の地中位置に管を設置できる。
また、管を立坑から地中に向けて推進させる場合において、基板より後方に位置する管の内面に設けられたレーザー発光器と、立坑内に設けられたレーザー受光器と、レーザー受光器からの検出信号に基づいて管の位置を検出する制御装置と、を備えた位置検出手段を用いることにより、管の推進方向を制御するので、管の推進方向を補正することができ、計画した所望の地中位置に管を設置できる。
まず、図1乃至図8に基づいて、実施形態1による地中への管設置方法を実現するための管設置装置1の基本構成及び動作について説明する。
図1,図2に示すように、管設置装置1は、管2と、掘削装置3と、推進装置4と、推進力伝達装置70と、回転切換手段90と、位置検出手段95とを備える。尚、以下、図1における上側を管2や管設置装置1の先頭あるいは前側と定義し、図1における下側を管2や管設置装置1の後側と定義し、図1における左右側を管2や管設置装置1の左右側と定義し、図1の紙面と直交する方向の上下側を管2や管設置装置1の上下側と定義して説明する。
そして、図5;図7に示すように、複数の曲管が順次連結されて地中10に設置されることによって円弧を描くように曲がって延長する支保工11が地中10に構築されたり、図6に示すように、複数の直管が順次連結されて地中10に設置されることによって真っ直ぐに延長する支保工11が地中10に構築される。
図5に示すように、実施形態1の管設置装置1及び管設置方法によって地中に構築される支保工11は、先頭に位置される管2(以下、先頭管という)と後続の複数の管2(以下、後続管という)とにより形成される。即ち、支保工11は、先頭に位置される曲管である先頭管6と先頭管6の後に続くように設けられる後続の複数の曲管である後続管7とにより形成される連続する曲管67によって構築される。
支保工11としては、図7(a)に示すように、地中10に形成された一方の空洞部100と他方の空洞部100との間に跨るように複数の管2としての複数の曲管を連続させて構築される支保工11や、図7(b)に示すように、地中10に形成された空洞部100から出発して当該空洞部100に戻るように複数の管2としての複数の曲管を連続させて構築される支保工11や、図6に示すように、一方の空洞部100と他方の空洞部100との間に跨るように複数の管2としての複数の直管を連続させて設置して構築される支保工11などがある。
先頭管6は、管の先端側に案内刃部を備えた構成であり、例えば、図1に示すように、管6xと、管6xの先端に設けられた案内刃部として機能する案内刃管9とで形成される。案内刃管9は、管の一方の開口端縁13が鋭利に形成された刃部14を備えた管である。
先頭管6は、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続されて形成される。この場合、例えば、案内刃管9の管の外径寸法が管6xの管の外径寸法よりも大きく、案内刃管9の他方の開口端面15側には、開口端面15における管の内周面側が削られて、段差が設けられることで、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成とする。そして、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込み、かつ、これら両者が、ボルト接合,溶接などの図外の接続手段によって接続されることで、案内刃管9の他方の開口端部と管6xの先端の開口端部8とが接続された構成とする。このように、案内刃管9の他方の開口部17に設けられた嵌合孔16内に管6xの先端の開口端部8を嵌め込んで、案内刃管9が管6xの先端開口端面18を覆うように取付けられた構成としたことで、管6xの推進の際に、管6xの先端開口端面18が地中10の抵抗を受けず、推進抵抗を少なくできる。また、管6xの先端の開口端部8を嵌め込む嵌合孔16が形成された構成としたことで、管6xの先端に容易に案内刃管9を設置でき、先頭管6を形成するための管6xと案内刃管9との組み立てを容易とすることができる。この場合、先頭管6の矩形外周面において管6xと案内刃管9との間で段差が生じるが、この段差は、空洞部100の出発口や到達口に設けられた図外の水密性能維持部材により当該空洞部100の出発口や到達口と管2の矩形外周面との間の止水性能を維持できる程度に小さく(例えば、1cm程度)形成される。
また、管の先端側が案内刃管9として機能する案内刃部に形成された管を先頭管6として用いてもよい。
