JP6135317B2 - 車両の操舵角推定装置 - Google Patents

車両の操舵角推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6135317B2
JP6135317B2 JP2013124559A JP2013124559A JP6135317B2 JP 6135317 B2 JP6135317 B2 JP 6135317B2 JP 2013124559 A JP2013124559 A JP 2013124559A JP 2013124559 A JP2013124559 A JP 2013124559A JP 6135317 B2 JP6135317 B2 JP 6135317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
different diameter
wheel
diameter ratio
value
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013124559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015000589A (ja
Inventor
飛鳥 尾之上
飛鳥 尾之上
哲雄 山瀬
哲雄 山瀬
礼治 小林
礼治 小林
一也 新村
一也 新村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2013124559A priority Critical patent/JP6135317B2/ja
Priority to CN201410244548.0A priority patent/CN104228941B/zh
Priority to DE102014211131.5A priority patent/DE102014211131B4/de
Publication of JP2015000589A publication Critical patent/JP2015000589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6135317B2 publication Critical patent/JP6135317B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D15/00Steering not otherwise provided for
    • B62D15/02Steering position indicators ; Steering position determination; Steering aids
    • B62D15/021Determination of steering angle
    • B62D15/024Other means for determination of steering angle without directly measuring it, e.g. deriving from wheel speeds on different sides of the car

Description

本発明は、車両の操舵角推定装置に関し、詳しくは、車両の操舵角を車輪の回転速度から推定する操舵角推定装置に関する。
主駆動輪に対し副駆動輪の駆動力を制御する四輪駆動方式の車両においては、前後輪回転速度差(ΔN)に応じて主駆動輪に対する副駆動輪の駆動力配分量の決定(フィードバック制御)が行われている場合が多い。
四輪駆動性能を向上させるためには、エンジントルクに応じた駆動力配分量の決定(フィードフォワード制御)を追加して行う必要があるが、フィードフォワード制御を採用するためには操舵角を検出する必要がある。これは、操舵角が大きいときには駆動力配分量を減少させ、タイトコーナーブレーキングの発生を抑制することにより、タイトコーナーブレーキングに伴う旋回性能の低下や騒音、振動の発生及び駆動系への過負荷を防止するためである。
しかしながら、操舵角を検出する舵角センサは、主に舵角センサの情報が不可欠である車両走行安定補助システムの為に設置される装置であり、舵角センサを必須としない四輪駆動方式の為に設置することはコストの観点から困難である。
そのため、車両走行安定補助システムを備えていない舵角センサの無い車両においてはフィードフォワード制御を採用することができなかった。
ところで、特許文献1には、後輪左右車輪速の差から操舵角を推定する操舵角推定制御と、イグニッションオン時の操舵角と現在の操舵角との差を検出可能なレゾルバ信号を利用し、操舵角推定制御により得られた操舵角とレゾルバ信号による回転角との差に基づいてレゾルバ信号による回転角の補正量を算出するレゾルバ信号中点学習制御と、を備えることにより操舵角を得ることが記載されている。
この方法により、舵角センサがない車両でもフィードフォワード制御を採用することが可能となり、フィードバック制御のみを採用した四輪駆動方式に対して四輪駆動性能を向上させることが可能となった。
特開2013−28244号公報
特許文献1の操舵角推定制御は、後輪左右車輪の回転速度の差から操舵角を推定する制御方法である。このため、タイヤ空気圧低下、磨耗、異種タイヤの組み付けなどの理由により後輪左右のタイヤ径に差がある場合、このタイヤ径差により左右の車輪の回転速度に差が発生し、操舵角の推定値に誤差が発生するという課題があった。
そこで、本発明は、前後左右のいずれか1輪に他の3輪に対して異径のタイヤが取り付けられた場合でも、異径輪の回転速度を補正して、誤差のない操舵角の推定値を算出できる車両の操舵角推定装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、前側左車輪の回転速度を検出する前側左車輪速検出部と、前側右車輪の回転速度を検出する前側右車輪速検出部と、後側左車輪の回転速度を検出する後側左車輪速検出部と、後側右車輪の回転速度を検出する後側右車輪速検出部と、を備える車両に搭載され、前側または後側の左右の車輪の回転速度に基づいて操舵角を推定する推定操舵角計算部を備える操舵角推定装置であって、前記前後左右の各車輪の回転速度に基づいて異径率を算出して異径な車輪を判定する異径率算出部と、前記異径率算出部が算出した異径率に基づいて前記異径な車輪の回転速度を補正する車輪速補正部と、を備え、前記異径率算出部は、予め設定された時間間隔で前記異径率の算出を行い、前記前後左右の各車輪が異径であると判定した回数をカウントし、前記カウントの値が予め設定された値以上となり、前記異径率の離散度合いが予め設定された値より小さい場合、前記車輪速補正部により前記異径率の平均値を用いて異径な車輪の回転速度を補正することを特徴とするものである。
このように、上記の第1の態様によれば、推定操舵角の誤差を抑えることができ、四輪駆動性能を向上させることができる。
また、異径な車輪の判定精度を上げることができるとともに、補正の信頼性を向上させることができる。

