〔第1の実施の形態〕
図1は、携帯端末装置の一例を示している。携帯端末装置2は、本開示の電子機器の一例であり、無線で通信する。携帯端末装置2は、扁平な筐体6を備え、筐体6の前面側には表示画面8が設置されている。この筐体6は、フロント筐体6−1、リア筐体6−2およびカバー筐体6−3を含んでいる。筐体6の側縁側には、アンテナユニット4が取り付けられている。
図2は、アンテナユニットが筐体内に収納された携帯端末装置を示している。図3は、アンテナユニットを伸長した携帯端末装置を示している。図2および図3では、携帯端末装置2の背面を形成する、筐体6のカバー筐体6−3が省略されている。図2および図3では、リア筐体6−2の背後に配置されておりリア筐体6−2により隠されているLTEアンテナ16およびスイッチ18が破線で示されている。
アンテナユニット4は、本開示のアンテナ装置の一例である。アンテナユニット4は、ホルダ部10、12、地デジアンテナ14、LTEアンテナ16およびスイッチ18を含む。ホルダ部10は、たとえば金属ホルダであって、地デジアンテナ14に導通するとともに地デジアンテナ14を保持する導通保持手段の一例である。このホルダ部10は、固定手段として導通ねじなどの止め具20−1によりリア筐体6−2およびフロント筐体6−1に固定される。地デジアンテナ14が筐体6内に収納されるとき、ホルダ部10は、地デジアンテナ14の上端部を保持する。地デジアンテナ14が筐体6から露出されるとき、ホルダ部10は地デジアンテナ14の下端部を保持する。ホルダ部10と地デジアンテナ14は、地デジアンテナ14の収納または露出に関わらず、導通している。ホルダ部10は、延伸部22を含んでいる。この延伸部22は、地デジアンテナ14に対する信号の給電に用いられる。
ホルダ部12は、たとえば金属ホルダであって、収納された地デジアンテナ14と導通する導通手段の一例である。このホルダ部12は、たとえば携帯端末装置2の下側方向に突出する突起を有し、収納された地デジアンテナ14と導通する。このホルダ部12は、固定手段として導通ねじなどの止め具20−2によりリア筐体6−2およびフロント筐体6−1に固定される。なお、リア筐体6−2およびフロント筐体6−1の固定には、止め具20−1、20−2の他に、固定手段としてねじなどの止め具20−3、20−4が用いられる。止め具20−2は金属を含み、ホルダ部12に導通する。止め具20−2は、筐体6内に設けられたボードコンタクトまたは接点に接続し、ホルダ部12の接地に用いられる。
地デジアンテナ14は、複数のエレメント14−1、14−2、14−3、14−4、14−5およびキャップ部26を含む。各エレメント14−1、14−2、14−3、14−4、14−5は筒状である。各エレメント14−1、14−2、14−3、14−4、14−5の径はエレメント14−1の径が最も大きく、エレメント14−5の径が最も小さい。エレメント14−5はエレメント14−4内に収納可能であり、エレメント14−4はエレメント14−3内に収納可能であり、エレメント14−3はエレメント14−2内に収納可能であり、エレメント14−2はエレメント14−1内に収納可能である。これにより、地デジアンテナ14は伸縮可能である。キャップ部26は、金属を含み、エレメント14−5の先端に備えられている。収縮させた地デジアンテナ14を収納するアンテナ収納部28がこのキャップ部26により閉じられる。キャップ部26は、ホルダ部10側に平坦面を有し、地デジアンテナ14が収納されたときに平坦面でホルダ部10に導通する。
地デジアンテナ14は、地上デジタル放送(以下「地デジ」と称し、地デジにはフルセグまたはワンセグが含まれる。)の受信に用いられるアンテナであって、アンテナユニット4の第1のアンテナの一例である。地デジアンテナ14は、移動が可能であって、長さの変更が可能な可変長のエレメント長を有している。アンテナユニット4が伸長されているとき、地デジアンテナ14は、筐体6から露出し、長さE1に伸長している。長さE1は、地デジの放送信号に共振する長さに設定されている。地デジでは、第1の周波数として、周波数f1の信号が用いられる。周波数f1は、地デジに割り当てられた周波数帯域wf1における任意の周波数である。周波数帯域wf1は一例として周波数470[MHz]から710[MHz]までの帯域である。長さE1は、地デジの放送信号の約1/4波長の長さであり、一例として120[mm]である。なお、アンテナユニット4が収納されているとき、地デジアンテナ14は短縮され、携帯端末装置2の筐体6内に収納されることになる。
LTEアンテナ16は、LTE(Long Term Evolution:通信規格)に準拠した通信(以下「LTE通信」と称する)に用いられるアンテナであって、アンテナユニット4の第2のアンテナの一例である。LTEアンテナ16は長さが固定された固定長のエレメント長を有している。LTEアンテナ16の長さE2は、LTEの通信信号に共振する長さに設定されている。長さE2は、一例として28[mm]である。LTEでは、第2の周波数として周波数f2、f3、f4の信号が用いられる。周波数f2は、LTE通信に割り当てられた周波数帯域wf2における任意の周波数であり、たとえば880[MHz]である。周波数帯域wf2は一例として周波数880[MHz]帯域である。周波数f3は、LTE通信に割り当てられた周波数帯域wf3における任意の周波数であり、たとえば1.5[GHz]である。周波数帯域wf3は一例として周波数1.5[GHz]帯域である。周波数f4は、LTE通信に割り当てられた周波数帯域wf4における任意の周波数であり、たとえば2.15[GHz]である。周波数帯域wf4は一例として周波数2.15[GHz]帯域である。つまり、LTEでは、地デジで使用される周波数とは異なる周波数が使用される。
LTEアンテナ16は、地デジアンテナ14に隣接している。つまり、LTEアンテナ16および地デジアンテナ14は、一つのアンテナ設置空間内に設置されている。LTEアンテナ16は、LTEアンテナ16単独でLTE通信に用いられるほか、地デジアンテナ14と併用されてLTE通信を行う。LTEアンテナ16は、たとえば携帯端末装置2の筐体6内に設置される回路基板上に形成される。LTEアンテナ16は、たとえば銅などの金属材料を含んでいる。
スイッチ18は、LTEアンテナ16の上端部とホルダ部10に導通ねじを用いて固定され、指示信号を受けてLTEアンテナ16と地デジアンテナ14を、導通ねじおよびホルダ部10を介して接続しまたは切断する。スイッチ18は、LTEアンテナ16と地デジアンテナ14の間を接続状態または切断状態に切り替える切替部であり、指示信号に応じてLTEアンテナ16と地デジアンテナ14との係合状態を変化させる。この指示信号はスイッチ18の接続または切断を指示する信号であり、たとえば携帯端末装置2側から出力される。この指示信号はたとえば、地デジアンテナ14が地デジの受信に用いられていない時にスイッチ18の接続を指示し、地デジアンテナ14が地デジの受信に用いられている時にスイッチ18の切断を指示する。スイッチ18の接続により、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16が併用される。LTEアンテナ16がLTE通信に共振しているときに地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16が併用されると、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16によりLTE通信に共振させることができる。また、スイッチ18の切断により、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16が別個のアンテナとして機能する。スイッチ18は、たとえばダイオードスイッチまたはトランジスタスイッチなどである。ホルダ部10の介在により、スイッチ18は地デジアンテナ14の伸縮に関わらずに地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16を接続することができる。
図4は、アンテナユニットと信号処理回路の接続を示している。図4のAは、アンテナユニット4が筐体6内に収納されているときの携帯端末装置2を示し、図4のBは、アンテナユニット4が伸長しているときの携帯端末装置2を示している。