このようにすれば、先頭管6の矩形外周面の段差を小さくできるか、段差が生じないので、空洞部100の出発口や到達口に設けられた図外の水密性能維持部材により当該空洞部100の出発口や到達口と管2の矩形外周面との間の止水性能を良好に維持できる。
基板25は、先頭管6の中心軸と基板25の中心軸とが一致するように配置され、先頭管6の内周面20aと水密を保った状態で先頭管6内を先頭管6の中心軸に沿った前後方向に移動可能に設けられる。基板25は、先頭管6の断面の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板30により形成される。当該矩形板30の大きさは、先頭管6の断面の内面を一周した矩形の寸法よりも小さく、かつ、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の矩形枠内周寸法よりも大きい。即ち、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と、上記管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32とが対向するように形成される。尚、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33と管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32との間には例えば弾性体により形成された水密性能維持部材(パッキン)35が設けられる。水密性能維持部材35は、例えば、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33、又は、管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に取付けられる矩形枠体36により形成される。したがって、基板25に伝達された推進力が水密性能維持部材35を介して管側推進力受け部21に伝達されることにより、管2と掘削機械26とが一緒に推進する。
基板25の前面39fの中央部には、掘削機械26の支持部40の一端が固定される。
即ち、基板25は、推進装置4からの推進力を受けて掘削機械26及び先頭管6を前方に推進させる機能と、基板25の前面39f及び先頭管6の内面20で囲まれた空間である掘削土砂取込空間69aと基板25の後面39及び先頭管6の内面20で囲まれた空間69bとを水密に仕切る隔壁としての機能とを備える。
また、基板25の中央部には後述する圧油路56を貫通させる貫通孔38aが形成される。圧油路56は、例えば、耐圧ホースにより形成される。
そして、後述するように、基板25の前面39fには掘削機械26が設けられ、基板25の後面39には水供給管75c、排泥管76b、推進力伝達棒状体71が設けられる。
支持部40は、1つの支柱42と2つの分岐支柱43とが組合されたT字状の中空支柱により形成される。支柱42の一端部には例えば図外の取付フランジが設けられ、この取付フランジがボルト及びナットのような固定具などによって基板25の前面39fの中央に着脱可能に固定されることによって支柱42の一端が基板25の前面39fの中央に固定され、支柱42が基板25の前面39fに対して直交する方向に延長する。2つの分岐支柱43は、支柱42の先端部(他端部)より支柱42の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。即ち、支持部40のT字状の中空路と貫通孔38aとが連通するように支柱42の一端が基板25に固定される。分岐支柱43の先端には、それぞれモータマウント44を備える。
回転機構部45は、例えばモータ47により構成される。各モータマウント44;44には、モータ47のケーシング48が固定される。
2つのモータ47;47の回転軸49;49は、支柱42の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する。
回転掘削体46は、一端開口他端閉塞の筐体50と、筐体50の外周面51に設けられた複数の掘削ビット(掘削刃)52とを備える。