図1は、本発明の第1実施形態に係る操舵角推定装置を示す図であり、その概念ブロック図である。 図2は、その処理手順を実行する際の情報のやり取りを説明するシステム入出力図である。 図3は、その処理手順中の旋回判定処理の手順を説明するフローチャートである。 図4は、その処理手順中の異径率算出処理の手順を説明するフローチャートである。 図5は、その処理手順中の異径率算出処理の判定実施条件で参照する値を示すグラフである。 図6は、その処理手順中の異径輪の車輪速補正処理の手順を説明するフローチャートである。 図7は、その処理手順中の推定操舵角更新判定処理の手順を説明するフローチャートである。 図8は、本発明の第2実施形態に係る操舵角推定装置を示す図であり、その処理手順中の異径率算出処理の手順を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図7は本発明の第1実施形態に係る操舵角推定装置を示す図である。
(第1実施形態)
図1において、車両1は四輪駆動方式の車両であり、前部にエンジン2とトランスミッション3とを横置き状態に搭載し、フロントディファレンシャル4(図中ではトランスファ9の下部に位置する)に主駆動軸である前側左車軸5及び前側右車軸6の内端を連結し、前側左車軸5及び前側右車軸6の外端にそれぞれ主駆動輪である前側左車輪7及び前側右車輪8を取り付けている。
また、車両1は、トランスミッション3にトランスファ9を連結し、トランスファ9にプロペラシャフト10の前端を連結している。
プロペラシャフト10は、後端をトルク配分用クラッチ11を介してリアディファレンシャル12に連結している。
リアディファレンシャル12には、副駆動軸である後側左車軸13及び後側右車軸14の内端を連結し、後側左車軸13及び後側右車軸14の外端にそれぞれ副駆動輪である後側左車輪15及び後側右車輪16を取り付けている。
エンジン2の発生する駆動トルクは、トランスミッション3、フロントディファレンシャル4を介して前側左車軸5及び前側右車軸6に伝達され、前側左車輪7及び前側右車輪8を主駆動輪として駆動する。
そのエンジン2の発生する駆動トルクは、トランスファ9で取り出され、プロペラシャフト10により駆動力配分手段であるトルク配分用クラッチ11に伝達される。
トルク配分用クラッチ11は、エンジン2からの駆動力を車両1の走行状態に応じて、前側左車輪7及び前側右車輪8と後側左車輪15及び後側右車輪16へと配分する。
トルク配分用クラッチ11により後側左車輪15及び後側右車輪16へと配分された駆動力は、リアディファレンシャル12を介して後側左車軸13及び後側右車軸14に伝達され、後側左車輪15及び後側右車輪16を副駆動輪として駆動する。
また、車両1には、車両用制御装置17と、エンジン制御装置25と、トランスミッション制御装置26と、アンチロックブレーキ制御装置27と、電動パワーステアリング制御装置28と、コンビネーションメータ29と、が搭載され、CAN(Controller Area Network)通信することにより協働して効率よく安定して走行することを実現するようになっている。
車両用制御装置17には、駆動選択スイッチ24が直接に接続されている。
エンジン制御装置25は、エンジン2の駆動を制御して効率よく走行することを実現する。また、エンジン制御装置25は、アクセルペダル32に設けたアクセル開度センサ33によるアクセル開度情報、ブレーキペダル34に設けたストップランプスイッチ35によるストップランプスイッチ情報、エンジン2のエンジン回転速度情報を受信し、車両用制御装置17に出力するようになっている。
トランスミッション制御装置26は、車速やアクセル開度、不図示のシフトレバーによって選択される走行レンジなどに応じてトランスミッション3を制御して変速比を自動的に切り換える。このトランスミッション制御装置26は、シフトレバーの選択位置に応じたシフトポジション情報を車両用制御装置17に出力するようになっている。
アンチロックブレーキ制御装置27は、車輪7、8、15、16がロック傾向になったとき、あるいは車輪7、8、15、16がスリップしたときに制動力を減少させる制御を行うようになっている。
このアンチロックブレーキ制御装置27は、前側左車輪速検出センサ36が検出した前側左車輪7の回転速度を示す前側左車輪速情報と、前側右車輪速検出センサ37が検出した前側右車輪8の回転速度を示す前側右車輪速情報と、後側左車輪速検出センサ38が検出した後側左車輪15の回転速度を示す後側左車輪速情報と、後側右車輪速検出センサ39が検出した後側右車輪16の回転速度を示す後側右車輪速情報と、を受信し、車両用制御装置17に出力するようになっている。すなわち、前側左車輪速検出センサ36が前側左車輪速検出部、前側右車輪速検出センサ37が前側右車輪速検出部、後側左車輪速検出センサ38が後側左車輪速検出部、後側右車輪速検出センサ39が後側右車輪速検出部を構成する。
また、アンチロックブレーキ制御装置27は、アンチロックブレーキ制御を実行しているか否かを示すアンチロックブレーキ制御実行中情報を車両用制御装置17に出力するようにもなっている。
電動パワーステアリング制御装置28は、車両1の操舵力をモータによって軽減するようになっている。この電動パワーステアリング制御装置28は、運転者によるステアリングホイール40の操舵をアシストするモータ41の回転角を検出するレゾルバ42からの回転角情報を受信し、車両用制御装置17に出力するようになっている。
駆動選択スイッチ24は、四輪駆動スイッチ30と、ロックスイッチ31と、を備え(図2参照)、四輪駆動スイッチ30の操作による四輪駆動情報及びロックスイッチ31の操作によるロック情報を車両用制御装置17に出力するようになっている。
そして、車両用制御装置17は、予め格納されている制御プログラムを実行して設定パラメータや各種センサの検出情報に基づいて、車両1の各部を制御して安定した走行を実現させるようになっている。
また、車両用制御装置17は、図2に示すように、駆動力配分制御部18、駆動系保護制御部19、車両運転協調制御部20、CAN通信機能部21、フェイルセーフ制御部22、セルフダイアグノーシス機能部23、推定操舵角計算部43、異径率算出部44、旋回判定部45、車輪速補正部46、としても機能するようになっている。すなわち、車両用制御装置17が操舵角推定装置として機能する。
この車両用制御装置17は、入力される各種情報に基づいて、駆動力配分制御部18により決定された駆動力配分量となるようトルク配分用クラッチ11の締結力を制御し、前側左車輪7及び前側右車輪8と後側左車輪15及び後側右車輪16へエンジン2の駆動力を走行状態に応じて配分する。
また、車両用制御装置17は、車両運動協調制御部20により操舵をアシストするモータ41の駆動力・ブレーキやエンジン出力・トルク配分用クラッチ11の締結力を協調制御し、車両1の走行を安定させる。
さらに、車両用制御装置17は、CAN通信機能部21によってエンジン制御装置25に駆動モード情報を出力し、コンビネーションメータ29に四輪駆動表示灯・ロック表示警告灯の点火要求情報を出力し、駆動系保護制御部19とフェイルセーフ制御部22とセルフダイアグノーシス機能部23としての処理を行う。
旋回判定部45としては、各車輪速検出センサ36〜39が検出した各車輪7、8、15、16の回転速度に基づいて車両1が旋回中か否かを判定するようになっている。
異径率算出部44としては、各車輪速検出センサ36〜39が検出した各車輪7、8、15、16の回転速度に基づいて後側左右車輪15、16の異径率を算出し、後側左右車輪15、16のどちらが異径かを判定するようになっている。
車輪速補正部46としては、異径率算出部44が異径と判定した車輪の回転速度を、異径率算出部44が算出した異径率に基づいて補正するようになっている。
推定操舵角計算部43としては、車輪速補正部46が補正した回転速度に基づいて推定操舵角を算出するようになっている。
