JP6135286B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置とその製造方法に関する。
トランジスタのチャネルの材料としてはシリコンが用いられることが多いが、シリコンに代わる材料としてグラフェンが注目されている。グラフェンは、炭素原子がsp2結合により六角形格子に並んだ原子層であり、層中における電子の散乱を抑制した場合には室温でも200000cm2V-1s-1を超える非常に大きな電子移動度を達成することが可能である。
グラフェン自体はバンドギャップがない半金属物質であるが、幅が数nm程度の矩形状に整形されたグラフェンは半導体となることが知られている。このような矩形状のグラフェンはグラフェンナノリボンとも呼ばれる。そのグラフェンナノリボンをトランジスタのチャネル層に使用すると、前述の大きな電子移動度によってトランジスタの高速化を実現できると期待されている。
但し、トランジスタのチャネル層に用いられるグラフェンナノリボンには、その特性を維持するという点において改善の余地がある。
特開2012−36040号公報
Philipp Wagner et al., "Ripple edge engineering of graphene nanoribbons", Physical Review B84, 134110 (2011) Nils Rosenkranz et al., "Ab initio calculation of edge-functionalized armchair graphene nanoribbons : Structural, electronic, and vibrational effects", Physical Review B84, 195438 (2011) Melinda. Y. Han et al., "Energy Band-Gap Engineering of Graphene Nanoribbons", Physical Review letter 98, 206805 (2007) Dmitry V. Kosynkin et al., "Longitudinal unzipping of carbon nanotubes to form graphene nanoribbons", Nature 458, 872 (2009) K. Nagashio et al., "Electrical transport properties of graphene on SiO2 with specific surface structure"
半導体装置とその製造方法において、チャネル層に用いられるグラフェンの特性を維持することを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、基板と、エーテル結合又はエステル結合によって前記基板に結合した第1の端部を備え、グラフェンを材料とするチャネル層とを有する半導体装置が提供される。
また、その開示の他の観点によれば、基板の表面をヒドロキシル基で終端する工程と、グラフェンを材料とするチャネル層の第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程と、前記ヒドロキシル基又は前記カルボキシル基で前記第1の端部を終端した後、該第1の端部と前記基板の前記表面とを脱水縮合させることにより、該第1の端部と該表面とを結合させる工程とを有する半導体装置の製造方法が提供される。
以下の開示によれば、エーテル結合やエステル結合によって基板にチャネル層を結合させる。これらの結合は、ファンデルワールス力のような分子間力と比較して結合力が高いため、基板からチャネル層が剥がれるのを防止して、基板の上でチャネル層の高い移動度を維持することが可能となる。
図1は、グラフェンナノリボンの斜視図である。 図2(a)は絶縁層の上にグラフェンナノリボンを設けた場合の断面図であり、図2(b)はグラフェンナノリボンに生じ得る問題について示す断面図である。 図3(a)、(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。 図4(a)は、端部がヒドロキシル基で終端されたチャネル層を上から見た場合の構造モデル図であり、図4(b)はそのチャネル層の側面図である。 図5(a)、(b)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の拡大断面図(その1)である。 図6は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の拡大断面図(その2)である。 図7は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中におけるチャネル層の全体の断面図である。 図8は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。 図9は、第1実施形態に係る半導体装置の製造途中の平面図である。 図10は、第1実施形態に係る半導体装置が備えるチャネル層とゲート絶縁層の各々の原子配置を第一原理計算によってシミュレーションして得られた側面図である。 図11は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。 図12(a)、(b)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の拡大断面図である。 図13は、第2実施形態に係る半導体装置の製造途中におけるチャネル層の全体の断面図である。 図14(a)、(b)は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。 図15(a)、(b)は、第3実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者の検討結果について説明する。