掘削ビット52は、後述するように回転掘削体46を一方方向に回転させた場合と他方方向に回転させた場合とで地中10に対する接触面が同じになるような形状に形成された掘削ビット52を用いることが好ましい。例えば、図3に示すように、円錐状の台座52xと円錐状のチップ52yとを備え、円錐状の台座52xの中心線と円錐状のチップ52yの中心線とが一致するように台座52xの円錐の頂点部にチップ52yを備えた掘削ビット52を用い、当該掘削ビット52を筐体50の外周面51に設けられた取付部51aに取り付けて使用する。
例えば、制御装置65が、電磁ソレノイドと油圧とを用いて構成される方向切換弁91の電磁ソレノイドを制御して流路を切換えることにより、圧油路56を流れる圧油の流れる方向が一方方向(方向切換弁91内の実線矢示参照)と他方方向(方向切換弁91内の破線矢示参照)とに切換わる。即ち、圧油の流れる方向を制御することにより回転掘削体46を一方方向又は他方方向に回転させることができる。つまり、圧油の流れる方向を変えることにより、回転掘削体46の回転方向を逆転させる。
実施形態1では、回転掘削体46の回転方向を切換えて回転掘削体46の回転方向を逆転させるための回転切換手段90が、油圧源55と、油圧源55と油圧モータ47と繋ぐ圧油路56及び方向切換弁91と、方向切換弁91を制御する制御装置65とを備える。
即ち、2つの回転掘削体46が2つの回転軸49;49に共通の1つの回転中心線Lを回転中心として回転するように構成される。つまり、先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備える。このような2つの回転掘削体46;46を備えた構成は、ツインヘッダと呼ばれる。先頭管6の推進方向と直交する回転中心線Lを回転中心として回転する2つの回転掘削体46;46を備えた所謂ツインヘッダを用いた場合、推進方向と直交する面内における回転掘削体46の掘削幅を大きくできるので、掘削幅に応じた矩形幅の管2を容易に地中10に設置できるようになる。
例えば、図1に示すように、掘削ビット52の先端80と案内刃管9の刃先81とが案内刃管9の中心軸と直交する1つの平面上に位置するように回転掘削体46;46を設置したり、図示しないが、掘削ビット52の先端80が案内刃管9の刃先81よりも前方側に突出するように回転掘削体46;46を設置したり、掘削ビット52の先端80が先頭管6内に位置するように回転掘削体46;46を設置する。
固定掘削体77は、分岐支柱43よりも前方に突出するように2つの分岐支柱43;43の境界部分の前方外周面に溶接又はボルト、ナット等の固定手段によって固定状態に取付けられる。
固定掘削体77は、例えば、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成され、この湾曲面の左右幅間の中心が湾曲面の周方向に沿って連続する鋭利な刃形状となるように形成された構成である。
このように、固定掘削体77は、上下間の中央部が案内刃管9の刃先81側に膨出する湾曲形状に形成された構成としたので、先頭管6が推進する際の地盤の抵抗を減らすことができ、先頭管6をよりスムーズに推進させることができるようになる。
例えば、図1に示すように、固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心軸と直交する同一平面上に位置するように構成される。
このように固定掘削体77の上下間の中央と回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81とが先頭管6の中心軸と直交する同一平面上に位置するように構成した場合は、上述したような、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果が得られるとともに、固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことも防止できる。
固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも前方に位置するように構成された場合、固定掘削体77が掘削に先立って地盤にひび割れを誘発させることにより掘削しやすくなるといった効果も得られる。
逆に、固定掘削体77の上下間の中央が回転掘削体46の掘削ビット52と案内刃管9の刃先81よりも後方に位置するように構成された場合は、地盤が硬質の場合において掘削ビット52や案内刃管9の刃先81よりも先に固定掘削体77が地盤に衝突してしまって先頭管6が推進しなくなるといったことを防止できる。