旋回判定部45は、図3のフローチャートに示す処理を予め設定された一定の時間間隔(例えば1ms)で実行し、実行時の判定結果により記憶しているカウンタ値を更新し、カウンタ値の状態により旋回中か否かを判定するようになっている。
詳細には、まず、旋回判定部45は、以下の式(1)が成立しているか否かにより右旋回状態か否かを判定する(ステップS11)。
前側左車輪回転速度>後側左車輪回転速度>前側右車輪回転速度>後側右車輪回転速度…(1)
式(1)が成立している場合、旋回判定部45は、旋回判定右フラグに「1」を設定し(ステップS12)、成立していない場合は、旋回判定右フラグに「0」を設定する(ステップS13)。
次いで、旋回判定部45は、以下の式(2)が成立しているか否かにより左旋回状態か否かを判定する(ステップS14)。
前側左車輪回転速度<後側左車輪回転速度<前側右車輪回転速度<後側右車輪回転速度…(2)
式(2)が成立している場合、旋回判定部45は、旋回判定左フラグに「1」を設定し(ステップS15)、成立していない場合は、旋回判定左フラグに「0」を設定する(ステップS16)。
次いで、旋回判定部45は、後側左車輪速検出センサ38により検出された後側左車輪速から車速を仮に算出し、後側右車輪速検出センサ39により検出された後側右車輪速から車速を仮に算出し、後側左車輪速から算出した車速と、後側右車輪速から算出した車速と、の平均値を車速として算出する(ステップS17)。
次いで、旋回判定部45は、算出した車速が、所定車速以上であるか否かを判定する(ステップS18)。
車速が所定車速以上であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS19)、「1」であると判定した場合、旋回判定右Hカウンタの値を「1」加算する(ステップS20)。
ステップS19において、旋回判定右フラグが「0」であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Hカウンタの値を「1」減算する(ステップS21)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定右Hカウンタの値が第1カウント数以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
旋回判定右Hカウンタの値が第1カウント数以上であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Hフラグに「1」を設定する(ステップS23)。
ステップS22において、旋回判定右Hカウンタの値が第1カウント数未満であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Hフラグに「0」を設定する(ステップS24)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定左フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS25)、「1」であると判定した場合、旋回判定左Hカウンタの値を「1」加算する(ステップS26)。
ステップS25において、旋回判定左フラグが「0」であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Hカウンタの値を「1」減算する(ステップS27)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定左Hカウンタの値が第1カウント数以上であるか否かを判定する(ステップS28)。
旋回判定左Hカウンタの値が第1カウント数以上であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Hフラグに「1」を設定する(ステップS29)。
ステップS28において、旋回判定左Hカウンタの値が第1カウント数未満であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Hフラグに「0」を設定する(ステップS30)。
このステップS19からステップS30の処理により車速が所定車速以上の場合の右旋回または左旋回の検出を行っている。ステップS11、ステップS14での右旋回または左旋回の判定の差が第1カウント数以上となると旋回していると判断しフラグを「1」にしている。
なお、上記の所定車速や判定回数の差の第1カウント数の値は、適宜変更可能である。車速が比較的速い場合に旋回と判定するのに十分な車速と回数であればよい。
ステップS18において、車速が所定車速未満であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS31)、「1」であると判定した場合、旋回判定右Lカウンタの値を「1」加算する(ステップS32)。
ステップS31において、旋回判定右フラグが「0」であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Lカウンタの値を「1」減算する(ステップS33)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定右Lカウンタの値が第2カウント数以上であるか否かを判定する(ステップS34)。
旋回判定右Lカウンタの値が第2カウント数以上であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Lフラグに「1」を設定する(ステップS35)。
ステップS34において、旋回判定右Lカウンタの値が第2カウント数未満であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定右Lフラグに「0」を設定する(ステップS36)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定左フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS37)、「1」であると判定した場合、旋回判定左Lカウンタの値を「1」加算する(ステップS38)。
ステップS37において、旋回判定左フラグが「0」であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Lカウンタの値を「1」減算する(ステップS39)。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定左Lカウンタの値が第2カウント数以上であるか否かを判定する(ステップS40)。
旋回判定左Lカウンタの値が第2カウント数以上であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Lフラグに「1」を設定する(ステップS41)。
ステップS40において、旋回判定左Lカウンタの値が第2カウント数未満であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定左Lフラグに「0」を設定する(ステップS42)。
このステップS31からステップS42の処理により車速が所定車速未満の場合の右旋回または左旋回の検出を行っている。ステップS11、ステップS14での右旋回または左旋回の判定の差が第2カウント数以上となると旋回していると判断しフラグを「1」にしている。なお、判定回数の差の第2カウント数の値は、適宜変更可能である。車速が比較的遅い場合に旋回と判定するのに十分な回数であればよい。