ホルダ部10は、スイッチ34を介して地デジの信号源36に接続している。スイッチ34および信号源36は、たとえば携帯端末装置2に含まれる回路基板上に設置される。スイッチ34は、指示信号を受けて地デジアンテナ14と信号源36を、ホルダ部10を介して接続しまたは切断する。スイッチ34は、地デジアンテナ14と信号源36の間を接続状態または切断状態に切り替える切替部の一例であり、指示信号に応じて地デジアンテナ14と信号源36との係合状態を変化させる。この指示信号はスイッチ34の接続または切断を指示する信号であり、たとえば携帯端末装置2側から出力される。スイッチ34は、たとえばダイオードスイッチまたはトランジスタスイッチなどであり、アンテナユニット4に含まれている。
信号源36は、たとえば地デジ用信号回路などの無線部であって、復調器などを含み、信号の処理を行う。信号源36は接地しており、スイッチ34が接続状態であるとき、アンテナユニット4および接地により不平衡アンテナが形成される。信号源36は、アンテナユニット4が受信した信号を復調し、画像情報および音声情報などの情報信号を生成する。
LTEアンテナ16の下端部は、LTEの信号源38に接続している。信号源38は、たとえば携帯端末装置2に含まれる回路基板上に設置される。信号源38は、たとえばLTE用信号回路などの無線部であって、信号の処理を行う。信号源38が送信部であればたとえば、変調器および電力増幅器が含まれ、受信部であれば復調器などが含まれる。信号源38は接地しており、アンテナユニット4および接地により不平衡アンテナが形成される。信号源38は、無線通信により送信する情報を変調して、アンテナユニット4から送信するための通信信号を生成する。信号源38は、アンテナユニット4が受信した信号を復調して、受信情報信号を生成する。
ホルダ部12は、スイッチ40を介して接地される。この接地は、既述のボードコンタクトまたは接点をスイッチ40に接続することで行われる。スイッチ40は、たとえば携帯端末装置2に含まれる回路基板上に設置される。スイッチ40は、指示信号を受けて地デジアンテナ14と接地を、ホルダ部12を介して接続し、または切断する。スイッチ40は、地デジアンテナ14と接地の間を接続状態または切断状態に切り替える切替部の一例であり、指示信号に応じて地デジアンテナ14の接地状態を変化させる。この指示信号はスイッチ40の接続または切断を指示する信号であり、たとえば携帯端末装置2側から出力される。スイッチ40は、たとえばダイオードスイッチまたはトランジスタスイッチなどであり、アンテナユニット4に含まれている。
アンテナユニット4が筐体6内に収納され、地デジアンテナ14が収納されるとき、LTEアンテナ16の上端部と地デジアンテナ14の上端部とがスイッチ18により接続され、地デジアンテナ14の下端部がホルダ部12に接続する。地デジアンテナ14が収納されているとき、スイッチ40がホルダ部12を接地し、またはホルダ部12を開放端にする。
次に、スイッチ18、34、40の切り替えおよびアンテナのユニットの伸長または収納により生成されるアンテナについて図5ないし図10を参照する。図5および図6は、収納されているアンテナユニットを示している。図7は、収納されているアンテナユニットの側面を示している。図8および図9は、伸長しているアンテナユニットを示している。図10は、伸長しているアンテナユニットの側面を示している。図5ないし図10では、アンテナユニット4を簡略化して示している。図6では、切断状態にあるスイッチ40の図示を省略している。図9では、切断状態にあるスイッチ18の図示を省略している。図5ないし図10では、簡略化のため、地デジアンテナ14が角柱として示され、LTEアンテナ16が一定幅の線路として示されている。角柱はたとえば2ミリ角であり、線路の幅はたとえば1[mm]である。
(収納されているアンテナユニット4)
図5に示すアンテナユニット4では、スイッチ18、40が接続状態であり、スイッチ34が切断状態である。このとき、地デジアンテナ14の上端部は、スイッチ18を介してLTEアンテナ16の上端部に接続している。地デジアンテナ14の下端部は、スイッチ40を介して接地面部42に接続している。この接地面部42は、接地の一例でありたとえば携帯端末装置2の筐体6内に設置されるプリント回路基板のグラウンド層である。
図6に示すアンテナユニット4では、スイッチ18が接続状態であり、スイッチ34、40が切断状態である。このとき、地デジアンテナ14の上端部は、スイッチ18を介してLTEアンテナ16の上端部に接続している。地デジアンテナ14の下端部は、接地面部42から離れ、開放端が形成されている。
アンテナユニット4が収納されている状態では、図7に示すように、アンテナユニット4の奥行きDは一例として3[mm]であり、LTEアンテナ16は、地デジアンテナ14の設置位置から携帯端末装置2の前面側に距離Sほど離れて設置されている。この距離Sは、一例として1[mm]である。スイッチ40が接続状態であるとき、地デジアンテナ14、LTEアンテナ16、スイッチ18、スイッチ40および接地面部42により折り返しモノポールアンテナが形成される。スイッチ40が切断状態であるとき、地デジアンテナ14、LTEアンテナ16、スイッチ18および接地面部42によりモノポールアンテナが形成される。折り返しモノポールアンテナおよびモノポールアンテナの給電点44は、LTEアンテナ16の下端部と接地面部42との間に配置される。折り返しモノポールアンテナおよびモノポールアンテナのエレメント長E4は、LTEアンテナ16の長さE2に収納時の地デジアンテナ14の長さE3を加えた長さになる(E4=E2+E3)。折り返しモノポールアンテナは、一例として周波数f3およびf4の信号に共振し、周波数f3およびf4のLTE通信に用いられる。モノポールアンテナは、一例として周波数f2の信号に共振し、周波数f2のLTE通信に用いられる。エレメント長E4は、おおよそ周波数f2の信号の4分の1波長の長さであり、接続された地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16は、4分の1波長モノポールアンテナとして機能する。スイッチ40を設置して、スイッチ40により地デジアンテナ14の下端部の電気的な接地状態を切り替えることで、アンテナユニット4を複数のLTE通信の周波数に対応させることができる。また、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続されたアンテナでは、LTEアンテナ16単独の場合に比べて体積が増えている。よってアンテナの放射効率が高まる。
(伸長しているアンテナユニット4)
図8に示すアンテナユニット4では、スイッチ18が接続状態である。このとき、地デジアンテナ14、LTEアンテナ16およびスイッチ18によりモノポールアンテナが形成される。モノポールアンテナのエレメント長E5は、伸長時の地デジアンテナ14の長さE1にLTEアンテナ16の長さE2を加えた長さとなる(E5=E1+E2)。このモノポールアンテナは、既述の給電点44を給電点とし、LTE通信の周波数f2、f3、f4に共振し、LTE通信に用いられる。伸長した地デジアンテナ14がLTEアンテナ16に接続されることで、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16により形成されるアンテナでは、LTEアンテナ16単独の場合に比べて体積が著しく増えている。よってアンテナの放射効率が高まる。また、図3に示すように、伸長した地デジアンテナ14は筐体6から露出している。よって、エレメント長E5のモノポールアンテナでは、携帯端末装置2に搭載されている電子部品による影響が少ない。
図9に示すアンテナユニット4では、スイッチ18が切断状態である。このとき、地デジアンテナ14の下端部は、LTEアンテナ16の上端部から離れている。アンテナユニット4では、エレメント長が長さE1であるモノポールアンテナおよびエレメント長が長さE2であるモノポールアンテナが形成される。長さE2のモノポールアンテナは、給電点44に給電することで、LTEの通信に用いられる。スイッチ34が接続状態であるとき、長さE1のモノポールアンテナは、給電点46に給電することで、地デジの受信に用いられる。地デジアンテナ14がLTEアンテナ16から離れることで、LTEアンテナ16が地デジの受信に与える影響を抑制できる。