グラフェンナノリボンは電子移動度が高いため半導体装置の高速化に有用であると考えられる。
図1は、グラフェンナノリボンの斜視図である。
このグラフェンナノリボン1は、炭素原子がsp2結合により六角形格子に並んだ原子層であって、矩形状の平面形状を有する。グラフェンナノリボン1の高い移動度は、このような炭素原子のsp2結合のネットワークに由来すると考えられている。
半導体装置にグラフェンナノリボン1を用いる場合には、グラフェンナノリボン1を流れるキャリアがリークするのを防止するために、絶縁層の上にグラフェンナノリボン1を設けるのが好ましい。
図2(a)は、このように絶縁層の上にグラフェンナノリボン1を設けた場合の断面図である。
図2(a)の例では、シリコン基材2の上に絶縁層3として酸化シリコン層を形成してなる基板4を用意し、その基板4の上にグラフェンナノリボン1を設ける。なお、グラフェンナノリボン1を製造する際にはエチレン等の炭化水素を利用するため、グラフェンナノリボン1の端部1aは水素で終端されていることが多い。
この例においては、グラフェンナノリボン1は、絶縁層3の酸素との間の弱いファンデルワールス力によってのみ基板4と結合しており、基板4から簡単に剥がれてしまうおそれがある。
図2(b)は、グラフェンナノリボン1に生じ得る別の問題について示す断面図である。
絶縁層3としては酸化シリコン層のような酸化物層を形成することがあり、その酸化物層に由来した酸素の未結合手が絶縁層3の表面に存在していることがある。
この場合は、酸素の未結合手がグラフェンナノリボン1と強く結合し、酸素と結合した部分のグラフェンナノリボン1に炭素のsp3結合が形成される。
炭素のsp3結合は、グラフェンナノリボン1と基板4との結合強度を高めるものの、グラフェンナノリボン1の移動度を低下させてしまい、グラフェンナノリボン1を備えた半導体装置の高速化を妨げてしまう。
これらの問題に鑑み、本願発明者は以下の各実施形態に想到した。
(第1実施形態)
本実施形態では、以下のようにしてグラフェンナノリボンを備えた半導体装置を製造する。
図3(a)、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。
最初に、図3(a)の構造を得るまでの工程について説明する。
まず、グラファイトを劈開することにより炭素原子一層分のグラフェンシートを形成する。なお、グラファイトの劈開に代えて、CVD法によりグラフェンシートを形成してもよいし、レーザでカーボンナノチューブを引き裂いてグラフェンシートを形成してもよい。
そして、そのグラフェンシートをパターニングにより整形し、チャネル層10としてグラフェンナノリボンを形成する。チャネル層10は、平面視で矩形状であって、互いに離間した第1の端部10aと第2の端部10bとを有する。
また、チャネル層10の短手方向の幅Wが広いとチャネル層10は半導体にならずに半金属となってしまうので、幅Wを1nm〜10nm程度に狭くすることによりチャネル層10が半導体としての性質を示すようにするのが好ましい。
チャネル層10のバンドギャップEgの大きさは幅Wに反比例することが知られており、幅Wが1nmの場合にはバンドギャップEgは1.5eV〜3eVとなり、幅Wが10nmの場合にはバンドギャップEgは0.1eVとなる。なお、幅Wの下限を1nmとしたのは、これよりも幅Wが狭いとバンドギャップEgが大きくなりすぎてチャネル層10がほぼ絶縁体となってしまうからである。また、幅Wの上限を10nmとしたのは、これよりも幅Wが広いとバンドギャップEgが小さくなりすぎてオンオフ比が不十分となるからである。
更に、チャネル層10を形成した後に減圧雰囲気中においてチャネル層10に対してアニールを行うことにより、第1の端部10aや第2の端部10bの欠陥を修復したり、チャネル層10に含まれる不純物を除去したりしてもよい。なお、減圧雰囲気に代えて、還元性ガスや反応性ガスの雰囲気においてこのアニールを行ってもよい。
次に、図3(b)に示すように、ヒドロキシル基(OH基)を含む原料ガス14をチャネル層10に供給しながら、光源12で生成された紫外線Lをチャネル層10の各端部10a、10bに照射する。
ヒドロキシル基を含む原料ガス14は特に限定されないが、この例では飽和炭化水素ガス又は芳香族炭化水素ガスのいずれかを原料ガス14として使用する。そのような原料ガス14としては、例えば、気化したメタノールやフェノールがある。なお、原料ガス14に代えて水蒸気を用いてもよい。