次いで、旋回判定部45は、旋回判定右Hフラグ、旋回判定左Hフラグ、旋回判定右Lフラグ、旋回判定左Lフラグのいずれかが「1」であるか否かにより旋回中か否かを判定する(ステップS43)。
いずれかが「1」であると判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定フラグに「1」を設定する(ステップS44)。
ステップS43において、いずれも「1」でないと判定した場合、旋回判定部45は、旋回判定フラグに「0」を設定する(ステップS45)。
以上のような処理により、旋回判定部45は、旋回中と判定した場合には旋回判定フラグに「1」を設定し、旋回中でないと判定した場合には旋回判定フラグに「0」を設定する。この旋回判定フラグは、並行して実行される異径率算出部44の異径率算出処理で参照される。
異径率算出部44は、図4のフローチャートに示す処理を予め設定された一定の時間間隔(例えば1ms)で実行し、異径の判定と異径な車輪の回転速度の補正を行うようになっている。なお、各実行時にその時の瞬時値や積算値、平均値、異径比率などを記憶しておき次回実行時に前回実行時の値として利用するようになっている。
具体的には、まず、異径輪の判定を実施するか否かの条件の判定を行う(ステップS51)。
ここでは、以下の(ア)〜(オ)の条件を全て満たす場合、異径輪の判定を実施する。
(ア)後輪左右回転平均値>所定回転平均値
異径率算出部44は、後輪左右回転平均値として、後側左車輪速検出センサ38により検出された後側左車輪速と、後側右車輪速検出センサ39により検出された後側右車輪速と、を加算して2で割った値を算出して判定する。
(イ)低速走行用のギアポジションではないこと
異径率算出部44は、トランスミッション制御装置26が検出したシフトポジション情報から判定する。低速走行用のギアポジションではないとは、例えば、1速や2速といった低速走行用のギアが選択されていないことである。これは、低速走行用のギアポジションの選択時に、駆動トルクが大きいときに前輪が早く回る状況での判定を除外するためである。
上記のシフトポジション判定は、エンジン回転速度および車速といった車両情報からシフトポジションを判定する方法であってもよい。
(ウ)アクセル開度<所定アクセル開度
異径率算出部44は、アクセル開度センサ33によるアクセル開度情報から判定する。
(エ)旋回判定部45が判定した旋回判定フラグが「0」
異径率算出部44は、旋回判定部45が判定して設定した旋回判定フラグを判定する。
(オ)前輪左右回転差比率<前輪左右回転差比率許容値(図5のグラフのように後輪車速に応じた値)
異径率算出部44は、前輪左右回転差比率として、前側左車輪速検出センサ36が検出した前側左車輪速と、前側右車輪速検出センサ37が検出した前側右車輪速と、により(3)の式を使って前輪左右回転差比率を算出して判定する。
前輪左右回転差比率=ABS(1−前側右車輪速/前側左車輪速)…(3)
ABS(x)は、xの絶対値を表す。
前輪左右回転差比率許容値は、後側左車輪速検出センサ38が検出した後側左車輪速と、後側右車輪速検出センサ39が検出した後側右車輪速と、から算出した左右の後輪車速の平均値により図5のグラフから値を求める。
上記(ア)〜(オ)のいずれかを満たさないと判定した場合、異径輪の判定は実施せず今回の処理を終了する。
ステップS51において、(ア)〜(オ)の全ての条件を満たすと判定した場合、異径率算出部44は、後側左車輪15と後側右車輪16のどちらが異径か異径輪の判定を行う(ステップS52)。
ここでは、前側左車輪速検出センサ36が検出した前側左車輪速と、前側右車輪速検出センサ37が検出した前側右車輪速と、を加算して2で割った値を前輪左右回転平均値として算出する。
この後、前輪左右回転平均値と、後側左車輪速検出センサ38により検出された後側左車輪速と、後側右車輪速検出センサ39により検出された後側右車輪速と、により下記の(4)、(5)の式を使ってそれぞれ後輪左異径率と後輪右異径率とを算出する。
後輪左異径率=ABS(1−後側左車輪速/前輪左右回転平均値)…(4)
後輪右異径率=ABS(1−後側右車輪速/前輪左右回転平均値)…(5)
ABS(x)は、xの絶対値を表す。
算出した異径率を比較し、異径率が大きい方の車輪が異径であると判定する。
ステップS52において、後側左車輪15が異径であると判定した場合、異径率算出部44は、後側右車輪16に対する異径率の平均値である異径率平均値を算出し、今回の異径率と異径率平均値との差分(絶対値)の平均値である異径率差分平均値を算出し、異径率平均値から補正量として異径比率を求め、異径率差分平均値により異径率の離散度合いを判定する。
具体的には、異径率算出部44は、後側左車輪15が異径と判定した回数を積算する左後輪異径判定回数積算値を「1」カウントアップする(ステップS53)。
次いで、異径率算出部44は、後側左車輪速検出センサ38が検出した後側左車輪速を、後側右車輪速検出センサ39が検出した後側右車輪速で割った値を左後輪異径率瞬時値として算出し(ステップS54)、左後輪異径率瞬時値を積算する左後輪異径率瞬時値積算値に今回の左後輪異径率瞬時値を加算する(ステップS55)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS55で算出した左後輪異径率瞬時値積算値を、ステップS53で算出した左後輪異径判定回数積算値で割った値を左後輪異径率平均値とし、前回までの値を更新する(ステップS56)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS56で算出した左後輪異径率平均値からステップS54で算出した今回の左後輪異径率瞬時値を引いた値の絶対値を左後輪異径率差分瞬時値として算出し(ステップS57)、左後輪異径率差分瞬時値を積算する左後輪異径率差分瞬時値積算値に今回の左後輪異径率差分瞬時値を加算する(ステップS58)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS58で算出した左後輪異径率差分瞬時値積算値を、ステップS53で算出した左後輪異径判定回数積算値で割った値を左後輪異径率差分平均値とし、前回までの値を更新する(ステップS59)。
次いで、異径率算出部44は、1からステップS56で算出した左後輪異径率平均値を引いた値の絶対値を左後輪異径比率として算出する(ステップS60)。
また、ステップS52において、後側右車輪16が異径であると判定した場合、異径率算出部44は、ステップS53からステップS60と同様の処理を後側右車輪16について実行して、異径比率と異径率差分平均値を算出する。
すなわち、異径率算出部44は、後側右車輪16が異径と判定した回数を積算する右後輪異径判定回数積算値を「1」カウントアップし(ステップS61)、後側右車輪速を後側左車輪速で割って右後輪異径率瞬時値を算出し(ステップS62)、右後輪異径率瞬時値積算値に今回の値を加算し(ステップS63)、右後輪異径率瞬時値積算値を右後輪異径判定回数積算値で割った値を右後輪異径率平均値として前回までの値を更新する(ステップS64)。
次いで、異径率算出部44は、右後輪異径率平均値から今回の右後輪異径率瞬時値を引いた値の絶対値を右後輪異径率差分瞬時値として算出し(ステップS65)、右後輪異径率差分瞬時値積算値に今回の右後輪異径率差分瞬時値を加算し(ステップS66)、右後輪異径率差分瞬時値積算値を右後輪異径判定回数積算値で割った値を右後輪異径率差分平均値として前回までの値を更新し(ステップS67)、1から右後輪異径率平均値を引いた値の絶対値を右後輪異径比率として算出する(ステップS68)。