アンテナユニット4が伸長している状態では、図10に示すように、LTEアンテナ16は、地デジアンテナ14の設置位置から携帯端末装置2の前面側に距離Sほど離れている。この距離Sは、一例として1[mm]である。そして、スイッチ18によりLTEアンテナ16と地デジアンテナ14との間が接続され、または切断される。スイッチ18が接続状態であるとき、LTEアンテナ16と地デジアンテナ14とを含む1本のモノポールアンテナが形成される。また、スイッチ18が切断状態であるとき、地デジアンテナ14を含むモノポールアンテナと、LTEアンテナ16を含むモノポールアンテナとが形成される。地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続されたアンテナでは、LTEアンテナ16単独の場合に比べて体積が増えている。よってアンテナの放射効率が高まる。
図11は、アンテナユニットの効率を示している。図11に示すアンテナユニット4の効率は、アンテナユニット4中で生じる電力の損失に、信号の反射により生じる電力の損失を加えた損失である。つまり、このアンテナユニット4の効率は、トータル効率を示し、アンテナユニット4に供給した電力に対する、アンテナユニット4から放射された電力の比率を示している。アンテナユニット4の効率では、シミュレーションによる解析結果が示されている。
アンテナユニット4が筐体6に収納されている状態において、周波数f2、f3、f4の効率は、それぞれ−0.98[dB]、−0.42[dB]、−0.22[dB]である。4分の1波長モノポールアンテナを筐体6内に搭載してLTE通信を行う場合の効率は、−8[dB]から−3[dB]の範囲であるので、LTE通信に地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16を併用することで高いアンテナの効率を得ることができる。
アンテナユニット4が伸長している状態において、周波数f2、f3、f4の効率は、それぞれ−0.68[dB]、−0.27[dB]、−0.05[dB]である。アンテナユニット4の効率は、アンテナユニット4が収納されている状態よりも高くなっている。つまり4分の1波長のモノポールアンテナを携帯端末装置に搭載してLTE通信用のアンテナとする場合に比べて、アンテナの体積が大きくなり、高い効率が確保できる。
(第1の実施の形態の効果)
地デジアンテナ14がLTE通信に使用され、アンテナの効率化が図られる。
スイッチ18、34、40を切り替え、地デジアンテナ14の伸長、短縮、露出または収納を切り替えることで、地デジアンテナ14を様々な態様でLTEアンテナ16に接続し、地デジアンテナ14をLTE通信に用いることができる。地デジアンテナ14の位置移動および伸縮、ならびにスイッチ18、34、40の切り替えは、アンテナの構造を変化させ、形成されるアンテナの放射モードを変化させる。アンテナの構造の変化により、携帯端末装置2は、複数の周波数f1、f2、f3、f4の送信または受信を網羅できる。
地デジアンテナ14がLTEアンテナ16に接続するので、LTE通信用アンテナの体積が拡大する。アンテナの体積が大きくなることで放射抵抗が大きくなり、周囲に導電体または誘電体が存在し、導体損失または誘電体損失を生じさせる環境が存在する場合であったとしても、放射効率の劣化を抑制することができる。高い放射効率を維持することにより、アンテナの長さと受信信号の波長とのマッチングが多少崩れた場合であっても、高い電界レベルを得ることができる。
アンテナユニット4が伸長している場合、地デジアンテナ14が伸長により体積を拡大させるとともに空気中に露出しているので、アンテナの効率が収納時に比べて高くなる。また、アンテナユニット4の伸長は、アンテナユニット4が共振する周波数の帯域幅を収納時に比べて広帯域にする。よってLTE通信に必要な帯域を確保することができる。更に、地デジアンテナ14が筐体6から露出するので、ユーザが筐体6を握っているときにユーザの手がアンテナユニット4に及ぼす影響が軽減される。アンテナユニット4が伸長すると、良好な通信環境が確保され、LTE通信の高速化が図られる。また、アンテナユニット4の受信感度の向上により、無線通信ネットワークのサービスエリアが拡大することになる。
地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16が一つのスペースに集約して設置され、スペースの共用が図られる。
地デジとLTE通信では信号の周波数が異なるので、アンテナユニット4は、これらの異なる周波数の信号のそれぞれを送信または受信でき、有用性が高い。
〔第2の実施の形態〕
図12は第2の実施の形態に係る携帯端末装置の一例を示している。なお、図12に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の技術が限定されるものではない。図1ないし図10と同一部分には同一符号を付してある。図12に示すアンテナユニット4は、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。図12では、アンテナユニット4が伸長しているときの地デジアンテナ14が破線で示され、アンテナユニット4が収納されているときの地デジアンテナ14が実線で示されている。図12では、スイッチ18、34、40に対する指示信号が矢印により示されている。
アンテナ装置104は、既述のアンテナユニット4と整合部106を含む。整合部106がアンテナユニット4と携帯端末装置102の信号源36、38の間に設置されるので、アンテナユニット4および信号源36、38の間のインピーダンスの整合が容易になる。
整合部106は、信号源36、38およびアンテナユニット4に接続し、信号源36、38側のインピーダンスとアンテナユニット4側のインピーダンスとを整合させる。整合部106は、地デジ用整合回路107と、LTE用整合回路108と、接続切替部110とを含んでいる。
地デジ用整合回路107は地デジの受信に用いられる。地デジ用整合回路107はスイッチ34と信号源36の間に設置され、信号源36側のインピーダンスとアンテナユニット4側のインピーダンスとを整合させる。地デジ用整合回路107は、スイッチ18が切断状態であって伸長状態であるアンテナユニット4と、信号源36とが周波数f1で整合するように設定されている。
LTE用整合回路108はLTE受信に用いられる。LTE用整合回路108はLTEアンテナ16と信号源38の間に設置される。LTE用整合回路108と信号源38の間には、接続切替部110が設置される。接続切替部110がLTE用整合回路108に含まれる複数の整合回路を切り替えて、信号源38側のインピーダンスとアンテナユニット4側のインピーダンスとが整合される。
図13は、整合部の一例を示している。LTE用整合回路108は、複数の整合回路108−1、108−2、108−3、108−4、108−5、108−6、108−7、108−8、108−9を含んでいる。接続切替部110は、複数のスイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9を含んでいる。LTE用整合回路108および接続切替部110は、3つの区分112−1、112−2、112−3に区分される。
区分112−1には、整合回路108−1、108−2、108−3が含まれている。整合回路108−1、108−2、108−3はアンテナユニット4が筐体6内に収納されているときに用いられる。整合回路108−1は、周波数f2の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−2は、周波数f3の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−3は、周波数f4の信号の送信または受信に適するように設定されている。区分112−1には、スイッチ110−1、110−2、110−3が含まれている。各スイッチ110−1、110−2、110−3は、整合回路108−1、108−2、108−3に一対一で接続している。
区分112−2には、整合回路108−4、108−5、108−6が含まれている。整合回路108−4、108−5、108−6はアンテナユニット4が伸長され、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続されているときに用いられる。整合回路108−4は、周波数f2の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−5は、周波数f3の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−6は、周波数f4の信号の送信または受信に適するように設定されている。区分112−2には、スイッチ110−4、110−5、110−6が含まれている。各スイッチ110−4、110−5、110−6は、整合回路108−4、108−5、108−6に一対一で接続している。
