JP6135443B2 - 鋼片の検査・手入れ支援装置及び鋼片の検査・手入れ方法 - Google Patents
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Description
このため、2次検査・手入れ工程における作業を効率的に精度良く行うことが求められている。
前述した特許文献2に記載の技術のように、検出された表面疵の位置情報を表示するのみでは、検出された表面疵が1次検査・手入れ工程で切削されたか否かが明確でないため、表示された表面疵の全てを入念に検査する必要が生じ、作業効率が低下するおそれがある。一方、切削された箇所の位置情報を表示するのみでは、例えば、1次検査・手入れ工程で表面疵が検出されたにも関わらず、手入れに用いる切削装置の不具合等によって切削除去されなかった表面疵が残存する場合に、その表面疵を2次検査・手入れ工程で見逃すおそれがある。
しかしながら、本発明に係る鋼片の検査・手入れ支援装置によれば、前述のように、1次検査・手入れ工程で検出された表面疵の位置情報と切削された箇所の位置情報とが同時に表示されるため、例えば、1次検査・手入れ工程で検出されたけれども、切削されていない箇所に存在する表面疵を識別することができ、この表面疵を2次検査・手入れ工程で重点的に検査・手入れすることで、高精度且つ高効率に検査・手入れ作業を行うことが可能である。
なお、本発明に係る鋼片の検査・手入れ支援装置が備える記憶装置と表示装置とは、別体であっても良いし、一体化されている(表示装置が記憶装置の機能を兼ね備える)構成であっても良い。記憶装置と表示装置とが別体である場合、表示装置は、前述のように2次検査・手入れ工程に設けられる一方、記憶装置は、例えば1次検査・手入れ工程に設けることができる。記憶装置と表示装置とが一体化されている場合、記憶装置の機能を兼ね備えた表示装置は、2次検査・手入れ工程に設けられる。また、記憶装置と表示装置とが一体化されている場合、本発明における「表示装置は、前記識別子と紐付けられた表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを前記記憶装置から受信し」とは、一体化された装置の中で表示装置の機能を奏する部分(表示部)が、記憶装置の機能を奏する部分(記憶部)から各位置情報を受信することを意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る支援装置100は、鋼片Bの表面疵検査を行い、該検査によって検出された表面疵を切削によって手入れする1次検査・手入れ工程P1に設けられた記憶装置1と、1次検査・手入れ工程P1を経た鋼片Bを磁粉探傷法により目視検査し、切削によって手入れする2次検査・手入れ工程P2に設けられた表示装置2とを備えている。すなわち、本実施形態では、記憶装置1と表示装置2とが別体とされている。また、本実施形態に係る支援装置100は、好ましい構成として、2次検査・手入れ工程P2に設けられ、鋼片Bの長手方向切削位置を通り鋼片Bの長手方向に直交する方向に延びるスリット光SLを照射する光照射装置5を備えている。さらに、本実施形態に係る支援装置100は、好ましい構成として、鋼片Bの長手方向の変位を測定するためのレーザ距離計8を備えている。
自動磁粉探傷装置3によって検出された表面疵情報(本実施形態では、検出された表面疵の位置情報だけでなく、検出された表面疵の種類毎の個数も含む)、及び、自動切削装置4によって切削された箇所の位置情報(以下、適宜、「切削位置情報」と略称する)は、記憶装置1に送信される。本実施形態の記憶装置1は、プロセスコンピュータから構成されている。
そして、本実施形態では、自動磁粉探傷装置3で鋼片Bに表面疵検査を行う前に、ラベルLを読み取り、ラベルLに含まれる鋼片Bの識別子及び検査面情報(検査面の向きを表す情報)を記憶装置1に送信する。具体的には、撮像装置5によってラベルLを撮像し、画像解析装置6で撮像画を解析することで、ラベルLに含まれる識別子及び検査面情報を抽出して、記憶装置1に送信する。例えば、撮像装置5によって図2(a)に示す状態のラベルLを撮像したのであれば、自動磁粉探傷装置3ではまず最初に上面を検査するという情報が記憶装置1に送信されることになる。
表示装置2が具備するプロセスコンピュータ21には、鋼片Bの識別子と紐付けられた鋼片Bの検査面毎の表面疵情報と切削位置情報とが記憶装置1から送信され、記憶されている。
なお、本実施形態の表示装置2は、好ましい構成として、2次検査・手入れ工程P2に設けられた光照射装置7によって照射されるスリット光SLの位置を表面疵情報及び切削位置情報と共に表示するように構成されている。具体的には、2次検査・手入れ工程P2に設けられたレーザ距離計8によって、鋼片Bの長手方向の変位を測定し、その測定結果をプロセスコンピュータ21に送信する。プロセスコンピュータ21は、レーザ距離計8で測定した鋼片Bの長手方向の変位と、光照射装置7の配置位置とに基づき、光照射装置7によって照射されたスリット光SLの位置(鋼片Bの長手方向端面からの距離)を演算し、鋼片Bの表面疵情報と切削位置情報と共にモニタ22に表示させる。
図3に示すように、表示装置2(モニタ22)には、対象となっている鋼片Bの識別子(図3に示す例では、鋼片Noの枠内の数字)が表示される。また、表面疵情報として、1次検査・手入れ工程P1において検出された表面疵の位置情報(図3において斜線のハッチングを施された領域)が各検査面毎に表示される。また、表面疵情報として、1次検査・手入れ工程P1において検出された表面疵の種類(図3に示す例では、割れ疵、ヘゲ、大欠陥の3種類)毎の個数が各検査面毎に表示される。また、1次検査・手入れ工程P1における切削位置情報(図3において太線の枠で囲った領域)が各検査面毎に表示される。さらには、2次検査・手入れ工程P2に設けられた光照射装置7によって照射されるスリット光SLの位置(2次検査・手入れ工程P2において、鋼片Bの切削を実施しようとする位置。図3において鋼片Bの端面から4m近辺に表示されているハッチングを施された領域)が表示される。このスリット光SLの位置は、2次検査・手入れ工程P2において鋼片Bの切削を行う際に、鋼片Bを長手方向に搬送することで鋼片Bに対して相対的に移動するため、モニタ22に表示されるスリット光SLの位置も移動することになる。