そしてこの後に、異径率算出部44は、左後輪または右後輪の異径判定回数積算値(積算回数)が第1積算回数以上であるか否かを判定する(ステップS69)。なお、第1積算回数の値は適宜変更可能である。異径であると判定するのに十分な回数であればよい。
左後輪および右後輪のどちらの積算回数も第1積算回数に満たないと判定した場合、異径率算出部44は、左後輪および右後輪のどちらも異径ではないとし、今回の処理を終了する。
ステップS69において、左後輪または右後輪の積算回数が第1積算回数以上と判定した場合、積算回数が第1積算回数以上となっている車輪を異径であるとし、異径率算出部44は、これ以降の処理を積算回数が第1積算回数以上となっている車輪について実行する。
異径率算出部44は、異径率の離散度合いを示す異径率差分平均値を参照し、異径率差分平均値が第1異径率差分平均値より小さい場合は補正を行い、異径率差分平均値が第2異径率差分平均値(第2異径率差分平均値>第1異径率差分平均値)より大きい場合は補正を行わず記憶している値をリセットする。異径率差分平均値が第1異径率差分平均値以上第2異径率差分平均値以下の場合は補正を行うには異径率の離散度合いが若干大きいので積算回数を第2積算回数(第2積算回数>第1積算回数)まで延ばして離散度合いが収束するかを判断する。
すなわち、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径率差分平均値が第1異径率差分平均値より小さいか否かにより異径率の離散度合いが補正を実施してよい程度かを判定する(ステップS70)。なお、第1異径率差分平均値の値は適宜変更可能である。補正を実施するのに十分な離散度合いの小ささであればよい。
異径率差分平均値が第1異径率差分平均値より小さいと判定した場合、異径率算出部44は、車輪速補正部46に補正対象の車輪の識別情報やその車輪の異径比率などの情報を入力して異径とした車輪の回転速度を補正し(ステップS71)、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS74)、今回の処理を終了する。なお、車輪速補正部46による補正処理の詳細については後述する。
ステップS70において、異径率差分平均値が第1異径率差分平均値以上と判定した場合、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径率差分平均値が第2異径率差分平均値より大きいか否かにより異径率の離散度合いが補正できない程度かを判定する(ステップS72)。なお、第2異径率差分平均値の値は適宜変更可能である。補正を実施するのには不十分な離散度合いの大きさで、経過を見るとするのに適切な値であればよい。
異径率差分平均値が第2異径率差分平均値より大きいと判定した場合、異径率算出部44は、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS74)、今回の処理を終了する。
ステップS72において、異径率差分平均値が第2異径率差分平均値以下と判定した場合、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径の判定回数の積算値が第2積算回数以上か否かを判定する(ステップS73)。なお、第2積算回数の値は適宜変更可能である。異径率の離散度合いの経過を見るのに十分な回数であればよい。
積算回数が第2積算回数以上であると判定した場合、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS74)、今回の処理を終了する。
ステップS73において、積算回数が第2積算回数に満たないと判定した場合、離散度合いの経過を見るため、記憶している値のリセットは行わず今回の処理は終了する。
ところで、車輪速補正部46は、異径率算出部44から入力される補正対象の車輪の識別情報やその車輪の異径比率などの情報に基づいて補正対象の車輪の車輪速を補正する。
なお、各実行時にその時の補正量を記憶しておき次回実行時に前回実行時の値として利用するようになっており、補正量は各車輪毎に記憶するようになっている。また、前回補正量の初期値は「1」であり、前回補正量が「1」であれば初回補正時であり、前回補正量リセット時には「1」を設定するようになっている。
車輪速補正部46は、他の車輪に対する異径比率を参照し、異径比率が第1異径比率以上であれば補正を実行し、異径比率が第2異径比率(第2異径比率<第1異径比率)より小さければ補正の必要は無いと判断する。異径比率が第1異径比率より小さく第2異径比率以上の場合、現時点での補正は必要ないと判断して異径輪補正処理は行わないが、次回以降の補正に備え算出した異径率平均値を前回補正量として記憶しておく。
具体的には、図6のフローチャートに示すように、補正対象の車輪の異径比率が第1異径比率以上か否か判定する(ステップS81)。なお、第1異径比率の値は適宜変更可能である。補正の必要があると判断できる値であればよい。
異径比率が第1異径比率以上と判定した場合、車輪速補正部46は、記憶している前回の補正対象の車輪の補正量を参照し、前回補正量が1であれば初回補正時として今回の異径率平均値を補正量とする。
前回補正量が1以外であれば2回目以降の補正時として、例えば以下の式(6)により補正量を算出する。
補正量=0.8×異径率平均値+(1−0.8)×前回補正量…(6)
これは、2回目以降の補正時には、前回の補正量を加味しての補正が行われる。なお、0.8の値は適宜変更可能である。今回の異径率平均値と前回の補正量との配分が適切になるような値であればよい。
車輪速補正部46は、異径と判定された車輪の車輪速を算出した補正量で除算して車輪速を補正する(ステップS82)。
例えば、後側左車輪15が異径であると判定された場合、以下の式(7)により車輪速を補正する。
後側左車輪速/補正量=補正後後側左車輪速…(7)
ステップS82において、補正を行わない側の車輪の補正量は1とする。
ステップS81において、異径比率が第1異径比率に満たないと判定した場合、車輪速補正部46は、異径比率が第2異径比率以上か否かを判定する(ステップS83)。なお、第2異径比率の値は適宜変更可能である。今後補正が必要になりそうかどうかの境界値であればよい。
異径比率が第2異径比率以上と判定した場合、車輪速補正部46は、異径と判定された車輪の車輪速の補正は行わないが、補正対象の車輪の前回補正量を今回の異径率平均値で更新する(ステップS84)。
ステップS83において、異径比率が第2異径比率に満たないと判定した場合、車輪速補正部46は、補正の必要は無く、今後も補正の可能性は低いと判断し、異径と判定された車輪の車輪速の補正は行わないとともに、補正対象の車輪の前回補正値に1を設定して補正量のリセットを行う(ステップS85)。
また、推定操舵角計算部43は、予め設定された時間間隔で推定操舵角を算出し、保存している前回以前の推定操舵角を今回の推定操舵角で更新するかを判定し、その結果により保存している推定操舵角を更新するようになっている。
なお、後側左車輪速検出センサ38により検出された後側左車輪速と、後側右車輪速検出センサ39により検出された後側右車輪速には、異径率算出部44で異径と判定されていれば異径輪補正部46で補正された回転速度が設定されている。