また、紫外線照射の条件も特に限定されない。本実施形態では、波長が254nmの紫外線Lを発生する水銀ランプを光源12として用いると共に、その光源12とチャネル層10との間隔を0.1mm〜1000mm程度とする。
これにより、紫外線Lによって第1の端部10aと第2の端部10bの各々がラジカル化し、これらの端部10a、10bが原料ガス14のヒドロキシル基で終端されることになる。
図4(a)は、本工程を終了後のチャネル層10を上から見た場合の構造モデル図である。
図4(a)に示すように、本工程の終了時点においてはチャネル層10の第1の端部10aと第2の端部10bはヒドロキシル基11で終端された状態となる。
また、各端部10a、10bを終端する複数のヒドロキシル基11は、チャネル層10と同一面内にはなく、チャネル層10の上方uや下方dに変位する。
一方、図4(b)は、図4(a)の矢印A側から見た場合のチャネル層10の側面図である。
図4(b)に示すように、下方dに変位したヒドロキシル基11によってチャネル層10の中央部Cは水平面Pから離間する。
これ以降の工程について、図5〜図6を参照しながら説明する。
図5〜図6は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の拡大断面図である。
最初に、図5(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、p型シリコン基材15の上にゲート絶縁層16として膜厚が100nm程度の酸化シリコン層が形成された基板17を用意する。ゲート絶縁層16は酸化シリコン層に限定されず、アルミナ層等の任意の絶縁性酸化物層をゲート絶縁層16として形成し得る。
そして、アセトンとイソプロピルアルコールとの混合溶液に基板17を浸し、その混合溶液中において基板17に対して超音波洗浄を行う。更に、脱イオン加水で基板17をリンスし、N2ブローにより基板17の表面を乾燥させる。
その後に、フッ酸水溶液に基板17を浸すことによりゲート絶縁層16の表面をフッ酸水溶液に曝し、当該表面をヒドロキシル基18で終端する。
なお、この状態ではヒドロキシル基18の他に炭化水素等の不純物がゲート絶縁層16の表面に存在する。そこで、ゲート絶縁層16の表面を酸素プラズマに曝すことにより、ゲート絶縁層16の上の炭化水素等の不純物を除去する。
その酸素プラズマは、酸素ガスとアルゴンガスとを1:9の混合比で混合し、これらのガスを50cm3/minの流量で不図示のチャンバ内に供給して、チャンバに60Wの高周波電力を印加することで生成し得る。また、プラズマ処理の処理時間は、例えば10秒間である。
次に、図5(b)に示すように、図3(b)の工程で端部10a、10bがヒドロキシル基11で終端されたチャネル層10をゲート絶縁層16の上に転写する。転写の仕方は特に限定されない。例えば、接着テープの接着面にチャネル層10を接着した状態で、そのチャネル層10をゲート絶縁層16に押し当てることにより、ゲート絶縁層16にチャネル層10を転写し得る。
その後、図6に示すように、基板温度を約200℃とする条件でチャネル層10に対してアニールを行う。これにより、ゲート絶縁層16の表面と第1の端部10aの各々のヒドロキシル基11、18が脱水縮合し、エーテル結合21により第1の端部10aが基板17に結合する。
なお、この脱水縮合反応は可逆反応であるため、アニール雰囲気中に多量の水分が存在すると反応が逆方向に進みエーテル結合21を形成するのが難しくなる。そのため、乾燥窒素雰囲気や減圧雰囲気のように大気中よりも水分が低減された雰囲気でこのアニールを行うことにより、エーテル結合21の形成を促進するのが好ましい。
図7は、本工程を終了後のチャネル層10の全体の断面図である。
図7に示すように、本実施形態では、チャネル層10の第1の端部10aだけでなく、チャネル層10の第2の端部10bもエーテル結合21を介してゲート絶縁層16に結合する。
次に、図8に示す構造を得るまでの工程について説明する。図8は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
まず、不図示のメタルマスクを通してチャネル層10の上に蒸着法でソース電極25とドレイン電極26を互いに間隔をおいて形成する。これらの電極の材料は特に限定されない。例えば、ニッケル、パラジウム、白金、及び金のいずれかをソース電極25やドレイン電極26の材料として使用し得る。
図9は、本工程を終了した後の平面図である。なお、上記した図8は、図9のI−I線に沿う断面図に相当する。
図9に示すように、本実施形態では矩形状のチャネル層10の四辺のうち、二つの短辺10c、10dの各々に重なるようにソース電極25とドレイン電極26を形成する。これにより、前述のチャネル層10の端部10a、10bは、それぞれソース電極25からドレイン電極26に向かう方向Dに延び、これらの電極25、26の間においてゲート絶縁層16と結合することになる。
以上により、本実施形態に係る半導体装置30の基本構造が完成する。
この半導体装置30は、p型シリコン基材15がゲート電極として機能するトランジスタであって、そのp型シリコン基材15の電位を制御することによりチャネル層10をオン状態にしたりオフ状態にしたりすることができる。そのチャネル層10の材料は、キャリアの移動度がシリコンよりも高いグラフェンであるため、シリコンをチャネルとするトランジスタよりも高速動作が可能である。