そこで、先頭管6の中央側に位置される掘削ビット52を筐体50の中心軸(中心線L)と直交する方向に延長するように設け、かつ、図1に示すように、先頭管6の左側に位置される掘削ビット52a(52)をできるだけ案内刃管9の左の内面に近付く位置まで先頭管6の左側に延長させて設け、さらに、先頭管6の右側に位置される掘削ビット52b(52)をできるだけ案内刃管9の右の内面に近付く位置まで先頭管6の右側に延長させて設けることによって、先頭管6の左右側に位置される掘削ビット52a;52bで先頭管6の左右の角部に位置する地盤をより効果的に掘削できるようにした。
基板25の前面39fと先頭管6の内面20とで囲まれた掘削土砂取込空間69a内に水供給管75cの一端開口が連通するように、例えば、水供給孔75bの内側に水供給管75cの一端がねじ嵌合されることによって水供給孔75bと水供給管75cの一端とが結合される。そして、水供給管75cの他端開口と送水用のポンプ75dの吐出口とが連通可能に連結され、送水用のポンプ75dの吸込口と水貯留タンク75aとが連結管75eにより連通可能に連結される。
掘削土砂取込空間69a内に排泥管76bの一端開口が連通するように、例えば、排泥孔76aの内側に排泥管76bの一端がねじ嵌合されることによって排泥孔76aと排泥管76bの一端とが結合される。つまり、排泥管76bは、基板25の前面39f及び先頭管の内面20で囲まれた空間である掘削土砂取込空間69a内に取り込まれた掘削土砂を掘削土砂取込空間69a外に排出するための管である。
そして、排泥管76bの他端開口と排泥用のポンプ76cの吸込口とが連通可能に連結され、排泥用のポンプ76cの吐出口と排泥タンク76dとが連結管76eにより連通可能に連結される。
つまり、最初に一定量の水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して掘削土砂取込空間69a内に水を圧送すると、掘削土砂取込空間69a内に圧送された水と掘削機械26により掘削された土砂とが混ざって泥水となる。そして、排泥用のポンプ76cを駆動することにより、掘削土砂取込空間69a内の泥水が排泥タンク76dに排出される。排泥タンク76dに排出された泥水中の泥が排泥タンク76dの底に沈殿するとともに、仕切体75wを越えて水貯留タンク75aに入り込んだ泥水が再び送水用のポンプ75dによって掘削土砂取込空間69a内に圧送される。即ち、泥水を循環させて掘削土砂取込空間69a内に供給できるようになるので、水の使用量を減らすことができる。また、水よりも比重が大きい泥水を掘削土砂取込空間69a内に供給できるので、地盤及び地下水の圧力に抵抗できて、地盤及び地下水の圧力と掘削土砂取込空間69a内の圧力とを均等にしやすくなるので、地盤沈下等、地中10に与える影響を少なくすることができる。また、掘削土砂取込空間69a内が泥水化するので、排泥をスムーズに行えるようになり、掘削しやすくなる。
尚、最初から泥水を集合タンク75X内に満たしておき、送水用のポンプ75dを駆動して掘削土砂取込空間69a内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるようにしてもよい。
推進力伝達棒状体71は、一端71aから他端71bまでの長さが基板25の後面39と先頭管6の後端面102eとの間の最短距離よりも長い寸法の棒状体71xと、棒状体71xの他端71b側より突出させた傾き防止部71cとを備える。棒状体71xは例えばH形鋼を用い、傾き防止部71cは例えば棒状体71xを形成するH形鋼に溶接又はボルトなどの接続手段で結合された鋼材を用いる。尚、傾き防止部71cは、先頭管6の左内側面6aや右内側面6bに面接触する面を有した面体71dを備える。
推進力伝達棒状体71は、棒状体71xの中心軸が先頭管6の中心軸と同一方向を向くように設置され、かつ、面体71dの面と先頭管6の左内側面6aや右内側面6bとが面接触するように、一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