具体的には、推定操舵角計算部43は、前側左車輪速検出センサ36により検出された前側左車輪速と、前側右車輪速検出センサ37により検出された前側右車輪速とから、前側左右輪回転差を算出する。
また、推定操舵角計算部43は、後側左車輪速検出センサ38により検出された後側左車輪速と、後側右車輪速検出センサ39により検出された後側右車輪速とから、後側左右輪回転差を算出する。
また、後側左車輪速から車速を仮に算出し、後側右車輪速からも車速を仮に算出し、後側左車輪速から算出した車速と、後側右車輪速から算出した車速と、の平均値を車速とする。
そして、推定操舵角計算部43は、算出した後側左右輪回転差と、車速と、から以下の式(8)により推定操舵角を算出する。
推定操舵角=後側左右輪回転差/(変換係数×車速)…(8)
ここで、式中の「変換係数」は、車両1によって決まる定数である。
次に、推定操舵角計算部43は、図7のフローチャートに示すように、まず、車速が予め設定された閾値を越えているか否かにより極低速判定を行う(ステップS91)。
次いで、推定操舵角計算部43は、今回算出した推定操舵角と、保存している前回以前の値と、の変化率が予め設定された閾値未満か否かにより推定操舵角信頼性判定を行う(ステップS92)。
次いで、推定操舵角計算部43は、前側左右輪回転差と後側左右輪回転差の差分が予め設定された閾値未満か否かによりグリップ限界判定を行う(ステップS93)。閾値以上であればグリップ限界以上であり、閾値未満であればグリップ限界内であると判定する。
この後に、推定操舵角計算部43は、極低速判定と、推定操舵角信頼性判定と、グリップ限界判定と、の全ての条件が成立したか否かにより推定操舵角更新条件の判定を行う(ステップS94)。
全ての条件が成立している場合(車速が閾値を超えており、且つ変化率が閾値未満であり、且つ前側左右輪回転差と後側左右輪回転差の差分が閾値未満である場合)、推定操舵角計算部43は、推定操舵角を更新し(ステップS95)、いずれかの条件が成立していなかった場合(車速が閾値以下か、または変化率が閾値以上か、または前側左右輪回転差と後側左右輪回転差の差分が閾値以上である場合)、推定操舵角を更新せずに前回の値を保持する(ステップS96)。
したがって、各車輪の回転速度から後輪左右の車輪の異径率を算出し、その異径率に基づいて異径な車輪を判定し、算出した異径率に基づいて異径な車輪の回転速度を補正しているので、補正された回転速度で操舵角の推定を行うことができ、推定操舵角の誤差を抑えることができる。
また、異径であると判定された回数が第1積算回数以上となったところで、異径率の離散度合いが小さい場合のみ回転速度の補正を行っているので、確実に異径な車輪を判定することができるとともに、補正の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、後輪の左右輪回転差により操舵角を推定したが、前輪の左右輪回転差により、同様に操舵角を推定することもできる。
(第2実施形態)
次に、図8は本発明の第2実施形態に係る操舵角推定装置を示す図である。ここで、本実施形態は上述実施形態と略同様に構成されているので、図面を流用して同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
図1における異径率算出部44は、各車輪速検出センサ36〜39が検出した各車輪7、8、15、16の回転速度に基づいて前側左右車輪7、8の異径率を算出し、前側左右車輪7、8のどちらが異径かを判定するようになっている。
具体的には、図8のフローチャートに示す処理を予め設定された一定の時間間隔(例えば1ms)で実行して、異径の判定と異径な車輪の回転速度の補正を行うようになっている。なお、各実行時にその時の瞬時値や積算値、平均値、異径比率などを記憶しておき次回実行時に前回実行時の値として利用するようになっている。
まず、異径率算出部44は、上述の実施形態と同様に、異径輪の判定を実施するか否かの(ア)〜(オ)の条件の全てを満たしているか否かの判定を行う(ステップS51)。
(ア)〜(オ)のいずれかを満たさないと判定した場合、異径輪の判定は実施せず今回の処理を終了する。
(ア)〜(オ)の全てを満たすと判定した場合、異径率算出部44は、前側左車輪7と前側右車輪8のどちらが異径か異径輪の判定を行う(ステップS101)。
ここでは、後側左車輪速検出センサ38が検出した後側左車輪速と後側右車輪速検出センサ39が検出した後側右車輪速と、を加算して2で割った値を後輪左右回転平均値として算出する。
この後、後輪左右回転平均値と、前側左車輪速検出センサ36により検出された前側左車輪速と、前側右車輪速検出センサ37により検出された前側右車輪速と、により下記の(9)、(10)の式を使ってそれぞれ前輪左異径率と前輪右異径率とを算出する。
前輪左異径率=ABS(1−前側左車輪速/後輪左右回転平均値)…(9)
前輪右異径率=ABS(1−前側右車輪速/後輪左右回転平均値)…(10)
ABS(x)は、xの絶対値を表す。
算出した異径率を比較し、異径率が大きい方の車輪が異径であると判定する。
ステップS101において、前側左車輪7が異径であると判定した場合、異径率算出部44は、前側右車輪8に対する異径率の平均値である異径率平均値を算出し、今回の異径率と異径率平均値との差分(絶対値)の平均値である異径率差分平均値を算出し、異径率平均値から補正量として異径比率を求め、異径率差分平均値により異径率の離散度合いを判定する。
具体的には、異径率算出部44は、前側左車輪7が異径と判定した回数を積算する左前輪異径判定回数積算値を「1」カウントアップする(ステップS102)。
次いで、異径率算出部44は、前側左車輪速検出センサ36が検出した前側左車輪速を、前側右車輪速検出センサ37が検出した前側右車輪速で割った値を左前輪異径率瞬時値として算出し(ステップS103)、左前輪異径率瞬時値を積算する左前輪異径率瞬時値積算値に今回の左前輪異径率瞬時値を加算する(ステップS104)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS104で算出した左前輪異径率瞬時値積算値を、ステップS102で算出した左前輪異径判定回数積算値で割った値を左前輪異径率平均値とし、前回までの値を更新する(ステップS105)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS105で算出した左前輪異径率平均値からステップS103で算出した今回の異径率瞬時値を引いた値の絶対値を左前輪異径率差分瞬時値として算出し(ステップS106)、左前輪異径率差分瞬時値を積算する左前輪異径率差分瞬時値積算値に今回の左前輪異径率差分瞬時値を加算する(ステップS107)。
次いで、異径率算出部44は、ステップS106で算出した左前輪異径率差分瞬時値積算値を、ステップS102で算出した左前輪異径判定回数積算値で割った値を左前輪異径率差分平均値とし、前回までの値を更新する(ステップS108)。
次いで、異径率算出部44は、1からステップS105で算出した左前輪異径率平均値を引いた値の絶対値を左前輪異径比率として算出する(ステップS109)。
ステップS101において、前側右車輪8が異径であると判定した場合、異径率算出部44は、ステップS102からステップS109と同様の処理を前側右車輪8について実行して、異径比率と異径率差分平均値を算出する。