検出された表面疵の位置情報を表示するのみでは、検出された表面疵が1次検査・手入れ工程P1で切削されたか否かが明確でないため、表示された表面疵の全てを入念に検査する必要が生じ、作業効率が低下するおそれがある。一方、切削された箇所の位置情報を表示するのみでは、例えば、1次検査・手入れ工程P1で表面疵が検出されたにも関わらず、手入れに用いる切削装置の不具合等によって切削除去されなかった表面疵が残存する場合に、その表面疵を2次検査・手入れ工程P2で見逃すおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る支援装置100及びこれを用いた鋼片Bの検査・手入れ方法によれば、前述のように、1次検査・手入れ工程P1で検出された表面疵の位置情報と切削された箇所の位置情報とが同時に表示されるため、例えば、1次検査・手入れ工程P1で検出されたけれども、切削されていない箇所に存在する表面疵を識別することができ、この表面疵を2次検査・手入れ工程P2で重点的に検査・手入れすることで、高精度且つ高効率に検査・手入れ作業を行うことが可能である。
2・・・表示装置
3・・・自動磁粉探傷装置
4・・・自動切削装置
7・・・光照射装置
8・・・レーザ距離計
21・・・プロセスコンピュータ
22・・・モニタ
23・・・バーコード読取装置
100・・・鋼片の検査・手入れ支援装置
B・・・鋼片
SL・・・スリット光
P1・・・1次検査・手入れ工程
P2・・・2次検査・手入れ工程
Claims (5)
- 鋼片の表面疵検査を行い、該検査によって検出された表面疵を切削によって手入れする1次検査・手入れ工程で得られた情報を受信可能な記憶装置と、
前記1次検査・手入れ工程を経た鋼片を磁粉探傷法により目視検査し、切削によって手入れする2次検査・手入れ工程に設けられた表示装置とを備え、
前記記憶装置は、前記1次検査・手入れ工程で検出された表面疵の位置情報と切削された箇所の位置情報とを鋼片の識別子と紐付けて記憶し、
前記表示装置は、前記識別子と紐付けられた表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを前記記憶装置から受信し、該受信した位置情報の中から、前記2次検査・手入れ工程において入力された識別子に紐付けられた表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを抽出して同時に表示することを特徴とする鋼片の検査・手入れ支援装置。 - 前記2次検査・手入れ工程に設けられ、鋼片の長手方向切削位置を通り該鋼片の長手方向に直交する方向に延びるスリット光を照射する光照射装置を更に備え、
前記表示装置は、前記光照射装置によって照射されるスリット光の位置を前記表面疵の位置情報及び前記切削箇所の位置情報と共に表示することを特徴とする請求項1に記載の鋼片の検査・手入れ支援装置。 - 鋼片の表面疵検査を行い、該検査によって検出された表面疵を切削によって手入れする1次検査・手入れ工程と、
前記1次検査・手入れ工程を経た鋼片を磁粉探傷法により目視検査し、切削によって手入れする2次検査・手入れ工程とを含み、
前記1次検査・手入れ工程において、検出された表面疵の位置情報と切削された箇所の位置情報とを鋼片の識別子と紐付けて記憶し、
前記2次検査・手入れ工程において、前記1次検査・手入れ工程で前記識別子と紐付けられた表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを受信し、該受信した位置情報の中から、入力された識別子に紐付けられた表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを抽出して同時に表示することを特徴とする鋼片の検査・手入れ方法。 - 前記2次検査・手入れ工程において、鋼片の長手方向切削位置を通り該鋼片の長手方向に直交する方向に延びるスリット光を照射すると共に、該照射されるスリット光の位置を前記表面疵の位置情報と前記切削箇所の位置情報と共に表示することを特徴とする請求項3に記載の鋼片の検査・手入れ方法。
- 前記1次検査・手入れ工程は、
鋼片の長手方向端面に予め貼り付けられた該鋼片の識別子と該鋼片の検査面の向きを表す情報とを含むラベルを読み取る工程と、
前記ラベルを読み取った後、前記鋼片の表面疵検査を行い、該検査によって検出された表面疵を切削によって手入れする工程と、
検出された表面疵の位置情報と切削された箇所の位置情報とを、前記読み取ったラベルに含まれる前記鋼片の識別子と前記鋼片の検査面の向きを表す情報とに基づき、前記鋼片の識別子と紐付けて該鋼片の検査面毎に記憶する工程と、
前記ラベルと同種のラベルを前記表面疵検査及び手入れを行った後の鋼片の長手方向端面に貼り付ける工程とを含み、
前記2次検査・手入れ工程は、
前記1次検査・手入れ工程で前記識別子と紐付けられた前記鋼片の検査面毎の表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを受信する工程と、
前記ラベルを読み取る工程と、
前記読み取ったラベルに含まれる識別子に基づき、前記受信した位置情報の中から、前記読み取ったラベルに含まれる識別子に紐付けられた前記鋼片の検査面毎の表面疵の位置情報と切削箇所の位置情報とを抽出して同時に表示する工程とを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の鋼片の検査・手入れ方法。
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