区分112−3には、整合回路108−7、108−8、108−9が含まれている。整合回路108−7、108−8、108−9はアンテナユニット4が伸長され、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが切断されているときに用いられる。整合回路108−7は、周波数f2の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−8は、周波数f3の信号の送信または受信に適するように設定されている。整合回路108−9は、周波数f4の信号の送信または受信に適するように設定されている。区分112−3には、スイッチ110−7、110−8、110−9が含まれている。各スイッチ110−7、110−8、110−9は、整合回路108−7、108−8、108−9に一対一で接続している。
接続切替部110の切り替え処理では、各スイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9が接続状態または切断状態に切り替えられる。接続切替部110の切り替えは、アンテナユニット4の伸長または収納状態、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16の接続または切断状態、またはアンテナ装置104の受信信号の周波数に応じて行われる。各スイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9は、たとえば、ダイオードスイッチまたはトランジスタスイッチなどである。接続切替部110の切り替えは、手動または自動で行われる。
次に、スイッチの切り替え状態および整合回路について図14、図15、図16を参照する。図14、図15、図16に示す「ON」は接続状態を示し、「OFF」は切断状態を示している。図15、図16に示す記号「−」は接続状態または切断状態の何れであってもよいことを示している。図14、図15、図16に示す状態は一例であって斯かる状態に本開示の技術が限定されるものではない。
(アンテナユニット4が収納されている状態)
図14には、LTE通信の接続状態として、第1の接続状態、第2の接続状態および第3の接続状態が示されている。第1、第2および第3の接続状態では、アンテナユニット4が収納され、携帯端末装置102のアンテナ装置104ではLTE通信のみが行われる。第1、第2および第3の接続状態では、スイッチ18が接続状態になり、またスイッチ34が切断状態になる。よって、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16によるモノポールが形成される。
第1の接続状態では、周波数f2の信号がLTE通信に使用される。スイッチ40が切断状態になり、モノポールアンテナが形成され、スイッチ110−1が接続状態になり、整合回路108−1が使用される。整合回路108−1は、一例として誘導素子L1、L2を含んでいる。誘導素子L1はアンテナユニット4およびスイッチ110−1に接続している。誘導素子L1とスイッチ110−1を接続する接続線は、誘導素子L2を介して接地されている。
第2の接続状態では、周波数f3の信号がLTE通信に使用される。スイッチ40が接続状態になり、折り返しモノポールアンテナが形成され、スイッチ110−2が接続状態になり、整合回路108−2が使用される。整合回路108−2は、一例として誘導素子L1および容量素子C1を含んでいる。誘導素子L1はアンテナユニット4およびスイッチ110−2に接続している。アンテナユニット4と誘導素子L1を接続する接続線は、容量素子C1を介して接地されている。
第3の接続状態では、周波数f4の信号がLTE通信に使用される。スイッチ40が接続状態になり、折り返しモノポールアンテナが形成され、スイッチ110−3が接続状態になり、整合回路108−3が使用される。整合回路108−3は、一例として整合回路108−2と同じ回路である。
(アンテナユニット4が伸長し、LTE通信のみが行われる状態)
図15には、LTE通信の接続状態として、第4の接続状態、第5の接続状態および第6の接続状態が示されている。第4、第5および第6の接続状態では、アンテナユニットが伸長し、LTE通信のみが行われる。第4、第5および第6の接続状態では、スイッチ18が接続状態になり、またスイッチ34が切断状態になる。よって、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16によるモノポールが形成される。
第4の接続状態では、周波数f2の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−4が接続状態になり、整合回路108−4が使用される。整合回路108−4は、一例として誘導素子L3および容量素子C2を含んでいる。誘導素子L3はアンテナユニット4およびスイッチ110−4に接続している。アンテナユニット4と誘導素子L3を接続する接続線は、容量素子C2を介して接地されている。
第5の接続状態では、周波数f3の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−5が接続状態になり、整合回路108−5が使用される。整合回路108−5は、一例として容量素子C3を含んでいる。容量素子C3はアンテナユニット4およびスイッチ110−5に接続している。
第6の接続状態では、周波数f4の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−6が接続状態になり、整合回路108−6が使用される。整合回路108−6は、一例として誘導素子L4および容量素子C4を含んでいる。誘導素子L4はアンテナユニット4およびスイッチ110−6に接続している。アンテナユニット4と誘導素子L4を接続する接続線は、容量素子C4を介して接地されている。
(アンテナユニット4が伸長し、LTE通信および地デジ受信が同時に行われる状態)
図16には、LTE通信の接続状態として第7の接続状態、第8の接続状態および第9の接続状態と、地デジ受信の接続状態とが示されている。第7、第8および第9の接続状態と、地デジ受信の接続状態とでは、アンテナユニット4が伸長し、LTE通信および地デジ受信が同時に行われる。つまり、同時通信が可能な状態である。第7、第8および第9の接続状態では、スイッチ18が切断状態になる。よって、地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16はそれぞれ独立したモノポールアンテナを形成する。またスイッチ34が接続状態になり、アンテナユニット4が地デジ用整合回路107に接続される。
第7の接続状態では、周波数f2の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−7が接続状態になり、整合回路108−7が使用される。整合回路108−7は、一例として誘導素子L5、L6を含んでいる。誘導素子L5はアンテナユニット4およびスイッチ110−7に接続している。アンテナユニット4と誘導素子L5を接続する接続線は、誘導素子L6を介して接地されている。
第8の接続状態では、周波数f3の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−8が接続状態になり、整合回路108−8が使用される。整合回路108−8は、一例として誘導素子L7、L8を含んでいる。誘導素子L7はアンテナユニット4およびスイッチ110−8に接続している。誘導素子L7とスイッチ110−8を接続する接続線は、誘導素子L8を介して接地されている。
第9の接続状態では、周波数f4の信号がLTE通信に使用される。スイッチ110−9が接続状態になり、整合回路108−9が使用される。整合回路108−9は、一例としてアンテナユニット4とスイッチ110−9を接続する接続線である。つまり、第9の接続状態では、誘電素子または容量素子を含む整合回路が不要である。
第7、第8および第9の接続状態では、地デジの受信が可能である。地デジを受信するとき、地デジ用整合回路107が用いられる。整合回路107は、一例として誘導素子L9および容量素子C5を含んでいる。容量素子C5はスイッチ34および信号源36に接続している。スイッチ34と容量素子C5を接続する接続線は、誘電素子L9を介して接地されている。