即ち、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの中心軸が先頭管6の中心軸と同一方向を向くように設置され、かつ、左の推進力伝達棒状体71Aの面体71dの面と先頭管6の左内側面6aとが面接触するように、左の推進力伝達棒状体71Aの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。また、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの中心軸が先頭管6の中心軸と同一方向を向くように設置され、かつ、右の推進力伝達棒状体71Bの面体71dの面と先頭管6の右内側面6bとが面接触するように、右の推進力伝達棒状体71Bの棒状体71xの一端71aと基板25の後面39とが溶接又はボルトなどの接続手段で結合される。
左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの一端71a;71aは、基板25の上下縁間の中央部に結合される。
即ち、一方の推進力伝達棒状体である左の推進力伝達棒状体71Aを基板25の後面39の左側縁側における上下縁間の中央部に結合するとともに、他方の推進力伝達棒状体である右の推進力伝達棒状体71Bを基板25の後面39の右側縁側における上下縁間の中央部に結合し、これら左右の推進力伝達棒状体71A;71Bを油圧ジャッキ62で押圧して管2を推進させる構成としたので、管2の左右に均等に押圧力を加えることができるようになる。
レーザー受光器97は、例えば、正位置確認用のレーザー受光器97aとずれ検出用のレーザー受光器97b;97cとを備える。正位置確認用のレーザー受光器97aは、地中10を水平方向に推進させる先頭管6を地中10に推進させる前においてレーザー発光器96からのレーザー光を受信できる位置に設置される。ずれ検出用のレーザー受光器97b;97cは、正位置確認用のレーザー受光器97aの上下方向に所定距離離されて設置される。即ち、先頭管6の推進方向が水平方向に対して上下にずれた場合にレーザー発光器96からのレーザー光の照射位置は正位置確認用のレーザー受光器97aの上下にずれるので、先頭管6の推進において先頭管6が許容可能なずれ量に至った場合にレーザー発光器96からのレーザー光を検出する位置にずれ検出用のレーザー受光器97b;97cが設置される。
尚、65bは制御装置65と油圧源55とを接続する制御線、65cは制御装置65と油圧ジャッキ62とを接続する制御線、65dは制御装置65と方向切換弁91とを接続する制御線、65eは制御装置65とレーザー受光器97とを接続する制御線である。
掘削機械26と推進力伝達棒状体71と水供給管75cと排泥管76bとが取付けられた基板25を先頭管6の内側に設置する。つまり、基板25を形成する矩形板30の前面39fにおける矩形周縁面33が、先頭管6の内側に管側推進力受け部21を形成する矩形枠体22の枠後面32に水密性能維持部材35を介して突き付けられた状態となるように設置する。これにより、管2を、地中10に形成された空洞部100から地中10に設置する場合に、先に地中10に入れる先頭管6の先頭開口6t側の内側に掘削機械26が設置される。
そして、当て材72を、先頭管6の後端面102eより後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置する。また、掘削機械26の圧油路56の他端を油圧源55に接続する。そして、先頭管6の先端の案内刃管9の刃先81を地中面101に押し付けた状態で油圧ジャッキ62を設置し、縮退したピストンロッド63の先端に設けられた押圧板64を当て材72における先頭管6の中心軸が位置する部分に位置させる。
そして、送水用のポンプ75dを駆動して掘削土砂取込空間69a内に泥水を供給し、掘削土砂取込空間69a内と集合タンク75X内との間で泥水を循環させるとともに、制御装置65による制御によって、油圧源55から油圧モータ47に圧油を供給して回転掘削体46を回転させながら、油圧ジャッキ62のピストンロッド63を伸ばして当て材72における後続管7の中心軸が位置する部分を押圧すると、推進力伝達装置70を介して先頭管6に伝達される推進力と伴う地盤掘削とによって先頭管6が前方に推進し、先頭管6が地中10に設置される。
そして、図4(d)に示すように、当て材72を、後続管7の後端縁より後方に突出する左右の推進力伝達棒状体71A;71Bの他端71b;71b間に跨るように設置して、当て材72における後続管7の中心軸が位置する部分を油圧ジャッキ62のピストンロッド63で押圧しながら、掘回転掘削体46;46を回転駆動することにより、回転掘削体46が掘削を行いながら先頭管6が推進し、後続管7が地中に設置される。