すなわち、異径率算出部44は、前側右車輪8が異径と判定した回数を積算する右前輪異径判定回数積算値を「1」カウントアップし(ステップS110)、前側右車輪速を前側左車輪速で割って右前輪異径率瞬時値を算出し(ステップS111)、右前輪異径率瞬時値積算値に今回の値を加算し(ステップS112)、右前輪異径率瞬時値積算値を右前輪異径判定回数積算値で割った値を右前輪異径率平均値として前回までの値を更新する(ステップS113)。
次いで、異径率算出部44は、右前輪異径率平均値から今回の右前輪異径率瞬時値を引いた値の絶対値を右前輪異径率差分瞬時値として算出し(ステップS114)、右前輪異径率差分瞬時値積算値に今回の値を加算し(ステップS115)、右前輪異径率差分瞬時値積算値を右前輪異径判定回数積算値で割った値を右前輪異径率差分平均値として前回までの値を更新し(ステップS116)、1から右前輪異径率平均値を引いた値の絶対値を右前輪異径比率として算出する(ステップS117)。
そしてこの後に、異径率算出部44は、左前輪または右前輪の異径判定回数積算値(積算回数)が第1積算回数以上であるか否かを判定する(ステップS118)。
左前輪および右前輪のどちらの積算回数も第1積算回数に満たないと判定した場合、左後輪および右後輪のどちらも異径ではないとし、異径率算出部44は、今回の処理を終了する。
ステップS118において、左前輪または右前輪の積算回数が第1積算回数以上と判定した場合、積算回数が第1積算回数以上となっている車輪を異径であるとし、異径率算出部44は、これ以降の処理を積算回数が第1積算回数以上となっている車輪について実行する。
まず、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径率差分平均値が第1異径率差分平均値より小さいか否かにより異径率の離散度合いが補正を実施してよい程度かを判定する(ステップS119)。
異径率差分平均値が第1異径率差分平均値より小さいと判定した場合、異径率算出部44は、上述実施形態と同様に車輪速補正部46に補正対象の車輪の識別情報やその車輪の異径比率などの情報を入力して異径とした車輪の回転速度を補正し(ステップS71)、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS122)、今回の処理を終了する。
ステップS119において、異径率差分平均値が第1異径率差分平均値以上と判定した場合、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径率差分平均値が第2異径率差分平均値より大きいか否かにより異径率の離散度合いが補正できない程度かを判定する(ステップS120)。
異径率差分平均値が第2異径率差分平均値より大きいと判定した場合、異径率算出部44は、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS122)、今回の処理を終了する。
ステップS120において、異径率差分平均値が第2異径率差分平均値以下と判定した場合、異径率算出部44は、異径とした車輪の異径の判定回数の積算値が第2積算回数以上か否かを判定する(ステップS121)。
積算回数が第2積算回数以上であると判定した場合、異径率算出部44は、記憶している積算値や平均値の値を全てゼロにリセットし(ステップS122)、今回の処理を終了する。
ステップS121において、積算回数が第2積算回数に満たないと判定した場合、離散度合いの経過を見るため、記憶している値のリセットは行わず今回の処理は終了する。
したがって、各車輪の回転速度から前輪左右の車輪の異径率を算出し、その異径率に基づいて異径な車輪を判定し、算出した異径率に基づいて異径な車輪の回転速度を補正しているので、補正された回転速度で操舵角の推定を行うことができ、推定操舵角の誤差を抑えることができる。
なお、後輪の異径判定と補正の処理と前輪の異径判定と補正の処理とで実施形態を分けて説明したが、後輪の処理も前輪の処理も実行するようにしてもよい。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
7 前側左車輪
8 前側右車輪
15 後側左車輪
16 後側右車輪
17 車両用制御装置
25 エンジン制御装置
26 トランスミッション制御装置
27 アンチロックブレーキ制御装置
28 電動パワーステアリング制御装置
36 前側左車輪速検出センサ
37 前側右車輪速検出センサ
38 後側左車輪速検出センサ
39 後側右車輪速検出センサ
43 推定操舵角計算部
44 異径率算出部
45 旋回判定部
46 車輪速補正部

Claims (1)

  1. 前側左車輪の回転速度を検出する前側左車輪速検出部と、
    前側右車輪の回転速度を検出する前側右車輪速検出部と、
    後側左車輪の回転速度を検出する後側左車輪速検出部と、
    後側右車輪の回転速度を検出する後側右車輪速検出部と、を備える車両に搭載され、
    前側または後側の左右の車輪の回転速度に基づいて操舵角を推定する推定操舵角計算部を備える操舵角推定装置であって、
    前記前後左右の各車輪の回転速度に基づいて異径率を算出して異径な車輪を判定する異径率算出部と、
    前記異径率算出部が算出した異径率に基づいて前記異径な車輪の回転速度を補正する車輪速補正部と、を備え
    前記異径率算出部は、予め設定された時間間隔で前記異径率の算出を行い、前記前後左右の各車輪が異径であると判定した回数をカウントし、前記カウントの値が予め設定された値以上となり、前記異径率の離散度合いが予め設定された値より小さい場合、前記車輪速補正部により前記異径率の平均値を用いて異径な車輪の回転速度を補正することを特徴とする車両の操舵角推定装置。
JP2013124559A 2013-06-13 2013-06-13 車両の操舵角推定装置 Active JP6135317B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013124559A JP6135317B2 (ja) 2013-06-13 2013-06-13 車両の操舵角推定装置
CN201410244548.0A CN104228941B (zh) 2013-06-13 2014-06-04 车辆的转向角推定装置
DE102014211131.5A DE102014211131B4 (de) 2013-06-13 2014-06-11 Vorrichtung zur Schätzung des Lenkwinkels für ein Kraftfahrzeug

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013124559A JP6135317B2 (ja) 2013-06-13 2013-06-13 車両の操舵角推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015000589A JP2015000589A (ja) 2015-01-05
JP6135317B2 true JP6135317B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=52009978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013124559A Active JP6135317B2 (ja) 2013-06-13 2013-06-13 車両の操舵角推定装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6135317B2 (ja)