なお、誘導素子L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9は、たとえばコイルである。容量素子C1、C2、C3、C4、C5は、たとえばコンデンサである。各誘導素子L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9のインダクタンス値は、一例として以下の値を有している。
誘導素子L1: 1[nH(ナノヘンリー)]
誘導素子L2: 4[nH]
誘導素子L3: 39[nH]
誘導素子L4: 5.5[nH]
誘導素子L5: 46[nH]
誘導素子L6: 7[nH]
誘導素子L7: 8.8[nH]
誘導素子L8: 4.5[nH]
誘導素子L9: 25[nH]
各容量素子C1、C2、C3、C4、C5の容量値は、一例として以下の値を有している。
容量素子C1: 0.2[pF(ピコファラド)]
容量素子C2: 0.66[pF]
容量素子C3: 1[pF]
容量素子C4: 0.5[pF]
容量素子C5: 4.5[pF]
(アンテナ装置の特性)
(1) アンテナユニット4が収納されているときの特性
図17は、アンテナユニット4が収納されているときの反射損失(リターンロス)S11の一例である。図17において、横軸は、周波数(Frequency、単位:[GHz])を示し、縦軸は、反射損失S11(単位:[dB])を示している。反射損失S11は、信号源38からアンテナユニット4に出力した信号が、アンテナユニット4で反射して信号源38に戻ってくる程度を示している。図17では、LTE通信の周波数帯域wf2、wf3、wf4がハンチングを付して示されている。
破線122は、既述の第1の接続状態1(図14)における反射損失S11の一例である。破線122で示される反射損失S11は、周波数帯域wf2において最大約−10[dB]まで低下している。つまり、周波数帯域wf2でアンテナユニット4が共振している。
実線124は、既述の第2および第3の接続状態(図14)における反射損失S11の一例である。実線124で示される反射損失S11は、周波数帯域wf3、wf4において最大約−18[dB]まで低下している。つまり、周波数帯域wf3、wf4でアンテナユニット4が共振している。
アンテナユニット4が収納されているアンテナ装置104は、スイッチ40および整合回路108−1、108−2、108−3を切り替えることで、LTE通信で使用される周波数帯域を網羅することができる。
(2) アンテナユニット4が伸長しているときの特性
図18は、アンテナユニット4が伸長しているときの反射損失S11の一例である。図18において、横軸は、周波数(単位:[GHz])を示し、縦軸は、反射損失S11(単位[dB])を示している。図18では、LTE通信の周波数帯域wf2、wf3、wf4がハンチングを付して示されている。
破線132は、既述の第4の接続状態(図15)における反射損失S11の一例である。破線132で示される反射損失S11は、周波数帯域wf2において最大約−9[dB]まで低下している。つまり、周波数帯域wf2でアンテナユニット4が共振している。
太い実線134は、既述の第5の接続状態(図15)における反射損失S11の一例である。実線134で示される反射損失S11は、周波数帯域wf3において最大約−15[dB]まで低下している。つまり、周波数帯域wf3でアンテナユニット4が共振している。
細い実線136は、既述の第6の接続状態(図15)における反射損失S11の一例である。実線136で示される反射損失S11は、周波数帯域wf4において−20[dB]未満に低下している。つまり、周波数帯域wf4でアンテナユニット4が共振している。
図19は、アンテナユニット4が伸長しているときの反射損失S11の一例である。図19において、横軸は、周波数(単位:[GHz])を示し、縦軸は、反射損失S11(単位:[dB])を示している。図19では、地デジの周波数帯域wf1がハンチングを付して示されている。
実線138は、第7、第8および第9の接続状態(図16)において、地デジを受信したときの反射損失S11の一例である。実線138で示される反射損失S11は、周波数帯域wf1において値が小さくなっている。つまり、周波数帯域wf1でアンテナユニット4が共振している。
アンテナユニット4が伸長しているアンテナ装置104は、整合回路108−4、108−5、108−6を切り替えることで、LTE通信で使用される周波数帯域を網羅することができる。また、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16の接続により、LTEアンテナ16によりLTE通信用アンテナを構成する場合に比べて、アンテナの体積を拡大させることができる。更に整合回路107およびスイッチ18を備えることで、地デジで使用される周波数帯域およびLTE通信で使用される周波数帯域を網羅することができる。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で既述した効果に加え、整合部106を備えることで既述のアンテナユニット4と信号源36、38との間のインピーダンス整合が容易である。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態について、図20を参照して説明する。図20は携帯端末装置の一例を示している。図20に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の技術が限定されるものではない。図12と同一部分には同一符号を付してある。図20に示すアンテナ装置104は、第2の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。図20では、スイッチ18、34、40または接続切替部110に対する指示信号が矢印により示されている。
携帯端末装置202は、既述のアンテナ装置104と地デジ用信号回路212と、LTE用信号回路214と、プロセッサ216と、メモリ218と、ディスプレイ220と、スピーカ222と、マイクロホン224とを備えている。また、携帯端末装置202は、カプラ226と、電力測定回路228と、スイッチ駆動回路230とを備えている。
地デジ用信号回路212は既述の信号源36の一例である。地デジ用信号回路212は、たとえば地デジ放送の受信機であり、アンテナユニット4が受信した地デジの放送信号を復調し、放送情報を取得する。放送情報には、画像情報および音声情報などが含まれている。地デジ用信号回路212は放送情報をプロセッサ216に出力する。
LTE用信号回路214は既述の信号源38の一例である。LTE用信号回路214は、たとえばLTE通信の無線部である。LTE用信号回路214はプロセッサ216から受信した通信情報を変調して、通信信号を生成し、この通信信号をアンテナユニット4に出力する。LTE用信号回路214は、アンテナユニット4が受信した通信信号を復調し、通信情報を取得する。LTE用信号回路214は取得した通信情報をプロセッサ216に出力する。
プロセッサ216は、携帯端末装置202の制御部の一例である。プロセッサ216は、メモリ218が記憶しているOS(Operation System)232やアプリケーションソフト(application software)234を実行する。アプリケーションソフト234は、たとえば地デジを視聴するための地デジ視聴ソフトおよびLTE通信を実行するための通信ソフトを含んでいる。プロセッサ216は、OS232やアプリケーションソフト234を実行し、無線信号の送受信制御、アンテナユニット4の切替制御および各種のデータ処理などを行う。プロセッサ216は、たとえばCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。
プロセッサ216は、地デジ用信号回路212から受信する放送情報から画像情報および音声情報を抽出する。プロセッサ216は、画像情報をディスプレイ220に表示させ、音声情報を音声出力装置としてのスピーカ222に出力させる。
プロセッサ216は、LTE用信号回路214から受信する通信情報を処理し、LTE用信号回路214に送る通信情報をLTE用信号回路214に出力する。この通信情報は、たとえば音声入力装置としてのマイクロホン224により携帯端末装置202に入力された音声情報またはディスプレイ220により携帯端末装置202に入力された入力情報などである。