尚、回転掘削体46;46が地中10を掘削した土砂は掘削土砂取込空間69a内で水と混ざって泥水となって排泥タンク76dに排出される。
以後、同様に、前の後続管7の後端縁に後の後続管7を順次連結して地中10に設置していくことで、支保工11を構築できる。
尚、到達側の空洞部100内に掘削機械26を押し出して回収するようしてもよい。
例えば、先頭管6を到達側の空洞部100に押し出して管側推進力受け部21を除去してから、到達側の空洞部100内に掘削機械26、基板25、推進力伝達棒状体71を押し出して回収する。この場合、掘削機械26を掘削始点となった空洞部100内に引き戻す作業よりも掘削機械26を到達側の空洞部100内に押し出す作業の方が容易となるので、掘削機械26の回収作業が容易となる。
図7(b)のように、地中10に形成された1つの空洞部100から出発して当該空洞部100に戻るように支保工11を構築する場合には、掘削機械26が1つの空洞部100の到達口に到達したならば掘削機械26を到達口から当該空洞部100内に押し出すようにして回収すれば、掘削機械26の回収作業が容易となるとともに、油圧ジャッキ62を当該1つの空洞部100内にのみ設置すればよいので装置コストも低減できる。
また、図8(c)に示すように、回転掘削体46を他方方向bに回転させて先頭管6を推進させると、他方方向bに回転する回転掘削体46の掘削ビット52が地盤の抵抗による力を受けて当該力が回転掘削体46及び回転掘削体46を支持する基板25を介して先頭管6に伝達されることによって、先頭管6は掘削ビット52が力を受けた方向に移動するので、先頭管6が水平状態から傾いて先頭管6の推進方向が計画した推進方向よりずれてしまう(図8(d)参照)。例えば、地盤を掘削する掘削ビット52が地中側から地上側に向けて移動するように回転掘削体46を回転させて先頭管6を推進させると、掘削ビット52が地盤の抵抗による力を受けて当該力が回転掘削体46及び基板25を介して先頭管6に伝達されることによって、先頭管6の先頭側が地上側から地中側に向けて移動し、先頭管6が水平状態から傾いてしまうので、先頭管6の推進方向が計画した推進方向よりずれてしまう。そして、先頭管6が許容可能な所定のずれ量に至った場合、レーザー発光器96からのレーザー光がずれ検出用のレーザー受光器97bで受信されるので、制御装置65がずれ検出用のレーザー受光器97bからレーザー光を受信したことを示す検出信号を入力したならば、方向切換弁91の弁を切換える信号を方向切換弁91に出力して、圧油の流れる方向を逆方向にする。これにより、図8(d)に示すように、回転掘削体46が一方方向aに回転し、一方方向aに回転する回転掘削体46の掘削ビット52が地盤の抵抗による力を受けて当該力が回転掘削体46及び回転掘削体46を支持する基板25を介して先頭管6に伝達されることによって、先頭管6は掘削ビット52が力を受けた方向に移動するので、先頭管6が水平状態に戻るように補正される。そして、レーザー発光器96からのレーザー光が正位置確認用のレーザー受光器97aで受信されると先頭管6が水平状態に戻ったことを確認できる。
このように、回転切換手段90により方向切換弁91の切換制御を繰り返すことにより、先頭管6及び後続管7を計画通りの水平に近い状態に設置できる。
レーザー受光器97の代りに立坑内にレーザー発光器96からのレーザー光を照射させる図外の照射板を設け、この照射板に照射されるレーザー光の位置を観測して制御装置65により方向切換弁91の制御を行うようにしてもよい。即ち、位置検出手段95が、レーザー発光器96と照射板とを備えた構成としてもよい。
先頭管6に図外のGPS(Global Positioning System)受信機を取り付けて、このGPS受信機からの情報を受信する図外の受信装置を立坑99内に設置しておくようにしてもよい。即ち、位置検出手段95が、先頭管6に取付けられたGPS受信機と、立坑99内に設置された受信装置とを備えた構成としてもよい。
そして、受信装置に受信された先頭管6の現在位置情報と先頭管6の計画進路位置情報との差が許容限界値以上にならないように、制御装置65により方向切換弁91を制御する。
実施形態2によれば、先頭管6を地中10に曲進させる場合でも先頭管6の位置を計画進路位置情報に合わせて制御できるようになる。
90 回転切換手段、95 位置検出手段、100 空洞部、L 回転中心線。
Claims (3)