CN (1) CN104228941B (ja)
DE (1) DE102014211131B4 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6502984B2 (ja) * 2017-03-16 2019-04-17 株式会社Subaru 車両の制御装置
CN111801564B (zh) * 2018-03-02 2023-04-11 沃尔沃卡车集团 用于轮胎故障检测的装置、方法和计算机可读存储介质
CN110274589B (zh) * 2018-03-15 2021-07-30 阿里巴巴(中国)有限公司 一种定位方法及装置
JP7327109B2 (ja) * 2019-11-25 2023-08-16 株式会社アドヴィックス 車両の制動制御装置
US11654956B2 (en) * 2019-12-23 2023-05-23 Robert Bosch Gmbh Method and system for steering intervention by electronic power steering unit to prevent vehicle rollover or loss of control
WO2021210373A1 (ja) * 2020-04-14 2021-10-21 三菱自動車工業株式会社 車両制御装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4418070C1 (de) 1994-05-24 1995-10-12 Daimler Benz Ag Verfahren zum Abgleichen der Raddrehzahlen für ein Kraftfahrzeug
JPH1159358A (ja) * 1997-08-22 1999-03-02 Toyota Motor Corp タイヤ異径判定装置
DE19831732A1 (de) 1998-07-15 2000-01-20 Bayerische Motoren Werke Ag Verfahren zur Bestimmung der Profiltiefe bei einem Fahrzeugreifen
DE10003564A1 (de) 2000-01-27 2001-08-02 Mercedes Benz Lenkungen Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Ermittlung eines Lenkwinkels eines Kraftfahrzeugs ohne separaten Lenkwinkelsensor
JP3822042B2 (ja) * 2000-09-06 2006-09-13 株式会社日立製作所 異径タイヤ判別方法および駆動力配分制御装置
SE525774C2 (sv) * 2002-09-13 2005-04-26 Volvo Construction Equipmeny H Förfarande, anordning samt datorprogramprodukt för styrning av ett fordon
JP4167959B2 (ja) 2003-09-25 2008-10-22 日本精工株式会社 車両用操舵角推定装置
JP4029856B2 (ja) * 2004-03-26 2008-01-09 トヨタ自動車株式会社 車輌の挙動制御装置
JP4367402B2 (ja) * 2005-11-02 2009-11-18 トヨタ自動車株式会社 車両の操舵制御装置
JP4709804B2 (ja) * 2007-06-01 2011-06-29 本田技研工業株式会社 車輪径のばらつき検出装置
JP5321177B2 (ja) * 2009-03-18 2013-10-23 日産自動車株式会社 車両用操舵装置及び車両用操舵方法
JP5769132B2 (ja) * 2011-07-28 2015-08-26 スズキ株式会社 車両用制御装置
KR20130048411A (ko) * 2011-11-02 2013-05-10 주식회사 만도 조향각 추정 장치 및 그 방법

Also Published As

Publication number Publication date
DE102014211131B4 (de) 2019-02-14
DE102014211131A1 (de) 2014-12-18
CN104228941B (zh) 2017-04-12
JP2015000589A (ja) 2015-01-05
CN104228941A (zh) 2014-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6135317B2 (ja) 車両の操舵角推定装置
US7395142B2 (en) Counter steer detecting method
CN111332276B (zh) 车辆干扰检测设备
JP5827059B2 (ja) 路面摩擦係数推定装置、駆動力配分制御装置、及び四輪駆動車
JP5769132B2 (ja) 車両用制御装置
JP5240778B2 (ja) パーソナルビークル制御装置
US20180118220A1 (en) Vehicle attitude control system
JP2007216942A (ja) 横すべり角推定装置、自動車、及び横すべり角推定方法
JP6779379B2 (ja) 車両制御装置
JP2010285987A (ja) 二輪自動車のトラクション制御システムおよび制御方法
JP2000275270A (ja) ヨーレート推定装置
EP3339118B1 (en) Vehicle stability control device
KR20190143646A (ko) 차량용 조향 제어방법
KR20200032815A (ko) 후륜조향시스템의 제어방법
JP5640930B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
KR20160062622A (ko) 차량 속도 추정 방법 및 시스템
JP3319989B2 (ja) 車両の運動制御装置におけるセンサ検出値補正装置
JP4980261B2 (ja) 路面摩擦係数設定装置
JP5768865B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
KR101945480B1 (ko) 트랙터 및 트랙터 제어 방법
JP6641715B2 (ja) 道路勾配推定装置及び道路勾配推定方法
JP2016190604A (ja) 道路勾配推定装置及び道路勾配推定方法
JP5895865B2 (ja) 操舵装置
JP2006345626A (ja) 駆動輪速度補正方法及び装置
JP2017223612A (ja) 加速度センサ補正装置および加速度センサ補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170410

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6135317

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151