メモリ218は、情報を記憶する記憶部の一例である。メモリ218は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含んでいる。ROMは不揮発性のメモリであって、OS232やアプリケーションソフト234を記憶するほか、各種のデータの記憶に用いられる。RAMは高速なアクセスが可能なメモリであって、たとえばデータの一時的記憶に用いられる。
ディスプレイ220は、既述の表示画面8の一例および画像情報を表示する表示部の一例であって、たとえばタッチスクリーンである。ディスプレイ220は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の各種ディスプレイ装置を含み、画像を表示する。ディスプレイ220は、タッチパネルなどの入力装置を含み、情報の入力を受ける。
カプラ226は、信号の伝送方向を設定する方向設定部の一例である。カプラ226は、たとえば信号の伝送方向に方向性を有している方向性結合器である。カプラ226は、LTE用信号回路214から出力された信号を、接続切替部110に伝送する。カプラ226は、アンテナユニット4で反射された反射電力を電力測定回路228に出力する。この反射電力は、LTE用信号回路214から出力された信号が、アンテナユニット4で放射または消費されず、LTE用信号回路214に戻ることにより発生する。
電力測定回路228は、電力を測定する測定部の一例である。電力測定回路228は、反射電力を検出および測定する。検出した反射電力の大きさは、LTE用信号回路214とアンテナユニット4のインピーダンスの整合度に対応している。電力測定回路228は、反射電力の測定結果を接続切替部110に出力する。反射電力の測定結果に基づき、接続切替部110がスイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9を切り替える。この切り替えにより、LTE用信号回路214とアンテナユニット4のインピーダンスの整合が図られる。反射電力の測定には、LTE用信号回路214が出力する信号を用いる。この信号は、反射電力測定するための専用のテスト信号であってもよく、アンテナユニット4から放射させる通信信号であってもよい。
スイッチ駆動回路230は、スイッチ18、34、40および接続切替部110を駆動させる駆動部の一例であって、電源回路を含み、駆動電圧を生成する。スイッチ駆動回路230は、プロセッサ216からスイッチ18、34、40または接続切替部110の操作指示を受け、この操作指示に基づいて、スイッチ18、34、40または接続切替部110に駆動電圧を出力する。駆動電圧は、既述の指示信号の一例であり、スイッチ18の駆動電圧DV1、スイッチ34の駆動電圧DV2、スイッチ40の駆動電圧DV3および接続切替部110の駆動電圧DV4を含んでいる。この駆動電圧DV1、DV2、DV3、DV4は、たとえば5[V]などの高電圧のときにスイッチ18、34、40および接続切替部110を接続状態にする。駆動電圧DV1、DV2、DV3、DV4は、たとえば0[V]などの低電圧のときにスイッチ18、34、40および接続切替部110を切断状態にする。
図21は、アンテナユニット4、地デジ用信号回路212およびLTE用信号回路214の設置位置の一例を示している。図21では、アンテナユニット4、接地面部42、地デジ用信号回路212およびLTE用信号回路214のみを示し、その他の構成は省略して示している。
接地面部42は、幅W1および高さH1の大きさを備えている。接地面部42の上部側の一角には、切欠部242が形成されている。この切欠部242は、幅W2および高さH2の大きさを備えている。アンテナユニット4は切欠部242に設置される。地デジ用信号回路212は、接地面部42上であってアンテナユニット4の上部近傍に設置される。LTE用信号回路214は接地面部42上であってアンテナユニット4の下部近傍に設置される。地デジ用信号回路212およびLTE用信号回路214がアンテナユニット4の近傍に設置されるので、地デジ用信号回路212またはLTE用信号回路214とアンテナユニット4の間の信号の伝送ロスが抑制される。
図22は、LTEアンテナ16の設置位置の一例を示し、図23は、地デジアンテナ14の設置位置の一例を示している。LTEアンテナ16は、切欠部242の上部側であって、接地面部42から離れた位置に配置されている。地デジアンテナ14は、切欠部242の中央部に配置されている。アンテナユニット4は、幅W3および既述の長さE3を備え、接地面部42から距離W4離れている。各幅、高さ、または距離の一例は以下の通りである。
幅W1: 50[mm]
高さH1: 100[mm]
幅W2: 7[mm]
高さH2: 40[mm]
幅W3: 5[mm]
距離W4: 2.5[mm]
地デジアンテナ14およびLTEアンテナ16が一つの省スペースに集約して設置されている。
次に、スイッチ18、34、40および接続切替部110の切り替え処理について図24を参照する。図24は、アンテナ装置の接続を切り替える切替処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、たとえば携帯端末装置202が起動している間、繰り返し実行される。
プロセッサ216は地デジ受信かを判断する(ステップS11)。たとえば、プロセッサ216が地デジ視聴ソフトを実行しているとき、プロセッサ216は地デジ受信であると判断する。地デジ受信である場合(ステップS11のYes)、プロセッサ216は、スイッチ18を切断状態にし、スイッチ34を接続状態にする操作指示を行う(ステップS12)。この操作指示に基づいて、スイッチ駆動回路230が駆動電圧DV4によりスイッチ18、34を切り替える。斯かる切り替えにより、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが切断され、地デジ受信用アンテナとLTE通信用アンテナが別々に形成される。地デジ受信用アンテナの形成により、プロセッサ216は、地デジ視聴を開始する(ステップS13)。
プロセッサ216は、接続切替部110を切り替える操作指示を行う(ステップS14)。操作指示に基づいて、スイッチ駆動回路230は接続切替部110を切り替える。接続切替部110の切り替え処理では、スイッチ駆動回路230はいずれかのスイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9を接続状態にする。
接続切替部110の切り替え後、電力測定回路228は、反射電力が大きいかを判断する(ステップS15)。電力測定回路228は、反射電力の測定結果を接続切替部110に出力する。反射電力が大きい場合(ステップS15のYes)、反射電力の測定結果およびスイッチ駆動回路230の駆動電圧DV4により、接続切替部110では、接続切替部110の切り替えが繰り返される(ステップS14、S15)。この切り替えは、電力測定回路228が測定する反射電力が小さくなるまで繰り返される。反射電力は、たとえばアンテナユニット4に対する入射波の電力の半分以上である場合に大きいと判断される。接続切替部110の切り替えは、たとえばスイッチ110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−8、110−9を順番に接続状態にすることで行われる。
反射電力が小さい場合(ステップS15のNo)、LTE用信号回路214側とアンテナユニット4側のインピーダンスが整合し、LTE通信が可能になる。LTE用信号回路214はたとえば通信信号をアンテナユニット4側から受信し、プロセッサ216は、通信信号の受信等を契機に、LTE通信を行う(ステップS16)。LTE通信の終了により、切替え処理は終了する。
地デジ受信でない場合(ステップS11のNo)、プロセッサ216は、LTE通信かを判断する(ステップS17)。LTE通信でない場合(ステップS17のNo)、プロセッサ216は、地デジ受信の判断(S11)と、LTE通信の判断(S17)とを繰り返す。
LTE通信である場合(ステップS17のYes)、プロセッサ216は、スイッチ駆動回路230に対し、スイッチ18を接続状態にし、スイッチ34を切断状態にする操作指示を行う(ステップS18)。操作指示に基づいて、スイッチ駆動回路230はスイッチ18、34を切り替える。斯かる切り替えにより、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続され、モノポールが形成される。