- 断面矩形状の管を、地中に形成された空洞部から地中に設置する場合に、先に地中に入れる管の先頭開口側の内側に、管の推進方向と交差する回転中心線を回転中心として回転する回転掘削体を有した掘削機械を設置し、管を押圧するとともに掘削機械で地中を掘削することにより、管を推進させて地中に設置する管設置装置において、
管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法の矩形枠体により形成され当該矩形枠体の外周面が管の内周面に固定されて構成された管側推進力受け部と、
管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板により形成され前面が管側推進力受け部の後面と対向するように設けられて推進力を管側推進力受け部に伝達する基板と、
一端部が基板の前面の中央に取付けられた支柱と、
支柱の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する回転軸にそれぞれ連結されて支柱の延長方向と直交する共通の1つの回転中心線を回転中心として回転するように構成された2つの回転掘削体と、当該回転掘削体の駆動源とを有した掘削機械と、
一端が基板の後面に接続され、他端が管の後端面より後方に突出するように設けられた左,右の推進力伝達棒状体と、
左の推進力伝達棒状体に設けられて管の左内側面と接触する傾き防止部と、
右の推進力伝達棒状体に設けられて管の右内側面と接触する傾き防止部と、
左の推進力伝達棒状体及び右の推進力伝達棒状体を押圧することにより、基板、管側推進力受け部を介して管及び回転掘削体を推進させる推進装置と、
先に地中に設置された管の後ろに順次接続される後続の管と、
左,右の推進力伝達棒状体の後ろに順次接続される後続の左,右の推進力伝達棒状体と、
管の位置を検出する位置検出手段と、
位置検出手段により得られた情報によって回転掘削体の回転方向を切換えるための回転切換手段とを備えたことを特徴とする管設置装置。 - 断面矩形状の管を、地中に形成された空洞部から地中に設置する場合に、先に地中に入れる管の先頭開口側の内側に、管の推進方向と交差する回転中心線を回転中心として回転する回転掘削体を有した掘削機械を設置し、管を押圧するとともに掘削機械で地中を掘削することにより、管を推進させて地中に設置する地中への管設置方法において、
管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形枠外周寸法の矩形枠体により形成され当該矩形枠体の外周面が管の内周面に固定されて構成された管側推進力受け部と、
管の内面を一周した矩形形状に対応した矩形板により形成され前面が管側推進力受け部の後面と対向するように設けられて推進力を管側推進力受け部に伝達する基板と、
一端部が基板の前面の中央に取付けられた支柱と、
支柱の先端部より支柱の延長方向と直交する一直線上において互いに離れる方向に延長する回転軸にそれぞれ連結されて支柱の延長方向と直交する共通の1つの回転中心線を回転中心として回転するように構成された2つの回転掘削体と、当該回転掘削体の駆動源とを有した掘削機械と、
一端が基板の後面に接続され、他端が管の後端面より後方に突出するように設けられた左,右の推進力伝達棒状体と、
左の推進力伝達棒状体に設けられて管の左内側面と接触する傾き防止部と、
右の推進力伝達棒状体に設けられて管の右内側面と接触する傾き防止部と、
左の推進力伝達棒状体及び右の推進力伝達棒状体を押圧することにより、基板、管側推進力受け部を介して管及び回転掘削体を推進させる推進装置と、
管の位置を検出する位置検出手段とを設け、
先に地中に設置された管の後ろに後続の管を順次接続していくとともに、左,右の推進力伝達棒状体の後ろに後続の左,右の推進力伝達棒状体を順次接続していき、位置検出手段により得られた情報によって回転掘削体の回転方向を変えるように制御することにより、管の推進方向を制御することを特徴とする管設置方法。 - 管を立坑から地中に向けて推進させる場合において、基板より後方に位置する管の内面に設けられたレーザー発光器と、立坑内に設けられたレーザー受光器と、レーザー受光器からの検出信号に基づいて管の位置を検出する制御装置と、を備えた位置検出手段を用いることにより、管の推進方向を制御することを特徴とする請求項2に記載の管設置方法。
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