JP6134937B2 - 炭化装置 - Google Patents
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Description
発明者はこの問題を解消するために、炭材として竹稈よりも薄くて柔らかい竹の葉を使うことを試みた。表1は発明者が開発した炭化装置で炭化した竹の葉炭と竹稈炭を同じ粉砕装置で微粉末にしたものを粒度分布計で測定したグラフである。竹稈炭は1μm〜35μmの範囲に分布しているのに対して、竹の葉炭は1μm〜10μmと細かい範囲に分布していることを突き止めた。その違いは人による官能評価でもザラザラ感の違いとして評価されている。
特許文献1においては、明細書記載の炉内空間10に炭化用材料Mを装填する方式であるが、発明者が特許文献1と類似の装置で本発明の薄くて柔らかい竹の葉を使って炭化を試みたところ、炭化が進行するにつれて嵩が小さくなって炉の下の部分で灰化してしまう結果となった。特許文献2においては、明細書に記載の炭材Wを詰め込む炭材籠24はステンレス製の網籠であり通気性を十分確保した構造であるため、発明者が特許文献2と類似の装置で薄くて柔らかい竹の葉を使って炭化を試みたところ、通気性が良すぎて熱が直接竹の葉に伝わり炭化後に灰化してしまう結果となった。
これらを鑑みて、薄くて柔らかい竹の葉のような炭材であっても確実に炭化することが出来る炭化装置を提供することを目的とする。
表2は発明者が本発明の炭化装置で炭化を試みた第二炭材の写真である。竹の葉以外にも、蓮の花や毬栗が炭化していることが判る。炭化した蓮の花や毬栗は部屋のインテリヤ等として重宝がられている。竹稈の筒に天然塩を詰め込んだものは、炭化する際に竹に含まれている豊富なミネラル分が塩に浸透して美味しい竹炭塩に仕上がる。
図1乃至3に示すように、炭化装置は炭化装置本体1と冷却槽2、竹酢タンク3、煙突(横)4、煙突(上)5、ブロア6、ユニットベース7、その他の部品から構成されている。炭化装置本体1は炭化炉フレーム7aによって支えられ、冷却槽3及びブロア6は冷却槽フレーム7bによって支えられている。炭化装置本体1と冷却槽2は煙突(横)4によって繋がれている。ブロア6の送風管6aの先端は冷却槽2の上部に繋がれた煙突(上)5の内部に挿入されている。
種火4bを、種火投入口蓋4aを開けて排煙筒13内に投入する。投入した種火4bによって、排煙筒13の下部のスリット13a近傍の第一炭材17の竹稈に着火する。着火した竹稈が燃焼してその燃焼熱で炭化炉内全体を加熱する。
ブロア6の送風管6aから吐き出す空気のエジェクター効果により、前述の通気口(下)11g及び通気口(上)12aから外部の空気を吸い込んで、排煙筒下部のスリット13aから、煙突(横)4,冷却槽2,煙突(上)5を通過して炉外へ排出されるようになっている。
排煙筒13下部のスリット13aの周囲の竹稈の燃焼が進むと、高温の燃焼ガスが炭化炉11内部に充満する。炭化炉11下部の通気口(下)11gと炭化炉上蓋12の通気口(上)12aから流入する空気量だけでは不足してくるため燃焼の炎が消えて炭化状態に入る。炉内の温度は上部ほど高温になっているため、炉内上部の第一炭材17の竹稈から炭化が始まり、竹稈の炭化熱で上部の内釜14の第二炭材18の竹の葉から炭化していく。炭化炉上蓋12の通気口(上)12aを閉じることで炭化に必要な空気量を調節すると共に、炭化炉11内部の上部が直接冷やされることを防いでいる。以下、炉内の下に向かって、第一炭材17の竹稈と第二炭材18の竹の葉の炭化が進む。第二炭材18の竹の葉は、耐火性耐熱材のステンレス材で作った内釜14で保護されているため、第一炭材17の竹稈を最後まで炭化させても灰化すること無く炭化出来る。
(1)内釜14に第二炭材18の竹の葉を詰め込む。
(2)炭化炉11内の第二収納部に内釜14が均等に4段・4列に配置するように、二つ割り以上に割った第二炭材18の竹稈を第一収納部に詰め込んでいく。
(3)炭化炉11下部の通気口(下)11gと炭化炉上蓋12の通気口(上)12aは開けておく。
(4)ブロア6のスイッチを入れる。
(5)種火投入口蓋4aを開けて種火4bを投入する。種火4bには竹稈を細かく割ったものに着火したものが好適である。