プロセッサ216は、周波数f2の使用かを判断する(ステップS19)。斯かる判断は、プロセッサ216が周波数f2の信号をLTE通信に使用するか否かにより判断する。周波数f2が使用される場合(ステップS19のYes)、プロセッサ216は、スイッチ40を切断状態にする操作指示を行う(ステップS20)。周波数f2が使用されない場合(ステップS19のNo)、プロセッサ216は、スイッチ40を接続状態にする操作指示を行う(ステップS21)。操作指示に基づいてスイッチ駆動回路230はスイッチ40を切り替える。斯かる切り替えにより、モノポールアンテナまたは折り返しモノポールアンテナが形成される。
プロセッサ216は、接続切替部110を切り替える操作指示を行う(ステップS22)。操作指示に基づいて、スイッチ駆動回路230は接続切替部110を切り替える。
接続切替部110の切り替え後、電力測定回路228は、反射電力が大きいかを判断する(ステップS23)。電力測定回路228は、反射電力の測定結果を接続切替部110に出力する。反射電力が大きい場合(ステップS23のYes)、反射電力の測定結果およびスイッチ駆動回路230の駆動電圧DV4により、接続切替部110では、接続切替部110の切り替えが繰り返される(ステップS22、S23)。この切り替えは、電力測定回路228が測定する反射電力が小さくなるまで繰り返される。
反射電力が小さい場合(ステップS23のNo)、LTE通信が可能になり、プロセッサ216は、LTE通信を行う(ステップS16)。LTE通信の終了により、切替え処理は終了する。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態および第2の実施の形態で既述した効果に加え、スイッチ18、34、40および接続切替部110が自動で切り替えられる。つまり、アンテナユニット4の状態および、整合回路108−1、108−2、108−3、108−4、108−5、108−6、108−7、108−8、108−9を自動で切り替えることが出来る。地デジ受信では、テレビが映らない等の症状に接したユーザが、アンテナユニット4を伸長させることにより、地デジ受信の改善が図られる。一方、LTE通信では、単位時間当たりの処理能力、つまりスループットなどの低下判断が容易でない。たとえば、携帯端末装置202がアンテナユニット4とは異なる他のLTE通信用アンテナを含むと、他のLTE通信用アンテナがLTE通信を維持し、ユーザによる処理能力の低下判断が難しくなる。第3の実施の形態によれば、プロセッサ216による自動切り替えにより、ユーザの操作によらずにLTE通信が良好な状態に維持される。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、LTE通信を開始する時に、アンテナユニット4の伸長を促すメッセージを表示させる。メッセージの表示を契機として、アンテナユニット4が伸長される。このアンテナユニット4の伸長により、収納時よりも高いアンテナの効率が確保され、アンテナユニット4が共振する周波数の帯域幅が広帯域になる。
図25はメッセージの表示の一例を示している。メッセージ252は、ディスプレイ220に表示されている。メッセージ252は、アンテナユニット4の伸長を促すメッセージであって、たとえば「アンテナを外に伸ばすとファイルや動画のダウンロードが高速になります」である。メッセージ252の下側には、問い合わせ254とともにチェックボックス256が表示されている。問い合わせ254はメッセージ252の表示の要否の問い合わせであって、たとえば「今後表示しない」である。ディスプレイ220が操作され、チェックボックス256がチェックされると、このチェック情報がメモリ218に記憶される。その他の構成は第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に、スイッチ18、34、40および接続切替部110の切り替え処理について図26を参照する。図26は、アンテナ装置の接続を切り替える切替処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、たとえば携帯端末装置202が起動している間、繰り返し実行される。
地デジ受信かを判断するステップ(ステップS31)および地デジ受信からLTE通信に切り替える場合のステップ(ステップS32からステップS36)は、第3の実施の形態で既述したステップS11からステップS16と同様であり、その説明を省略する。
地デジ受信でない場合(ステップS31のNo)、プロセッサ216は、LTE通信かを判断する(ステップS37)。LTE通信でない場合(ステップS37のNo)、プロセッサ216は、地デジ受信の判断(S31)と、LTE通信の判断(S37)とを繰り返す。
LTE通信である場合(ステップS37のYes)、プロセッサ216は、メッセージ252の表示であるかを判断する(ステップS38)。この判断は、問い合わせ254に対するチェックボックス256のチェック情報により行われる。チェック情報がメモリ218に記憶されている場合、プロセッサ216は、メッセージ252の表示が不要であると判断し(ステップS38のNo)、ステップS40へ移行する。
チェック情報がメモリ218に記憶されていない場合、プロセッサ216は、メッセージ252の表示であると判断する(ステップS38のYes)。プロセッサ216は、ディスプレイ220にメッセージ252、問い合わせ254およびチェックボックス256を表示する(ステップS39)。メッセージ252の表示が不要であるとき(ステップS38のNo)、またはメッセージ画面を表示した後、プロセッサ216は、スイッチ18を接続状態にし、スイッチ34を切断状態にする操作指示を行う(ステップS40)。操作指示に基づいて、スイッチ駆動回路230はスイッチ18、34を切り替える。斯かる切り替えにより、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続され、モノポールが形成される。
周波数f2の使用かを判断するステップ(ステップS41)からLTE通信を行うステップ(ステップS36)は、第3の実施の形態で既述したステップS19からステップS16と同様であり、その説明を省略する。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態から第3の実施の形態で既述した効果に加え、LTE通信を開始しようとした時点で、メッセージ252を表示し、アンテナの伸長をユーザに促すことができる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態について、図27を参照する。図27に示す携帯端末装置302は、アンテナユニット4およびアンテナ312を備えている。アンテナ312は、LTE通信用アンテナであって、携帯端末装置302の下部に設置されている。アンテナ312はたとえばLTE通信のメインアンテナに設定され、アンテナユニット4はたとえばLTE通信のサブアンテナに設定される。
その他の構成は第1ないし第4の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態から第4の実施の形態で既述した効果に加え、複数のLTE通信用アンテナを備えることで、たとえば、携帯端末装置302をMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術に対応させることができる。MIMO技術への対応により、複数のアンテナによるデータの送信または受信が可能になり、スループットの向上または信号品質の向上などが図られる。また、アンテナ312はアンテナユニット4から離れた位置に設置されるので、アンテナ312およびアンテナユニット4がお互いに影響を及ぼすことが抑制される。
以上説明した実施の形態について、その特徴事項や変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、電子機器として携帯端末装置の例を示したが、複数のアンテナを備える装置であれば良く、携帯端末装置に限定されない。上記実施の形態では、地デジの受信およびLTE通信を行う例を示したが、他の放送の受信や通信であってもよい。電子機器は、設置型のテレビ受像機、録画装置、ゲーム機、パーソナルコンピュータなどであってもよい。これらの電子機器が複数の周波数に共振するアンテナ装置を備え、地デジ、衛生放送、ラジオ放送などの放送受信、または無線LAN、WiFi、セルラー方式などの無線通信から選択される複数の機能を行ってもよい。また、セルラー方式による無線通信は、LTE通信に限らず、第3世代、第4世代、または第5世代などの各世代の通信であってもよい。