本実施形態によれば、ファンデルワールス力のみによって基板にグラフェンナノリボンを結合させる図2(a)の例と異なり、エーテル結合21(図7参照)によって基板17にチャネル層10が強く結合する。これにより、基板17からチャネル層10が剥離するのを抑制することが可能となり、基板17の上でチャネル層10の高い移動度を維持することができる。
次に、本願発明者が行ったシミュレーションについて説明する。
図10は、上記のチャネル層10とゲート絶縁層16の各々の原子配置を第一原理計算によってシミュレーションして得られた側面図である。なお、そのシミュレーションにおいては、チャネル層10とゲート絶縁層16とを合わせた系全体のエネルギが最小になるような原子配置を計算した。
また、このシミュレーションにおいては、計算を容易に行うために、チャネル層10の第1の端部10aのみがゲート絶縁層16と結合し、第2の端部10bはゲート絶縁層16と結合していない条件下で計算を行った。
図4(a)、(b)に示したようにヒドロキシル基11で終端されたチャネル層10の各端部10a、10bは上下に変位するが、その構造は図9のようにゲート絶縁層16にチャネル層10が結合した状態でも安定的に維持される。
これにより、チャネル層10の中央部Cにおいては、当該チャネル層10とゲート絶縁層16との間隔Zが十分に大きくなり、中央部Cにおける炭素原子がゲート絶縁層16の表面の酸素の未結合手と結合するのを抑制できる。その結果、酸素との結合が原因でチャネル層10の炭素にsp3結合が形成されるのを防止できるようになり、そのsp3結合によってチャネル層10の移動度が低下するのを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態ではエーテル結合により基板にチャネル層を結合させたが、本実施形態ではエステル結合により基板にチャネル層を結合させる。
図11は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。なお、図10において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
本実施形態に係る半導体装置を製造するには、まず、第1実施形態の図3(a)の工程に従って矩形状のチャネル層10を作製する。
そして、図11に示すように、カルボキシル基(COOH基)を含む原料ガス24をチャネル層10に供給しながら、光源12で生成された紫外線Lをチャネル層10の各端部10a、10bに照射する。
カルボキシル基を含む原料ガス24としては飽和炭化水素ガスや芳香族炭化水素ガスがあり、本例では気化した酢酸を原料ガス24として使用する。
また、紫外線照射の条件も特に限定されない。本実施形態では、波長が254nmの紫外線Lを発生する水銀ランプを光源12として用いると共に、その光源12とチャネル層10との間隔を0.1mm〜1000mm程度とする。
これにより、紫外線Lによって第1の端部10aと第2の端部10bの各々がラジカル化し、これらの端部10a、10bが原料ガス24のカルボキシル基で終端されることになる。
これ以降の工程について、図12を参照しながら説明する。
図12(a)、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の拡大断面図である。
まず、第1実施形態の図5(a)の工程を行うことにより、図12(a)に示すように、基板17のゲート絶縁層16の表面をヒドロキシル基18で終端する。
そして、図11の工程で端部10a、10bがカルボキシル基19で終端されたチャネル層10をゲート絶縁層16の上に転写する。本工程は、第1実施形態と同様に、接着テープの接着面にチャネル層10を接着した状態で、そのチャネル層10をゲート絶縁層16に押し当てることにより行い得る。
次に、図12(b)に示すように、基板温度を約200℃とする条件でチャネル層10に対してアニールを行う。これにより、ゲート絶縁層16の表面のヒドロキシル基18と第1の端部10aのカルボキシル基19とが脱水縮合し、エステル結合23により第1の端部10aが基板17に結合する。
なお、第1実施形態で説明したように、乾燥窒素雰囲気や減圧雰囲気のように大気中よりも水分が低減された雰囲気でこのアニールを行うことで脱水縮合反応が逆方向に進行するのを防止し、エステル結合23の形成を促進するのが好ましい。
図13は、本工程を終了後のチャネル層10の全体の断面図である。
図13に示すように、本実施形態では、チャネル層10の第1の端部10aだけでなく、チャネル層10の第2の端部10bもエステル結合23を介してゲート絶縁層16に結合する。
この後は、第1実施形態に従って図8に示したような半導体装置30の基本構造を完成させるが、その詳細については省略する。
以上説明したように、本実施形態においてはエステル結合23で基板17にチャネル層10を強く結合させることができ、ファンデルワールス力のみに頼る図2(a)の例よりもチャネル層10と基板17との結合強度を高めることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態や第2実施形態では、図7や図13に示したように、チャネル層10の第1の端部10aと第2の端部10bの両方を基板17に結合させた。これに対し、本実施形態では、チャネル層の一つの端部のみを基板に結合させる。