(6)種火4bの炎が排煙筒13のスリット13aから排煙筒13の周囲の第一炭材17の竹稈に燃え移つる。
(7)本実施形態では、炭化炉11の容積は約1m3で、内釜16個の合計容積は0.34m3である。排煙筒13のスリット13a近傍の竹稈に着火して燃え始めてから10分〜15分経過すると炉内は燃焼ガスで充満し、やがて竹稈を燃焼させる空気量が不足した状態になり、小さな音を立てて炎が消える。
(8)竹稈の燃焼熱によって炭化炉11内は上部ほど高温になっている。
(9)炎が消えたのを確認した時点で炭化炉上蓋12の通気口(上)12aを閉めて炭化炉11内に流入する空気量を制限する。
(10)竹稈の燃焼熱によって炭化炉11内の上部の竹稈の炭化が始まる。
(11)竹稈の炭化熱によって、上部の内釜14に詰めた竹の葉から炭化が始まる。
(12)炭化炉11全体の炭化が完了に近づくと、冷却槽2から竹酢タンク3に滴下する液が少なくなり、煙突(上)5から排出されるガスの色も透明化を増してくる。
(13)冷却槽2から滴下する液も止まり、煙突(上)5から排出されるガスも透明化した時点で第一炭材17の竹稈と第二炭材18の竹の葉の炭化が完了する。
(14)炭材の含水率にもよるが、完全に炭化するまでに要する時間は大凡14時間から16時間になる。
(15)この時点で炭化炉11下部の通気室11fの通風口(下)11gを閉じて完全に空気を遮断する。
(16)ブロア6のスイッチを切る。
(17)炭化炉11が自然に冷えるのを待って炭化装置本体1を横転して、炭化炉上蓋12を開いて内釜14と炭化した第一炭材の竹稈を搬出する。
2 冷却槽、2a 冷却水管(外)、2b 冷却水管(内)
3 竹酢タンク
4 煙突(横)、4a 種火投入口蓋、4b 種火
5 煙突(上)
6 ブロア、6a 送風管
7 ユニットベース、7a 炭化炉フレーム、7b 冷却槽フレーム
8 回転軸、8a ギヤーボックス、8b ギヤー、8c ウオーム、8d ハンドル
9 連結筒
11 炭化炉、11a 外壁、11b 内壁、11c 断熱材、11d 底板、11e 底板孔、11f 通気室、11g 通気口(下)
12 炭化炉上蓋、12a 通気口(上)、12b 締付具
13 排煙筒、13a スリット
14 内釜
15 内釜本体、15a 本体底面、15b 本体底面孔、15c 本体側板切欠
16 内釜上蓋、16a 上蓋面、16b 上蓋面孔、16c 上蓋側板切欠
17 第一炭材
18 第二炭材
Claims (3)
- 中央付近に排煙筒が立設された炭化炉と、前記炭化炉内の前記排煙筒周りに配置された内釜とを備え、
前記炭化炉の内部であって前記内釜の周囲が第一炭材を収納する第一収納部を形成し、
前記内釜の内部が第二炭材を収納する第二収納部を形成し、
前記排煙筒の内部に投入された種火によって前記排煙筒下部に設けたスリット近傍の前記第一収納部の第一炭材に着火して燃焼する燃焼熱によって第一収納部に収納された第一炭材が炭化され、この第一炭材の炭化熱によって第二収納部に収納された第二炭材が炭化されることを特徴とする炭化装置。 - 前記内釜は、内釜本体と前記内釜本体に対し着脱可能な内釜上蓋とから構成されており、
前記内釜本体の本体底面と前記内釜上蓋の上蓋面には通気孔が複数個設けられ、
前記内釜を複数段に積み重ねたものを前記炭化炉内の前記排煙筒周りに複数列配置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化装置。 - 請求項1乃至2に記載の炭化装置を用いた炭化方法において、
前記第二収納部に竹の葉を収納する工程と、
竹の葉を収納した内釜を前記炭化炉内の前記排煙筒周りに配置する工程と、
前記第一収納部に竹稈を収納する工程と、
前記排煙筒の内部に種火を投入して前記排煙筒下部に設けたスリット近傍の竹稈に着火させて燃焼させる工程と、
前記燃焼させる工程の燃焼熱で残りの竹稈を炭化させる工程と、
前記炭化させる工程の炭化熱で前記内釜に収納した竹の葉を炭化させる工程と、を有することを特徴とする炭化方法。
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