(2) 上記実施の形態では、LTEアンテナ16の共振時に地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とを併用してLTE通信の周波数f2、f3、f4に共振させたが、2つのアンテナを併用して共振させればよく、周波数f2、f3、f4の共振に限らない。地デジアンテ14の共振時に地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とを併用して地デジの周波数f1に共振させてもよい。2つのアンテナの併用によりアンテナの体積拡大が可能であり、放射抵抗を大きくすることができる。
(3) 上記実施の形態では、アンテナユニット4はスイッチ18、34、40を含んでいるが、スイッチ18、34、40の一部を省略してもよい。たとえば、スイッチ34の省略により信号源36がアンテナユニット4に接続された状態でLTE通信が行われてもよい。スイッチ40に代えて接続導体などの接続部を設置し、アンテナユニット4を収納しているときに折り返しモノポールアンテナのみを形成するようにしてもよい。また、スイッチ40を省略し、アンテナユニット4を収納しているときにモノポールアンテナのみを形成するようにしてもよい。斯かる構成であっても地デジアンテナ14をLTE通信に用いることができ、LTE通信用アンテナの体積を拡大することができる。
(4) 上記実施の形態では、LTE通信と地デジ受信とを行うときに、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16切断したが、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16を接続して、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16を併用してもよい。たとえば図28に示すように、地デジ受信に対し、スイッチ18、34は接続状態である。2つのアンテナの併用によりアンテナの体積拡大が可能であり、放射抵抗を大きくすることができる。
(5) 上記実施の形態では、反射電力を用いて接続切替部110を切り替えたが、適切な整合回路に切り替えられれば他の形態であってもよい。たとえば、プロセッサ216が、アプリケーションソフト234の実行状況から地デジおよびLTE通信の使用を把握し、検出センサなどにより地デジアンテナ14の伸長または収納を把握して、整合回路を切り替えるようにしてもよい。
(6) 上記実施の形態では、地デジ用信号回路212、LTE用信号回路214、プロセッサ216、メモリ218、ディスプレイ220、スピーカ222、およびマイクロホン224が携帯端末装置202側に設置された。また、カプラ226、電力測定回路228およびスイッチ駆動回路230が携帯端末装置202側に設置された。一方でアンテナ装置104が地デジ用信号回路212、LTE用信号回路214、プロセッサ216、メモリ218、ディスプレイ220、スピーカ222、マイクロホン224、カプラ226、電力測定回路228およびスイッチ駆動回路230を含んでもよい。
(7) 上記実施の形態では、アンテナユニット4がサブアンテナとして機能し、アンテナ312がメインアンテナとして機能したが、アンテナユニット4がメインアンテナとして機能し、アンテナ312がサブアンテナとして機能してもよい。
(8) 上記実施の形態で示した整合回路107、108−1、108−2、108−3、108−4、108−5、108−6、108−7、108−8、108−9は一例であり、信号源36、38とアンテナユニット4を整合させる回路であれば良い。アンテナユニット4の設置環境、共振させる信号の周波数、アンテナユニット4の形態の変形に応じて整合回路は調整または変形される。本開示の技術の範囲には、調整または変形後の整合回路が含まれることはもちろんである。
(9) 上記実施の形態では、地デジアンテナ14とLTEアンテナ16とが接続されて、併用されたが、複数のアンテナが接続および併用されれば良く、3つ以上のアンテナが接続され、併用されてもよい。複数のアンテナの接続がアンテナの体積を拡大させ、放射抵抗を大きくすることができる。
(10) 上記の実施の形態で既述した電力測定回路228は、反射電力の測定結果を接続切替部110の他にプロセッサ216に出力してもよい。プロセッサ216は電力測定回路228から測定結果を取得することで反射電力が大きいか小さいかを把握することができる。プロセッサ216は電力測定回路228の測定結果を用いてLTE通信を開始させることができる。
次に、以上述べた実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。以下の付記に本開示の技術が限定されるものではない。
(付記1) 第1の周波数に対する第1のアンテナと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に対する第2のアンテナとを含み、前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの共振時、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナを併用し、前記第1の周波数または前記第2の周波数に共振させることを特徴とするアンテナ装置。
(付記2) 前記第1のアンテナは長さが変わる可変長エレメントであり、前記第2のアンテナは長さが固定されている固定長エレメントであることを特徴とする付記1記載のアンテナ装置。
(付記3) 前記第1のアンテナが移動または伸縮することを特徴とする付記1または2記載のアンテナ装置。
(付記4) 前記第1のアンテナの一端を接地しまたは開放させる切替部を含むことを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記5) 前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとを接続しまたは切断する切替部とを含むことを特徴とする付記1ないし4のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記6) 前記第2の周波数の共振に用いられる複数の整合回路を含み、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの併用に応じて前記複数の整合回路を切り替えることを特徴とする付記1ないし5のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記7) 前記複数の整合回路を含み、前記第2の周波数の共振に用いられる整合部と、前記第2のアンテナから反射される反射電力を測定する測定部を含み、前記整合部は、前記測定部の測定結果に基づき、複数の整合回路を切り替えることを特徴とする付記1ないし5のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記8) 前記第1のアンテナおよび前記接地は、筐体に設置された導通ねじおよびホルダ部を介して接続されることを特徴とする付記4ないし7のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記9) 前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、筐体に設置された導通ねじおよびホルダ部を介して接続されることを特徴とする付記1ないし8のいずれかに記載のアンテナ装置。
(付記10) 第1の周波数に対する第1のアンテナと、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に対する第2のアンテナとを含み、前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナの共振時、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナとを併用し、前記第1の周波数と前記第2の周波数に共振させることを特徴とする電子機器。
(付記11) 前記第1のアンテナの伸長を促すメッセージを表示する表示部を含むことを特徴とする付記10に記載の電子機器。
以上説明したように、本開示の技術の実施の形態について説明したが、本開示の技術は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された技術の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本開示の技術の範囲に含まれることは言うまでもない。