図14(a)、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の斜視図である。
本実施形態に係る半導体装置を製造するには、まず、第1実施形態の図3(a)の工程に従って矩形状のチャネル層10を作製する。
そして、図14(a)に示すように、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等のマスク層27でチャネル層10の第2の端部10bを覆う。なお、チャネル層10の上にマスク層27を形成するのが容易となるように、不図示のステージの上にチャネル層10を載置した状態でマスク層27を形成するのが好ましい。また、そのマスク層27の成膜方法も特に限定されず、CVD法等の任意の成膜方法でマスク層27を形成し得る。
次に、図14(b)に示すように、マスク層27で第2の端部10bがマスクされた状態で、ヒドロキシル基を含む原料ガス14をチャネル層10に供給しながら、光源12で生成された紫外線Lをチャネル層10の第1の端部10aに照射する。その原料ガス14として、例えば気化したメタノールやフェノールがある。
なお、紫外線の照射条件は第1実施形態と同様なので、ここでは省略する。
第1実施形態で説明したように、このように紫外線を照射しながら原料ガス14を供給することにより、チャネル層10の第1の端部10aをヒドロキシル基で終端することができる。
なお、第2の端部10bは、マスク層27でマスクされているためヒドロキシル基で終端されることはない。
その後に、マスク層27をウエットエッチングして除去する。
これ以降の工程について、図15(a)、(b)を参照しながら説明する。
図15(a)、(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
まず、第1実施形態の図5(a)の工程を行うことにより、図15(a)に示すように、基板17のゲート絶縁層16の表面をヒドロキシル基18で終端する。
そして、図14(b)の工程で第1の端部10aがヒドロキシル基11で終端されたチャネル層10をゲート絶縁層16の上に転写する。本工程は、第1実施形態と同様に、接着テープの接着面にチャネル層10を接着した状態で、そのチャネル層10をゲート絶縁層16に押し当てることにより行い得る。
なお、図14(b)の工程でマスク層27で覆われていた第2の端部10bにおいては、チャネル層10を製造したときに第2の端部10bを終端していた水素が残存した状態となる。
次に、図15(b)に示すように、チャネル層10に対してアニールを行うことによりチャネル層10とゲート絶縁層16の各々のヒドロキシル基11、18を脱水縮合させ、エーテル結合21により第1の端部10aを基板17に結合させる。
そのアニールの温度は特に限定されないが、本実施形態では第1実施形態や第2実施形態と同様に基板温度を約200℃としてこのアニールを行う。
また、第1実施形態で説明したように、乾燥窒素雰囲気や減圧雰囲気のように大気中におけるよりも水分が低減された雰囲気でこのアニールを行うことによりエーテル結合21の形成を促進してもよい。
なお、チャネル層10の第2の端部10bは、ヒドロキシル基11で終端されていないためエーテル結合21が形成されず、基板17から浮いた状態となる。
この後は、第1実施形態に従って図8に示したような半導体装置30の基本構造を完成させるが、その詳細については省略する。
以上説明したように、本実施形態においては、チャネル層10の各端部10a、10bのうち第1の端部10aのみをエステル結合23で基板17に結合させ、第2の端部10bを基板17から浮いた状態とした。
これにより、第2の端部10bが基板17の拘束を受けずに自由に動けるようになるため、第2の端部10b寄りのチャネル層10が平坦となり、チャネル層10内の歪を低減することができる。その結果、歪が原因でチャネル層10におけるキャリアの移動度が低下するのを抑制することができ、その移動度を高い値に維持することが可能となる。
特に、チャネル層10の幅W(図3(a)参照)が狭い場合や、その幅Wと比較して基板17側のヒドロキシル基18の間隔が狭い場合に各端部10a、10bを基板17に固定すると、チャネル層10が湾曲して大きな歪が発生する。よって、これらの場合においては、本実施形態のように基板17から第2の端部10bを浮かせてチャネル層10を平坦にする実益が特に高い。
なお、上記では図14(b)の工程においてチャネル層10の第1の端部10aをヒドロキシル基で終端したが、第2実施形態のように第1の端部10aをカルボキシル基で終端してもよい。この場合は、第2実施形態で説明したように、第1の端部10aがエステル結合によって基板17と結合することになる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基板と、
エーテル結合又はエステル結合によって前記基板に結合した第1の端部を備え、グラフェンを材料とするチャネル層と、
を有する半導体装置。
(付記2) 前記チャネル層は、前記基板から浮いた第2の端部を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記第1の端部と前記第2の端部とは、平面視で互いに離間していることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記チャネル層の中央部が前記基板から離間していることを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5) 前記基板はゲート絶縁層を有し、
前記ゲート絶縁層の下方に設けられたゲート電極と、
前記チャネル層の上に設けられたソース電極と、
前記チャネル層の上に、前記ソース電極から間隔をおいて設けられたドレイン電極とを更に有することを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6) 基板の表面をヒドロキシル基で終端する工程と、
グラフェンを材料とするチャネル層の第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程と、
前記ヒドロキシル基又は前記カルボキシル基で前記第1の端部を終端した後、該第1の端部と前記基板の前記表面とを脱水縮合させることにより、該第1の端部と該表面とを結合させる工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記チャネル層は、前記第1の端部から離間した第2の端部を有し、
前記第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程は、前記第2の端部をマスクしながら、前記第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端することにより行われることを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記基板の前記表面を前記ヒドロキシル基で終端する工程は、前記表面をフッ酸水溶液に曝すことにより行われることを特徴とする付記6又は付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程は、前記第1の端部に飽和炭化水素又は芳香族炭化水素を供給しながら、前記第1の端部に紫外線を照射することにより行われることを特徴とする付記6乃至付記8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記基板は、ゲート電極と、該ゲート電極の上に形成されたゲート絶縁層とを備え、
前記基板の前記表面を前記ヒドロキシル基で終端する工程において、前記ゲート絶縁層の表面を前記ヒドロキシル基で終端すると共に、
前記チャネル層の上に、ソース電極とドレイン電極とを互いに間隔をおいて形成する工程とを更に有することを特徴とする付記6乃至付記9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
1…グラフェンナノリボン、2…シリコン基材、3…絶縁層、4…基板、10…チャネル層、10a…第1の端部、10b…第2の端部、10c、10d…短辺、11…ヒドロキシル基、12…光源、14…原料ガス、15…p型シリコン基材、16…ゲート絶縁層、17…基板、18…ヒドロキシル基、19…カルボキシル基、21…エーテル結合、23…エステル結合、24…原料ガス、25…ソース電極、26…ドレイン電極、27…マスク層、30…半導体装置。

Claims (5)

  1. 基板と、
    エーテル結合又はエステル結合によって前記基板に結合した第1の端部を備え、グラフェンを材料とするチャネル層と、
    を有する半導体装置。
  2. 前記チャネル層は、前記基板から浮いた第2の端部を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記チャネル層の中央部が前記基板から離間していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 基板の表面をヒドロキシル基で終端する工程と、
    グラフェンを材料とするチャネル層の第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程と、
    前記ヒドロキシル基又は前記カルボキシル基で前記第1の端部を終端した後、該第1の端部と前記基板の前記表面とを脱水縮合させることにより、該第1の端部と該表面とを結合させる工程と、
    を有する半導体装置の製造方法。
  5. 前記チャネル層は、前記第1の端部から離間した第2の端部を有し、
    前記第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端する工程は、前記第2の端部をマスクしながら、前記第1の端部をヒドロキシル基又はカルボキシル基で終端することにより行われることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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